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 ミルドレッドの屋敷を荒らしたのはセドリックだった。失踪したのではという噂は立っていても、まだ3ヶ月程度では野盗も浮浪者も悪名高いミルドレッドの屋敷に侵入しようとは思わない。見つかることが死ぬことに等しい。

「…そうですか、ここはあのヘザー様のお屋敷だったんですね。で、あなたは…使用人?」

 来訪者はここがヘザーの屋敷と知らず、純粋に自身の占いに導かれてやって来ていた。

「…そうです、使用人です。ヘザー様は依頼で遠くまで出向いていて、まだしばらくお戻りになりません。

 ミルドレッドに至っては論外です」

「おかしいなぁ、占いには結構自身があるんですけど。なんかこのお屋敷の、上の方にいらっしゃるってでてるんですよねぇ」

 占術師は自分に合った独自の咒器を使う場合が多い。来訪者の場合円が同心円状に三つ重なり球を形作っている器具を用いている。

「・・・な、なんでミルドレッド様を探してるんです?関係者ですか?」

「・・・弟子入りしようと思ってるんですよ。この辺では一番の魔法使いじゃないですか、ミルドレッド様が」

「で、弟子入り?弟子って…ミルドレッド様ですよ?悪名高い」

「そうなんですけど話せば分かってくれるかと。ところでやっぱりちょっと2階見せてもらえませんか?」

「えっ!?駄目ですよ、その、散らかってますし、いないですし」

 来訪者に屋敷の、しかも上の方にいる気がすると告げられて以降、セドリックはしどろもどろになりミルドレッドに敬称を付けてしまっていることに気づいていない。ただし、来訪者も気づいていない。降らないに自身があるだけだ。

「ちょっと見るだけですから。それでいらっしゃらなかったら諦めて帰ります」

 1階の応接室までは通されていた来訪者は立ち上がり、セドリックに制止する間を与えず2階に上がって行く。

「いやあの、ちょっと困るんで、もう帰ってください」

「帰ります。確認したら」

 2階に上がった来訪者は真っ先に先ほどまでセドリックがいた部屋に入っていく。2階にも部屋はいくつもあるが、灯りが点いているのがそこだけで、しかも扉が半分開いたままなので真っ先に選ばれるのも無理はない。

 来訪者は部屋に入った瞬間に立ち止まる。

「あれ?・・・なんか凄いですよ?なんでこんな道具が…ヘザー様のお屋敷なんですよね?ヘザー様は魔法使いじゃないですよね?」

「いや、これは…ボクの…」

「え?あなたも魔法使いなんですか?魔法使いなのに使用人・・・」

 室内の魔法道具に驚いて足を止めた訪問者は、改めて中に入っていく。

「本もたくさん…この部屋ならミルドレッド様がいてもおかしくないんだけどなぁ」

 ちらりとセドリックに目をやる。明らかにセドリックの様子がおかしいことはさすがの訪問者も気づいた。

「で、でもいないでしょ?他の部屋も見ていいですから、見たら帰って下さい」

 この部屋さえ通過してしまえば後はどの部屋を見られても問題無いため、セドリックは急かす。

「もうちょっと…使用人さんはどんな魔法が使えるんですか?私も魔法使いになりたいんですよ。占いには自信あるんで、魔法使いにも成れると思うんですよねぇ…」

 訪問者は室内を歩き回りながら喋りかけているが、気もそぞろなセドリックには届いていない。

「こんな難しそうな本や器具があるんだから、結構凄い魔法使いですかぁ?もしかして」

 特に物が多い机の前を通り過ぎながら訪問者は喋り続けている。その足が止まり、振り返る。

 視線の先にこんな事態になるとは思いもよらず、蓋を開けたままの箱があった。

 セドリックは箱に気づかれたことに気づき、また空の箱を用意するしかないと考え始める。

 訪問者は手に持ったままの占術器と箱とを交互に見始めた。

「・・・あの、もしかしてあれがミルドレッド様じゃないですか?」

 訪問者の占い師としての実力の確かさが証明され、とうとうセドリックは諦めた。こうなったら逆に引き留めて、封印の準備を始めるしかない。

「はぁ…そうですよ、あれがミルドレッド様です。嘘ついてすいません」

「でもどういう・・・もしかしてふ、封印術ですか!?使用人さん、封印術が使えるんですか?」

 魔法使いになるためにミルドレッドに弟子入りしようとしていただけあり、来訪者は封印術の高度さは承知していた。

「まぁ…そうです。ボクが封印しました」

「すごい!あのミルドレッド様を封印出来てしまうんですか!?あなた!」

 来訪者は顔を箱に寄せて凝視する。

 その時始めてその中央にある珊瑚の宝石が激しく動いていることに気づいた。

 ミルドレッドは遠くからセドリック以外の声が近づき、それがすぐ近くで止まり更には自分の名を発していると分かると、助け出されることを願って必死にクリトリスを動かし続けていた。

 既に封印する決心をしているセドリックは訪問者がクリトリスに気づいた様子を見せても開き直って慌てる様子を見せない。

「あのぉ、これ、もしかしてその…クリトリスじゃないですか?」

「そうですよ」

「み、ミルドレッド様の?」

「そうです」

「…こ、こんな封印の仕方もあるんですね。…よりにもよってクリトリスを・・・なんでですか?」

「…へ?」

「なんでクリトリスだけ外に出してるんですか?」

「・・・・・」

 何故と聞かれると答えようがなかった。無抵抗なクリトリスで楽しく遊ばせて貰ってはいるが、それはあくまで結果論で、自分の意志でクリトリスだけを外に出しているわけでは無い。

 老魔法士のノートの通り封印術を使っただけなので、今後セドリックがクリトリスだけでなく膣や肛門を外に出したいと思っても叶わない。

「ねぇ、なんでですか?」

「・・・お…お仕置き中です」

「おしおき?」

「あなたはミルドレッド様の弟子になりたくてここを探し当てるくらいですから尊敬してるのかも知れませんけど、たいていの人にとっては凶悪な犯罪者ですからね。だから封印しながらお仕置きしてるんです。2度と悪いことをしないように」

「…なるほどぉ!だから爪の跡が残ってるんですね?」

「え?あ、そ、そうです」

「・・・・・・・使用人さん!私を弟子にしてください!」

「・・・え?なんですって?」

「ミルドレッド様を封印出来るって言うことは、あなたの方がより凄い魔法使いですよね?だから弟子にしてくれませんか?」

「はい、どうぞ」

 訪問者リンジーが、前に立ち寄った町から何も食べていないというのでセドリックは改めて1階の応接室に案内し、食事と飲み物を用意してやった。

 その間、スープを温める時間を使いひとまず箱に術は込め終わった。後はまた30分ほど時間を稼ぎ対象識別用の術を、リンジーが不審がらずに持ちそうな物に施せばいつでも閉じ込められる。

