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02:ドリームワールド❤~あなたに都合のいい多重クロスオーバーで現パロ風のエロ世界~(前編)(耳舐め手コキ)

前) ───────────────────────────────────────────────  理想の現パロ多重クロスオーバー世界・『ドリームワールド』に、『夢野公男』が来てから最初の一日が終わった。  と言っても、このドリームワールドの初日とは夕方から訪れての一日であるため、より正確に言えば『半日』と呼ぶべきだろうが、ともかく、その異...

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 夢ノ国学園はスポーツも盛んであり、空手に柔道、剣道に合気道などの様々な武道が部活動を行うため、武道場だけでも五つも存在するような学校なのだ。

 そのうちの一つが、今、公男が畳の上で胡座をかいている第三武道場、通称で剣道場とだけ呼ばれている場所である。


「やぁぁぁっ!」

「甘いっ! 胴っ!」

「ひゃぁっ!?」


 公男の目の前で、白と黒の剣道着に加えて防具を身に着けた二人の少女が、竹刀を握って『試合稽古』を行っていた。

 これは剣道部の活動ではなく、高等部の授業の一環である。

 高校という名目とは裏腹に、夢ノ国学園高等部のカリキュラムはほとんどが選択授業で、生徒自身がコマを埋めていく、言うならば大学と同じ形式であった。

 そして、先ほど教育カプセルの話が出たようにその内容はほとんどが専門的な分野か、あるいは『料理』や『性奉仕』と言ったようなドリームワールドだからこそ許されているような、男に媚びるための授業なのである。


 公男は特待生であるためほとんど自由にどの授業もいつでも受けられると、別の授業へと向かってしまった雪姫から別れ際に説明をされたのだが、自由とはともすれば不自由以上に不自由なものだ。

 果たしてどのような授業に行けば良いのかと頭を悩ませていたところを────。


「ふふ、どうだ。姉の勇士をしっかりと見届けたか?」


 ────このアルトリアと再会したのである。


「あ、うん。やっぱりアルトリア姉さんってめちゃくちゃ強いんだね」

「当たり前だ、全国三連覇だぞ。大学の連中にも負けん自信がある……いや、自信というより実績か。誇るが良い、お前はそんな姉を持てている恵まれた弟なのだとな。大学を卒業してプロ入りした時のため、弟であるお前だけにこのサインを渡そう。ネット販売は全然OKだ、お前が望めばもっと書いてやるからたっぷりと高値で売ると良い」

「あ、オレは転売とかNGだから一枚だけでいいよ」

「さすがは我が弟だ、倫理観も完璧だな」


 次の授業をどれにするか迷っていると聞くと、アルトリアは姉らしい横暴さで公男の腕をひっつかんで自身の次の授業へと連行したのである。

 それが、密かに習っている料理の授業だとすれば、そのようなことはしなかっただろう。

 基本的に『食べる専門』であるアルトリアの料理はイマイチで、家庭料理に関してはエリカや榛名といった一流シェフに次ぐほどの実力を持つものと比べればなんともお粗末なものだ。

 もう少し、この料理の授業で男に媚びるにふさわしいものを作れるようになってから愛しい弟へと振る舞おうと考えているアルトリアのなんといじらしいことか。


「しかし、うむ……❤ やはり、我が弟は剣道着も似合うな❤ 凛々しくてっ……す、素敵だぞ❤」

「あ、どうも。変じゃないかな?」

(中学も高校も、体育は剣道じゃなくて柔道だったから、こういう袴を着るのは初めてなんだよな)


 さて、話は戻って、そのような料理の授業ではなく剣道の授業であった。

 夢ノ国学園高等部剣道部の主将であるアルトリアは、全国大会を連覇中の女剣士だ。

 すでにプロリーグ──そう、このドリームワールドには剣道や空手などの武道のプロリーグが存在するのである──へと勧誘を受けている世代最強剣士は、男も含めてこの夢ノ国学園では敵なしの存在であり、いまこうして剣道着に身を包んで剣道場に立てばどのような蛮行も許される、一種の女王のような強権を振るうことも可能なほどである。

 そのため、大好きな弟を連れ込んで剣道着にコスプレさせてニヤニヤと嬉しそうに見つめ、さらには他の女子生徒や、場合によっては男子生徒を叩きのめして自分の強さをアピールしている、『授業』というものから乖離しだしている今の状態も、誰も止めは出来なかった。


「アルトリアさん」

「むっ……!」


 いや、それでも弟とイチャイチャラブラブとしているアルトリアに待ったをかける人物が一人だけいた。

 それこそがアルトリアのライバル、同じ学園の出でありながらも、個人戦出場枠を分け合うことで常に地区予選の決勝を『同門対決』にしている、アルトリアに次ぐ天才剣士。

 それこそ、インタビューでは『一番の敵は身内にいるからな』とまで言わしめた、アルトリアがいるために全国優勝はもちろんのこと全国大会にすら出場できないままでいた、不遇の存在。


「斑鳩か……」

「なんと腑抜けた剣ですか。貴女が特待生である弟さんに夢中なのは知っていましたが……それでも、今日の剣はあまりにもひどい。浮かれている上に、そもそもの動きが悪い。終生のライバルと目してきた貴女の堕落、とても残念に思いますよ」


 斑鳩。

 正式な名を、鳳凰斑鳩という美少女剣士であった。


(斑鳩……! 閃乱カグラのい、斑鳩だ!)


 当然、その斑鳩もかつて公男が居た世界での二次元美少女キャラクターをモデルにした存在である。

 『爆乳ハイパーバトル』というふざけたジャンルの『閃乱カグラシリーズ』に初期から登場するキャラクターであり、美しい黒髪を姫カットに整えて、一分の隙も感じさせない鋭い視線を宿した、理知的でクールな印象を与える大和撫子然とした────爆乳美少女だ。

 そう、どんな特徴を口にしようとしても、閃乱カグラのキャラである限り避けられないのがその胸の大きさである。

 しかも、公男の好みに合わせたのか、ただでさえ爆乳が特徴の斑鳩の胸は、抑えつけられた剣道着越しでもくっきりと形がわかるほどに豊満化しているようにも見えた。


「言ってくれるではないか、斑鳩……今の私はその言葉を優しく受け流すことなどできんぞ。かわいい弟の前で侮辱されたのだからな……!」

「侮辱ではありません、事実です。それを受け入れられないのならば……今ここで、剣で決着をつけましょう!」


 そんな斑鳩はどうやらアルトリアへと『因縁』をつけているようだった。

 確かに、アルトリアは調子に乗りすぎていたのは事実っだろう。

 この剣道の授業を完全に私物化し、将来的にプロ入り確実の優等生という立場を傘に来て、弟にいいところを見せるためだけの場にしたのだから。

 それだけでも、正義は完全に斑鳩にあるが、あるからと言って愛しい弟の前で注意を受けた冷徹な暴君であるアルトリアがそれを聞き届けるはずもない。

 バチバチと火花を散らす二人の視線は、ついに『決闘』にまで発展するのだった。


「いい度胸だ……叩きのめしてやろう、斑鳩! 次の大会にまともに出れると思うなよ!」

「望むところです! 防具などという、生易しいものを付ける必要はありません! はぁぁっ!」

「公式ルールだ! 魔法でやるぞ! ハァァッ!」

「えっ!? えっ!?」


 そうすると、奇妙なことが起こった。

 先ほどまでは剣道着の上に防具をつけて行う、言うならば公男の知る普通の剣道だったはずなのに、アルトリアと斑鳩が裂帛の気合を込めた叫びをあげると、二人の身体を真っ白な光が包んでいったのである。


「逆鱗に触れたな……! アルトリア、出るぞ!」

「斑鳩! 正義のために舞い忍びます!」

(うえええええ!? へ、変身した!?)


