鬼の末路は絶頂玩具 前日譚〜おさね箱『いばらき』誕生秘話〜 (Pixiv Fanbox)
Published:
2021-03-05 11:26:07
Edited:
2021-11-21 05:49:15
Imported:
2022-06
Content
遅くなりまして大変申し訳ありません……
仕事が多忙で、なかなか進めることができずにおりました。
フォロー、ご支援くださっている方々には深くお詫び申し上げます……
今後はこうして長引きそうな時には、せめて進捗などの状況を報告しようと思います。
さて今回は前日譚です。本編にて少し登場したおさね箱『いばらき』誕生までのお話となります。
インフレしまくる感度を楽しんでいただければと思います。
_________
酒呑童子が安倍晴明に捕えられるより以前のこと。まだ彼女が健在だった頃。
大江山という、鬼の棲む山に不穏な報せが届いていた。
山の山頂で結界を張り数年単位の眠りについている首領、酒呑童子を除く山の重鎮たちがことごとく行方知れずになっていたのだ。
四天王と呼ばれる者たち、そしてその四天王を束ねる山の副首領、茨木童子。
これら5名の行方がわからなくなることは、鬼たちにとって死活問題となりうる。
力が強い分休眠期間の長い酒呑童子は、組織の長としてはあまり向いていない。
だからこそ副首領たちがその分、鬼たちをまとめあげていたのだ。それがいなくなればどうなるかは想像に難くない。
当然に大江山という組織は分裂し、各々が個別に副首領たちの捜索を開始した。
探知能力に長けた者、隠密が得意な者、それぞれが別個に行動し、平安の都すべてを洗い出しにかかったのだ。
指揮系統がなく、統率がとれていない中での捜索は困難を極めたが、1ヶ月かけてようやくその原因にたどり着いた。
茨木童子失踪の原因。それは都にある屋敷にあった。
その屋敷とは、安倍の御屋敷。すなわち鬼を含む妖魔の天敵である、陰陽師の総本山である。
「封印の儀を始めてより10日……ようも耐えられるものですね?さすがは高名な鬼といったところでしょうか」
「こ、この程度で拷問のつもりだとは、陰陽師ってのはずいぶん優しいねぇ?」
その一角にある蔵の中。拷問部屋と化したその蔵の中に茨木童子はいた。
くすくすと笑う女陰陽師の前に全裸で両手脚を拘束され、大の字に括られた姿で。
「ウフフ、千にも届くほど感度を高めてなお、そのような強気を保てるとは……まこと、鬼とは愛らしきものですね」
「愛らしいと思ってくれてるんなら、解放してほしいもんだけどねぇ」
「常々申しているではありませんか。山の山頂で眠りにつく酒呑童子……その身を護る結界の壊し方を教えて下されば、あなた自身は助けると」
「いつも言ってんじゃないのさ、私があの方を裏切るわけなんてないって。何度も言わせないでほしいね」
「では致し方ありません。本日もつとめて参りましょう」
「……っ!」
もう幾度となく繰り返したやり取り。茨木童子の身の安全と引替えに、酒呑童子の身柄を引き渡すという取り引き。
当然ながらそれは受け入れられるものではなく、今日も茨木童子への拷問が幕を開ける。
「ウフフ、これであなたのおさねは通常の……はて?いくらでしたか……まあ、二千を下回ることはないでしょう」
「あ……っ、相変わらず、いい趣味してるよ……!」
「趣味、ではなく儀式なのですよ。これは鬼の弱みをさらに弱め、屈服させるための儀式……」
「話の通じなさも、相変わらずだね……っ」
茨木童子に対し行われている儀式。それは1日ごとに陰核の感度を2倍していくというものだ。
