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skebで書かせていただいた作品です。

FANBOXで先行公開し、9/21に全体公開としてpixivに投稿します。


本作には前日譚があります(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19007763)先に読んでいただくと、更にエロさを楽しめます!


現在私のPixivリクエスト(https://www.pixiv.net/request/send?creatorUserId=2467259¤tPlanId=67530)、skeb (https://skeb.jp/@sazankahisashi)、FANBOXにて有償リクエストを募集しています。

1文字1円、5000文字から受付でき、依頼額+5000文字で執筆します。

またFANBOXにて1週間早く読むことができます!

素敵なエロネタがありましたら、僕に具現化させてください!

リクエストお待ちしています!

※僕の知らない作品の二次創作ですと支援者様のものでもお受けできない場合があります。


◆◆◆◆◆


「旦那様、時姫様がお戻りになられました……」

「ゴホッ、オホンッ……ふぅ……わかった、今行く」


 扉越しにメイドの声。

 西久世時茂(にしくぜときしげ)は大きく咳き込み、息を整え、返事をした。

 今日は久しぶりの食事会。

 父と娘と、娘の許嫁である青年での夕食だ。


「まったく……この歳で緊張などとはみっともない。西久世の名を繋ぐ若者たちへの示しがつかないな」


 時茂は汗を拭き、鏡を見ながら身なりを整える。

 鏡の中には白髪で頬のこけた、気難しそうな初老の男が立っている。

 薄くなりかけた髪を必死こいて整える、誰にも見られたくない自分の姿が写っている。

 数年前からの心臓病で、自分でも驚くほどに痩せてしまった。

 シワの数も深さも、日に日に増しているとすら感じる。

 部屋には電動車椅子が常備されており、そこに座る機会も増えてきた。

 かつてはピタリとサイズを合わせていたオーダーメイドのスーツだが、闘病生活にやつれた身体では、完全に振り回されている。

 服を変えれば威厳は消え去り、定年退職した老人になってしまいそうだ。


 旧華族の長男として生まれ、その身分に相応しい教育の元にこれまで生きてきた。

 決められたレールを進むだけのつまらない人生だと揶揄されたこともある。

 生まれのおかげで楽をしていると妬み口を叩かれたこともある。

 けれど、時茂なりにノブレスオブリージュを掲げ、どんな相手にも手を差し伸べる生き方を貫いた。

 どれだけ陰口を言われようと、これまでの人生が無駄だったと感じることはない。


 何よりも、


「しかし、時姫ももうそんな歳なのか……肩車を最後にしたのが……もう何年前になるんだろうな」


 壁を見上げると、時茂の頬がつい緩む。

 常に厳格に、西久世の名に恥じない生き方を貫いてきた男が、唯一顔の強張りを解ける場所。

 それがこの書斎だ。

 壁に並んだ家族写真を眺める時だけは、一人の夫として、そして一人の父としての西久世時茂がいた。


 時茂の目線に合う高さには、10数枚並んだ家族3人の記念写真。

 時茂は、その最後の一つに目を向けた。

 妻と自分と、その間で佇む黒髪の少女が写っている。

 真新しいセーラー服に身を包み、恥ずかしそうに微笑む美少女。

 一人娘にして西久世家の次期当主。

 西久世時姫(にしくぜときひめ)だ。

 小柄で大人しく、時茂のような苛烈さを持たない優しい性格。

 しかし西久世家でも歴史にない頭脳を有する才女。

 春から通い出した学校は、偏差値77の名門中の名門、麻園(まぞの)女子高等学校。

 その中でも成績トップに君臨し続け、10数年に一人しか選ばれない至宝生(しほうせい)の称号を与えられていた。

 西久世家の宝、時茂が己の人生を誇れる証そのものだ。


 そんな時姫が許嫁を連れてきた。

 元より、時姫が生まれた瞬間に締結された婚約だ。

 今のご時世には余りに古めかしい風習だったが、それもまた西久世が西久世のまま続いていくには必要なことだ。

 西久世家にとってベストな選択だが、時姫にとってベストかどうかはわからない。

 しかし、時姫自らが3人での食事会を申し出てきたのだ。

 それはすなわち、男女の仲が進展しているということだろう。

 時茂からの勧めがなくとも、時姫は許嫁との関係を進めていた。

 西久世の人間としての使命感か、はたまた一人の女として見定めたのかはわからない。

 いずれにしても、時茂にとってこの上なく喜ばしいことだった。


「私たちの後をついてきていた時姫が……もう、一人で選んで、歩き出している……まったく、歳をとったんだな私は……」


 写真を取り上げようとして、その手を静かに戻した。

 もし今そこから外してしまえば、愛娘がどこか遠くに行ってしまいそうな気がしたからだ。


「これも歳か……感傷的になるタイプじゃなかったんだがな」


 目元を拭い、時茂は改めて鏡を見直した。

 どこか若返ったかのような風貌の老人が、少し背筋を伸ばして立っていた。


「旦那様、お食事のご用意ができました……」

「わかった。行こう」


 メイドのノックに、時茂は少しだけ声を張って答えた。



ぱちゅッ❤︎ ぱちゅッ❤︎ ぱちゅッ❤︎ ぱちゅンッ❤︎❤︎❤︎


「ンぉ゛ほッ❤︎❤︎❤︎ ほ❤︎ ほォ゛ッ❤︎ ごじゅじッざまッ❤︎ は、はげじッ❤︎ ッぐォ❤︎❤︎❤︎ お゛ッ❤︎ う゛ッ❤︎ お゛ッ❤︎ お゛ッ❤︎ イくッ❤︎ イきまずぅッ❤︎ ご、ごしゅじっ様のちんぽでイぐッ❤︎ ン゛❤︎ くォ゛ッ❤︎ う゛❤︎ ぐッ❤︎ ん゛ぐィイィイィイ゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」

「どもッスお義父さん! 自分、時姫サンの彼氏ッス、いやァ〜財閥? 貴族? でしたっけ……マジ屋敷ン中クソ広いッスね! ゲームの裏ダンくらい迷いましたよォ」

「……ッ! は、ゲホッ、ゴホ、ゴホッ、お゛ほッ! き、きみは……?」


 心臓が止まるかと思った。

 呼吸は実際、数秒するのを忘れていた。

 咳き込み、テーブルに手をつき、嗚咽を漏らす。

 西久世家の人間として、人前で動揺すらも見せたこともなかった男が。

 膝をつき、背中を震わせ、額には汗を滲ませている。

 テーブルを支えに身体を持ち上げ、反対側にいる「婚約者」なる存在を改めて目にする。


「あ゛❤︎ あ゛ッ❤︎ あ゛ッ❤︎ あ゛ォ゛ほッ❤︎❤︎❤︎ イグッ❤︎ イぐゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ご、ごしゅじッさまッ❤︎ だ、だッなさまがイらッしゃい゛まじだッ❤︎ お゛❤︎ ご、あいさッ❤︎❤︎❤︎ ンぎゅべっ❤︎❤︎❤︎ べぎゅ❤︎ ぎゅごへォ゛ッ❤︎❤︎❤︎」

「ッせェな豚オナホォ……ちょっとレイプして「やった」くらいでイイ気になンなやッ! ダンナサマの事気にする前にッ! もっとまんこ締めてオチンポサマ奉仕しやがれ役立たずがよォ!」


ごちゅッ❤︎ ぱァんッ❤︎ ばぢィんッ❤︎ ぼちゅッぼちゅッぼちゅッぼちゅッ❤︎❤︎❤︎


「はごっ❤︎❤︎❤︎ ぐォ゛……げッぎゅ❤︎ ご、え゛ッだじゃッ❤︎❤︎❤︎ しえばずッ❤︎ オナホまっこ締めま……ッごぺッ❤︎❤︎❤︎ ッ❤︎ ッォ❤︎ オ゛❤︎❤︎❤︎ イグッ❤︎ イグイグッ❤︎❤︎❤︎ イグゥウウゥウウゥウ゛ウ゛ウ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ぶしゃァァァ〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎ じょばッ❤︎ ぶじょばァーーーッ❤︎❤︎❤︎


 会食の場には相応しくない、ジーンズとTシャツ姿の男。

 色黒で、ボディーガードのように屈強で、金に染めた髪の端から、ギラギラと下品なピアスが光って見えた。

 湿気が籠ってムッと息苦しい食堂に、キツくふった香水の臭いが充満している。

 それだけでも、時茂がむせかえるには十分だ。

 しかし信じられないのはそこではない。


「さっきからイクイクうるっせェんだよッ! イクのも潮吹くのも今日が初めての癖に吠えるなクソガキッ!」


ばぢゅぃッ❤︎ べぢッ❤︎ ばぢッ❤︎ ばぢッ❤︎ ばぢゅんッ❤︎❤︎❤︎


「イ゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ッ❤︎❤︎❤︎ ウぉ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ごッめッなしゃッ❤︎❤︎❤︎ ごえッなあ゛ッ❤︎❤︎❤︎ あ゛ッ❤︎ ン゛ォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 男はメイドを犯していた。

 テーブルに押し付け、その衣服を剥ぎ取り、裸も同然になった少女の尻を持ち上げ、性行為に及んでいた。

 メイドの乳房をボールのように握り締め、喘ぐ口に指をねじ込み、尻肉が真っ赤になる程腰を打ち付ける。

 時茂が見たこともないような、熱烈かつ荒々しいセックスだ。

 女の……メイドの事など何一つ配慮していない、男のためだけのセックス。

 小さなメイドは男に突き込まれる度に、肉とテーブルの間に潰される。

 ヒトの口から出てはいけない、潰れたような声が飛ぶ。

 身体中から噴水のように汁が溢れ、テーブルとカーペットに広がっていく。


「乳と尻に栄養吸われて脳みそスッカスカなバカメスなんだからよォッ! どうしたら俺が喜ぶかッ! ハメられて学べカスッ! まんこで考えろゴミィッ!」


ばちゅッばちゅッばちゅッばちゅッ❤︎❤︎❤︎ どちゅ……どっちゅどっちゅどっちゅどっぢゅ❤︎❤︎❤︎


「い゛……ッぎ❤︎ ぎゅッぐ❤︎ い゛❤︎ ぎ❤︎ お゛❤︎ お゛❤︎ お゛❤︎ お゛❤︎ お゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎」