 ミルドレッド捜索しか頭になかったのか、そのすぐ先にあるもう一つのクリトリスには気づかなかったようで、セドリックはこの間にヘザーを金庫にしまっておいた。

 実際外は雨で、薄着のせいで身体が冷えていたリンジーはありがたく提供された物を頂く。

「ところで、なんでよりにもよってミルドレッド様の弟子になろうと思ったんです?」

「それは、もぐもぐ、さっきまではミルドレッド様が私が知ってる中で一番凄い魔法使いだったからですよ、もぐもぐ。一番凄い人に教わりたいじゃないですか、どうせなら」

「それにしたってミルドレッド様は…」

 勝手にミルドレッドより凄いと思われるに至ったため、自身が2度殺され掛かっていることは口に出せない。

「弟子入りどころか殺されたかも知れないのに…」

「ミルドレッド様はもういいんです。弟子にしてくださいよセドリック様」

「・・・」

 生まれて初めて他人から敬称を付けて敬われたため、セドリックは気をよくしてしまう。

「弟子と言っても…なんで凄い占いの力があるのに魔法使いにもなりたいんです?」

「う…それがですね・・・そうしろって占いがでたんです」

「え?」

「自分を占ったんです、しばらく前に。そうしたら魔法使いになるべし!って言う結果が出たんです」

「え?いや、でもそれは…」

 無理があると言おうとしたセドリックだったが、見事ミルドレッドを、しかもクリトリスだけになったミルドレッドを発見した実績があるため、一概に否定も出来ない。

「…ということは、どんな魔法を覚えたいとかも特になく?」

 セドリックが人に教えられる術と言えば初歩の回復魔法だけだが、それも人に教えるほどのことでもない。魔力を扱う才能があり、術を暗記さえしてしまえば誰でも使える。

「ミルドレッド様からは炎か水の魔法を教わろうと思ってましたけど、今は封印術を教えて欲しいです。その方が凄いですから」

「封印術…」

 セドリックは弟子にすると明言しなかったが、リンジーはそのままヘザー邸に居座った。

 セドリックがミルドレッドを封印したことを知られた以上もう返すわけにはいかなくなったが、居座る分には問題無いので封印は先延ばしにした。

 凄い魔法使いではないということがばれると面倒なので、セドリックはまず基礎を学ぶため自分で本を読むようにだけ伝え、ミルドレッド邸から持ち出した本を勧めておいた。

 リンジーはミルドレッド邸から物がなくなっているのを無法者の仕業と思っているので、ヘザー邸にある魔法書や器具類はセドリックの物だと思っている。

 その後数日、リンジーは家事をしながら本を読んでいたので、手つかずだった2階の旧応接室以外の部屋もずいぶん綺麗になった。

 久しぶりに実際に喋ることが出来る相手が出来、押しかけ居候が気にならなくなってきたセドリックは、自分の素性がばれてリンジーが出て行こうとするまで封印しないでおくことにした。

 既に入浴中、リンジーが常に身につけている装具に対象識別術を施しておいたので、しようと思えばいつでも封印出来る。

「セドリック様、これがあの封印術ですよね?」

 リンジーが見せてきたノート見てセドリックは目を見開く。ミルドレッドの一件以来流石に何かの時のために術を暗記したため、用済みになっていた老魔法士のノートだった。

 ヘザーのクリトリスと一緒に金庫に仕舞ったとばかり思っていたが、他の書物と一緒に机の周りの何処かに起きっぱなしにしていたらしい。

「・・・あ、う、うん、そうだけど?」

「これ、かなり凄いのは分かるんですけど、封印の解き方が書いてなくて…続きはどこですか?」

「…解き方?」

 ノートに解き方が書かれていないことは知っていたが、それを1度として気に留めたことはなかった。何しろ封印を解いてしまうと、両者から殺されることが決定している。

「あれはえ~と、どこに置いたかな…」

「ここの部分がこうなってるところが封印に鍵をしてる部分だと思うんで、逆にそこをこうする術をかけると封印が解けると思うんですよ。それがあってるか確かめるために続きを読みたいんです」

「え?今の…解き方が分かったってこと?」

「分かったって言うか、占ったんです。わたし何かを占うと、それがあってるかどうかどうしても確かめたくなっちゃうんですよ」

 なるほど、とセドリックは全て合点がいき妙に納得した。要は魔法使いになりたいと言うよりも、魔法使いになるようにという占いがでたため、なるといいことがあるのかどうかを確かめるべく魔法使いになろうとしているのだ。

 ある意味生粋の占術師と言える。

 いまいち正体不明だったリンジーの性質が腑に落ちたことにより、少しセドリックの頭が冴えだした。

「合ってるかどうか確かめてみたらいいんじゃない?」

「え?いいんですか?」

 リンジーはセドリックの袖を見る。そこにミルドレッドの箱を仕舞い持ち歩いていることを知っていた。

「え?いやいやいやいや!!これはだめ!絶対駄目だから!!間違ってもこれで試そうとか思わないで!いい?」

「は、はい、すいません」

 セドリック重大な危険性に気づいて急に怖くなった。リンジー自身を封印し、解呪出来なければ話し相手がまたいなくなるのは惜しいがそれはそれで良し、もし解呪出来れば自由にリンジーを出したり仕舞ったり出来るためそれもまた良しと考えたが、何かの拍子にリンジーがミルドレッドかヘザーで解呪を試し、それが成功してしまった場合、そこでセドリックは終わってしまう。

「き、君自身で試してみるんだよ、.リンジー。自分の占いが正しいかどうか。正しければ自力で出てこれるし、間違ってたらボクが出してあげるから」

「わ、わたしがですか!?う~ん・・・」

 リンジーはしばらく悩んだが、自身の占いの正しさを証明する機会を逃すことは出来ず、承知した。

「じゃあ…封印するけどその前にキミが、というかキミの占いが出した解呪のやり方もう一回教えてくれる?その…一応。

 ・・・ふむふむ、ここが鍵で?…そういう風に鍵が掛かってるから?ほうほう、えっ?ああ、そこを逆にして?なるほどなるほど…」

 封印した後実際にその方法が正しいのかどうか本当に試してみるつもりなので、もう一度しっかり方法を聞いておく。封印した後では聞きようがない。

 ノートは現代語で書かれている部分もあるが、術そのものは魔法言語で書かれているためリンジーは読むことが出来ない。

 そのため書かれている内容によって解呪に関わる部分を指示しているわけではなく、単にここからここまでと言う範囲を占いで導き出していた。

 そして解呪方法も同様に抜き出した部分をどう入れ替え、そこに何を足し何を抜けばいいのか、完成しても見たことがない物が出来上がるだけのパズルを組み合わせるように、破片の意味が分からないまま文字の形状と数の組み合わせで伝えている。

「う~ん、なるほど。それなら確かに…あ、いやいや。合ってるかどうかは自分で確かめた方が勉強になるから、うん。

 じゃあ、封印するよ?」

「は、はい」

 セドリックは無意識に袖の中に手を入れた。いつでもリンジーを封印出来るようにと既に術を施してある箱がミルドレッドとは反対の袖の中に入れてある。

 しかし取り出そうとした直前手を止めた。封印する為の器の用意の仕方はノートに現代語で書かれているため、リンジーも目を通している可能性がある。不測の事態に備えてと言い訳することも出来るが、何故既に封印器を用意しているのかと不審がられても困るので、袖から取り出すのをやめ、袖の中で蓋を開ける。

 箱への施術同様に既に対象識別術を施しておいた装具は、今現在リンジーの首元を飾っている。

「・・・◀♤⦿⏎〓♩☂☀▶■⁑‡©&†♩〽◉␣☎▼〠…⌘◇◁◐◎¶@ª※☆〠♨❖☗・・・」

 リンジーに向けて詠唱を始める。暗記したとは言え、ノートを読みながらでなく術を唱えるのはこれが初めてだった。

「え?すご・・・」

 言い終わる前に、リンジーは真っ暗闇の中に居た。

 袖から取り出した箱には、しっかりとリンジーのクリトリスが生えていた。

『ふ、封印された?これが…と、というか凄いですよセドリック様!!容器も用意せずに、術も施さずに詠唱だけで封印出来ちゃうなんて!!・・・えっ?…ということはセドリック様、錬金術も使えるんですか!?』

 中の声が外に届かないことはリンジーも分かっているはずだが、驚きのあまり思わず喋りかける。てっきりノートに書かれている通り箱を用意し、術を施し、封印を始めるのかと思っていた。しかしセドリックは何の準備もなく、詠唱だけでいとも簡単に自分を封印してしまった。しかも箱すら用意していなかったため、封印術と錬金術を同時に使用し箱自体も作り出したと勘違いしていた。

 セドリックはリンジーのクリトリスを眺める。ヘザーは言うに及ばす、ミルドレッドのクリトリスもこの3ヶ月でずいぶん育ってきたため、手つかずのクリトリスがかなり小さく感じる。

「リンジー、中の声は聞こえないからね?分かってると思うけど。

 ・・・じゃあ解呪を試してみたら?出てこられたら占いが正しいってことだから」

『は、はい、やってみます』

 リンジーは目を閉じて占いで導き出された魔法言語の並びを思い出そうとした。目は開けていても何も見えないが。

『・・・あ』

 言語の並びはしっかりと思い出せた。正確には絵の並びを。しかしリンジーは自分がその絵を言語として発声出来ないことに今気づいた。

『あ、あの、セドリック様。封印される前に読み方を教わるのを忘れてました…』

 中の声は届かない。しかし封印された他の2人同様、中で立ち往生すると外に向けて喋りかけざるを得なくなる。

『あ、あの、1回出してもらえますか?教わった後もういっかんひゃっ!?』

 あのノート通りの封印法だとクリトリスだけ外に出ることを失念していたリンジーは、たった今そこへの刺激でそれを思い出した。

「まだぁ?リンジー。早くしないと出てくるまでここ触っとくよ?」

 セドリックは小さなリンジーのクリトリスをゆるゆると撫でる。他の2人と違い何の恨みもないため、いじめるようなまねはせず殆ど力を入れないまま、弱い力でころころと転がす。