初日で2倍。2日目はその2倍である4倍、その次の日は8倍……と、倍々で感度を増やしていくのだ。
それに用いる術式は娘が独自に開発したもので、鬼が身体能力向上に用いている妖力の流れを操作、暴走させることにより感度のみを倍化させているのだ。
元より敏感なそこの感度をさらに2000倍ほどにも高められた茨木童子は、空気のそよぐ感覚ですらこそばゆく感じていた。
だが本番はここからだ。それだけ感度を高めた陰核に対し、娘は普通の人間であっても絶頂を免れない責めを行おうとしていた。
ヴヴヴヴヴヴ……
「……っ!今日も……それかい……!」
「ウフフ、我が法力を宿せし震え豆……この味もそろそろ身に染みる頃でしょう」
「た、確かにいい加減にしてほしィいいっっ!?!」
まだ茨木童子が話している途中に、法力でもって振動する炒り豆を陰核に押し当てた。
現代でいうところのローターのように震えるそれを押し当てられて、茨木童子は奇声とともにビクンと身体を跳ね上げた。
「……っ、はっ……ぁ……!い、いきなりっ……当てるなぁっ……!」
「あらあら、かわいらしいお声が漏れましたね?貴女の忍耐を以てして、耐えがたくなりましたか?」
「…………っ!うるさいっ……奴だね……!」
「まあ……よく耐えたものです。鬼のおさねは元々より過敏なものを、さらに千倍したというのに今まで耐えていたのですから」
「しかし今はそのさらに二倍……二千倍ともなればさしもの貴女もお辛いようですね」
これまで茨木童子は、どれだけ責められようとも声を漏らすことはなかった。
鬼の陰核は、すべての女性鬼にとって最大の弱点であり、触れられるだけでも腰砕けになるほどの激感を誇る。
それだけに、彼女ら自身もそれを克服しようとしていたのだ。
茨木童子はその弱点に感覚を鈍らせる毒を持つ草の煮汁を毎日塗ることにより、その感度を抑制していたのだ。
他の鬼は豪快すぎる性格ゆえにそのような手段を採りたがらなかったが、彼女はその甲斐あってこれまで耐えることができていた。
しかし責めが十日を迎え、感度が2000倍される頃にもなると耐えがたくなってきていた。
「ウフフ、ようやく愉しゅうなって参りました。今日はこのまま、頂きへと導いてさしあげましょう」
「やめっ……!?んんぅうっ……!」
これまでの努力と、鬼の気合い。この2つの要素でもってこれまで耐えてきた感覚を、いよいよ堪えきれなくなっていた。
腰の辺りからぞわぞわと膨らみ、せりあがってくる感覚。誤魔化しようのない快感の大波がすぐそこまで迫っていた。
「……っあ!?やめっ、離せ!それとめろ!とめっ……、んんぐぅぅっ……!」
「ウフフ、無理にこらえる必要などありません。その欲のまま、お果てなさいまし……」
「だめだっ!だめっ……!いまいったらぁぁっ……!」
「はて、こうも絶頂を拒むとはなにか理由があるやもしれませんが……ウフフ、私にとっては好都合……」
茨木童子がここまで歯を食いしばり耐える理由。それは彼女が行っていた感覚鈍化の施術によるものだ。
鬼の陰核本来が持つ感度を一種の神経毒によって鈍らせるというものだが、それにはある欠点があった。
神経毒によって神経系への血流を妨げ、麻痺させているに過ぎないそれは、そこへの血流が増大すれば効果がなくなってしまうのだ。
例えば絶頂などして、陰核への血流が過剰に増大してしまえば、働きの鈍った神経は元に戻ってしまうだろう。
そしてその元に戻った感度を基準に娘の術式が発動すれば……どうなるかは想像に難くない。
(いやだっ……!いやだクる……!こんなのもう、耐えられないっ……!)