 その眩さに思わず目を瞑った公男がまた目を開くと、先ほどまでは剣道着に身を包んでいたはずのアルトリアと斑鳩が、全く別の姿に一瞬で変わっていたのである。

 アルトリアは原作の一つであるFate/Grand Orderでもおなじみのくすんだ黒いドレスを身にまとい、やはり黒く濁った聖剣エクスカリバーと思われるものをギシリ握りしめていた。

 一方で斑鳩もまた原作での善忍としての衣装である白の制服とスカート、そしてむっちりとした柔らかな太ももを黒タイツで包みこみ、その手には愛刀である飛燕を握った、見慣れた服装となっている。

 

「そ、そういう世界なんだな……なのはシリーズ混じってるなら、非殺傷システムとかもあるってことか……?」


 もはやすっかりと順応性を高めていた公男は、この世界においては、プロリーグ化もされている剣道の公式ルールはこういうものなのだと受け入れることが出来てしまった。

 先ほど、フェイトやキャロ、エリオなどの姿を見かけたことで『魔法』の存在が頭の中に入ったことも大きい。

 すなわち、防具に身を包む代わりに、進歩した科学技術で特殊な衣装に身を包み、それぞれの武器を用いて非殺傷な手段で戦うのだ、と。


「これは面白いことになってきたな」

「えっ、雪姫先生!? なんでここに!?」

「雑務を終わらせてきた。私も女というべきか……お前が気になってしょうがないということだ。解説役だとでも思え」


 そんな二人が剣を携えて向かい合っている中で、やはりエッチな女教師という漠然としたイメージを明確な形にしたかのような雪姫先生が再び現れたのである。

 雪姫は公男の背後から抱きついてその爆乳を押し付けていきながら、やはり甘さすら感じる吐息を吹きかけながら耳元で囁きかけていく。

 先ほどの耳舐め手コキを嫌でも思い出してしまう感覚に、公男は早々に勃起をしてしまった。


「プロリーグの剣道ではそれぞれのユニフォームの装着と非殺傷システムを搭載した武具での戦いが義務付けられる。それは高校剣道でも同じだ。練習やセレモニーでのみ、数十年ほど前も使っていた剣道着と防具を身につけて竹刀を使用するが、まあそれは単なる儀式的な様式美だ。

 つまり……先ほどまでの授業としての剣道ではない、高校剣道界でトップとなる二人の本物の剣道が見れるということだ。ギャラリーも集まってきただろう?」

「あっ、本当だ……!」


 向かい合っているアルトリアと斑鳩を認識したのか、先ほどまでは授業を行っていた生徒たちが男子も女子も問わずにざわざわと二人の周囲に取り囲んでいる。

 それは二人の美少女剣士が、このマンモス学園の中にあっても多大な知名度を持つ存在だということがよくわかる様子だった。


「うおっ……! アルトリアさんの爆乳ドレス姿最高っ……! 鎧のかっこいい時も好きだけど、あの爆乳を隠しきれてないドレス姿が一番好きなんだよなぁ……!

「オレ、動画サイトにアガってる全国大会の時の映像で未だにシコリまくってるわ……! 剣道部の活動はアルトリアさんと斑鳩さんの人気が高すぎて基本的に見学禁止だし、今のうちにナマの爆乳剣士を目に焼き付けとかないと……!」

「うぅ~! 姫カット美少女剣士の斑鳩さんかわいすぎる……! 爆乳もノーブラなのかってぐらいぶるんぶるん揺れてるし、こ、これはたまらん……!」

(いや、でも男子はそういう純粋な、スポーツマン的な観点の観戦じゃないような……?)

「…………まあ、公男。お前はあいつらのようにはなるなよ」


 だが、男子生徒たちは剣の腕前がどうこうという話ではなく、ドリームワールドの剣道が魅せる二人の魅力的なバトルヒロイン系コスチュームに釣られてやってきたようである。

 猿顔エロモブの複数の生徒たちの声を聞いて、女である雪姫は不快感を覚えたのか僅かに眉をひそめたが、公男はむしろその猿顔エロモブたちの言葉に全面的に同意だった。

 男ならば、このミニスカエロ爆乳剣士たちの姿を目に焼き付けようとするのは至極当然のことなのだから。

 そんな中で、二人は激突した。


「それでは、参ります!」


 先に仕掛けたのは斑鳩。

 目にも止まらぬスピードで距離を詰めると、エクスカリバーでは届かぬギリギリの距離で長剣の飛燕を横薙ぎに振るうことで先手を取ろうとしたのだ。


「甘いっ! 相変わらず単純な剣筋だな!」


 だが、そこからアルトリアは背後に下がって避けるのではなく、さらに前へと踏み込んでいった。

 胴に直撃して、ドリームワールドのルールならば一本を取られても不思議ではないその攻撃を前に進み、地面へと沈み込むような低さで動くことで飛燕を掻い潜る。

 そうして、懐に飛び込むことで、飛燕が持つ長さというメリットをデメリットに変えたのだ。


「くっ……!」

「ちぃっ……!」


 一転して有利になったアルトリアだが、しかし、斑鳩は長物である飛燕を見事に翻してエクスカリバーの一撃を受け止め、さらには見事な足さばきで距離を取り直す。

 そこからアルトリアがまた攻め込めば優位になるはずなのだが、その際に飛燕がその素っ首を撫でるように動いていたため、つまりは攻撃を仕掛けてきたために、アルトリアもまた追撃を行うことが出来なかった。


「す、すごいっ……!」


 その一瞬の攻防だけでも、本当に瞬きの間に行われる速さであった。

 まともな人間では脳はもちろん目も追いつけないようなスピード感を誇る、ドリームワールド式の剣道に思わず生唾を飲む。

 攻めていた方が受けていて、受けていた方が攻めている。

 なるほど、普通の剣道とは大きく異なり、そして、その大きく異なる剣道を劇的に魅せることが出来る美少女キャラクターが居るのならば、これは確かにエンターテイメントとして成立し、興行プロスポーツ化するのも納得というものだ。


「ハァァァァッ!」

「スゥゥ……フンッ!」


 そして、その戦いはどんどん加熱していく。

 ついにはアルトリアと斑鳩の細かな動きを完璧に見続けることも出来ずに、エクスカリバーと飛燕が描く剣閃しか見えなくなってきたほどだ。

 この二年の間、高校剣道界では、『夢ノ国学園を制するものは全国を制す』という言葉がある。

 それは真実だ。

 アルトリアが斑鳩に勝てばアルトリアが全国制覇を成すだろうし、逆に斑鳩がアルトリアに勝てば斑鳩が全国制覇を成すだろう。

 高校トップのぶつかりあいは、学校の一授業で見れるようなものではないのだ。

 今日はどちらが勝つのか、それは素人である公男にはさっぱりわからない。


「……アルトリアが敗けるな」

「えっ!? それってどういう────」


 だが、只者ではない外見をしていて実際に只者などではない、美人教師の雪姫はたやすくこの勝負の結果を見抜いてしまった。

 雪姫の言葉の意味がわからない公男がその真意を聞こうとした、まさにその瞬間だった。

 ワーッ、と。

 周囲の生徒たちから歓声と悲鳴が同時に挙がったのである。


「なんだ?! って……アルトリア姉さん!?」

「くっ……不覚っ……!」

「やはり、今日の貴女は動きに精彩が欠きます。それもこれも、そこの弟くんに気を取られ、身も心も隙ができたからでしょう? 一から稽古のやり直しをおすすめします、アルトリア」


 なんと、そこにはエクスカリバーを手放したアルトリアが床に尻餅をついて、さらには眼前に飛燕を突きつけられていたのである。

 誰がどう見ても、アルトリアの敗北であった。


「言っておくが、別に『斑鳩のほうが格上になった』というわけではない。今日のアルトリアは明らかに動きに問題があった。普通の剣道を習ってる程度の高校生ならばアルトリアも惰性で蹂躙できようが、ライバルである斑鳩相手ならばこうなるのは当然だ」

「そう、なんですね……姉さん、体調が悪かったんだ」


 まだ、記憶の上ではたった一日だけの関係だというのにすっかりアルトリアのことを『姉さん』と呼ぶのにも慣れてしまっている公男が心配気な視線を向けると、雪姫はなんとも面倒くさそうにため息を一つついた。


「……人ごとのような顔をしているがな、公男。どう考えてもアルトリアが負けたのはお前のせいだぞ? お前との『熱い夜』が及ぼした影響で、下半身がドロドロに蕩けきっているということなんだからな」

「え、えぇ!?」


 まさかの敗因は自分であったことに驚く公男とそれをなんとも複雑な目で見つめる雪姫。

 一方で、それを他所にして、斑鳩が高らかに、そして怒りすら籠もっている声でアルトリアの『気の緩み』を糾弾していくのだった。


「わかったでしょう、男へと媚びへつらうように体を寄せて、自身より明らかに劣るものを倒す様を自慢気に見せつける貴女の堕落した性根がその結果を産んだのです! 勝敗を分けたのは技量ではなく、精神! 今の貴女では私はもちろん、他の真剣に剣の道を歩むものにも勝つことは出来ないでしょう!」

「なっ……斑鳩、貴様……! ただ一度勝てただけで偉そうに……! いつも叩きのめされてる私に奇跡的に勝てたのが、そんなに嬉しかったか……!?」

「その一度がどれだけ大きなものかわからぬ未熟者の言葉に私の心は揺れません! 今すぐにでもその弟さんとの距離を改めて、その黒剣と真摯に向き合いなさい、夢野アルトリア!」

「くぅぅ~~!」


 そして、言論の上でも完封されてしまったアルトリアはなんとも情けのない唸り声をあげることしか出来ない。

 どうなるのかとハラハラと見ている公男と、調子に乗っていたアルトリアにはいい薬だなと笑っている雪姫に対して、斑鳩の視線が向かう。


「見るに、確かに特待生としての雰囲気はありますが……弟さんはさほどの人間には見えませんね。確かに私の友好関係の中では彼へと好意的な意見は大きいですが、それでも剣に捧げた私の心を惹くほどではありません。身内の情はよほど大きいようですが、一度、冷静に彼のことを見つめ直してみるのもどうですか?」