『ン~っ、むっ、無理なんですっ、い、いっかい出ないと…あんーーーっ』

「もしかしてクリトリスだけ外に出ちゃうこと忘れてた?この封印だとこんな風にクリトリス自由にされちゃうんだよ。早く出てこないと」

 セドリック自身、リンジーがクリトリスを触られ始めたにも関わらず中々出てこないのは単に占いの方法が間違っていたからだと思っており、それ以前にリンジーが魔法言語を発声出来ていないとは考えていなかった。

 小さいながらも撫でられ続けているクリトリスは充血し、硬くなって来る。

 出てこないならとりあえず1度イかせてみようと考え、セドリックは指を舐め唾液を潤滑剤代わりに指の動きを単調なものから愛撫へと変える。

『はっ!?いやぁぁぁん、ん~~~っ、き、きもちいいけどやめてくださぁぁい、読めないんですよぉぉぉっ』

 セドリックはこのまま実は自分も解呪の方法を知らないとばらしてしまおうかとも考える。しかし念のため外からも試しておこうとぐっと堪える。

『んっんっんっ…いやあぁぁぁっ、いかされちゃうぅぅぅ~~~っ!』

 されるがままだったクリトリスがぴくんと微かに動き、セドリックに絶頂を伝える。数ヶ月クリトリスばかり弄っていたセドリックはクリトリスの反応の種類に敏感になっていた。

「もうそっちからは無理そう?じゃあこっちから試すからね」

 解呪法を知っているはずの自分がリンジーの占いに因る方法を目の前で書き写すわけにはいかず、必死に暗記していたセドリックは改めてその方法を書き出す。封印呪文に比べかなり短いが、正式な解呪に魔力は必要なく、言わば暗証番号なので短くても間違いとは限らない。

 逆に正しい方法が分からず無理矢理術を解こうとした場合は、成否に関わらず最低でも封印に使用した以上の魔力が必要になる。

「ええとなになに・・・・・¶◎◁◐◇⌘〠▼©‡⁑■…」

 セドリックが呪文を唱え終えると箱がカタカタと震えだし小さかったクリトリスが細長く伸び始めた。

「うわぁぁぁっ!!!」

 セドリックはあまりの気味悪さに箱を放り投げた。

 元々外に出ていたクリトリスから始まり、順に腰、腿と腹、膝下と胸、とクリトリスから近い順に、一旦クリトリスが出ていた穴と同じ直径になりながら外に出、出てきた部分から順に本来の大きさを取り戻していた。

 数秒後には裸のリンジーが床に落ちた箱をまたいで立っていた。

 リンジーの解呪法は間違っていなかった。

「お、おおおおお…」

 リンジーが中々出てこないことからどうせ失敗だろうと高をくくっていたセドリックは二つの理由で言葉を失う。

 実際に封印が解かれたことと、出て来方が気味悪いこと。封印の際は詠唱している本人が見えないほど一瞬なのに、出てくる時ははっきりとその瞬間が目で追える。

 僅かな時間だったためか、立った状態で現れたにも関わらずリンジーは平衡感覚を失っておらずふらつくこともない。しかしイった直後だった為、その場に裸の尻を付けてへたり込む。

「はぁぁぁ、でれたぁ。す、すいませんセドリック様、呪文の、魔法言語の読み方を教わるのを忘れてました」

「え?・・・あ、ああ、そうなんじゃないかと思ったからボクが出してあげたよ」

 セドリックはリンジーに言われて始めてそのことに気づいた。ということはリンジーの解呪法が正しいことは証明されたため、後でもう一度封印し正しく唱えれば中からでも解呪出来るのかどうか確かめておく必要がある。

 セドリックは無用な実験をしようとしていた。

 ミルドレッドもノートを読んだ後に封印されているため、解呪に関わる領域もとうに見つけ出し既に中で試していた。

 そして未だに箱の中に居る。

 その後もう一度試し、中からの解呪は不可能と言うことを確認したセドリックは胸をなで下ろした。

セドリックにとって幸運だったのはリンジーに解呪法を見つけ出して貰ったことよりも、リンジーの占いを上手く使って欲しい知識を得る方法を思いついたことだった。

「じゃあ熱を生み出す方法はどうすればいいと思う?」

「ええと…ちょっと待ってください…」

 セドリックはさも答えを知っているかのように問題を出す。問題を出されたリンジーは占術器を使い無数にあるミルドレッドの書物の中から答えが載っている本、更にその中からより正確に必要な情報が書かれている頁まで特定し、セドリックに伝える。

 ミルドレッドの屋敷からヘザーの屋敷、更には箱に封じ込められているミルドレッド、そして封印の解呪法を完全に導き出したリンジーの占術をセドリックは完全に信用しており、告げられた回答に対しただ正解とだけ言えば済んだ。

 魔法言語の発声に関しては解呪に必要な短い一文だけは実験の為教え、リンジーは暗記したが、それは無数にある言語の極々一部にしか過ぎず、後は勝手に学んで貰うほかなかった。老魔法士のノートに記されている全ての魔法言語を抜き出しても、全体から見ればほんの一部に過ぎず、ミルドレッドですら全ては暗記していない。

 ミルドレッドの書物の中に翻訳表があったため、リンジーはそれを使いながら魔法言語を基本から学び、その合間にセドリックから問題という名の質問をされ、試験のつもりで解答を探してくる。

 これによりリンジーはすっかり弟子気分になっていた。

 ヘザーとミルドレッドが自分よりも背が高く体格も良かったため極普通の背丈のリンジーが余計に若く見え自分とさほど年が変わらないと考えていたセドリックだったが、聞いてみると実際はその2人の間の年齢だったため、食事の用意や掃除などの家事も手際よくこなしてもらえた。

「容器を使わずに封印するにはどんな方法があると思う?」

「詠唱せずに瞬間的に相手を封印するにはどうしたらいいと思う?」

「壊れた物体を元に戻す方法は?」

「1度身につけた物を外せなくするにはどんな手があると思う?」

 解答を持って来たリンジーも、持ってこられたセドリックもどういうことなのか分からないが、リンジーの占いを信用しきっているセドリックは示された箇所を読み込み少しずつ理解していく。

 ミルドレッドからセドリックに乗り換え、封印術を学ぶことにしたリンジーも封印術に関連しそうな問題を出されると意味は分からずとも何かを教えてくれているのだと思い込む。

 セドリックは再びビラチーナを作成した時のような集中力を取り戻し始めていた。

 容器を使わずに封印する方法はあるが、その場合対象がこの世界から完全に姿を消してしまうため自分向きではないことを知り、詠唱なく相手を封印することは封印術の性質上難しいが、二度目からなら封印器に対象を記憶させ且つ予め必要な魔力を与えておくことにより合図を送るだけでほぼ瞬間的に封印出来る事を学び、壊れた物体を元に戻す方法はいくつもあり、その中に自分が求めているような手順もあることを見つけた。同様に身につけた物を外せなくする方法もいくつもあり、古くは魔法が呪術や呪いと呼ばれていた頃から存在することも知った。

「リンジー、ちょっとこれ身につけてくれる?」

「・・・何ですかこれ?」

 手渡されたのはいくつもの四角形が集まって円を形作っている首飾りだった。形状はともかく材質が宝石でも貴金属でもなくただの陶器らしいので、お世辞にも綺麗とは言えない。

