クリーナー・ガールズ #0 新米魔女は清掃員!? (Pixiv Fanbox)
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こちら、以前投稿したクリーナー・ガールズのプロローグと同じものになります!
ふたなりお嬢様シリーズに続く連載作品として以前販売を予定していたこちらのネタ連載を開始することとしました。
プロローグを#0として、#5程までを予定しています。
同時に#1も投稿しましたのでそちらも合わせてお楽しみください!
以下、本編です。
◆◇◆◇◆
「あ、ゴメン。バイト先から電話だわ」
平松流華(ひらまつるか)はスマフォに入ったアラームを聞き、お喋りグループから抜け出した。
オシャレに着崩した制服に、茶色く染めたロングヘアがマッチしている。
快活そうな大きな瞳と笑みの絶えない口元は、どの角度から見てもS級の美少女だ。
しなやかな健脚を見せびらかすように、スカートは太ももギリギリまでまき取られている。
そんな格好で早足歩きをするものだから、ふわりふわりとチェックスカートがサービスショットを連発していた。
スマフォから鳴り響くアラームは、いつも入れているお気に入りバンドグループの着信音ではない。
ルカの外見には似合わない、飾り気のないデフォルト設定のアラームだった。
「絶対シフトの話じゃん。めんどー、マジだるいわ」
手を振って見送る友人たちに苦笑いでそう告げて、ルカは廊下へと駆け出した。
誰も見ていないことを確認し、改めて液晶画面を見下ろした。
面倒?
だるい?
そんなまさかだ!
思わず「むふ」と変な笑が浮かんでしまう。
(遂に来た! めっちゃ待たせてくれるじゃんっ! マジようやくって感じ!)
ルカはスマフォを耳に押し当てる。
そこから聞こえる音声を一言一句聞き漏らさないように。
『隊員ナンバー19-01、ヒロイン・ルカ。19-02、ヒロイン・モモヨと共に現場へ急行せよ』
「了解ッ」
端的かつ無機質な機械音声に、ルカは声を抑えて返答した。
短い通話はそれだけだ。
電話は途切れ、すかさず小さなマップが送られてくる。
「ウン、ソッコー行ける!」
マップに示された目的地を確認すると、ルカは廊下を風のように駆けていく。
短距離ランナーのように足を振り切って走っているのに、短いスカートは華麗な動きでその奥をガードしてみせた。
ルカが到着したのは、校舎の端に設置されたトイレだ。
使う者は誰もおらず、寂しく冷え切った四角い箱。
ペンキは剥がれ、内側のコンクリートがべろりと顔を出していた。
木漏れ日も降らないほどに生い茂った木々の入り口に立つ、忘れ去られた存在。
灰色と黒で構成されるその入り口に、ルカを待つ人影が見えた。
ルカよりも5センチは小柄な体格は、どこか直線的なルカとは対照的に曲を描いて見える。
ふわりとゆるいカールを巻いた黒髪も、丸みの多い少女のシルエットにぴったりだ。
ルカの足音を耳にして、少女は入り口から目を離した。
おっとりとしたタレ目がちの眉が、手を振るルカに向けられる。
「来ましたわねぇルカ。中のスタンバイは終わっていましてよ〜」
「モモ、お待たせっ! 遂にアタシらの初仕事ねっ」
まるでお嬢様のようなのんびりとした口調の少女の名は富沢百代(とみさわももよ)。
駆け寄るルカにおっとりと手を振ると、制服を貼詰めさせる胸元が一緒になって揺れた。
ルカと同じ制服に同じ学年エンブレム。
だが纏うオーラの柔らかさで、どこかのお嬢様学校にでも通っているかのような高貴とも言える形が出来上がっていた。
彼女もまた、スマフォでこの場所に呼び出されたルカの親友だ。
