Home Artists Posts Import Register

Content

聖杯戦争とは

性杯戦争とは

性杯戦争シリーズのさすらいのヒモ、オリジナル設定です。聖杯と名付けられているが、聖杯ではないものが様々な世界へアクセスして美少女・美女を強制召喚し、さらにその美少女や美女と相性の良いサーヴァントをパートナーとして聖杯戦争を行う────はずでしたが、バグが発生してエラーが起こり、聖杯が性杯となったとい...

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ここは現実ではない。

 天の川銀河太陽系惑星地球、その星に住まう知的生命体である人類の歴史でいうところの二十一世紀初頭の日本国首都東京を模して形作られた箱庭空間。

 ここは、そういう特殊な空間なのだ。

 ただ、その空間の中心には『聖杯』と称せられる万能の願望器が存在している。

 時間も次元も、常識も法則も異なる世界から、『聖杯』に選ばれた『マスター』が強制的に呼び出され、そのマスターたちは自分たちの『力』である『サーヴァント』を召喚する。

 7人のマスターと、7騎のサーヴァント。

 彼女たちをPC(プレイヤーキャラクター)とし、聖杯をGM(ゲームマスター)とするならば、この東京の街に溢れかえっているそれ以外の、まるで生きている命のように見える存在は、実際は命を持たずにそれぞれの世界に実在した人物たちの行動パターンをインプットされただけのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)だ。

 聖杯という名のGMは、この世界で唯一の命であるマスターに戦えと命じた。

 勝ち抜いた一人に奇跡を与えると、勝手に呼び出しておいて、勝手に決めてしまった。

 通常の聖杯戦争と異なり、脱落なんて許さないと。

 残酷に、冷酷に。

 戦え、戦え、と。

 聖杯は、戦いを命じたのだ。



 かこん、と。

 切り取られて斜め上に刺すように設置されている竹が、流れ出てくる水の重みに耐えかねて頭を垂れて、下に置かれていた岩を叩く音が響いた。

 『ししおどし』と呼ばれる日本古来より伝わる庭園施設の一つである。源流は音を出すことによって田畑を荒らしに来た野生動物たちを追い払う装置なのだが、いつからかその音が風流なものであると感じ取られ、こうして日本庭園の侘び寂びを彩る装飾の一つとなったものだ。

 そんな立派な庭園が作られた懐石料理の高級店の一室で、二人の美女が向かい合っていた。

 一人は輝かしい金髪を豊かにウェーブさせた、空のように透き通った碧眼の持ち主。母性すら感じるほどに穏やかな容貌ではあるが、その額にローマ数字で『1』を表わす『I』のタトゥーが刻まれた威容な美女であった。

 その美女の名をセフィリア、セフィリア・アークスという。その異様なタトゥーが示す通り、常人では計り知れない能力と、深い闇を代行する人物である。


「マスターは所作が非常に美しいですね。私のような無骨者と比べてしまうと、どちらが日本人かわからないほどです」


 そんなセフィリアと向かい合って食事を行っている、セフィリアに勝るとも劣らない美貌を持つ美女が口を開く。青銀色とでも呼ぶべき澄んだ髪を、その燃えるような赤い瞳と同色をした髪留めの紐で高い位置にまとめている。タレ目がちな大きな瞳が特徴的な美貌はいささか幼気な童顔で、美しいというよりも可愛らしいという印象を見るものに与えていた。

 しかし、この美少女はその愛らしさとは裏腹に驚くべき武勇を誇る女武者なのだ。並の男の兵士ならばそれこそ千人が束になって襲いかかっても敵わない超人。英霊として人理に記録され、この聖杯戦争の参加資格を得てサーヴァントとして召喚されることも納得の猛将なのだ。

