Home Artists Posts Import Register

Content



【グレート・スペース・ブリテンの美少女な騎士女王が、飛ぶ鳥を落とす勢いの統一帝国シンの少年皇帝によって最低の敗北マゾ女に書き換えられるお話】


 

 人類が地球という母星を離れて、果たしてどれだけの時間が経っただろうか。

 もちろん、連綿と連なる人類史の中にはしっかりとその時間は記録され、この貴重な文化こそが人類の生きた証なのだと、国を越えてなおしっかりと保管されている。

 我らが祖先が母なる大地に存在したという証を改竄することは、どんな人間でも犯してはならない禁忌であると、様々なコミュニティに属する人間が唯一共有して抱いている思想だ。


 そう、唯一なのだ。

 人が母なる惑星から離れ、新天地である『宇宙』において爆発的な増加を果たして、ぼんやりと空を眺めてその光を見ることしか出来なかった星星を蹂躙し、ついには寿命も地球の頃よりも五倍近くなるほどの長さとなるほどに文明を発展させてなお、人々はその言葉も思想も、一つのものに共有することなど出来はしなかったのである。

 その程度の、言うならば延々と『科学的進歩』しか出来なかった人類が歩んできた時間は、本当に記録された通りの時間と言えるのだろうか。

 もしも正しいのならば、人間という種はそこまで価値のある生き物なのだろうか。

 そんな事を考えてしまうぐらいには、『宇宙暦』という時代はこの宇宙に拡がる暗黒のように暗い時代であった。


 その、西暦から数えて三つも暦の名を変えた末に名付けられた宇宙暦、その225年のことだ。

 現在では大小様々な星間国家が乱立するこの宇宙において、大国と称される国々は幾つか存在する。


 アレリア新宙域連邦共和国。

 北方スルァーヴ共和国連合。

 ドルツ第三銀河帝国。

 大ヤマト帝国。

 グレート・スペース・ブリテン。

 宇宙フランク国。

 ロマン連盟国。

 そして、統一帝国シン。


 これは、眠れる獅子と称された統一帝国シンにおいて、傀儡政権のお飾りとされたとある少年皇帝の話である。



「おぉぉっ~~❤ イグッ❤ イグイグぅっ❤ オチンポズボズボされるだけで、イグゥぅっ❤ み、認めるっ❤ 認めるわよぉっ❤ オチンポが欲しいからとかっ❤ 強制されてるとかじゃ、ないわっ❤ 皇帝陛下には、敵わないことを認めまるしかないじゃない❤ ア、アデリナ・ヒンメルは雑魚牝❤ フウギ・エイセイ皇帝陛下とは比べ物にならない暗君ですっ❤ 暗君に率いられていたドルツ第三帝国をぉ、し、支配してくれて、ありがとうございましゅぅぅっ❤❤❤❤」

「フハハハ! よくぞ言った! ついに折れたな、アデリアめ! そのように可愛い姿を見せてやれば早々にかわいがってやったというのに、本当に強情な女だったな! まあ、それも今となっては貴様の可愛いところか……!」



 統一帝国シンの現・皇帝――『フウギ・エイセイ』は自身の寝室で一人の可憐な、まだ年若い少女を犯し尽くしていた。

 その少女は金髪碧眼の美貌の下に体には余分な肉が一切ついていない未成熟な肉体を加えた、『理想的な美少女』というありふれたテーマで競わせれば半分近くの人間がこのように作るだろうと言いたくなるような、アイドルそのものの美少女だった。

 この少女の名は、アデリナ・ヒンメル。

 かつて、ドルツ第三銀河帝国と呼ばれていて、現在では『統一帝国シン・ドルツ自治領』と呼ばれる場所で『アイドル皇帝』として多くの臣民から忠誠を誓われていた国家君主である。

 先の大戦で敗戦国となり、国力を著しく衰退させていたドルツ共和国を、その聡明な頭脳で立て直し、その美麗な容貌で臣民の希望となった、間違いなく人類の歴史にその名を刻んでいたであろう才女だった。

 そのアデリナは今、皇帝フウギの寝室で乱暴に抱かれる、ただの『妓女』へと貶められているのだが――そこに、一切の不満や屈辱といった感情は宿っていなかった。


「くひぃっぅぅ❤ んぉぉ、おっぉぉ~~❤ と、届いてるっ❤ 皇帝、のぉ❤ オチンポが一番奥に、届いてるぅうっ❤ オマンコ全部が、は、孕みにいってる❤ このオチンポ様のモノになりにいっちゃってるぅっ❤ ほぉぉ❤ マンコ穴ぁ、ビクビク震えて、ふぅぅ❤ 求愛、求愛オマンコ行動っ、しちゃってるのぉ❤ うっぅっ❤ ま、負けないぃ❤ 絶対に負けちゃうけど、負けないぃっ❤ シンの皇帝陛下の貴い血筋を授かりたがってことなんて、ぜ、絶対認めないのぉっ❤ こ、言葉だけなんだから❤ 媚びてるのは、ただの演技なんだか、んほぉぉぉっ❤」


 パンパンッ❤ パンパンッ❤


 二人がしているセックスは、あぐらをかいている少年皇帝フウギの膝の上にアデリナが座り込んだ、いわゆる『対面座位』の体位でお互いがお互いを貪るようなセックスである。

 ほっそりとした肉体は抱きしめれば折れてしまいそうなほどに儚げで、しかし、紅潮した頬を緩めて蕩けた表情を作っている姿はあまりにも下賤な印象を与える欲望に満ちた顔である。

 ドルツ臣民の心を震わせる見事な演説と、その心を癒やす素晴らしいアイドル活動を行っていたはずのその喉からこぼれ出る言葉は、数年ほど前までは歯牙にもかけなかったはずの『死に体国家』であった統一帝国シンの皇帝フウギに媚びる言葉を口にしていき、さらにはその子を孕むことを願っていることを匂わせるほどだ。


 そんなアデリナは言葉だけならばまだ抗っているように見えなくもないが――それは所詮、ただの『振り』、『ロールプレイ』なのである。

 先ほど、『媚びている言葉は演技だ』と言っているが、むしろそれこそが演技であって、本質は媚び媚びな変態牝ペットなのだ。

 あんあんと喘いで媚びるだけの牝よりも、こうやって抗った振る舞いを見せるほうが自分は『映える』と判断して、見事に自己プロデュースをしているのである。


 そんなアデリナは言葉では抗いながらも、身体はフウギに躾けられたように、快感でガクガクと痙攣している腰――いや、全身を一所懸命に振り立てていき、肉壺の中の膣道を入口から行き止まりまで全てを使って、チンポをシゴきあげていくのだった。

 少女らしいサラサラの愛液が、しかし、大量に生成されているがゆえに赤い膣道の中でチンポに絡みついていくことで、スムーズな抽挿を可能としている。

 もはや、技術面でも肉体面でも、すっかりセックスのために生まれたかのような淫乱女に変わっていたのである。


「フハハ! 良いぞ、朕の男根まで震わせるように痙攣している、このアクメマンコがたまらんのだ! 花も恥じらう幼い外見で、大人も顔負けのドスケベなオマンコ……! アデリナよ! お前もまた、朕の『玩具』に相応しい!」

「はひぃっぃ❤ う、嬉しくなんか、ないんだからぁっ❤ かっこいい皇帝陛下に褒められても、おほぉ❤ う、嬉しくないぃぃっ❤ 皇帝陛下のオチンポにぃ、ほぉぉっ❤ こんな、ご奉仕できるなんて、アデリナは、アデリナは幸せなんて、思ってないんだからぁっ❤」


 勢いをつけて動くアデリナの腰の動きは、フウギに強烈な快感を与えてくれる。

 折れることがないと思われていた高潔なアデリナだが、すでにもはやフウギへと『ツンデレプレイ』で媚びへつらう、下賤な奴婢へと堕落してしまっているのだ。

 アデリナと同じように媚びる牝奴隷など、皇帝であるフウギは幾人も『所有』している。


「貴様も腰の動きも止めるなよっ! 朕の興奮が第一だ! 朕が気持ちよくなることだけを考えろ!」

「おぉぉっぉっぉっぉ❤ ち、チンポすごいぃぃぃぃっ❤ は、はひぃぃっぃ❤ わか、わかりましたぁぁっ❤ おまかせくださいませ、陛下ぁぁ~❤」


 パンパンッ❤ パンパンッ❤


 激しいピストンに合わせて、ついに子宮の扉がぱっかりと開く。

 その強烈さに、ついにはツンデレの『ツン』から『デレ』へと予定よりも早く移行してしまったほどだ。

 そのまま牝奴隷アデリナの子宮口が皇帝フウギの鈴口へと熱烈に絡みついてベロチューをしてくる。

 そこに肉の竿が入り込んでも、腰の動きは止まらない。

 セックスの快感によって、射精の時が訪れているのだ。


「くぅっっ! おぉっっ、イクぞ……! 皇帝の偉大な子種を、全部受け止めろっ!」

「んひぃぃっぃ❤ イグッ❤ イグイグっ❤ お射精の気配だけで、イッちゃぅっっ❤ おほお、んほぉぉぉ❤ 孕むっ❤ これ絶対孕むっ❤ シンの皇帝陛下のかっこいい子種でぇ、偉大な跡取りを産んじゃうのぉぉっ❤ おほぉぉっぉぉ❤」


 どびゅるるるるっ! びゅるるっ! びゅっ! どぶびゅうぅっぅっっぅぅ~~!


「ふぎゅぅぅっっぅぅっ~~❤❤❤❤ あぁっ❤ は、孕んでイグっ❤ フウギ様の赤ちゃんを孕んでイッグ❤ イギュぅっぅぅっっ❤❤❤❤」

「くぅ、ううっぅ……ふぅぅ~……!」


 激しいアクメ痙攣を繰り返しているアデリナをニヤリとした笑みで見つめて、自身の中にある醜悪な欲望が満たされていく快感にフウギは目を細めた。

 膣内射精の快感は征服の快感であり、その快感はまさしく脳がしびれるような快感である。


「ほぉぉ……ぉぉっぉ……❤ あ、愛して、おりますぅ……皇帝陛下ぁ……❤」

「クク……フハハハ! アデリナ、やはり貴様はたまらんな! あのアイドル総統様が、この朕に……この朕に……ククク! この高揚がチンポに響くのだ! さあ、たっぷりと愛してやるぞ!」


 オマンコが激しく脈動しながら、蕩けた顔で潤んだ瞳を見つめてくる、ツンデレではなく『デレデレ』状態のアデリナに、フウギはどうしようもないほどの快感を覚えてしまうのだ。

 それこそ、統一帝国シンが保有している『人体改造技術』を用いて、フウギ自身とそのチンポなしでは生きていけられないような牝奴隷に落とした『少女』――フウギは傀儡皇帝として利用されていた過去から大人という存在への強い嫌悪を抱いているため性奴隷もまたまだ未成熟な少女であることを重視している――は大勢いる。


 だが、その中でもアデリナは特別だった。

 それは、アデリナ・ヒンメルが国家君主として輝けるような活躍をしていたためである。

 皇帝フウギは、中華四万年の歴史を重要視しているために『皇帝陛下』というものに忠誠を誓っている人物からの支援を受けて、傀儡化を目論んでいた大臣たちを運良く打倒できたことで、なんとか皇帝としての地位を保てているだけの、運と血筋だけの国家君主だ。

