『お、お巡りさん信じてくれ、うちの空手道場が突然、マンキニ姿の変態共に――』 (Pixiv Fanbox)
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突然現れたマンキニ姿の変質者に襲撃された空手家が、自分たちに何が起こったかを語る形式の挿絵付き小説です。
フォロワーの大石雷太さんからいただいたイラストをもとに、許可を頂いて小説を書かせて頂きましたー。
最初に断っとくが、今からする話にはひとつの冗談もねえんだ。
俺は真剣だ。誓って真実しか言わねえ。ああ、俺の空手家人生すべてを賭けてもいい。
バカバカしいと思われても仕方がないが、ふざけてるわけじゃねえんだ、この目を見てくれ。そもそも俺みたいないい歳の大男が、空手着のまま夜中の交番に駆け込んでくるってのが尋常な事態じゃないってことは、お巡りさんアンタもわかっているはずだ。そうだろ?
よし、わかってくれたな。信じるぜ。だからお巡りさん、アンタも信じて最後まで聞いてくれよ。きっとわかって
俺はこっからそう遠くない距離にある空手道場に通っとる石沼ってもんだ。そこそこデカイのがあるだろ? 子供向けの空手スクールもやってるやつだ。
とはいえ、今日は俺みたいな本格的にやってる男たちだけの日でな、夕方から夜までみっちり稽古して、床を雑巾がけして、軽く談笑して、着替えて、……まあいつもなら今頃とっくに家でひとっ風呂浴びてる頃だ。こんな時間までぶらついたりはしねえ。
今日は……ちょっと忘れ物をしちまってな。それを取りに、一旦引き返して道場に戻って……。……ン、じゃあなんで空手着姿なんだって?
まあ、話には順序ってもんがあるんだ。後でわかるから、そこは今聞かないでくれ。
とにかく、俺ぁ一旦道場に戻ったんだよ。
練習後の雑巾がけが終わった道場、普段だったら静かな筈なんだが……今日に限っては妙な声が聞こえたんだ。
掛け声でもなけりゃ、指導の声でもねえ。
叫び声みたいなもんが聞こえてな。嫌な予感がして俺は足音を消して道場にするりと潜り込んだ。
――ちょっとこっからは説明が難しいな。
なあ、お巡りさん。アンタ、マンキニって言ってわかるか?
マンキニだよ、マンキニ。なんちゅうか水着ともなんとも形容しがたいモンで、こう……こうだ、細長いビキニみたいなもんを、Vの字になるように肩から股間までビーンと伸ばしたようなヤツだ。
股間だけは一応隠れるもんだが、それ以外は腋やら胸やらケツやらなにもかも丸見えになるって、なんとなくわかるか?
どんな姿になるか想像してみてくれ。
それも、デブやマッチョのいい歳の男が着てるところだ。
………想像したか?