「ええと…贈り物ですか?」

「違うよ。封印術の道具」

 リンジーは胸をなで下ろした。こんな物を貰っても喜べず、演技しなければならないかと思った。

 実験道具だと分かり、安心して首に巻く。既に何度か実験や講習と称して封印され、その度に元に戻して貰っているため気を許している。

 あえて首の留め金を着けにくくしており、セドリックは背後に回り手伝う。その際いくつか仕込んでいる術の内の一つを発動させておく。

 首飾りが首に掛かるとリンジーは頭を傾けてそれを見、改めて道具で良かったと思う。

 セドリックが指を鳴らした。

 次の次の瞬間、リンジーは真っ暗な闇の中に居た。

「え、ええ~?す、凄い…」

 リンジーにとってはこれまでの数回と変わらず一瞬で、しかも今回は詠唱すらなく封印された。

 しかし傍から見ていたセドリックは、ほんの僅か普段より封印までに間が感じられた。無数の小さな四角形が箱の形状に戻るまでの時間が加わったため、瞬き1回分ほどだった時間が2回に増えた。

 それでも相手に向かって手をかざし詠唱する時間に比べれば格段に早かった。

「どう、リンジー?中の様子は変わらない?」

 首飾りが変化、というより元々箱だった物を分解し首飾りの形状にした物を掌にのせて問いかける。クリトリスが生えている面もいくつかに分割されているため、元に戻ると中央から放射状に切れ目が走っている。

『ピク!』

 リンジーは既にミルドレッドのようにクリトリスを動かして返答する方法を仕込まれていた。後で出してもらえるので出た後にまとめて尋ねれば済むが、クリトリスに芸を仕込むことをセドリックが単に楽しんでいる。

 封印方法は新しくなったが、術そのものは老魔法士法のままなので中の様子はこれまでと変わっていない。

 セドリックはリンジーのクリトリスをつまみ、弱い力でこね始めた。

『ぴ、ピクッ?』

 返答だけなら指を乗せておくだけで済むが、セドリックが指を動かし始めたためリンジーは戸惑う。

 イかせようとしているわけではなく、この後ネジバネで挟むため、小さなクリトリスを少しでも大きく、硬くしておく。

「リンジー、手でなくても占いできると思う?」

 リンジーを勃起させながら尋ねる。

『ぴ、ピク?』」

「面白いこと思いついたんで今から試してみるよ。リンジーならクリトリスでも占術使えると思うんだよ」

『ピクー?』

 リンジーにはまだ何の薬も使っていなければ酷使もしていないので、どんなに刺激しても大きくなるには限界がある。

「ちょっと痛いかもしれないけど、緩いと落ちちゃうからしばらく我慢してね」

『ぴ、ピク?ピク?』

 セドリックは袖から鎖の付いたネジバネを取り出し、勃起したリンジーのクリトリスを左右から挟み、ネジを締めていく。宝物庫の中の装飾品から手頃な大きさの物を拝借してきた。

 クリトリスの左右に圧力を感じ、リンジーはセドリックの言っていた意味が分かった。圧力は更に高まり、圧迫感から痛みに変わってくる。

『ピクー!』

 何故クリトリスを挟んでいるのか分からないが、もう十分落ちないのでは?という抗議の意味でクリトリスを揺する。鎖の重みを支えるだけなら十分だが、その先に取り付ける物があるため限界までネジを締める。

『ピクー!ピクー!!』

 クリトリスはかなり痛くなってきたことを知らせようとするが、片手で摘まれ、左右をネジバネで締め付けられているため動けなくなってきた。

「・・・これくらいで大丈夫かな?実験が終わったら取ってあげるから痛くても我慢してて」

 セドリックは片手に箱を持ったまま、先ほどまでリンジーがいた場所に落ちている服の中を漁る。

 取り出したのはリンジーが肌身離さず、ほぼ四六時中持っている占術器だ。占術器本体はリング三つが中に収まっている球体の部分で、リンジーはそれと指輪を短い鎖で繋げ、占いに使う時は下に垂らし、それ以外の時は手の中に握り混んでいた。

 セドリックは本体をリンジーが用意した鎖から外し、自分が用意した鎖の先端に着け直した。

 そしてゆっくりとリンジーを持ち上げ始める。

 鎖が張っていき、まっすぐになるとリンジーはクリトリスが引っ張られる力を感じる。そこから更に持ち上げ、やがて占術器本体が床から離れる。

『ぴぃぃぃっっ』

 蓋が重力で勝手に閉まらないよう蝶番側が下になるよう箱を掴んで持ち上げているため、リンジーのクリトリスは反りながら先端方向に引っ張られる。

 占術器はリンジーの手に隠れるほどの大きさなので普通に持つ分にはたいしたことはないが、か弱いクリトリスからすれば十分重さを感じる。

『ぴぃぃぃ~くぅぅぅ~~~』

 クリトリスが動くと先端の占術器も僅かに揺れる。リンジーはまだ何を吊らされたのか分かっていない。

 セドリックはネジバネを確認する。占術器の重みで多少ずれてはいるが、しっかりと芽に食い込んでいるため落ちることはなさそうだ。

「リンジー、君のあの丸い占術器をクリトリスにぶら下げたよ。この状態でいつもみたいな凄い占い力発揮できるか試してみようよ」

『ぴ!ぴくぅ~~~っ!?』

 命の次に大事な占術器をクリトリスにぶら下げられていることを知り、リンジーは激しく戸惑う。しかし何故か、張力を感じているクリトリスから封印されている下腹部に向けてじんわりと熱が込み上げてくるのも感じる。

「いつもリンジーが占ってる時みたいにボクが箱を持って運ぶから、リンジーはクリトリスでボクが言う物を探してみて。

 ・・・そうだなぁ…何にしよう」

 最初なので単純な捜し物がいいとセドリックは思案する。

「・・・あ、そうだ。今リンジーのクリトリスを挟んでるバネ、元々耳飾りで結構大きい宝石が付いてたんだけど、勿論捨てずにとってあるから、それを探して貰おうかな」

『・・・ぴ、ピクッ』

 リンジーがハイの意思表示をすると占術器が微かに揺れる。

 答えは至極簡単で、つい先ほど分解したばかりなので、そのまま2階の机の上に置いたままになっている。

 リンジーは下腹部の熱さを感じたままクリトリスでの占いを試みてみる。何故か自身で”クリトリスで占う”ということを認識する度に熱さが増していくような気がする。

「途中まではリンジーの占いの方法分かってるから、占術器の指示通りに動くよ」

 リンジーの占術は精度に応じて数段階に分かれており、その中でも一番最初の段階はセドリックでも見ていれば分かるほど単純だった。

 占術器自体の振り子運動が目的の物や人の方向を示す。腕を動かしたり身体ごと回転していると、進むべき方向を発見した場合垂らされた占術器が前後に揺れ始める。

 その指示通りに進み、方角がずれたり行き止まりに当たったりすると揺れがなくなってくる。そこから改めて占うと迂回路や修正方向を教えてくれる。

 今回は宝石の場所を探すだけなので、方角か道筋を示して貰うだけでほぼ目的地まで到達できる。


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『んん~~~………』

 リンジーは下腹部の熱さを頼りにクリトリスに意識を集中する。無意識にクリトリスをぴくりと動かして仕舞う度に占術器も動き、下に引っ張られる力を感じる。

 挟まれているクリトリスの鈍い痛みは消えないが、それほど気にならなくなってきた。

 指輪に吊した占術器の指示ならもう目で見なくともその振動だけで方角が分かる。それと同じように封印され視界はないが、クリトリスに伝わる指示も感じ取れるはずだと考える。

 セドリックは同じ場所でゆっくりと身体ごと回転しているのか、やがてリンジーはただ重力と慣性に任せて揺れていた占術器がクイッと前後に動き出したのを感じた。

「あ、動きが変わったよ?中でも分かる?…とりあえずそっちに進むからね」

 一見すればセドリックが占っているようにも見えるが、もしセドリックが直接持って垂らしていた場合、一回転しても占術器はただ回転に合わせて揺れるのみとなる。

 魔力と占術に使用される力、或いは才能は全く別物で、魔法と違い未だに迷信、まがい物扱いされることも多い。セドリックにしてもリンジーの正確性を目の当たりにするまでは大して信じてもいなかった。

 まず最初に占術器が示した方向は1階台所の入り口だったためまずそこに向かい、廊下に出たところで足を止める。

 リンジーのクリトリスは捜索開始地点から入り口までの数メートルの間に占術器の振りが弱くなっていることに気づき、セドリックが足を止める前からもうじき方向を変えなければならなくなることを察知していた。