モモが差し出したカードキーを、ルカはハイタッチの要領で手に取った。
「うふふっ、長い訓練もようやくお終い。やっと活躍の機会が回ってきたんですねぇ」
とろんと緩い笑顔を浮かべるモモ。
しかし瞳にはルカと同じ色の活気が燃えていた。
二人は周囲の人目を確認し、素早くトイレの中へと駆け込んだ。
これから先は「STAFF ONLY」。
関係者以外は立ち入り禁止だ。
個室の前に一人ずつ立ち、ペンキの剥げた扉にカードキーを掲げた。
古ぼけた扉に偽装したセンサーが、キーに内蔵されたチップを読み取り電子音を立てる。
『ヒロインネームを確認します』
「19-01、ルカ」
「19-02、モモヨです」
自分のナンバーと名前を告げると、老朽化した扉がゆっくりとしたへと下がっていく。
その先にあるのは、薄汚れた便座などではな買った。
壁一面に広がる電子の波。
まるでワープトンネルのように眩く輝く小部屋が存在していた。
ルカもモモも、躊躇なく小部屋の中へと踏み入った。
その足取りは凱旋する勇者のように雄々しく、またおもちゃをもらった幼子のように忙しない。
『確認しました。ルカ、モモヨ。稲妻の魔女集会(ウィッチ・セッション・ストリーク)へようこそ。これよりスーツの構築を始めます』
「いよいよねッ」
「もどかしいですわ〜」
顔は見えずとも、互いの興奮に満ちた表情は容易に想像できた。
これからの初ミッションを想像し、二人の新人魔女(・・)は胸躍らせた。
『コーン・DM構築、開始』
無感情な音声が鳴ると、部屋の四隅から白い光が放たれた。
光は少女の身体にぶつかると、身に着けた洋服を霧散させた。
一瞬にして、それぞれの部屋に少女の裸体が曝け出される。
ルカはミッションへの期待に待ちきれないとばかりに、まっすぐ胸を張って直立していた。
スレンダーなその身体は、やはりどこまでも直線であった。
引き締まりつつも細い足。
天を向いてそびえる背筋。
腰に当てられた腕。
そして、平野という概念を想起させる胸元。
興奮のせいか、外気に晒されたせいか、胸の先で桃色の乳首がきゅ❤と色濃く染まった。
モモは自らの裸に恥ずかしさを覚えたのか、ソワソワと胸元に腕を回した。
ルカのそれよりも肉付きの良い体格は、全てにおいて柔軟な曲を感じさせる。
曲線を描く最大の原因は、大きくシルエットからせり出した乳房と尻肉だろう。
150センチメートルという小柄な体躯に比して、100センチという凶器のような乳房を持つモモの身体。
スレンダーなルカの隣に立つことが多いせいか、余計に豊満な胸下は注目の的になっていた。
向けどころのない視線を揺らし、モモは頬を染めて次の展開を待った。
裸の少女たちのため、部屋は再び変形する。
フラフープを思わせる大きな輪が、少女の身体を囲うようにして天井から現れた。
それは黒く輝くゴム質の物体を膜状に張っており、そのまま降りてくれば少女たちは頭からゴムにぶつかってしまいそうだった。
ルカの茶髪に、モモの黒髪に、ゴムが触れそうになったその瞬間。
ゴムはぱっくりと口を開け、二人の頭だけを華麗に避けて見せた。
そして首元に吸い付くと、そのまま少女の素肌へとぴったり張り付いていく。
「んッ❤ くふ、うぅぅぅ〜っ❤」
「ふぁんっ❤ はっ、くぅぅんっ❤」
首からうなじ、そして胸元へ。
ゴムは白い肌を黒く塗り替えながらおりていく。
ルカはその締め付けに頬を染め、ゾクゾクと背筋を震わせて声を溢した。
モモは元から赤い頬を更に恥ずかしそうに染め上げて、声を殺して喘いだ。
ゴムはそのまま、ルカのぷっくりと胸を張った乳首を覆い、モモのマシュマロのような乳肉を包んだ。