 ピストンが早くなる。

 小さなメイドの身体を嬲り潰すかのように、何度も何度も男性器を叩きつける。

 メイドの髪を乱暴に引っ張り、ボール芸をするアシカの如く背筋を反り返させた。

 そのまま逆に折り畳まんばかりの力にメイドは苦痛のあまり泣き叫んで


「イ゛ギュゥ゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ ひぎゅッ❤︎ ンぎ❤︎❤︎❤︎ い゛❤︎ イぎまずッ❤︎❤︎❤︎ オナホイぎま゛ッずぅうう゛う゛う゛ッ❤︎❤︎❤︎ ッオ゛❤︎❤︎❤︎ イグッ❤︎ イ゛ッ❤︎ イ゛ぃッ❤︎ イう゛うううぅう゛う゛う゛う゛う゛う゛ぉ゛〜〜〜〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 いなかった。

 浮かんでいるのは歪んだ笑顔。

 身体を破壊される寸前に犯されて、乱暴な言葉を吐きかけられて、まるでオナホールのように嬲られて。

 それなのにメイドの口元は笑みがあった。


ビュぐる゛❤︎ ぶビュる゛る゛る゛ぅ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎


 男が今一度、メイドをテーブルに押し潰す。

 小さなメイドの体は、黒い男の身体の奥へと消えていく。

 残されたのは、テーブルに爪を立てる小さな手。


「ゥ゛ォオオォォオォ゛ォ゛ォ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ ィぐッ❤︎❤︎❤︎ ざーめっ❤︎ あづッ❤︎ しゅ……ッごォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ こ、これッ❤︎ ぎもぢぃッ❤︎ ぎぼッぢぃいいぃぃ゛ぃ゛ぃ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


ぶじょばッ❤︎ じょばばばばば❤︎❤︎❤︎ ぶじゃぁぁぁぁぁぁッ❤︎❤︎❤︎


 テーブルの下から、水道管が破れた音がした。

 同時に、メイドの手が震え出す。

 ぶるぶると壊れたように震え出す。

 絶頂。

 命を削っているかのような、深く激しい絶頂。

 メイドは身も心も、男とのセックスに溺れていた。


「ふぅ〜〜〜ッ!」


 男がメイドを解放する。

 棍棒じみた黒い男根が、メイドの身体から引き抜かれた。

 一目で強烈なまでの雄を感じる巨大性器。

 あんなモノを受け入れていたと考えると、改めてメイドの笑顔にが不気味に浮かび上がってくる。


「ま、「教育」できりゃイイ感じになんじゃね? コイツ「教育室」行き決定!」

「かしこまりました」


 性器を隠しもせず、男は側に佇むメイドを手招きした。

 即座に二人のメイドが駆け寄る。

 一人はテーブルの上で伸びている少女メイドを抱き起こし、そのままどこかへと連れていく。

 そしてもう一人は……


「失礼致します……はぶ❤︎ じゅるぶぼ❤︎ んぶぼッ❤︎ お゛ぼ❤︎ ぐぼォッ❤︎ お゛❤︎ ごッ❤︎ お゛❤︎ ぼ❤︎ う゛ぶぉ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 剥き出しの男の男性器に一礼したかと思えば、巨大なソレを根本まで飲み込んだ。


「お゛ぶるじゅッ❤︎ ぐぽ❤︎ ぐぷぼ❤︎ れ゛ぅ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎ う゛ぼ❤︎ ごぶぉッ❤︎ ンぐぼぉッ❤︎❤︎❤︎」


 下品な音を恥ずかしげもなく響かせて、男の性器を舐め回す。

 あれだけの男根を飲み込んだのだ、おそらく呼吸もままならないはずなのだ。

 けれど、小さな頭を懸命に前後させ、メイドは一心不乱に奉仕する。

 まるでそれが己の使命だとでもいうように。


「あ゛〜やっぱお前掃除は上手いな……あ、すンませんお義父さん、ちょっとメイド何人か貰ちゃって……あれ?」


 奉仕するメイドの頭を小突いた後、男はようやく時茂の事を思い出したようだった。

 トイレでも借りるかのような気軽さで時茂に手を挙げる。

 しかし、さっきまで膝を突いていた場所に、時茂の姿はなかった。



「げほッ! ごほ……オ゛ッホ! な……なんなんだあの男ッ! おい! 誰か……だれでもいい! いないのか!」


 壁を支えに、肩を引きずり、時茂は来た道を戻っていく。

 理解ができなかった。

 長い人生、今日ほど何一つ理解できなかった日はないだろう。

 何故? という言葉がいくつもいくつも頭をよぎる。


「だ、誰なんだ……ッ! と、時姫が呼んだのか? あの輩を……ぐぅ゛、う゛、ゲホッ! ゴホォッ!」


 何故メイドを犯していたのか?

 何故他のメイドたちは止めないのか?

 それどころか男を補助し、甲斐甲斐しく奉仕までしているのか?

 あの男をどうして「ご主人様」と呼んでいるのか?

 そもそもの話、あの男は何者なのか?

 少なくとも、これまで時姫の婚約者としていた青年ではない。


 そもそも、食堂で待っているはずの娘は、時姫はどこに行ったのか?


「う゛……が、はッ、はッ、はッ……は……」


 わからない。

 理解できないし、例え答えを聞いたとしても理解したいと思えない。

 混乱が痛みを呼び起こす。

 心臓が、肺が、ぎりぎりと固く搾られ捩じ切れそうだ。


 おいぼれが死に際に見た悪い夢であってくれ。

 そう思わずにはいられない。


「だ、旦那様っ! どうされましたか!? もしかして発作が……」


 立ってもいられずその場に倒れ込む。

 そこへようやく、メイドの一人が駆け寄った。

 あの場にはいなかったメイドだ。

 時茂のよく知る常識を持ったメイドだ。

 苦しみの中で、微かな安堵に痛みが和らぐ。

 悪夢から解放された気分だ。

 あの狂気の空間から、とりあえずは脱出できたのだ。


「ゴホッ! ず、すば……ない゛ッ! ゲッホ、ゴホ、ゴホァッ! 薬を……」

「は、はいっ! こちらに……お水もございます……」


 差し出された錠剤を口に入れ、メイドが手にしたコップを受け取る。

 溢れる水にシャツが濡れるのも構わず、一息に口へと流し込む。


「ゆっくりおやすみくださいませ」


 舌の上から喉の奥へと転がる錠剤。

 いつもより不快な、苦味を感じた。


「あ、もう飲ませた?」

「……ご主人様っ! はい、いつもの倍量を……」


 最後に聞こえたのはあの男の声。

 そして跳ねるように明るいメイドの声だった。



「ふッ! ふぐォ゛ッ! お゛! ぐふぅう゛ッ!」

「そんじゃ、西久世家当主交代を記念して! ネオ西久世家ツアーを開始しまァーす! ほら、お義父さん笑顔笑顔!」


 電動車椅子に、簀巻きにされた老人が縛り付けられている。

 指一本動かせず、言葉すら発せず、睨みつけることしかできない芋虫状態で座らされている。


 西久世時茂。

 旧華族、西久世家の当主として財政に携わった現代の偉人。

 戦後間も無く建てられたこの屋敷の主で……「あった」人物だ。

 現在の主は、スマホ片手に自撮りを行う金髪のチャラついた男。

 時茂も知らぬ間に書類が更新されており、既に西久世家の多くの財産が男のモノになっていた。


「ンじゃいきましょっか……お義父さんも初めてでしょ? 「俺の」家を案内しますよ」

「……ッ!」


 しかし、目の前の男がたった一人で、旧華族の財産を奪い取ることなど不可能。

 たった一人なら。


「はーいまずは玄関口からッスね〜。豪華にオナホメイドをずらっと並べてみました〜」


 男はスマホで周囲を撮影する。

 長い廊下の左右に並ぶ、一糸纏わぬ少女たち。


「フーッ❤︎ フーッ❤︎ フーッ❤︎ フーッ❤︎❤︎❤︎」

「ン゛ッ❤︎ ぐォ……ッ❤︎ ほ❤︎ ほォッ❤︎ ぉ゛……〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」

「は❤︎ は❤︎ は❤︎ はッ❤︎ ……ッ❤︎ ふ❤︎ はァッ❤︎ はァッ❤︎ はァッ❤︎」


 膝立ちになった少女たちは、いずれも西久世が雇ったメイドたち。

 今朝まではいつも通り、清楚なメイド服姿で仕事に当たっていたはずだ。

 背筋を伸ばし、音を立てずに廊下を歩き、屋敷中を誇り一つ残さないよう手入れをしてくれていたはずだ。

 今朝、いや夕食の直前まではそうだった。

 全員が時茂を「旦那様」と呼び、何一つ変わらぬ完璧な仕事をしてくれていた。

 それなのに、


「はァッ❤︎ はァーッ❤︎ ご、ごしゅじん様ぁッ❤︎ ご命令くださいッ❤︎ マゾオナホサンドバッグにご命令っ❤︎ 欲しいですぅっ❤︎」

「おチンポくださァぃッ❤︎ ん❤︎ はぁッ❤︎ おっきいおチンポッ❤︎ オナホにくださぁい❤︎」

「は❤︎ は❤︎ は❤︎ こっち❤︎ こっちのおまんこにくださいッ❤︎ もう❤︎ もうおチンポさま2日ももらってないッ❤︎ オナホまんこッ❤︎ 狂っちゃうッ❤︎」

「ふ❤︎ ひッ❤︎ ひッ❤︎ ひぎッ❤︎ イぎゅぅ゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ お゛……ご、ご主人様のおチンポ臭でイぐッ❤︎❤︎❤︎ つよつよ雄遺伝子の臭いで脳やける゛ゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 そこに並んでいたのは、メイドと同じ顔をした牝だった。