「え、オレ?」

「なっ……!? 斑鳩、貴様……! 公男を愚弄するか!?」

「ほう。どうやら、調子に乗っていたガキが叩きのめされたと思ったら、また別の調子に乗ったガキが現れたようだな……!」


 斑鳩は飛燕を翻し、その剣先でビシッと公男を指しながら、公男のことを『特待生と言われているが、そこまで大した男ではない』とまで言い出したのである。

 アルトリアは自身のこととなれば未熟だった我が身が悪いと、なんとか抑え込んでいたものの、それこそ目に入れても痛くないほどに溺愛している愛弟を愚弄されたと判断して再び牙を剥くように斑鳩へと食って掛かった。

 さらに、隣りにいた雪姫も額にビキビキと血管を浮かばせるほどの怒りを示している。


「事実でしょう。中等部から高等部へと進学できなかった男子の、『セックスしか脳のない男性だ』という陰口を鵜呑みにするつもりはありませんが、私の目にはさほどの大人物には映りませんね」


 だが、雪姫という学園でも『恐ろしい人物だ』と一目置かれている存在の怒りを買ったことにも、斑鳩は気づいていないようだった。

 これはアルトリアに勝ったことで、斑鳩の中にも存在していた『醜い自尊心』のようなものが刺激されてしまい、アルトリアに『マウント』をとることに必死になってしまっていたからである。

 本来ならば、礼儀正しく実直で、弱き者にも優しく慈悲深い、その生まれも『鳳凰グループ』という旧財閥という立派な背景を持つ、そんな理想的な大和撫子である斑鳩がこのようなことを口にすることはないのだから。


「あのガキ……さすがに我慢ならんな!」

「ちょ、ゆ、雪姫先生……! 抑えて、抑えて……って、え!?」

「ほら、さっさと言って叩きのめしてこいっ! お前が牝に負けるわけがないんだからな!」


 ついに怒髪天を衝く勢いで動き出した雪姫を抑え込もうとした公男だが、何故だかその首根っこを掴まれて、思い切りアルトリアと斑鳩のにらみ合いの中心に投げ込まれてしまったのである。

 ぽかんとした状態で尻餅をついたまま、その試合場の中心に叩き込まれた公男を見て、ギャラリーはさらに盛り上がっていた。


「えっ、あれって……公男くんだ❤ お姉さんの敵討ちなのかな❤」

「おぉ……! 夢野って意外と男気があるんだな! いいやつだとは思ってたけど、気合も入ってんのか!」

「公男くん頑張れ~❤ 斑鳩先輩やっつけちゃって~❤」

「そうだそうだ、あんだけ言われたら本人も黙ってらんないよな! 女性上位な剣道部の二大女王の一人、一矢報いてやれ!」


 女子生徒から好意的な黄色い声が湧き出るのはもちろんだが、意外なことに男子生徒からも応援の声が湧き上がってくる。

 もちろん、女子生徒は公男へと無条件な好意を抱いているし、剣道の選択授業を取っていても剣道部に入っているほど『ガチ』ではないため本気で斑鳩を倒しちゃえという声援がある一方で、強さというものにより敏感に男子生徒は勝てはしないだろうが一撃でも食らわせてやれという声援で違いはあるのだが。


「……なるほど、謝りましょう。姉のため、自身の名誉のためにこの場に出てきて私と戦う気概はあるようですね。特待生という肩書、そして、『本当の男性』という呼称に対する誇りのようなものは持っている、一人の立派な男性というわけですか」

「公男……❤ お前は、あ、姉のために……❤ うっ……❤ こ、こういうことをされると、私らしくなくときめいてしまうではないか……❤」

「ほら、始めろ! 立会はこの雪姫がやってやる! ちなみに斑鳩、お前はそのままでいいが、公男は専用の武器もユニフォームも持っていないんだから、さっさと防具と竹刀を持て!」

「え、ええ……?」


 その姿を見た斑鳩は感嘆の声を漏らし、アルトリアは乙女らしい高鳴りを覚えてしまい、雪姫は幼い時分から見込んでいた男の素晴らしさを見せつけてやらんとばかりに声を出していく。

 一方で公男の頭の中にははてなマークで埋め尽くされている。


(ま、まあ……こうなったらやるしかないか。どうせ勝てないんだし、とりあえず勢いでぶつかって負けちゃおう)


 埋め尽くされていたが、それでも公男の最大の特徴──いや、才能は『流されること』であるため、カチャカチャと防具を身につけていくのだった。

 物わかりがいいことも考えものである。


「それでは、向き合って!」

「手加減はしませんよ、弟さん。アルトリアさんが剣の道に再び邁進してもらうには、貴方に負けてもらうことも必要だと感じていますからね」

「あ、はい。よろしくお願いします」


 最初の立ち会う様子すら普通の剣道とは大きく異なり、剣を正眼に構えて立った状態で視線を交わしていく。

 公男は剣道と言われて一般的に想像する防具を身につけていて、斑鳩は原作ゲームの中の衣装に身を包んでいるという、ドリームワールドでなければなんとも奇妙すぎる姿であったが、公男にとってはそれどころではなかった。


(うおぉっ……! しょ、正面から、そんでこの距離からだと、すっごいエロいな……! いや、元々斑鳩は好きなキャラだから、体つきのエロさがさらにオレ好みになっているというか……! 服で抑えつけられてるはずの爆乳は頭ぐらい大きいし、それなのにコルセット入れてんのかってぐらい腰はくびれて、だけどスカートから溢れ出しそうなぐらいのデカ尻……! 黒タイツのむっちり太ももと長い脚は完璧すぎるだろ……!)


 ジロジロ、と。

 向き合った状態であり、さらには面で視線がはっきりとわからないであろうこと(もちろん、実際はそんなことはないのだが剣道経験のない公男は気づいていない)を良いことに、斑鳩のドスケベボディを視姦しだしたのである。

 真剣に剣と向き合っている斑鳩に対して、なんとも最低の男だ。


「それでは、初めっ!」

「っ…………!」


 先ほどのアルトリアとの激闘を見れば、開始早々に斑鳩に面か胴を打たれて終わると予想していた公男だったが、意外なことに斑鳩の動きはピタリと止まったままだった。

 ならば、こちらから攻めるかというと、先ほどの試合とそもそもの原作での超人じみた動きを知っているために、中々踏み込むことが出来ない。


(なんか、動かないな……良いや、この際もっと斑鳩のエロボディ観察しとこ。アルトリア姉さんに近いけど、姫カットの黒髪ロングが違う印象を与えるからめちゃくちゃ興奮するんだよな……!)


 自然とふたりとも仁王立ちのように剣を構えたまま一歩も動かない膠着状態が続いてしまい、それを理由にさらに視姦を続けていく最低の男が公男である。

 両手で握った竹刀の他に、もう一本の剣がむくむくと起き上がっていく姿を防具で隠せているのは幸いと言えるだろう。


(隙があるのに……動けないっ! あ、あの視線を……私のすべてを見通すような視線に、動けなくさせられている!)


 一方で、斑鳩が動けない理由はまさにその視姦が理由であった。

 斑鳩は、面越しに感じるその視線に畏れを覚えたのである。

 己の一挙一動のすべてを見透かされているような、鋭い眼光。

 マーリンによって植え付けられた、ドリームワールドの牝ならば当然として備え付けているはずの『感度』、つまりは公男に惚れてしまうという『乙女回路』の動きが斑鳩は非常に悪い。

 それはこの試合の前の公男へと突き放すような言葉からもわかるが、それでも斑鳩は牝なのだ。

 その一度も覚えたことのない感覚を、斑鳩は『強者を相手に覚える恐怖』だと認識した。


「はぁ……はぁ……❤」


 だが、それは恐怖ではなく単なる欲情に過ぎない。

 公男の視姦を受ければ、自然と体の芯がぐじゅぐじゅと蕩けだし、モジモジと体を蠢かしてしまい、その視線にもっと晒されたいという欲望が湧き上がってくる。

 自然と漏れ出した吐息は甘いものが混じり、顔は紅潮を初め、しっかりと大地を踏みしめていた脚は内股へと頼りなさげに歪んでいく。

 それは、このドリームワールドの創造主であるプロト・マーリンによって定められた、絶対の法則なのである。

 これに抗うことは出来ず、これがあるがために夢野公男は永遠に甘美な極楽を味わえるのだから。


(……あれ? 体調が悪い……? アルトリア姉さんとの試合が負担になったとかかな……? 魔法とか絡んでるとよくわかんないや)


 ドリームワールドの牝として斑鳩に起こった自然な反応を至近距離で見た公男だが、あろうことか、それを発情ではなく体調不良だと認識してしまったのである。

 長年、素人童貞であったことに加えて、公男自身がどこかお気楽で軽薄な一面があるために起こった考えと言えるだろう。

 フラフラと揺れる様子は剣道における術のようなものではなく純粋な体調を崩した反応だと思った公男は、試合を中断する必要もあるかもしれないとスルスルと近づいていったのである。