 その名を、巴御前。平安末期の源平合戦にて名を残す日本史屈指の女武者である。


「ありがとうございます。ですが、アーチャーのような歴史に名を刻んだ高名な日本人に褒められると、なんだか照れてしまいますね」

「私など所詮は単なる猪武者に過ぎません。その点で言えば、マスターは貴人としての研ぎ澄まされた所作をされており、気品の違いというものを感じ入ってしまう次第です」


 巴自身も決して現代でも無粋とされるようなだらしのない作法を行っていた訳ではないが、それどもどこか素朴な洗練されていない印象を与える動作ではあった。セフィリアの上品なものと比べると、いささか劣ると言ったところであろうか。

 そのことを僻むこともなく、純粋に尊敬の眼差しを向ける巴。その視線がくすぐったいのか、セフィリアはくすりと微笑みを浮かべてその大人びた美貌に崩した。


「主従などと……私たちは同盟です。聖杯を手にしたい私と、その求めに応じて馳せ参じてくれた貴女は対等の関係です。貴女とともに聖杯を手に入れ、我らがクロノスが回収して未だに混迷を極めている世界を安定に導く。その目的に、貴女のような高潔な武者が力を貸してくれることは私にとっては望外の栄誉ですよ」


 セフィリア・アークスはあくまで突然としてこの聖杯戦争に巻き込まれた。瞬きの隙にこの仮想現実とでも呼ぶべき空間に召喚され、聖杯戦争という奇跡を求める戦いを強制された。

 忠誠を誓った組織、『クロノス』以外に命令を下されることはセフィリアにとっては思うところがあったが、それでも聖杯というあまりにも巨大な報酬はセフィリアの心をくすぐった。聖杯があれば、クロノスの支配は安定としたものあるだろう。それを手にすることは、クロノスの忠実な駒であるセフィリアにとっては何よりも優先すべきことのように考えられた。


「いいえ。私が求めるものは、最後まで主とともに戦い続けるという手慰みに過ぎません。貴女のような、世界の恒久的な平和という崇高な目的を抱いての参戦ではありません。

 ……決して生前の選択を後悔をしたことなどありません。ありませんが、それでも武者としての私は義仲様と戦場を駆けたいという見苦しい欲望があったことは否定できません。このような浅ましい身を、マスターと対等などとは口が裂けても……」


 一方で、巴御前はセフィリアの評価の言葉を苦しそうに顔を歪めたまま受け取ろうとしなかった。

 主である木曽義仲と最後をともに出来ず、それでも木曽義仲の言葉を胸に抱いたまま人生を全うした。そのことに巴自身もなんの後悔もない、巴は愛する男の木曽義仲に仕えることが出来たのだから後悔などするわけがない。

 だが、後悔とは全く別の部分で、血湧き肉躍る戦場を駆け抜けた武者としての自分が、それでも主君である木曽義仲と最後の瞬間を共にしたかったという欲望を抱いていたのだ。その欲望が形となり、巴は聖杯戦争を求めた。マスターに従者として召喚されて、そのマスターに忠誠を誓って戦場を走る武者としての自分の完遂を欲したのである。

 すなわち、巴御前は聖杯を一切として求めていない。巴が求めていたものは聖杯ではなく、聖杯戦争。結果ではなく過程なのだ。本懐を遂げることの出来なかった騎士が求める欲望、それと同じものを巴御前という女武者は求めた。

 そんな自分が、世界のためとまっすぐに口をするセフィリアと対等な関係であるとは、清廉な一面を持つ巴には受け止めることが出来なかったのだ。


「貴女がそう言うのならば、甘んじてその忠誠を受け止めましょう。未熟な身ではありますが、貴女の武勇に恥じない主であるように努めさせていただきます」


 セフィリアは食後のお茶をゆっくりと喉に流しながら、改めて巴御前と主従の契約を結ぶ。魔術的な契約ではなく、言葉における契約だ。何の力も持たないその契約は、しかし、セフィリアや巴のような高潔な騎士と武者には大きな意味を持つのである。