 メイド服とは名ばかりの端ないマイクロビキニに身を包み、乳首も股間も曝け出し、肌を擦り合わせるようにして並んでいる。

 弛み蕩けた表情はみんな同じ。

 男への媚びへつらいに満ちていた。

 男を見上げ、神か仏かとばかりにうっとりと頬を赤らめる。

 そして、きっちりと仕事をこなしていたその両手で、己の股間を荒々しくかきまわす。

 豊満な乳房を揉みしだき、乳首を自ら、千切れるほどに引っ張った。


「どうッスかお義父さん! いや〜お義父さんとはオナホの趣味が合いそうでアガりますわ。マジ、乳とケツがデカくなきゃオナホとしても終わりっすよね〜」


 男はメイドたちをオナホと呼んだ。

 人権を無視した物言いだ。

 しかしメイドたちは文句どころか嬉しそうな表情すらも浮かべて見せる。


「ご、ご主人様ッ❤︎ おチンポは空いておりますか? オナホが空いてますっ❤︎ おチンポ欲しくてウズウズ……ッ!」


 男のすぐ隣に跪いていたメイドが、男の靴に縋りよる。

 どこかの国で見た乞食のようなへりくだり様だ。

 男はメイドを見下ろして、


「チッ」


 小さく舌打ち。

 メイドが頬を擦り寄せた足を、


「ぎゃう゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 勢いよく振り上げた。

 当然メイドは、頬につま先を喰らって吹っ飛ばされる。

 赤い整列から飛び出し、男の前に転がった。

 赤く腫れた頬を撫で、メイドは


「あ……はッ❤︎ あ゛❤︎ お゛……お゛ぉお゛ぉぉぉ〜〜〜〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ぷじゅッ❤︎ ぷしゅッ❤︎ プシュプシュプシュッ❤︎❤︎❤︎


 歓喜のあまりに股間から汁気を撒き散らす。

 蹴られた場所に手を置くが、痛みに悶えているのではない。

 例えば有名人に握手をしてもらった後、手のひらに残った感触を思い返すかのような。

 赤い頬を撫で、ゾクゾクと身体を震わせる。


「ふ❤︎ ふッい゛❤︎ あ、ありがと……ッ❤︎ ございますぅッ❤︎❤︎❤︎」

「い、いいなぁ……ご主人様の足でマゾイキしてる……ッ❤︎」

「ああっ❤︎ 羨ましいッ❤︎ 私ッ❤︎ ずっと雑魚オナしかしてないのにッ❤︎ あんなに力一杯愛していただいて……ッ❤︎❤︎❤︎」


 土下座して感謝を叫ぶメイド。

 周囲のメイドたちは、駆け寄って労わるどころか立ち上がる者すらいない。

 ぐちゅぐちゅと己の蜜壺を掻き回し、羨望の眼差しで見つめるばかり。


 男がいかにして、時茂に知られることなく西久世の遺産を奪えていたのか。

 それは、時茂「以外」が男の手に落ちていたからだ。

 屋敷に住まうメイドたちが、皆男の手に落ち、まるで神かのように崇拝するまでに狂わされていたからだ。

 土下座するメイドの正面に、男が立つ。


「おい」

「ッ❤︎❤︎❤︎ はッ❤︎ はひィッ❤︎❤︎❤︎」


 短い言葉。

 しかしメイドは雷に打たれたように身をすくませた。

 ぷじゅ❤︎ と牝汁がカーペットに散らばる。


「何がありがとうだ? このカスメイド」

「フーッ❤︎ フーッ❤︎ ご、ごぉッ❤︎ ご主人様のッ❤︎ 高貴なるお脚で……ッ❤︎❤︎❤︎ オナホメイドの不細工顔を撫でていただい……てぇッ❤︎」


 彼女は。

 えへえへと緩みきった笑顔で頬を撫で、思い出し絶頂に全身を硬直させたメイドは。

 若いながらもきびきびとした働きぶりが目立つ少女だった。

 元々陸上競技で全国レベルを戦っていたらしく、メイドの中では誰よりもパワフルだった。

 そこで培われた体力と筋力で、屋敷の庭作業を任されるまでに信頼されていた。

 「この髪型しか知らないから」と、いつもクールなポニーテールを揺らしていた。

 そんなメイド少女は、


「テメェの感謝はどうでもイイんだよッ! 俺は! 俺の靴が汚れてンのに何もしねェカスメイドの話をしてンだよォ゛!」

「い゛ッ❤︎❤︎❤︎ ぎゅ❤︎ お゛ぉ゛〜〜〜っ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ もッ❤︎ もォ゛ッしわけございませっ❤︎ あ゛ッ❤︎ そ、そんなッ❤︎ そんな力で乳首ッ踏んだらッ❤︎ あ゛ォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ぐ❤︎ ンぐィ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 革靴の底で乳房を踏まれ、苦悶と絶頂を行き来していた。

 土下座すれば床に着いてしまうほどの豊満な乳房。

 柔らかく、そして繊細なそれを、男は容赦無く踏みつけ、ぐりぐりと追い打ちする。


「俺の靴を汚して、床に雑魚汁撒き散らして、何がメイドだ? あ゛?」

「あい゛ッ❤︎ はぃい゛ッ❤︎❤︎❤︎ ご、ご主人様をご不快な気持ちにさせでしま゛ッ❤︎❤︎❤︎ ンぃい゛ッ❤︎❤︎❤︎ も、もうじわげッ❤︎ お゛❤︎❤︎❤︎ イぐッ❤︎❤︎❤︎ う゛❤︎ ごめんなさいッ❤︎ 謝罪しなくちゃイけないのにッ❤︎❤︎❤︎ ご主人様に無礼を詫びなきゃいけない駄目オナホなのにッ❤︎ イぐッ❤︎❤︎❤︎ 雑魚イキで罪重ねちゃぅう゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 理不尽に嬲られ、罵られ、道端のガムよりも悲惨な扱いを受けているのに。

 メイドは更に絶頂を重ねて、恍惚に頭を揺らす。


「チ……お前もうダメだな。メイドやめろ」

「ッ!」


 西久世家で働くことに誇りを感じる、と時茂に笑って語ったメイドは。


「明日からオナホ専属な」

「ッ❤︎❤︎❤︎ はイッ❤︎ かしこまぃい゛ぎッ❤︎❤︎❤︎ お゛❤︎ ご……っお゛ぉおぉお゛お゛お゛ァーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


プシィーーーッ❤︎❤︎❤︎


 男に乳房を踏み潰されて、腰を跳ね上げるほどに絶頂していた。


「……サせんッすお義父さん、俺も教育まだまだ勉強中なんスわ」


 男が時茂に振り向いた。

 苛烈なメイドへの折檻から数秒とて経っていないのに、既に軽薄な笑みを浮かべている。

 男の足元では、失神したらしきメイドがビクビクと痙攣していた。


「コレ、オナホ倉庫に持ってって」

「かしこまりました」

「ただいまお掃除致します」


 踵でメイドの頭を叩く。

 すると、左右の列から素早く二人が飛び出した。

 一人が気絶したメイドを引きずって、どこかへ運んでいく。

 一人が男の前に土下座して、靴についたメイドの汁を舐めて落とす。

 景色を見れば異常の一言に尽きる。

 しかし無駄のない手際の良さは、時茂も知るメイドたちのそれだった。


「ンじゃ、綺麗になったらいきましょっか」

「れぅ❤︎ は……んるぇ……え゛ゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎ あ、ありがとうございますッ❤︎ んふ❤︎ れゥあッ❤︎」


 靴を舐めるメイドの顔を靴裏で押し退け、男はヘラヘラ笑う。

 メイドたちを人としても、もしかしたら同じ生き物としてすら見ていないのか。

 そんな想像と共に、時茂の背に冷たい汗が流れていく。


「さ、次は教育室に行きまァ〜す!」


 スマホに手を振る男へと、時茂が座る車椅子が動き出した。

 左右には狂気の目をしたメイドたち。

 通り過ぎる当主には目もくれず、その先の男しか見ていない。

 たった一晩程度でこれほどまでの変化が起きるはずがない。

 これだけの数のメイドたちを、男の性欲一つで服従させるにはどれだけの時間をかけるのか。

 この屋敷は、西久世亭は、一体いつからこの男の侵食を許してしまったのか。


『お父様……ほ、本日の夕食を、ご一緒に食べていただきたいお方がいるのですが……』


 今宵、男を呼んだのは。


「時姫……ッ! 何処にいるんだ……ッ」


 そう呟いた口は、くつわが噛まされていて動かなかった。

 当然、返事が返ってくることもなかった。



 「教育室」は、住み込みのメイドたちに割り当てた区画の奥にあった。

 十数年前までは目まぐるしい仕事の連続で、返っても自室と風呂場と書斎くらいしか歩く場所はなかった。

 半ば引退し、闘病しながら隠居しつつあるここ最近でも、やはり屋敷全体を見ることはほとんどなかった。


「くぉーーーッ❤︎❤︎❤︎ ごしゅじんさまッ❤︎ ご主人様万歳ッ❤︎ おチンポ様ばんざぃいッ❤︎❤︎❤︎」

「フー❤︎ フー❤︎ がま゛ンッ❤︎❤︎❤︎ がまン゛ン゛ン゛ッ❤︎❤︎❤︎ ご主人様のおチンポ様はもっとおッぎぃいぃい゛い゛い゛ッ❤︎❤︎❤︎」

「すふゥ゛〜ッ❤︎ ッお゛❤︎❤︎❤︎ ほ❤︎ ほぉ゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎ すごッ❤︎ ご主人様のパンツ匂いすごッ❤︎ おチンポ様近いッ❤︎ のーみそにご主人様はいッてクる゛ぅうぅう゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 まさか自分が寝泊まりしている屋敷の中で、こんな世界が形成されていたなど。

 想像できるはずもない。

 一瞬だって想像した時点で、自分の正気を疑っていたに決まっている。

 こうして実物を目にした状態でさえ、悪夢か幻覚ではないかと疑っているくらいだ。


 本来はメイドたちの交流を促すためのリビングとして用意した部屋。

 そこはサウナのように湿気が立ち込める、汚らしい家畜小屋と化していた。

 裸の少女たちがひしめき合いながら自らの、もしくは隣合う誰かの淫肉を貪るように弄っている。


ごちゅッ❤︎ ごちゅッ❤︎ どぢゅるッ❤︎ ずるぅ゛〜〜〜ずぬ゛ぢゅンッ❤︎❤︎❤︎


「ほーッ❤︎ ンぉ゛ッ❤︎ イぐッ❤︎❤︎❤︎ ご、ごしゅじッさまッ❤︎ しょこ❤︎ しょこッもっとコスってくらしゃィッ❤︎ んぐ❤︎ う゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎ 違うッ❤︎ ご主人様ならもっとッ❤︎ もっとズコズコハメてくださったのに゛ぃいッ❤︎❤︎❤︎」


 己の手で、バイブで、太いディルドで、自らの蜜壺をコスり、刺激し、ハメ倒す。

 足元が水たまりになるまで潮を吹き、それでもオナニーの手を止めることなくイき狂う。

 床に設置されたディルドときたら、道端のポールかと思うほどに太く長く、凹凸に塗れている。

 グロテスクでさえあるディルドの上で、メイドたちは汗を流して腰を落とす。

 腹がボコりと膨らむまでに子宮を犯し、嬉しそうに潮を吹く。

 皆一様に、手やバイブやディルドに「ご主人様」「ご主人様」と語りかけ、男に犯される様を妄想しながら溶けていく。


「最近メイドになった連中は、ここでしっかりオナホメイドに教育してンすよ。雑魚い穴とかマジ勘弁なんで……あ、さっきの奴もあっこでオナってますね」


 男と時茂は、ガラス越しにその景色を眺めていた。

 最近になって多くの若い少女たちがメイド募集に集まってきたことは知っていた。

 皆、志望動機は「時姫さんのため」と口を揃えて言っていた。

 その結果がコレだというのか?

