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『ひっっくぅぅぅんはっ、ひゅひっ、んんん~~~~っ!!』

 ヘザーは最早暴れておらず、ひたすら痙攣しながら絶頂を繰り返したいた。

『ンひっんひっんひゃ、ひっ…くぅぅっ…ひぃぃぃ~~~っ!!』

 カクカクと小刻みに腰が動き、ムズムズとクリトリス全体を繊毛が這い回る感触に、実際は立たないが鳥肌が立つようなぞくぞくとしたくすぐったさを与えられるづける。

『イィィィクゥゥゥンはぁぁぁ~~~~くぃぃぃぃ~~~っ!!』

 1日に2度、ビラチーナは鋭敏液を分泌し、常にヘザーのクリトリスの感度を最大に保つ。ヘザー自身の相殺魔力を糧にしながら疲れることなく吸い、伸び縮み、捻れ、振動する。

 そしてそれら全ての刺激を一瞬たりとも休み無く与えられ続けながら、最も弱い裏筋の根元の窪み、そこから一周するクリトリスの根元を8本の触手でにゅるにゅるぐりぐりと穿られ、なすすべ無くイかされ、イかされ、イかされる。

『ふぎぃぃっふぐっふっふぎゅっ、イぐあぁぁぁぁぁ~~~っ!!!』

『ふ、ふしゅ、んっ、くっ…はっ…あ、あ、あ、く、くいぃぃぃ~~~~』

 ミルドレッドはぐううっと一方に身体を捻り、そのまましばらく全身を力ませて、その力みの方に意識を集中させようとする。体勢に限界が来るとぎゅるんと逆方向に腰をひねり、同じように身体を硬直させ何とかクリトリスを苛み続ける強烈な痒みをやり過ごそうとする。

『いぃぃぃぃ~~~~きひっ、ひっ、ンいぃぃぃぃ~~きぃぃっ!』

 歯を食い縛り、食い縛った隙間から涎が垂れていく。痒みはクリトリスのみに与えられているにも関わらず常に力んでいるせいで全身が火照り、頬も真っ赤に染まっている。

『はふっ、はふっ、はふっ、は!?んん~~~っきゃはぁぁぁ~~~っ!!!』

 力んでいる最中は無意識に息を止めており、時折思い出したように激しく呼吸し、力みが緩む。痒みはまるで石があるかのようにその瞬間を見逃さず、強烈な波が襲ってくる。

『ぎひぃぃぃぃ~~~っ!かっ、かゆっ!かゆかゆかゆぅぅぅぅ~~~~!!』

 虫さされの痒みでも波は襲ってくるが、それらは10の痒みが8,5,2と静まっていきながら、突然思い出したかのように10に戻ることで起こる。しかし掻痒薬の波は10の状態が続いたまま突然15,20と跳ね上がる。

『いいいぃぃぃぃいくっ、イクっ、イくぅ~~~~~~っ!!』

『きゅひぃぃぃっ!かぁぁああっはぁぁぁ~かゆぃぃぃぃぃ~~~!!」

 想像しがたい2種類の苦痛を与えられたまま、二つのクリトリスは机の上で悶え続けている。

 その前にセドリックはいない。

 セドリックはリンジー型陰核占術器を使い次に得たい知識を探していた。

 セドリックの目を楽しませていない時でも、ヘザーとミルドレッドは哀れなクリトリスに休み無く責めを受け続けなければならない。

 壊れることのない2人の思考はセドリックと関わってしまった後悔に割かれることもなく、純粋にクリトリスに与えられ続ける刺激を処理し、苦悩を生み出し続けていた。

 ミルドレッドに痒みを与えてから3日。

 リンジーは4日間占術器にされたまま一度も解放されておらず、最長記録となる。

 既に次に必要な本は見つけ出し、リンジーは机の端から球を垂らしたまま置かれている。

「う~~~~~ん・・・・」

 セドリックは大いに頭を悩ませていた。今回はビラチーナやリンジー用の封印箱、掻痒薬といった物品ではなく、術そのものを作り出そうとしていた。

 封印する対象に身につけさせておく対象識別術は単に手から放出して相手に当てることが出来ないため装飾品などに施しているだけなので、セドリックが作成した術ではない。

 セドリックは暗記している一般化された回復術も少ない状態で新たな魔法を作り出そうとしていた。新たな魔法と言っても全く未知の魔法ではなく、何処かの誰かが習得していたとしても、一般化されておらず流通されていないため使用したければ自分で作るしかない。

 まだしばらくは問題無いが、荷物が増えすぎるためミルドレッド邸から金品は運んでこなかったため、ヘザーの蓄えがなければ無職のセドリックは無一文になってしまう。

 回復魔法士として田舎から出て来たものの、自身の魔法に自信はなく、冒険者組合に登録したところでヘザーの様に活躍できるはずも考え、セドリックはリンジーを使って占いで生計を立てられないかと考えるようになっていた。

 そのために必要な魔法、読心術を作り出そうとしていた。

「・・・う~~~ん、分からないぁ…」

 ちらりと卓上箪笥の上に目をやる。ミルドレッドに尋ねればこれまでの様に時間は掛かっても悩むことなく作成できるかも知れないが、セドリックはミルドレッドを痒みから解放する気になれなかった。

 そもそもヘザーにしても凝縮魔力が切れた時点で1度ビラチーナを外し様子をうかがおうと思っていたが、偶然の要素もあるにせよ1ヶ月イかせたままにしたものをたとえ一時でも解放し、休息を与えるのがもったいなくなって来る。折角1ヶ月放置したのだからもう少し、もう少しと延ばしている内に4ヶ月経っていた。

 ミルドレッドも当初2,3日と言っていた期限を既に1日超えている。ビラチーナに包まれているヘザーのクリトリスよりもよりはっきりと状態が分かり、一旦外して辛さを聞こうと思った矢先に痒みの波に襲われ、これまで以上に激しくクリトリスがのたうつため、折角今ちょうどきつい目に遭っているのだからまた後にしようと思ってしまう。

 順番を間違えたかなと思いつつ、セドリックは始めて独力で魔法を作ろうとしていた。

 今セドリックが開いている本始め、リンジーのクリトリスから吊されている球の動きで指示されるまでなら、実際に占っているのはリンジーだとしても読み取ることが出来る。

 しかしそこから先の精密な部分は何度か尋ねてみたものの、三つのリングの複雑な動きを感覚で理解しているため、リンジーも他者に伝えようがなく、説明された側も理解しようがなかった。