 普段は中指の根元の指輪に吊し揺れを感じているが、その部分よりクリトリスの感度が劣るはずもなく、リンジーは意外なほどはっきりとクリトリスで占い師としての力を発揮できることに驚いた。

「・・・次は・・・こっちでいいんだね?」

 廊下に出たセドリックは今度は手だけを動かす。一方は地下に向かう方向、もう一方は階段に向かう。

 手を右に向けた時には何の反応もなかった占術器が、右に向けるとまた前後に揺れ出す。

 セドリックは内心感嘆しながらも、口に出すと正解だとばれてしまうため堪える。

 階段の方向に進み始めたが、そのまま進むと玄関にまで到達してしまう。セドリックは足を止めず指示されるまますむ。

 すると階段の上り口を過ぎた地点でピタリと揺れが止まる。指示を貰うため身体を回転させると、見事に階段の方向でまた揺れ始める。

『んやっ!?あっ、あっ、ちょっ、ゆっくりっ!』

 階段は中程でくの字に方向を変え2階へ続いているが、途中に分岐があるわけでもないので登り切っていいだろうと、セドリックは無神経に普段の歩調で登っていく。

 一段上る頃に占術器が跳ね、その度にリンジーのクリトリスがくいくいと下に引っ張られる。

『あっ、あっ、あっ、』

 折角の集中が途切れる。セドリックはクリトリスに必要以上の衝撃を与えてしまっていることに気づかないまま階段の登り切り、足を止めた。

『ピクッピクッピクッ』

 この振動でリンジーは占いに関係なく2階に上がったことに気づいてしまった。

 気を取り直して続きを占い、容易く目的の宝石の前までセドリックを案内する。

 そこから先の更に精密な部分、本の中から必要な頁を探し当てたり、特定の文字列を見つけたりするのは球の内側にある三つのリングで占うらしく、リンジーのクリトリスがそれを行ったところでセドリックには理解出来ない。

 そのため机の前まで導かれた時点で終了、成功とした。

「凄いねーリンジー。クリトリスでちゃんと占えたよ」

 セドリックはネジバネにつままれたままのクリトリスを撫でながら誉める。占術器に引っ張られ反ったクリトリスは犬が服従を示すため腹を見せるように裏側を天井見向けて晒しているため、必然的にそこを撫でられる。

『ぴ、ピクピクッ』

「良く出来たからこのままイかせてあげる」

 スッ、スッ、と払うように裏筋を撫でられると、内側のリンジーはぞくぞくと鳥肌が立つような感覚を覚える。

「それにしてもこれが出来るなら、これからは時々封印してリンジーを占術器として使おうかな」

『ピクーーーっ!!』

 リンジーの膣がギュッと締まり、膣液がどろりと流れ出した。それはいずれ循環する。

「細かい部分が難しいかな…でももっと改造すれば何とかなりそうな…」

 セドリックは既に次の段階を考えながら指を舐め、払うような動きから徐々に細かく擦る動きに指を早めていく。

『ぴくっ!ピクッピクピクッ!』

 クリトリスが刺激に反応して動き、その度にくいくいと占術器に引かれるため、リンジーのクリトリスは否が応でも2種類の異なる刺激を与えられ続ける。

『ぴきゅっ、ぴきゅっ、ぴきゅっ・・・ぴっ、ぴくぅぅぅぅ~~~~~っ…きゅっ』

 クリトリスがの動きが多きほど引かれる力は強くなり、絶頂中のクリトリスも僅かな間をおいてぐっと引っ張られた。

 ネジバネを外されたクリトリスの両側はへこんで赤くなっている。セドリックは封印を解く前にそこに回復魔法を掛けてやる。怪我とも言えないほどの状態なので容易く直せるが、今のままではあまり長時間挟んだままには出来ないと頭に止める。

 解放されたリンジーは一瞬細長くなりながら現れ、その場にへたり込んだ。

「・・・?・・・あ、そうか」

 1階から2階に場所が移っていたためリンジーは一瞬戸惑う。これまで何度か封印されたが、同じ場所で解放されていた。

「ちゃんと下からここまで案内できてたよ。クリトリスでも占えちゃうもんだね

「う・・・」

 リンジーは頬を赤らめる。改めて言われるとまた下腹部が熱くなり、閉じている腿の間を膣液が伝っていくのを感じた。

「・・・あ、そ、そうだ。もしかしてこれ・・・」

 リンジーは封印される前に受け取った首飾りを外そうとする。しかし外れない。

「これ、やっぱちょっと留め金が硬いみたいで。取ってもらえますか?」

「それ、取れなくなってるよ、もう。術を掛けておいたから。・・・そうだなぁ、箱封印の首飾り版みたいな感じ?」

「え、ええっ??何でですかぁ???」

「だってほら、それ着けたままにしておけば・・・」

 セドリックは指を鳴らす。ぱちぱちと2度瞬きをし、3度目に開いた時、リンジーは既に真っ暗な闇の中にいた。

「いつでも好きな時に、手ぶらで封印出来るから便利なんだよ」

 セドリックは箱を拾い、またクリトリスをこね始めた。

『そんなぁぁ~~~っいやぁぁぁぁぁん』

『んひゃっ、んん~~っ、ンひっ、いっ、あっ』

 セドリックは陶器製の四角形が集まって出来た箱から生えているクリトリスに指で薬を塗り込んでいた。

『ひぃぃんん~、はぁぁぁイクぅぅぅ~~~っ』

 やはり何をするにせよ大きく育てておかなければ使いづらいと、とうとうリンジーも薬品の洗礼を受けることになった。

『あひゃっ、いや、いやぁん、すぐは嫌ですぅぅぅっ!』

 指でリンジーの絶頂は感じ取っていたが、セドリックは止めることなくぬるぬると表面を滑られる。特にイかせようと思って動かしているわけではないが、塗り込められている薬の半分は鋭敏薬なので無理もない。

 もう半分は肥大薬だった。

 ヘザーやミルドレッドは鋭敏薬の副作用でクリトリスが育っていったが、副作用にせよ薬の効果でクリトリスが大きくなるのなら、大きくすることを主目的とした薬品も作れるのではと、リンジー自身に占って貰った。

 幸いそれはミルドレッド邸から持ち出した薬品の中にあった。

 ただしその薬は肥大化と言うより昆虫などを巨大化させる薬品だったため、効果を薄める必要があった。

 しかも塗り薬ではなく餌に混ぜて与える薬だったため、その点も作り直す必要があったが、作成者のクリトリスが常に袖の中にあるため、指を添えて尋ねながら再生成した。

 それを鋭敏薬と混ぜ、リンジーのクリトリスに塗っている。

 徐々に、いつの間にか育っていた二つのクリトリスと違い、リンジーのクリトリスは撫でられながら目で分かる速さで大きくなっていく。

『ンひぃぃぃっっっくぅぅぅぅ~~~!!!』

 三度目の絶頂を迎える頃にはもうミルドレットのクリトリスと大差が無くなっていた。

 大きくなりすぎても困るので、セドリックは一旦薬を布で拭き取る。リンジーはそのざらざらとしたした刺激で4度目の絶頂に達した。

 封印される直前までは普通の大きさだったクリトリスが、30分足らずで立派な珊瑚に成長し、ぴかぴかと光っている。

 セドリックは箱を掴んで傾け、しげしげと観察する。この大きさなら少し補強を加えればクリトリスへの負担を減らして長い時間占術器を吊して置けそうだと考える。

 リンジー用の封印箱や、今後作ることになる補強器も全て手作業になる。錬金術だけは魔法使いに必要な才能の中でも知性寄りの才能が必要になり、ごく一部の限られた本当の天才しか使えない。