「弱点」が元に戻ってしまうことへの恐怖に打ち震える茨木童子。どんなに歯を食いしばり耐えても、もうどうしようもなく彼女は昂っていた。
そしてとうとう、その時を迎えてしまう。
「うああああっ!!いやだっ、いやだいやだいやだあああぁぁあっっっ!!うぅっっくあぁぁぁあ!!!」
「ウフフ、ようやく果てられましたね。かわいらしくお腰を振り乱して……あら?」
茨木童子が望まぬ絶頂を極めてしまった瞬間、その身体に異変が起きた。
これまで常人なみの大きさしかなかった陰核が、みるみる肥大化してきたのだ。
それはまるで感度そのものを体現するかのように、これまでとはまるで異なる存在感を放っていた。
「あらあら、これは……なかなか面白いことになりましたね?どうしたのかは存じませんが、何らかの手を加えておられたのですね」
「や……めろ……!いまは、いまはだめだって……!」
「ウフフ、そしてこちらが……本来のあなたのおさねということですね。何とも魅力的で、愛しやすい大きさですこと。胸踊ります……」
神経毒によって妨げられていた血流が戻り、みるみる膨れ上がっていく鬼の陰核。
その大きさに比例して感度もこれまでとは比較にならなくなり、そこへさらに感度二千倍の術式が加えられる。
その激感のほどは、触れられてすらいない今でも空気の触れる感覚に腰が引けてしまうほどだ。
本格的に触れられればどうなるか、その最悪の想像に鬼は恐怖していた。そして……
その恐怖の瞬間は、すぐにやってきた。
ヴヴヴヴヴヴ……
「……!?い、いやだ……!やめろ、やめて……!」
「びくびく、がたがた、強気の衣は剥がれ落ち……本性のまま、泣き叫んでくださいまし」
「あっ…………!!?!」
「ああ゛っっっ!!?ひぎゃ゛あぁぁぁあ゛ああぁぁぁ!!!!ふ゛ん゛ぎぎぎぃいいいいぃいぃっっっっぃぃいいぐううぅううぅう!!」
元々の時点で常人の数十倍は感度の高い陰核の、さらに二千倍された超敏感陰核。そこに与えられる無慈悲な振動に、茨木童子は為す術なく絶頂を重ねていく。
豆を当てられてから十も数えぬうちに、二十を超える絶頂を叩き込まれる。その異常な快感は、小さくなってなお大柄な身体を無様にのたうたせる姿からも伺える。
肥大陰核のすぐ下に空いた穴からおびただしい量の潮を撒き散らし、背中をこれ以上ないほど反らせ、酸欠に陥った口からだらしなく舌を突き出して、これまでの生で体験したことのない壮絶な快感を味わっていた。
「ゆりゅぢて゛ええ゛ええぇええ!!もぉい゛ぎたぐっっっに゛ゃいいぃぃぃぃぃ!!!」
「ウフフ、許してほしいのですか?それなら……おわかりですね?」
「いやら゛あぁぁぁあっ!!うら゛ぎりもいやぁあぁぁぁあああぁぁぁ!!!」
「あらあら、なかなかに我儘ですね。どちらも嫌だなどと……残念ながら、それは道理が通りません」
「ウフフ、そうですね……そのような我儘を言うのであれば、少しばかり仕置きでも……あら?」
屈服も絶頂もいやだと喚く茨木童子に対し、仕置を施そうとした安倍の娘。だが彼女が行動を起こすことはなかった。
それどころかこれまで行っていた責めすらも取りやめ、絶頂に喘いでいた茨木童子に休息の機会を与えてしまっていた。
彼女の手を止めさせたのは、蔵の外から入ってきた式神。その式神はある報告をするため、娘の下へやってきたのだ。
「あらあら、どうやらあなたに……あるいは私にお客様のようですね。丁重におもてなしをしなくては」
「ウフフ、随分と信望が篤いようですね。大江山の副首領、茨木童子?」
「なん……だって……?まさか、あいつら……!」
ここで娘の言うお客様とは、他でもなく大江山から茨木童子を救いにやってきた鬼たちのことである。
平安の都全てを洗い出している鬼たちの情報が、とうとう娘の耳に届いてしまったのだ。