「なっ……!?」


 しかし、斑鳩からすれば自身の動きを見切ったかのように睨みつけてきていた相手が、隙だらけとも言える無造作な動きで近づいてきたのだ。

 恐ろしかった。

 思わず、といった反応で自身の愛刀である飛燕を翻して、その面を打とうとした。


「おっと?」

「えっ…………?」


 だが、その剣閃は篭手をつけていた公男の手に簡単に捕まえられてしまったのである。

 終生のライバルであるアルトリアであっても紙一重で避けるのが常である、斑鳩の必殺の面打ちを、まるで暖簾を払うかのような気軽さで、だ。

 斑鳩は何が起こったのかわからない様子でぽかんと公男を見つめることしか出来なかった。


「えっと、面」

「あっ……」


 だが、そんな斑鳩の顔へと竹刀を添えるように公男は面を打った。

 公男の勝利である。


「そ、そんな……どうして……?」


 なんてことはない。

 斑鳩は公男と相対して初めて牝の本能に目覚め、そんな偉大な雄様である公男に剣を向けることなど出来ないという牝のいじらしい本性によってヘロヘロとした攻撃を放っただけなのである。

 それこそ、初等部の子どもでも掴めそうなスローモーションな刀を、やはり剣の心得などこれっぽちもない公男の面を避けることも出来ずに受け止めてしまう──それが、ドリームワールドの牝が公男という雄には絶対に勝てないという法則が現れた結果なのだ。


「勝負ありだな。斑鳩、わかったか? 公男の特待生という肩書は伊達や酔狂というわけでは──」

「あっ、すみません、雪姫先生。斑鳩さん、体調が悪そうだから保健室に連れていきますね?」


 そんな呆然としている斑鳩に対して、エリカの親友であるために赤子の頃から公男を知っているというキャラ付けをされている雪姫が、まるで我が事のように偉そうに語ろうとするが、それは公男が途中で遮ってしまう。

 あまりの出来事に呆然として視線をフラフラと動かしている斑鳩の姿を、公男はどうやら著しい体調不良だと判断したようで、斑鳩の体をお姫様抱っこの形に抱え込んでいった。


「えっ、あっ❤ お、お姫様、抱っこ……❤」

「斑鳩先輩、我慢してくださいね。今から保健室に連れて行くんで」

「は、はいぃ……❤」


 斑鳩は生まれて初めてとなる男の子からのお姫様抱っこに胸と子宮をキュンキュンと高鳴らせ、自分を正面から叩きのめしたかっこよすぎる雄様へと熱い視線を向けていた。

 そんな二人を見送っていった剣道場の群衆は、今の試合のことについて語りだしていく。


「あっ、斑鳩先輩って体調が悪かったんだ……アルトリア先輩との試合で精根尽き果てた、って感じなのかな?」

「まあ、プロの剣道の試合ってすげーハードだっていうもんなぁ……そこで休みも入れなかったから夢野が勝ったってわけ?」

「そうだよねぇ。いくら公男くんでも素人なんだから、剣道部の二大女王の片方には普通なら勝てないよね」


 どうやら、群衆たちは斑鳩の体調が悪いのだと判断したようである。

 それでいて、プロ剣道の試合では死闘の末にわずか5分ほどの試合で体重が一度に5キロも落ちていたという逸話が残っているため、『そんな体調不良の斑鳩に負けたアルトリアは大したことがない』という考えではなく、『アルトリアとの戦いの負担が大きかったのだ』と考えるようになったため、アルトリアと斑鳩はともに評価が下がることもなかったのだった。


「全く、お前の弟は随分と気配り上手なようだな」

「き、公男……❤」

「ほれ、お前もついていけ。弟とライバルなのだろう?」


 一方で、アルトリアと雪姫というすでに公男にメロメロになっている二匹の牝だけは、斑鳩との戦いを公男が『威圧感』で制したものだと判断しているようだった。

 確実な公男が雄の力で勝った、しかし、斑鳩やアルトリアの事を考えて斑鳩が万全ではないと周囲には見て取れるように動いた──そんな風に、公男を買いかぶったというわけである。

 雪姫は呆れたようにため息を付きつつも、自身が見込んだ男の器の大きさに満足気にうなずき、愛弟の心遣いにメス歓喜をしているアルトリアの背を押した。

 アルトリアはその雪姫の指示に従うように、保健室へと向かう公男と斑鳩を追いかけたのだった。



 なぜ、こんなことになったのだろうか。

 公男が最も身近な、ただいま保険医が留守にしている保健室にたどり着きベッドへと斑鳩を下ろしたまでは良かったものの、なぜか斑鳩はベッドから降りて、保健室の床へと膝をついたのだ。

 しかも、そうして剣道場で魅せた『変身バンク』のように体から白い光を放つと、なんとそのコスチュームの下に身につけていた、セクシーな黒の下着姿になったのである。


「き、公男、くん……❤ 先ほどは、本当に無礼を働いて申し訳ありませんでした……❤ まさか、貴方の素晴らしい器を見抜けず、小人物のように扱うだなんて……❤ この斑鳩、どれだけ頭を下げても謝罪にもならないことはわかっているのですが、どうか、謝罪を受け取ってくださいませ……❤」

「え、ええっ!?」


 下着姿になっただけでも驚愕の事態だというのに、そこから斑鳩はその美しい黒髪を保健室のタイル床に広げるように頭を下げたのだ。

 つまり、土下座である。

 これにはさしものお気楽な公男もびっくらこいた。

 先ほどまでは体調を崩している美少女としか認識していなかったのに、荒く息を吐きながら黒髪とは対象的な白肌を真っ赤に染めて土下座をしたのである。


(は、発情してたのか……ドリームワールドの女の子だから、オレに発情してくれてたんだ……!)


 さすがにここまでくれば、斑鳩が単なる体調不良ではなく、ドリームワールドの『主人公』である公男に牝として発情していたのだということをわかってしまう。

 それでも公男は、今までのドリームワールドの牝たちには誘われるように、リードをされるようにセックスを迎えていた。

 だからこそ、今の公男では美少女から土下座をされて何かを懇願をされるという異常な事態にどうすれば良いのかわからない状態である。


「ごくりっ……」


 それでも、下着姿となった斑鳩を見れば自然と喉が鳴ってしまう。

 それほどに、ドリームワールドで誇張された斑鳩のドスケベボディはエロいのだ。

 土下座をしているためその美しい背中しか見えないはずなのに、それでもその爆乳は体の横から顔を出しているほどの大きさであり、また、武道女子特有のウエストの驚異的な細さが下着姿であるためにより強調されているし、それでいて黒の下着という収縮色だというのにデカ尻だとはっきりとわかる大きな桃尻も目についてしまう。

 美少女が土下座をしているというシチュエーション自体にも倒錯的なエロさがあるのだが、しかし、美少女の土下座とは単純にその土下座姿だけでも視覚的なエロさを携えているのだと、公男はここで初めて知った。


「ふぅぅっ……ふぅぅ……❤ そ、そして、恥知らずにもほどがあるとは、わかっているんですが……❤ お、お願いしますっ❤ わ、私も……アルトリアさんのように、貴方の『女』にしてくださいっ❤」

「えっ……そ、それは……!」

「か、感じたんです……❤ 技量ではなく、純粋な力を……❤ 私の剣をあっさりと掴んで見せる強さと……その後、私の顔を柔らかく打つ、優しさ……❤ それは、貴方にお姫様抱っこをされてここに連れてこられるまででも、感じました❤ これこそまさしく、本当の男性の凄さ❤ 強さと優しさを当たり前のように持っていることが、貴方が特別な存在であるとっ❤」


 そんな公男へと、斑鳩はなんとも甘く蕩けた声で熱烈なプロポーズを行っていくのだった。

 そこには偽りもからかいもない、心の底からの愛情を告げる言葉である。

 つまり斑鳩は剣道で叩きのめされてお姫様抱っこをされただけの男に、一瞬でガチ恋してしまったのだ。

 そうした斑鳩は、先ほどまで公男のことを侮っていたことなど忘れてしまったかのように、本人も口にした通り恥知らずな申し出ではあるし、土下座をされる事自体が生まれて初めての公男は──正確に言えば土下座フェラをされたことはあるが──気が動転して、口をパクパクと開閉をしていることが精一杯という風情である。

 流される形ではドリームワールドに適応できている公男だが、流石に美少女から土下座をされて『彼女にしてくださいっ❤』と懇願されたときに、『一人で対応する』ことは、まだ不可能なようだった。



「話は聞かせてもらったぞ!」



 そこで、ドリームワールドは当たり前のように物事を円滑に動かすための人材を配置してくれる。

 今回は、保健室に意気揚々と突入してきた夢野アルトリアこそがその人材であった。

 バーンと扉を開いて、ツカツカと土下座をしている斑鳩とそれを見下ろしている公男まで近づいてきたアルトリアは、まるでそこが自身の定位置なのだと言わんばかりに公男の背後から抱きついてきたのである。


「うぉっ……ば、爆乳の感触っ……!」

「斑鳩、どうやらお前にも公男の素晴らしさというものを感じ取ったようだな……あれほど愚弄していた公男へと頭を下げるなど、お前には矜持というものがないのか?」


 当然、公男は背中から柔らかな爆乳の感触を覚え、まるで目の前の土下座をしている美少女という事態の対処から逃げ出したかのように頬をだらしなく緩める。

 一方で、アルトリアはそんな公男の背中越し、肩にその小さな顔を乗せてどこか挑発的な視線を土下座をしている斑鳩へと向けて、意趣返しと言わんばかりに意地の悪い言葉を放っていくのだった。


「アルトリアさん……返す言葉もありません……! 公男さんのような素晴らしい男性の存在にも気づかずにあのような振る舞いをしていたなんて、我ながら本当に愚かしい女でしかないのですから……!

