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 突如として発生したこの微小特異点の特性を説明するのならば、蛇口やホースなどを用いたら、かろうじて理解しやすいのかもしれない。

 同じ水量で出ているとしても、蛇口やホースの口、その一部を指で塞ぐことで排出口が狭まり、その分だけ勢いは強くなるというものだ。

 この微小特異点は、範囲だけならばナイトプールやラウンジなどの施設も備えている高級ホテルを舞台とした非常に小さな特異点なのだが、その基礎となる聖杯の出力自体は一つの都市を覆うことが出来るほどのものである。

 そのため、特異点が定めている『ルール』を踏み入れた存在へと強制することが出来るのだ。


 この微小特異点を観測したノウム・カルデアは、その強力なルールを見抜くことが出来なかった。

 それは先程も言った通り、強烈な出力を搾ることでさらに勢いを強くすることで隠蔽の機能も得たために、内側に踏み入れるまではそれを認識できないという特性もその微小特異点は所有しているのだ。


 その微小特異点の内容は――――人の性癖を捻じ曲げるというものだった。


「はぁ……はぁ……!」


 数多の戦場を踏み越えてきた、もはや歴戦の英雄の貫禄すら漂っているノウム・カルデアが誇る人類最後のマスター、藤丸立香は、その大層な肩書に相応しい最高級のVIPルームの中で、しかし、ふわふわのベッドの上で直立不動のまま倒れ込んだような姿勢で、仰向けに寝転がってていた。

 呼吸は非常に荒く乱れており、顔が真っ赤に紅潮していることから、明らかになにかの心身に変調が起こっていることが素人目にも明らかな状態である。


 だが、下半身に向けて視線を下へと移していけば、その理由がわかるだろう。

 立香は仰向けに寝そべり、脚をピンと伸ばした姿勢のまま自身の股間へと手を伸ばしていき、右手で男根を、左手で睾丸を握りつぶすかのように強く握りしめながら、オナニーをしているのだった。

 とは言え、その行っているオナニーもまた奇妙なものであった。


「くぅぅ~~! マシュ、ダ・ヴィンチちゃん……! カーマ、オルタ……! ぅぅ~~!」


 多くの女の名前を呼ぶ軽薄な様子でありながらも、立香の表情はオナニー特有の快感を覚えているという様子は一切なく、むしろ、まるで首を絞められているかのように苦しみ悶えながらオナニーをするという、あまりにも異様な状況である。

 異様と言えば、その両手で潰しかねないほどに強く握っている男根と睾丸も同様だった。


 まずは、男根だ。

 それは立香の年齢と体格と人種から、大まかに想像できる平均的な男根よりも遥かに短く小さなものであり、それこそ立香の手にある小指と同じか、場合によってはそれよりも短く小さな短小チンポかもしれない。

 せめてもの救いは今の状態が非勃起状態であることだだろうが――それはそれでこのような激しいオナニーをしているというのに男根が勃起しないということは、明らかな勃起障害が引き起こっているため、また別の問題があると言える。

 だが、いくら非勃起状態とは言えあまりにも小さなチンポであるために、もしも勃起して挿入したとしても、女性のオマンコの入口付近をスコスコと擦ることが精一杯のセックスしか行えないであろう。

 それはもはや、パートナー関係を円満に築くために必要な『夜の行為』に大きな影響を及ぼすのだから、人並みにセックスを重視する女性ならば百年の恋も覚めてしまう可能性すらある、粗末なチンポである。


 そして、そんな極稀と言ってもいいほどの短小チンポとは裏腹に、立香の睾丸は非常に大きなものだった。

 右手で握り込んでいる男根は手のひらの中にすっぽりと隠しきれているというのに、左手で握っている睾丸はその手の中から溢れ出しているほどの、大きな金玉なのである。

 それも、片方の金玉だけで、であった。

 まさしく『信楽焼のたぬき』を思い出すような、グロテスクですらあるほどに膨れ上がった金玉だが、この金玉には立香の右手に描かれている魔術的な紋様である『令呪』と同じマークが刻み込まれていた。

 この金玉の紋様は、立香が脚をピンと伸ばしながら勢いよくチンポをシゴきあげるために、卑猥なピンク色の光を発しているという、やはりこちらにも魔術的な意味合いを込められていることが明らかであり、一種の『淫紋』と言えるだろう。


 極め付きに、その股間には一切の陰毛が生えていなかった。

 生来のものというわけではなく、この特異点に訪れてから魔術的な方法で『完全脱毛』が施されたためである。

 一般的に体毛は大切な部位を守るために生えるという一面があるそれが一切ないことで、『藤丸立香の男性器とは軽んじられて然るべきものである』という意味と、『藤丸立香のしょうもないチンポは毛も生え揃っていない童子と同様なものだ』という意味、二つの意味が持たされていた。

 立香自身、このツルンツルンのチンポを見るたびに情けなさで泣きたくなってしまい、この特異点共有の『玩具マゾ』である立香への辱めとしては成功していると言えるだろう。


 そう、この完全脱毛と金玉への淫紋は、特異点によって行われたものではなく、別の存在が立香へと淫らな魔術をかけたということなのだ。


「ぅぅぅぅ~~! 射精ない……射精ないよぉ……!」


 目から涙を流しながら、その涙と同じぐらいに色の薄い上にサラサラとした体液が立香の粗チンの先端から漏れ出しているのである。

 いわゆる、我慢汁や先走り汁と呼ばれるようなものだった。

 ドバドバと汗と一緒に流れていくその我慢汁は明らかに大量であり、ここまで流すのならば射精に至ってもおかしくないであろうほどの量である。


 いわゆる脚ピンオナニーは強烈な快感を産むのだが、それに慣れると脚を曲げた姿勢で射精が出来なくなる――つまり、セックスの体位次第では射精障害にも繋がるということで良くないとされている知識は立香も持っている。

 そんなことは立香自身も知っているはずなのだが、そんなことを気にする暇もないほどに、より強烈な刺激を求めて、立香の脚はまっすぐに伸びていく。

 それを限界まで伸ばすために腰が浮き上がっていき、エビゾリのような姿勢でついには足のつま先と頭しかベッドについていないほどの無茶苦茶な姿勢になるのだった。


「ぅぅぅぅっ~~~~~!!!!」


 それでも、射精が出来ない。

 ピカピカと風俗街のネオンのように卑猥な光を金玉の淫紋から放っている状態からも察せられるかもしれないが、立香は明らかにオナニーにおける射精障害が起こっているのだ。

 それは医学的には解明できない魔術的なアプローチが引き起こすものであり、それでもオナニー大好きな『粗チンのオナ猿』になってしまった立香は、この高級なVIPルームには相応しくない惨めな粗チンオナニーを続けてしまうのである。


「射精したい、射精したい、射精したいぃぃぃっ!」


 これこそが、この特異点が引き起こした異常事態なのである。

 この特異点――――言うならば、『寝取られマゾ特異点』において、侵入した特定の適正を持つ男性は肉体と精神を大きく書き換えられてしまうのだ。

 その適正とは主に二つあり、一つは『マスター適正を所有する』ということで、もう一つは『複数の女性から好意を抱かれている』というものである。


 人類最後のマスターの肩書からも分かる通り、地球が白紙化された今の人類で当てはまる存在は非常に希少なものであり、当然、藤丸立香はその希少な存在の一つである。

 その上さらに立香はその人格の善良さからか、多くの女性から好意を抱かれてもいた。

 本来ならば望まれるべき存在である立香だが、この寝取られマゾ特異点では悪意があるとしか思えない対象に選ばれてしまったのである。

 これによって、至ってノーマルな性癖の持ち主であって立香は、自分を慕っている女性や親しい女性に愛する女性を、別の男性に性的に奪われることに強烈な快感を抱くというあまりにも変態的な性癖に書き換えられてしまったのだ。