 そんなものとは全く違う、ただ実力だけで輝いている偉大なる人物を――牝としての魅力だけを求めて、雄である自身へと媚びへつらわせる。

 これほどの興奮が存在するだろうか。

 いや、存在するわけがない。

 アデリナ・ヒンメルに媚びられるという下衆な欲望に並ぶものなど、それこそ数える程度にしかないはずなのだ。


 だが、そんな『アデリナを奴隷にする』という欲望に並べられるほどの欲望を、フウギはまた別に所有しているのだった。


「お疲れ様でした、皇帝陛下❤ 卑賤なる鬼子の姫が……んちゅぅ❤ 種付けという見事な仕事をしたオチンポ様の慰労をさせていただきます……むちゅぅ~❤ ちゅっ❤ ちゅぅぅ~❤」

「おお、良いぞ! カグヤのチンポ掃除は秀逸であるからな!」


 今、アクメ失神をしているアデリナのオマンコから引き抜いたチンポを、ベッド脇で控えていた女にチンポ掃除されるということがまさにその一つである。


 カグヤ・スメラ。


 彼女こそ、今は統一帝国シンの占領統治を受けてしまった、かつて『大ヤマト帝国』と呼ばれていた、現在では『統一帝国シン・ヤマト自治領』となってしまった地で『ミカド』と呼ばれていた、一種の象徴的な国家君主なのである。

 枝毛一つない黒い長髪に、雪原を思わせる真っ白なもち肌はまさしく蝶よ花よと育てられた証拠であり、多くの臣民から『神』のように崇められていた少女だ。

 しかも、大ヤマト帝国はフウギの数代前皇帝の時代にシンを蹂躙し、さらに今でも目の上のたんこぶである北方スルァーヴ共和国連合の前身国家を倒して見せて、統一帝国シンが存在する『アセアン宙域』では今もっとも勢いに乗っている国家と言っても過言ではない。

 本来ならば、フウギ自身がそのポジションに居たかったというのに、そこにのうのうと座っているカグヤという姫を忌々しく感じていた。

 そのカグヤを、人体改造技術による洗脳で自分の奴婢になることの興奮は例えられないものである。


 また、アデリナ・ヒンメルにカグヤ・スメラもそうだが、フウギ・エイセイもまた地位だけの少年ではなく、大きな目に華奢な体躯という、その手の趣味のものが見ればすべてを投げ捨てて犯したくなるほどの美少年なのである。

 三者三様の美しさを持った少年少女たちの睦み合いだというのに、そこに清らかであったり神秘的であったり、そういった『透き通る』ような雰囲気は一切存在しない。

 凌辱者であるはずのフウギが持つ儚げな美しささえも徹底的に凌辱するような、雄が牝を貪るセックスのみが行われるのだ。


「………ククク! やはり、社会的地位の高い女を朕の奴隷にする興奮はたまらぬな……!」

「ちゅるぅ、じゅるるるぅ❤ れろれろぉぉ❤」


 カグヤのお掃除フェラを味わいながら、フウギは目を細める。

 カグヤがチンポ欲しさに大ヤマト帝国が収めていたとある惑星の全てを捧げた瞬間など、思い出しただけでも並の美少女のオマンコへと挿入するよりも強烈な快感を覚えてしまったほどだった。

 この傀儡皇帝であったはずの少年皇帝は、その味を――自分が凡庸であるがゆえに、才に溢れた美しい少女たちを蹂躙する美味を、知ってしまったのだ。


「ククク! 次はお前の番だぞ……! グレート・スペース・ブリテンの騎士女王よ!」


 そして、その獰猛な欲望は留まるところを知らない。

 今回の獲物は――グレート・スペース・ブリテンを治める騎士であり女王でもある偉大なる少女、アンリエッタ・アーサー・ブリテンである。



 ◆



 グレート・スペース・ブリテン。

 星間国家としては歴史も軍事力も経済力も秀でた、国際的にも『大国』と目されている国家である。

 その国家君主は、現在は女王――『アンリエッタ・”アーサー”・ブリテン』だ。

 前王が暴君にして暗君という最悪の君主であった中で叛逆を成功させ、臣下たちの強烈な支持を受けて戴冠した、『騎士女王』である。

 ブリテンでは『ワイルドハント』と呼ばれている人型巨大ロボットの『騎士』としても国内で有数の実力を誇っており、国王でありながらも実際に戦場に立って熟練の騎士を討ち取ってきた猛者なのだ。

 このアンリエッタは女騎士として無双の実力を誇り、それはパイロットとしての腕前はもちろんのこと、物理的な剣を持った剣術においても、他の屈強な騎士を完膚無きに叩きのめして見せるほどの、『最強の騎士』なのである。


 そして、騎士女王アンリエッタは外見も非常に整った傾国の麗人と呼びたくなるような女性である。

 長い金髪はきっちりとシニョンに固めており、つり上がった目は意志の強さと礼節を重んじる人柄を感じさせるものだった。

 高い鼻と赤い唇は女性というよりも美少年と呼ぶに相応しい清潔なものであった、それでもどこか女性としての色を感じさせるまさに中性的な美貌である。

 【自身は誰の妻にもならず、国という王へと忠義を尽くす】と公言をしている騎士女王は、そのため国王の象徴である王冠とマントを身に着けながらも、その下には常に『騎士服』に身を包んでいた。

 また、宇宙歴の特殊な人体科学の発達によって、老化を止めることで大人の女にはならずに少女の体のままであるために、アンリエッタはスラリとした肢体をしている。

 そこまで高くはない身長に長い手足と、膨らみの少ない乳房はまさに、グレート・スペース・ブリテンに伝わる伝説の少年王そのものの姿であったが――ただ一つだけ、お尻は非常に早熟でむっちりとした媚肉が大量に搭載されてしまっていた。

 この少年のような見目でありながらもお尻に関しては間違いなく牝というその矛盾に満ちた肢体は、雄ならば貪りたくなるような『色気』を感じさせるのだが、しかし、騎士女王として巨大ロボの操縦技術はもちろんのこと剣を用いた白兵戦においても優秀な騎士であるアンリエッタを押し倒してケダモノのように牝として蹂躙できるものは居ないだろう。


「……これ以外に、手はないか」


 そんなアンリエッタだが、今、窮地に追い込まれていた。

 あるいは、女王に就いて以来の最大の危機と言ってもいいかも知れない。


「まさか、かの中華帝国がここまで厄介な相手になるとはな」


 ふぅ、と自身の執務室で長い溜息をつくしかないというほどの状況である。

 今、グレート・スペース・ブリテンを追い詰めている相手は――なんと、歯牙にもかけていないはずの相手であった、遠く離れた宙域にある統一帝国シンだった。

 かの国は大ヤマト帝国を蹂躙し、なんとあのドルツ第三帝国を支配するという、今もっとも銀河で注意を向けられている星間国家である。

 大国のアレリア新宙域連邦共和国とは友好的な関係をなんとか維持できているが、北方スルァーヴ共和国連合は未だに油断ならぬ相手だ。

 他にも歴史的に犬猿の仲とも言える宇宙フランク王国とも常に緊迫感のある関係が続いている。

 そんな状況で、統一帝国シンが経済制裁を仕掛けてきたのだ。


「やはり、あの傀儡皇帝はかなりの偏執的な性格だな。他にも批難の声明を出した国はいるというのに、わざわざ我が国を絞って攻撃を仕掛けてくるとは」


 その原因は、ドルツ第三帝国のアイドル総統であるアデリナ・ヒンメルが行った醜悪にも程がある『降伏宣言』であった。

 明らかに人権というものを軽んじて、アデリナやドルツ国民を嘲笑するかのような言動を共用させたことを――誇り高き『騎士女王』は見逃せるわけがなかった。

 それは自身のパブリック・イメージを守るためという打算めいた行動ですらなく、騎士道を重んじる一人の騎士として、統一帝国シン及びその皇帝フウギ・エイセイを強烈に批判したのである。



『統一帝国シンが行ったドルツ第三帝国への非道は、あまりにも醜悪で、あまりにも悍ましい。

 同じ人間の行いとは到底思えぬ。

 皇帝フウギの腹にはケダモノが住んでいる。

 人面獣心――かの国に残されていたはずの忠言は、かの国には一切響いていないようだ。

 皇帝にはなき人の心がシンの民に未だに残されているのならば、人の皮を被ったケダモノを、国民自らの手で討つべきである』



 噛み砕くならば、そのような内容だ。

 当然、皇帝フウギは激怒。

 しかし、宣戦布告まで行わず、あくまで経済的な攻撃を仕掛けてきたのだ。

 はじめはグレート・スペース・ブリテンの人々はそれを微笑った。

 確かに、大ヤマト帝国にドルツ第三帝国という、強大な国家を立て続けに制した統一帝国シンではあるが、『経済制裁』などというものはシンの一国だけでは成立しないものである。

 しかも、重要な資源などを輸出しているわけでもないのだから。


「この世界は、あまりにも悍ましい……!」


 だが、その経済制裁に他国もまた乗った。

 天敵でもある宇宙フランク王国や、潜在的敵国である北方スルァーヴ共和国連合はもちろんのこと、シンと結びつきの薄いはずの国々もグレート・スペース・ブリテンとの経済的な活動を打ち切ったのである。

 本来ならば、経済制裁を受けるべきは恥ずべき行為をしたシンであるはずなのに、それを批判したブリテンが苦しむなど、騎士道を重んじるアンリエッタにとっては腸が煮えくり返るほどの想いになるほどに、あってはならない出来事だった。

 それでも、現実は受け入れられなければいけない。


「…………致し方ない。舟を出せ、シンへと向かう! かの国の申し出を受け入れるぞ!」

「ハッ!」

「私に何かがあれば、後継ぎは叔父上にお任せする。良いな?」

「…………ハッ!」


 側仕えの騎士と、右腕でもある文官へと声をかけて、騎士女王は愛用の戦艦であるドゥン・スタリオンへと乗り込んでいく。

 向かう先は、統一帝国シン。

 そこから送られてきた親書をクシャリと握りつぶし、常にポーカーフェイスを維持しているはずのクールなアンリエッタの顔に苦渋の表情が浮かんでいた。


『騎士女王アンリエッタ・アーサー・ブリテン殿。貴殿が我らシンの新技術を受け、技術交換に応じるのならば、友好的な関係を結びたい次第である』


 ざっくばらんに要約するのならば、そのような内容である。

 シンの技術とは、すなわち人体改造技術――それを騎士女王が受けることを承知したのである

 アンリエッタはそれが国を救う手段になると信じて、もはや敵国であるシンへと向かっていくのだった――――。



 ◆


 からん、ころ~ん。


「……殿……ッタ殿……」

「んぅっ………………」

「アンリエッタ殿!」

「っ!?」


 統一帝国シンの首都星にある『グレート・スペース・ブリテン大使館』での出来事の話である。

 理外の経済制裁を受けていたブリテンがシンと友好的な関係を結ぶため、アンリエッタがシンの首都星へと来訪したのだ。

 そこにある大使館で、美食の国と名高いシンからアンリエッタは歓待を受けていたのである。

 シン特有の円卓テーブルを囲んでいるのは、騎士女王であるアンリエッタとシンに駐在しているブリテン側の大使、そして、シン国からはシンの少年皇帝フウギと右腕の文官であるリーイの四人だった。