 女体同士が重なり合うようにひしめく世界。

 一人として正気の顔をした者はおらず、己の身体に快楽を満たすためだけにもぞもぞと蠢いている。

 マジックミラーになっているのか、ガラスの近くでこちらに向けてオナニーをし始める者もいる。

 きっと彼女には自分の無様な痴態が見えているのだろう。

 勃起させた乳房を引っ張り、クリトリスとおまんこを細指で懸命にコスりつけている。

 吹き出す潮で、その部分はすっかり向こうが見えなくなっていた。


「う゛フーッ❤︎ フ❤︎ フーッ❤︎ ン゛❤︎ ぐッふゥ゛ウ゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎ が、ま゛ンンン゛ッ❤︎❤︎❤︎ ン゛ッ❤︎ ぐ❤︎ お゛ッ❤︎ ぎッ❤︎ くぎィィィーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」

「ほら、また30秒も保たなかった。オナホメイドになりたいのでしょう? ならばせめて1分は我慢しなさい。このままではただのマゾサンドバッグにしかなれませんよ?」

「ほーッ❤︎ ほ❤︎ ほォッ❤︎ んぉ゛……ッ❤︎ も、もォッ❤︎ もぉしわへッご……ざいまへ……ッ❤︎❤︎❤︎」


 一方、ソファでは二人一組のメイドたちのまぐわいがあった。

 手慣れた様子のメイドと、汗だくで股を開けひろげ、ハヒーハヒーと息絶え絶えのメイドのペア。

 見覚えのあるメイドが、新米らしきメイドに「教育」を施しているのだろう。

 四肢を縛られたメイドは股間を広げたポーズに固定させられ、先輩メイドの責めを一方的に受け入れている。


じゅぼッ❤︎


「ンぎォ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


ごッ❤︎ ごッ❤︎ ごちゅッごちゅッごちゅッごちゅッ❤︎❤︎❤︎


「お゛ッぐ❤︎❤︎❤︎ ふぎゅッ❤︎ く❤︎ ほォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ せんぱッ❤︎ これしゅごッ❤︎ しキュ❤︎ しきゅッイぎま゛ずッ❤︎❤︎❤︎ も、もうがま゛ンでぎッ❤︎❤︎❤︎ ほごァ゛ッ❤︎❤︎❤︎」

「甘えないでください。ご主人様のおチンポ様はこれの何倍もお強いのですよ? 私如きの手では再現出来ないほどに激しく突いてくださるのですよ? この程度で根を上げているのならオナホメイド失格です」


 極太ディルドで犯される新米メイド。

 先輩メイドは淡々と、しかし躊躇することなくディルドを叩きつける。

 新米メイドが喚こうが暴れようが、手が濡れるほど潮吹きしようが、渾身の力でディルドを奥まで捻じ通す。


「そッだ❤︎ だ❤︎ だッえ゛❤︎ もッ❤︎ くぎょォ゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎ おっぱい゛ッ❤︎❤︎❤︎ おっぱいぢぎえう゛ッ❤︎ ぎも゛ぢッ❤︎❤︎❤︎ おっぱいぎぼぢぃい゛い゛い゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」

「こんなもの、ご主人様の愛撫にも劣ります。感度が良いのは結構ですが、私たちはあくまでご主人様のマゾイキオナホであることを忘れないでください。おチンポ様が満足されるまで、オナホがくたばってはいけませんからね」


 開いた手が投げ出された乳房を握る。

 餅のように引っ張って、手のひらサイズの乳輪を握り締める。

 新米メイドは白目をむいて再び潮吹き。

 ガクガクと仰け反ったまま戻ってこれなくなる。

 しかし、先輩メイドの愛撫は止まない。

 気絶したまま、何度も何度も絶頂を迎えさせられる。


「最初は一人一人教えてたンですけど……カスアナばっか相手すんのも面倒なんで、出来の良いオナホに他のオナホを「作らせ」てンです」


 「俺天才っしょ?」と男は笑った。

 時茂は暴れる気力すら残っていなかった。


 時茂はただ、必死に瞬きをしながらその景色を見ていた。

 いつか、次に瞼が空いた瞬間に、いつも通りの世界に戻っていることを願いながら。


「ふッ❤︎ ふッ❤︎ ンぐふーッ❤︎ ごしゅじッ様ッ❤︎ ごしゅじん様ごしゅじんざばぁあ゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ーーーおまんこさびじぃッ❤︎ オナホ穴使ってほしぃですぅううう゛う゛う゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 しかし現実はいくら経っても変わらない。

 まるで時茂の現実逃避を阻むように、部屋の中央から声が上がった。

 部屋の中央、這いつくばって円を描く女体を見る。

 10人ほどのメイドたちが顔を突き合わせて何かに群がっていた。

 豊満なヒップがずらりと並び、もじもじもぞもぞと揺れている。

 さながら何処かの民族の儀式にも見えるその集団は、中央の何かに顔を埋めているようだった。


「やっぱアレ、ウケますよねェ! まんこでしかモノ考えてねェ乳猿ばっかなンすわ」


 時茂の視線に、男が入る。

 メイドたちを猿と呼んだその顔は下劣の一言に尽きる。

 本当に、マジックミラー越しに猿山でも見ているかのような表情だ。

 知恵なき獣の間抜けな仕草を見て笑う、外道にしか出来ない表情。


「アレマジ、動画撮ったら確でバズるンすよ……何回見ても笑けるから……ちょ、待っててくださいね」


 男は唐突に服を脱ぎだした。

 ヨレヨレのジーンズを床に捨て、トランクスも下ろしてしまう。

 そしてトランクスを丸め、上に向かって放り投げる。

 天井部分には向こう側と繋がっている穴が空いており、丸まったトランクスはぴたりとそこを通り抜け、メイドたちの肉溜まりへと飛んでいく。


「パンツッ!」


 誰かが叫んだ。

 床を這うメイドたちが一斉に顔を上げる。

 一瞬だけ、肉溜まりの波が停止した。

 凪に入ったかのような空間に、ポトリとトランクスが転がった。

 次の瞬間。

 トランクスへと肉津波が立ち上る。


「ご、ご主人様ッ❤︎ ご主人様の脱ぎたてッ❤︎ あったかいパンツぅッ❤︎❤︎❤︎」

「ん゛ぉ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎ く❤︎ の、脳っ❤︎ 脳みそとけるッ❤︎ おチンポ様の臭いづよォ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


 メイドたちは次々にトランクスへと顔を近付け、フスフスと鼻息荒く臭いを嗅ぎだした。

 あっという間にトランクスを中心とした肉の円形が出来上がる。

 顔を突き合わせ、1ミリでも近くで臭いを味わおうとひしめき合って、股間を一心不乱に捏ねくり回す。


「すぅ〜ッ❤︎ はァッ❤︎ お゛❤︎ お゛〜〜〜ッバカになりますぅっ❤︎❤︎❤︎ おチンポ様にバカメスにしていただいてますぅぅぅ゛ッ❤︎❤︎❤︎」

「は❤︎ はッ❤︎ はッ❤︎ はッ❤︎ はぁ゛……お゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ッ❤︎❤︎❤︎ 脱ぎたてッ❤︎ ご主人様の脱ぎたてッ❤︎ う゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎ もっどほじぃッ❤︎ おチンポもっとほしぃよぉお゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 尻をフリフリ、股間に手を突っ込んで、メイドたちは次々パンツを嗅ごうと集まってくる。