よし。
そいつが……いたんだよ、道場のど真ん中に。
それも、二人。
変質者が侵入した。
最初はそう思った。だが、まあ……違ったわけだ。
二人の顔も体もよおっく知ってたからな。土村さんと草尾さんの二人だって……わかっちまった。どっちもいい歳をした子持ちの親父で、特に土村さんなんかは親子で道場通いしてるような熱心な空手家でな。
そんな人らが、わけのわからん格好をしてるんだ。俺ぁ……足音消してたのも忘れて呆然と姿を出しちまった。
「お、おいおい、なにしてんだよ、アンタら、なんだよ、出しもんの練習か?」
俺は冗談めかしてそう聞いた。
だがな、あれはただのヘンタイコスチュームってだけじゃねえ。二人して股をガバっと開いて、腕を上げて頭の後ろで組んで、なんもかんも見せ付けるみたいな格好で腰振ってんだよ。
つまり、変質者を通報に来たのか? って。
いや、そりゃ違う。いい歳の男が、そんな変質者見たからって大慌てで交番駆け込むわけないだろ? ただの変態の阿呆共だったら、この俺が自分の手で打ちのめして説教してそれで終わりだ。
さっき言ったろ、叫び声みたいなもんが聞こえたってな。
二人揃って、なんか妙なことを言ってんだよ。
「止めてくれ」だとか「おかしくなる、おかしくなる」だとか「戻れなくなってしまう」だとか「勃起が、勃起しちまうよっぉおいやだああ」とかな。
変態そのものな格好しているのに、なんだか被害者みたいな叫び声を上げて首を振ってるんだよ。俺ぁ腹が立ってきた。皆が帰った道場で、まさか毎度毎度そんなわけわからん趣味に使ってやがったのか、ってな。
あんたら何考えてんだって。俺ぁ詰問した。説教みたいに大声でな。
ところがちっともマトモな返事が来ねえ。「見ないでくれえ」だとか「変わる変わる」だとか「すごすぎるゥ」だとかわめくばっかりでな。
――俺ァ、だんだん不気味に思えてきた。これぁ……、ただのヘンタイ趣味のマニアックプレイじゃねえぞってな。
そもそもよ、片方はガッチリ鍛えたガタイで、もう片方は見事に太った太鼓腹。タイプは違えどどっちも空手に精通した根性ある男だ。その二人が、こんな大声でもがいているなんて……やっぱり異常だ、そうだろ?
「ああ予定外だな、三人目だ」
――突然だった。
背後から聞こえたのは、なんてことないふつーーーの男の声だったよ。美声でもなけりゃ、大声でもない。低くはないが女声とは思わない。そんな普通さ。この状況なのに、まるでなんにも起きてないみたいな声だった。
俺は振り返った。
見覚えのある顔だった。
名前は知らない。今日あったばかりの男だ。空手の体験に来た……まあ、一日で来なくなりそうな面だって、そう思った顔だった。
色白で瓶底みてえなメガネを掛けててな。運動なんてまるでやってこなかったような太り方をしたデブだった。
妙な男だとは思っていたんだ。俺は。
色白のデブだからじゃねえ。瓶底みてえなメガネを掛けてるからでもねえ。なんっていうか、道場に来たときからずっと、あの目つきが妙だと思ってたんだ。
そいつが言うんだよ。
「予定外だけど、まあいいか」ってな。
一番若くて、一番太ってて、一番の新人が、まるでその場の支配者でございますって顔で言うんだよ。
「二人までにしようと思っていたけど、このケースならむしろ好都合だね」
そいつは『もののついで』みたいに俺を見てやがった。
そこまで舐めたクチを効かれて黙ってられるほど、俺ぁ人間が出来てねえからな。振り返りざまに俺は掴みかかった。こりゃあ一体何が起きてるんだ。オマエがなにかしたってのか。ってな。
おっと、待ってくれお巡りさん。暴力に訴えようとしたんじゃねえぞ。
まずは一喝、それで様子を見ようと思ったんだ。現場にいないとわからねえだろうが、ありゃあ間違いなく異常事態だったからな。
自分で言うのも何だが俺はこの通り、ヌンッ……厳ついガタイしてるだろ? これで怯ませりゃ、大抵の相手は戦意喪失ってなる。それが一番事態を荒立てないって思ってよ。
ところが、だ。
どういうことか、いつの間にか、俺が組み付くのと同時に俺の方にもガシッと………なにかが絡みついたんだ。
上半身じゃない。下半身にだ。なんだ? ケツ、ケツだ。ケツと肩。それから股間に、強烈な食い込みがグイィっと、ギュウっと込み上げてきやがったんだ。痛くはねえ。いやそれどころか、ちょっと………気持ちがいい絶妙な刺激だ。
――引かないでくれよ、俺は正直に話してるんだからな。
とにかく、大の男の俺が、意気も削がれるくらいなむず痒い甘~い刺激が俺をクイッと襲ってきた。
そう、もうわかってるよな。
いつの間にか、俺も着てたんだよ。
例の……マンキニを。
それも、素っ裸の状態で。
マンキニ一丁の姿になっちまってたんだ。
あ?