 さらにテーブルから少し離れて、ブリテン側から護衛の女騎士、とシン側から近衛の衛士がそれぞれ一人ずつ己の主の後ろに立つ状況である。


 そんな中で、アンリエッタはどうやら少々ぼんやりとしていたようで、突如として声をかけられ、アンリエッタらしからぬ様子で動揺を見せてしまった。


「大丈夫かな、女王陛下よ。どうやらぼんやりとしているようだが……長旅でお疲れの様子かな?」

「お気遣い感謝する。だが、これでも私は騎士。そのようなことはない……と言いたいところだが、どうやら知らぬうちに疲れが溜まっているのかもしれない。故に、早々に失礼させてもらおう」


 そんな女王アンリエッタの滅多に見せない『隙』を揶揄するような言葉を皇帝フウギがかけていくのだが、それ幸いと言わんばかりにこの会食を打ち切ろうとしていく。

 だが、そこで終わられては困る。

 シンの皇帝フウギは不快感に眉をひそめ、皇帝へと強い崇拝心を抱いている痩せぎすの体躯をした男の文官であるリーイは表情や動作にこそ見せないが強烈な敵意をアンリエッタへと抱いていた。


「まあ、そう言うな。女王陛下に大使殿のために用意した食事があるのだ。そちらのユーロピア宙域に合わせて、コース形式で出している……主菜とスープだけでも食べてくれ。胃に優しいものを用意しているからな」

「…………そうですね。せっかくの申し出ですし、完食は出来ずともそちらだけならば……」


 アンリエッタとしても、経済制裁を行ってきたシンと和解をするために来訪したのだ。

 皇帝フウギには嫌悪感しか抱いていないが、次の会談のためにも食事を中座するにしても、それなりに歩み寄る必要はある。


「どうぞ、豚の胃の甘酢あん掛けと、海鮮のスープでございます」

「……豚の胃、ですか」


 食べ慣れない部位を出されたことに、女王アンリエッタは少々顔色を変える。

 なにかの嫌がらせかもしれないと警戒をしているところを、特別に足を運んでいる一流の調理人が調理内容へと説明を行っていく。


「ゲテモノと思われるかもしれませんが、我が国には医食同源――食事と医療は近似するという考えがあり、そこに同物同治という体の調子の悪い部位と同じ部位を食べることで治癒するという教えがあります。そして、胃腸は健康の基礎となるもの……他国で過ごさざるを得ない女王陛下が弱まっている可能性が高く、それを癒やすために逸品を用意しました。

 もちろん、慣れぬ部位ですので……下準備として肉を揚げさせたうえで、ブリテンでも広まっていると言う酢豚――スイート・アンド・サワー・ポークの一種でお出しさせていただいております」

「ほう……なるほど、面白いですね。このような『白いソース』のような『あん』は中々見ないですが……すんすん。ええ、食欲をそそる香りもします」


 調理人の説明を聞くと、女王アンリエッタも豚の胃に特製のソースである甘酢あんをかけられていたものが途端に食欲が疼き出したようである。

 本来は箸で食べるところを、大使館であるために用意されていたフォークをつかってその特製の酢豚を口にしていく。

 アンリエッタはまだ気づいていないが、当然、その特製の酢豚と海鮮のスープには罠が存在する。


「……っ! なんと、これほどの味ですか……! 美食で名高い国という知識はありましたが、それでもこれは……相当な逸品と見ました……!」

「ふふっ……気に入ってもらえたようでなによりだ」

「何よりも、ごくっ。このソースが素晴らしい……! 気を抜けば、このソースだけを口にしてしまいそうなほど、はむっ、相当な美味です……! 貴女もそう思うでしょう、アニー大使」

「そうですね、女王陛下……私もこの食事は幾度か頂いたことがありますが……ふふふ❤ この酸味と苦みの入り混じったソースは、何度食べても体の芯に響く……そう、官能的な味わいですらあります❤」

「……ふふふ! どうやら、そのソースが女王陛下はお気に召した……くく、ようだな!」


 そう、この特製のソースである『中華あん』には――――統一帝国シンの男たちが出した、『精液』が混ざっているのである。

 そんな普通の人間が食べれば精液の生臭さに吐き気を催して然るべきものを、なんとも嬉しそうにアンリエッタは食していくのだ。

 明らかにおかしい、つまりこれは普通ではないということ。

 すなわち、ブリテンの偉大なる騎士女王はすでに『攻撃』を受けた後であり、それでいて、その『攻撃』の詳細を一切気づいていないのだ。


 それだけではない。

 この中華あんを使った料理を、今同じように円卓を囲んでいるブリテンの駐在大使の美女もまた幾度となく食べたことがあるのだ。

 さらに背後に立っている、アンリエッタが全面的な信頼を置く護衛の女騎士もそのソースから漂う異臭に気づいていないようだった。


(ククク……! たっぷりと楽しませてもらうぞ、騎士女王よ……! 貴様はすでにこの朕の玩具なのだからな……!)


 敵地において信頼できる者を伴にしているはずなのに、すでに女王アンリエッタの周囲は完全に統一帝国シンが得意とする『快感による堕落』と『人体改造技術』の影響を受けているのだ。

 駐在大使はシンの卑劣な人体改造手術によってブリテンではなくシンに忠誠を誓っており、護衛騎士はアンリエッタと同じように認識を操る脳の改造手術によって精液ソースを認識できていないどころか、なんとも羨ましそうに見つめている。

 一体、どのような人体改造手術が行われたのか。

 それを改めて説明していこう。


 ◆


 星間国家である統一帝国シンの首都星にも、少年皇帝フウギの寵愛も厚い『人体改造室』の、いわゆる支部というものがある。

 そこに、一人の美少年――いや、美少女が拘束されていた。

 その美少女は、かの偉大なる騎士女王であるアンリエッタ・アーサー・ブリテンその人である。


「ククク……! 偉大なる騎士女王と言えども、身内から薬を漏られればこのザマか!」

「はい~。騎士女王様のお付きの女騎士様の方は成熟してるので別室で勝手にやってます~。あとでカーンシン将軍閣下に下げ渡しておけばよろしかったですか~?」

「うむ! カーンシンはあのような女が実に好みだからな! 朕はあのようなものに興味はないために捨てて押し付けるような形になるのは、カーンシンの忠義に泥を塗るようになってしまうが……こればかりは趣味の問題だからな」

「おっぱいの大きい女の人、皇帝陛下は本当興味ないですもんね~。逆にカーンシン閣下やリーイ閣下はお好みなので、ちょうどよいんでしょう~」

「そうだ。朕の好みはこのような少女の体を残した女だ。ククク……少年とさえ見紛う、スラリとした肉体……そのくせ、尻には肉を蓄えおって! 騎士特有の鍛錬によって、下半身が太くなった……といったところか!」


 アンリエッタは美少年かと見紛うほどの中性的な美しさを持っている。

 女王を名乗っていることから性別を公言しているはずなのに、本来はシニョンにまとめている髪を下ろして肩までかかる長さを見せつけているのに、そこに少年性を見出してしまうのだ。

 その清廉な様子は、フウギのどうしようもないほどに野蛮な獣欲を嫌と言うほどに刺激してくる。


「騎士女王め! あの時に朕が感じた屈辱……今こそ晴らさせてもらうぞ!」


 実は、フウギとアンリエッタの間には因縁があった。

 と言っても、アンリエッタにとっては取るに足らない、記憶の片隅にも残っていないような何でもない出来事である。

 それは、かつての国際会議後のパーティーで、列強国から傀儡状態にあったシンが唯一自信を持てていた美食の分野で、いかに自国の料理が素晴らしいかを語り、国際会議が行われた国の料理が拙いものを偉そうにこき下ろしたのだ。

 周囲の人間は不快そうに眉をひそめるものの、下品な者と関われば自身の品性も落ちると言わんばかりに遠巻きにしていたのだが、騎士の鑑であるアンリエッタだけはそのフウギの振る舞いがいかに醜いかと指摘したのである。



『貴殿の振る舞いは貴殿の臣民、及び、祖先の恥となる。

 己の国を誇るのならば、それに見合った人物になるまでは口を閉じたほうが良いだろう』



 傀儡皇帝として軽んじられてはいたが、同時にそこまで開けっぴろげにフウギへと強烈な言葉を投げかける者は居なかったからこそ、フウギは一瞬なにが起こったのか理解できなかった。

 だが、騎士女王は言いたいことだけを言い切ると冷たい視線で一瞥した後に立ち去り、後には周囲からクスクスとした嘲笑を向けられてしまったのである。

 この屈辱を、フウギは今でも夢に見る――だからこそ、どこに改造の重点を置くのかということはすでに決めていた。


「シバイよ! この馬鹿舌である騎士女王の口内、食道、胃腸、肛門、全てを徹底的に貶めろ! あの国の料理と我がシンの国の大きな違いも理解できぬ、ブリテンなどという……えっと、その……なんだったか……カーンシンが言っていた……」

「メシマズ国家ですか~?」

「そう! その、メシマズ国家とやらが、我らが美食の国であるシンに料理の話題で口を挟むなど許されぬことだ!」


 人体改造装置に拘束されているアンリエッタは、脚を大きくガニ股に開いたまま中腰の姿勢で機械式のアームに膝と腰をコルセット状に包みこまれることで固定されており、腕は背中に回されて布で覆われている。

 まるで、捕虜のような扱いである。

 その上、衣服はすべて脱ぎ捨てられて、余分な肉が一切ついていない美しい上半身とむっちりした脂肪と筋肉で包まれている戦うための騎士らしいがっちりとした下半身が晒されていた。

 そんな風に惨めにも囚われの身になっているアンリエッタへと向かって、マニピュレーター・アームが近づいていく。


「…………」


 だが、アンリエッタは目を覚ますことはない。

 部屋に散布された睡眠ガスを大量に取り込んだアンリエッタはあと数時間は何があっても目を覚ますことはなく、このような強烈な刺激を受けるはずの人体改造手術に抗うことも出来ないのである。