そしてまた、茨木童子がここにいることを突き止めた鬼も彼女の式神と交戦状態に入っていた。
「致し方ありませんね。こうなってしまっては貴女を愛でてばかりもいられませんし……」
「へ、へへっ……!逃げるなら今のうちだよ……!」
「大層名残惜しいですが、封印の儀式は他の者に任せて私も討って出るとしましょう。父と私の2人もいれば充分に鎮圧できましょうから」
「随分な自信じゃないか。鬼の総攻撃を受けてるってのにさ」
「ええ。戦う場所が都である限り、貴女や酒呑童子のような大鬼でもなければ、どれだけ数がいようと関係が無いのですよ」
「なに……?」
「ウフフ、まあそれはそれ……いつ戻れるかはわかりませんが、どうかおとなしくしてくださいましね?」
娘の発言の意図がわからず首を捻る茨木童子を置いて、娘は鬼の襲撃を受ける都へと向かっていった。
大江山にいる鬼のうち、山ほどの体躯を誇るのは僅か6名。首領である酒呑童子、副首領の茨木童子、そしてその下につく四天王である。
酒呑童子を除くこれら重鎮はすべて娘の手に堕ちており、大江山の戦力が大幅に低下しているのは確かだった。
だがそれでも、その辺りの妖怪より遥かに強靭な肉体と強大な妖力をもつ鬼の大群が相手である。生半可なことでは止めることができない。
「ウフフ、しかし……この平安の都を、多勢でもって落とすこと能わず。父に鬼の注意が向かっているうち、術を発動するとしましょう」
しかし、安倍晴明と彼女はそのための策を既に練っていた。
平安の都は風水に基づいて建造されており、その四方には四神を祀った社が建てられているのだ。
自然の力も利用する陰陽術において風水とは重大な要素のひとつである。
すなわち青龍、朱雀、玄武、白虎。四方五行を司るこれら四神の力を借りて、大結界術を発動するのだ。
「とくと覧じよ。安倍のお家に伝わる秘術、四神封魔陣……!」
娘が法術を発動すると、都全体を七色の光が包み込んだ。
これこそ結界内の妖をすべて無力化する大結界術であり、範囲内にいる妖怪の妖力を封じる技である。
これを受ければ、中にいる妖怪がどれほど数がいようと関係なく全員が無力化してしまうことになる。
例外があるとすれば、身体が大きすぎて結界の範囲に収まらない者だが、それも今は眠っている酒呑童子を除き娘の手中に落ちている。
すなわち、都にいるすべての鬼が人間なみの力しか発揮できなくなってしまったのだ。そうなると、鎮圧も容易である。
「ウフフ、これで鬼への対処は終わり、あとは捕らえるのみ……容易きことです」
「この広い都といえど、二週もあればすべて洗い出すことは可能でしょう。万が一に備え、私自身が出向かねばならぬのは口惜しいですが……」
かように強力な術ではあるが、社を媒介にしている限り無敵ではない。
何らかの手段を用いて社を破壊されてしまえば解除されてしまうため、万全を期すため捕獲には陰陽師が出向く他ないのである。
妖力を取り戻した鬼に対し、まともに戦えるのは陰陽師を置いて他にいないためだ。
だが当代最強の陰陽師である晴明はその知名度ゆえ鬼からも警戒されてしまい、捕獲が思うように進まない可能性がある。
となれば、その実力に比して知名度が皆無であり、鬼からの警戒が薄い彼女が出向くのが最良なのである。
(茨木童子を愛でてあげられないのが惜しいですが……代わりの子らが良くしてあげることでしょう)
後ろ髪を引かれる思いを抱きながら、娘は無力化した鬼の残党を捕獲しに向かっていった。
_________
その頃茨木童子の蔵には、数人の若い娘がいた。
彼女らは娘の手により堕とされた女中たちであり、陰陽術こそ使えないものの、とある技術に精通した者たちであった。
そんな娘らを茨木童子のもとへ、肥大陰核をぶら下げた鬼のもとへ差し向けるということ。それはひとつのことを意味する。
「あんたらは……何もんだい?」