「あッ❤❤❤ ンうッ❤ や、やっぱコレだめだってェ❤」
「ん゛ぅうぅうぅぅう‥‥‥やンっ❤❤❤ し、刺激がつよすぎますわ‥‥‥」
艶やかな声をあげ、少女たちは恥ずかしそうに口元を抑える。
姿は見えずとも潤んだ声ははっきりとお互いの耳に入ってくる。
その痺れるような甘い刺激が自分だけの感覚ではないと安心できる反面、連れ立った親友に喘ぎ声を聞かせることはやはり羞恥心をくすぐった。
ゴムはそのまま二人の鼠蹊部を覆い、尻肉をコーティングし、太ももを締め付けていった。
最後にヒールのように踵を少し押し上げると、その身体は首から下を光沢で埋め尽くされることになる。
特殊な素材で製作された超科学的スーツ、通称コーン・DM。
乳首もワレメも、アナルのシワ一本に至るまで正確にコーティングする極薄素材でありながら、耐寒耐熱その他諸々の防御システムが搭載された優れものだ。
「便利なのはいいんだけどさあ。こう、肌がビンカンになるのは勘弁してほしいよね。んっ❤ す、すぐ勃っちゃうし、まだ全然慣れないわぁ‥‥‥っ❤」
ルカはそうぼやき、身体をスーツに慣らすように動かした。
凹凸に縁のないルカが動くと、コーティングされた乳首だけが微かに揺れる。
コーン・DMは敵性存在の接近をいち早く捉えるため、皮膚感度を上昇させる機能もついていた。
「はぁ❤ ふぅ❤ そ、そうですわね。最初なんて、んッ❤ まとも歩くのがやっとでしたもの‥‥‥はんっ❤」
モモは大きく伸びをし、ストレッチを始める。
制服から解き放たれた乳房は、スーツによって美しい形をキープしていた。
モモが上半身を左右に揺らすと、重そうな乳袋が合わせて形を変えていく。
ルカよりも肌面積の広いモモは、その度に声を抑えて赤らんだ唇を震わせた。
「よ、しっ❤ 行くわよモモ! アタシたちの初ミッション、絶対成功させようねッ!」
「もちろんですわルカ。んっ❤ 二人で歴史に名を刻みましょっ」
漆黒のゴムスーツに着替えた少女たち。
トイレの外へと駆け出すと、それぞれの右手を空中に差し出した。
すると、掌が盛り上がり、身の丈程の棒状の物体を構築する。
それは黒いシルエットではあるが、誰もが知る「箒」の形をしていた。
「よしッ! それじゃあ」
「出発、ですわね」
出現させた箒にまたがると、ルカとモモは風を纏って浮き上がる。
ルカが指差した方角へ、少女たちは一直線に雲の上まで飛翔した。
突風が周りの木々をざわめき立たせ、木の葉を舞い上げる。
暴れる木の葉が再び地面に落ちた時、そこには何者も残ってはいなかった。
誰もいない古びたトイレは、再び静かな廃墟へと姿を変えた。
稲妻の魔女集会(ウィッチ・セッション・ストリーク)。
それは現代に適応した魔女の組織だ。
古来より続く黒魔術に別れを告げ、電子と科学で構築した術を振るう。
昔ながらの方法に囚われた悪しき魔女を倒すことが、その最大の目的だ。
魔女を狩る魔女たちの存在は、世界には秘匿とされていた。
時折現れる素養ある少女をスカウトし、育成する事でその歴史を繋ぎ続けていた。
ルカとモモ、二人の少女はその末端の末端。
今日その名を魔女たちに知らしめんと意気込む、ピカピカの新人だ。
この日を、今後語り継がれるような記念日になることを心から信じ、電子の魔女装衣に着替えるのだ。
それが、また違った意味での記念日となる事など、夢にも思っていないだろう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「見えたっ! あそこの工場が目的地よ!」