「さあ、開始だ!」

「了解しました~。でも、まずは脳改造からしちゃいま~す」


 意識を失っているアンリエッタの体に、肩から上を完全に包み込むほどに大きな『洗脳ヘルメット』が覆いかぶさっていく。

 その内部には無数の『機械式マイクロ触手』と『洗脳マイクロ電極』が備えられており、その二つが頭皮から脳みそに突き刺さることで人格と認識機能を大きく書き換えるのだ。

 電極が巻き起こす電気信号の刺激と、触手によって脳内に投与されていくナノマシンによって、アンリエッタ・アーサー・ブリテンは死ぬこととなる。

 そんな凄まじい能力を持つ洗脳ヘルメットが、なんの感慨もなく卑猥な光を放ち、その洗脳が開始したことを知らしめていく。


「~~~~~っっっ~っ~~!?!?!?!」


 生理的な反射だろう。

 意識がないはずのアンリエッタの喉からものすごい悲鳴が鳴り響くのだが、洗脳ヘルメットは防音性も高いためにその声が響き渡ることはない。

 拘束されている体がビクンビクンとものすごい勢いで痙攣をはじめ、さらには体中から大量の汗が流れ出し、さらにオマンコからは尿と愛液が同時に吹き出していく。

 この銀河でもっとも崇高な人物とさえ称される騎士女王とは到底思えない無様な洗脳ダンスを踊りだしたのである。


「フハハハ! さすがは騎士様だ! 他のどんな女よりもこの卑猥な踊りにキレがあるではないか!」

「~~っっっ~~~~~~っっっっっ~~!!?」


 ガニ股の脚が前後左右にリズム感もなにもなくビクンビクンとステップを踏み、その媚肉を蓄えているお尻がぶるぶると震えながら腰が揺れる。

 それはフウギが良く見ているチンポに媚びるダンスのようで、さらに醜い欲望を満たしてくれた。

 その洗脳ダンスはたっぷりと十分は披露される。

 飽きもせずにそれを嬉しそうに見つめているフウギの声さえも、催眠ガスによる意識喪失と洗脳ヘルメットの防音性の二つの力でアンリエッタには聞こえていない。


「~~~っ~~っっ~~~!!!?」


 この洗脳ダンスだが、脳みそを直接書き換える際に、強制的に強烈な性的快感も叩き込まれていた。

 それは通常の性的な行為では絶対に味わえないほどの快感である。

 人体改造を行わない普通の人間が普通のセックスでたどり着ける絶頂の数倍――いや、数十倍と言ってもいいだろう。

 聡明な頭脳の持ち主である騎士女王のニューロンが、破壊されていく。

 その洗脳ヘルメットで徹底的に破壊された分だけ統一帝国シンに、いや、少年皇帝フウギに都合の良い情報が新たに植え付けられるのだ。

 そんな洗脳による脳改造も、『一旦』、終りを迎えた。


「は~い、それじゃヘルメットをのけて、次は舌とお尻の改造をやっちゃいますね~」

「ふぎゅっぅぅぅっぅぅ~っ~!?」


 しかし、それはあくまで脳改造が終わっただけだ。

 洗脳ヘルメットが外された瞬間に、また別のマニピュレータが降り立って、強制的に開口させた後にその舌を引っ張り出して無数の針がブスブスと刺さっていく。

 マイクロレベルまで細くなっているその針たちは直接的な痛みをアンリエッタに与えることはないが、それでもその針から注入される薬液が与えられる刺激は相当なものだった。

 ガクガクと全身を痙攣させながら喉を鳴らして惨めな悲鳴を上げるアンリエッタだが、やはりそんなことで何かが変わるわけもない。

 意識はなくとも身体は起きているために、反射的にその美しい碧眼から涙がボロボロと溢れていく。


「ク、クククっ……! いつ見てもたまらんな、女が壊れていく姿は……!」


 それを見て全身を恍惚に震わせるフウギは、間違いなく鬼畜だろう。

 そう、ここにはアンリエッタが何よりも重要視する『人間としての善良な心』というものが。欠片も存在しないのだ。

 自分たち以外の人間など単なる玩具にすぎないと、本気で、心の底から考えているどうしようもない外道の巣窟――神の教えや騎士の道が持つ理屈に従えば、必ず裁かれるべき悪なのだろう。

 だが、そんなアンリエッタが背負っている『世界は正しく動いている』という噴飯ものの理屈は、この宇宙のどこにも存在しない。


「ふぎゅぅぅぅっぅぅぅぅ!? ぎぃぎゃぁっ!? あえぇぇべえべえええぇぇぇぇえぇ!?」

「はいは~い、お尻もやっちゃいますね~」


 舌の改造手術が行われながら、同時に消化器官――すなわち肛門と腸の改造も行われていく。

 肛門と腸が感じる性的な感度を極端に上昇させることによって、高貴なる騎士女王様は『脱糞』するたびに性的な絶頂に達する変態女に生まれ変わるのだ。

 そう、舌の改造手術も同様だ。

 鋭敏になると同時に悍ましい形に変貌する味覚は、なんと精液を何よりも美味と感じる変態女へと変えてしまうのである。

 そう。

 あの時にかけられていた甘酢あん、精液のソースを美味しそうに食べている理由はそういう理屈なのだ。


 ちなみに、余談ではあるがあの料理人は腕前こそ統一帝国シンの中でも最上位層に食い込む天才料理人ではあるが、同時に女性を辱めることを料理以上に愛しているどうしようもない変態である。

 そのため、『料理人の誇り』というものを持っている普通の人間ならば苦悩の末に作るであろう『精液のソース』などというものも、『あの騎士女王にそんな下品なものを食わせることが出来るのか!』と喜び勇んで創り上げたのだった。

 閑話休題。


「んぎゅっぅぅっぅっぅっ~~~~~?!!?!?」

「ククク……しかも、脳改造はついに記憶を操れるなったそうだな?」

「はい~、えぇっと~……これを、こうして……」


 からん、ころ~ん。


 シバイが手元の端末を操作すると、そんな安っぽい鐘の音が鳴り響いた。


「この鐘の音を聞くと、こちらに都合の良い人格が蘇ります~」

「ククク……悪く思うなよ、騎士女王よ。貴様がこちらの出した、『人体改造手術を体験する』という条件を呑んだのだからな!」


 統一帝国シンは、騎士女王アンリエッタを人体改造手術の被検体とすることを条件に経済制裁の解除を申し出たのである。

 アンリエッタに忠誠を誓っている騎士たちが知れば絶対に承知しないその条件を、アンリエッタは真に自分に近いものたち以外には知らせずにこのシンまで来たのだった。

 そこで、催眠ガスで強制的に意識を失わされ、シンは『すでに承知しているから』などとうそぶいて不意打ちのようにこの人体改造手術を施したのである。


「あとは基本的な感度改造も行っておきますね~。騎士女王様はとってもお強いらしいですけど、感度を抑える薬を使わないと剣が雑魚雑魚になっちゃうぐらい改造しちゃおっかな~」

「ははは! 良いぞ良いぞ! もっとこの女をどうしようもない牝犬に変えてしまえ!」


 シバイという研究員は、人間自体には興味がないが人間を改造することが大好きという、どうしようもないマッド・サイエンティストである。

 普通ならば吐き気を覚えてしまいそうな人格破綻者だが、そんなシバイを重用するフウギもまた人格破綻者と言えるだろう。


「フハハハ! 明日からの滞在が実に楽しみだよ、騎士女王! アデリナやカグヤのように、貴様をとことん弄んでやるから楽しみにしているが良い!」


 この人体改造研究室に、騎士女王アンリエッタの意志を持たない悲鳴と、少年皇帝フウギの下劣な笑い声が鳴り響くのだった。

 もう、運命は動き出してしまったのである。

 そう。



 ――――騎士女王の堕落と、グレート・スペース・ブリテンの崩壊という運命が。



 ◆



「……ここに、先の発言が国際社会の品位に反した、侮蔑であったことを謝罪させてもらう」

「うむ。朕も寛大な心で許そうではないか……ククク!」


 屈辱であった。

 騎士女王アンリエッタは、シン以外の国の外交官も多くいる国際会議の場で、最下座というもっとも軽んじられている席で、最上座というもっとも重んじられる席に就くシンの皇帝フウギへと頭を下げたのである。

 グレート・スペース・ブリテンの潜在的敵国家である大国・北方スルァーヴ共和国連合も、天敵である宇宙フランク王国も、友好国であるはずのアレリア新宙域連邦共和国の外交官も、その言葉になんの疑問も持っていないようだった。

 この統一帝国シンの意向で開かれた、『グレート・スペース・ブリテンの国家君主が統一帝国シンへと謝罪を行う』というだけの異例の国際会議は、頭を下げた騎士女王アンリエッタへと嘲りを含んだ視線を向けられる形で幕を閉じることとなる。


(これも……国のためだ……! 仕方のないことなのだ……!)


 体の芯から震えるような屈辱を味わいながら、それでもアンリエッタは自身の頭を下げることで、自身の誇りを曲げることで国が救われるのならば、構わないと考えた。

 騎士道を重んじるが故に、自身の騎士道を曲げることも厭わない。

 そんな矛盾した考えを自然と持てるアンリエッタは、やはり王でもあるのだろう。


(だ、だが……なんだ、これは……?)


 しかし、そんなアンリエッタの身に異変が起こっていた。

 そう、人体改造手術の――アンリエッタ自身も覚えていないその手術の影響である。


(なぜ、身体がこんなに熱く火照りっ……し、子宮が疼くのだっ❤)


 ゾクゾクゥ、と。

 身体を震わせているアンリエッタに幾人かは気づいたようだが、その震えが『恍惚』の震えであることに気づいたのは、全てを承知している皇帝フウギだけだろう。

 そう、かの高潔なる騎士女王は、肉体が改造されると同時に脳もまた改造されたがために特殊な性癖を植え付けられてしまっているのだ。

 その性癖とは、すなわち――――。


(悔しいのに、気持ちいい……❤ 気持ちいいから悔しいのではなく、悔しいのが気持ちいいのだっ❤)


 ――――敗北マゾ、である。


(あ、あの非人道的な外道である少年皇帝に、みっともなく頭を下げているのが……それを嗤われているのが、こうも気持ちいいのはなぜだっ❤ ま、負けてこなかった私の、初めての屈辱的な敗北っ……❤ 腕試しの敗北では絶対に覚えない、悔しいという屈辱がっ……こ、こうも甘美だなんて、私は、知らなかった……❤)


 それは、高潔なる騎士であり優れた剣士であり気品あふれる少女王であったアンリエッタが、生まれて初めて覚える、『気持ちの良い敗北』とは程遠い、『屈辱的な敗北』である。

 気持ちの良い敗北とは、すなわち剣の腕試しで感じるような己の腕前を競い合いの果てにある敗北であり、これは向上心を刺激してよりよい存在になろうと出来るものだ。

 これは、幾度かは味わってきて、そのたびにアンリエッタはより強靭な存在へと成長していった。


 だが、『屈辱的な敗北』を味わったことはなかった。

 言うならば、騎士女王アンリエッタは『負けてはならない』時には必ず勝ってきたのだ。

 そういう意味では、アンリエッタはこの瞬間、生まれて初めて負けてしまったと言えるだろう。

 心がぐじゅぐじゅにかき乱されて、脳みそが溶け出しそうなほどの屈辱に襲われて、顔を真っ赤に染めて『報復』を考えるところだが、なぜだかそうはならなかった。


(くぅぅっ……❤ そ、そろそろ頭を上げなければいけないのに……も、もっと、頭を下げていたい……❤ この惨めな私を、嘲笑われていたい……くっ、な、なぜこんな風にっ……❤)


 それが脳改造の恐ろしさなのだ。

 もはや、ここに高潔なる騎士女王は存在しない。

 完全な『改造』が終わってはいない。

 まだ肉体は完璧に変わりきったわけではないし、アンリエッタも興奮を覚えているだけで心が服従しきったわけでもない。

 それでも――騎士女王アンリエッタ・アーサー・ブリテンという存在が二度と元には戻らないという意味では、完璧に失われてしまったのである。


「クハハハ! いつまで頭を下ろしているつもりだ、女王陛下よ!」

「っぅ❤」


 そんな騎士女王の心中を、改造を施した張本人であるからこそ承知しているフウギはそんな言葉をわざとらしく投げつけていくのだ。

 それには他のどんな人物よりも隠しきれない嘲笑が含まれており、それを受けたアンリエッタはさすがに怒りが上回る――――。


(おぉぉぉっっっ❤❤❤❤ こ、これは、なんだっ❤ こ、この皇帝の言葉を効いた瞬間に、笑いを向けられた瞬間に、か、体が、震えるっ❤ さ、先程までの比ではないぃっぃ❤)


 ――――ということは、まるでなかった。


 フウギの声に反応するようにも改造されているアンリエッタは、身体をあからさまに震わせてそのまま膝をついてしまう。

 さすがに周囲も訝しがり、先程までは無反応だった護衛の騎士が、突如としてハッとした様子で駆け寄り、会議を中座することでこの不可思議なほどに惨めな謝罪のための国際会議は終了する。