 そこで読心術を作ろうとしている。リンジーが占術器から得た卦をそのままセドリックも感じられるようにするしかないと考えた。

 セドリックの構想としては封印している自作の箱をもう少し小さく、手の中に収まるほどの大きさに作り直し、クリトリスをつまんだままリンジーに占いをさせ、そのクリトリスから結果が自分の頭の中にも流れ込んでくるような術が作れれば人前でも披露できるため仕事になるのではないかと考えている。

 火や雷を操ろうとしたり、死者や異物を召喚したりする魔法が失敗した時のような大規模な被害が起こるわけではなく、失敗すると相手の思考がなにも伝わってこないだけなので恐れることなく何度も試すことが出来るが、セドリックの未熟さを差し引いても読心術作成の難易度は高い。同じ方向に研究を進めていくと操心や洗脳に通じるためだ。

 すりすりすり。

 セドリックは四六時中リンジーのクリトリスに指を乗せ、さするようになっていた。

 読心術の開発に取り組み出した直後は、思いついた術式をノートに書き、間違いがないか確認した後試していたが、何度やってもリンジーの思考の一瞬分すら感じ取ることが出来ず、次第に確認がなくなり、ノートに術を書くこともしなくなり、クリトリスを撫でながらふと思いついた式をそのまま試すようになっていた。

 すりすりすり・・・あ、あと4回くらい撫でたらイクな。

「ぴ、ぴ、ぴ・・・ぴくぅぅぅ」

 1ヶ月近く、特にイかせるつもりもなく指がそこにあるのが当然というような状態でぼんやりとなで続けていると、リンジーが絶頂に達した瞬間は言うに及ばず、その前兆も正確に分かるようになってきた。

 常に動かしていても表面が傷つかないほどゆるゆるとした動きだが、続けられているといつかはイってしまう。

 結局リンジーもセドリックが研究を始めて1ヶ月、解放されずに封印されたままになっている。

「はぁ・・・読心術じゃなくて読核術覚えちゃったよ…」

 そのまましばらくスリスリとクリトリスの裏側を撫でていた指がピタリと止まる。

「ん?・・・読核?」

 セドリックは改めて指を動かし始める。

『ピクピクピク…』

 クリトリスは常に刺激に対する反応は示している。

『ピクピク…ぴ、ピクピク…』

「ん・・・・後…8回」

 今まであとどのくらいでリンジーが絶頂に達するか察しが付いても、わざわざそれを確認するために数えたりはしなかった。今回はしっかりと数えてみる。

『ピク、ピクピク…ぴっくぅぅぅっ』

 緩い刺激に因る緩い絶頂だが、間違いなく指の8往復後にリンジーは絶頂に達した。

 その後も意識して前兆を察すると達するまでを数えてみる。

 全て正しかった。

「・・・読めてるなぁ…」

 セドリックは何かを閃きつつあった。ただし読心術に関してではなく、新たなクリトリスの責め方を。

 読心術の研究を放りだし、セドリックは別の研究を始めた。自身もまだ何をどうすれば何がどうなるかはっきりとは分かっていないが、少なくとも生活の糧にリンジーを使うために読心術を研究するよりも、楽しみのためにリンジーを責める方法を作り出す方が俄然やる気が出てくる。

「ボクの感覚を術化すればいいわけだから…」

「それを感知させてから放散…いや別の方向に…?」

「ダメだぁ、それだと全部途切れるから…」

 常にさすっていたリンジーのクリトリスからも手を放し、更に占術器も外している。その占術器の重量を分散するために後から追加した補助リングを指で弄びながら考えを巡らす。

 読心術を投げ出して作成しようとしているのも術には違いなく、それを込めるのに補助リングを使うつもりでいる。

『あひっ、んっ、ンひっ、くふぅ、も、もう…とってくださぁぁぁぁい!』

 リンジーのクリトリスは掻痒薬を塗られ、琥珀色の液体を纏って痒みに震えていた。

 1時間ほど放置しているが、掻痒薬は硬化していない。ミルドレッドに与え続けているほどの痒みは強すぎるため、単純に水で薄めて塗布している。

「リンジー、そろそろ拭いてあげるから安心して」

 セドリックは布に液体を染み込ませ、クリトリス表面の掻痒薬を拭き取っていく。硬化していない掻痒薬を水で流すのは危険で、セドリックはそのことを理解していない。湿った布で拭き取られてしまったクリトリスはセドリックの亀頭ほどではないにしろ痒みに襲われたままになるが、セドリックは拭き取った後数時間イかせ続けるつもりだったので偶然にも問題にはならない。

 布に染み込ませているのは鋭敏薬だった。

『はぁぁぁ~~~っんん~~~~~っはっ…あぁぁん、ンふぅぅぅ~っ』

 痒がらされていたクリトリスをざらざらとした布で拭いて貰いながら、中のリンジーは身をくねらせて甘ったるい嬌声を上げる。

 辛さから一転し、素晴らしい快感を与えられる。更にクリトリスは拭かれている布の編み目の形状まで分かるようになってくる。そこで始めてリンジーは自分が鋭敏薬で拭かれていることに気づく。

 しかし快感が増しただけなので嫌がることなく喜んで受け入れる。

『んんん~~~っ、はっ、はっ、はっ、あぁぁぁ~~イクぅぅぅぅ~~~っ!』

 リンジーの絶頂を布越しでも感じたセドリックは掻痒薬も鋭敏薬も付着していない部分でクリトリスを包み、ゆるゆるとマッサージを始める。

『ン~~~っ・・・』

 イかせようとしているわけではなく、乾いた部分で残った掻痒薬を拭いつつの後戯なのでリンジーに辛さはない。

 そのまま続けていると再びリンジーのクリトリスが痒みを感じ始める。しかも鋭敏薬を塗られた後なのでより鮮明に極小の針でちくちくとつつかれているような感覚まで捉えてしまう。

『あぁぁ~~~なんでぇぇ~~~???』

 拭かれてから何も塗られていないにも関わらず痒みがより鮮明になって戻って来たことをリンジーは不思議がるが、それも一瞬のことで、すぐに思考は痒みで埋め尽くされる。

 セドリックは今度は1時間も放置せず、10分ほどでまた布を使いイかせてやる。鋭敏薬の代わりに潤滑剤を染み込ませ、布と一緒に親指と人差し指と中指でクリトリスを包み、にゅるにゅると動かす。意外にも直接同じように捏ねるよりも、布越しの方が勃起したクリトリスのこりこりとした感触が指に心地いい。

『ン~~~っあっっっ…はぁぁんイくぅぅぅぅぅぅっ!!』

 その後数回、セドリックはリンジーのクリトリスから痒みがなくなるまで、丁寧に刺激しながらイかせ続けた。

 そしてこの日に限らなかった。

 まだ完成はしていないものの、少しずつ頭の中が形になり始め先が見えたため、今のうちからリンジーのクリトリスにしっかりと快感を教え込んでおくことにした。指が碌に動かせなくなるほどヘザーのクリトリスを無慈悲にイかせ続けてきたので、優しくイかせる方法も分かっている。