 ミルドレッドの書物の中からリンジーに必要な部分を探し出して貰ったとしても、こればかりはセドリックに限らず並の魔法使いでは理解出来ない。

 セドリックが封印術だけでなく錬金術も使えると勘違いしているリンジーも、それが分かっているため教わろうとはしない。

「リンジー、ほら、分かる?クリトリス大きくなってるの』

 セドリックは根元から先端へ向けてゆっくりと指を滑らす。

『ぴくくくっ』

「最初に比べて指がクリトリスに触れてる時間が長くなったと思わない?その分クリトリスが育ってるんだよ」

 封印を解いた後自分のクリトリスを見てショックを受けられても困るため、予めどの程度大きくなっているかを想像させておく。

「しかも敏感になってるでしょ?もう一回イってみようか」

 セドリックは肥大薬が混ざっていないただの敏感薬を潤滑剤代わりに、大きく反り立っているクリトリスを3本の指でつまみ、ぬるぬると扱き始めた。

『やあぁぁぁぁ~~~っ!れんぞくはやめてくださいぃぃぃぃ~~~ひゃぁぁぁぁ~~~っ』

 やはり弄ぶにしても大きい方が扱いやすいと感じながら、セドリックは久々に指を動かし続ける。しばらく他のことに掛かりっきりだったのとビラチーナのおかげで痛んでいた指の筋肉はすっかり元に戻っている。

『イクイクイくぅぅぅぅぅ~~~~~っっっ・・・んあっ!?いっ、イキましたぁぁぁぁ~~~っ』

 この際なので自分の意志に関係なく無理矢理イかされ続ける責めも教えておこうと、指で絶頂を感知してもセドリックは扱き続ける。

「リンジー、イった時の反応が可愛いからこのまま続けるよ。きつくてもどうにもならないんだから諦めていっぱいイこうね♫」

『ひぃぃぃ~~~むりぃぃぃぃ~~~っ』

 ちゅくちゅくと音を立て指を動かしながら、セドリックは考え事を始める。クリトリスを弄っている時が一番頭が冴え、次の考えが沸いてくる。結局、クリトリスの責め方に関する考えだが。

 リンジーは時折自習の結果を試していた。本人はセドリックに教えを請うているつもりだが、事実上自習でしかない。

「う~ん、うまくいかない…」

 老魔法士のノートから封印の基本関数らしき部分を占いで探し出し、その発声を辞書で調べ、ゴミや石など失敗して解呪出来なくなっても問題無いものを使い試行錯誤しているが、一度もうまくいかない。

 ヘザー邸に居座って2ヶ月経っていた。

「ねえリンジー、やっぱり先に他の魔法勉強した方がいいんじゃない?別に自分を占った時難しい方を選べとまでは出てないんでしょ?」

「そうなんですけど、どうせなら見返されるような魔法使いになりたいじゃないですか」

 どうやらまだ腹に何か据えている様だが、セドリックは特に掘り下げない。

「普通一番最初に封印術を学ぼうとはしないと思うんだけど…というか、その…もう結構経ってるから今更言うのは気が引けるけど、先に魔法の才能があるか確認した方が…」

「う…」

 魔法使いになる為の最も基本的な条件として挙げられるのは”魔力を扱える”とされている。しかし論外なのであえて触れられないが、それ以前に”魔力が沸く”という最低条件がある。これがなければただの人間でしかない。

 ヘザーですら自分の意志では魔力を扱えないため魔法使いになる事は出来ないが、魔力が沸くという素質は備えている。

 占い師にはただの人間でもなれるため、占いの精度が素晴らしくても魔法使いになれるとは限らない。

 魔法の才能があれば幼少期に既に本人や周囲の人間が気づくためリンジーにもその点は分かっているのだろうとセドリックは考えていたが、2ヶ月間一度もその片鱗を感じたことがなかったため、怪しみだした。

 才能がないままいくら魔法を学んでも魔法学者にしかなれない。

「だ、大丈夫ですよ。占いで出たんですから。魔法使いになれないのに魔法使いになれなんて卦が出るはずないですから…」

 セドリックにとってはリンジーが魔法使いになれてもなれなくてもどちらでも良かったが、その占術力は大いに当てにしており、無理に才能の有無を確認をしその結果諦めて去ろうとされても困るので、深く追求するのはやめた。

 ぱちり、とセドリックが指を鳴らす。

『・・・え?な、なんですか??』

 セドリック法…老魔法士法に対しセドリックは自分が改良した封印法に自分の名を付けていた。実際は買って来た菓子をやや豪華な箱に移し替え、自分が作ったと言っているに過ぎない。

 セドリック法が安定してから、リンジーは宣告無しに封印されることが多くなった。

「リンジー、ちょっと新しいの作ったから試してみるよ?」

 セドリックはリンジーのクリトリスに歪なクリップを取り付け始めた。

 これもヘザー所有の装飾品の中から使えそうな物を探し出し、成長したクリトリスの根元に合うように形を変えた物だ。錬金は言うに及ばす、指とペンチと接合剤によって。

 クリップが問題無くクリトリスにはまると、その上に何度か使っているネジバネを取り付ける。

『ぴ、ピクッ・・・・・ぴ?』

 またギュッと挟まれると強ばったクリトリスだが、中々力が強まらないことを怪訝に思う。

 そしてそのまま先端方向に引っ張られる力を感じ始める。

「どんな感じ?今もう占術器完全に持ち上げてるよ?前みたいに痛くないでしょ?」

『ピクー!?』

 言われるとおりつままれている感覚はあるが痛みはない。更に根元と中央当たりにも圧力を感じる。

 セドリックは補助用のクリップで占術器の重量を支える点を、ネジバネのみの2点から5点に増やしていた。これによりクリトリスに痛みを与える事無くより安定して占術器をぶら下げておくことが出来る。

 セドリックは鎖の先の球を揺らしてみる。それに合わせてクリトリスも引っ張られながら揺れるが、器具が外れてしまう様子はない。

『ピクーっ!ピクーっ!!』

 痛みはないが、占術器が揺れる度にリンジーのクリトリスは綱で引かれながら飼い主に進む先を決められる犬のように前後左右に牽引される。主に圧力が根本付近に集中しているため、ベラチーナの責めを受け続けているいるヘザーの様にクリトリスそのものが伸び縮みしている感覚とは違い、クリトリス全体をくいくいと引かれている感覚だった。

「うんうん、いい感じに出来た。いい感じに出来たからリンジー、しばらくこのままでいて貰うね」

『ぴくぅ~!?』

「このまま…そうだなぁ…うん、リンジー型占術器として使わせてもらうよ。占いが当たったら気持ち良くしてあげるし、外れたらお仕置きするよ」

『ピクピクーっ!?』

 それからセドリックは実際にリンジーを占術器として使い始めた。


cf02

 三つの輪による精密な占いは術者が感覚で感じ取るしかなく、言葉で説明されても全く理解出来なかったため、あくまで目的の物、主に書物や薬品を見つけ出すまでをリンジーのクリトリスで行い、そこから先は本体の持ち主であるミルドレッドに尋ねる。

 以前のように一つ一つ尋ねていく必要がなくなり、得たい知識にたどり着くまでの時間がかなり短縮された。

「え~と、これかな、それともこれ?」

 新たに作り出したい物のためにセドリックは並べた薬品の前を往復していた。しかしリンジーのクリトリスの動きは中々定まらない。

「え~?分からないの?ちょっとお仕置きだね。」

 セドリックは箱の裏に貼り付けている小さな金属の串を手に持ち、占術器を吊らしていることで無防備にさらけ出されているクリトリスの裏側をつんつんと突いていく。

『ピクッ!ぴ、ピクッ!』

 ミルドレッドへのように強く指で弾いてのお仕置きで占術器が外れてしまうと面倒なので、リンジーへのお仕置きは尖って物でつついて痛みを与える事にした。

 リンジーの占いが要領を得ない時は大抵与えた選択肢の中に答えがないためで、セドリックの質問が悪いのだが、そんなことは関係なくリンジーを躾けていく。

『ピクッ、ピクッ、ぴくぅっ!』

 中のリンジーはちくちくと続く痛みから逃れようと身をよじるが、逃げ場はなくただお仕置きが終わるのを待つしかない。

「…じゃあ本の方かな?次は本を探すよ」

 串を箱の裏に戻し、セドリックは改めて書物の山の中から目的の本を探すように命じる。

 中のリンジーは呼吸を整え、クリトリスを集中させる。そこに意識を向けると下腹部が熱を帯び、膣内が潤んでいることもリンジーには分かる。

 自分自身を占術器として扱われることに、リンジーは興奮していた。

 占いの卦によって魔法使いになろうとはしているものの、占術こそがリンジーの全てで、自己を形作る要素の最前列にある物なので、自分自身、しかもよりにもよって最も敏感なクリトリスが術器の部品の一つになり、無慈悲に痛みを与えられながら占いをさせられている状況に陶酔していた。