「もうひとっ飛びですわね〜。どこか広い場所にでも降りましょうか」
風を纏って空を駆け抜ける新米魔女たちは、山の麓に佇む灰色の工場地帯を目に定めた。
彼方此方に茶色の錆色をデコレーションした化石のような建造物が視界に広がった。
既に廃棄されて10年は経過しているであろう工場は、如何にも「悪者のアジト」という雰囲気をほとばしらせ、ルカの気分を高めてくれる。
所々倒壊している荒廃具合は、中に潜む敵の禍々しさを体現しているようで、モモの胸をざわつかせた。
速度を弱めるほど、二人の心は落ち着いてなどいられない。
二人の魔女は、弾丸のように地面に向かって突撃した。
身体が地面に触れるその瞬間、箒の頭を上へと引き上げてブレーキを掛ける。
強力なGが身体にのしかかるが、漆黒のスーツがすべての衝撃を吸収・緩和してくれる。
「ふぅッ! なんだモモ、アンタそのブレーキいつの間に上手くなったのよ」
「うふふふ、いつまでも鈍臭いモモではございませんよ〜」
モモとルカは言葉を交わし、箒を仕舞う。
二人で並び、目的の工場を改めて見上げた。
空から見下ろすより、よっぽど重厚で重苦しく、重ねた年齢を錆に染み付かせた外観を共有した。
「さ、テンションアゲすぎるのもここまでよ。ゼッタイ成功させるんだからねッ!」
「ルカがそう言うなら、安心ですわ」
トラックが出入りするための巨大な鉄の扉。
ルカは右、モモは左の扉に手を添えて、一気に両側へと引き開けた。
否、二人の力を後押しするかのように、内側から撥ね開けられた。
「は‥‥‥ッ!」
「なん、ですのっ!」
こじ開けられた扉の奥から現れたのは、影でできた黒い蛇。
少女を一口で飲み込んでしまえそうな、巨大な口をぱっくりと開けた。
ルカとモモを交互に見定めると、口の奥から長い下をチロチロ揺らして威嚇を始める。
当たり前だが、この日本社会にこれだけ巨大な蛇は存在しない。
増して影で作られた漆黒の存在など、この地球上を探したっているはずがない。
魔女が召喚する魔法獣でもなければ。
討伐目標である悪しき魔女が召喚していた、罠でなければ。
「ちッ! アタシらが居ること、もうバレてんじゃないのッ!」
ルカは素早く跳躍した。
スーツが肉体を補助し、人の域を超えた高さにルカを持ち上げる。
口を開けた大蛇をさらに飛び越え、その小さな額を見下ろす場所で、ルカは長い足を高く持ち上げた。
健脚に魔力を込めた彼女の得意技。
シンプル格闘技、かかと落としだ。
魔法獣の弱点は頭に存在するコアであり、いかな魔獣であってもコアを破壊すれば数秒と持たずに崩壊する。
ルカはそれを頭ごと蹴りつぶすつもりだった。
だが、それはあくまで「ルカが蛇の召喚者よりも強い場合」の話だ。
「ルカ! ダメ、きますわっ!」
モモが叫んだその瞬間、ルカは足を斧の如く振り下ろしていた。
まっすぐに脳天へと落とされる踵。
漆黒の蛇に触れたと思った瞬間だ。
ルカは目の前の出来事にすっとんきょうな声をあげた。
「ッ! え、なんでッ!?」
蛇の輪郭が歪み、崩壊する。
生物としてのシルエットが砕け、霧のようにその存在が溶けていく。
ルカの足は、崩壊によって生まれた亀裂の間を素通りしていった。
影の身体を壊すことでの攻撃回避。
不定形故に可能な芸当だ。
蹴りを空振りしたルカの身体は、落下を待つだけの無防備な姿を晒す。
その黒い少女の目の前で、黒い霧が再び大蛇の形を形成していく。
蛇はルカが着地するよりも早く、タールのような黒いヘドロを吐き出した。
「ンあッ!」
「ルカ‥‥‥ひぁあッ」
ルカはヘドロに押し流されて扉に背中を打ち付けた。
ヘドロは吐き出されたガムのように粘つき、ルカの肉体をべったりと扉に固定した。