 見れば、先ほどまで円が出来ていた場所には擦り切れたパンツの残骸が残っていた。


「ギャハハハハハハッ! 見ました? 今の動きヤバないッスか!? は、ハヒャッ! ひ、ひーッ! ひィーッ腹いてぇッ! マジ同じ人間と思いたくねェーッ」


 男は撮影しながら大爆笑。

 涙まで流し、メイドたちの姿を撮影している。

 時茂は答えられなかった。

 目の前に広がる景色に自分が混ざりたいとは思えなかった。

 時姫を連れて動物園に行った記憶が蘇る。

 猿たちが人間におねだりの真似事をしてみせるのだ。

 そうして放り投げられたリンゴの切れ端を、我先にと取りに行く。

 今、少女たちがそうしているように。

 マジックミラーを一枚挟んで、向こう側はケダモノの檻だった。


「アレがマゾメスの生徒とか、日本終わってますよねェ」


 時茂は男を見上げた。

 「知らなかったんスか?」と、男はスマホ画面を見たまま尋ねる。

 お互いを押し除けながら、浅ましく男の下着を求めている少女たち。

 他のメイドたちと同じハレンチなマイクロ衣装を纏っているその顔には、確かに見覚えがない。

 いや、そもそも。

 広い西久世邸とは言え、こんなに大勢のメイドはいなかったはず。

 面接資料には目を通している時茂だからこそ断言できた。

 ならば、ここでひしめき合っている少女たちは……


「日本最高峰の看板、ここに飾っときます?」


 マゾメス……麻園女子高等学校の生徒たち。

 時姫が通う学校の、クラスメイトや、先輩。

 猿じみて男の下着を奪い合い、汁を撒き散らしてオナニーする彼女たちが。

 いずれはこの社会を背負っていかんとする令嬢たちなのだ。


 時茂はまた、何度も何度も瞬きをする。

 痛いくらいに瞼を引きしぼり、そして開く。

 どれだけ繰り返しても、目の前の景色は変わらなかった。

 それどころか。

 見てしまった。

 見つけてしまった。

 時姫ではない、けれど。

 時姫と同じくらい、見たくなかった少女の姿。


「お、アレ、そろそろ仕上がっただろ……」


 全く同時に、男も彼女を見つけたらしい。

 マジックミラーの端に付けられた扉を開けて、雌猿の檻に入っていく。


「ッッッ!」

「ご……しゅじんさま……ッ❤︎❤︎❤︎」

「お、おチンポ勃起なさって……ッ❤︎ わ、わたくしたちのオナ部屋に……ッ❤︎」

「きたッ❤︎ マゾオナホにしていただけるチャンスッ❤︎❤︎❤︎」


 突然の男の登場は、パンツ以上に少女たちをざわつかせた。

 オナニーの手を止め、パンツを落とし、一斉に男に頭を下げる。

 縛られて動けない者や、失神したまま伸びている者を覗き、少女全員が一点に……男に向かって土下座する。

 さながら神の降臨だ。

 男という唯一の存在が、脳みそを焼き尽くしたかのような雌猿たちに導きを与えんとしている風景だ。


「どけ、邪魔だゴミ」

「あ゛ぅッ❤︎❤︎❤︎」

「んぎッ❤︎ ひ……ッ❤︎❤︎❤︎」

「も、もぉしわけご……ぎゃンッ❤︎❤︎❤︎」


 男はまっすぐに進んでいく。

 歩く道に土下座する少女たちを、躊躇なく蹴り飛ばし、時には踏みつけ、1ミリとてズレることなく歩を進める。

 蹴り飛ばされた少女は歓喜に喘ぎ、男が触れた場所を嬉しそうに何度もさする。

 触れてもらえなかった少女は残念そうに男の背中を見上げ、股間をこっそり弄った。


 女体の波を力でこじ開け、男は一人の少女の元へと辿り着く。


「久しぶりじゃん」

「フーッ❤︎ フーッ❤︎ お゛ッ❤︎ お゛ひさしぶり、でッ❤︎ ですッ❤︎❤︎❤︎」


 先ほどまでは、他の少女に混ざって見えなかった。

 全員が同じ姿勢で並んでいると、一転して彼女だけが際立って見える。

 キラキラと艶やかな金色の髪。

 男のように、雑に染めた人工物ではなく、正真正銘のプラチナブロンド。

 ドロドロに汚れた世界にあって、彼女の髪は今尚宝石のように輝いていた。


「ンだよ、前に会った時は殺すとか訴えるとかきゃんきゃん吠えてたじゃん」

「ーーーッ❤︎❤︎❤︎ そ、その節はッ❤︎ た、大変ご不快な思いを……ッ❤︎ 申し訳ございませんでしたァッ❤︎❤︎❤︎」


 男がブロンドヘアを握る。

 力ずくで少女の身体を引きずり上げる。


「ぎぅ゛ッ❤︎ ぐ……ふッ❤︎ ふッ❤︎ ふぅ゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


 丸い目に輝く蒼い瞳。

 西洋の血を色濃く受け継いだその顔は、どこか、時姫の面影がある。


 両手が動いたら、時茂は顔を覆っていただろう。

 あの子の顔を見たくなかった。

 時姫にそっくりな少女が……


「なァ……えっと、ニーナちゃんだっけ? 俺の事殺してくんねェの?」

「ヒュぎッ❤︎ ふ❤︎ ふゅッう゛……お゛ゥぐッ❤︎❤︎❤︎ こ、こにょッ❤︎ くず……やりょ゛ッふ❤︎ ふぎィい゛い゛い゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


プシィィィィッ❤︎❤︎❤︎ ぶじゅッ❤︎ じょぶッばァーーーッ❤︎❤︎❤︎


 ニーナ・東洲斎(とうしゅうさい)。

 時姫と同じ、マゾメスに通う少女。

 西久世の血を引く財閥の令嬢。

 つまりは、時姫の親戚筋に当たる少女。

 男の手に爪を突き立て、振り払わんと暴れている。

 この狂った世界において、今尚男の束縛から逃れようとしていた。

 時茂と同じ、正気を保った少女だ。


「は、はだぜッ❤︎ アタシはまだッ❤︎ お前如きッ❤︎ ご、ご主人様とはみどめへッ❤︎ ンぉ゛❤︎ ぐォ゛ほッ❤︎❤︎❤︎ ほォお゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」

「お゛ぉい? このクソガキまだ元気じゃん……俺、次会う時は自分からチンポ舐めるまで教育しとけっつったよな?」

「ッ❤︎ も、申し訳ござませんッ❤︎」


 頭より大きく実った乳房が、男に握りつぶされる。

 男はニーナなど見ていない。

 側で土下座し、ぶるぶる震える先輩メイドを睨みつける。


ごちゅッ❤︎


「んぎィ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 硬いものが落ちる音。

 男が、メイドの頭を踏みつけていた。

 メイドは……やはり、尻を振り乱して絶頂していた。


「はぁ……マジ使えね……ま、いいや」


 メイドの髪で足を拭き、男はニーナに向き直る。


「ッ❤︎ ン゛❤︎ ふ、ふッ❤︎ ふーッ❤︎❤︎❤︎ はなせ……ッ❤︎ お前みたいな下劣な人間ッ❤︎ アタシは絶対に屈しないッ❤︎」


 ニーナは一瞬、身体を強張らせた。

 プシュッ❤︎ と股間から潮が吹く。

 しかし、己を奮い立たせるように鼻息をあげる。

 そしてキッと男を睨み上げた。

 時姫にそっくりの顔立ちながら、彼女は強い女性だった。

 時折一緒に遊ぶ時も、時姫の手を引くタイプだった。

 この場所に連れてこられてどんな目に遭ったのかは想像もできない。

 けれど、それを乗り越えるだけの意志の強さがあったのだ。

 西久世家の誇り高き心の象徴だ。


 そんな風に、時茂が思っているのを見透かすように。

 男は時茂を見て、笑った。


「ふぅ〜ん? ところで」


 ニヤニヤ笑い、男はニーナの手を取った。


「すッげェオナニーたこできてンじゃん」

「ッ❤︎❤︎❤︎」


 弾かれたように。

 ニーナは手を背中に隠した。

 しかし、


「あ゛ぎッ❤︎ ぐ……い゛……い゛だッ❤︎ あ゛……❤︎」

「おーおーすげーな……この一週間寝てないんじゃね?」


 力で男に敵わない。

 男はヘラヘラ笑いながら、細腕を力づくで引き戻す。

 時茂にも見せつけるように持ち上げた。

 スラリと細い指の先、ペンだこのように幾つも膨らみができている。


「これッ❤︎ これはちが❤︎ 違うッ❤︎ ここのきったない生活で怪我し……てぇ……ッ❤︎」


 ニーナは暴れる。

 けれど、先ほどまでより弱々しい。

 あの強い視線をキョドキョドと左右に動かす。

 男に腕を握られて、「ッ❤︎」と頬を赤く染めた。


 数秒前とは一変していた。

 あんなに誇らしく見えたニーナの姿は消えていた。

 もじもじと男の顔と、身体と、そしていきり勃つチンポとに視線を動かす少女の姿は。

 口先ばかりで反抗しているだけの牝。

 周囲のメイドたちと何ら変わらない、肉欲に溺れた牝猿だった。


「はァ……めんどくせェなこのガキ……もう直でヤるか」

「……ふぎゃァ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 小さな体躯が押し潰される。

 倒れたニーナの顔面に、


「は……ぁ❤︎ んぎひッ❤︎❤︎❤︎ ぢょッ❤︎ おチンポさ……チンポッ❤︎ 触らせない゛へっ❤︎❤︎❤︎」


プシィッ❤︎❤︎❤︎


 勃起チンポが打ち付けられる。

 ニーナが必死に繕っていた強がりはもうボロボロだ。

 チンポを頬にペチペチと当てられて、「ンぎっ❤︎ ぐひィ゛ッ❤︎❤︎❤︎」と多彩に喘ぐ。

 股間からプシュプシュ潮が吹き散って、オナニーする手が濡れそぼる。


「はァ〜ッ! ごちゃごちゃうッせェッ!」


ごりゅ❤︎ ぶッごぼッ❤︎❤︎❤︎


「ごッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


プシプシぶッじィィィィィィッ❤︎❤︎❤︎


 イラついた男が、ニーナの口をチンポで塞いだ時。

 ニーナの強がりは木の葉のように飛んでいった。


「テメェが一日に何回オナってっかはとっくにバレてンだよォッ!」

「ぐォぶ❤︎❤︎❤︎ お゛ぐッ❤︎ んごぼ❤︎ う゛ごぼォ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 ニーナの頭蓋を両手で握り、男の腰が前後する。

 西洋混じりの美しい顔が、何度も何度も殴打される。

 ニーナの手は男を振り払おう……などとは動いていない。


グチュッグチュッグチュッグチュッ❤︎❤︎❤︎ ジュップジュップ❤︎ ごちゅごちゅごちゅごちゅッ❤︎❤︎❤︎


 乳房をぶるぶる弾ませて、太いもも肉を左右に開けて、真っ赤な股間を一心不乱に掻き回す。

 喉の奥までチンポをねじ込まれ、酸欠に白目を向いて。


ごぶりゅッ❤︎❤︎❤︎ ごびゅる❤︎ びゅるるるる゛る゛る゛ッ❤︎❤︎❤︎


「ぐォげ……ッ❤︎❤︎❤︎ お゛……げッぎゅ❤︎ ぶ、げゥ゛お゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


プシュ❤︎ プジュジュジュジュッ❤︎❤︎❤︎ じょばばばば……ァ……❤︎❤︎❤︎


 ニーナは絶頂していた。

 チンポが抜けると同時に、ニーナの身体が仰向けにひっくり返る。

 ぱっくり開いた間抜けな口、左右に開いた手足と乳房。


「お゛っ❤︎ お゛ほォ゛ッ❤︎ ほ❤︎ ほォ゛……お゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


 潰れたカエルのようにイき散らす。

 見事なまでの牝猿だ。

 半ば意識をトばしてしまったニーナにさえも、男は欠片の慈悲もない。

 足を振り上げ、


「ぎゅげへッ❤︎❤︎❤︎」


 晒された子宮に振り下ろす。


「コイツ、次来る時までオナニーお預けな。暴れたら縛って置いとけ」

「かしこまりましたッ❤︎」


 先輩メイドに引きずられ、奥へと消えていくニーナ。

 男の精液が溢れる口元は、


「は……はひッ❤︎ ひ……ひ❤︎ ひィッ❤︎ ひィ゛ッ❤︎ ひィ゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


 品性を失った笑顔が浮かんでいた。



パンッ❤︎ パンッ❤︎ パンッ❤︎ パンッ❤︎❤︎❤︎


「んぁ゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ほォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ごしゅッ❤︎ ごしゅじッさまッ❤︎❤︎❤︎ はげしッ❤︎ おチンポ様つよしゅぎッで❤︎ オナホっ❤︎❤︎❤︎ 壊れちゃいまッすぅう゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」