 その上、こちらもやはり日本人男性の平均的なサイズであった男根と睾丸も、親指未満の短小粗チンと手のひらほどもある化け物金玉に魔術的に改造されてもいた。


 ただ、この恐ろしいところはあくまで肉体と性癖を書き換えられただけであって、それに対応できるような人格まで手に入れたわけではないということである。

 立香はその寝取られマゾ性癖で強烈な快感を覚えながらも、未だにそれを受け入れられていない状況なのだ。

 彼が今も脳裏に描いているオナニーのオカズは、自身を『先輩っ❤』と慕ってくれていたマシュ・キリエライトが自分とは正反対のチャラチャラとした、明らかに女性のことを道具としか捉えていないヤリステ上等の最低男に媚びへつらっている姿である。

 本当ならばそんなことを考えたくもないのに、あまりにも気持ち良すぎるがためにそれを考えずには居られないという地獄のような状況だ。

 それならばオナニー自体を我慢すればいいのではと思うかもしれないが、性欲もまた普段の十倍や二十倍と言ってもいいほどに強烈なものが胸の内から湧き上がってくるのである。

 まさしく、自慰を覚えた猿が一日中何もせずにチンポをシゴき続けているようなものだった。

 そんな風に絶対に射精できないオナニーを続けながら、自分を慕ってくれる女性が寝取られている姿を妄想している最悪の状況が続く中で、立香の感性は非常に研ぎ澄まされた状態ににもなっている。

 故に、普通ならば気付けなかったかもしれないその音を、扉の奥から感じ取ったのである。


 スッ、スッ――――。


「!!!!!!」


 ヒールが高いがために柔らかな絨毯を叩く、というよりもこすれる音を、感じ取ったのだ。

 その瞬間に、立香は脚ピンオナニーをやめてベッドの上から飛び降り、VIPルームの柔らかな床に膝を揃えて座り込む正座の姿勢に取ったのである。


「お待たせしましたね、マスター。何分ほど……あら、一時間も待たせてしまいましたか。気を悪くしてしまいましたか?」


 ガチャリ、と。

 ノックもなしに当たり前のように扉を開いて現れた人物は――――『美女』などという言葉があまりにも馬鹿らしくなるほどに、性的な魅力に溢れた女性であった。

 その女性は、長く艷やかな黒髪を丁寧にアップして白く細いうなじを見せつけており、その豊満すぎるほどに豊満な凹凸に満ちたボディには、生地の薄いワンピース・タイプのインナーとその上から特殊なビキニ・タイプの水着を身に着けたシックで落ち着いた、それでいて官能的な色合いすら持つ魅力的な水着を包んでいる。

 他にも『特殊なアクセサリー』を身に着けているのだが、これは後述とさせてもらおう。

 大きな瞳と高い鼻をした美しい顔立ちには、貞淑さと穏やかさ、そして何よりも知的さがよく現れた優しい笑みが浮かんでいた。


「いえっ!! わ、わざわざ来てくれてありがとうございます――――香子さんっ!!」


 その女性――――『藤原香子』といった。



❤香子による寝取らせマゾへのねちねち虐め❤



 あるいは、『紫式部』という名前のほうが通りが良いかもしれない。

 そう、日本文学史に君臨する巨人にして、平安時代の大文豪。

 女性の文筆家としては間違いなく日本最大と呼べる、あの偉人その人である。

 カルデアが持つ英霊召喚システムによってサーヴァント、魔術的な使い魔としてこの地に召喚されている彼女は、藤丸立香へと恋愛的な感情は薄くとも人間的な好意を強く抱いていた。

 そんな幼い気質を持ってはいるものの高い知性と穏やかな立ち振る舞いから、立香にとっては『美しくて優しいお姉さん』なのである。

 だが、そんな人物を前にしたとは思えないほどに立香の表情は固く、それでいて興奮に上気してしまっている状態だった。


「今日は、よろしくお願いします! もう、早く射精がしたくて……しゃせいがしたくて……!」

「はい、マスター。こちらこそ、よろしくお願いしますね」


 なんと、今の立香は正座の姿勢ではない。

 香子が扉を開けるその瞬間に、床の上で正座をしていた姿勢から体を前へと折っていき、『土下座』の姿勢を取っていたのである。


 しかも、オナニーの時からそうだったとは言え、一切の衣服を身に付けていたためにそれはただの土下座ではなく、礼節を重んじると言うよりも卑屈さを強調させるという、本来の土下座の意図を歪めている、『全裸土下座』なのだ。

 数多の戦場を駆け抜け、カルデア内でも定期的なトレーニングを行っている立香の体つきは、その童顔と着痩せする体質からは意外なほどに鍛えられている立香が、コメツキバッタのように体を丸めて美女に跪いている姿は、より男として惨めにも見えてしまう。

 それでいて、お尻からはそのデカすぎる金玉が『ポコリ』とこぼれ漏れていることもまた、この全裸土下座で美女に媚びている男が最低最悪な姿を演出してしまっていた。


「見事な土下座ですね、それでは――――」


 そんな土下座を美しい笑みを浮かべながら、それでいて『ああ、そんなことをしなくてもいいのですよ』という優しさに溢れた言葉を懸けることもなく、香子はそのむっちりとしつつ長く伸びた、淫靡な美脚を持ち上げていく。

 高いヒールを履いた靴が、ちょうど立香が大きく下げている頭上まで持ち上げられると――――。


「ふぎゅぅっ!?」


 ――――強く踏みつけたのである。


「ご褒美をあげましょう……『立香』」


 まるで、立香の頭蓋骨をそのヒールで貫こうとしていたのではないかと勘ぐってしまうほどの強い踏みつけだった。

 立香の頭部にズキンズキンと鋭く激しい痛みが走りながら、それをなお強烈にしようとしているのか、香子はグリグリとヒールとつま先を押し付けてくる。

 普段は優しげに『マスター』と呼んでくれるあの香子が、今は蔑みを多く含んだ声色で『立香』と下の名前を呼び捨てに行っているのだ。

 どのような相手でも、それこそ幼い子供相手でも丁寧に礼節を持って接している香子から軽んじられてぞんざいに扱われる――どころか、虫も殺せないようなたおやかさとは正反対の『虐め』を受けるということに、立香は惨めさと哀しさと、例えようもない興奮を覚えてしまっている。


「うぐぅ、むぐぅぅ~……!」

「ふふふっ❤」


 そんな風に複雑な感情で悶えている立香を見下ろしている香子の口から、なんとも嬉しそうな声が漏れていく。

 これは嫌いな人間を虐めているから楽しいという感情では決してない。

 むしろ、その逆である。

 香子の心からは愛情が溢れかえってきていて、『この愛らしい人を虐めてあげたい』なんていう、どこか奉仕欲求的な気持ちに満ちいるのだ。

 寝取られマゾであることを未だに受け入れられていない立香とは裏腹に、香子は正しい意味でのSMプレイと言えるだろう。


 そう、立香はこのようなサディスティックな笑みを浮かべる、仲間である美女たちが現れることでようやく勃起障害が解消されて、勃起をするようになってしまうのだ。

 これもまた特異点が施した影響である。

 立香は女性に虐められなければ、勃起をすることも射精することも出来ないのだ。


「今日はどなたが来られると思いましたか、立香。

 頼光様でしょうか、モルガン様でしょうか? それともかのご高名な新免武蔵様が、あのアメリカンな星条旗ビキニをまとったまま、アメリカ人の殿方に抱かれている姿を妄想したりしていましたか?