 リンジーは依然封印されたままで出して貰っていないが、痒みを与えられ、しばらく我慢させられ、その後丁寧にイかされるというサイクルに慣れ、気に入り、ねばねばしたものを纏った筆が触れるのをドキドキしながら待つようになっていた。

 そしてそれは、リンジーがそうなってしまうほど研究に日数を費やしていると言うことでもある。

 ある日、セドリックは庭で複数の足跡を発見した。

「あ・・・」

 リンジー以外の来客がなかったため完全に油断していたが、ヘザーを封印してもうじき1年が経つ。

 ヘザー邸はミルドレッドの屋敷ほど人里離れた森の中にある訳ではないが、それでも周りに民家はなく人の目はそうそう届かない場所にある。

 一級の戦士だったヘザーが住んでいること自体が防犯になっていたが、失踪して11ヶ月経ちとうとうその効果が薄れ始めた。そうなると逆に町から離れた場所にぽつんと一軒建っている大きな屋敷がヘザーのものだと知っている無法者にとっては宝の山だった。

 既に他の冒険者たちの間ではヘザーは何らかの仕事中に事故で死んだか、返り討ちに遭ったのだろうとされていた。上位の賞金稼ぎが突然いなくなることはまれにあり、また他の賞金稼ぎにとってはライバルがいなくなっただけであるため、パーティを組んでいれば別だが、一匹狼だったヘザーを捜索しようとするものはいなかった。

「これは…まずいなぁ…」

 セドリックにもその足跡が無法者が下見の際に残したものだと気づいた。

 ヘザーがまだいるかもしれないという可能性を考えず足跡を残して去っているためただの浮浪者辺りが様子を見にやって来ているはずだが、その浮浪者を監視し、様子を見ながら安全かどうかを伺っている野盗が本腰を挙げ始めると、最早セドリックでは手の打ちようがなくなる。

「そろそろかなぁ…」

 足跡を見つける前からセドリックはヘザー邸から出て行かなければならないと考えてはいた。しかし他にやることが多かったため先延ばしにしていたが、こうなったからにはそろそろ本気で考えなければならない。

「あ~あ、しょうがないなぁ…」

 セドリックはぶるっと身体を震わせ屋敷の中に戻っていった。

「リンジー、久しぶりにちょっと捜し物して貰うよ」

『ピクッ』

 セドリックは補助リングをクリトリスに填め、その上をネジバネで閉めていく。

『ピクッピクッピクッ』

 1ヶ月以上ぶりに占術器の役目を与えられ、準備をされている最中も喜んでいるクリトリスの反応が伝わってくる。

 鎖の先に球体を取り付け、垂らす前に外れないか確かめるためくいくいと引く。

『ピクッピクッ』

 物扱いされ、リンジーの膣がまた湿っていく。

 外れないことを確認すると、そのまま球体を机の端から落とす。

『ぴっ!!??・・・・・ぴくぅぅぅぅ~~~んっ!!!』

 いくら軽いとは言え数十㎝の高さを落ちていく占術器の重量を全て受け止め、ここ1ヶ月開発され続けたクリトリスはその衝撃で軽くイってしまう。

「ちゃんと探し出せたらご褒美を挙げるからね」

 今のリンジーに取ってはご褒美と言えば痒みからの布愛撫だった。

 その快楽を貰うために気を取り直し、クリトリスの先にある占術器に意識を集中する。

「じゃあ始めるよ。今床にいろんな宝石や武器を並べてるから、それを高く売れる順に並べ替えて」

 セドリックは漸く本気で引っ越しの準備を始める気になった。

 ヘザー邸を出るに当たって少なくともミルドレッド邸から持って来た魔術関連の荷物と、当面の生活費としてまだ残っているヘザーのお宝が必要になる。ミルドレッドの荷物も後で選別するとして、まずヘザーのお宝を整理することにした。

 しばらく旅をしながら次の住処を探すことになるので、荷物は極力少なくする必要がある。怪しまれるため近くの町では稀少で高価すぎるお宝は換金できないため、リンジーを使い小さくて高価なお宝を選び出すつもりだった。

 結局読心術の開発はそうそうに投げ出してしまったため、並べたお宝の上を移動させていき、最も高価な物から順に探し出して貰う。

 剣や盾、鎧のような物は高価でも諦め、指輪や耳飾りなど小さい物を持ち出すことにする。

 お宝はかなり数が多く、特に装飾品はそこに使われている宝石の種類によって男のセドリックには同じように見えても全く価値が変わってくるため、一つ一つ調べているうちにリンジーのクリトリスはかなり疲れ、だらんと垂れ下がってきた。

「疲れちゃった?リンジー。続きは明日にしようか」

『ぴ、ぴくぅ~』

 だらしなく差し出されたクリトリスの腹を撫でてやりながらリンジーを労う。宝物類が終わった後は魔術関連が残っているため無理はさせられない。

「でも頑張ったからご褒美あげようね」

『ピクッ』

 リンジーはセドリックより10歳以上年上なのだが、長期間封印され占術器として扱われている内にセドリックを自分の所有者の様に感じ、従順になっていた。

 当初の目的から外れ、魔法使いではなく占いの道具になってしまっているにもかかわらず。

 くちゅり、と筆ではなく指が触れ、ここ1ヶ月ほど毎日塗られていた痒みを催す薬とは違う感触がクリトリスを包んでいく。セドリックが塗っているのはただの潤滑液だった。

『ぴくぅ…ぴ、ぴくぅ』

 リンジーはセドリックが自身の疲れを察し、今日は普通にぬるぬると弄ってイかせてくれるのだと考えた。我慢させられてからの刺激に慣らされたため多少物足りなくは感じるが、これはこれで気持ちいい。

『ピクッ、ピクッ、ピクッ』

 にゅるにゅるぬるぬると滑る指に捏ねられながら、リンジーのクリトリスは赤みを帯びながら硬くなっていく。

『ピクッ…ぴくぴくっ…ぴくくく・・・』

 セドリックの指はリンジーの絶頂の前兆を察知する。

『ピクッピクッぴっ…』

 絶頂の直前、セドリックはクリトリスから指を離した。

『・・・ぴっ?…ぴっ?ぴっ?』

「あ、ごめん。ちょっと鼻が痒くて。もしかしてイキそうだった?ごめんごめんすぐイかせてあげるから。続けるね」

 しかしセドリックは2度3度と同じようにリンジーが達する直前になると指を離す。

『ぴくぅぅぅーっ!!ピクぴくぅーーーっ!!』

 何度も続くとリンジーもセドリックが絶頂直前で寸止めし、意地悪をしていることが分かり、イかせてくれと抗議を込めてクリトリスを動かす。

「ふふ、ばれた?お預けされてるクリトリスが可愛いからついね。今度こそホントにイかせてあげるから」

『ぴ、ぴくぅ~』

 セドリックの言に嘘はなく、確かに絶頂寸前でお預けを言い渡されたクリトリスの、指を探すような仕草を愛らしいとは感じたが、しつこく繰り返していたのには他の理由があった。