「はじめまして茨木童子。我々はお嬢様の命に従い、お嬢様に代わって妖どもを調伏する任を負う者ですわ」
彼女らの秀でた技術とは色事。
すっかりほぐれた女陰を、あるいは豊満な乳房を、臀部を、そして感度を尋常ならざる程に高められた陰核を、娘のいない間も絶え間なく責め抜くための精鋭部隊である。
たとえ娘がいないとしても、休む暇などないということを突きつけられていた。
「調伏……だと?まさかあんたら……!」
「ふふ、お嬢様よりご褒美を賜るためにも……よく喘いでくださいませ」
その事実に茨木童子が気づいた頃には既に遅く、最大の弱点たる陰核を摘みあげられた。
「い゛ぃ゛っっっ……!?」
その瞬間雷に打たれたような衝撃が背骨を突き抜け、悲鳴すら挙げる暇なく茨木童子は絶頂に突き上げられた。
その股間から滝のような勢いで潮を迸らせ、磔られた身体を情けなく弓ぞりにしながら、その衝撃を全身で表現していた。
「ふん゛ぎゃあ゛あ゛あぁぁぁあ!!!やめ゛っ……やめ゛っろ゛おおぉぉ!!!さわりゅ、なああぁぁぁあ!!!」
「あらあら凄い暴れよう……こんなにお潮を撒き散らされて」
「仕方ありませんわ。お嬢様に感度を常人の万倍ほどにも引き上げられておりますもの」
「とはいえこうも喚かれては面倒ですね……塞いでしまいましょうか」
女中の一人に猿轡を噛まされて、悲鳴すらも挙げられなくなった茨木童子に対し、容赦ない責めが続く。
陰核はもちろん、その下で蠢く秘所に、蜜液に濡れ塗れた菊穴に、仄かに赤く色づく乳房に、女中らの手が伸びていく。
「あらあら、羨ましいお胸ですこと。いったい何を食せばこのようになるのでしょうか?」
「お胸もさることながら、こちらも素晴らしいですわ。にゅるにゅると温かなひだが蠢いて、指に絡みついてくるのですもの」
「お尻もなかなかでしてよ。鍛えられているためか、きつく締まってきて……さすがは鬼ということですね」
『お嬢様が戻られるまで、この身体を堪能させていただきましょう』
思い思いに指を這わせていく女中たち。既に絶頂から降りられなくなっている鬼に対抗する術はなく、なすがままに嬲られていく。
そしてこれは娘が戻るまで終わることはなく、娘が戻ればさらに苛烈な責めが待ち受けている。
茨木童子の胸に、絶望が芽生え始めていた。
_________
二週間後、娘は茨木童子のいる蔵に向かっていた。
残党どもの捕獲を終え、都の見回りを終えて戻ってきたのだ。
この二週間、茨木童子のことを思わない日はなかった。女中に任せたとはいえ、自分の手を下せないことに悶々とする日々を送ってきたのだ。
その日々が終わると思うと、柄にもなく胸が踊る心地だった。
そんな彼女が蔵の扉を開け放つと、足下にばしゃんと水が流れ出すのと共に、想像以上の光景が広がっていた。
『お嬢様!お戻りになられたのですね!』
「ええ、皆もよくやってくれました」
そこにあったのは、力無く身体をビクつかせることしかできなくなった茨木童子の姿。
だが何より目を引くのは、扉を開けただけで溢れ出るほど一面に広がる水溜まりだった。
冠水したかというほどの水溜まりは、ところどころに薄黄色の部分も混じっていた。
「この水溜まり、まさかと思いますが……」
「はい、これは……」
説明をする代わり、女中は茨木童子の陰核を一撫ですると、びくんと身体を跳ねさせたのち夥しい量の潮を吹き出した。
「一面に広がる潮の海……とても良くしてくれたようですね。感謝します」
「滅相もございません……!わたくしどもは、お嬢様にお仕えするしもべにございます……!」
「こちらに来なさい。褒美を授けましょう……」
「ああ、お嬢様……!」
娘のもとへ引き寄せられた女中は、優しく誘われながら唇を重ねた。
蕩けた表情を晒し、娘のなすがままに口内を舐られて、数十秒ほどの後に糸引きながら離される。