 男など鎧袖一触、簡単に打ち払ってしまう大剣豪の方が、ただ筋肉がムキムキでオチンポがビキビキに大きいというだけの殿方を相手に、拙い英語で『ぷり~ず❤ ふぁっくみー❤ ぷり~ず❤』と媚びている姿などは、マスターの変態的な性癖を満たしてくれるでしょうね❤」

「うぅぅ~~~~!」

「…………❤」


 グリグリとヒールを押し付けるように足を動かしながら、想像力豊かな香子がその魅惑的な声で卑猥なシチュエーションを口にしていく。

 それは立香の中にある大事なものを粉々に打ち砕くような凌辱的な内容であり、立香は寝取られマゾ特有の悔しさと興奮が入り混じった感情に身悶えしていくのだが、その動きは全裸土下座をしている上に頭を香子の足で固定されるように踏みつけられているために、動かせるお尻をふりふりと振ることしか出来ないのだった。

 しかも、その際に特徴的なデカ金玉がまるで尻尾に見立てられているかのように、ぶるんぶるんと揺れるものだから、その惨めさはさらに強調されてしまっている。


 そんな惨めすぎる無様な姿が――藤原香子という女にとっては、どうしようもなく愛おしかった。

 その香子の昂ぶりに呼応するように、一つの呪術が起動する。


『どうして、という言葉が止まらなかった。立香の胸中にあるものは、まさしく薬湯そのものである。苦いが体を救ってくれる。己の不甲斐なさを責められることは、失敗を許されない任務にみを費やしてきた彼にとっては一種の救いでもあるのだが、この理不尽な扱いに憤る自尊心というものも存在している。ただ、それに対して快感を得るということだけは、いつまで経っても慣れないものであった』


 泰山解説祭。


 伝説的な陰陽師である安倍晴明に、文筆家としての技量を高めるためにもと弟子入りをしたことのある香子が扱える特殊な呪術である。

 いや、扱えるという言い方は正しくないかもしれない。

 これは香子の周囲で半自動的に行われるもので、その人物が感じている内容を、自分以外の周囲に対して、小説における『地の解説文』のような形で表してしまうというものだ。

 香子自身にも制御不能なそれは、立香に対しても過不足なく発揮されて、その複雑な胸中を的確に香子へと教えてくれたのである。


「ああ……なんと愛らしい……❤」


 その内容は重責に苦しむ青年が理不尽な行いを受けるに不満を抱きつつも、同時にその扱いにどこか安穏とした感情を覚えてしまうというものである。

 それだけならば、どこか倒錯的ではあっても美しささえ伴った内容であったかもしれない。

 だが、そこに『寝取られマゾ』という変態的な性癖が混じることで、そこに性的な興奮を得ているという下品な有りように変貌にしたのだ。

 これが、香子には愛おしくてたまらない。


「ええ、ええ❤ 気持ちいいでしょう、立香❤ もっともっと、虐めて差し上げますからね❤」


 そう、香子にも――――いや、この特異点へのレイシフト条件を満たしていた女性サーヴァントたち全員にも、特異点による精神の書き換えが起こっていたのである。

 寝取られマゾに対応した言葉が見つからないが、彼女たちは寝取られマゾである立香のためにサディスティックな欲望とともに、他の男性に抱かれることを好むようになったのだ。

 しかも、その際にあえて立香を軽んじ、蔑み、嘲笑するのである。

 それは過剰とも言えるほどのものであり、それは、香子のような女性ですら立香の土下座をしている頭をグリグリと踏みつけにしていることからもわかるだろう。

 立香への愛情を抱いたまま、しかし、サディスティックな性癖を抱いているために立香を躊躇いなく蔑んでいく。

 それが、この特異点に訪れた女たちの取る行動なのである。


「ふぅ……相変わらずの上手な挨拶でしたね。それでは、顔を上げてもいいですよ」

「あ、ありがとう……ございます……」


 全裸土下座というものを『上手』と言われて嬉しい人間など居るわけがない。

 不満そうな感情を隠しきれずに顔を上げていく立香が、香子はなんとも愛らしいものに見えた。

 それこそ、今の立香は香子にとってシャワーを嫌がる駄犬のようなものだ。


「ぅっ……!」


 そんな香子の姿を、立香は今日初めてしっかりとその視界に収めた。

 香子が称した通り『上手な挨拶』ができる立香は、扉が開くか開かないかの瞬間に頭を下げたために、香子が今日どのような姿をしているのかを認識できていなかったのである。

 そんな立香は、先ほど詳細な説明をしなかった、香子が身に付けている『特殊なアクセサリー』の存在に胸を痛めつけられたのだ。

 その特殊なアクセサリーとは――『使用済みコンドーム』である。

 首と胴体を覆っている薄手の生地はともかく、その上にまとっている黒い水着の紐の部分に、いくつものコンドームが口を固く縛られた状態でブラブラとぶら下がっていたのだ。

 腰元の紐はもちろんのこと、ウエストを彩っている紐や胸元のビキニにもコンドームはぶら下がっており、さらには上品に結われて紫色の花飾りをつけられた髪にも、まるで髪紐の変わりと言わんばかりにぎゅっと結び付けられているではないか。

 一度に見ただけではその数を正確に把握することも出来ないほどにくくりつけられており、その数は、10では足りないだろう。

 香子が動くたびに、全身からその淫らな肉体が『むちっ❤ むちっ❤』と揺れながら、同時にその体にくくりつけられた大量のコンドームが『どぷっ❤ どぷっ❤』と水風船のように動くのだ。


「くぅっ……クソっ……クソぉ……!」


 美しい女性が使用済みコンドームで彩られているその姿は――――美しく知性あふれる香子へと、青少年らしい漠然とした憧れを抱き、さらには勃起障害と射精障害に陥っている立香にとって、耐え難いほどの苦しい感情に襲われるには十分すぎるものである。

 だが、それ以上の屈辱が立香の身にすぐに現れたのだ。


「あぅっ……」


 ぴゅる、ぴゅっ、ぴゅぅぅ~~…………


「あらあら……そんなに頭を踏まれたのが気持ちよかったのですか? それとも、武蔵様の痴態を想像してしまったのでしょうか? もしくは…………私の姿に、欲情をしたのですかね?」

「ぅっ~~~~!」


 なんと、先程まではどれほど激しいオナニーをしても我慢汁しか漏れ出さない、射精障害と呼ぶことも躊躇われる状態だったというのに、射精してしまったのだ。

 もちろん、それは射精と呼ぶのも躊躇われるような情けない雑魚雑魚射精だったのだが、それでも立香にとっては身を震わせるには十分すぎるほどの射精なのである。

 そこに加えて、香子から嘲笑を向けられて、さらに屈辱的な快感は強まっていく。


『立香の身を奔る快感を、立香自身の意志で止めることは出来ない。その自由にできない感情こそが立香の快感の源だからだ。もっともっと、と。本能はその倒錯的な快感を求める一方で、人間であることを証明する理性はもうやめてくれと叫んでいる。その差異さえも快感の材料にするほど、立香という人間はこと性行為に関してはどうしようもない存在へと堕ちていたのである』