 読心術を断念し取り組んでいた術が完成し、今まさにその実験をしていた。

 痒みを与えると実験結果が分かりづらいため今回は使用せず、代わりに寸止めを繰り返してクリトリスの絶頂欲を高めている。

 

 くちゅくちゅつるつると滑らかなクリトリスの表面を指を滑ら撫でて行く。

『…ピクッ、ピクピクぴくぅっ…』

 にゅちにゅちこりこりと勃起し快感を与えられ喜んでいるクリトリスをこねて行く。

『ぴっ、ぴっ、ぴっ…く、ぴくくくぅぅぅ…』

 セドリックはリンジーが絶頂に達そうとしていることを感知するが、今度は本当にイかせてやるため更に指を動かす。

 リンジーもその動きを感じ取り、安心して思い切りイこうとクリトリスに集中する。

『ぴくっ!ぴくっ!ぴくっ!・・・ぴくぅぅぅぅ~~~っ・・・ぴっ、ぴくぅ~~~~っ!!

 ・・・ぴくぅ~っ!ぴくぅ~っ!…ぴっ、ぴくぅぅぅぅ~~~???』

 絶頂を迎えるため腰に力を入れ、膣がきゅと締まり中に溜まっていた膣液がとろりと外に流れ出る。しかしリンジーは達していない。セドリックの指は先ほどと同じ速度でリンジーをイかせようと動いてくれている。

 何かの間違いかとリンジーはもう一度クリトリスに意識を集中する。

『ぴくっぴくっ・・・ぴくぅぅぅぅ~~~っ・・・ぴくぅ~っ!?ぴくぅ~っ!?ぴぃぃぃぃぃっ!?』

『んあっ!あっ…んんん~っ!はっ…くっぅぅぅん…ンはぁぁぁ~~~なんでぇぇぇぇ~~~っ!!??』

 快感は限界まで高まっており、後は真っ暗な闇の中に居ても目の前が真っ白になるような頂きに達するのみなのだが、しっかりと指の愛撫を感じているにも関わらずどうしてもイクことが出来ない。

『んあっ!んっ!くふっ!ン!ン!んんん~~~~~っいけないぃぃぃぃぃぃっっ!!!』

 快感を与えられ続けている内に何とかイこうとリンジーは全身を力ませたり緩めたり、ひねったり延ばしたりと藻掻くが、どうしてもイケない。

 セドリックの指はまだ止まることなく動いており、いつでもイケそうなほど気持ち良く、快感はクリトリスに溜まって来ている。

『いやぁぁぁ~~~はやくぅぅぅ~~~やめられちゃうぅぅぅ~~~』

 リンジーは早くイかなければセドリックが指を止めてしまうと、焦りながら何とかイこうとぐねぐねと体勢を変えていく。

 先ほどまで何度か意地悪された寸止め以上に直前まで高まっているため、今やめられるのは本当に生殺しだった。

 リンジーの心配をよそに、セドリックに手を止めるつもりはなかった。逆に何とかリンジーをイかせようとよりいっそう丁寧に細やかな愛撫を心がける。

『んいぃぃぃ~~~っ、いい~~~っくひぃぃっきもちいいのにぃぃぃ~~~なんでぇぇぇっ』

5分。絶頂直前から5分丁寧な愛撫を続けられてもリンジーはイくことが出来ない。

5分。絶頂直前から10分執拗な愛撫をして貰ってもリンジーはイくことが出来ない。

20分。絶頂直前がら30分経ちセドリックの指が限界を迎えてもリンジーはイくことが出来なかった。

「にひぃ~っっんひっ、んひっ、んふぅぅぅ~~~っ!んぁぁぁああああいきたいよぅ~~~っ!!!

 …はっ!?いやぁぁぁっまって!まってまってまってぇぇぇ~~~っ!!!」

 とうとうイくことが出来ないままクリトリスからセドリックの指が離れてしまった。

 リンジーのクリトリスはきょろきょろと生殺しの自分を唯一解放してくれる3本を探すが、それは既に遠く離れ、もう片方の5本に揉まれながら労われていた。

「ふう~~~~~っ」

 セドリックの指は久々に疲れ痛みを感じていたが、セドリック自身は満ち足りていた。

 始めて自分で作った魔法が、しっかりと機能したためだ。

 頭の中の代わりにクリトリスの絶頂を読めるようになったセドリックは、それを封じてしまう術を作り出していた。

『いやぁぁぁっ、もどってきてぇぇ!もうちょっとだからぁぁぁっ!!』

 直前まで高められながらイくことが出来なかったリンジーは暴れながら続きを懇願する。

 その甲斐があってかどうか、すぐにクリトリスへの愛撫が再開された。

 ただし指ではなく筆で。

 リンジーはより気持ちいい指の方がいいとは思ったものの、イケないまま止められるよりはいいと今後は毛先に意識を集中する。

 時折使われる時は快感よりくすぐったさの方が大きく中々イくことが出来ないが、今なら刺激でさえあれば何で与えられてもイケそうなほど高まっている。

『あはっ、んっ、んっ、んっ…』

 まだ潤滑液が残っているため筆はすぐに動きを鈍らせるが、サラサラと乾いた表面を撫でられるよりも今のクリトリスにはゆっくりでもしっかりとした刺激の方が有りがたかった。

『あっ、あっ、あっ、イクっ…いっ、いっ、イ、イケる…イっ・・・んんん~~~あああっイケないぃぃぃぃ~っ!!!』

 やはりそのまましばらく続けられてもリンジーは絶頂に達することが出来なかった。

 リンジーは生殺しに悶え、セドリックはまたも胸をなで下ろす。指での刺激でなくともしっかりと術の効果が続いている。

 セドリックは生み出した術を絶頂阻害術と名付けるか抽出術と名付けるか悩んだあげく、言いやすさから阻害術と名付けていた。

 しかし阻害も抽出もどちらも術の機能を言い得ている。

 途中で投げ出した読心術も、少しは阻害術の役に立っていた。

 他者、リンジーの思考を読むことは出来なかったが、自分自身、セドリックの意識を読み取り反応させる術構造は作り出すことが出来た。

 セドリックが、たとえ無意識にでもリンジーの絶頂の前兆を感じ取ると術を施した補助リングが反応し、リンジーが直後に得るはずの絶頂を阻害、或いは抽出してしまう。

 読心術をある程度まで研究していたため、思いついて以降は簡単に作れると思ったセドリックだったが、実際に式化してみると中々手こずり、実際に試してみるまでに1ヶ月以上かかることになった。