ルカを助けようと駆け出したモモにも、蛇は同じヘドロを吐きつける。
不意を打たれたモモの身体も、ルカと合わせて狛犬のように扉へと縛り付けられた。
「か、ひゅ‥‥‥ッ! は、はやいですわね~」
「ンなこと言ってないで! どうにかしないとッ!」
二人の無力化を確認した蛇は、モモへと頭を向けた。
ルカの位置からモモを見ることはできない。
故に、相棒の身に起こる自体も全く予想がつかなかった。
「モモ大丈夫ッ!? くッこの‥‥‥ッ! こんなベタベタ、さっさと解くわよッ!」
ルカはモモの名を叫び、がむしゃらに身体を動かした。
だが、もがけばもがく程ヘドロは粘土を増して少女の身体に絡みつく。
腕を絡め取って壁に貼り付け、太ももをみっともなくガニ股で固める。
悪あがきで揺らしていた下半身も、30秒と持たずに抑えこまされた。
焦るほどに肉体は動かなくなって行く。
「う、ぐッ! う、うごかない、ですわね‥‥‥ッほぁあぁああぁンッ♥♥♥♥♥♥」
視界の外からモモの艶かしい声が響いた。
苦痛や苦悶に喘ぐ声ではなかったことに、ルカは僅かに安堵する。
蛇が、少なくともこの場では二人を「排除」しないであろうことがわかったからだ。
モモはなおも悩ましげに喉を震わせ、熱っぽく喘いだ。
(ちッ‥‥‥ヤバい毒ガスってとこかしら? どっちにしろ早く助けないと‥‥‥いや、それよりも、モモの次は‥‥‥アタシがッ!)
ルカの考えを呼んだかのように、蛇の頭が少女の目の前に現れた。
一面漆黒の中に、赤い眼球が二つ。
何処を見ているかもわからない輝きを放っているのに、どうしてか自分を見定めているとはっきり理解できてしまう。
(く‥‥‥くるッ!)
蛇が大きく口を開いた。
喉の奥から、紫色のガスが吐き出され、ルカの頭を飲み込んだ。
呼吸を止めても、供給され続けるガスには対応しきれない。
「く、ふッ! ふぐォっ♥ おッ♥ ぐぅ♥ うはぁあッ♥♥♥ はぐぅううぅう゛♥♥♥」
一度吸ったその瞬間、ルカはスタンガンを当てられたように身体を痙攣させた。
強力な発情媚薬が肺から血管へと流れ込み、少女の肉体を強制的に昂らせる。
ルカは顔を真っ赤にして嬌声を上げた。
乳輪でのみ存在を主張する乳房が熱く滾り、ムクムクと刺激を求めて勃ち上がる。
スーツとヘドロに先端を押し当てると、静電気のような甘い刺激が胸いっぱいに広がった。
「は、ひゅぉっ♥ ふひィ♥ ふヒィ♥ なッ♥ なに゛よごりェッ♥♥♥ ほ、ォ♥ ふゅううッ♥♥♥」
自分が上げているとは思えないその悲鳴に、ルカは羞恥で真っ赤になった。
だが声を抑えることはできなかった。
喘ぐたびに紫色のガスが肺の中へと飛び込んでくる。
そしてその分だけ、媚薬が肉体を蝕むのだ。
スーツの内壁に、乳首とクリトリスが押し付けられる。
秘部からとめどなく愛液が溢れ、太ももに熱い線を引いた。
喘いでも喘いでも、昂りは収まる気配を見せなかった。
(や、バッ♥‥‥‥これ、ほんとに、ヤられる‥‥‥♥♥♥)
「はォお゛ッ♥♥♥ あ、あ゛づィッ♥ も、える、みたいですわッ♥ ふぶゥ♥ ん゛ふぅ♥ ッ♥ っくぅうぅ~ッ♥♥♥♥♥♥」
「へぁあ゛♥ はぁあ゛~ッ♥ う、うごひぇ♥ は、はなひぇえッ♥ お、お゛がひくら゛るぅッ♥」
自分とモモ、二つの喘ぎ声が少しずつ遠退いて行く。
混沌とした肉体から、精神が離れて行く感覚があった。
(ウソ、まだ、全然活躍できてない、のにッ)
蛇の口が再び開く。
長い長い、鞭のような舌がルカへと伸びてきた。
首を垂れ下げて震えるばかりのルカの胸元へ、黒いそれをあてがった。