「…………ふふふ❤」


 その倒錯的な想いを、泰山解説祭という呪術によって乱暴に暴かれて、消費されていく。

 隠し事など出来ない。

 香子もそれを承知しており、また、高い知性と優れた想像力を持つがゆえに、この変態男の望むことを的確に読み取ってしまう。


「さあ、早速はじめましょうか。準備をしてください、立香」

「わ、わかりました……それじゃ、ベッドに……」

「あら? あらあら? 一体何を言っているんですか?」

「へっ――――ふぎゅぅっ!?」


 正座の姿勢から立ち上がり、ベッドへと向かおうとする立香に対して、香子はその鍛えられた首を細く白い美しい指でガチリとつかみ、床に仰向けに引き倒したのである。

 べちょり、と。

 色も匂いも粘り気も薄い、最底辺の精液が立香の背中にひっつく形で立香は倒れ込んでしまう。


「よい、しょっ……❤」

「むぐぅぅっぅう~~!?」


 むちむちぃ……ずっしぃっぃ~~~~❤


 VIPルームは天井まで高級なのだと馬鹿なことを考える立香だが、その視界さえも、香子の豊満すぎるほどに豊満なデカ尻によって塞がれてしまった。

 そう、立香は今、仰向けに倒れ込んだままその顔に座り込まれてしまったのである。

 どこまでも沈んでいきそうな官能的な柔らかさを持ったデカ尻だが、なんとも器用なことに鼻だけは飛び出す形で座り込んでくれたために呼吸は可能なのだが、それでも口を完全に塞がれてしまったために、息苦しいことには違いない。


「どうやら、立香は自分が粗相をしたことをわかっていないみたいですね? すぅぅ~~…………えいっ❤」

「むぐぅ、ふぐぅぅ、むぎゅぅぅぅ~~~~!?」


 そのまま、香子は短小粗チンへと向かって、強烈なビンタを放ったのである。


「えいっ、えいっ❤ えぇ~いっ❤」


 それも一度だけではない。

 二度、三度と往復でビンタを何度も繰り返していき、その皮被りの惨めな粗チンを物理的な暴力を持って虐めていくのだ。

 その短小チンポは平手にしてビンタを繰り返している香子の手よりも小さなもので、しかも少し叩かれただけで簡単に横にある足へとぺたんとくっついてしまうほどの柔らかさを持っているではないか。

 ビンタをされるということだけでも屈辱的なのに、そのビンタを受けて惨めに翻弄されるチンポと、女の尻の下でモゴモゴと苦悶の声を上げる立香は、虫も同然の卑小さであった。


「ふぎゅぅぅぅ~~!」


 ぴゅるっ、ぴゅるっ…………


 いや、なお惨めなのは――――オナニーではどれだけハードなものでも射精できなかったのに、香子にビンタをされるだけでイッてしまうことだろう。

 パチンと香子の手のひらがチンポを叩くたびに『ぴゅるる』と水のような精液が漏れ、その屈辱に興奮を覚えてまた短小チンポが垂直に立つと再び香子がビンタで横に倒して精液が漏れ出す。

 なにかのお遊戯のようなそれを幾度か繰り返されて、ようやく香子が満足したのか、終わりを迎えるのだった。


「勝手に射精をしてはいけないというお仕置きだったのに、また勝手にお射精をしてしまうだなんて……なにか、言うことはないのですか?」

「むぐぅ、むぐぅぅう~~!」

「あらあら、ごめんなさい❤ お尻で口を塞がれては何も喋れませんよね❤」


 そんな事を言いながらも、むしろ香子はそのむっちりとしたお尻をさらに押し付けていく。

 しかも、そのお尻からは濃厚な臭いが漂ってくる。

 それは香子だけでは絶対に出せない臭い。

 すなわち、性交後特有の雄と牝の精気が混じり合った卑猥で官能的な臭いである。


「それでは……立香のお楽しみのお時間です❤ 今日の私の一日を教えてあげますね❤」


 そう、これこそが香子が立香の部屋まで訪れた理由である。

 立香はこの特異点化した高級ホテルの内部での行動を制限されていた。

 この自室として用意された高級VIPルームの外に出ることが許されていないのである。

 それは特異点のルールでも有り、寝取られマゾの立香を虐めるサディスティックな快感に目覚めた仲間たちの総意でもあり、そのうえでさらに優れた魔術の腕前を持つ女性たちにかけられた魔術の影響でもあった。


 今までの人生でも味わったことのない素晴らしいVIPルームに居ながら。

 今までの人生では味わったことのない屈辱的な日々を。

 今までの人生だと味わうはずのなかった寝取られマゾ快感に溺れていくのである。


「ふふふ、今日は私はですね……❤ この高級ホテルに遊びに来ていた、なんとも可愛らしい幼い子どもたちと『交流』を重ねてきていたのですよ❤ 彼らは、こんなお高い宿に泊まれるほどの家柄に生まれた、俗にいう『勝ち組』の『ボンボン』なのです❤ 恵まれてはいても一般的な家庭で生まれ育った立香とは異なる、生まれながらの勝者というわけですね❤」


 そんな立香を虐める『寝取られ報告』の今日の担当こそが、藤原香子なのだ。

 立香ではそのオマンコに触れることも出来ない、いや、出来たとしてもその粗チンではまともなセックスも出来ないであろう美女から、別の男にどのように抱かれたかを直接説明を受けるという、非常に屈辱的な行為である。

 こんな日々は、カルデアからの連絡が取れなくなって――すでに一年が経過しようとしていた。

 すでに多くの女性サーヴァントたちから何度も寝取らせ報告を聴いており、香子から寝取られ報告を受けるのも初めてではないのである。


「年の頃はとても幼いのですよ❤ それこそ、カルデアでは年少組と呼ばれるような方々と同じぐらいでしょうか❤ 子どもの姿のギルガメッシュ王や、同じく子供の姿のイスカンダル大王、アレクサンダー様をイメージしていただけるとちょうどよろしいかと❤」

『より具体的な例を出されることで、立香の脳からあまりよろしくない刺激が奔ってしまう。自身も未熟である自覚ではあるが、それよりもさらに幼い人物が、この美しい女性の、この魅力的な体を貪ったのだ。それも、子どもたちという言葉から、集団で襲ったというのだ。例に出された美麗な少年たちとは裏腹に、立香の脳内にはゴブリンのような醜悪なモンスターが、香子という楚々とした美女を凌辱する姿を想起してしまうのであった』

「…………❤」


 藤原香子こと紫式部は日本文学史の巨人であり、事実とは常に一面的なものとは限らないことを良く知っている人物だった。

 故に――――泰山解説祭で暴き立てた立香の惨めな妄想に『沿う』形で、その寝取られ報告を行うことができる。

 立香が『イケメンとラブラブのセックスをしただなんて……悔しい……!』と思えば、どれだけその男性が魅力的な人物で心を惹かれたのかということを重視して語りだすだろうし、『ブサイクな男に貪れるなんて……そんな……香子さん……』などと悲しめば、どれだけその男性が生理的な嫌悪感を催すような人物でそれでも抱かれるうちに気持ちよくなってしまったのかという点を物語として紡ぐだろう。

 あくまで、このプレイは『立香が第一』なのである。


「その子供たちは、非常に貪欲でした……❤ まだ精通したばかりのようで、このホテルを水着やそれに準じるほどの露出度の服を出歩いている私を含めた多くの女性……そう、立香のことを愛している、ドスケベェ~な女性サーヴァントたちです……彼女たちを見つめて、生まれて初めて覚えたのだろう、下劣な欲情に戸惑っているようでした❤

 子どもとは恐ろしいものですね❤ 節制という言葉から最も遠く、覚えたての性欲との付き合いもまだ完璧に捉えきれていないのです……❤ その暴れ狂う欲望は、『楽しいことがある』と言って呼ばれた、この高級ホテルの内部にいくつも存在する『ヤリ部屋ホール』にいる唯一の女性である、私に向けられたのです❤」


 今回の立香は、子どもたちに集団で群がるように貪られたという点を気にしているようだ。

 香子はその聡明な頭脳を瞬時に働かせて、ものの数秒で卑猥な物語を構築するのだった。


「始まりは省略して構いませんよね……❤ 特異点特有の、『何故かそうなった』というものです❤ 子どもたちはその場所に集まり、私は抱かれるためにその場所に向かった……それだけで、変態マゾの立香には十分でしょう❤」