 それでも……それでもっ! 私も牝である以上は、この素敵な男性の施しを受けたいと願ってしまうのです……!」


 だが、その言葉を斑鳩は甘んじて受け入れた。

 ゆっくりと土下座の姿勢から頭を上げていき、嘲るような視線を向けているアルトリアとしっかりと目を合わせて、自身が愚かであったと口にしたのだ。

 このドリームワールドにおいては唯一無二の偉大なる男性の公男を、一時とは言え軽んじてしまったのである。

 その罪はどのような罰でも贖えることが出来ないと本気で斑鳩は感じているし、しかも、そんな罪を被ったうえでもこの偉大な人物の器の大きさに甘えて、その雄が形成すべきハーレムの一員となりたいと本気で思って、この土下座に至ったのだ。


「ふふふ、正直でよろしい❤ さて……なあ、公男❤ 女に、それもあの誇り高い斑鳩にここまで言わせ、土下座までさせたのだ❤ これ以上は野暮というものだろう❤」

「ね、姉さん……何を……!?」

「ほら、魅せてやれ❤ お前の言動や、あの剣道で見せつけた威圧感とははっきりと異なる、その正体を……❤ そぉれっ❤」


 ぼろんっ、と。

 背後から抱きついたアルトリアの手は公男の股間へと這い回り、巧みな手つきでズボンのベルトを外していき、さらには下着と一緒にズボンを脱がしていったのである。

 当然、そこで公男のチンポが露出されていく。

 プロト・マーリンによってマジカルチンポと呼ぶにふさわしい剛直であり、このドリームワールドの牝にとっては運命的な出会いとなるであろう牝殺しのチンポである。

 そのチンポが、土下座をしていたがアルトリアとの応対のために顔を上げていた斑鳩の眼前に突きつけられたのだ。


「はっ、わぁ、わわっ……❤ こ、こんな……すごっ……❤ ほ、本当の男性は……こ、こんなに、大きいのですか……❤」


 突如として突きつけられたチンポ。

 セクハラ以外の何者でもない、いや、もはや性犯罪とよんでも差し支えのない露出行為に対して、斑鳩は顔を真っ赤に染めていく。

 さらには涙をうるうると潤ませて、胸と子宮をキュンと高鳴らせて、吐息もどんどんと粗くなっていくその姿は、このドリームワールドの牝ならば、誰もがそうなってしまう反応だった。


「はぁ、はぁぁ……❤ すん、すんっ……❤ ああ、なんて芳しい臭い……❤ あっ、不味い、ですっ❤ 指が、か、勝手にぃ……❤ 胸と股間に伸びて、おぉっっ❤ チン嗅ぎオナニーを、してしまいます❤ この臭い、は、反則過ぎますっ❤ ふぅぅ、ぅぅぅ~~❤ 抗えないっ❤ このオチンポ様の素晴らしさに、抗えないぃっ❤」


 自然と卑語がこぼれ出していき、そこから斑鳩の剣を握るための手で爆乳とどんな男も触れたことのないオマンコへと伸びていってしまう。

 そんな下品な行動を取ってしまうが、実はこれもまた高等部で行われている『房中術』や『性教育』などで学ぶ行為であるためだ。

 斑鳩はいかにも気高い貞淑な女性に思えるが、このドリームワールドに住まう以上は、最低限の『雄への媚び』というものを持っているのである。


「ふふふ、そうだ❤ ほれ、すりすり、しこしこ~❤ どうだ、雄の臭いが強まってきただろう❤ この濃厚な雄臭こそが、公男が素晴らしい男性であるということの何よりの証明だ❤ それ、もっと浅ましく鼻を鳴らして嗅ぐといい❤」

「はぁ、はぁぁ~~❤ た、たまらないっ❤ これは、抑えられないっ❤ 私の中の気持ちがぁ、どんどん高まっていくぅっ❤ うぅぅっ~❤ お願いしますっ❤ 斑鳩を、斑鳩をこのオチンポ様で女にしてくださいっ❤ 公男さんっ❤」

「うぅぅ、こ、これ、エロすぎるっ……!」


 後ろからはくすんだ金髪の美少女爆乳剣士から手コキをされ、前では跪いている斑鳩が鼻を鳴らしながらその爆乳と股間に指を添えて激しいオナニーを行っているのだ。

 しかも、斑鳩は公男の一学年上の先輩女子であるというのに、自然と公男へと『敬語』を使っているのである。

 それは社会的な上下関係よりも優先すべき上下関係が斑鳩の中に生じたということを意味しており、公男の中にある一市民的な卑小な優越感や自尊心というものがどんどんと満たしてくれるものだった。

 つまり、公男自身ももう我慢が出来なくなりつつあるのだ。


「どうだ、公男❤ ここまで言っている牝がいるのだ❤ 愛してやるのもやぶさかでは……いや、それ以上言うのも野暮か❤ 優しいお前はとっくの昔に、この哀れで惨めなチンポ乞いをしている斑鳩を抱くつもりなのだろう❤」

「そ、それではっ❤」

「さあ、斑鳩❤ 幸いにもここは保健室だ❤ そのベッドの上で、その爆乳を見せつけるように公男へと『チンポ媚び』をしろ❤ 女生徒だけが授業で習っている知識を活かすチャンスだぞ❤」


 チンポがビクビクと脈打っているのを手の中で感じ取ったアルトリアは、公男自身がもうお預けに耐えられないことに気づいたのだろう。

 公男へと爆乳を押し付けながらその肩越しに斑鳩へといやらしい視線を向けて、アルトリアはこの場を支配していく。

 それは公男にとっては不快感を催すものではなく、むしろ、チンポの気持ちよさにだけ集中できればいいという、マゾでは決してないが流され体質の公男には好都合な『仕切り屋』の出現であった。


「はぁ……はぁぁ……❤ き、公男……さん……❤」


 そのアルトリアの仕切りに従って、斑鳩は発情した卑しい牝という己を隠そうともせずに、下着姿のままベッドへと寝転がる。

 そのまま、かつては剣道着の袴と黒タイツで隠されていたむっちりとした美脚を折りたたみ、腰を上げていく。

 さらに、膝を大きく開いたまま上下させることで、腰をカクカクと上下させて、そのぱっくりと開いた愛液を垂れ流しているオマンコを見せつけながら、そのオマンコをアピールするのだった。


「お、オチンポ様ぁ~❤ どうか、この愚かな牝にぃ、そのイケメンおチンポ様を恵んでくださいませぇ❤ はっ❤ はっ❤ こ、このようにっ❤ このオマンコをお捧げいたします❤ これより斑鳩は、女でもなければ剣士でもなく、貴方にお仕えするオマンコ牝になりますっ❤ ほっ、ほぉぉっ❤ 発情してオマンコから牝臭だしてる馬鹿女に、どうかお慈悲をぉぉっ❤」

「ははは! まさか、その口上パターンを使うとはな! よほどのマゾでなければ使わないものだと教師が前置きしていたのも忘れたのか?」


 斑鳩が口にした言葉は、このドリームワールドでエロ漫画のような体験をしてきた公男でもまだ触れたことのない、人権というものを放棄したとしか思えない最低最悪のマゾ宣言であった。

 ヘコヘコと腰が淫靡に動く様をごくりと生唾を飲んで飲み込み、そして、その湧き上がった性欲のままに、公男は斑鳩へと襲いかかったのである。


「う、うおぉぉっ!」

「んぎぃぃぃっぃっぃぃっ❤❤❤❤」


 ずぶぅ、ずぶずぶぅっ! ずぶりゅぅ、にゅぷりゅぅぅ! ずぶずぶぅぅ~!