 その護衛の女騎士が脳改造をされてるがために操られていることも、騎士女王が惨めな敗北マゾになってしまっていることも誰にも知られぬまま、皇帝フウギによる偏執的な『躾け』の日々が続いていくのだった。



 ◆



 それはなんでもない日常の一幕。

 まるで天使のような美しい騎士女王。

 それは美少年である美少女であるか、知っているはずの人々でも思わず一瞬わからなくなってしまうような、幻想的ですらあるアンリエッタであっても、人間である以上は当然として『排泄行為』を行わなくてはならない。


『ふぅぅぅぅ~~~❤ ぅぅぅぅ~~~❤』


 今もこうして、用意された高級な宿に備え付けられた洋式トイレに腰掛けたアンリエッタは――『快感』に悶えていた。

 消化器官と排泄器官が性器同様に改造されているアンリエッタにとっては排泄行為すらもオナニーのように自分一人だけで行う性的な行為になってしまうのである。


『ぅぅぅ~~❤ むぎゅぅ、で、出るぅぅ……❤ ぶ、ぶっといのが、でりゅぅぅ~~❤』


 そうして肛門から流れ出たアンリエッタの排泄物が太く長い、とても幻想的で神秘的な少女騎士の排泄物とは思えないものだった。

 快便である。

 快便であるが――いや、快便であるからこそ肛門は大きく開き、そして、長い時間をかけてブリブリと排泄されていく。

 つまり、性的な快感を覚える時間もまた長ければ、その快感自体も強烈になる、というわけだった。

 胃腸まで改造されたアンリエッタは、そのような快便を常に行える健康的な胃腸に変わっていたのだ。

 それだけではない。


『そ、それでは……ブティカ卿……❤ わ、私の、お尻を吹いてくれないか……❤』

『ハ、ハッ! かしこまりましたわ、陛下……!』


 なんと、そのアクメ脱糞を護衛の女騎士――『ブティカ卿』に見せた上で、その汚れたアナルを拭かせるという、あまりにもアブノーマルなプレイをしているのだ。

 もちろん、これは二人の間に特別な関係があって、マゾヒズムの強いアンリエッタが倒錯的なプレイを逆らえない護衛騎士に押し付けているというわけではない。


 からん、ころ~ん。


 この安っぽい鐘の音が鳴り響く中からも分かる通り、アンリエッタと護衛のブティカ卿は大きく常識を誤認した状態になっているため、『高貴なるものは排泄の後は臣下に拭いてもらうのが当たり前』という常識が植え付けられているというわけである。

 ブティカ卿はその異常な常識に従って、トイレットペーパーを片手に尊敬する女王陛下のお尻を吹いていくのだった。


『おぉぉっ❤ ほぉぉ、ふぅぅ、んきゅぅぅぅ~~❤』

『っ……じょ、女王陛下……その、そのような声を出されては……困ります……』


 だが、さすがのブティカ卿もその『尊敬』という想いが折れそうになっていた。

 なんとこの騎士女王アンリエッタ、『お付きの騎士に尻を拭かせる』という『当たり前のこと』をしているだけだというのに、『性的に感じている』のである。

 高潔なる女王が、このような最低最悪のセクハラ女だとは思わなかったブティカ卿は、嫌悪感をあらわに眉をひそめた。

 それを感じ取ったアンリエッタは、恥ずかしくて死にたくなりそうな気持ちで謝罪を口にしていく。


『しゅ、しゅまないっ❤ な、なぜだか、卿にお尻を拭かれると、おほぉっ❤ き、気持ちよくなってしまうのだぁ❤ ふぎぃぃっぃっ~~❤』

『んなっ?!』


 ぷしゃっ、ぷしゅぅぅぅ❤❤❤❤


 だが、その謝罪の途中に潮吹きアクメに達してしまったのである。

 当然、背後でお尻を吹いていたブティカ卿に潮が直撃してしまう。

 あまりにもあり得ない、あまりにも侮辱的な行為だ。

 故に、思わずといった様子でブティカ卿の口からとある言葉が漏れ出してしまった。


『……最悪』

『っっっぅ~~❤❤❤❤』


 ブティカ卿が思わず、ポツリと漏らしたその言葉にアンリエッタはマゾ心を刺激されてしまい、また身体を大きくいななかせていく。

 オマンコからドロドロと流れ落ちる愛液を見たブティカ卿も、ついにその忠誠心を粉々に砕かれたことを自覚する他なかった。


 からん、ころ~ん。


 この鐘の音が鳴り止めば、そんな出来事も忘れてしまう。

 あくまで、無意識下にアンリエッタの羞恥心を煽って性的な快感を身体に刷り込むための調教に過ぎないため、記憶には残らないのだ。

 それでも、ブティカ卿はもうアンリエッタに今までのような忠誠を抱くことはないだろう。



「ククク……随分と朕好みの変態に生まれ変わったな、アンリエッタよ……!」

「んじゅるるるぅぅ❤ ちゅぅぅ、れろれろぉぉっっ❤ ふふふ……本当に馬鹿な女です❤ 皇帝陛下に無礼な振る舞いをしなければ、ここまで無様な変態マゾ牝に落とされることもなかったでしょうに……❤」



 そんな姿を隠しカメラで監視していた皇帝フウギは、牝奴隷であるアデリナにフェラチオをさせながら楽しそうに笑っていた。

 アデリナもまたフウギのご機嫌を伺うようにへりくだってアンリエッタを貶める言葉を口にしながら、熱烈なフェラチオ奉仕を行っていく。

 かつて、少女君主として並べる形で語られていた、一種のライバルでもある騎士女王を思いやる気持ちなどアデリナは欠片も存在しなかった。


「もっとも、私ぐらいなら別でしょうけど……❤ なにせ、私はこの調教を、んちゅぅ❤ 受けてぇ……陛下のオチンポ快楽を徹底的に、れろれろぉ❤ 仕込まれても、完全に堕ちたわけではないんだもの❤」


 このように、完堕ちしたくせに妙に強がる余裕があるほどだ。

 もちろん、これは本当にアデリナが堕ちていないというわけではない。


「フンッ! この生意気な牝め! そうやって朕の気を引いて虐めて欲しいなどと……どうしようもない牝豚だな!」

「んぎゅぅうっぅぅぅぅ~~~❤」


 先述の通り、アデリナは皇帝フウギを誘っているだけなのだ。

 かつての輝けるアイドル総統であるかのように、フウギの劣等感を著しく刺激していたあの優秀な指導者を思わせる振る舞いをして――それが実際に出来ているかというとすでに快感で頭が馬鹿になっているアデリナはそのロールプレイさえ出来ない淫乱になっているのだが――フウギにいじめてもらおうとして媚びているのだ。

 形こそ違えども、女王アンリエッタと同じく敗北マゾなのだった。


「ククク……やはり、貴様は喉の奥まで突きこんでやればいい具合になるな。まさに、イラマチオをされるための喉だよ!」


 そうしたアデリナの振る舞いを、『いじらしい』と感じるほどの余裕をフウギは持っていた。

 このようにしてアデリナの見事な金髪を掴んで思い切り股間に引き寄せるイラマチオを行ってみても、アデリナは献身的に舌を蠢かして奉仕を続けるのである。

 生意気な振る舞いこそしても、その根幹はなんとも健気な牝奴隷というアデリナのギャップに惹かれてしまっていた。

 そう言った点で、フウギはこの元・アイドル総統をお気に入りの牝奴隷としているのである。


「……徹底的に貶めてやった。もはや、騎士女王アンリエッタは単なる変態女になったのだ。それに、あの会議の場で無様に頭を下げて、屈辱で意識を失って中座したことで、ブリテンの国内でも批判が集まっているらしい。ククク……自身を嘲笑われることに快感を覚える変態の敗北マゾになったアンリエッタにとっては、天国のような母国となるだろう」


 騎士女王アンリエッタの帰国の日はすぐそこに迫っており、フウギもまたそれをイチャモンをつけて止めるなどというつもりはなかった。

 高潔にして強い王であったはずのアンリエッタは、ブリテン国内ですでに疑問視されている。

 かつてフウギを貶めて、フウギが持たない『力』を見せびらかしていた鬱陶しい天才君主は、もはや周囲から厳しい目で見られる敗北者に変わったのだ。


 ある意味、ここで復讐は終わったと言えるだろう。

 これから先、アンリエッタはザーメンの味を忘れられずに、普通の人間ならばまずくて吐き気の覚えるソースを無理やり作らせるのだ。

 しかも、それでも自身の望む味にできない料理人を叱咤するような、なんとも傲慢な女になる。

 これから先、アンリエッタは人間ならば生きるうえで当然行わなければいけない排泄行為をするたびに絶頂アクメを覚えてしまうのだ。

 場合によっては公共の場でのトイレでなんとも無様なオホ声を上げることもあるはずだ。

 本来ならば誰からも尊敬されていた騎士女王が、誰からも蔑まれる変態女になるのだ。


「だが……それだけでは終わらせんぞ! 朕を馬鹿にした貴様の罪は、どんな罪よりも重いのだからな……!」


 それでも、少年皇帝フウギはそんなことで終わらせるつもりはまるでなかった。

 あの騎士女王アンリエッタが持っている全てを奪い取って、自分の前に膝をついて許しを請う存在に変えなければ気がすまないのだ。


「宣戦布告だ! あのグレート・スペース・ブリテンを、我が統一帝国シンの領地としてやる! その下準備はすでに終わっているのだからな……! 今こそ、先の麻薬戦争の屈辱を晴らすときだ!」


 フウギは、グレート・スペース・ブリテンへと宣戦布告を行った。

 徹底的に騎士女王を叩き潰して奴隷とするために、少年皇帝フウギ・エイセイはドルツ第三銀河帝国や大ヤマト帝国を蹂躙した時のように、その暴虐を開始したのである――――。



 ◆



 統一帝国シンがグレート・スペース・ブリテンへと宣戦布告を行った。

 数年前までならばともかく、ヤマトとドルツを支配してその力を強めているシンと、『列強』に数えられ、さらには戦上手である騎士女王アンリエッタが率いるブリテンの戦争ともなれば、銀河を巻き込む大戦争になると思われた。

 だが――結果は、あまりにも無惨なものだった。

 『まるで手の内が読まれているかのように』、あるいは、『有利な状況なのに居るはずのない背後の敵に攻撃されたかのように』、ブリテンはあらゆる戦場で壊滅的な打撃を受けたのである。

 そう、グレート・スペース・ブリテンという国家は、すでにシンによる内側からの侵略を受けていたのだ。

 そのうえでカーンシン将軍という名将の立てる戦略もあって、いくら実力のある騎士を多数揃えていようが、騎士女王アンリエッタが勝利の女王と呼ばれるような戦上手であろうと、ブリテンになすすべはなかった。

 敗北したのである。

 歴史的敗北である、あの大国ブリテンが――その名を消すこととなるのだから。

 そう、これからブリテンと呼ばれていた星間地帯はグレート・スペース・ブリテンではなく、統一帝国シン・ブリテン自治領へと名を変えてしまうのである。


「はぁぁ……はぁぁ~~んっ……❤」


 そんなこともあり、首都星ロンディニウムも占領されてしまった。

 グレート・スペース・ブリテンの完全敗北である。

 そして、今、その敗北を国家君主である騎士女王アンリエッタによって知らせるための中継が行われているのだ。

 その中継は荒い息を漏らして、顔どころか全身を紅潮させている――つまり、『敗北マゾ快感』によって興奮で頭をおかしくしまっているアンリエッタと、堂々と豪奢な椅子に腰掛けている少年皇帝フウギがいる『円卓の間』から送られていた。