「うぅぅ~~……!」

「その子どもたちは、やはり子供なのですね……❤ まだまだオチンポは小さくて可愛らしいものでしたよ❤ そう……ちょうど、立香と同じかそれより少し大きいぐらいでしょうか❤」


 こねこね、こねこねっ❤


 香子はその長くむっちりした美脚を曲げた状態で足裏を立香の情けない粗チンに重ねて、足コキ――というよりも、優しい踏みつけを行っていく。

 そのまま両方の足裏で挟み込んでしまえば、潰れてしまいそうなほどに立香の粗チンが頼りないためである。


「巨根が大好きな方ならば不満に思うようなおちんちんでした❤ まあ、そのおちんちんでも立香よりは立派なものですがね……❤ 反省してください、まだ子供たちの方が男性として立派だなんて……私の時代ならば、立香はすでに大人と呼べる年齢なのですよ❤」

「むぐぅぅ、ご、ごめんな、しゃいぃ……」

「はい、反省ができて嬉しいですね❤ もっとも、反省してもおちんちんを大きくする、なんて『改善』をすることが出来ないのですから……全く意味のない、形だけの反省なのが残念ですが❤」


 自分の肉体的な特徴という、自分の意志では変えようのないことで責められて謝罪をさせられるというのは、想像以上に精神的苦痛を覚えるものである。

 それをわざわざ謝罪をさせられた上で、そんなことに意味はないとその謝罪さえも否定されることで、より強烈な苦痛が味わわされるのだ。

 その言葉による責めでさえも、この苛烈で屈辱的な性行為における前戯でしかない。

 今から、本番が始まるのである。

 香子はその筆を走らせる際に使用する豊かな脳細胞を、語り手として活かしながら、自身のデカ尻で踏みつけにしている立香の歪んだ性癖を刺激していくのだった。


「まず、入ってきた私に対して、その男の子たちは群がるように近づいてきました……❤ 水着姿のこのナマ脚をペタペタと触り、もちろんその上にある大きな……そうです、今、立香のお顔を敷いているお尻にも触れる……というよりも、揉み込むように、遠慮なくセクハラを行ってきたんです❤

 聖杯の影響でしょうか、どうも私という女に対しては何をしてもいい、奴隷のような存在だと思っていたようでして……❤ 先ほども言いましたが、彼らは皆、上流階級で生まれ育ったお金持ちのお子様です❤ 恐らく、元から『下の階級の人間に指示を出す側の人間』だという自覚もあったのでしょう❤ 性欲に駆り立てられている部分も強いようですが……それでも、その手つきには迷いも遠慮もなく、私という『エロい女』を好きに扱っていました❤ 今、こうしてお尻の下で悶えることしか出来ない立香とは大違いな、あの年齢でも雄なのだと感じる、乱暴なまでの雄々しさでしたね❤」

『香子の艷やかな口から漏れ出る言葉に、立香は我慢が出来なくなる。このむっちりとしたドスケベなデカ尻を、見ず知らずの子供が我が物顔で玩具のように揉みしだいていたという事実に脳が焼ききれんばかりの嫉妬を覚える。立香は、体の脇に添えていた腕を動かし、密かにそのデカ尻へと手を伸ばそうとする』

「めっ、ですよ。立香。何を考えているんですか。あなたに許されていることは……ベッドではなく床の上に寝そべり、両手を体の横に揃えて、粗末なおちんちんを勃起しているのかしていないのかもわからない状態を維持することだけです」

「びゃ、びゃいぃっ!」


 この『泰山解説祭』というものは、あまりにも寝取らせプレイには有意義なものであった。

 立香が望む形での寝取られプレイの方向というものに即応できるし、その寝取られプレイには相応しくない行動に思わず出ようとしてしまった立香へと釘を打つこともできる。

 この呪いのような、周囲には迷惑をかけていることも多かったこの呪術を、香子はこの特異点で初めて有効活用ができるようになったと言えるだろう。


 香子はその美脚の先に足でチンポにキックを与えて、泰山解説祭で得た『立香が香子の寝取られ報告に集中していない』という情報を元にして責めていくのだ。

 そうして、寝取られ報告プレイはさらに加速していく。


「話を戻しましょうか。今もこうしてちんちんをふりふりとしている立香ですが、それよりも年下の彼らもまた、私の体に夢中になったことで固く勃起をさせていったのです❤ 大きさは立香と同じか少し大きいぐらいですが、硬さに関しては間違いなくあの子達のおちんちんが上でしょう❤ 元々、日本人は大きさは欧米人に劣りますが、その硬さは鉄の棒のようだと感心を買うと言われていますが……こう、やって、えいっ!」

「ひぎぅぅぅっっ!?」


 香子は話の途中で立香に尻を乗せたまま体勢を変えて、粗チンへと再びビンタを行う。

 それはフルスイングのビンタで、立香の粗チンを二度と使い物にならなくしてやろうという意志さえ感じてしまうような激しい『打撃』であった。


「女の細腕でもペチンと倒れてしまう情けないものですものね、立香のおちんちんは❤ ふふふ、私も立香のような情けないおちんちんが相手では『萎えて』しまったかもしれませんが、幸いなことにあの子たちのおちんちんはそうではありませんでした❤ たくましいおちんちんに囲まれた嬉しさで私も性欲にも熱が宿りだして、ついつい……サービスを行ってしまったのです❤

 ベッドへと座り込んだ私の体に、子どもたちは脚やお尻だけではなく、お腹や胸への愛撫に首元や脇の下などへと舌を這わせることもしだしたのです❤ もちろん、腰をヘコヘコと動かせて私の柔らかな肌にその未熟ながらも硬いおちんちんをこすりつけることもしています❤ ……立香のように、なにもないところに向かって腰をヘコヘコと動かしているような惨めな真似ではないんですよ❤」

『屈辱だった。屈辱だったが、心地よかった。己が底辺に位置する人間であるかのように思えることが、これ以上ないほどに心地いい。その事実さえも屈辱的で、その屈辱さえも心地良いという、一種の永久機関のようなものが立香の心のなかに創り上げられている。そして、立香の果てなき欲望、より深く香子が語る最悪の淫靡な話の続きを求めていくのだった』

「話を戻しますね❤ そんな子どもたちの、水風船で遊ぶかのような乱暴な愛撫に対して……『あんっ❤ あんあ~んっ❤ 気持ちいいです、おぼっちゃま方ぁ❤ 香子は、香子はぁ❤ 皆様のような素敵な殿方に求められて、幸せでございますぅ~❤』という、別に感じているわけでもないのに媚びるように喘いであげたのです❤

 ええ、不快ではありませんが、特別感じていたというわけではありません❤ その情熱的な愛撫は女として求められているということで、牝として悦びは覚えますが……それでもやはり、子どもは子ども❤ 拙い愛撫では性感を昂らせるのは難しいですが、私を求めてくれるサービスということで、喘ぐのですよ❤」

『それは立香にとって劣等感を大きく刺激するものだった。だが、香子はそのような子どもたち相手に快感を得なかったということは同時に安穏とした気持ちも僅かに抱く内容でもある。まだ、自分にも何かしらの目があるのではないかという、奇妙な期待を抱いてしまうためだ』


 ヘコヘコっ❤ ヘコヘコっ❤

 すりすりっ❤ すりすりっ❤


 立香は直立不動の姿勢で床に寝そべったまま、どんどんと脚がピンと伸びていき、腰が天井へと向かって上がっていくのだ。

 それは立香の性感の高ぶりを形で示しており、また、泰山解説祭でその心情を知っている香子は、そこに今までの寝取られ報告プレイで得た経験を持ってさらに責め立てていく。

 この寝取られ報告プレイのミソは、上げて落とすなどのように、『物語の位置関係』とでも呼ぶべきものを強調させるものなのだから。


「ですが……ある男の子の指がペチンっと私の乳首を弾いたのです❤ その瞬間、先程までは嘘っぽい喘ぎ声をあげていた私の口から、『おほぉんっ❤』という……ガチ嬌声が漏れてしまったのですね❤