その数十秒の間にも、女中は身体を跳ねさせて絶頂に至っていた。これこそ娘が女中に与える「褒美」なのだ。
これを全ての女中に与えると、娘は彼女らを部屋の隅に侍らせた。
二週間ぶりに、自分の手で茨木童子を責め抜くために。
「久しゅう、茨木童子。私のことがおわかりですか?」
「あ……?あぅ…………」
二週間に渡り絶頂し続けてきた茨木童子の憔悴は激しく、目の前にいる人物の区別も付いていなかった。
しかし鬼の頑強さゆえか、少し時間を置くと目の前のものくらいは認識できるようになってしまった。
その結果、鬼は自分の心に最大の絶望を叩きつけられることになる。
「う……あ、あぁ……!!い、やだ……!いやだ……!もう、いきたく……ない……!くるな……!こないでぇ……!!」
ちょろちょろと力無く小水を漏らしながら、娘に哀願する。
鬼の副首領としての誇りも、矜恃も粉々に打ち砕かれた哀れな姿を晒していた。
「しゃ、しゃべるから……!けっかいのときかたしゃべるからぁ……!だから、ゆるしてぇ……!」
そしてとうとう首領すら売り渡し、自分の保身へと走る。そんな惨めで無様な敗北を晒した彼女に対し、娘のとった行動は……
「ウフフ、そうですか……ようやくその気になられたのですね」
「た……すけて……!おねがい、しゃべるから……!」
「しかし、少々遅すぎましたね」
「え……?」
「私の捕らえた鬼の中に結界のことを存じている者がいまして……その鬼から既に聞いているのです。なので……」
「う、うそ……!?うそだ……!」
「これから私のすることは、ただのお楽しみだとお思いなさいまし」
もはや遅いと、最大の絶望を突きつけることだった。
娘がするのは尋問でも拷問でもなく、ただの趣味に過ぎない。目的もなく、ただ楽しむために鬼の肉体を弄ぶのだ。
それは言い換えると、娘が満足するまでどう足掻こうと逃げられないということだ。
「いやだっ……!いやだ、いやだいやだいやだ……!やめて……!やめて、こないで……!」
取り繕った強気はどこかへと消え失せ、弱々しく怯える女の姿がそこにあった。
その哀れで惨めな鬼に対し、娘は無造作に陰核を摘み上げた。
「お゛っっ゛っ゛っ!!??」
ただ陰核を摘む、それだけの刺激で茨木童子は声も出せないほどの激感に悶絶した。
部屋を満たす潮溜まりに新鮮な水気を供給しながら、壁に背中を打ち付ける。肥大しているとはいえ、指先ほどの小さな肉豆ひとつで鬼が翻弄される様は、見る者によっては愉快に映るだろう。
「ウフフ、息も詰まるほどよろしゅうございますか?たかがこれしきの小さな粒々ひとつで、ずいぶんな有様ですね?」
そして娘は、この様を愉しむ人間だった。
笑みを浮かべながら茨木童子の嬌態を愉しむ彼女は、茨木童子の現状を把握すると陰核を摘む手を離した。
どういうことかと疑問に思いながらも、一呼吸ついて自分を落ち着かせる茨木童子。そんな鬼に対し娘は、誰もが忘れていた事実を突きつけた。
「思い起こせば、私が征伐に赴いていた間は感度の操作をしておりませんでしたね」
「え………………?」
その言葉を耳にした茨木童子は顔面蒼白となった。これまで一日ごとに二倍されていた感度は、十日目時点での二千倍から変わっていないのだ。
あの時より鬼の絶頂が深いのは、責められ続けたことにより元々の感度が上昇したというだけに過ぎない。
これだけの絶頂を迎えていながらも、娘の術による倍率とは無関係である。そんな状態からさらに倍率を引き上げられれば……
そんな最悪の想像が過り、茨木童子は恐怖に声と顔を引き攣らせた。
「や、やめて……!おねがいします……!そんなの、そんなの……狂っちゃう……!」
「そうですね……ではこうしましょう。あなたが私の責めに耐えられている間は、私は感度操作をいたしません。でも耐えられなければ……」
ぱんっ!
