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よく影響を受けた絵師は誰?とか好きな絵描きさんは誰?と聞かれることがあるけど、私が一番好きな絵師は伊藤若冲です。

誰?という人に説明しておくと、江戸時代中期の天才絵師です。明治時代以降西洋画の技術が一気に押し寄せると完全に空気になってしまいましたが、最近ようやく再評価されてきました。若冲の再評価が始まったのはここ30年内の話しです。

絵を載せることは著作権侵害になるので各自ググって下さいw

【伊藤若冲とは?簡単に紹介】

伊藤若冲は京都の八百屋の息子として生まれます。

子供の時から絵が好きで、家業の八百屋もそこそこに絵を描いています。若冲が絵を本格的に学び始めたのは30歳を過ぎてからです。狩野派に弟子入りして修行に明け暮れます。しかし狩野派を学んでも自分の画法を築くことは出来ないと考え独学で腕を磨くことを心に決め、基礎だけ学んで出ていきます。そこから若冲は古い名画を所蔵するあらゆる寺にひたすら模写に足を運びました。この時、家業は弟に譲り自分は隠居して絵を描き続けます。

1000枚以上模写をし続けて40歳の頃、絵から学ぶだけでは絵を越えることができないと思うようになり、実物を描くことで真の姿を表現しようと思い立ちます。

若冲が始めたのは、ひたすら観察です。

家の庭に何匹もの鶏を放し飼いにして、1日中何年も観察しながら時には絵も描いていきました。

「生き物の内側に「神気」(神の気)が潜んでいる。」

それを描くことに成功した時、若冲は生き物なら自在に何でも描けるようになっていたと言います。

【若冲絵の特徴】

花鳥画を得意とし、彼の描く鶏の絵は躍動感や描き込み具合、色彩の鮮やかは同時代の絵師と比較しても群を抜いており超人的と言われています。

若冲の絵の特徴は色彩が鮮やかで、その塗りは薄塗りで色の幅を広げてはいますが、重ね塗りを一切使ってないところにあります。私は色を塗る時に色んな中間色や対比色を使って一つの色幅を出しますが、若冲はそれがありません。

また、若冲の花鳥画は水墨画で描いた物も多く、躍動感や表情を出すために今でいうところの漫画的表情(鶏が本当に笑ってたり、怒ってたり見える)を多分に使っています。そういう鳥達の喜怒哀楽にまで踏み込んだ生き生きとした、伊藤若冲の絵が私は大好きです。

私が女の子を描く時にやたら表情にこだわるのは、伊藤若冲の影響があります。

フランスでも若冲単体の個展が開かれたり若冲ブームが来ているので、気になる方はチェックしてみて下さい。

【孤高の天才:若冲】

同時代の天才絵師といえば、円山応挙が有名です。円山応挙は門弟1000人以上と呼ばれた円山派を確立し江戸時代の画壇をほぼ独占していました。

対照的に若冲は孤高で、朝廷や政権に媚びることはなく自分の作品を作り続けていきました。そのため生活は厳しく、家業を継いだ弟が支援をしてくれていました。

72歳の時、天明の大火により、家も画室も焼失し、私財を全て失います。この頃になると弟も亡くなり、生活は貧窮し70歳を過ぎて初めて生活の為に絵を描くほど貧乏になってしまいました。

とは言え、彼は元々悠々自適な性格であったために貧乏をそこまで気にしておらず、むしろより自由に絵を描いていたようです。

84歳で亡くなる寸前までずっと絵を描き続けたといいます。また生涯独身でもありました。

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