 有る刺激を阻害するという点において、仮に足をガラスで切ってしまったとする。その際、小さな破片が傷口に残ってしまっている。

 その痛みを阻害するのは簡単で、傷口から脳に至るまでの何処かで神経中を移動している情報を堰き止めるだけで事足りる。

 しかし快感の場合はそう簡単にはいかない。

 セドリックはリンジーの快感を阻害したいわけではなく、絶頂だけ奪いたかった。そのためかなり頭を悩ませた。

 快感を阻害とは言わば通常の状態、どこにも触れていない状態に等しい。

 絶頂をのみを阻害すると言うことは、足の怪我の痛みの中から、時折傷口の中で動いてちくちくと刺すガラスによって与えられる痛みだけを阻害するのに等しかった。


 術単体では快感を与え続けている間常に高速で脳とクリトリスの間を行き来している情報を見分けることは難しい。

 しかしセドリックの指はそれが出来る。

 補助リングに施された術はそのセドリックの感覚を読み取り、絶頂が訪れる瞬間にその信号だけを抽出し、一旦リング自体に取り込んだ後またクリトリスに戻す。

 快楽信号は阻害されることなく脳とクリトリスを巡っているが、絶頂信号は脳に届くことなくリングを一周しまたクリトリスに戻っている。

 リンジーはこのリングをクリトリスに取り付けられている限り、どれほど素晴らしい愛撫で快感を与えられても、どれほど精密な器具で快感を与えられても、決して絶頂は得られず、それどころか寸止めのように一旦波が引いていくこともなく、快感が蓄積されて一旦絶頂直前まで達すると、以後常にその状態のまま留められてしまう。

 ただし術の一部にほぼ一年間3人の女性のクリトリスを弄び続けたことによって得たセドリックの特殊能力が組み込まれているため、リングを填められていてもセドリック以外から与えられる刺激でならイくことが出来てしまう。

「リンジー?いつもならクリトリスの反応見ててイったのが分かるんだけど、もしかしてまだイケてない?」

『ぴ、ピクーっ!ピクーっっ!!』

 クリトリスが揺れる振動が伝わった鎖がしゃらんとたわみ、一瞬間を置いてクリトリスがギュッと引かれるが、やはりイくことは出来ない。セドリックは刺激を与えている方の手からの信号をリングが読み取っていると考え、指と筆の違いを試したが、そもそも責めていない方の手で常に箱を掴んでいるため、セドリックが触れてさえいれば何を使って快感を与えても絶頂が阻害されるのは当然だった。

「おかしいな?大丈夫、ちゃんとイかせてあげるから、ほら♫」

 セドリックは筆を置き、布を手に取る。

 そこに半分は潤滑剤、もう半分は鋭敏薬を染み込ませ、ふわりとクリトリスを覆う。

『ぴくぅっ!』

 布の感触を感じ取ったクリトリスが喜んで跳ねる。これで擦られたら間違いなくイくことが出来る。

 しゅちゅっ、にゅくっ、こりっ。

 こりこりっ、くにゅっ、くにゅくにゅっ、じゅしゅっ、しゅっ。

『あふっ、んっ、あ、あ、あ、んぁぁぁ~ん、ンひっはぁぁぁ~っ』

 リンジーは布のざらざらとした感触を指でこりこりとクリトリスに押しつけられながら磨かれていく。

 愛撫されている物の違いを差し引いても指や筆より気持ち良くなってきたため、鋭敏薬も塗られていることに気づく。

『ああぁぁぁ~~~ん』

 何故か急にイケなくなったことによる不安で引きつつあった快感の波が安心して戻ってくる。これくらい気持ち良くしてもらえればすぐに1回、さっきまでの分を取り返すためにも立て続けに4,5回イける気がする。

「気持ちいい?リンジーこうするとすぐイケちゃうでしょ?」

 セドリックはいつものように布の下で反り返っているクリトリスを3本の指で3方向からつまみ、左右に捻りながら上下に扱いていく。

『あはぁぁ~~~っっ、いっ、イクイクイくぅぅぅぅぅ・・・う?』

 一番好きな指の動きで瞬く間に絶頂直前まで引き上げられる。

『あぁぁ~~~~っんん~~~~やっぱりむりぃぃぃ~~~っ!!』

 しかし、やはりどうしても頂きを越えることが出来ず、中のリンジーはじたばたと子供のようにだだをこね始める。

 その間もクリトリスは磨かれ続けておりしっかりと快感を感じ続けているが、イくことが出来ない状態で刺激を与えられ続ける事が徐々に苦痛に感じてきた。

『んん~~~も、もういいですぅ!イ、イケないからもういいぃ~~~っ!!』

「リンジー、イケないみたいだね。いつもはこうするとすぐイっちゃうのに」

 セドリックは細かくクリトリスを扱く。

『はっ、はぁぁぁっ、んやっ!も、もういいですぅいけないからぁっ』

「やっぱイケないね。うん、それ、これからずっとだよ」

『んんん~~~っ・・・・ん???』

「今リンジーがイケないの、ボクが魔法で封じてるからなんだよ」

『ピクッ!?』

「最初はリンジーをボクでも結果が分かる占術器にするための魔法を作ってたんだけど、いつの間にかイクのを封印する魔法が出来ちゃった」

『ぴ、ピク?ピクッ!?』

「でも占術器としてもやっぱり使いたいから、リンジーのことはもうこの先もこのままにしておくことにしたよ。

 これまで通りちゃんと占えたらご褒美あげるし、出来なかったらお仕置きね。・・・まあこれからはご褒美貰っても絶対イケないけど」

『ピクー!ピクーっ!!』

「ほら、まだイケないでしょ?ご褒美の時はもっと気持ちいいことしてあげるからね」

 セドリックはリンジーに、リンジーのクリトリスに何が起こっているのかを説明している間もずっと指を動かし続けていた。リンジーはクリトリスで抗議しながらも絶頂を迎えようと藻掻いていたが、セドリックの言う通りどうしてもイくことが出来なかった。