「この合図と共に、あなたの感度を倍々に引き上げていきます。今が二千ですから……次は四千倍ですね」
「ま、まって……!そんなのむり、むりだからぁ……!」
「では、つとめて参りましょう」
茨木童子が絶頂に耐えられなければ、手拍子と共に感度を引き上げられる。娘の遊戯に否応もなく巻き込まれていく鬼の哀れな懇願を合図に、遊びは始まった。
先ほどと同じように、陰核を無造作に摘み上げる。背筋を貫く激感が走るのを歯を食いしばって耐えるが、まだ本番は始まっていない。
決死の思いで耐える茨木童子の顔を眺めたのち、娘はのたうつ陰核をこりこりと扱き始めた。
「お゛ごっっ゛゛っ゛っ゛…………!?」
「ほごお゛っっ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああぁぁぁ!!!んがあ゛っっぎぃぃいぃいいっっっっぐううぅぅぅう!!!」
その超刺激の前に、我慢の堤防はいとも容易く決壊した。そして……
ぱんっ!
「あ゛っ゛っっっ゛あ゛あぁぁぁぁぁ゛アアあああ!!!こぁ゛っっ!!こぁれ……っっ、こぁれっっうぅううぅぅううう!!」
「大丈夫ですよ。鬼であるあなたが、容易く壊れることなどありませんから」
絶頂と共に、感度は今までの二倍へと引き上げられた。
二千倍のさらに二倍、四千倍もの超感度。
普段ですら腰砕けになる感度の、四千倍。地球上のあらゆる生命が体験したことのない超快楽が茨木童子に叩きつけられる。
ぱんっ!
「ごぇ゛っっ゛……!ごぇ゛っっ……ら゛ざ……っっ!ごぇ゛ん゛らざい゛……!ごべんら゛ざい゛……!おゆ゛るし……くださ゛……」
ぱんっ!
「ギひゅっっっ…………!?」
八千倍、一万六千倍、娘が手を叩く度に常識外れの感度にされていく茨木童子の心は、完全にへし折られていた。
生物として最低限の尊厳すらかなぐり捨て、ひたすら媚びを売る。涙と鼻水を垂らしながらの哀願に耳を貸すことなく、娘は無情にも手拍子を重ねていく。
ぱんっ!
そして四度目の手拍子が鳴り、茨木童子の感度が二の十四乗……三万倍を超えた時、それは起きた。
絶頂に継ぐ絶頂に喘ぐ茨木童子の全身の痙攣が、快楽のエネルギーを少しでも逃がそうともがくその動きが、鉄の拘束具さえも上回ったのだ。
ばきんと音立てて拘束具が砕けるも、しかし茨木童子に自由はやって来なかった。
「オ゛っっっ゛ぐ……!!あ゛っっガああああああああぁぁぁ!!!」
「あらあら、触れてもいないというのに果てておられるのですね。まこと、よく育ってくれました」
余りにも高められすぎた感度は、空気のそよぐ感触や血液の流れる感覚さえも鋭敏に感じ取り絶頂するほどにも至っていたのだ。
何ら拘束が為されていないにも関わらず逃げられない。ある意味で究極の束縛が完成していた。
「もはや果てていない時はなし……ならば、残る九日分を手早くこなすとしましょう」
その様を見た娘は、残る九日分の感度増大を容赦なく進めていく。
既に三万ある感度が、一度目には六万、十二万、二十四万、四十八万……
そしてその手を八回叩く頃には、始めの十日と合わせて二十三日分の感度……しめて八百三十九万倍もの感度と化していた。
そしてその頃になると茨木童子の様子は、無惨なものに成り果てていた。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アア゛アアア゛!!゛!゛!い゛ぎ゛ゃあぁ゛ぁああ゛ー゛ー゛ーーーー!゛!!゛ほ゛ォッ゛ッ゛ッごおおおおおおぇああ゛ぁぁぁあ゛あ゛あ゛ーーーーーーー!!」
秘所から天井を貫かんばかりの高圧水流を噴き散らし、結界をも超えるほどの咆哮を響かせる。
触れられてさえいないのにビキビキと紅く腫れ上がった陰核は絶頂に震え、その震える感触すら脳をごりごり削る激感となって襲いかかる。
もはや体内の水分全ては枯れ果て、エネルギーそのものが体液と化しているような有様だった。
身体が弾けてしまいそうなほどの激感を、その快楽エネルギーを潮として噴出しているかのような猛烈な潮吹き絶頂。
そうしなければ肉体が爆ぜていたほどの超快楽に、女中たちが二週間かけて噴き出させたより多くの絶頂液をこの短時間で放出していた。
「あらあら凄い有様で……こうものたうち回られては、私の心もはしたなく昂ってしまいます……!」
「では最後の一押し、最後の二倍……とくと味わってくださいまし」
そして娘は、最後の一回分の「二倍」を茨木童子にもたらした。
ぱんっ!