どうやってって、だって?
――そりゃあ……。わからねえよ。俺が聞きたいくらいさ。
まあとにかく俺はマンキニ姿になった。なっちまったってのが事実だ。そこから話をすすめるぞ。
大事なのはこの後、なんだからよ。
この格好ってのが、……俺もされたからわかるがとにかくケッタイなもんでな。下着みたいな機能かと思えば、肩に引っかかってやがるし、ちょっと動くたびにゴリゴリケツや玉の裏に食い込んできて、体がビリビリしてきやがるんだ。
グイ……グイっと込み上げてくる。色んなものがケツからチンポに、そんでもって肩に、頭に、ズズズっとな。
俺は「うぉぉ」だとか「なんだこいつぁ」なんて悶絶しちまった。そんな俺を見ながらメガネが言うんだよ。
「定着すればすぐ最高の気分になる」「それ以外を身につけることなど考えたくもなくなる」「他の空手家たちよりいち早くこの姿になれたことを光栄に思うがいい」「オマエはマンキニボッキ戦闘員に生まれ変わるのだ」
――なんて、大仰な口調でな。
最初に言っただろ、これは冗談でもなんでもねえぞ。真剣だ。あのメガネの態度も、今話している俺も、真剣そのものだからな。笑わねえで聞いてくれよ。
他人事だから笑い話に聞こえるかもしれねえがよ、実際に餌食になってる俺としちゃあ深刻な事態だ。
汗がドバドバ出て。歯がガチガチ震える。目が泳いで、眼球がぐるっと上を向く。涎が出てきて、ハァハァ間抜けな息が出る。
ヤバい。
マトモじゃない。
とにかくそう気がついた俺は、大慌てでメガネや上村さんと草尾さんから離れた。
自分の格好も省みないで大慌てで、逃げの一手だ。この俺が。
それくらい必死だった。ところが、だ。学生時代から健脚で、今だって瞬発力も持久力も……なんなら勃起力も同年代じゃ飛び抜けてるって自信があったこの俺が、マトモに走れなかったんだよ。
どんどん脚が重たくなって、どんどん股が開いていく。ゼェゼェ息が切れて、腰がグイグイ下に落ちていきやがる。
ついに俺はガニ股状態で固まっちまった。そんな俺の股に、グイグイ、ギュウギュウマンキニが食い込みまくってきた。
俺に近づくんじゃねえ!
そう叫びながら、俺は一歩も動けない脚で地団駄を踏んだ。
首だけでなんとか後ろを見ると……、三人が揃いの姿でジリジリ俺に近づいてきてやがった。
そう、三人揃って、だ。
さっきまで大声で喚いていた二人が、ニタニタ笑ってるんだよ。
さっきまでマトモな面してたメガネが、マンキニ姿に変わってるんだよ。
そのうえ、三人揃ってマスクを付けてやがった。レスラーみたいに頭にかぶるマスクなんだが、クールさの欠片もないニヤついた目をしたふざけたマスクだ。いよいよ変態的で、妖しくて、俺は息を呑んでその目を見ていた。
「マンキニボッキィ!」
ひとりがそう叫んだ。
それと同時に腰を振るのが見えた。
ボッキ。
ボッキってわかるか? そう、あの勃起だよ。
男だったらついヤッちまう、興奮した証拠。男の本懐。
そいつらは……ガチガチに勃起してやがった。マンキニでなんとか隠れていたチンポを、自分からはみ出させてやがったんだ。これじゃあなんのために着ているかもわからねえ。倒錯的だ。ただ露出したい変態にしか思えねえ。ひでえ格好だ。素っ裸よりチンポが目立つ。
だのにそしつら、ナニが楽しいのかニヤニヤ笑いながら、石みたいに固くなったチンポを振り回してやがったんだ。上下に、左右に、そんで前後に。
踊りでも見せ付けるみたいに、誇りでも見せ付けるみたいに、チンポをブルンブルン振り回して……いや、振りかざしていやがった。それが……三本だ。
「マンキニボッキ!」「マンキニボッキ!」
一人の声に合わせて他の二人も叫ぶ。
俺はいよいよ恐ろしくなって、怒りと恐怖で震えた。