 クリトリスに吊されている占術器が揺れ始め、セドリックが求めるものを探し始める。

 やがて一塊の書物の山の前でクリトリスが前後に振れ始めたため、今度は上から順にゆっくりと箱を下ろしていく。

 くるくると回っていた振り子がピタと止まり、目的の本が上から12冊目であることを伝える。

 探し方によって、目的物を示す占術器の動きにはいくつか種類があることをセドリックは学んでいた。

「これ?薬の中にあるかと思ったけど、まだ作られてなかったかぁ…。よしよし、じゃあご褒美あげるね」

 セドリックは指を舐め、先ほどつついてお仕置きしたのと同じ裏側を撫でていく。

『ぴ、ぴくぅぅぅ~~~♫』

 クリトリスは快感だけでなく占いが間違っていなかったことと誉められた喜びでフルフルと震える。

 お仕置きと同じ理由でご褒美もゆるゆるとした刺激のみでイかせて貰うことになるが、悲しいかなリンジーは刺激が足りないと感じた場合、自らクリトリスをピクピクと動かし、それが伝わった先端の占術器にくいくいと引かれることで刺激を増やす方法を発見していた。

 ひとまず占術器としてのリンジーに用はなくなったが、解放せずにそのまま机の上に置く。その際クリトリスから吊られている球体は机の上に置かず、端から垂らしておく。そのため占いを行わない時もリンジーのクリトリスは常に引かれたままになっている。

 セドリックは袖からミルドレッドの箱を取り出し、蓋を開ける。

「ミルドレッド様、またちょっと教えてください。てっきりミルドレッド様ならもう作ってると思ったんですけど、無かったんですよ」

 セドリックはリンジーが探し当てた本を改めて見、その表題に少し驚いた。

「あれ、これ…拷問法の本ですね。まあ拷問と言えば拷問・・・になるんですかね?」

 ミルドレッドのクリトリスがビクリと反応する。ヘザー宅に謎の女が現れて以来しばらく外の状況が全く分からなかったが、ここ最近になってまた尋ねごとをされることが増えたため、漸くリンジーという女が住み着き、自分たち同様セドリックの玩具になっていることが分かってきていた。

「あ、心配しないでください。拷問具は別に欲しくないですしする気も無いですから。欲しいのは掻痒薬です。痒み薬」

 痛みばかりが拷問でないからこそ拷問法の本にその作り方が書かれているのだとミルドレッドは言いたかった。しかし確かにミルドレッドが敵対者に拷問を行う際、わざわざ数ある方法の中から痒みを与えようと思ったことはなかったため、拷問の中では軽い方と言える。薬品類の中になかったのもそのためだった。

「作り方教えてもらえますよね?占いじゃ細かいところまで分からないんで」

 セドリックは乾いたミルドレッドの表面をかりかりと搔く。頼みではなく脅迫で、返事をしなかった場合そのまま爪を食い込まされることになるのが明白なため、ミルドレッドはぴくりとクリトリスを動かさざるを得なかった。

『…ピク』

 掻痒薬そのものはなかったが、ビラチーナの鋭敏液合成器官作成した時のように、痒みを催させる体液を分泌する稀少生物や稀少植物は保存されていたため、必要素材を入手するところから始めなければならないという事態は回避できた。

 そしてそれらは合成でなく調合で済んだため、作成はビラチーナの時よりも遙かに簡単だった。

 ミルドレッドは掻痒薬を使用したことがなかったため効果のほどは知らなかったが、拷問法の一つとして記されているため、完成した物が自分にではなくリンジーか、可能性は低いが既に絶頂責めという拷問を受け続けているヘザーに使用されることを願った。

「ありがとう御座います。これでたぶん完成ですね。・・・じゃあミルドレッド様、ミルドレッド様に塗ってみましょうね」

 ミルドレッドの望みはあっさり断たれた。

 しかし塗ってみようと声を掛けられてからかなり長い間ミルドレッドはそのまま放置された。

 時折コンコンと何かが何かに当たる音が聞こえるが、それがリンジーの振り子が机の脚に当たる音だとミルドレッドが気づくことはない。

 更に時間が経ち、漸くセドリックの声が聞こえてきた。

「いやぁ・・・何も考えずに試すもんじゃないですね・・・」

 セドリックは例によって自分の亀頭で掻痒薬を試してみた。ビラチーナは指だったが、鋭敏薬のように亀頭で試した方がより塗られた後のクリトリスの辛さを理解出来ると考えたためだ。

 それが間違いだった。

 薬が効き始めるとセドリックは体験したことのない痒みに襲われた。

 すぐにそこを搔こうとするが、尋常でない痒みを沈められるほど爪に力を込めると、今度は亀頭に激痛が走る。かといって弱く搔いても何の意味が無いどころかよりいっそう痒みを感じる。

 洗い流すしかないと考えたセドリックは服を全て脱ぎ捨て、風呂場で自分のペニスに水をかけ続けていた。

 しばらくし、治まったかと思うとまたぶり返し、治まったかと思うとぶり返す。表面の薬自体はとっくに流れているにも関わらず、痒みはいっこうに治まらず。セドリックは3時間風呂場を出ることが出来なかった。

 今も猶ペニスの先端がじんじんと疼いているが、最早痒みが残っているのか擦り過ぎなのか分からない。

「あの・・・今日はやめときます・・・」

 痒みを与えた後のミルドレッドのクリトリスの反応を楽しみにしていたセドリックはすっかりやる気をなくし、おかげでミルドレッドは1日猶予を与えられた。

 翌日。丸1日経ったがまだ亀頭に違和感が残っている。

「お待たせしました。まだなんか変ですけどもう大丈夫です。ミルドレッド様も痒がらせてあげますからね」

『ピクッ、ピクピクッ!』

 自分で調合法を教えた薬だが、使用経験は無いのでどの程度の強さがあるのかは分からない。しかし昨日のセドリックの状態からある程度推測はしている。

 ペニスの一件で懲りたセドリックは2度と指ですら直接は触れないと誓い、筆を使って瓶の中から掻痒薬を取り出す。

 鋭敏薬に比べ掻痒薬は遙かに粘度が強く、液体と言うよりは透過性のある琥珀色の軟膏だった。

『ピクピクピクッ』

 逃げ場がないことは分かっていても震えずにはいられないクリトリスにペトリ、と筆を乗せる。

『!?』

 かなり粘り気が強いため、他の薬を塗るようにすいすいと筆が進まない。筆よりもヘラなどの硬い物の方が良かったかも知れないと考えながらセドリックは薬を塗りつけていく。自分に試した甲斐があって鋭敏薬よりも効き始めるまでに時間が掛かることが分かっている。

『ぴ、ピク…』

 ミルドレッドは塗られているというよりも何かを貼り付けられているように感じる。

 掻痒薬のようにすぐに効き目が現れることを覚悟していたが、どんどんクリトリスの表面が覆われてきているにも関わらず、まだ何ともない。

『・・・ぴ、ピク?』

 少しずつクリトリスがぽかぽかと火照ってきた。温かいものを巻かれているようでむしろ心地よささえ感じる。

『ぴくぅ…』

 緊張で硬直していたクリトリスが一瞬緩む。その瞬間、急激に痒みが襲ってきた。暖かさだと思っていたものは、遠くから迫ってくる痒みの前兆に過ぎなかった。

『くはっ!?・・・・いひぃぃぃぃぃぃ~~~~っ!!!』

 中のミルドレッドは激しく腰を波打たせ始める。痒みを感じてまだ数秒にも関わらず、連続でイかされ続けている時以上の激しさで暴れる。

『きぃぃぃぃ~~~っっ』

 歯を食い縛り、奇声を発する。やめてだとか拭いてと言う意味のある言葉を発する余裕もない。

『びくーっ!!びぐびぐびぐぅーーーっ!!!』

 セドリックは目の前のクリトリスの反応に目を丸くする。これまでしつこい責めで悶えるクリトリスが前後左右、根元を基点に縦横無尽に暴れ回る様は何度も目撃し楽しんできたが、今のミルドレッドのクリトリスはそれに加え上下にも暴れている。