 『あんっ❤ あんっ❤』なんていう、いかにも童貞の人が妄想するであろう喘ぎ声とは全く違う、自然と漏れ出すような、人間も動物なのだと教えてくれる野太いオホ声です❤ それを……やはり、男の子なのでしょうな❤

 それを聞いた子どもたちはすぐに今までの喘ぎ声は演技だと気づき、同時に乳首こそが私の弱点だと気づいたのです❤ 玩具のくせに自分たちのような上級市民を騙していた生意気な牝を懲らしめるために、乳首を重点的に責め立てていったのですよ❤

 こうなれば、牝である私にはなすすべもありません❤ 『おほぉ、ほぉぉ~❤ やめ、やめてくださいぃ~❤ そ、そこを責められたら、んほぉぉ~❤ 香子は、頭がおかしくなってしまいます~❤』という、文面だけならば先ほどと変わりのない、けれど声色を聞けばはっきりとわかるほどの媚び媚びの懇願です❤ 私は身も心もすっかりと蕩けさせて……もう、性的な玩具として完成されてしまったのです❤

 ならば、もう……何が起こるか、わかりますね❤」

『聞きたくない。そう思っているはずなのに、先が気になって仕方ない。寝取られマゾ性癖というどうしようもない性癖は、立香の心を飛び越えて本能が求めている状態だった。なによりも、それを止めることは出来ない。紫式部は立香のサーヴァントなのだが、この場においての主人はむしろ彼女の方なのだから』

「それでは……次の姿勢へ……❤」

「むぐぅぅ~……ぷはぁっ! はぁ、はぁぁ……!」


 ゆっくりと、香子のデカ尻が立香の顔からどいていく。

 やっとまともな呼吸ができるようになった立香は、先程までの淫靡な香りが残っている空気を必死に取り込むように荒い呼吸を何度も行っていくのだった。

 それは話が終わったのではなく、その話のクライマックスに向かうことを意味していたのである。


「とある一人の子どもが、私の水着の股間部分を強引にのけて、その立香のおちんちんと同じほどしかない子どもチンポを挿入していったのです❤ ああ、もちろんコンドームはつけていますよ❤ そのヤリ部屋ホールに足を踏み入れる際にゴムを装着することが義務付けられますので❤ サイズは、立香が使用するものと一緒ではないでしょうか……ああっ、申し訳ありません❤ 立香はヤリ部屋に入れないのですから、コンドームなどつけたことはないのですね❤

 話を戻しますね❤ 乳首への執拗な責めですでに愛液がドロドロになっているため、何の抵抗もなくそのおちんちんを受け入れました❤ 入口の辺りをコスコスと擦り付けながらも、場合によれば膣道の中頃まで届く程度のまだまだお子様な長さです❤

 それでも、蕩けきった私の体には極上の甘露だったのですが……❤ そんな一人とのセックスでは、複数人集まっている子どもたちは満足しません❤ そのうちの二人が、痛いほどに勃起させた子どもおちんちんを私の口元に突きつけて……無理矢理に挿入したのです❤」

「むぎゅぅぅっ!?」

「はい、いくらまだまだ未成熟な子どものおちんちんと言えども、さすがに二つも同時に口へとねじ込まれてはさすがの私も呼吸が困難になってしまいますね❤ 今の立香がそう感じているように、まさしく窒息死してしまうのではと不安になってしまうほどの苦しさが襲いかかってきたのです❤

 ふふふ、初めての性的な行為なのに、一つの口に二本のチンポを同時に挿入するだなんて変態的なプレイ、将来が心配になってしまいますよね❤ いえ、もちろん、それでも『寝取られ報告』などということで異常なまでに興奮する立香と比べたら、よっぽどマシでしょうが……❤」


 そんな本番の語りに入った瞬間に、香子はその長くてむっちりとした脚を使って、立香の首を強烈に締め上げていったのである。

 頭部の上に座り込んだ後に伸ばした右足を首にまとわりつかせ、左足でその右足を引き付けるように絞っていく――プロレス技などでいう、首四の字固めと呼ばれるものだ。

 ルチャ・リブレに目覚めたケツァルコアトルが、ルチャ戦士としては本筋ではないにしてもリングを同じくするもの技として知識を持っていたために、わざわざ教えを請うたことで身に付けた技である。


「もちろん、それだけではありません❤ オマンコを犯す前に子どもたちが私の体にまとわりつき、そのまま腋や膝の裏はもちろんのこと、髪の中にまで突っ込んでおちんちんをシゴきだしたのです❤ ええ、そうです❤ あの子たちは私という肉をひたすらに貪り続けたのですよ❤ ……立香のように、首を絞められながら何もない場所に腰を突きつけるなどという、惨めすぎる行動を取った子は一人として居なかったのです❤」

『苦しみが立香の体と心へと襲いかかっていた。それは香子の心地よい柔らかさを持つはずの美脚が生み出す絞め技による息苦しさから生まれるものなのか、自分の意志では触れることも許されない体を使った射精が出来ることへの嫉妬の苦しさなのかわからない。だが――その苦しみが、射精欲求へと直結しているのだけは、目をそらすことの出来ない事実だった』


 その言葉と苦しみに、立香は耐えることが出来なかった。

 首四の字固めを受けているというのに、一度命令されたことは拒否できないと指を体の横につけた直立不動の姿勢のまま、エビゾリになるほどに脚をピンと伸ばしたまま、チンポをぶるぶると震わせて――射精をしてしまったのである。


「ほら、イキなさい❤ このアクセサリーのようにつけているコンドームが示すように、あの子たちは私の体で気持ちよく射精をしていたというのに❤ あなたはその『射精のための玩具』に首を湿られながらイクという、最低の扱いを自覚して、イキなさいっ❤ イッてもいいですよ❤ さぁ、ほら…………イ~ケっ❤」

「うぐぅぅぅぅ~~~~!」


 ぴゅるるっ、ぴゅぅ、どぶぴゅぅぅ~~……


「はいっ❤ ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅぅぅ~~❤ いっぱい射精できましたね❤ 偉いですよ、立香❤ 貴方程度の弱々しい雄が、子どもたちが最後に射精をしたこのコンドームの、ぷぷっ……❤ は、半分ほどの量を射精できたではありませんか❤ と~っても気持ちよかったみたいですね❤」

「ぷはぁっ! はぁ、はぁ、はぁぁ……!」


 射精を終えると同時に、香子による首四の字固めも解放される。

 量こそ少ないが勢いは相当なもので、それこそ天井にまで届きかねないほどの勢いだった。

 そんな激しい射精をし終えた立香は床に倒れ込んだまま、大の字の姿勢へとなっていくが、それを香子は責め立てるようなことはしなかった。

 むしろ、そんな射精の疲れを感じている立香を優しげな視線を向けている香子からは、明確な立香への愛情というものを感じるではないか。


 そう、愛情である。

 紫式部こと藤原香子は、藤丸立香を――――愛しているのだ。

 このような寝取られ報告プレイ、いや、報告だけでは終わらないガチで体を許した寝取られセックスをしているのは、この特異点の影響で芽生えた『嗜虐心』から生まれたものだろう。

 それでも、ただ『嫌いだから虐める』というものではなく、『好きだから虐めている』ということは、立香を取り巻く環境で重要な要素なのであった。


「ふふふ……それではぁ、『マスター』❤」

「ぅっ!」


 それは、呼び名の変化にも現れていた。

 香子が持つ二面性――立香を虐める女王様の香子と、立香を愛する恋人の香子という顔の最大の違いが、この『立香』と蔑むように呼び捨てにするか、『マスター』と愛情に満ちた優しい声で呼びかけるかというものなのである。