ルカも目線だけで舌の動きを追いかけた。
平坦な胸の輪郭をなぞるように動いていた舌が、急にルカの視線からかき消えた。
ヒュぱんっ
「へ‥‥‥くあ゛ほぉおッ♥♥♥♥♥♥」
何かを叩く音が聞こえたその瞬間、ルカは乳首が弾けるようなアクメに仰け反った。
蛇が舌を振るい、発情しきった乳首を叩いたのだとは、理解する暇もなかった。
叩いた衝撃でヘドロが取り払われ、凹凸のない胸元が現れる。
黒いスーツを押し上げる、見事に勃起舌二つの乳首が、ルカの悲鳴に合わせてブルンブルンと揺れていた。
絶頂した乳首から、波状の快感が身体中に響き渡る。
快感波は股間を濡らし、脳を揺さぶり、だらしのない言葉を吐き出させた。
「キャハハッ、だらしない顔ね後輩(・・)ッ」
「二人ともイイ無様っぷりで安心よ。ちゃんと写真撮っておかないとね」
乳首アクメで気を失うその直前、ルカはそんな声を聞いた。
(‥‥‥こ、う、はい‥‥‥ナニ、言ってんの‥‥‥?)
だが、ルカの目はもう何者をも移すことはない。
じくじくと痺れ続ける乳首の感覚を残し、少女は意識を手放した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
パシャり
「‥‥‥ッ!」
「あらいい顔するじゃないの。ここ最近で一番いい表情が撮れたわ」
「キャハハハッ! いつまでボサッと寝てんのよ、さっさと起きなさい後輩そのイチ!」
目の奥でパシパシと火花が散り、ルカの意識は再び水面へと浮き上がる。
寝ぼけた顔で目を擦り、自分の手がヘドロから解放されていることに気がついた。
隣には一緒に横たわっていたモモの寝顔があることも。
そして、目の前に二人の少女が立っていることにも。
ルカやモモと同じ、素肌に張り付く極薄のボディスーツ姿の少女達は、ルカにスマフォを向けて写真や動画を撮影していた。
「あ、貴女達は‥‥‥!」
「誰」、そう尋ねかけたルカの目に、スマフォに印刷された数字が飛び込んできた。
それは稲妻の魔女集会(ウィッチ・セッション・ストリーク)内で指定されている機種であり、背面には魔女達のナンバーが印刷されているのだ。
ルカに向けられたスマフォ、その印刷された数字は「14」。
「19」のルカ、モモよりも更に5代先輩の数字である。
「せ、先輩方、お疲れ様ですッ!」
慌ててルカはその場に飛び起きて、先輩魔女へと頭を下げた。
割と体育会系な魔女業界は、上下関係がやたらと厳しいのだ。
先輩魔女二人は、頭をまっすぐに下げたルカをまた写真に収める。
しかしルカは頭を上げない。
先輩相手に迂闊な行動はできなかった。
暫しそのまま写真を撮られ続け、「もういーよー」と言われてようやく頭を上げた。
改めて先輩魔女の姿を見定めるルカ。
二人共ルカは初めて見る魔女だった。
一人はいかにもギャルといった金髪をカールさせた少女。
モモほどではないが少々小柄で、モモにも負けないくらい豊満な乳房を揺らしていた。
一人は高身長でボンキュッボンを完成させたような黒髪を肩口まで伸ばした少女。
(先輩なので当たり前だが)大人びた雰囲気があり、冷たい視線と相まって目を合わせているだけで圧力を感じてしまいそうだった。
一見して優等生とギャルといったイメージ。
正反対の性質を多く持った二人であったが、ルカたち後輩を見る嘲笑の目だけはそっくりだった。
「それで、貴女達が今日の「後始末係」ってことね?」
「はい。はい? あ、後始末‥‥‥?」
黒髪先輩の言葉を、ルカは思わず聞き返した。
「後始末」先輩は確かにそう言った。
ルカ、そしてモモはこの場に「魔女退治」で呼ばれたのではなかったのか?