「マンキニボッキ戦闘員として洗脳され、改造されることを喜ぶがいい、さあ、さあ!」
「石沼さん、アンタも早く『石沼さん』なんてやめて、俺たちのようなマンキニボッキ戦闘員にななりましょう!」
ふざけんじゃねえ、この俺が。
やめろ。なにも俺に言うな。ああ、そうだ、このマンキニが悪いんだ。こんなもん一秒だって着ていられるか。
「それじゃあ、どうぞご返却でもなんでもしたまえ」
できるものなら、そんなような口調でメガネが言った。
俺はグッと力こぶを作って、思いっきり肩の紐に手をかけた。
そんで――
「おほぉッッン!!」
ぐいィィィっと上に持ち上げた。
すんげえ強烈な食い込みがチンポとケツと玉に同時に襲いかかってくる。とんでもない刺激。快感。俺はガニ股のまま軽いスクワット状態になった。ゴリラみたいにウホウホ言いながら、何度も腰を浮かして落として……。
――なにやってんだって?
そうだよな、これだけ聞いたら当然の疑問だ。
だけどな、あの瞬間の俺の頭は……どうかしてたんだ。
どうすれば脱げるのか、どうやって脱げばいいのか、それがまったくわからねえんだよ。頭の中から、その知識だけがすっぽり抜けたようにわからない。だから必死にマンキニを弄るんだが、そうすればするほど強烈に食い込んできて、気持ちよくって、どうにかなって――ヤバかったな、ああ、あれはヤバかった。
「はぁぁはぁあはぁぁぁ」
俺は素っ頓狂な声を上げながら、道場のど真ん中に立って、ガニ股のままグイグイ自分の手でマンキニを引っ張ってた。
「さあ、石沼さんもいっしょにマンキニボッキしましょう」
「そうそう早くマンキニボッキィ、一人でも多くマンキニボッキが増えるのは素晴らしいことだあ」
二人はさっきまでが嘘のように、俺をヘンタイにしようと囁いてくる。
右と左について、腕を頭の上に持っていってガニ股姿。ぴっちり同じポージングして、三人ズラッと並んじまった。
――そう、俺も……いつの間にかそのポーズをとっちまってたんだよ。
マンキニボッキ。
戦闘員の姿勢。
二人に挟まれながら、腰をグイッと……二人に合わせて。
「ま、マンキニ、マンキニッ、あぁぁ………」
俺はついに口から声を……鳴き声を出した。
その瞬間のことは忘れねえ。頭の奥がジィンと強烈に痺れた。
あ、進んだ。
今、一歩進んだ。
ナニかわからねえが、それだけが『分かって』、『感じた』。
そっからはどんどん気持ちよさで頭がどんどん埋まっていった。
ピクリとも動けねえまま、俺はちょっとづつちょっとづる、洗脳されて改造されていった。
この格好が一番気持ちいいって、脳みそが学習して……とても他のことするなんて考えられなかった。
「やめてくれえ」「入ってくるんじゃねえ」「とまれえ、ああ、駄目、とまれ、ああぁぁ」「マンキ――ああぁ、だめだぁぁ」
気がつけば俺は、二人と同じように叫んでいた。首を振って。喘ぎながら叫んでた。
そう、ちょうど何分か前までの二人と一緒だ。
それに気がついた瞬間の俺のキモチ、わかるかいお巡りさん。
そう、後数分もすれば……俺も、横にいるこの二人のお仲間ってわけだ。
マンキニ着たまま勃起して、腰振って、ニタニタ笑う変質者になる。
――そんなこと絶対にありえない。なんてことはない。
それがわかっていた。
「俺は俺は俺は空手家だ俺は違う俺はマンキニじゃねえ俺はマンキニボッキじゃねえ、勃起しねえ俺は勃起しねえ、俺はマンキニでもボッキじゃねえ」
俺は声を枯らしながらそう叫んで抵抗していた。
そんな俺をあざ笑いながら、メガネが俺の頭にふれた。
瞬間的に視界が塞がった。マスクをつけられたってのがわかったのは、その後すぐだった。
そうなると次はどうなると思う?