 腰にあまりに力が込められたことによって、クリトリスの周りの筋肉が包皮の下、体内に埋まっている部分のクリトリスを押し出すことにって上下の運動も加わっている。

 僅か5㍉前後の動きだが、目の前にクリトリスしかない状況でははっきりと際立って見ることが出来る。

『きひぃぃぃ~~~っ!いっ!いっ!いぃぃ~~~っ!!』

 歯を食い縛った口の端から涎が垂れ始める。それはいずれ循環する。

 痒みはそれを感じた直後より除除に増してきているのだが、ミルドレッドには辛さの上限が上がって行くことに気づく余裕すらなかった。1の段階で十分耐えがたい為、それが2になろうが5になろうが関係なく、唯一、これが終わってくれることを望むのみだった。

 セドリックは本当の意味で縦横無尽、全方向に暴れ回るようになったクリトリスをうっとりと眺める。

 鋭敏薬は浸透したり気化したりと表面に残らないので、次々に塗り重ねていこうと思うが、掻痒薬はべったりとクリトリスに張り付いたままなので全体を覆ってしまうとやることがなくなる。

 琥珀色のベールを纏ったまま暴れ続けるクリトリスが痒みの強さと辛さを教え続けてくれている。

 セドリックは自分の股間に手を伸ばした。

 セドリックがすっきりした後もミルドレッドのクリトリスは暴れ続けている。エネルギーが循環しているため苦しみ疲れると言うことがない。苦しい間は延々苦しさを動きで伝え続ける事が出来てしまう。

 セドリックはどうしようか迷う。このままにしておきたい気もするが、1度拭いてやって感想を聞きたい気もする。言葉では伝えられないが。

 掻痒薬は比較的簡単に調合でき、且つまだ瓶にも残っているためセドリックは一旦薬を拭ってやることにした。

「あれっ?」

 筆では拭えないだろうと木のヘラで触れた瞬間、掻痒薬が既に軟膏状ではなく固まっていることに気づいた。

 クリトリスは動き続けているため完全に硬化しているわけではなく、柔軟性のある樹脂のような状態を保っている。

「これこんな風になるんだ…」

 セドリックは恐る恐る固まった掻痒薬の表面を指でつついてみる。

 触れるとすぐに引っ込め、様子をうかがう。しばらく待っても指に痒みは起こらず、掻痒薬の表面はツルツルと滑らかだった。

 セドリックはミルドレッドを痒みから解放してやると言うより、固まった掻痒薬がどうなっているかを知りたくなり、暴れるクリトリスを押さえ、根元から掻痒薬を剥がしに掛かった。

 すぽん、と、驚くほど簡単に、その形を保ったまま掻痒薬はクリトリスから抜けた。やはり完全に状態が変化しており、ぐにぐにと指で押しても元に戻る。

 解放されたミルドレッドのクリトリスはこれまで見たことが無いほど真っ赤に染まっていた。

 しかし硬化掻痒薬を外された直後から動きは弱まり、フルフルと震えてはいるが落ち着きを取り戻しつつある。

 昨日セドリックは何度水で洗い流しても痒みが3時間ほど続いたにも関わらず。

 セドリックが今後その原因を知ることはないが、水で洗ったことがそもそもの間違いだった。

 人体に痒みを起こさせる方法はいくつかあるが、セドリックがリンジーで見つけ、ミルドレッドに尋ねながら作成した掻痒薬は毒素ではなく、薬品中で結晶化した無数のジャマ酸カルシウムの尖った先端が、ちくちくとひっきりなしにクリトリス表面を刺激し続けるために起こる痒みだった。ジャーマの根を調理用にすり下ろした際に手の表面で起こる現象と同じでもある。

 結晶の成分は熱源周辺、この場合クリトリスの表面に集まり結晶化するため外側はツルツルと滑らかに固まり痒みを引き起こすことがない。

 そして毒素と違い、動けば動くほど刺激される位置、回数が変わり痒みが強くなる。

 昨日セドリックは硬化前に水で流しで仕舞ったため、極小の結晶が亀頭全体に広がり、更に細胞の隙間に入り込み容易には取れなくなってしまっていた。

 硬化した後なら多少は残るものの、固まった掻痒薬と共に結晶も剥がれ、3時間も痒みが続くようなことはない。

 現にミルドレッドも掻痒薬を取り除いてもらった直後から急激に落ち着きを取り戻している。多少まだ痒みが残っていても、その直前までの耐えがたい痒みと雲泥の差があるため、無いに等しい。

 ただし小さな小さな、細胞の隙間に入り込めるほど小さな針で刺され続けているようなものなので、クリトリスは信じられないほど真っ赤になる。

「あれぇ?ミルドレッド様、もう落ち着いて来ました?ボクの時と違うなぁ、クリトリスだからかな?」

 真っ赤なクリトリスの先端に指を乗せる。表面の熱も色に相応しい熱さに火照っている。

「返事できます?出来そうですけど」

『…ぴ、ピク』

「どうですか?痒かったです?ヘザー様はイキっぱなしにしてますから、ミルドレッド様はこれでずっと痒がらせておこうと思うんですよ」

『び、びくーっ!ビクビクビクーっ!!』

 セドリックからの恐ろしい宣告にミルドレッドはクリトリスで激しく抗議する。ミルドレッドの感覚ではヘザーがビラチーナによる強制絶頂を与えられ始めてから少なくとも2ヶ月は経過している。先ほどの僅かな時間でも耐えがたかった強烈な痒みを1ヶ月単位で与えられるなど、とても耐えられない。そして耐えられる耐えられないに関係なく、狂ったり放心したりすることなく痒みをはっきりと感じ続けられてしまうことも分かっている。

「とりあえずこれはビラチーナと違って生き物じゃないから、どれくらい効果が続くのか分からないので、2,3日塗ったままにしてみますね」

『びぐぅぅぅぅーーーっ!!!』

 クリトリスでの必死の抗議もむなしく、ミルドレッドはまだ全く赤みが引いていないクリトリスに、位置から掻痒薬を塗りたくられる。

 最初に使った硬化掻痒薬ももう一度使えてしまいそうなほどしっかりと形を保ったままだが、効果時間を確かめる意味で最初から塗り直す。

 今回は箱表面にまで掻痒薬を塗り、クリトリスを根元まで完全に覆ってやる。

 数分後、痒みに襲われ始めたクリトリスは先ほどと同じように前後左右上下に暴れ回れ始める。

 そしてその動きによってよりいっそう痒みが増すことになる。

 2,3日とは言っておいたが、この動きが治まる時が効果が切れた時なので、セドリックはそれまでほおっておくことにした。


cm01

 地下に下りていく。

 リンジーがやって来て居座り始めて以降、質問されても困るので金庫に仕舞っておいたヘザーのクリトリスを取り出し、蓋を開ける。

 ビラチーナは4ヶ月前と変わらず元気に動き、ヘザーをイかせ続けていた。ミルドレッドは2ヶ月と考えていたが、実際はその倍の期間、ヘザーはイキ続けている。

 2階に持ち帰り、卓上小箪笥の上に二つのクリトリスを並べ、飾る。

 外側の状態こそ違うが、元々敵対していた2人のクリトリスはセドリックの目の前で仲良く悶えながらビクビクと暴れ回っている。

『いぐぅ~~~っ!!いぎたくないぃぃぃぃいぐぅ~いやだぁぁぁいぐぅぅぅぅあぁぁぁ~~~っ!!!』

『かゆぃぃぃぃぃぃ~~~っ!むっ、むりぃぃぃだぁぁぁ~~~っ!!!ゆるしてぇぇぇぇっ~~~っ!!!』

『ひぃぃぃあぁぁぁ~~~~いぐぅぅぅぅ~~~っ!!!』

『くっ・・・きぃぃぃっ!!あああかゆぅぅぅぅぅぅ~~~っ!!!』

 目を細めて微笑ましいクリトリスの苦しみを眺めながら、セドリックは次は何をしようかとぼんやり考え始めた。

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