 くちくちくちくち、にゅちゅにゅちゅにゅちゅ…。

『やぁぁぁぁ~~~~っ!イかせてぇぇぇ~~~~っ!!!』

「どこがいいかなぁ・・・どこがいいと思う?」

 机の上に地図を拡げ、その上に占術器を垂らす。

 ヘザー邸を出る準備を進めながら、セドリックは次に向かうべき土地をリンジーのクリトリスに占わせていた。

『ピクッ…ぴっ、ピクッ…』

 リンジーのクリトリスは琥珀色に覆われており、ミルドレッドのクリトリス同様しっかり硬化している。

 セドリックは漸く、完成した掻痒薬を水で薄めるのではなく、調合の時点で結晶化して痒みを与える成分を減らせばいいことに気づいた。そのためリンジーのクリトリスはミルドレッドほど凶悪な痒みを感じてはいないが、ムズムズとこそばゆいような痒みを感じ続けている。

 当然そのせいで占いに集中できない。

『ぴ…ぴ…ピクッ…ぴきっ…』

 集中できない理由はそれだけではない。お宝、魔法関連の荷物の選別を数日掛けて終え、その間ご褒美として何度もクリトリスに丁寧な快感を与えられたが、1度もイくことが出来ていない。

 既に術を掛けられその効果によって絶頂が封じられているのははっきりと理解しているが、お気に入りの愛撫をして貰うと毎回今度こそはイケるのではと感じ、全力でクリトリスに意識を集中してしまう。

 しかし結局イくことは出来ず、集中した分だけ辛さが増していった。

「・・・あれ?そっち?…そっちは出て来た村の方だから、出来れば北の方がいいんだけど?」

 ヘザー邸は首都近郊西側の比較的人口が多い町の外縁部にある。リンジーを使った占いで生計を立てようと計画しているため、あまり人の少ない場所に移るわけにはいかず、かといって首都そのものは物価や家賃が高いため選択から除外される。

 リンジーのクリトリスは辛さを堪えながら現在地より北方面を示そうとするが断られ、選択肢を狭められた中で最前の転居先を探そうとする。

「うん、まあそこならいいかな」

 結局首都を中心に北の近郊都市か西の近郊都市かしか選択肢はなく、リンジーを使うほどのことでもない。

「そこに決めたよ。今年は寒くなりそうだから急がないと」

 コン、と占術器が机の上に置かれる。腕を下げリンジーのクリトリスから薄く硬化した掻痒薬を剥がしてやる。

「痒かった?これからご褒美あげるからね」

『ぴぃぃぃっ!ぴくぅぅぅっ!!』

 最早ご褒美がご褒美でなくなってしまっている。痒かったことは確かなので搔いては貰いたいが、イかせようとはしないで欲しいとクリトリスが訴える。

 しかし懇願の甲斐なくクリトリスに潤滑剤を含ませた布が被せられる。

「家は向こうに着いてから探すとして、移転先も決まったし、当分占うこともないだろうから、今日はたっぶり長く気持ち良くしてあげるよ♫」

『ぴっくぅぅぅ~っ!?』

『ンひっ、んっ、ンフッ、んんっ・・・あんんん~~~っ』

 ひっきりなしに充血したクリトリスに快感が送り込まれてくる。セドリックの指はリンジーのクリトリスに痛みを与えることなく最善の力加減でつまみ、こりこりしゅりしゅりと布越しにこね続ける。

『ひぃぃぃ~・・・んっ!あひゅ、あひゅ、あはぁぁぁ~~~っ』

 とっくに絶頂直前まで快感が蓄積し、その状態が維持され続けている。

 リンジーは顔をくしゃくしゃにし、下唇を噛みながらくねくねと腰を回し続ける。膣液が溢れ、その入り口周辺が白くトロトロになるほど気持ちいいことは確かで、もっと続けて欲しいと思うってしまうのだが、もっと続けられれば続けられるほどクリトリスだけでなく性器全体がイくことが出来ない辛さで切なくなり、悶えることになる。

『イやぁぁぁぁ~~んっっ、もぉぉぉ~~、ンひっ、イキたいよぉぉぉぉ~~~っっっ!!!』

 セドリックの中でリンジーのクリトリスは驚くほど硬くなっている。10日間絶頂を封印したまま快感だけを与え続けるとクリトリスはこんなにカチカチになるのかとセドリックは思いつつ、その可哀想な感触を気に入り、もっと気持ち良くさせてみようと考える。

 性器の苦悩を体現する一つの痼りのようになったクリトリスを更に素早く細かく扱き、捏ねる。同じ様に指を酷使しながらヘザーをイかせ続けていた時よりも、イケないクリトリスをイかせ続ける方が楽しいとセドリックは感じる。

『くぅぅぅ~~~っ、はぁぁぁ~~っ、んん~っ!イキたぁいっイかせてぇぇっっ!!』

 刺激を与えられ始めてしまう前までは辛さが分かっているため止めて欲しいと願うのが、一旦始まり直前まで高められると、イケないのは分かっているのに直前で止められてしまうことの方が辛いため、止めて欲しいとは請えなくなる。

 こりこりくりくり。指を動かしながら、このクリトリスにかなり機能を少なくして力を弱めたビラチーナを被せたらどうなるだろうとセドリックは考える。

 考えるまでもないが、そこまですると占術器としての機能は果たせなくなるため、当分の間保留せざるを得ない。ただし保留している間にリングに完全に自身の指の感覚を記憶させ、触れていなくても絶頂を阻害し続けられるようにリングを改良することは決めた。

『ああぁぁっもぉぉぉっ!!イかせてくだぁぁぁぁ~~~~いぃっっっ!!!』

 セドリックの指に翻弄されながら、その後5時間リンジーは絶頂直前のまま悶えさせられた。

 この日だけでも。

 荷物の積み込みが終わった。

 庭で足跡を見つけて以来、リンジーを遊びながらも急いで準備を進めた為、何とか特をまたぐ前に引っ越しの準備を終えることが出来た。

 この後新しい町に移動し、家を見つけ、来年からは働きながら新しい生活を始める。

 ミルドレッドの屋敷から荷物を運んできた際には馬車2台が必要だったが、今回は選りすぐったため1台で済み、既に門の外で待たせてある。

 セドリック自身の荷物は肩から提げた鞄のみだ。

 殆ど自分の意志ではなかったが。結果的に5年間住むことになった屋敷を見て回る。

 家具類は全て置いていく。屋敷自体はあくまでヘザーが所有しているままなので勝手に売り払うことも出来ず、誰もいなくなった屋敷は野盗を始め無法者達に荒らされることになるはずだが、何も盗み出す物がなくなり落ち着いた後、また戻ってくることも出来る。

 セドリックはすっかり使い慣れた机の上に蓋を開けた三つの箱を並べる。この机も置いていく。

 ヘザーのクリトリスはこの瞬間もイキ続けている。

 封印してから14ヶ月、強制絶頂を与え始めてから10ヶ月が経過していた。

 ビラチーナを被せられて以来、感覚を高められ、吸われたまま引き延ばされ、扱かれながら全表面をくすぐられ、弱点を刺激され、一瞬たりとも休みを与えられることなくイかされ続けている。