「ククク……! 愚民どもよ、朕こそが貴様らの新たなる主、統一帝国シンが皇帝フウギ・エイセイである! 朕の尊顔を拝める栄誉を噛みしめるが良い!」


 円卓の間。

 それは騎士女王アンリエッタを含めた優秀な十三人の騎士からなる、『上座も下座も存在しない、平等な空間』である。

 この空間は、騎士たちから忠誠を誓われている騎士女王アンリエッタであっても一介の騎士に過ぎず、平等に意見を言い合うことが出来るという高潔な願いから設計されていた。

 だが、そんな崇高な思想も皇帝フウギが持ち込んだ華美すぎるほどに豪奢な椅子が、その中心から『上座』『下座』の概念が適応されるように、ドンと置かれていたのである。


「それでは、宣誓をしろ! 騎士女王アンリエッタ……いや、負け犬のアンリエッタよ! とびっきり惨めに、己が何者であるかをこの映像を見ている全ての人間に知らしめるのだ!」

「くぅっ……❤ わ、わかり、ました……❤」

(あぁっ❤ ほ、本当にこんなことを……❤ 悔しい、悔しいが……気持ちいい❤ とびっきりの恥をかけると思うと、心が弾む❤ この皇帝に従えると思うと、胸が高鳴る❤ はぁ、はぁぁ❤ は、早く……宣誓しないと❤ こ、これは国民のためだ❤ いつまでも逆らっていたら、犠牲者がどんどんと出てしまうのだから❤)


 すでに敗北マゾの『急所』を知り尽くされているアンリエッタは、フウギの邪悪な提案を『仕方ないから』と言い訳をしながら、それでも顔を蕩けさせながら行うのだった。

 その誓いは、かつて批難していたアデリナ・ヒンメルが行った最低最悪の敗北宣言と、形こそ違えど本質的には全く同じものだとしても、アンリエッタはそれを喜んで行うのである。


「わ、私、騎士女王アンリエッタ・アーサー・ブリテンがここに誓う! 我らグレート・スペース・ブリテンは長い歴史に幕を閉じ、偉大なる統一帝国シンの、せ、占領下に入ることを! 我らはこれより、グレート・スペース・ブリテンの名を捨て! 統一帝国シンが領土、ブリテン自治区となるのだ! 民よ、我らは……我らは、ついに約束の地にたどり着いたのだ!」


 ゾクゾクゥ、と。

 例えようのないほどの快感が、アンリエッタを襲う。

 どんな演説よりも言葉に思いが乗る、そんな言葉によって自身の官能が満たされていく。

 それも、その興奮もこれで終わりだけではないのだ。


「し、しかし……❤ わ、我ら愚かなるブリテンが、偉大なるシンに歯向かった事実は変わらないっ❤ そ、その償いのためにもっ❤ この世の理を教えていただこうと思うっ❤ 諸君らも、わかっているはずだっ❤ 覚えの悪い子供には、躾けが必要だ、と……❤」


 カメラの向こうにいる臣民がどのような目で自分を見つめているのか。

 それを想像するだけで変態マゾのアンリエッタは身体が震えてしまう。

 自身を軽んじられる恐れと、それを上回る快感で、だ。

 そのまま、アンリエッタはそのマントも王冠も、騎士服さえも脱ぎ捨てて、貧乳デカ尻というフウギの好みの身体を露出していった。

 カメラの向こうで、多くの国民が息を呑んだ。

 男だけではなく、女ですら魅了するような美しい身体だったからだ。

 そのまま、アンリエッタは豪奢な椅子に腰掛けているフウギの膝に身体を乗せていった。


「こ、皇帝陛下っ❤ どうぞ、この馬鹿な牝に、罰と教育、をぉぉぉぉぉっぉっぉおっぉ❤❤❤❤」


 バチィィィィィンッ!


 アンリエッタが言葉をいい切るよりも早く、フウギはその苦労を知らないきれいな手を大きく振りかぶって、アンリエッタのデカ尻へと叩きつけたのである。

 もちろん、一度だけではない。


「ふぎゅぅぅぅっっ❤ おぉぉっっ❤ おほぉぉっぉっぉぉっぉ~~❤❤❤❤」


 バチンッ、バチンッ、バチィィィィィンッ!


 何度も何度も、その平手打ちを振り下ろしていく。

 変態マゾ性癖を植え付けられており、さらにその性的な特徴である『デカ尻』全体を性感帯に改造されているアンリエッタは、平手を打ち付けられるたびに快感の嬌声を漏らしていくのだった。


「フハハハ! 覚えの悪いメスガキにはお尻ペンペンと相場が決まっている! この偉大なる皇帝に些細なことから噛みついてくる駄犬めっ! 牝の本懐というものを教え込んでやるぞ!」

「ほぎゅぅぅぅぅ❤ あ、ありがとうございますっ❤ ご指導、ありがとうございますぅぅっ❤ 偉大な皇帝陛下を不遜にも批難する馬鹿な牝犬のデカ尻に、お尻ペンペンありがとうございますぅぅぅっ❤」


 お尻ペンペンである。

 騎士女王アンリエッタ、どのような敵にも屈さずにその剣を持って打ち払ってきた偉大なる騎士が、血筋以外になんの取り柄もない、かつては傀儡ですらあった皇帝フウギにお尻を叩かれて嬉しそうによがる姿は悪夢以外の何者でもなかった。

 そして、悪夢であるがゆえに、ブリテンの国民たちは理解したのである。

 自分たちは本当に負けたのだ、と。


「おぉぉぉぉ~~❤ イグッ❤ お尻ペンペンでイグッ❤ イグイグぅぅぅっ~~❤」

「クハハハ! なんとも無様なことだ! こんなものが騎士を名乗り女王と敬われていたとは……本当にとんでもないお笑い国家だな、ブリテンは! 朕を笑わせた褒美に、我が聖液を注ぎ込んでやろう!」

「あっ……あぁっ❤ ありがとうございます、ありがとうございますっ❤ あっ……❤ お、オチンポ様……これが皇帝陛下の、オチンポ様ぁ❤ 想像よりもずっと大きくて、ずっと太くて、ずっとかっこいいぃ……❤」


 フウギはそう言って膝下に抱えていたアンリエッタを乱暴に床へと投げ捨て、そのまま自身のズボンを脱ぎ捨てていく。

 その奥から現れた男根はフウギの幼い容貌とは裏腹に、多くの女をヒィヒィと鳴かせ続けたことを知らせるように黒黒と淫水焼けをした、ズル剥けデカチンポなのである。

 記憶操作をされて身体改造をされて、このチンポこそを理想のチンポとして肉体にも脳にも植え付けられていたアンリエッタは、無様に床で四つん這いとなり、そのデカ尻を高く掲げながらふりふりと誘うように振っていく。

 なんとも惨めな姿にフウギは嗜虐心に溢れた笑みを漏らし、そのデカ尻にある『一つの穴』へと狙いを定めていった。

 その穴は、オマンコではない。


「だが、貴様は罪人だ! この朕の崇高な男根を女陰に挿れてもらえるなどと思うなよ!」

「えっ……? それは、どうい―――うほぉぉっっぉっぉぉぉっぉ❤❤❤❤」


 ずぶずぶぅ、にゅぷ、にゅぷぷっ! ずぶぅ、ずぶりゅぅぅぅ~~!


「おほっぉぉぉぉ❤ うほっ、ほぉっ❤ お、お尻っ❤ オマンコじゃなくてお尻の穴にっ❤ お、オチンポ様きたぁぁっ❤」


 フウギはアンリエッタのオマンコではなくケツ穴にチンポを挿入したのである。

 『記念すべき敗北宣言の日なのだから、身も心も清めておけ』と命じられた通り、アンリエッタはこの前々日に特殊な薬で腹に溜まっていたものを全て排泄し、前日は水だけを飲んで過ごしたために、きれいなアナルとなっていた。

 そうでなくとも、フウギのチンポは特殊な手術を行われて性病対策などが行われているために、ある程度までのアナルならばナマ挿入ができる最強チンポなのだが、それでもやはりフウギはアナルセックスをする際に腸はなにもないきれいな状態を好むのである。

 そのまま、先程までお尻ペンペンをされて真っ赤に腫れたお尻をガシリと乱暴に掴んで、やはり乱暴に腰を振って元・騎士女王のアナルを犯していくのだった。


「くひぃぃぃっ❤ おし、お尻が熱くなってぇ、拡がってぇ❤ い、入口から奥まで全部、パ、パンパンに拡がっていくぅぅっ❤ ふぎゅぅ、ぶぎぃっっぃっぃ❤ おぉ、ほぉぉぉ、ぶほぉぉぉ❤ 豚みたいな鳴き声が、し、自然と出てしまうぅっ❤」


 アンリエッタ尻穴だが肛門付近の浅い部分もS字結腸のある深い部分も、ぐりぐり、ぎゅうぎゅう、と強烈に刺激をされてしまう。

 オマンコを使ったセックスとケツ穴を用いたセックスは締め付けも熱さもまるで異なる。

 それは女性側も同様で、アナルセックスは人によっては通常のセックスよりも『クセ』になるという人物も多いほどには、明確な違いが存在するのだ。

 腸側から肉を通して子宮をゴリゴリと刺激される感覚も、本来は刺激されることも少ないS字結腸への刺激も肉体改造で簡単に感じれるようになっていることから、アンリエッタは強烈な快感を覚える、アナルセックスの『沼』にハマるには十分すぎる素質を持っていた。


「ほぉぉ、おぉぉっっ❤ う、うんこでも感じなかった、快感っ❤ ぶっといのが出ては、入って、出ては入ってぇっ❤ これ、凄いっ❤ 頭が壊れてしまうっ❤ お尻の穴で気持ちよくなるなんて、駄目なのにっ、やっぱりお尻がぶりぶり開くの、気持ちいいぃっ❤」

「フハハハ! 尻の穴などと上品な言い方をするな! ケツ穴だ! 貴様のような牝犬が気取るなど許されんぞ、卑しい牝にふさわしい言葉遣いを心得ろ!」

「ひぎぃぃぃぃっ❤ も、申し訳、ございませんっ❤ け、ケツ穴っ❤ ケツ穴ですっ、ケツ穴が気持ちいいんですぅっ❤」


 特に、アンリエッタは元々が潔癖な性格であるが故に、肉体的な快感はもちろんのことアナルセックスで感じているという、倒錯的な事態でこそ覚える精神的な快感に心がドロドロにとろけるような快感を覚えてしまうのである。

 そこにさらに、フウギによって『下品な言葉遣い』をしろと強制されることで、自身が普段は使っていなかった卑猥な――いや、下品な言葉でケツ穴と連呼をしていくのだ。

 フウギ自身も、その快感を覚えているアンリエッタのきつい締付けと腸のうねりが、皇帝の巨根チンポへと肉体も心も震わせるほどの快感を覚えていくのである。


「ククク! なんとも朕好みの強烈な締め付けだ! それでいてこのむっちりした尻から想像できる柔らかな腸壁! 排泄のためではなくチンポを挿入するためのアナルではないか!」


 力みすぎているのか強烈な締め付けが行われ、それでいて少年皇帝の貧弱な身体でもピストン運動を行えばまるで自ら飲み込むように腸が蠢いていくのだ。

 まさしく、チンポを気持ちよくするための動きである。

 そのような動きをされてしまえば、すぐに射精の欲求が駆り立てられてしまうのであった。


「よしっ、朕の聖液を受け止めよ! その不浄の穴が朕の性的な玩具として玩弄される栄誉を感じながら……注がれながらイケ!」

「ふごぉぉっ❤ イグゥっ❤ ケツ穴でイグッ❤ ひぎぃぃ、んぎゅぅぅっ❤ 孕めないのにザーメン欲しがっていますっ❤ はぁ、ふぅぅっ❤ んぐぅう❤ ケツ穴が拡がってぇ❤ 腸も拡がってぇ、イグッ❤ ひぃぃい、らめぇ❤ もう、無理ぃぃっ❤」


 どびゅるっ! びゅるっ! びゅくびゅくっ! びゅびゅっ! どぶっびゅうぅぅぅぅっぅっ!