「ンだよッ乳ブタッ! ごちゃごちゃうるせぇな……そんなに壊れんのが嫌か? 俺のオナホの癖にそんな贅沢吐くのか!? 何とか言えゴミオナホぉ゛! 由緒あるニシクゼさんちのメイドだったんだろォ?」

「ぷぎッ❤︎❤︎❤︎ んぎゅへッ❤︎❤︎❤︎ い゛ッ❤︎ いえ゛ッ❤︎❤︎❤︎ こわされたい゛でずッ❤︎❤︎❤︎ オナホッ❤︎ ご主人様にハメ壊されて死にだいでずッ❤︎❤︎❤︎ ごわじでくだざいッ❤︎❤︎❤︎ このままッ❤︎ 雄様のチンポでごろじでぇッ❤︎❤︎❤︎」


 浴室に響き渡る打肉のメロディ。

 雄がオナホを罵る怒号。

 オナホが笑顔で破滅を強請る嬌声。


 時茂が毎日のように使っていた広い風呂場は、下品なハーレムソープと化していた。

 数人のメイドが己の身体に泡を纏わせ、男の身体に抱きついていく。

 乳房や尻をスポンジ代わりに男の身体を洗うのだ。

 これまでに出会ってきたメイドたちの中で、一等バストとヒップが強烈なメンバーが揃っている。

 そこにはメイドたちの中でリーダーシップを張っていた少女や、最近入ったばかりの少女、またマゾメスでの記念撮影で時姫と共に写っていた少女もいる。

 この場に揃ったメイドたちが、彼女たちの階級でトップの面子なのだろう。

 男を囲むオナホたちの顔はどこか誇らしげ。

 男の身体に擦り寄る様には美しさすら垣間見える。


 方向性は違えど、少女たちは皆それぞれ、輝く才覚を持っていた。

 この男にさえ出会わなければ、各々が求める道に進み、多くの人に感謝される人物になっていたことだろう。

 そう、この男にさえ出会うことがなければ。


ごりゅッ❤︎ ごりゅッ❤︎ ごぢゅ❤︎ ごぢゅ❤︎ ごぢゅッごぢゅッごぢゅッごぢゅッごぢゅッごぢゅッ❤︎❤︎❤︎


 男のオナホとしてハメ捨てられることに喜びを覚える狂信者にさえならなければ。

 数多の輝く未来が待っていたはずなのだ。


「だったらとっとと死ねやブタぁッ! つか、テメェまたオナりまくってンだろッ! Gスポ腫れててチンポ引っかかんだよ! 何が俺のチンポで壊されたいだッ! そう思うんならオナニーごときで体力使ってんじゃねェぞボケぇッ!」

「ンお゛ッ❤︎❤︎❤︎ もぉ゛ッじわへございあへッ❤︎❤︎❤︎ おわびじばッ❤︎❤︎❤︎ じんでおわびじあずぅッ❤︎❤︎❤︎ イぐ❤︎❤︎❤︎ イぎじにまずッ❤︎❤︎❤︎ ぐぉ゛……ぎ❤︎ ぎゅぎぃい゛い゛い゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 

 四つん這いになったメイドが、乳房を揺らして絶頂する。

 後背位でのしかかられ、両腕で首を締め付けられながらの連続ピストン。

 口元に泡を吹くメイドの顔は、それでも歓喜に満ちている。

 本当にこのまま息が絶えても良いとすら思っているのか。

 両手はやはり、抵抗ではなくオナニーを選んでいた。

 暴れる乳房をこねくりまわし、少しでも快感を得ることだけに全てを費やしている。


ビュルーーーッ❤︎❤︎❤︎ ビュる❤︎ ぼビュる゛ッ❤︎❤︎❤︎ びゅるるるる゛ッ❤︎❤︎❤︎


「い゛ぉ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ あ゛❤︎ あ゛り゛あ゛どッ❤︎❤︎❤︎ ござッ❤︎ あ゛ずッ❤︎❤︎❤︎ お゛❤︎ ぐ……ッお゛……❤︎❤︎❤︎ イぐッ❤︎ イぎまッ❤︎❤︎❤︎ おな、ほッ❤︎ し……しにま……えベッ❤︎❤︎❤︎」


 射精と同時にメイドも絶頂。

 タイルの床に潮吹きを散らし、見開いた狂気の瞳で虚空を見つめる。

 意識をトばす最後の瞬間まで、男への感謝と忠実な命令遂行を口にする。

 しかし、一方の男はと言えば、


「おい、次早く来い。ガキの教育でチンポイラついてンだちんたらすんなカス共ォ!」


 チンポが抜けたその瞬間に、メイドへの興味を喪失している。

 倒れたメイドを浴室の端へと蹴り飛ばし、周囲のメイドに命令を飛ばす。


「は、はいッ! 私めが……おチンポ様のごほう゛ぎょッ❤︎❤︎❤︎ お゛ほォ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


ずぶぶぶぢゅぶンッ❤︎❤︎❤︎


「オナホメイドの顔なんざ一々覚えてられねェってンだよ! 覚えて欲しけりゃまんこの締まりで答えろボケェッ!」


 恭しく四つん這いになったメイドにも容赦はない。

 言葉通りオナホを使うかの如く、腰を握ってチンポを扱く。


「あ゛〜〜〜お前ケツデカくてハメ安いなァッ! 何センチあんだよ豚ァ!」

「ンぉ゛ッ❤︎❤︎❤︎ あ゛ッ❤︎ ありがどッ❤︎ ござィばッ❤︎❤︎❤︎ せ、せんぢはッ❤︎ は、はかッだことッ❤︎ なぐッんぐえッ❤︎❤︎❤︎ んぎべぇッ❤︎❤︎❤︎」

「俺がッ! 何センチかって聞いたらッ! 秒で答えンのが当然だろうがッ! 知らないはカスなンだよッ!」


 理不尽。

 タイルに頭を組み伏せて、チンポを全体重ごと振り下ろす。

 逆に曲がった少女の背骨が、ミシミシと悲鳴をあげている。

 当然、男は気にすることなくピストンする。


 壊れたら捨てて次。

 男にとって、メイドたちは安い消耗品も同然だ。

 ティッシュを箱から引き抜いた時、力加減を間違えて破ってしまったら。

 丸めて捨てて、次の一枚を引き抜くだけだ。


だぢゅっ❤︎ だちゅッ❤︎ だちゅン❤︎ どだッぢゅンッ❤︎❤︎❤︎


「ぎゅォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ンぉ゛ごッ❤︎❤︎❤︎ も゛❤︎ も゛ぉじあへッ❤︎❤︎❤︎ ござッまぜンっ❤︎❤︎❤︎ おわびにしに゛まずッ❤︎❤︎❤︎ マゾイキして死にばずッ❤︎❤︎❤︎」

「お前の脳みそにはッ! 俺を称える言葉とテメェらの肉のサイズだけ入れときゃ良いんだよッ! チチブタオナホの癖に考えるなんて生意気なことすんなッ! わかったらまんこだけ締めてイけバカメスッ!」


 拷問か折檻か、事情を知らねばそれに等しい音がする。

 床に潰れる少女の目には、暗い臨死の揺らぎがあった。

 「その程度のことで」、男がピストンを緩めることなどあり得ないのは、今更考えるまでもないことだった。



「ふ……ぐッう゛……う゛……う゛……う゛……ッ!」


 気付けば、時茂のくつわには涙が溜まっていた。

 父から、先祖から受け継いで維持してきたこの館。

 己の手で更なる力へと昇華させた西久世の名前。

 その全てが、瞬きの度に崩れて枯れて、消えていく。

 あとに残るのは、名前も知らない下品な男の野生動物じみた「巣穴」だけ。


 指を咥えることすらできず、見ているばかりの己が悔しい。

 少女たちに手を伸ばすこともできず、泣いているだけの己が情けない。

 目を開くたびに涙が溢れて垂れていく。

 何を選択し直せば、この結末が回避できたのか。

 どこまで戻ればやり直せるのか。

 例えば時姫がマゾメスを目指した時などに……


「ッ!」


 そうだ。

 時姫は?

 山のようなオナホメイドを通り過ぎ、教育を施されているマゾメスの学生に驚愕し、牝猿と化したニーナの顔に目を覆いたくなり、屈辱的な未来に行き着いた若き可能性に涙を流した。