 封印空間の作用で一級戦士としてのプライドが崩壊することもなく、自分がされ続けていることをはっきりと理解した上でクリトリスが認識できうる最大の快感を与えられたまま、全身を痙攣させ口や膣からだけでなく、肛門からも体液を垂らし、それら全てが循環する中で必死に叫び続けている。

 しかしそれが外に漏れることは一切無い。

 どんなにクリトリスから意識を引き離そうとしても無慈悲なビラチーナはそれを許さず、クリトリスが引き締まれば引き締まるほど根元の窪みで激しく暴れ回り、抵抗を諦めさせる。

『あっ、はがっ…くっ…イ、い…ぐ…』

『ンぐっ…くっ…ああっ、いぐっ!イクイクいいくぅぅうぅぅ~~~~っああああ~もうあぁぁぁぁ~~~っ!!!』

 腰が激しく前後に動く。しかしどんなに中で激しく暴れているつもりでも、ビラチーナがクリトリスからほんの僅かでもずれることはない。

 覆ったクリトリスをイかせ続けるためだけに生み出された生き物は、苦しんでいる本人が不幸にも放出し続けている魔力を使い、誰かに外されるまでひたすら熱く、充血し、痙攣するクリトリスを責め続ける。

 封印してから11ヶ月、掻痒薬を塗ってから5ヶ月半、ミルドレッドは今も強烈なクリトリスの痒みに苛まれ続けている。

 琥珀色の膜に隠れたクリトリスは真っ赤に晴れ上がり、いつの間にか外部の力で引き延ばされているヘザーのクリトリスとほぼ同じ大きさになっていた。

 箱表面に至るまで掻痒薬を塗りたくった結果、痒みを与えている極小の結晶が劣化することなく、こちらも誰かに外して貰わない限り苦悩が終わることはない。

 中のミルドレッドは美しい顔をギュッと歪ませ、目や眉間に皺を寄せながら歯を食い縛っている。

『ぐぅぅぅ~~~~いぃぃぃぃぃ…っ、イひっ、イ、イひっ、くぅぅぅ~~~っ』

 叫ぶ、というより顎を開くと身体の力みが抜け、いっそう激しい掻痒感に襲われる。そのため絶叫したい気持ちを抑え、浅く呼吸しながら何とか少しでも痒みをやり過ごすとする。

『くひっ、くっ、くひっ、ひゅっ…ひゅっ・・・ひゅひっ!?』

 しかしどんなに工夫を凝らしても、痒みは定期的にそれら全ての努力を無に帰す強烈な波を与えてくる。

『いぎゃぁぁぁ~~~~っ!!がっ、がゆぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃ~~~っ!!!』

 そうなると最早身体を強ばらせておくことは出来ず、ミルドレッドは口に溜まった涎を垂らしながら見る影もなくのたうち回る。

 腰をくねらせただ波が治まってくれるのを待つしかない。そして治まったとしてもそれは次の波までの猶予期間でしかなかった。

 二つの箱の蓋を閉じる。

 新しい町に移り、新居を見つけたとしてもこの二つのクリトリスは解放せず、そのまま悶えさせ続けようとセドリックは考えていた。

 一流の戦士と魔法使いのクリトリスがそろって苦しみ藻掻いている様は常にセドリックの目を楽しませていた。

 そしてこの先も延々楽しませて貰うつもりで、セドリックはいた。

 そこまで遠い距離ではないが屋敷の外に持ち出すのはこれが初めてなので、万が一に備えて蓋に施錠術を掛ける。

 どこの法具店でも扱っている使い捨ての魔法札による物で、セドリックの術ではないが、少なくとも他者が勝手に蓋を開けることは出来なくなる。

 苦悩と一緒に閉じ込められた二つのクリトリスは、セドリックの鞄に入れられ次の住処に向かうことになる。

 ヘザー邸を訪れてから8ヶ月、最後に封印されてから4ヶ月。絶頂を封じられて一月半。

 引っ越しの日でもリンジーのクリトリスには占術器が取りつけられている。

「それじゃ、もう家を出るよ」

 差し出されているクリトリスの腹を撫でながら伝える。ヘザーとミルドレッドにも引っ越すことは伝えているが、リンジーよりも遙かに辛い状態にあるため、伝わっているか定かでは無い。

「2日くらい掛かるから、その間ずっと気持ち良くしててあげるよ♫」

『ぴひぃぃぃ~…』

 セドリックはリンジーを鞄ではなく袖の中に仕舞う。実際に道中弄ぶ為でもあるが、道具としても使うことがあるかも知れない。

 最後に3人の女達を片付け、セドリックはヘザー邸を後にした。

 待たせていた馬車に乗り込む。

 今年の冬は何年かぶりに冷え込み、雪が降ってもおかしくない雲行きの下待たされていた御者は不機嫌そうに馬車を走らせ始める。

 元々ヘザーぐらいしか使用していなかったため整っていない細い道を下っていく。

 しばらく会話もなく進み、セドリックはふと振り返る。

 既にヘザー邸は木々の中に消え見えなくなっていた。

 何年後かに戻って来た時まだ住める状態ならいいけどとセドリックは考える。

 宝物庫にセドリックにとっては不必要な武具類はおいたままにしてあるので、荒らしに来た無法者達がまるっきり手ぶらで帰ることにはならない。八つ当たりで屋敷そのものに被害を与えるようなまねをされる可能性も少しは減るかも知れない。

 金庫の中にも大して高価でない装飾品類を・・・。

 そこまで考えてセドリックはの心臓はどくんと脈打った。

 慌てて鞄の中を漁る。無意識に持ち出していることを期待したが、やはり見つからない。

「あ、あの、御者さん!ちょ、ちょっとその…忘れ物です、止まってください!」

 セドリックは馬車を止めて貰い、事情を説明する。

 よりいっそう不機嫌になった御者に気を使い、引き返さず待つように頼み、セドリックは走って屋敷へ引き返した。

 白く息を切らせながら来たばかりの道を引き返し、屋敷に戻る。

 何の感慨もなく、別れを告げたばかりの廊下を進み、地下室に向かう。

 セドリックは手に取りすらしなくなって久しい、一番最初に見つけた名も無きクリトリスの箱を金庫の中に置き忘れていた。

 蓋も閉めたままだったので置いていく装飾品を仕舞っている際も目に入っているようで入っていなかった。

「ごめんごめん、流石に置いていくのはね」

 箱を手に取り、蓋を開けツンと突いてみる。最初は大きく見えたクリトリスも今では四つの中で最も小さい。

 クリトリスはしっかりと反応を示し、ぴくりと動く。

 鞄から余っていた施錠術の札を取り出し、念のためその箱にも鍵を掛け鞄にしまう。

 改めて玄関まで戻ったところで階段が軋む音が聞こえ、振り返った。

 そこに2人の男が立っていた。

「あ・・・」

 侵入者の方もセドリックと同じようにきょとんとした表情を浮かべている。ヘザー宅に狙いを付ける同業者が増えつつあり、使用人らしき男が数週間前から引っ越しの準備を始めたことを知ると、後れを取らないために交替で見張りながら、この日誰よりも早く屋敷内を探索しようと木の枝を伝いわざわざ2階から侵入していた。

