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「ん……ふあ……ぁ……ん~、今何時……」  休日の朝、戸田 錬太は自室のベッドで目を覚ました。  まだ朝の早い時間ではあるけれど、健康的な生活を送る彼は身体を起こして大きく伸びをし、二度寝の予定はない様だった。  時計で時間を確認し、寝間着のシャツと短パンだけの姿でベッドから降りるともう一度伸びをしてカーテンを開けた。  そこに―――。 「む、もう起きているのか? 感心感心!」  ―――黒髪ロングの、凛々しい美少女がやってきた。  制服姿にエプロンをし、長い髪は後ろでまとめている彼女は錬太の彼女である白川 凛子だ。  非常に大きなおっぱいの持ち主で、美人。  勉強も学年トップ、全国模試も上位の常連だ。  運動も非常に得意であり、バットでボールを真っ二つに切れる実力者である。  そんな彼女は幼馴染であり恋人である錬太の家へと毎日訪れては料理などの家事をこなすのを日課にしていた。  特に理由なくご両親が不在の戸田家。  そこには錬太と、義理の妹で無意味に白髪赤目の美少女の美玲が住んでいるが2人との家事能力に乏しい。  故に、恋人になる以前より、凛子が世話焼きに来ているのだ。  そして、料理などの準備がひと段落して錬太を起こそうと部屋に来たようだった。   「おはよ、凛子姉」 「うん、おはよう❤ だな」  だらしなく欠伸をして、まだまだ眠気が払えていない錬太に対して優しい笑みを向ける凛子。  制服とエプロン越しにもわかるほどに大きな胸を揺らしながらそっと近寄ると、優しく彼の頭―――髪をなでつけた。 「寝癖がついているな……早く顔を洗って来い。ご飯は出来ているぞ?」 「うん、ありがと……」  恋人ではあるけれども幼馴染であり、長年姉のように接してきたこともあり、凛子は錬太に対しては世話焼きお姉さんの空気を残している。  それは錬太にとっても心地が良いものだった。 「…………」  しかし、恋人である以上の部分も当然あり、挨拶を終えた彼女が背中を向けて部屋から出ようとしたとき―――。 「…………ん」 「む……錬太……? どうした? 甘えん坊さんか?」  ―――彼は咄嗟に凛子の身体を背後から抱きしめていた。  そっと、細く、それでいて肉付きの良い身体に腕を回して、ポニーテールにしていることで見えているうなじに鼻先を押し当てた。  犬が甘えるようにして凛子の香りを嗅いでいく錬太。  凛子はその行為を笑いながらも受け入れていく。  彼氏であり弟のような存在である錬太に甘えられるのは凛子としても嬉しく心地よく、どこか甘酸っぱいのだ。 「ほら……まだ顔も洗ってないんだぞ? しっかり目を覚ましてから、な?」 「ん~……も少し……ん……」  凛子は自分の腰に回された手をそっと、優しく撫でていく。  顔を洗いに行けと促しながらも、彼女も恋人に甘えられて悪い気はしていない。  凛子はその世話焼き体質と、頼られ気質から色々なことを頼まれるし、風紀委員としての活動もあり、そこに加えて街を守るラブセイバーとしての使命もある。  つまりは多忙であるが故に、恋人との時間を上手く作れない日も多い。  だからこそ、こんな風にイチャイチャするのは凛子としても嬉しいのだ。 「錬太……ん……前から抱きしめて……?」 「凛子姉……うん…………」  後ろからだけでは満足できなくなった凛子は、錬太の手を掴んで、正面からの抱きしめをおねだり。  それを受けて錬太は手を緩めて、改めて正面から凛子を抱きしめた。  抱きしめると、錬太の身体には凛子の大きすぎるおっぱいが押し当てられることになる。  そのあまりのサイズの生唾を飲んでしまうけれど、今はまだ彼としてもこの空気を楽しんでいたいのだった。 「ん……❤ 今日の錬太は甘えん坊さんだな……? 最近忙しくて中々こんな時間とれなかったしな……ふふ、寂しかったのか?」  自分を求めて抱き着いてくる錬太。  その姿がどこか小さな子供のようで、常に自分の後を着いてきていた幼い頃の彼を思い出す様で凛子は懐かしく思いつつ、少しからかっていく。 「ん………………ちょっと、ね……」 「っ…………❤ そ、そう……か…………ふ、ふぅうん…………❤」  「寂しかったのか?」なんてからかってみたところ、それを肯定されてしまい、凛子は面食らう。  驚きもあるけれど、嬉しさも多く、そこに気恥ずかしさも混ざったような感覚だ。  凛子は頬を赤らめて、寂しい思いをさせてしまったことを詫びるように錬太の身体を強く抱きしめていく。 「………………錬太……❤」 「…………ん?」  抱きしめて、そして、どちらからともなく顔を寄せていく。  お互いに慣れた空気感と感覚で緩やかに首をそれぞれ反対に倒していきキスをした。  求める様なキスではなくて優しいキス。  お互いに軽く唇を合わせて体温を確認するようなキス❤  身体を抱き合わせて、心臓の音がリンクするようなそんな時間を過ごしていった。  ―――。  ――――――。 