視覚以外の全てが鋭敏になるんだ。ますます強くなるんだ。
全身でマンキニが味わえるようになる。いやもう脳みその一部を除いて全身がマンキニ状態だ。
チンポがもう止まらない。むくむく。ガチガチ。血が集まってドクンドクン、海綿体が膨れ上がる。
このまま勃起したら、人生でここまでの勃起はねえってくらいのデカさになる。それがわかった。それくらいの興奮があった。
だが、このまま勃起したら人生が終わり。勃起したら終わり。全部終わり。それがわかった。
だって、マンキニでボッキしたら。マンキニボッキ戦闘員だ。そうだろ?
だから俺は抵抗していたんだ。
「……オマエはマンキニボッキ戦闘員になるのだ」
耳元で、だれか……知らない筈なのに……うっとりするような声が聞こえた。
マスクの中からか、俺の幻聴なのか、それとも3人のうちの誰かの声なのか、なにもわからねえ。
ただ、言葉の意味だけが分かった。
嫌だ嫌だ。俺はマンキニボッキなんてしねえ。
俺は戦闘員になんてならねえ。
俺は空手家だ。俺は石沼だ。俺はマンキニボッキ戦闘員B54号なんかじゃねえ!
俺は叫びながら、B52号とB53号から離れようとした。
必死に脚を動かして、なんとか一歩、また一歩、ギリギリのところで歩いた。
ガニ股のまま、一歩、また一歩、無様な姿で歩いた。
暗闇の中で必死に歩いた。
そうしていると、今度は突然視界が開けた。
ナニが見えたと思う、お巡りさん。
――俺だよ。
マンキニ一丁の変態オヤジが、必死にガニ股歩きしている後ろ姿が見えたんだ。
そりゃあ多分B52号の視界だな。
何が起きているのか説明してやる。マスクを通じて、戦闘員は情報を共有しているんだよ。
だから、俺の目には……俺の視界の他にも、すぐ近くにいる戦闘員三人の視界、合計四人分の目がついていたんだ。
俺以外の三人が、じっくり俺を見ていた。そう、俺は強制的に自分を見せつけられた。
素っ裸にマンキニだけ。マスクをつけて、ガニ股姿で、顔は……いつの間にかヒクヒク痙攣して、今にも笑っちまいそうになっていた。
ほぼほぼマンキニボッキ戦闘員姿だ。
そんでもって一つだけ違うのは……マンキニに引っかかってる半勃起のチンポだけ。
こいつだ。
マンキニ食い込んで、ギリギリまで勃起してない。丸出しになってない。組織への忠誠を誓ってない。
こいつだ。
寸止め状態。
人間をやめれてない、無様な俺のチンポ。
こいつだ。
こいつが俺を邪魔している。
マンキニボッキ!
一人が叫んだ。
マンキニボッキ!!
二人が腰を落とした。
マンキニボッキィ!!!
三人が腰を振った。
マンキニボッキィィ!!!!
四人がチンポを突き上げた。
ああ、俺は完全に声に合わせて動いていた。
もう止まらねえ。なにもわからねえ。何も考えられねえ。どんどん馬鹿になっていく。だがそれでいい。それでいいんだ。戦闘員は命令のままに動く駒なんだから、自分で考えたり悩んだりする必要なんてねえんだ。
頭に血が巡ってなくてもいい。だからその分全部全部チンポに流しちまっていい。
グイグイグイ……!