 それを理解している立香は、魔術的な『射精管理』によって射精のできないマゾオナニーで高ぶりきっていた心身が解放されたことでの虚脱感も忘れて、ガバリとその場から立ち上がった。

 すると、ベッドの上でM字開脚をして、赤く染まりながらも淫らな白濁色の愛液を流れているオマンコを見せつけていたのである。


「悔しいでしょう❤ 寂しいでしょう❤ 早く……仲直りセックスをしましょう❤」



♡香子とマスターの純愛イチャラブセックス♡



「か、香子さんっ……! うぅ、くぅぅ……!」


 ふらふらとした足取りでベッドへと乗り上げた立香だが、しかし、ハードなマゾオナニーの後の、同じぐらいハードな寝取られ報告プレイは、よほど立香の心と体に負担を与えていたのだろう。

 複数人が並んで眠られる、VIPルームの名に相応しいキングサイズベッドの上まで登った瞬間に、やはり仰向けの姿勢で倒れ込んでしまったのである。

 これが、本当の『マゾへの虐め』なのならば、香子はやはり艶美な笑みを浮かべて、こういっただろう。


『あらあら❤ マスター……いえ、立香は香子に興味がないのですね❤ 仕方のないことです……❤ 殿方に見捨てられた女は、惨めに立ち去るのみですから❤ あぁ、お止めにならないでくださいませ❤ 私にも、女としての矜持というものがありますから……❤』


 立香は本当はセックスがしたくてたまらないのに、まるで立香の方が香子を拒絶したのだと言わんばかりにこのVIPルームから立ち去ることで、その暴力的な寝取られプレイを完遂させたはずなのだ。

 だが、香子はそうはしなかった。

 何故ならばこれはもう、本当の意味での寝取られプレイではないからだ。


「そのまま、マスターは寝そべっていてください❤ この勃起をしても弱々しいふにゃふにゃのおちんちんを……んぅ、くぅぅ~~❤」


 そのまま立香の股間の部分で膝立ちとなり、そのふにゃりとした粗チンを手で添えて、自身の濡れ濡れオマンコへと挿入しようとしているのである。

 子どもたちにはコンドームを強制したくせに、立香にはそのようなことは一切しない。

 ナマのチンポをそのままのオマンコで受け入れようとしているのである。


「あっ、くぅ、か、香子さん……!」

「あぁっ、あぁぁ~~っ❤」


 ずぶ、ずぶずぶぅ、にゅぷぅぅ~~……!


「うわっ……わわわ……わぁ……!」

「ふふふ……❤ 玩具のバイブレータ、その側面についている突起物程度のおちんちんですけど……ええ❤ とっても気持ちいいですよ❤」


 間の抜けた声を漏らしながらも、立香は顔と体中の筋肉が弛緩していくのを自覚した。

 それほどに、香子のオマンコは気持ちが良かったのだ。

 そんな幸せそうな立香を見下ろしながら、それでもその表情には優しげな笑みを浮かべながらゆっくりと、本当にゆっくりと腰を動かしていく。


『香子の腰を動かしていくたびに、立香の脳みそは直接ハンマーで叩かれたような強烈な衝撃に襲われてしまう。それこそ、無駄に大きなデカ金玉がグツグツと煮えたぎるような快感である。自分で腰を動かそうと思うものの、先程のハードなプレイによる射精が起こした虚脱感と、香子のオマンコから与えられる快感の大きさで満足に動くことが出来ない。あまりにも情けないと、立香は自らを責めてしまうほどだった』

「マスターは動かなくても大丈夫ですよ❤ 寝取られマゾの粗チンさんが……女の子を気持ちよく出来るわけなんてないのですからね❤ マゾらしくワガママに、子供のように小さな粗チンに相応しく幼稚に、自分だけが気持ちよくなることを考えればいいのです❤

 ですから……ほら❤ あの子たちが弄んだと聞いて嫉妬で興奮していた、このおっぱいで遊んでくださいませ❤ あんっ❤ あんっ❤ あぁぁ~ん❤ ……ふふふ、ごめんなさい❤ ちょっと虐めすぎましたね❤ はい、演技の喘ぎなんてしませんから……たっぷり、気持ちいいことだけに集中してくださいね❤」

「あぁ……香子さん、香子さぁん……!」

「……❤」


 香子の嗜虐的な、それでいて愛情たっぷりの騎乗位セックスに、立香は情けなく香子の名前を呼ぶことしか出来ないのだった。

 そんな惨めな姿を見て――香子は、余計に興奮を強くしてしまう。

 嗜虐心によるサディスティックな欲望に目覚めた香子は、いや、むしろ特異点の影響でサディズムを開花させたからこそ、そんな情けないマゾの立香が愛おしくてたまらなく感じてしまうのだ。


「あぁっ❤ 気持ちいい……というより、幸せですっ❤ この浅い部分でスコスコ擦られるの、とっても幸せっ……❤ カリがあるかもわからない真っ直ぐなおちんちんでスコスコっ❤ 親指程度の太さのおちんちんでスコスコ❤ 短いから奥になんて届かないおちんちんでスコスコっ❤ ……馬鹿にしているように聞こえますが、私のオマンコはこれが一番幸せなんですよ❤」

『自分を情けない存在だと蔑むような言葉の中にたしかに含まれる、甘やかすような愛情に立香の脳みそは破壊されそうだった。むしろ、自分を蔑むのならば徹底的に蔑まれたほうが脳みそは安定して悲しみに浸れただろう。そんな中でも甘やかされることで、立香はこの蔑みを気持ちよく感じてしまう。その脳を破壊するような甘やかな罵倒は、立香へと早々に射精へと導いていく。騎乗位のため立香は見ることが出来ないが、恐らく今、立香の淫紋が刻み込まれた金玉は卑猥なピンク色の光を放っているだろう』


 その声を聞くたびに、立香がおっぱいに添えている手に力が入っていく。

 それでも、あの子どもたちのような激しく凌辱的な愛撫ではない。

 同じ長さや太さのようにも思えるチンポでも、ナマであるとかコンドーム付きであるとかとは全く異なるものがある。

 優しさ、と言ってもいいかもしれない。

 情けないから出来ないという部分とは別の、マゾだから受け身になるという理屈でもなく、立香の人格が現れたようなものを感じ取れるたびに、香子はどうしようもない快感を覚えてしまうのだ。


「はぁ、はぁ……! 射精るっ、射精ちゃうっ! 射精ちゃうよ、香子さんっ!」

「はいっ❤ たっぷりと射精してくださいね……子宮まで届くか怪しい雑魚雑魚なお射精、香子のオマンコでたっぷりとしてください❤」

『その優しげなのに立香のことを徹底的に見下したその内容に、どうしようもないほどの興奮を覚えてしまう。もう、立香に我慢など出来るわけがなかった』


 どぴゅっ、ぴゅぴゅぅ、どぶぴゅうっぅぅ~~……!