「あら、知らないのね? キャハハハッ! ウケるわぁ‥‥‥マジの新人なのね!」
ギャル先輩はそう言って、またルカの呆けた顔にカメラを向けた。
パチパチとシャッターを切りながらギャル先輩は続けた。
「新人魔女は弱っちすぎて役に立たないのよ〜だから、最初はずぅぅうぅっと、ウチらの後片付け係よ〜悪い魔女を対峙するなんて、それこそ10年早いって話よ~」
「は‥‥‥うそぉ‥‥‥それじゃあこの工場にいた魔女はッ!?」
ルカの絞り出すような疑問には、黒髪先輩が答えた。
無言で指差された方向に、ルカは正直に目を向ける。
そこにはスーツと同じ素材で作られた袋が一つ、転がっていた。
中にはちょうど人一人分くらいの何かが入っているようで、袋はパンパンだった。
「随分暴れてくれたけど、もう捕獲済み。ついでにほら、箒を出してみなさい」
ルカは黒髪先輩に促されるまま、出発時と同じように箒を出現させた。
いつも通り、何も変えることなく、ルカは箒を手に取った。
そのはずだった。
だが、ルカは手に現れたモノをみて言葉を失った。
それは形としては箒と同じルーツを持つ存在。
だが、魔女が跨るには余りにもお粗末なモノだった。
長い持ち手に左右に分岐した先端。
先端には触手のように太い突起が所狭しと並んでいた。
「も、モップになってるじゃぁんッ!」
いかにも安物っぽい外見のモップを持ち上げて、ルカは叫んだ。
黒髪先輩がクスリと笑い、ギャル先輩は爆笑でシャッターを切った。
「その状態になれば、ミッションを完了したと判断されるまでは飛び立つことはできないわよ。掃除終了と認知されれば、自動で元の箒に戻るから‥‥‥まあ、せいぜい早めにあがれるように頑張って掃除することね」
「キャハハ、まだアンタらには魔女退治は早いのよ〜! ウチらが仕掛けていた罠にもハマっちゃうくらい雑魚いんだから!」
辛辣に言い放つ黒髪先輩と、おちょくるように笑うギャル先輩。
その、最後に聞こえた文言にルカの耳は吸い寄せられた。
「‥‥‥は、えっ! い、今なんて!?」
ルカが聞き逃さなかったのは、ギャル先輩の言葉。
ギャル先輩は「あ、ヤベ」と舌を出す。
黒髪先輩もSっ気のある笑顔を浮かべた。
罠、それもルカたちが嵌った罠となればひとつしかない。
あの大蛇、媚薬を吐き出す陰湿な罠。
てっきり悪の魔女が仕掛けたものだと勘違いしていたあの罠。
「さっきの蛇ちゃん。びっくりしたっしょ? あの子ウチのオハコなんよね〜‥‥‥ってちょっと、そんな怖い顔しないでよ〜先輩からのげ・き・れ・い❤ なんだからぁ」
ルカの怒りを感じ取ったのか、先輩二人は箒を取り出して空中へと浮かび上がった。
魔女が入っているらしき袋を担ぐと、ルカに向かって手を振った。
「それじゃあ改めて、頑張ってね新人ちゃん。今後は正面から入るなんてバカ正直なマネはしないようにね」
「バイバーイ! 無事にミッションクリアしたら、アイス奢ったげるね!」
「‥‥‥ッ!」
ルカが口を開くよりも早く、箒が加速した。
あっという間にスーツ姿の魔女はルカの目の前から消えていく。
「‥‥‥ッンのォおおおおぉおッ! むっかつくぅううううッ!」
ルカの叫びが届くはずもなく、既にそのシルエットはどこにも見えなくなっていた。