 それが2階を回り1階に下りようとすると、出て行ったはずの使用人が戻ってきている。

 セドリックの足は止まっている。

 扉を開けた後に遭遇していたら一目散に逃げていたはずだが、残念ながらまだ手がノブに掛かっただけで開いてはいない。

 野盗の1人と目が合ったまま数秒が過ぎる。

 セドリックは意を決して扉を開け、外に飛び出した。

 膝が震えもつれそうになる足を何とか踏み留め走る。

「バカ野郎、なにやってんだ!ほっとけ!」

 後ろからどちらかの怒声が聞こえるが振り向くことなく馬車を待たせているところまで急ぐ。

 普段全速力で走ることなど無いにも関わらず急に走り出したためか背中が痛み、徐々に目眩がしてくる。

 緩い坂道を駆け下りながら、ヘザー邸から町までの道のりで唯一ある分岐にさしかかる。ここを大きく曲がると屋敷が見えなくなり、その先に馬車が待っている。

 何とか動かしていた足がとうとうもつれ、曲がりきれずにセドリックは遠心力に引かれながら外側の斜面に倒れ、そのまま転がり落ちてしまう。

「うぐっ…」

 何処かに激しい痛みが奔り、思わずセドリックは呻いた。急いで立ち上がろうとするが、打ち所が悪かったのか何故か立ち上がれない。

 幸か不幸か斜面を転がり落ち木々に隠れているため、痛みが引くまで身を隠しておいても見つかることはなさそうだと考える。

「あててて…ちょっと休憩…」

 セドリックは目を閉じた。

「・・・いたぞ、落ちてる」

「バカ野郎が、ほっとけばいいだろう」

「よく考えろよ。わざわざ戻って来てるんだぞ?何か大事な物を忘れてたに決まってる」

 道からセドリックの元まで降りてきた野盗の片割れが、自身が投げたナイフをセドリックの背中から抜き、木に擦って血を拭う。

「・・・だとしたらさっさと鞄を持って戻るぞ。何処かで馬車を待たせてるはずだからな。役人でも呼ばれたら苦労が水の泡だ」

 2人はセドリックの肩から鞄を外し、早々に立ち去った。

 リンジーはドキドキしながら待っていた。

 今日が引っ越しの日で、新しい町に向かう間イくことが出来ないクリトリスを無慈悲に弄られ続けるのを。

 しかし蓋を閉じられ何の音も聞こえなくなってからかなり時間が経っているはずだが、自身のクリトリスにセドリックの指が触れることはない。

『ピク、ピク…』

 掻痒薬を塗られているわけではないので、快楽を与えられない限りリンジーのクリトリスは占術器を付けられたままではあるものの、ただの大きなクリトリスでしかない。

 セドリックは2日ほどかかる為その間弄り続けると言っていたが、止めにしたのだろうかとリンジーは考える。

 しかし、封印中の時間感覚に自信が持てなくとも明らかに2日以上は経過したにも関わらず、セドリックの指が触れることはない。

 やがてリンジーは何かあったのではとセドリックを心配し始めた。

 そこから更に何もない時間が流れると、今度は恐怖を感じ始める。セドリックに何かあったとしてもいずれ戻ってくるはずだと考えていたが、もし戻ってこなかったら自分はどうなるのだろうかと。

 何も出来ないままリンジーはセドリックにこういうことが起こったのかも知れない、もしくはこういう事態に巻き込まれたのかも知れないと想像を巡らす。

 しかし無数の想像の何れかが正解なのかどうかも知ることなく、更に時間が流れていく。

 ある時ふと、クリトリスに何かが触れた気がした。

『ぴ!?ぴくっ!?』

 ほんの一瞬、極弱く感じただけだったため、リンジーは錯覚か、自分がおかしくなったかのどちらかだろうと考える。封印中の脳内は正常に保たれ壊れたりしないことをリンジーは知らない。

 しばらくするとやはりクリトリスに何かの感覚があった。

 リンジーは錯覚でないと知り、ずいぶん久しぶりにクリトリスに意識を集中する。

 何度か同じ感覚がクリトリスの表面を通りすぎていき、とうとうリンジーはそれが風であることに気づいた。

 風だと気づいたリンジーは大いに落胆したが、これまで長い間何も感じなかったクリトリスに風が当たると言うことは、何処かに移動したか蓋が少し開けられたと言うことなのではと気づく。

『ピクーっ!!ピクピクピクーっ!!』

 リンジーは誰かが側にいるのだと信じ、必死にクリトリスを動かす。この際見つけた相手に弄ばれてもいいので、とにかく放っておかないで欲しいと。

 リンジーの予想は多少当たっていた。確かに箱の蓋は僅かに開いていた。最初から。

 占術器はクリトリスに繋がったままで、その要である球体部分は蓋の中に仕舞えないため外に出ている。その鎖の厚さ分、元々蓋は完全に閉じていなかった。

 しかし時間が経ち、リンジーを寒さから守っていた袖が雪解けと共に朽ち始め、春の風が少しずつ細い隙間を通り抜けるようになっていた。

 そこからまた何もない時間が過ぎていく。

 時折クリトリスが濡れているような感覚があり、それが何度か続く内にリンジーは箱が、そして自身のクリトリスが屋外にあることに気づく。濡れているのは何処かから雨が入り混んでいるためだ。

 かつて自分を所持していた青年はやはりもういないのだろうという結論にリンジーは達する。

 何があったのかは分からない。かなりいやらしく意地悪な面もあったが、悪人ではないと考えていたため、自身を売ったり捨てたわけではないと信じる。

 リンジーは想像と考え事くらいしかすることがなかった。

 その中でもなぜ私の占いは私に魔法使いになるように指示し、あの青年に引き合わせたのだろうかという疑問が何度となく巡る。

 箱の周りを季節が巡るように。

 時折クリトリスに暑さと寒さを感じる以外何事もなく、長い時が過ぎていった。

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