「あぁんっ❤ はぁ、おぉぉ、ほぉぉ~……❤ こ、これぇ……❤ 子宮が満たされて、体中に奔るこの感覚……たまらないです、マスター……❤」


 そこで注がれていく精液は、非常に勢いの激しいものだった。

 淫紋の金玉がグツグツと煮えたぎるほどに稼働させて生み出した精液は、量こそ多くないもののオマンコを通って子宮まで簡単に辿り着くのである。

 それがオマンコの中を泳ぐのを感じるたびに、香子の胸に例えようのない多幸感が溢れかえっていく。


「んぐぅっ!?」

「んじゅるるぅぅ❤ ちゅぅぅ、じゅるるぅぅ❤ れろっ❤ れろれろぉぉ~ん❤」

『突然のキスに、立香は驚愕と幸福感で脳みそがはち切れそうになった。そこには、先程までの自身を虐めるサディスティックな色は一切感じられない。ただただ愛情を貪るような、幸せなベロチューキスに、立香は目を細めて受け入れるのだった』


 その多幸感から生み出される快感に駆り立てられて、香子は体を前に倒していき――そのまま激しいベロチューを開始するのだった。

 このキスは、どんな寝取られプレイでも決して許していないことである。


(マスター……❤ 貴方は、確かに変態的な性癖が芽生え、それに呼応するように私たちも意地悪な変態女となりましたが……この心は、みな、マスターに捧げたものです……❤ マスターを傷つけていいのは、私たちだけ……❤ マスターの女の乙女心を翻弄していいのは、マスターだけ……❤ 口に出せば安っぽくなり、それもプレイの一環としか思ってくれないでしょうが……❤ それは真実なのだと、このラブラブベロチューで示させてもらいます……❤)


 藤丸立香に捧げる唇をフェラチオ以外で奪おうとすること。

 藤丸立香への罵倒を行おうとすること。

 それらを、女性サーヴァントたちは許したことはない。

 香子ほどの穏やかな人物ならばそこで寝取られプレイは打ち切りとなり、より悪辣であったり苛烈である女性ならば――死も有り得る。

 この変態的な特異点の中心は、あくまでも『立香が快感を覚える』という事象が中心になっているのだ。

 そう、寝取られマゾの立香が中心に動くのだから、こんな『幸せ』で終わるわけがない。


「それではマスター❤ すべてが終わって……最初にしていなかったお仕置きをさせてもらいますね❤」

「……え? うわぁ!?」

「まあ、なんと弱々しいのでしょうか。疲れているのか……それとも、『立香』は雄としても弱い雑魚ということでしょうか? それではここを、そろりそろり、と」

『あまりの変貌についていけない立香は、それでも香子のされるがままに、惨めな体勢――マングリ返しの姿勢を強制されるのだった。しかも、そこに姿勢が固定される呪術までかけられてしまったのだ』


 立香は、寝転がった姿勢のままに脚を大きくあげられて膝が顔の横につくほどまで持ってきて、腰とお尻が高く掲げられるマングリ返しの姿勢になった。

 そこには淫紋が刻まれたデカすぎる金玉と、金玉がデカすぎるだけに余計にその雑魚さが際立つ粗チンがブラブラと揺れている、普通の男が見せるマングリ返しよりも強烈な無様さを持っている、立香独特の無様さを持った姿勢なのである。

 そこをさらにキャスタークラスのサーヴァントである香子によって呪術をかけられては、魔術師としての適性が乏しい立香ではその呪術を解除することは敵わず、その無様な姿勢を解くことができなかった。


「我慢が効かず、射精ができないオナニーをしてしまったお馬鹿な立香には……このまま待機してもらいますね。でも、そのままだと来た人がびっくりしちゃうので……少し、遊び心を。えいっ❤」

「ふぎゅぅっ!?」

『尻穴に差し込まれる感覚がある立香だが、金玉が大きすぎて視界を遮り、なにを挿入されたのかもわからない。それでも、自身の短小チンポよりも長いものだとわかり、先程までのラブラブ仲直りセックスで和らいでいた劣等感が蘇ってくるのだが、そんなものも前立腺に奔る感覚で吹き飛んでしまった』


 本来は禁止されていたハードオナニーをしていた立香のお尻の穴へと挿入されたものは、とある美しい花であった。

 長く太い幹を持った一本の切り花は尻穴へとズブズブと入り込んでいき――そして、その花とは呪術的な加工が施された特殊な花であるために、幹が成長していき、前立腺へと根を張っていって栄養を吸い取って花を瑞々しくさらに美しく輝かせるという効果を持つのである。

 その栄養を奪い取る際に前立腺を刺激することでマゾ調教を行いつつ、藤丸立香という男はなにかの踏み台になる土壌にすぎないのだと言外に知らしめることで


「おぉ…うぅぅっ……!?」

「それではこちらにも、えいっ」


 それだけでは終わらない。

 ピンクローターを金玉に貼り付けられて振動していき、その振動を通じて淫紋にも刺激が与えられて、淡いが卑猥なピンク色に発光をしていく。

 淫紋が発光するということは淫紋としての効果を発揮しているということであり、つまりは性感を増強されるということでもある。


 一輪挿しされた呪物の花も、淫紋対応型のピンクローターも、この特異点の内部にあるロボット型の使い魔が運営しているホテル内部にある店舗で販売している調教アイテムなのだった。

 これは寝取られプレイで女性相手に使われることも稀にあるが、基本的にはひたすらに立香を責め立てるために存在するアイテムである。

 この店舗は、立香のことを愛しつつも立香を虐めることに興奮を得る女性サーヴァントたちは常に新たなアイテムがないかを確認するほどに訪れるほどの人気店となっていた。


「私だから良かったのですが、他の人ならオナニーをしてることを感じ取られたら怒られて、最悪の放置プレイを味わってしまいますよ? こういう……ふふふ、すみません。可愛らしい姿を見せて、次に来る女性へと媚びを売っておくことをおすすめします」

「ま、待って……! こ、これ、ほどいて……!」

「それでは……ん~ちゅぅ❤ いっぱい楽しんでくださいね、立香❤」


 一輪挿しの花を輝かせるために前立腺に根を貼られ、ぶぶぶという微弱な振動を淫紋の刻まれた金玉に与えられて、それで放置されて無事なわけがない。

 哀れを誘う声で香子へと呼びかける立香だが、そんな姿さえも香子のなかの嗜虐心を刺激するだけだった。

 そのまま唇へと可愛らしいバードキスを捧げた後に、振り返ることを一度もせずに上機嫌な足取りで扉の外へと出ていくのである。


「あ……あわ……あぁ……」


 哀れな声を漏らしながら、呪術的な拘束を受けた上で惨めな『花瓶』、あるいは『花壇』になってしまった立香は、いつ来るかもわからない『立香を虐めに来る女性』のことを思って絶望の声を漏らすことしかできなかった。

 それでも、救いがたい興奮を覚えてしまう。

 立香は、この特異点を――心の何処かで楽しんでいたのである。


 この微小特異点だが、キャスタークラスのサーヴァントたちが解析をした結果、なんとカルデアとの間に大きな時間経過の違いを生み出していた。

 この微小特異点で過ごす一年は、カルデアの一時間にも等しい。

 これほどの流れる時間に差がある空間では、連絡を取ることさえも難しい。


 ただ、モルガンやスカディと言った最上級の魔術師がいる以上、本当にこの特異点を解決させて脱出しようと思えば、それこそ瞬きの間で可能かもしれない。

 だが、それは立香が望んでいないという理由だけで行われなかった。

 それを立香自身も知らされている。

 心の底から『もう嫌だ』と言えばすぐにでも自分を愛する女性たちが助けてくれる空間で、立香はそれを言えずに、この寝取られマゾの快感を楽しんでいた。

 それはある意味では、藤丸立香という人間に与えられた僅かな幸せな空間、春の時間なのかもしれない。


 立香は明日まで、明日までと思いながら――――この寝取られ特異点を楽しんでいくのだった。


(終)


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Comments

熊琴

昨今は寝取られの踏み台にされがちな寝取らせが多いからこういう愛のある寝取らせは凄く嬉しいです

カツ

寝取らせの破滅的・倒錯的な純愛が表現描写されていて素晴らしい作品。忌憚のない感想ってやつっス