 しかし肝心の娘の姿が見当たらない。

 それは一つ、時茂に希望の光を差し込めた。


 ここまで見てきた少女たちの共通点。

 それは、バストサイズ。

 胸の大きな少女ほど、より高い地位に立っていた。

 男を唯一の頂点に、浴室のメイド、玄関係のメイド、教育係のメイド、教育されるメイドと連なっていた。


 しかし時姫は。

 親戚のニーナとは違い、お世辞にも胸が大きいとは言えない。

 裸など当の昔に見たっきりだ。

 だがそれでも、今日見てきた少女たちとは比較にならないのはわかる。

 それだけメイドたちのバストは豊満だった。

 あの巨体を誇る男が、手に収まりきらないサイズの少女がゴロゴロいた。

 それに比べて、時姫の胸は貧相だ。


 男の、趣味に合っていないのかもしれない。


 男への狂った崇拝に陥っていないかもしれない。


 最後の希望だった。


 例え西久世家が男の手で腐り落ちたとしても。

 時姫がいれば。

 マゾメスきっての才女たる時姫さえ無事ならば。

 時茂はそれで十分だった。

 先祖と同じ墓には入れないだろう。

 二度と西久世の姓は名乗れないだろう。

 けれど。


 時姫という未来を繋ぐことさえできれば。

 西久世の当主ではなく、一人の父親としての役を果たせれば。

 それ以外はいらないとすら思えた。


「とき、ひめ……」


 涙で濡れたさるぐつわは、萎んで空間ができていた。

 何気なく呟いた娘の名前は、明確な単語として発せられた。


みし


 背後で、音がした。

 後ろには廊下への扉がる。

 けれどそんなに遠くではない。


 真後ろ。


 時茂の座る車椅子の、背中を預ける背もたれの、数センチ先。

 そこで、何かの音がした。


 時茂の背筋が寒くなる。

 この車椅子は電動だ。

 動かすには、乗っている者の操縦か、リモコンによる操作が必要だ。

 縛られていた時茂は、てっきり男がリモコンを持っているとばかり思っていた。

 肘掛け部分にある、電源ランプを見下ろすと、


「……!」


 緑のランプは点いていない。

 初めから、車椅子の電源は入っていない。


 もう一つ、車椅子が動く方法があった。

 最も原始的な方法。

 誰かが、後ろから押して歩く。


「フ……フ……! ッぐ! か、はァッ!」


 心臓に握り潰されるような痛みが走る。

 時茂は縛られた体を捩り、背後を見た。


「……あッ❤︎ み、見つかってしまいました……ッ❤︎ お父様ぁッ❤︎」

「ーーーーーー!」


 短く整えられた艶やかな黒髪。

 柔らかなラインを描く丸い頬。

 大きく見開いた瞳には、狂気の炎が宿っている。

 薄く微笑んでいる形しか知らない口元に、ヘラヘラと歪んだ笑みが浮かんでいる。


 時姫が、いた。

 品性を疑う乳牛柄のビキニを纏い、頭にはタグ付きの牛耳カチューシャ。

 西久世の血を継ぐその身体を惜しげも無く晒し、ぷくっと膨らむ勃起乳首を誇らしげに赤く染めていた。

 誰もが振り向く美貌の先に、薄くも清楚に収まる胸に、キラキラと下品な輝きがある。

 牛のような鼻輪が、あまりに大きな乳首ピアスが、時姫の身体を貫いていた。


 時姫は浴槽に向かって声を上げる。


「ご、ご主人様ッ❤︎❤︎❤︎ わたくし……ッ❤︎ み、見つかって、しまいました……ッ❤︎❤︎❤︎」


 迫る快楽を予見して震える声。

 今にもその場で達してしまいそうな緩んだ笑顔。

 時茂の希望も虚しく、時姫の顔は、


「も、申し訳ございませんッ❤︎ マゾオナホ以下のサンドバッグッ❤︎ お、お仕置き……お願いしますぅッ❤︎❤︎❤︎」


 これまで嫌というほど見てきた、牝猿のそれと同じだった。



ご……ッぢゅ❤︎❤︎❤︎


「ごォ゛え゛……ッ❤︎❤︎❤︎ か❤︎ あ゛ッ❤︎ は❤︎ はッぎゅ……げッお゛……ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ あ゛❤︎ りが、ど……ッ❤︎ ござっば……う゛ッ❤︎❤︎❤︎」


ぼぎゅごッ❤︎❤︎❤︎


「げォ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ こ……ォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ほッ❤︎ ぉ゛ッ❤︎ ぉ゛ッ❤︎ ぉ゛ぉお゛ぉ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ぶじゃぁぁぁぁぁぁぁ……ッ❤︎❤︎❤︎ びちゃッ❤︎ びちゃびちゃびちゃッ❤︎❤︎❤︎ じょぉあぁぁぁぁぁあッ❤︎❤︎❤︎


「おい、お礼の言葉が聞こえねェぞぉ? サンドバッグは殴ったら帰ってこなきゃダメだろォ?」

「ッほ❤︎ お゛……げォッ❤︎❤︎❤︎ お゛ほッ❤︎ う゛ォ……ごぉッ❤︎❤︎❤︎ あ゛……あい゛がどぉ……ッ❤︎ ゴホッ❤︎ ご、ござぃあ゛う゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


 シン西久世邸ツアー最後の場所は、時姫の部屋だった。

 時茂の部屋とは廊下を挟んですぐ隣。

 そんなすぐ近くにも、知らぬまに地獄が広がっていた。

 壁には数多の裸の女性の写真や絵。

 どの絵の女性も荒々しく嬲られた跡が有り、中には包帯を巻いているもの、体の一部が欠けているものまで混ざっている。

 床には夥しい数のオナニーグッズ。

 どれも新品ではない。

 少なくとも数ヶ月、毎日のように使っていなければおかしい程に擦り切れたものばかり。

 時茂が与え得た家具の数々は、一つ残らず消え去っていた。


「あ゛……は❤︎ はッ❤︎ は……はぐォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛……くォ゛❤︎❤︎❤︎ お゛❤︎ お゛❤︎ お゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 時姫は、部屋の中央で「揺れて」いた。

 天井から降りる荒縄で首を括っている。

 足は辛うじて床に爪先がつく程度。

 ふらふらとバランスを崩せば、あっという間に首が閉まり、酸素が止まる。


どごッ❤︎❤︎❤︎


「ごォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ か……ぎ……ッ❤︎ イぎゅッ❤︎❤︎❤︎ ヒュ❤︎ ヒュ❤︎ ヒュッ❤︎❤︎❤︎」

「お礼はァ〜?」


じょばッ❤︎ ばちゃばちゃばちゃばちゃッ❤︎❤︎❤︎


 尊い生命を綱一本に縋っている時姫は、サンドバッグだった。

 時茂の予想通り、男が作り上げたハーレムは、乳房のサイズがヒエラルキーの絶対条件だった。

 屋敷の中で誰よりも乳の小さい時姫は、次期当主から最底辺へと転げ落ちた。


 男……ご主人様の身体を洗うことを許されたソープオナホメイド。

 ご主人様を毎日視認することを許されたカーペットオナホメイド。

 ご主人様が利用するオナホを育てる仕事を任されたメンターメイド。

 いつかオナホメイドとしてご主人様に使い潰されることを夢見るメンティメイド。

 そして、邸宅内の清掃と……ご主人様のストレス発散を担当するサンドバッグ。

 最後のそれが、時姫だった。


 ぶらりぶらりと揺れる身体。

 小さな胸は荒く上下し、ヒューヒューと薄い呼吸が続いている。

 瞳は明らかに視点がぶれて、真っ直ぐに立つことすらできていない。


「あ……りが、とっ❤︎ ご、ざぃ……まぁ……ッ❤︎❤︎❤︎」


 涎の垂れる口で、男への感謝を呟く時姫。

 そんな時姫に、男は大きく拳をふりあげ、


ごり゛ゅ……ッ❤︎❤︎❤︎


「ぼォ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ ご❤︎ お゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ほッ❤︎ お゛❤︎ お゛……〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


 腹へとそのまま振り込んだ。

 小さな身体が宙を舞う。

 揺れる鼻輪と乳首ピアスが、キラキラと光を反射した。


ぎしィッ❤︎❤︎❤︎


 一瞬、縄が首に食い込み、


「げォ……ご❤︎ はッ❤︎ はヒュッ❤︎ はヒュッ❤︎ お゛……ッヒュう゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 気道が閉じる直前に、意識を取り戻した時姫の足が床を踏む。


ぷじゃッ❤︎❤︎❤︎ プシァッ❤︎❤︎❤︎ ぷじゅぴゅーーーッ❤︎❤︎❤︎


 ふらつく時姫の太ももに、己のアクメ潮が降りかかる。


「お礼はァ?」


 その繰り返しだ。

 時姫は、サンドバッグだった。

 汚れのなかった白い腹には、幾つものアザが浮かんでいる。

 赤く暗く、時には青く染まっている。

 全て、男の拳がめり込んだ跡。

 腹だけではない。

 四肢には縄の食い込んだアザがある。

 鞭で打たれたようなミミズ腫れがある。

 タバコを押し当てられたような火傷の跡がある。


 今日だけではないのだ。

 毎日、毎晩、時茂が眠った隣の部屋で、「お仕置き」は繰り返し行われていたのだろう。

 時姫は、とっくの昔に「壊れて」しまっていたのだろう。


 屋敷のメイドたち、マゾメスの生徒たち、そして西久世の血を引くニーナ。

 その三者全てを男に捧げることができるのは、おそらくこの世にたった一人。


「はヒュッ❤︎❤︎❤︎ か❤︎ あ゛ッヒュ❤︎ はヒュッ❤︎❤︎❤︎ くァ……ッヒュぅッ❤︎❤︎❤︎ あ゛❤︎ あ゛りがどぉッ❤︎ ござ……ッま、ずぅッ❤︎❤︎❤︎ ときひめ、にぃッ❤︎ か、価値を、くださってッ❤︎ オほッ❤︎❤︎❤︎ ごしゅッ❤︎ じ……様のォ゛ッ❤︎ おも、ぢゃッ❤︎ に、なれでぇッ❤︎ しあわぜっ❤︎ すごいッ❤︎ し、幸せですぅッ❤︎❤︎❤︎」


 時姫しかいない。

 全ては時茂の愛娘から。

 世間を知らない時姫の欲求が種だった。

 今日、時茂が見てきた地獄の発端は、目の前で恍惚に頬を染める少女の恋心からだった。


「いやァ〜婚約者だってのに、躾が半端ですンません」


 身体が曲がるほどに殴りつけた少女の親に、男はヘラりと笑って見せる。


「サプライズのつもりだったンすよ……最後の最後に後ろからばァって」


 男の言葉は日本語だ。

 けれど時茂には何一つとして理解できない。


「それをさァ……この役立たずのゴミカスが……よォ゛ッ!」


ぼぐッ❤︎❤︎❤︎


「ぐォ゛❤︎❤︎❤︎ 〜〜〜〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎ ッほ❤︎ こ、ほ……ッ❤︎ も、もぉ゛……じぁ……げッ❤︎❤︎❤︎」


