天才芸術家の苦悩 (Pixiv Fanbox)
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天才芸術家といえば皆さんは誰を思い浮かべるでしょうか?
私は断然、ミケランジェロです。
あのダビデ像を作り、レオナルド・ダ・ビィンチと共にルネサンス時代の天才と呼ばれた芸術家です。
【天才・ミケランジェロを軽く紹介】
ミケランジェロは、イタリア・アレッツォに生まれました。
父親は大理石の採石場と小さな農場を所有しており、採石場で幼いミケランジェロは大理石に夢中になります(まずここがすげぇ笑
後の回想でミケランジェロは
「私はノミとハンマーの扱い方を、乳母の乳と一緒に学んだ」
と言ってます。
幼少時代から絵がめちゃくちゃ上手でした。故に描けない人の気持ちが分からないような面もあり、画家修行時代に修行仲間の絵を見て
「うっわwww クッソ下手くそwww」
と笑ったところ、思いっきりぶん殴られて
鼻の骨を折る怪我を負いそれは一生治りませんでした。
この修行時代、ミケランジェロは囚人の遺体解剖にも顔を出しており、解剖学を徹底的に学んでます。
ミケランジェロが得意としたのはピエタを彫ることでした。ピエタとは、死んだキリストを抱く母マリアの像の作品群のこと。
ミケランジェロはこのピエタを彫るのがめちゃくちゃ上手く、瞬く間にミケランジェロの名は世間に轟きます。
そこで依頼されたのがダビデ像でした。
【ダビデ像秘話】
ダビデ像は約5mですが、元々は超巨大な大理石から切り出された像です。本来大理石からの切り出しは腕や頭や足からなど徐々に切り出していくのですが、ミケランジェロは頭から足にかけてそのまま切り出しました。今でいう人力3Dプリンターそのものだったわけです。その時のミケランジェロの言葉が以下の通りです。
「私には大理石の中に埋まっている姿、形が見える。それをそのまま掘り起こすだけだ。」
このダビデ像は3年かけて完成し、イタリア・フィレンツェ市のシンボルどころか、ルネサンス期最高傑作とまで言われる作品となります。
ミケランジェロは後にシスティーナ礼拝堂の天井画や最期の審判など、絵画でも世界史的にも名高い傑作を残していきます。
が、ようやくここからが本題ですw
【孤独に生きた芸術家】
「万能の人」「神から愛された男」などミケランジェロを讃える言葉は多くあります。
そんな彼は生涯孤独でした。奥さんや恋人を持たなかったし、友人や弟子さえもいません。(一時アシスタントを雇ったりしましたが、結局自分でやった方が早いと言い全員解雇してます。)
ミケランジェロは自由人であることを好み、栄誉や権力などに全く固執しませんでした。
彼は殆ど人とも交流することなく、仕事の打ち合わせの時くらいしか顔を出してません。ローマ法王だろうが学者だろうが同じ芸術家でさえも例外ではなく、あくまで外面的な付き合いでした。それは彼の激しい気性、自尊心、猜疑心のためだったとも言われてます。
短い間でしたが1、2人の親しい友人は居ましたが、ミケランジェロは長生きでもあったために死別という形で分かれています。
最終的に彼の孤独を癒すものは、死になっていました。しかし死への憧れはミケランジェロを神への信仰へ向けさせました。
信じる物は神と芸術だけとなり、当時としては長寿で89歳まで生き、死の数日前までピエタを掘っていたと言います。
そんな彼の言葉を最後に紹介します。
「私がこの芸術の域に達するまでにどれほどの努力を重ねているかを知ったら、芸術家になりたいとは誰も思わないだろう。」
「どれだけの労力を注ぎ込んだかを知れば、天才なんて呼べないはずだ。」
「優れた芸術を創造し、優れた仕事をするためには一生懸命に倦まず緩まず働くことだ」
「天才とは永遠の忍耐である」
天才と言われたミケランジェロも一人の等身大の人間だったのです。