「ふごぉぉぉっっぉ❤ ケツ穴アクメでイグゥぅぅぅっっ❤ ガチアクメぇ、しゅごひぃいっぃっ❤ こ、これぇ、駄目っ❤ もう戻れないっ❤ ケツ穴気持ち良すぎて頭バカになっちゃうのぉぉっっ❤」

「おぉっ?! くっ、こ、ここまで搾ってくるとは……! フハハハ! 朕のオナホにふさわしい! さあ、たっぷりと搾り取れ! 褒美のっ……平手もくれてやるっ!」


 バチィィインッ!


 腸肉の壁がぎゅぅぅぅと締め付けながらも複雑に蠢いていき、とにかくフウギの精液を搾り取ろうと収縮を繰り返していた。

 フウギは予想以上の反応に笑みを深めて、さらにその細身の体には似つかわしくないむっちりとしたデカ尻へとスパンキングを行っていくのである。


「ほごっぉぉっぉ❤ ケ、ケツがっ❤ 内側からも外側からも刺激されてぇ❤ イグっ❤ アクメ止まらないっ❤ あぁ、良かった❤ シンに敗北してぇ、皇帝陛下のケツ穴おもちゃになれて本当に良かったぁっ❤」


 肉体と意識を改造させられることで、日常のあらゆる面で快感を覚えるような変態マゾへと変わってしまったアンリエッタは、もはやまともな状態ではない。

 排泄をするたびにアクメに達し、それを護衛に拭かれることを当然だと思いつつも拭かれるだけでアクメに達し、シンへと謝罪をするだけでアクメに達し、そんなアクメ地獄の日々は、アンリエッタの尊厳を徹底的に破壊していったのである。


「ほひぃ、んほぉぉ……❤ し、しあわせぇ……❤ 敗けるのって、気持ちいいぃ……❤」


 それが行き着いた先が、この初めてのアナルセックスによるアヘ顔をさらけ出すという現在の光景なのである。

 それを見て、改めてブリテンの国民は理解したのである。

 騎士女王アンリエッタ、いや、敗北マゾの変態女アンリエッタのこの姿こそが、これからの自分たちの惨めな未来を示しているのだ、と。

 それを嫌でも感じながら、ブリテンの国民は一様にうなだれていくのだった。



 ◆



 かつてグレート・スペース・ブリテンと呼ばれていた国が、統一帝国シン・ブリテン自治領と呼ばれるようになって早くも一ヶ月が経とうとしていた。

 あの屈辱的な敗北宣言の映像から、あらゆるところにシンの国旗がはためくようになり、シンの軍人や文官などが大通りを肩で風を切ることにも見慣れだした頃である。

 歴史的に見て、グレート・スペース・ブリテンと統一帝国シンは、まだ人類が地球を母星としていた時期から強烈な因縁――というよりも、シンが大国ブリテンから一方的に被害を受けていたという史実が存在していることから、シンを母国とする人々はなんとも嬉しそうに、首都星ロンディニウムを歩いているのだ。

 それを、未だに敗北を受け入れられず、敗戦国の民が強制的に定められる『三級国民』として厳しい課税や就労の不自由に苦しんでいることから、忌々しげに、それでいて傲慢なシンの人間の視線から逃れるように俯きつつ、睨むことしか出来なかった。


「ふむ、ブリテンの不浄な空気も一ヶ月もあれば多少はマシになるようだな」


 そんなブリテン自治領ロンディニウム地区に、シンの偉大なる少年皇帝フウギ・エイセイが再度降り立ったのである。

 シンの歴史深い豪奢な衣服に身を包み、権威を示すシン式の王冠を被ったまま、シンの国旗がはためく星の姿を見て、なんともいやらしい笑みを浮かべるフウギは自身の中にある劣等感が完璧に払拭され、醜悪な自尊心が満たされていっていた。


「はい~。部下の報告ではぁ、色々と問題なく進んでいるそうです~」

「うむうむ! 人体改造室の第二支部! ユーロピア宙域の支配の足がかりとなる大切な場所だからな、シバイの右腕とやらも中々良い仕事をしていると報告は受けているぞ! あとで激励の言葉と褒美の品を届けてやらねばな!」


 ブリテン自治領には人体改造室の特別支部が設立されており、美人が多いと評判の女性たちや、銀河でもっとも優秀な騎士と名高い屈強な男たちの肉体と脳を改造し、シンに都合の良い存在へと改造していっている。


「ふーん、悪くないところですね❤ 初デートにはちょうどいいかも……ちゅっ❤」


 そう。

 今、すっかり少年皇帝フウギの『牝ペット』に変貌してしまった、かつてのアイドル総統『アデリナ・ヒンメル』のように、尊厳を蹂躙され人格を破壊された存在になってしまうのだ。

 脳改造手術で行えるのは常識の破壊と認識の誤認しか出来ず、完全に別人格を植え付けるというものはシンの技術では未だに行えていない――というよりも、皇帝フウギが好まない。

 あくまでどうしようもない『肉体』と『精神』を抱えながらも、それでも高潔な思いがあれば耐えられると『自惚れ』を抱いてしまう程度の状況で、その高潔だと勘違いしていた女たちが溺れていくことを、この歪んだ性根を持つ皇帝は好むのである。

 そして、ポッキリと折れてしまったものは、このアデリナのようになってしまうのだ。


「ククク……家畜同然の牝が崇高なる皇帝の朕と『デート』とは大きく出たな。貴様の傲慢、もはや心地よくすら感じるぞ、アデリナ!」

「はぁ~い❤ ありがとうございま~す❤」


 アデリナは銀河に蔓延するポルノ用語でいう『メスガキ』さながらに、目尻を下げて頬を緩ませつつ、それでいてどこか生意気な色の宿る笑みを浮かべつつ、瞳を潤ませながら上目遣いにフウギへと媚びていくのだった。

 しかも、かつてのスタイリッシュな軍服ではなく、シンの民族衣装の一つとされている『チャイナドレス』に身を包んでいる。

 それもただのチャイナ服ではなく、インナーと呼ばれるようなシャツもズボンも身に付けていないために、胸元にはハートマークで穴が空いて薄いおっぱいを見せつけつつ、さらには腰まであるスリットでその美しく細い生足が歩くたびに覗かれるという、シンプルでありながらもドスケベなチャイナドレスだった。


「あらっ❤ 出迎えが来たみたいね❤」

「皇帝陛下っ❤ このような辺境の田舎に足を運んでいただき、まことに感謝いたしますっ❤」


 そして、そんな変態衣装に身を包んでいるのはアデリナだけではない。

 少年皇帝フウギを出迎えるブリテン側もまた、美少女軍団を引き連れているかつての騎士女王アンリエッタを含めて、そんなドスケベなチャイナドレスを身にまとっていた。

 フウギ好みのまだ未成熟な美少女揃いの歓待に、薄い胸板と細い足を眺めながら下衆な笑みを浮かべていく。


「うむ……! アンリエッタよ、一ヶ月よく耐えた。報告は受けているぞ。貴様も朕の『牝ペット』に相応しい姿に変わった……とな!」

「あ……あぁっ❤ ありがとうございますっ❤ よもや、本当に私のような下品な女を、皇帝陛下の寵愛厚いペットにしていただけるなど……❤ 感慨無量とは、まさしくこのことですっ❤」

「ムハハハ! さあ、貴様のかつての宮殿へと連れて行け! そこで貴様の処女を――――」


 フウギの傲慢な、人間としての権利全てを否定するような言葉を投げつけられたというのに、アンリエッタはなんとも嬉しそうに頭を下げていった。

 そんなアンリエッタの卑屈な様子にフウギは満足気に高笑いを上げて、さらにはよりアンリエッタを貶めるような言葉を口にしようとした、まさにその瞬間だった。



「うおおおおおお! 悪逆皇帝、覚悟ぉぉぉぉっ!!!」



 ――――十人ほどの集団が、フウギへと襲いかかったのである。



「む、な、ななな、なんだ!?」

「皇帝陛下っ! くっ、貴様らっ……!」


 その中にはどうやらアンリエッタの近衛の騎士も含まれていたようで、十人の中の三人ほどがフウギへと迫ることに成功した。

 そのうちの二人はフウギ側の近衛が抑えられたのだが、剣を持った一人だけが大上段に振りかぶったまま、まさにその凶刃をフウギへと振り下ろそうとしたのである。

 生意気なメスガキペットでニヤニヤとしていたアデリナが、すぐさま真剣な顔つきになって、両手を広げてフウギの盾となっていく。


「この……痴れ者がっ!」


 だが、その凶刃はアデリナの身体にも、もちろんフウギの身体にも触れることはなかった。

 アンリエッタが添え物のように腰に佩かせていた剣を手にとって、その人物の両腕を肘の部分で見事に切断してみせたのである。


「貴様、皇帝陛下になんたる不敬を……万死に値する! このまま死ねると思うなよ……! 貴様には生きながらに罰を与えてやる! 死を望むようになってもなお生の苦しみで悶えて、ようやくその罪に見合った罰が与えられるのだ!」

「くぅぅぅっ……! こ、この……売国奴めっ……!」

「連れて行け! 皇帝陛下のお目をこれ以上汚すな!」


 騎士女王アンリエッタはその剣の腕前も超一流。

 人体改造手術によって調教を受けていた際には、常時与えられる強烈な快感によってまともに剣を振るうことも出来ない体となっていた。

 だが、つい半月前、フウギから『護衛もできるペットが欲しいな……男に付き纏われるのが不快なときもあるものだ』というつぶやきを夜伽の際に耳にしていたアデリナが、密かに人体改造室の室長であるシバイへと連絡を送って、特殊な薬で快感を抑えることでフウギに媚びるペットでありながら護衛としても役立てる『牝騎士』となるようにアンリエッタは調整をされたのである。


「申し訳ありません、皇帝陛下っ! まさかこのような醜態を晒してしまうとは……! この度、我らの命を持ってこの罪を――――」

「ク、ククク……ハハハハ!」

「こ、皇帝……陛下……?」

「良い! 良いぞ、アンリエッタ! これが噂の騎士女王の剣技か! なんとも見事なものだ、朕の護衛すらも上回る! ククク、それに……ドレスの奥からちらりと見えた、そのデカ尻の光景もまた素晴らしいものだ……! 実に気に入った!」


 フウギは襲撃に思わず動揺していたが、それを解決し、あまつさえかつての愛する臣民であったはずの、ブリテンのパルチザンの両腕を無慈悲に切断したアンリエッタに愉悦を覚えた。