「そう言えば……美玲ちゃんはどうした? いつもなら布団にもぐり込んでいるじゃないか」 「むぐむぐ……美玲は昨日からお友達の家に泊まってる」  イチャイチャタイムを終えて朝ごはんタイム。  平日ならば凛子は先に食事を済ませて、2人のお弁当も作っていち早く登校しているが今日は休日なので一緒に朝ご飯を食べていた。  錬太に「しっかり飲み込んでから喋れ」などとお姉さん的な注意をしつつ、既に8合ほどの白米を平らげている凛子。 「そう言えば、凛子姉、なんで制服?」  ゆったりとした食事をしていきながら、錬太は凛子が制服を着ていることについて質問する。  土日は学校休みであり、登校する必要がない。  それなのに、何故に? という当然の疑問だ。 「少し野暮用でな、午前中だけになるが学校に顔を出してくる。お昼までには……あ……戻れるはず」    野暮用。それを聞いた錬太は―――。 「それじゃあ…………」  ―――。  ――――――。 「休みの日の学校ってなんか独特の空気あるよね~」 「そう、だな。生徒も先生も少ないからな。部活している生徒はいるが」  ―――制服に着替えて凛子についてくることに決めたのだった。  2人が通う学校、千代ロマンス高校。  その廊下を2人は並んで歩いていく。  錬太は部活には所属していないので、土日に学校に来ることはあまりなく、珍しい様だった。  その様子を凛子は「散歩に来た犬みたいでカワイイな」と小さく微笑みながら歩いていく。  と、そこに―――。 「お、錬太じゃん、なにやってんだ? って、ぅお……凛子先輩も一緒っスか!」  ―――錬太の友人が声をかけてきた。  彼は錬太と共に歩く女子が凛子だと気づいて居住まいを正す。  美人であり、風紀委員でもあり、かつ絶対的な強さの象徴である凛子は全校生徒の憧れの対象もであるのだ。 「よっす。俺は凛子姉の付き添いってだけ、そっちは部活?」 「ん、あぁ部活の朝練。今日は軽く汗流して終わりだけど…………にしても……」  軽い挨拶をした男子は、チラリと凛子を見ると、錬太の手を引き少し離れた位置まで移動して声を潜める。 「錬太……お前さ、凛子先輩についてきて学校でナニかする気じゃないだろーなぁ?」 「はぁ? 何言ってんだよお前……学校で……する訳ないだろ?」  下世話な会話を憧れの凛子に聞かせたくない、そして聞かれたくない配慮をしつつの男子の内緒話。  それを見ながら凛子は「男同士で仲良しか?」と楽しそうに笑っていた。  その微笑みをチラ見した友人は、その笑みの下、制服を持ち上げるおっぱいを見て生唾を飲んでいた。 「ってか……朝一緒ってことは! 昨日夜してたりしてないよな!? 休みだから一晩中とかそんなんじゃないよな!?」 「……してないって! 何言ってんのお前……」  美人で超デカパイの先輩。  そんな人を彼女にしている錬太への嫉妬と好奇心から、コソコソしつつ声を荒げていく友人。  それに呆れながら錬太は必死に否定をしていく。  セックスしていること自体は隠していないけれど、あんまり大っぴらに言うことでもないと錬太は思っているし、凛子の近くだと言うこともあり否定にも力が入る。  それに、事実、ここ数日はセックスをする暇もなかった為に「この土日で」という思いもあり、それを見抜かれたような気恥ずかしさもあった。  友人は更にヒートアップしていき―――。 「じゃあ、今夜か? 今夜するつもりなんだろ?!」  ―――凛子の身体を好きにできる錬太への嫉妬と興奮を滲ませていく。  その必死な姿に呆れつつも、今夜と言われて少し意識しつつも錬太は「しないって!」と否定した。  否定したら―――。 「ぇ……し、しないのか……?」 「「…………ぇ?」」  ―――思わぬところ―――凛子から声がかかった。  1.2キロ先で落とされた小銭の音すら聞き分けると言われている凛子の聴覚。  直ぐ近くで行われるヒソヒソ話を聞くくらい容易い。  そんな訳で2人の会話を聞いていた凛子は、錬太が「今夜SEXをしない」と言い切ったことにショックを受けたようだった。  そして、言ってしまってから、ハッとして凛子は口を押えた。  錬太とその友人からの驚きの視線から目を逸らしつつ凛子は―――。 「………………何も聞かないで欲しい」  ―――とだけ告げた。  それに錬太は顔を赤くし、友人は「なんだこの可愛い先輩は」と崩れ落ちていった。  崩れ落ちた友人を無視して錬太は、凛子へと近づいていく。  そして―――。 「さ……さっきのは、その…………絶対にしないって訳じゃなくて。その……」  ―――必死に言い訳をしつつ、今夜する気はあるというアピールをしていく。  それを受け取った凛子は更に顔を赤くしていく。  綺麗な顔を真っ赤にした彼女は咳ばらいを一つ。 「こほん…………か、帰りに、薬局寄って帰るか……」  そう小さく提案するのだった、  錬太はそれを受けて顔を赤くし、その光景を見ていた友人は灰になった。  その日の夜、予告通り2人は久しぶりの愛の営みを楽しんでいくのだった。

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