「おぉっ❤ チ、チンポ、きたぁぁっ❤ しゅ、しゅごいぃ❤ 衝撃が、おほぉっ❤ オ、オマンコから脳みそまで、串刺しにされたみたいな、衝撃ぃぃっ❤ チンポ、ふかいっ❤ 届くはずないのに、子宮の奥まで届いているぅぅっ❤ おほ、ほぉぉっ❤」


 斑鳩の処女マンコは公男のマジカルチンポを易易と飲み込んでいき、そして、熟練の娼婦でも味わえないような快感を公男へと与えてくれる。

 うねるように公男のチンポを包み込みながら刺激していく斑鳩の膣襞は、その感触だけで最高級の名器だと断言できるほどのものだというのに、それでいてオマンコの締め付けもまた素晴らしかった。

 ただ処女特有のキツさではなく、柔らかな媚肉が生み出す締め付けというものを持っているのだ。

 さらには時折腰がびくんと跳ねることでまたオマンコの動きにも変化が生まれ、まさしく処女の床上手という男の幻想の中にしか存在しない快感を味わえる。

 それが斑鳩とのセックスなのだった。

 これだけでも最高のセックス体験であったのに、ドリームワールドでのセックスの基本は『ハーレムセックス』である。

 ゆっくりと、正常位でセックスをしている公男の背中へと再びアルトリアが背後から抱きついてきて、その耳元へと公男が好むような卑語を口にしていくのである。


「公男、この女はどうやらお前のまだ知らぬ……本物のマゾ牝のようだぞ❤ 私もマゾっけがあることは否定できんが、それでもこの女ほどのドマゾではない❤ 上品な顔をしつつ牝の顔を隠している母でもなければ、お前にガチ恋をしているあの美人女子大生の姉でもなく、もちろん少し小生意気なところが出来てきたがそれでもブラコン全開爆乳JCな妹でも見ることの出来なかった、本物のマゾだ❤ 乱暴に犯してやれっ❤ それがこの手の牝にとっては何よりの至上の喜びとなるのだからな❤」

「マ、マゾ……! 斑鳩みたいな大和撫子って感じの美少女が、マゾぉ……!」

「あぁっ❤ こ、これは、貴方だけです❤ 貴方以外にへりくだったり、いじめられても、嬉しくなんかありませんっ❤ かっこよくて、素敵な公男さんだから、こうしたいんです❤ 支配されたいんです❤ あぁ、もっと、もっと斑鳩を愛してくださいっ❤」


 斑鳩は当たり前のように公男好みのオマンコと美貌を持つ美少女であった。

 チンポを突きつけるだけでアンアンと簡単に喘ぐ感度と嬌声も完璧ならば、その快感に悶えるあまりにうごめかすオマンコの動きも最良。

 公男はすでに四人の美女と美少女のオマンコを犯し、二人の美人教師から耳舐め手コキを受けた身ではあるが、だらしなく顔を緩めかしてしまうほどの快感を覚えてしまうのだった。

 その公男が快感に溺れているということ自体が嬉しいのか、アルトリアは更に声を弾ませて『エロ実況』を行っていき、斑鳩は公男へと愛の言葉を囁いていく。


「ほらほら❤ 犯せ、犯せ❤ あの斑鳩をたっぷりと犯してやれ❤ 私に敗北しても心折れずに常に鍛錬に励んできたあの女傑を、そのチンポで成敗して支配してみせろ❤ この横暴な姉に、本気を出せばお前だって屈服させてやれるんだぞと脅すようなそのかっこいいセックスを見せてくれ❤」

「おぉっっ❤ お、オマンコが、貴方の形に変わっていきますっ❤ 狭かったオマンコが拡げられて、おぉほぉ❤ き、気持ちいところに当たってる……ううんっ❤ 当たってるところ全部が気持ちよくなっていきます❤ か、勝手に、貴方のチンポに触れた場所が性感帯になっていくんです、んほぉぉぉ❤」


 このドリームワールドではプロ剣道にはやはり『侍』や『騎士』という凛々しい印象が繋がるものなのだが、そんな剣士とはとても思えない最高にエロい蕩け顔をさらけ出す斑鳩を見て、公男の腰の動きは更に加速していく。

 その激しい腰の動きを受け止めるように斑鳩もまた腰をくねらせ、さらにオマンコだけではなく他の部位も気持ちよくなれるようにとアルトリアも乳首をコリコリ、耳をハムハムと愛撫を行うのだった。


「どうだ、気持ちいいか❤ 斑鳩のオマンコを蹂躙するのは気持ちいいか❤ もっともっと、お前を刻み込んでやれ❤ 土下座した頭を踏みつけるような乱暴さで、斑鳩の子宮をチンポで串刺しにしてやれ❤ 恋人やセフレなどという関係ではなく、主と奴隷なのだということを斑鳩の脳ではなくオマンコに教え込んでしまえ❤ 私の終生のライバルをチンポ一本で操れるお馬鹿な牝に変えてしまえ❤」

「あぁっ❤ ク、屈服、します❤ オチンポに屈服してしまいます❤ アルトリアさんに負けても、次こそは勝ってみせるとしか思わなかったのにぃっ❤ こ、このオチンポには、負けたくなってしまう❤ 自分よりも強いことが嬉しい❤ このオチンポ様が強いと感じるだけで、私は幸せに感じてしまう❤ あぁっ❤ ど、奴隷のようだと言われても、たまらない❤ 私の、御主人様になってくださいっ❤」


 斑鳩の奴隷の自覚を魅せた瞬間の強烈な締め付けは、それこそ公男のチンポがもぎ取られてしまうのではないかと思うほどの快感である。

 腰を動かすと言うよりも、オマンコにチンポを引っ張られてしまい、引き抜かれないようにと腰を頑張って引いてもまたオマンコに取り込まれてしまうような、そんなピストン運動になってしまっていた。


「ほらほら、斑鳩よ❤ もっとチンポに媚びろ❤ 公男の奴隷になりたいと自覚したのならば、徹底的に媚びろっ❤ そうしてこの愛しい男の性感を強めるのだ❤ とっておきの媚び媚びセリフで……男の射精を促してみせろ❤」

「あぁっ❤ 好き、好きです❤ 愛しています❤ 会って一時間も経っていないのに、貴方にガチ恋してしまっている女で、ごめんなさいっ❤ すぐにイッちゃう雑魚雑魚オマンコを、つよつよオチンポ様でお仕置きしてくださいっ❤ このオチンポにいじめられるだけで幸せなんですっ❤ こ、これからも、出来るならこれからもぉ❤ このオチンポで愛してください❤ ザーメンを子宮に注ぎ込んでくださいぃぃっ❤」

「くぉぉっ……!?」


 その射精懇願と蕩けたアヘ顔、さらにはオマンコの強烈な締め付けにもう我慢など出来ない。

 斑鳩の体へと倒れ込んで自身の胸板と爆乳を押し付けあい、同時に背後からアルトリアの爆乳を押し付けられる『爆乳サンドイッチ』を味わいながら、そのまま斑鳩の一番奥へと射精をするのだった。


「う、受け止めろ、受け止めろぉっ……! 美少女剣士のオマンコに、オレの精液植え付けてやる……! くぅぅ、おぉぉっ!」


 どびゅるるるっ! びゅるるっ! びゅぅ、どぶびゅぅ! どっぴゅぶびゅるるるるぅぅぅぅ!


「んひぃぃぃっ❤ おぉぉ、おほぉぉぉっぉ❤ くる、くるぅぅぅっっ❤ ザーメンと一緒に、ガチアクメくるぅぅぅうっぅっ❤ おひぃぃっ❤ んひぃぃぃぃぃ❤ イグっ❤ イグイグっ❤ オマンコイグッ❤ チンボに負けながらイグぅぅっっ❤ 負け犬アクメ、キメちゃうウゥゥっ❤」

「ふふふ……天才女剣士斑鳩のガチアクメなど、見たいとも見れるものでもないぞ❤ これもまた、公男、お前が真の男であるからこそ見れた光景だ❤ しっかりと目に焼き付けておけ❤ これからお前のオチンポに魅了されてアクメをキメる姿を、一人たりとも忘れてやるなよ❤ それが、お前というすべてが許された男に唯一の義務なのだからな……❤」


 激しい膣内射精を受けて、ビクンビクンとアクメ痙攣をする斑鳩。

 それだけでも『追い射精』をしてしまいそうなエロさだというのに、そこからさらに脳が蕩けるような甘い声でアルトリアのエロ囁きを受ける。

 斑鳩の無様なアヘ顔アクメを見れるのは自分だけなのだからこそしっかりとその姿を覚えておくべきだという、アルトリアの言葉に従うように、公男はじぃっと斑鳩を見つめると、斑鳩の身体はその視線に喜ぶようにさらにアクメを深めていくのだった。


「おほぉ……ほぉぉ……❤ き、公男さん……私の、御主人様……❤ オ、オチンポを恵んでくださり、ありがとう、ございましたぁ……❤」

「はぁ……はぁ……! 気持ちよかったぁっ……! 斑鳩さん、最高っ……マジでかわいいし気持ちいい……!」


 アクメ地獄に溺れる斑鳩をしっかりと見届けてから、公男はゆっくりとそのチンポを抜いていくのだが、その抜くときの衝撃で斑鳩は再びアクメをキメてしまうのだった。

 斑鳩のそんな姿がまた公男の嗜虐欲を心地よくくすぐってくれて、すっかりと爆乳美少女剣士の魅力に溺れてしまうのである。

 だが、これで終わりではない。


「ふふふ❤ だがな、斑鳩……公男の魅力とは、ただチンポを恵んでもらうことだけでわかるものではないぞ❤」

「へっ、ね、姉さん……!?」


 アルトリアがスルスルと動き出し、公男の背中からベッドで寝そべっている斑鳩の隣へと四つん這いの姿勢で構えたのである。

 昨日の夜に無様な挿入即アクメをキメるという最低の処女喪失セックスを体験したときと全く同じ、ドギースタイルでのセックスを希望しているのだ。

 ふりふりとその引き締まりつつもむっちりと媚肉の載ったお尻を振って、顔を振り返らせてエロすぎる流し目を公男へと向けて、すぅっと短く息を吸うと公男へとチンポ媚びを行っていくのである。