 この素晴らしく美しく、自身の護衛すらも上回る実力を持つ少女騎士が自身のものになる。

 それに対して征服欲から生まれる興奮を抱かない人間は存在しないだろう。



「ゆくぞ! 血を見て高ぶってしまった!」



 ――――そうして、かつてのロンディニウムの重要施設であった『スペース・バッキンガム宮殿』にてアンリエッタを抱いていくのである。



「ほっ❤ ほっ❤ ほぉぉっ~~❤ どうぞ、奴隷騎士のチン媚びダンス、ご笑納くださいませっ❤ デカ尻ふりふりっ❤ ふりふり~んっ❤ オチンポくださいませっ❤ ケツ穴だけが開発されて未だにノータッチなオマンコを、皇帝陛下のオチンポでぶちぶち~って破ってくださいぃ~❤」



 その宮殿内で、アンリエッタはベッドに身を委ねることもなく、ベッドへと偉そうに腰掛けているフウギへと向かい、中腰のまま卑猥に腰をぶるんぶるんとものすごい勢いで振っていくのだった。

 普通の恋人関係ではまず行われない、女性側の地位を最底辺まで落としたことでやっと行われるであろう、屈辱的な想いを抱ける変態マゾだけが踊るチン媚びダンスである。


「ほっ❤ ほぉぉ~~❤ や、やっばっ❤ 腰を振ってるだけなのにイグっ❤ オマンコから愛液をダラダラ流れてしまうっ❤ こ、これが皇帝陛下の、眼力のお力かっ❤ ふぎゅぅぅ、イグぅぅっ❤」


 ぷしゅっ、ぷしゅぅぅ~❤


 さらに、その腰振りダンスを皇帝フウギへと献上しているというだけでアクメにも達してしまう変態っぷりだった。

 しかも、わざとその足元にはブリテンに伝わる宝剣が無造作に放り投げられており、アンリエッタのノーパンチャイナドレスから溢れ出る愛液で汚されていく。

 まともな手入れもされていないことから、このままではこの宝剣がサビてしまうことは間違いないだろうが、それもアンリエッタにとってはどうでも良いことだった。

 騎士女王と呼ばれていた、銀河でもっとも優秀な騎士であるはずのアンリエッタが騎士の誇りを捨てて、それどころか人から家畜に落ちることを望まんばかりの無様な姿は、少年皇帝フウギの『ツボ』にハマるには十分すぎるものである。


「クハハハ! ブリテン騎士の下品な舞は中々のものだな! 薄い胸に比べてむっちりなデカ尻のアンバランスさも実に卑猥だ! 良かろう、朕の寵を……貴様に与えてやる!」

「は、はいっ❤ ありがとうございますっ❤ そ、それではベッドへと向かいま――ふぎゅぅぅぅっ❤」


 ずぶりゅぅ、ぶちゅぅぅ! にゅぷぷ、ぶちっ! ぶちぶちっ! ぶちずぶぅぅっぅ~~!


「ほごぉぉぉぉっっぉ❤ しょ、処女っ❤ 処女、奪われてしまったぁ❤ す、素敵なロストヴァージン、妄想してたのにっ❤ 不意打ちで、ベッドでもない場所で、皇帝陛下に処女を奪われてしまった❤ おほぉぉぉぉぉ~~❤」


 喜び勇んだ様子でベッドに向かおうとした瞬間に、それよりも早くベッドを降りてきていたフウギが、アンリエッタの護り続けていた処女膜が情緒もなにもなくブチブチと破いていったのだ。

 大量の愛液で濡れそぼっており、さらに人体改造手術で処女でありながら柔らかな膣肉を得ているアンリエッタのオマンコは、処女だとは思えないほどスムーズに挿入を受け入れている。


「ククク! なかなかの具合の良さだな! 朕の持ってる『オナホ』の中でも上位に来るかもしれんな!」


 バンバンッ! バシンッ! ずぶずぶりゅ~~……バシィィンッ!


 フウギが立ちバックの体位でアンリエッタへと腰を打ち付けるたびに、粘度の高い白濁とした愛液がかき乱されていき、『スペース・バッキンガム宮殿』の一室の床へとぶちまけられていく。

 アンリエッタの媚びるように蠢く膣壁はフウギの巨根チンポに纏わりついていき、その摩擦が産む心地よい快感に少年皇帝はなんとも嬉しそうに目を細めるのだった。


「ほごぉぉぉぉ❤ ぉぉお、おぎひぃぃっぃ❤ ち、チンポっ❤ オチンポ気持ちいいっ❤ 体重の乗った、す、素晴らしいピストンですっ❤ 雑魚牝の騎士は、こ、このオチンポだけで完敗です❤ もっともっと、敗北マゾの変態騎士をたっぷりと打ち負かしてくださいませぇ❤」

「フハハハ! わかっているではないか! 騎士女王などと言っても所詮は騎士の延長に過ぎん! その騎士という武芸者をまとめる将軍、その将軍さえも跪く皇帝の前では単なる塵芥だ! それを……この子宮を叩く男根の威容とともに覚えておけ!」

「はぎぃ、はひぃぃいっっ❤ お、覚えましたぁ❤ こ、これまでの度重なる無礼を、お許しをぉぉっ❤❤❤❤」


 そのピストンを受けるアンリエッタは白旗を振るように腰をクイクイっと動かしてセックス奉仕を行いつつ、徹底的に己を卑下しながら同時にフウギを持ち上げる言葉を口にするのである。

 今でこそ天運に恵まれて己の地位を維持できているが、一時期は傀儡皇帝として軽んじられていたこともあるフウギは為政者としての劣等感に満ちた存在だった。

 特に、同年代の若き天才と称されていた、美少女アイドル総統であるアデリナ・ヒンメルや騎士女王であるアンリエッタ・アーサー・ブリテンなどは目の上のたんこぶそのもの。

 さらに、アンリエッタに至っては周目の前で苦言を呈されて恥をかかされた過去まであるのだ。

 そんなアンリエッタが敗北を認めて自分を持ち上げてくる――これ以上の快感はないだろう。


「くぅっ! そ、そろそろ、射精するぞ! オマンコもひくついて締め付けが最高潮と見た! 処女マンコでの奉仕の褒美を与えてやろう! さあ、全てを受け止めよ!」

「おひぃぃっっぃ❤ あ、ありがとうございますっ❤ 陛下の高貴なる聖液を余さず受け止めてみせますっ❤ どうぞ、私の胎に崇高なる子種を注ぎ込んでくださいませ❤ あぁ、陛下、皇帝陛下っ❤ 我が王、愛しておりますぅぅっ❤❤❤❤」


 どびゅるるぅ! びゅびゅっ! どぶびゅっ! びゅくびゅくっ! どぶびゅるっるぅぅ~~!


「おぎょひぃぃぃっっぃっぃ❤ ス、凄いっ❤ 意識が遠のくっ❤ 膣内射精をしただけで、おほぉ❤ 意識を刈り取られたような衝撃っ❤ こ、これが偉大なる我が王の威光、なのですねっ❤ おほぉぉ❤ イグッ❤ 膣内射精でイッグゥぅっっぅっ❤❤❤❤」

「くぅっ! あ、暴れるなっ、このバカ牝め! 朕が射精をしているのだから、くぅっ、アクメの感謝をしながらも快感に耐えるのが朕の牝の務めだぞ!」


 最強の騎士と名高いアンリエッタの、その肩書の割には小さな背中へとフウギはのしかかるように体を前かがみにさせて、激しい射精を行っていく。

 アンリエッタは膣内射精の快感で全身を大きく痙攣させ、フウギもまたアンリエッタほどではないにしても体を快感でぶるぶると震わせて、その精液を全て注ぎ込むのだ。

 アヘ顔を浮かべて快感に悶える女へと精液を注ぎ込んでいくそれは、どんな行為よりも強烈に征服欲を満たしてくれる、男ならば誰もが望む最高の快楽行為であった。


「んごぉぉ、ぉぉぉぉ~~……❤ おひぃ、ふほぉぉ……❤ し、幸せ、ですぅっ……❤ 陛下の、牝になれて良かったぁ……❤ 我が王ぉ……❤ 騎士女王などと調子に乗っていた私を、どうか改めて躾け直してくださいませぇ……❤」

「ク……ククク! フハハハ! あの騎士女王が、なんとも無様な、ハハハ……! たまらんな、このセックスとは違う、ゾクゾクとする快感は……!」


 アンリエッタはアクメ絶頂による快感が強すぎたのか、フウギがチンポを引き抜いていくとそのまま意識を失って床に倒れ込んでしまった。

 それを見たフウギはセックスによる快感とはまた異なる、憎い相手を蹂躙して支配したからこその快感に身を震わせるのである。


「あらあら……❤ せっかく皇帝陛下に抱いてもらったのに感謝のフェラも出来ないなんて……❤ 私ならこんな無様を晒さないのに❤ それでは皇帝陛下、貴方様の牝ペットであるアデリナがお掃除フェラをさせていただきますね❤ むちゅぅぅ~~❤」


 そして、バッキンガム宮殿の一室の中で控えていたアデリナが、抱き潰されてしまった無様なアンリエッタへと嘲笑を向けながら、迷うことなく床に膝をついて献身的なお掃除フェラを開始した。


「んじゅるうぅぅぅ❤ ちゅぅぅ、れろえろぉぉ❤ じゅる、むちゅぅ、ちゅぅぅ❤ ちゅっ、ちゅっ❤ れろれろぉぉんっ❤」

「クク……なにが無様を晒さないだ、アデリナ! そのような鼻の下を伸ばしたバカ面を晒してチンポを嬉しそうにしゃぶっている貴様が無様ではないというのか!」

「やぁ~ん❤ それは皇帝陛下の勘違いですね❤ アデリナは別に、じゅるるるぅ❤ 皇帝陛下のオチンポが欲しくて欲しくて仕方ないバカ牝と一緒に、れろれろぉ❤ しないでほしいわね❤」


 フウギはものすごい音を立てながら自身のチンポへとお掃除フェラをしているアデリナをバカにするように笑うが、アンリエッタはどこか淫靡で生意気な笑みを浮かべてその言葉に反論をする。

 だが、その際に熱烈で愛情すら感じるお掃除フェラは止めることはなく卑猥な音を鳴り響かせているアデリナを見れば、それはあくまで『誘っている』というだけなのだ。


「ククク……ハハハハ! まさに、我が世というべき楽園だな、これは!」


 元・騎士女王アンリエッタ・アーサー・ブリテンを犯した後に、元・アイドル総統アデリナ・ヒンメルのお掃除フェラを受ける。

 こんなことが出来る人物、銀河の中で少年皇帝フウギ・エイセイただ一人なのだ。

 その事実が、これ以上ないほどにフウギを満たしてくれる。

 だが、まだ足りない。

 もっともっと、貪欲にすべてを求める。

 シンの神話にも残る、あらゆる全てを食べ尽くす怪物の『饕餮』さながらに、その餓えは治まることなどなく、銀河を巻き込んでいくのだ。


 そう。

 これは銀河のとある時代の一幕。

 『銀河統一帝国シン』が誕生した、その偉大なる『銀河始皇帝』の裏にあった、歪みに歪んだ性根の物語なのである――――。


(終)


Files

Comments

koinj

好き❤

あでのい

前作も好きだったので、続編喜ばしいかぎりです。 それはそれとして、ヒロイン名が2つ混同しているよーな......(なんか説明見落としてたらすみません