「あっ…………………………!?」
びきんっっ……!
そして、それは起こった。茨木童子の、鬼の象徴と言える角が、鬼の肉体で最も重要かつ堅牢な部位たる角が、ひび割れていたのだ。
破壊的快楽が、脳を削るほどの快楽が、彼女の最重要部位にひびを入れていた。
そしてそれによる激痛と、本能がもたらす根源的危機感が、茨木童子をほんの少しだけ正気に戻してくれた。
「しめて一千五百万を超える感度……ウフフ、角さえひび割れるほどの状態で触れたらどうなるのでしょうか」
「や……めて……くださぃ……それだけは……なんでもします……なんでも……ごほうし……します……だから……!」
「なんでも……とおっしゃいましたね?その言葉、お忘れなく……」
そして娘は、怯え震える茨木童子の陰核に向けて、自身の法力を宿し震える豆を向けた。
茨木童子の言う「なんでもします」を実行するために。娘の望みである、鬼で戯れるのを実行するために。震え豆を16000000倍の感度にされた鬼の陰核にあてがった。
「…………………………あ」
その瞬間、鬼の角は粉々に砕け散り……次いで、断末魔の絶叫が轟き渡る。
「っっ゛っ゛っっ゛があ゛ああぁ゛ぁ゛ぁあ゛あ゛あああ゛あ!!!゛!゛ふ゛ぐぉごお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉおおお゛おお゛お゛お゛お゛お゛ー゛ーーーーーー゛ー゛!!!゛!」
「あっっっっ、あ゛あああああ゛あああぁぁぁーーーーーーー!!!!っっっっぎぃぅいい゛っっっっっぐううぅぅぅうぅううううーーーーー!!!!!」
ぶびゅうううぅぅっっっ!!びゅぐっ!びゅうううううーーーー!!!
「あらあら……!これは凄まじい。人間……どころか妖かしの殿方でもこうは参りませんね」
その絶頂は、茨木童子の全てを奪っていった。
その尿口から、膣口から噴き出す白濁の液体。
それはとろろのような粘度で、丸一日溜め込んだ小便を解き放つような勢いで部屋中に撒き散らされた。
茨木童子の妖力、魂そのものが溶けだした濃厚絶頂蜜は、間近にいた娘はもちろん隅で侍る女中たちをも白く染め上げていた。
「ぁ゛…………ぇ゛ぁ…………ぅ……」
「まだ息のあるうちに……封魔の儀を執り行います」
そして娘は、その絶頂蜜を掬うべく小箱を取り出した。
茨木童子を「おさね箱」として永劫に愛でていくために。
(しゅてん…………どうじ……さま……たす)
「よしなに、『いばらき』」
「助けて」という願いを心で唱えることさえできぬまま、茨木童子は物言わぬ箱となった。
この結果に満足した娘は、蔵の掃除を女中に言いつけると部屋へと戻って行った。
そして部屋の中で、茨木童子は終わることない快楽地獄に晒され続ける。
死という解放さえ存在しない、本物の地獄へと……
その頃、大江山……
「……ん……むぅ…………」
「なんじゃ、さっきからやかましい……おちおち寝ても……ん?」
怯むな!撃てぇーーー!!!
こちらには陰陽師がついている!恐れるな!!
「なんじゃ、なぜ人間どもがここに……?鬼どもはどうした?茨木は?」
「……まあ良いわ。人間風情が儂の寝床を荒らすなど、千年早いと教えてくれる!!」
寝床を強襲する安倍晴明と酒呑童子との戦いが勃発していた。
弱小なる人間どもを蹂躙するべく、鬼の首領は悠々と立ち上がった。
その後に待ち受ける運命を、知る由もなく。