「あぁ~ん❤ 公男、我が愛しき弟よ❤ この偉そうな姉を、オチンポでこらしめてくれぇ~❤ 最強剣士だとか言われて調子に乗っていた馬鹿女をチンポ一本で成敗してくれた、昨日の熱い夜を思い出させてくれ❤ どうか、夢ノ国学園剣道部の二大女王をそのチンポでマンコ比べしてくれぇ~❤」


 ふりふりっ❤ ふりふりっ❤


 斑鳩も恥知らずと言えるものだったが、アルトリアもそれに比肩するほどの恥知らずなチンポ媚び宣言を行っていった。

 デカ尻がいやらしく揺れるのと同時に、四つん這いになってベッドにべったりとついてた長い谷間の爆乳もまたぶるんぶるんといやらしく揺れていく。

 それは射精をしたばかりの公男のチンポを再び臨戦態勢にするには十分すぎるほどの、立派なチンポ媚びなのであった。


「くぅぅっ、この! こんなの……我慢できるわけ無いだろっ!」


 ずぶずぶぅ、にゅぷぷぅ! ずぶりゅ! ずぶぅ、ずぶぶぅ、ずぶずぶぅぅ~~!


「おぉぉっっぉ❤ 入ってきたっ❤ きたぁぁ❤ オチンポきたぁぁぁ❤ はぁ、はぁぁ❤ こ、これだ❤ 剣の道に邁進しても得られなかった、高揚感っ❤ このオチンポに負けるために生まれてきたのだとわからされてしまう、圧倒的な威圧感と支配力❤ あぁ❤ や、やはり私の弟こそが最強❤ 最高の人間❤ す、すべての牝はこのオチンポに屈服するべきだと、オマンコで理解してしまうぅっっ❤」


 アルトリアは昨日の夜と同じく、挿入をされた直後にアクメをキメてしまう。

 全身を大きくいななかせて、そのエロすぎる爆乳もくびれた腰もデカ尻も、そこに載ったすべての媚肉をぶるぶると震わせることで雄へと『媚びる』のである。

 それは剣の道で全国一に輝き、女王さながらに傲慢な振る舞いとも取れる言動を行うアルトリアが行う、どうしようもないマゾ性の発露だった。

 そう、言葉には出さないだけでアルトリアもまた斑鳩に並ぶほどのマゾ牝なのである。

 その癖して斑鳩のことを公男が初めて出会うマゾ牝だと語るのだから、アルトリアの見えっ張りな性格は矯正の仕様がないだろう。


「えっ……? そ、そんな……ア、アルトリアさんが……なんて、無様な姿を……!」


 そんな無様に全身でチンポに媚びているアルトリアの姿を見た斑鳩は言葉を失うしかなかった。

 斑鳩にとってアルトリアとは、どうしても越えられない憎き壁であると同時に、憧れにも似た感覚を抱く理想でもあった。

 そのため、斑鳩の中で漠然と描いていた『アルトリアと公男のセックス』とは、アルトリアが姉らしく公男を徹底的にリードをして甘やかしながら射精をさせてやる、言うならば『愛のある女性上位セックス』だったのである。

 それなのに、そんなライバルが無様なチン負け姿を晒しているとなれば当然と言えるだろう。


「おぉぉっ❤ 見、見ろ❤ 見ろ、斑鳩❤ これが、我が弟の素晴らしいところだ❤ おほぉ、んほぉぉっ❤ 姉であろうと、生意気な牝は徹底的に叩きのめす、圧倒的な強者❤ それが公男なのだ❤ ふぅぅ、うぅっぅ~~❤ こ、このオチンポでオマンコをボコボコにされるたびに、魂が疼く❤ この雄様に屈服しろと牝の本能が疼く❤ くぅぅ❤ き、公男❤ お前はやはり、反則的にかっこよすぎるぞぉぉっ❤」

「あぁ……こ、こういう、ことなのですね❤ 公男さんとのセックスとは、せ、セックスをするだけではなく……他の女性とのセックスを見ることで、公男さんの素晴らしさを再確認することも含まれるのだ、と❤ なるほど、理解しました❤ 理解せざるを得ません❤ あの、夢野アルトリアさんが成すすべもなくチンポに完敗する姿を見てしまえば、我が高等部の生徒は誰もが公男さんこそ学園最強の存在だと認めざるを得ないんですから❤」


 だが、斑鳩はすぐにライバルの無様なチン負け姿を受け入れるのだった。

 いや、むしろ強大な敵が惨めにボコボコにされている姿を見るたびに、自身の惹かれた雄の素晴らしさを再確認できるのだということに興奮を覚えている節すらある。

 それはもはや、斑鳩の中の価値観の最上位に、『夢野公男』という存在が位置していることも意味しているのだった。


「あぁっ❤ わ、わかるだろう、斑鳩❤ こんな素晴らしい攻めを受ければ、あ、足腰がフラフラになってしまうことぐらい❤ だ、だが、言い訳ではないぞっ❤ わ、私は公男のためにも、このセックスに耐えられるぐらい、強くならなければいけないのだから❤ 公男の女になったから弱くなったと言われれば、き、公男の評判に傷がつくからな❤ 一流の男のハーレムの女は、い、一流でなければいけない、んほぉぉぉっ❤」

「え、ええ……そうですね、アルトリアさん❤ 私達は、まだまだ精進しなければいけないんですね❤ 私達のためではなく、公男さんのために❤ 素晴らしい女性が惚れた男は、公男さんのような素晴らしい男性なのだと❤ 公男さんの男としての価値を高めるために、私達のような女こそが努力をしなければいけないと……❤ 公男さんが持つ、すべての女を受け入れてくれる優しさに報いなければいけないと、そういうことなのですね❤」


 ぎゅぅぅ、と。

 四つん這いになったベッド握りしめているアルトリアの手を、横で寝そべっている斑鳩が強く握りしめる。

 それはまるで一種の『百合』と呼ばれるような関係にも見えた。

 喧嘩する女の子と女の子は百合だし、仲良くしている女の子と女の子も百合なのだから、一人の男とハーレムセックスをする女の子もまた百合なのだ。

 そんな二人の麗しいというにはエロすぎる関係性を見出して、公男は早々に射精欲求がこみ上げてくるのだった。


「くぅぅ、も、もう、射精るよっ……! もう射精するからね、姉さん!」

「あぁっ、来てくれ❤ このバカ牝にたっぷりと精液を注ぎ込んでくれぇ❤ お前の女だとわかるように、内側からお前の臭いがする女に書き換えてくれぇぇ❤」

「はいっ❤ かっこいい射精を見せてください❤ あのアルトリアさんの膣内に精液を注ぎ込む姿を見せてほしいんです❤」


 その射精欲求を告げると、アルトリアは当たり前のように受け入れていき、斑鳩に関してはむしろ見せてくれとねだる始末だった。

 公男を全力で甘やかすような都合の良い存在を前にして、公男のような流され体質の男が快感に耐えられるわけがない。

 アルトリアの引き締まったお腹を膨らますほどの勢いで、精液を大量に吐き出していくのだった。


「おぉぉっ! 受け止めてくれ、姉さんっ!」


 ぶっぴゅるる! ぶびゅっ! びゅるっ! どぶびゅるるるるぅ! ぶぴゅびゅるるるぅぅぅ!