チンポがでかくなる。止まらねえ。頭にあった血が全部チンポに流れていく。
それだけじゃねえ、他のなにもかもが流れていく
空手も
家族も
人間もどうでもいい
組織が
組織とマンキニがあればそれでいい
こんなに気持ちいいんだぜ
こんな素晴らしい組織に忠誠が誓えるんだぜ
しかも他の連中より先に
俺は選ばれた
俺は
俺は
素晴らしい存在になれる
ボッキするだけでそれを証明できる
ボッキするだけ
ただそれだけで、組織の戦闘員にッ、なれる……!
そう思った
ズルン、って、最高の興奮と、最高のボッキ
俺の人生最高の瞬間が来ちまった
マンキニボッキ
マンキニボッキ
マンキニボッキ
三人が笑う
俺は叫んで腰を振った
「マンキニボッキィイインン❤❤」
ズルンとチンポが飛び出る開放感
飛び出た色んなものが飛び出した俺の雄汁俺の誇り俺の考え俺の人生
それが全部勃起チンポから飛び出した
あとに残ったのは――
「マンキニボッキ! マンキニボッキ! うへへ、俺をマンキニボッキ戦闘に改造していただき誠にありがとうございますぅ! 私石沼良二はたった今より人間をやめ、マンキニボッキ戦闘員B54号として組織に絶対の忠誠を誓いますゥ!!」
そう、マンキニボッキ戦闘員、ってわけだ
でへへ……。
おいおいどうしたんだよお巡りさん❤
さっきから見えてるんだろぅ、とっくにカモフラージュは解いているからなあ。
どうだあ、コレが俺の本当の姿だぁ❤ マンキニボッキィ❤
もっとこっち来て、俺のマンキニボッキ姿見てくれよぉ。
お巡りさんを油断させるために、真面目に話を聞かせるために、俺は我慢してマンキニ姿を隠してたんだぜえ。
へへへ❤ でへへ❤
な、真実しか言ってないって伝えておいただろ?
俺は見事洗脳されて、こうして最初の工作任務として警察官を洗脳しにきたってわけさあ❤ マンキニボッキィ❤
ああ、そうそう一個だけ嘘があったなッ。
俺がぁ……このマンキニ姿になったときの話だ。
あれ、どうなったかわかんないって言ったろ? あれ嘘なんだよぉ。俺なぁ、自分からコイツを着ちまったんだよ
あの二人の姿を見てると、どんどん頭の中がマンキニ着ることでいっぱいになっちまって、
催眠状態になって、気がつけば、自分からマンキニを着たくて着たくて、仕方がなくなるんだぜ。
この姿を見たり、聞いたり、しているだけで、それでもう駄目なんだ、へへへ、素晴らしいだろうぅ❤
だからなあお巡りさん、あんたも、話をじーーくり聞いて、俺を見たから、もう終わりってわけさあ❤ くだらない警官人生とバイバイだぜえ❤
へへへ、俺は空手家人生を賭けて真実しか言わねえって言ったがよお、俺はマンキニボッキ戦闘員だからなあ、空手家人生なんて……もうとっくに捨てちまってるからよぉ、嘘もなんでもつきほうだいだぁ、組織のためならなんでもするぜええへへへ❤
ほら、ほら、お巡りさんも、そうだ、制服を脱いで、素っ裸になって、そう、いいぜえ、そのまま足を通して……肩に……そう、そうだろ、雄叫び上げちまうだろ、それがマンキニの刺激だぁ❤
いいガタイしてるからマンキニが似合うぜぇぇ❤
あー抵抗してるしてる。無駄だってのにやっちまうんだよなぁそれわかるぜえ❤
えへへ、俺を見ている先輩方もこんなきもちだったんだなぁ❤ いいぞぉお最高の気分だぁ❤ もうすぐ仲間が増えるのを待つのは、最高だあ❤
さあ俺と一緒にマンキニボッキ戦闘員になろうぜえ❤
マンキニボッキ、マンキニボッキ❤
ほれほれ一緒に一緒に。
マンキニボッキマンキニボッキマンキニボッキィィィイイ❤❤❤
終わり