AI男の娘イラスト生成術入門3（中級編） (Pixiv Fanbox)

1. はじめに

今回の記事は中級編です。

前回の初級編に引き続き、AI男の娘イラスト生成術の解説をしていきます。

今回はNSFW画像（2人の男の娘にフォーカスを当てたもの）をターゲットにします。

前回と同じ環境を引き続き使いますが、これに加えて「Extension」（Stable Diffusion web UIの拡張機能）も複数ダウンロードして使っていきます。

なぜExtensionを使うかと言うと、次の2つの問題に対応するためです。

1. 2人のそれぞれに別のプロンプトを適用する。

　←デフォルトでは、1人ずつに別のプロンプトを適用させるのは難しいです。

2. 画像を高解像度化する。（ただし、比較的古い型のゲーミングPCでも使える方法にする）

　←1画像に2人の人物が描かれる場合は、1人の人物が描かれる場合と比べて、やや引きの構図になります。画像生成AIでは細部が破綻しやすいので、引きの構図だと破綻が多くなります。そこで画像をAIに高解像度化させると、その処理の中でAIが細部まで書き込みをしてくれます。ただし、従来の高解像度化には高スペックが要求されていたので、スペックが低くても使える手法が求められていました。

なお、前回の記事と同様に手順を示しますが、こちらでも自己責任での対応をお願いします。

2. 準備

1. Stable Diffusion web UIを起動し、まずは「Extensions」→「Install from URL」をクリックします。そして、URLの欄に「https://github.com/opparco/stable-diffusion-webui-two-shot」（stable-diffusion-webui-two-shot）を入力して、Installボタンを押します。

2. 同じ手順で、URLの欄に「https://github.com/pkuliyi2015/multidiffusion-upscaler-for-automatic1111」（multidiffusion-upscaler-for-automatic1111）を入力して、Installボタンを押します。

3. 「Installed」→「Apply and restart UI」をクリックします。Stable Diffusion web UIが再起動されます。

インストールに成功した場合は、txt2img画面やimg2img画面で、次の欄が増えているはずです。

・Tiled Diffusion

・Tiled VAE

・Latent Couple

これで準備は完了です。

ここから、画像生成をしていきます。

3. 生成

1. 「属性の違った2人の男の娘がビューワーにお尻を見せてくれる構図のイラスト」と「2人がキスをしながらビューワーにおTNTNを見せてくれる構図のイラスト」の2つを狙っていきます。まずは前者で、img2imgを使用して生成していきます。その為の落書き画像を用意してください。

Windows標準ソフトの「ペイント」で描きました。

このレベルのもので十分です。

ポイントは、どこにどのような色があるかなので、遠目で見て求めている構図になっていればOKです。

2. img2img画面にて次の設定をし、Generateボタンを押します。

### Prompt ###

femboi, bent over from behind, masterpiece, best quality, beautiful, fine, delicate, 2boys,

on bed,

AND

femboi, bent over from behind, masterpiece, best quality, beautiful, fine, delicate, 2boys,

astolfo,

ass, anus,

AND

femboi, bent over from behind, masterpiece, best quality, beautiful, fine, delicate, 2boys,

shimakaze-kun, sailor collar, fake animal ears, gloves, kneehighs,

ass, anus,

　※Latent Coupleは、画像内の領域ごとに適用するプロンプトを切り替えるものです。（参考：https://yuuyuublog.org/latent_couple_extension/）

　※このプロンプトは3つに分かれており、その分かれたプロンプトを「AND」でつなげています。

　※Regions（Visualize）で示された領域は3つで、それに対応しています。設定を変えることでこの領域を増やしたり減らしたりもできます。

　※「femboi, bent over from behind, masterpiece, best quality, beautiful, fine, delicate」は前回紹介した定型文です。「」も同じです。

　※「on bed」……ベッドの上。

　※「2boys」……2人の男性。

### Negative prompt ###

((EasyNegative)), worst quality:2, low quality:2

### img2imgでの指定画像 ###

上のもの。

### Sampling method ###

DPM++ 2M Karras

### Denoising strength ###

0.5以上0.7以下（要調整）

### Latent Couple ###

Enabled:ON

■生成結果（Denoising strength：0.55）　※作業途中での画像

3. img2imgの結果が遠目で見て求める構図になっていれば、その結果を更にimg2imgします。この時、Denoising strengthは少しだけ大きくするのが良いと思います。これを繰り返します。

■生成結果

4. おおむね良さげなものが生成されたので、この画像を高解像度化します。次の設定をして、Generateボタンを押します。

### img2imgでの指定画像 ###

上のもの。

### Denoising strength ###

0.65前後（要調整）

### Tiled Diffusion ###

Enable:ON

Upscaler:（お好きなものを選んでください）

Scale Factor:（どれだけ大きくしたいかを指定してください。2にした場合は縦横2倍となるので、2×2の4倍となります。大きくすればするほど負荷が上がります）

### Tiled VAE ###

Enable:ON

■生成結果

処理前後のイラストを比較すると分かりやすいですが、明らかに描きこみ量が増えています。

5. それでは次に、「2人がキスをしながらビューワーにおTNTNを見せてくれる構図のイラスト」の生成を試みます。

### Prompt ###

femboi, bent over from behind, masterpiece, best quality, beautiful, fine, delicate, 2boys,

on bed,

AND

femboi, masterpiece, best quality, beautiful, fine, delicate, 2boys,

astolfo,

on side, kiss,

AND

femboi, masterpiece, best quality, beautiful, fine, delicate, 2boys,

shimakaze-kun, sailor collar, fake animal ears, gloves, kneehighs,

on side, kiss,

　※「on side」……横たわる。

　※「kiss」……キス。

### Denoising strength ###

0.65前後（要調整）

### Tiled Diffusion ###

Enable:OFF

### Tiled VAE ###

Enable:OFF

■生成結果（Denoising strength：0.65）　※作業途中での画像

6. img2imgの結果が遠目で見て求める構図になっていれば、その結果を更にimg2imgします。この時、Denoising strengthは、求めるものに近づいたたびに少しずつ小さくするのが良いと思います。これを繰り返します。

■生成結果

7. おおむね良さげなものが生成されたので、この画像を高解像度化します。手順は4と同じです。

4. 補足

Latent Coupleは便利な機能です。

ただ、人物が斜めに描かれるケースなどでは、領域指定の都合上、使い方が難しくなります。

その場合は、Inpaintで個別にキャラを指定しながら、プロンプトを変えて属性を付けていく方法もあります。

そして、最後には低めのDenoising strength（例：0.35）で高解像度化すれば、出来上がりです。

この方法は私も良く使っているのですが、職人芸みたいなものが必要になっており、再現性があまりないです。

そのため、Latent Coupleでできるなら、そちらをオススメします。

5. おわりに

中級編はこれで完了です。

次回（2023/04/08公開予定）は上級編で、NSFW画像（オリキャラが複数の画像で連続して登場するもの）をターゲットにしていきます。