「ぉおぉぉぉ~~❤ イグッ❤ イグイグっ❤ オ、オチンポでイカされるっ❤ ほぉぉ、ぉぉっぉ❤ な、慣れん❤ このオチンポの凄さには、全然慣れない❤ くぅぅ、ぅぅっ❤ ほぉ、おほぉぉっ❤ んほぉぉぉぉぉぉぉ~~~~❤❤❤❤」

「あ、ああ……❤ あのアルトリアさんが、こ、こんな無様な顔を……❤ どんな剣士でも出せなかった、惨めな失神顔を……❤ やっぱり、公男さんはすごすぎます……❤」


 膣内射精を受けて、アルトリアはその美貌を無様なアへ顔へと変えていく。

 ぐるんと眼球を裏返し、舌を大きく露出し、鼻の穴を開きながら鼻水を垂れ流している、女としてとても人前には出せないような惨めすぎるブサイク顔である。

 だが、それを見ている斑鳩は胸がときめいてしまう。

 アルトリアの強さを知っているからこそ、その強いアルトリアを叩きのめすことの出来る強い雄に惹かれてしまうのである。


「あぁ……❤ 公男、さん……❤」

「えっ、斑鳩……んぐぅ!?」

「んちゅぅ、ちゅぅぅ~~❤ れろぉ、じゅるるぅ、ちゅぅぅ~~❤」


 そして、その強烈な想いに駆られるように、斑鳩はその身を起こして公男へとキスを行っていく。

 それは唇と唇をあわせるだけような可愛らしいキスではなく、舌と舌を絡ませて唾液と唾液を交換するような熱烈なベロチューであった。

 斑鳩ほどの貞淑な美少女にその欲望をわかせるほどに、このドリームワールドにおける公男とは雄の中の雄、まさしく女にとっての理想の存在なのである。


「はぁ……はぁ……❤ 公男さん、すごすぎます……❤ こんなかっこいいところを見せられたら、斑鳩は、もうっ……❤」

「ふぅぅ、うぅっぅ~~! い、斑鳩! こんなことされたら、チンポがイライラしてくるだろうがぁ……!」


 中身はともかく今の外見と社会的な年齢では年上である斑鳩へと敬語を使っていた公男だったが、それでもその大胆なベロチューを受けて、最後までギリギリ残っていた僅かな理性がプチリと潰されてしまった。

 起き上がった斑鳩を再び押し倒し、再びその爆乳美少女ボディを貪っていくのだった────。



『んちゅぅ、じゅるるうぅ❤ ちゅっ、ちゅぅぅ~~❤ どうだ、公男❤ 夢の……爆乳剣道女子のWパイズリフェラだ❤ 私や斑鳩のような女でなければ出来ない、女殺しの巨根チンポへのパイズリ奉仕はぁ……ちゅぅ❤ チンポでも気持ちよくなれて、視界も絶景❤ まさしくこの世の王であるお前でしか味わえないものだぞ❤』

『んじゅるぅぅ、ちゅぅ、れろれろぉぉ~❤ わ、私とアルトリアさんの爆乳おっぱいでも覆いきれないおっきなオチンポ、素敵ですぅ❤ もっともっと、気持ちよくしますからね❤ いっぱい、私達のパイズリフェラを楽しんでくださいっ❤』

『おぉぉっ……最高ぉ……! 生ハメ連発セックスの後の疲れたチンポに効くぅ……!』


 そんな公男と斑鳩とアルトリアのハーレムセックスを覗き見る存在が居た。

 果たして何者か────などと、意味深に言う必要もないだろう。


「あぁっ❤ 公男くん、なんて素敵なんだ❤ 強い女だと思い上がっている剣道女子二人を、その魅力で虜にしてすぐさま3Pセックスだなんて❤ んんぅ❤ そ、そうさ❤ 本当は、君の学園生活とはこうであるべきだったんだよ❤」


 そう、プロト・マーリンである。

 妖精のような神秘的な美貌を持つこの夢魔は、公男が生まれ落ちた瞬間に運命的な一目惚れをして、ついには公男のための徹底的に都合の良い世界、ドリームワールドを作成してしまったほどの上位存在だ。

 アルトリアや斑鳩、雪姫やフェイトのような存在を作って配置しているのも、またその存在が公男にたやすくメロメロになってしまったのもまたこの上位存在の仕業である。

 究極的に言えば、公男はどのような女からも好意をいだかれるというよりも、この神に等しい存在に愛されているからそのように世界のほうが調整されたと言うべきだろう。


『んっしょ、んっしょ❤ どうだ、公男❤ この柔らかな駄肉を使って必死にチンポへ媚びるバカ牝の姿は❤ 剣道部二大女王などと呼ばれて粋がっていた牝であることも踏まえたら、たまらない快感だろう❤ お前だけの爆乳おっぱい、チンポでマーキングをしておけ❤』

『剣の腕前がいくら優れていようとも、公男さんに威圧されればなんの意味もありません❤ 人間としての器に圧倒されてしまうのですから❤ そんな公男さんに魅了された牝二匹のパイズリフェラ奉仕ぃ……❤ どうぞ、堪能してくださいませ❤』

「いいね、いいね! アルトリアも斑鳩も、公男くんに相応しい間抜けなマゾ牝っぷりだよ! その調子でどんどんと公男くんに媚びていくんだよ! 王の格好良さっていうのは臣下がどれだけ心酔しているのか、そして、その心酔している臣下がどれだけ有能で魅力的かというところにあるんだからね!」


 今、たっぷりとアルトリアと斑鳩の膣内へと生ハメ射精を行った公男は、ベッドの縁に腰掛けながら、床に跪いているアルトリアと斑鳩の両方からWパイズリフェラ奉仕を行われていた。

 女を硬い床に跪かせながら熱烈な奉仕を強要し、自身は柔らかな布団に腰掛けてぼぉ~っと奉仕を受けるだけというその姿はまさしく王様そのもの。

 キングス・メイカーとして多くの王の誕生に携わってきたマーリンであっても惚れ惚れするほどのふるまいであった。


『あっ❤ オチンポがビクビクと脈打ってきたな❤ ああ、たっぷりと射精しろ❤ 私と斑鳩が作っているおっぱいオマンコへと、我々の子宮に注ぎ込んだような濃厚な精液を放つのだ❤』

『そのための爆乳なのです❤ 貴方のお射精を受け止めて気持ちよくなってもらうために、私は剣の道には不必要なこの爆乳を育ててきたのだとはっきりとわかります❤ さぁ❤ さぁさぁ❤』

『『どうぞ、お射精してぇぇ~~んっ❤❤❤❤』』

『くぅうぅっ!?』


 どびゅるるるっ! びゅる! びゅぅ、びゅぅぅ! どぶぴゅぴゅぅぅ~~!


「あぁっ……! な、なんて格好いい射精なんだ……! 女たち二人から媚びられながらの、合図すらしない自分勝手な射精……! まさしく王そのもの……! ふふふ、優しい公男くんがここまで王にふさわしい貫禄を見せつけるだなんて、アルトリアと斑鳩のマゾっぷりは中々のものだね」


 そんな中で、公男はアルトリアと斑鳩のWパイズリフェラ奉仕によって乳内射精を行うのだった。

 なんとも気持ちよさそうに蕩けた顔をしている公男を見て、さらに蕩けた顔をしてみせるオナニー中のマーリン。

 ある意味では、このドリームワールドに関わる存在の中で一番この世界を楽しんでいる存在と言えるだろう。


「雪姫もいい感じに公男くん溺愛女教師っぷりをしているね……❤ 斑鳩との初セックスをあんまりシチュエーション盛り盛りにしたくなかったから、保険医は席を外してもらったけど、次の時には参加してもらってもいいかな……❤ ああ、それにしても、そろそろ世界が勝手に動き出すなぁ❤ 僕の想定なんか越えた、エロエロなシチュエーションが見れてオナニーが捗りそうだよ❤」


 公男が射精を終えてもなお、マーリンはそのスラリとした神秘的な身体を全裸の状態でオナニーを続けていた。

 虚空に浮かび上がった多数の画面は様々な角度から公男を写し取っており、その一挙手一投足のすべてを見逃してたまるものかという執念を感じるほどである。


「はぁ、はぁぁ❤ つ、次は逆に初等部にお呼ばれして、フェイト先生を相手に生徒たちへと見せつけ指導セックスかな❤ それとも、妹の縁を使って中等部にお呼ばれしての先輩と呼ばれながらのハーレムプレイ❤ いやいや、オープンキャンパスでお姉さまな女子大生たちにアプローチをかけられての逆転支配セックスかも❤ あぁ、もっともっと、公男くんのかっこいいところが見たい❤ 動き出した世界は、僕にもどうなるかわからない❤ 最高の日々になりそうだよ❤」


 ちなみに、今マーリンが居るのは公男がかつての世界で暮らしていた部屋だ。

 公男の臭いに包まれながら、公男が世界の中心として女に愛されている姿を見てオナニーをするマーリンは実に幸せそうである。

 それは斑鳩やアルトリアが抱いた、『愛した男が他の女から愛情を向けられることが誇らしい』と感じる歪んだ愛情の根源であった。

 すなわち、マーリンが公男のハーレムを見てオナニーすることが大好きな変態出歯亀夢魔であるために、このドリームワールドの女たちは根底に根付いている、なんとも公男がハーレムを楽しむには都合の良い『性癖』なのである。


「あぁっ❤ 公男くんっ❤ 公男くぅんっ❤ 好き、好き好きぃ❤ 愛してるよぉっ❤」


 こうして、ドリームワールドは回っていくのだ。

 厄介な『ヤンデレ妖精』に愛された公男の夢の生活はどこまでも続いていく。

 永遠の狂愛を捧げられて、多くの『キャラクター』の心を凌辱していく、都合のいい日々だ。

 果たして、次はどんなドスケベなキャラクターとのセックスが待っているのか。

 万能の力を持つ妖精が居る限り、その幸福は終わることはないのだった――――。


(了)

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