 感情に任せての腹パン。

 時姫は目を見開き、身体中を奇怪に震わせて苦悶する。

 しかし、


じょろじょろじょろじょろ……❤︎❤︎❤︎


 謝罪する口は引き攣りながらも吊り上がる。

 殴打の度に、時姫は床に潮を撒き散らす。

 時茂の前に現れるメイドは、誰一人としてまともな扱いを受けているとは思えなかった。

 時茂が知る最低限の人間としての振る舞いができていたメイドは皆無だった。

 しかし時姫はそれ以上、いやそれ以下か。

 文字通りのサンドバッグ。

 命と隣り合わせの世界で、危険なマゾヒズムに悶えるばかり。

 そんな状態で浮かべるあの表情を、時茂は理解できなかった。


「あ、そうだ……ゲームしましょうよゲーム」


 男はふと手を叩いた。


「おいカス共、選べ!」


 そして、壁際に並ぶメイドたちに叫ぶ。

 時姫と同じくサンドバッグ、最底辺の少女たち。

 中には、時姫と姉妹同然に遊んでいたものもいる。


「この最低のカスと俺、どっちに仕えるか選ばせてやる……好きな方を殴れ! 殴られなかった方が、今日からウチのご主人様ね」


 「さ、どっちだと思います?」と男は時茂に笑いかけた。

 選ぶまでもない。

 考えるまでもない。

 考えたくも、選びたくもない。


「ごえッ❤︎ ぐぼォ゛❤︎ ぎ……ふ❤︎ ふ❤︎ ふぎっお゛ごォッ❤︎❤︎❤︎」


 メイドたちは躊躇なく、時姫に拳を振り上げた。

 1秒だって迷わなかった。

 恐怖で、ではない。


「うーし引き続き俺ご主人様ね。お前ら偉いから後でブチハメすっから」


 男からのご褒美を求めるがあまりのことだ。


「げぉッ❤︎ は❤︎ はッ❤︎ か……ぁ……ッ!」


 ぶらぶらと揺れる時姫を見て、男はケタケタ笑い転げる。


「せっかくのゴアイサツっスからね……色々イベント考えてたンすよ……おいゴミ、次はお前の番だろッ! ハメてやッから感謝しろ」

「……ッ! は、はいッ❤︎ はいッ❤︎ ありがとうございますッ」


 男の言葉に時姫が飛び上がる。

 彼女は彼女で、親友に嬲られた後とは思えない。

 男から与えられるモノさえあれば、それ以外は不要と言わんばかりだ。

 軽々と男に抱き上げられて、うっとりと頬を緩ませる。

 表情だけなら王子に抱かれるお姫様。

 それ外は、狂気に倒錯したマゾヒストの極みだ。

 M字開脚で抱き上げられて、実の父親に性器を見せびらかしているのだから。


「お、お父様……わたくし西久世時姫は……こちらのご主人様の……マゾオナホサンドバッグ999号として永遠の隷属を誓いますッ❤︎❤︎❤︎」


 恋に焦がれた表情で、時姫は嬉しそうに胸を摩る。

 そこには「999」の痛々しいタトゥー。


「他のオナホ様方はまだですが……わたくしは永劫最底辺サンドバッグとして、最下位の数字を賜りました❤︎ はぁ……ッ❤︎ ご主人様に頂いた数字……ッ❤︎ わ、私の価値ッ❤︎ ゴミクズに相応しい数字ッ❤︎❤︎❤︎」


 メイドたちの間につけられたカースト制度。

 時姫は今後、何があろうともその底辺に転がり続けることがその胸に確約されていた。


 時姫は続いて、手足の付け根に指を這わす。

 そこには点線とハサミのタトゥー。

 所謂切り取り線のタトゥーだ。


「わ、わたくしたちサンドバッグには邪魔な手足……いずれは取り除き、よりご主人様に最適な姿を手に入れたいと願っております……ッ❤︎❤︎❤︎」


 時茂は、愛娘の肌を汚す歪んだタトゥーに憤ることもない。

 もう、そんな段階は過ぎ去っていた。


「それでは……お父様……」


 時姫が男の手を握る。

 万力のような力を有するその両手を、己の首に添えさせる。


「今まで、どうも……ありがとうございましたッ❤︎」


ごぢゅッ❤︎❤︎❤︎


「ッぎょ……お゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


 一瞬だけ見えた、かつての時姫の笑顔。

 ソレが次の瞬間に、下品な猿のイき顔に変貌する。


どぢゅッ❤︎❤︎❤︎ ごぢゅッ❤︎❤︎❤︎ づどっ❤︎ ごどッ❤︎❤︎❤︎ づ……ッぢゅン゛ッ❤︎❤︎❤︎


「ったくッ! 挨拶がなげェんだよッ! 娘だとかなんとかッ! 俺を待たせる理由になると思ってンのかくそォッ!」

「ぐごぇッ❤︎❤︎❤︎ ぎッ❤︎ ぎゅひ❤︎❤︎❤︎ ンぎひッ❤︎❤︎❤︎ う゛❤︎ ぐぅ゛ぎぃい゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 時姫の軽い身体が上から、下へ、上から、下へ。

 太く長いチンポへと、何度も、何度も、振り下ろされる。

 キラキラとリングが光る。

 鼻輪とピアスがぶるんぶるんと上下する。

 時姫という少女の肉体全てを振り上げて、全体重でチンポに落とす。

 細い首を絞められながら、深く、深く、犯される。


ず……ごぢゅン❤︎❤︎❤︎ ぐずず……ばぢゅッ❤︎❤︎❤︎ ぬ゛ろ゛ぉぉぉ〜〜〜ごりゅン゛ッ❤︎❤︎❤︎


「ぐ……ッぎ❤︎❤︎❤︎ イぎゅッ❤︎❤︎❤︎ ぎ❤︎ い゛ぃぃぃ゛う゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ こ、ヒュ、ヒュ、ヒュ……ヒュぎぶぎゅ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 チンポの形が腹に浮かぶ。

 殴打で傷んだ時姫の腹が、今度は内側から嬲られる。

 時姫は心底、魂の奥底から込み上げる「嬉しい」を、酸欠の顔に浮かべていた。

 ジョロジョロと、嬉しさの余りに黄金水を撒き散らす。


「お前のッ! ご主人様は誰だ!?」

「こホッ❤︎ あ❤︎ あだだッ❤︎ あなだッでう゛❤︎ ぐぶォ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 男が叫ぶ。


「この家のトップは!?」

「あなだッざばでッ❤︎❤︎❤︎ ぎゅぼォ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 時姫も叫ぶ。


「じゃあお前は何だ!?」

「ご……ごッ❤︎ ごみがずッ❤︎❤︎❤︎ アナじかッ❤︎ かぢないッ❤︎❤︎❤︎ ざんどばッぐでう゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 残りわずかの酸素を消費し、ご主人様への愛を誓う。


「イよしっ!」


ぼビュる゛❤︎❤︎❤︎


「ッ❤︎」


どぐっどぐっどぐっどぐぐぐ……❤︎❤︎❤︎


「ぎ……ぃ゛っ❤︎❤︎❤︎ お゛❤︎ ぉ゛❤︎ お゛〜〜〜〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


ぼりゅ❤︎❤︎❤︎ ぶりゅびゅびゅびゅびゅーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎


「〜〜〜ッ゛オォオオォオオォオ゛オ゛オ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ イぐッ❤︎❤︎❤︎ イぐ❤︎ イ゛ギュッ❤︎❤︎❤︎ あ゛❤︎ あ゛ッ❤︎ あ゛りあどッ❤︎❤︎❤︎ ごぁ……い゛ぁ゛……あ゛ぁあ゛あ゛あ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 この社会を担うハズだった才女の脳が、ぶちぶちと乱暴に引きちぎられる。

 神経がぷつんと途切れる度に、一歩ずつバカになる度に、時姫は汚れた魂を喜ばせた。

 肉体の全てをご主人様に捧げられた喜びに、遂に、酸素を使い果たした。


「フーっ……あれ、お義父さんどこ行った?」



「か……はッ! お゛ほッ! ごほ! げほッげほッげほッ!」


 時茂は這いずるようにして書斎に転がり込んだ。

 心臓が痛い、肺が痛い、脳も、四肢も千切れるくらいに痛い。

 今はただ、全てを忘れて逃げ出したかった。


「か……かぁ゛ッざ……に、逃げ……っ! すぐに……!」


 最後に彼が思い出したのは、生涯を最も長く過ごした相手。

 時姫の母、彼の妻。

 現在、友人同士の旅行だとかで屋敷を留守にしていたところ。

 この狂気を偶然にも回避できたことにのみ、時茂は感謝した。

 震える手でスマホを掴み、脂汗を流しながら電話帳を開く。

 妻の生をタップして2コール。

 電話が繋がった。


『はいもしもし』

「か、かぁさんッ! 今、今どごに……」


『ああ、旦那様。奥様でしたら今しがた』

「……!」


『処分が済んだところでございます』


 スマホが手から落ちていた。

 妻はマゾメスの父母会でできた友人との旅行に行った。

 お土産を沢山買いたいからと、メイドを一人、連れて行った。


ツー、ツー、ツー、ツー……


 電話に出た声は、そのメイドのものだった。


「旦那様」

「ッ!」


 気付けば、部屋にメイドが立っていた。

 四肢に切り取り線のタトゥーが入ったメイド。

 腹にいくつもの青あざが浮かんだメイド。

 手には注射器が握られていた。

 中身のわからぬ液体がたっぷり詰まっていた。


「く、くるな……たのむ、こ、この部屋から出ていってくれぇっ!」


 時茂は膝をつき、祈るように手を組んだ。


「この部屋だけなんだ……ッ! もう、私の家族は……この部屋の中にしか……」


 壁中にかけられた美しい思い出の数々。

 時茂が父親としていられる唯一の場所。

 今日、真の意味で、時茂はこの場所以外の居場所を失った。


「何でもする……ッ! わ、私の場所を奪わないでくれぇぇぇ……ッ!」


 時茂の姿を、メイドは黙って見つめている。

 ぶるぶると震える老人の肩を優しく撫でた。

 不思議そうに顔を上げた時茂に一言。


「まだ気付いていなかったんですね」


 時茂に背を向け、壁際にスタスタと歩いて行く。

 壁にかかっていた写真を勢いよく引っぺがす。


がら、がらがらがら


「何……を……!?」


 連鎖的に壁の写真が落ちていく。

 一つ一つと剥がれ落ち、床に破片が飛散する。

 そして、その裏に隠された写真たちが現れる。


がら、がらがらがら


「……ッ!」

「随分前からご主人様が準備なさっていたのですが……本当にお気付きではなかったんですね」


 時姫と男の写真たち。

 時姫が下品な格好で写っている写真。

 野外で犯されている写真。

 時茂の部屋の前で犯されている写真。


がら、がらがらがら


 時茂の父親の証が消えていく。

 背けたい現実に塗り変わっていく。


がら、がら、がら


「……、ーーー、ーーーーーーーーー」

「旦那様? お薬は……打たずに済みそうですね」


 壁中の写真が落ちた頃。

 老人の肉体からも、心というものが抜け落ちていた。

 祈りが叶った信奉者のように、両膝をつき、組んだ手を膝に置き、穏やかな顔で虚空を見る。

 全てを失い、その事実を受け止めきれなかった老人は壊れることでそれを受け入れるしかなかった。


「……どう、しよう……とりあえずご主人様に……」


 メイドは老人をそのままに、出口へと踵を返した。

 途中、倒れ損なった写真を一つ見つけ、手で払い落とした。


がしゃん


 それは親子3人で撮った集合写真。

 この春にマゾメスの校門前で撮影したものだ。

 裏に隠れていたのは、校門前で露出する時姫の写真。

 しかし遂に、それを時茂が認識することはなかった。

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