「それでは……アーチャー。今回はこの『討伐令』に私たちは参加します」

「例の都心に現れたという異界の切除ですね」

「はい。監督役より発せられたこの討伐令、『異界ダンジョン』を踏破せよというものです。この異界ダンジョンとは、安定していないこの世界に生じた特異点のようなものとのことです。聖杯には大きく劣るもの、巨大な魔力リソースが暴走をして大惨事を引き起こす前に異界を踏破し、これを閉じる。その際に得た魔力リソースは討伐成功者の所持物となる上に、新たに令呪を一角を譲渡されるという報酬もあります。参加しないという手はありません」

「私にも異論はございません」


 その契約を改めて結んだ後に、セフィリアはこれからの方針を巴と打ち合わせ始める。

 セフィリアがまず取るべきとしたことは、監督役より発せられた『討伐令』への参加。この仮想空間に生じてしまった危険な異界を攻略し、その異界を閉じることで令呪を得ることが出来るのだ。他の聖杯戦争参加者と構えるよりも、まずはこの異界を攻略してアドバンテージを得るべきだと考えたのである。


「アーチャー。我が身に刻まれた令呪が新たに加えられるというメリットは大きく、また、この仮想現実と言えども東京を犯す異界を切除することは私の使命にも矛盾はしません」


 世界を裏から支配する秘密結社、『クロノス』。時には暴虐とすら呼ばれるほどに強引な手で秩序を守ろうとする。そのことに対する反発を抱くものもいるだろうし、既得権益を守ろうとする保守派などには蛇蝎のごとく嫌われている。それでも、セフィリアは忠誠を誓う組織の先にあるものが世界平和であると信じている。


「今夜、発生したという異界へと向かいます。アーチャー。貴女のその武勇、私にも見せてもらいます」

「かしこまりました。この巴、旭将軍である義仲様とマスターであるセフィリア様の名を穢さない働きをお約束いたしましょう」



 ■


「ここが異界ですか……一見すると、単なる廃ビルのように見えますが」

「魔力が淀んでいます。空間が歪曲されておりますし……外から視覚で得られる情報と中に広がる空間は大きく異なっているでしょう。この『びるぢんぐ』は5階建てですが、恐らく内部の異界はその限りではありません。何層で出来ているかは、これまたやはり踏み入らねばわからないかと」

「まさしく異界ということですか」


 その夜のこと。

 セフィリアと巴は発生されたとされる異界ダンジョンの前に立っていた。

 外見上はどこにでもあるような平凡な廃ビルでしかない。周囲も人通りが少なく、犠牲者が少ないという情報も確かのようだった。

 周囲を確認、怪しげな気配もしないことから二人の美女はその『異界ダンジョン』へと脚を踏み入れた。


「っ! これは……!」


 ボロボロの扉を開いてその内部へと足を踏み入れた瞬間、常に冷静なセフィリアが思わずと言った様子で戸惑いの声を漏らしてしまった。

 ただの廃ビルだった、外からでも窓越しに寂れた様子が伺えていた。そのはずなのに、内部に足を踏み入れた瞬間にその顔を変えた。

 異界ダンジョンは文字通り異界に存在するダンジョン、外からではどのような方法でも正しく観測することが出来ない。だから、セフィリアもさすがにこのような状況は予想だにしなかった。

 壁も、床も、ぶにょぶにょとした嫌な感触のする謎めいた肉の材質になっていたのだ。

 まるで、この異界ダンジョン自体が一つの生命の胎内であるかのようにすら思える生々しい感触。脈打つように鼓動すらしていた。さしものセフィリアでも、このような異常事態は初めてである。

 一方で、現在よりも神秘がわずかとは言え残されていた時代に生きた巴は冷静であった。


「マスター、お気をつけください! 敵影確認! 数は十、魔力反応は強くありません!」

「小さな体躯に緑の肌におぞましく醜く歪んだ顔立ち……ゴブリン、小鬼とでも呼ぶべき怪物ですか」

「ギャッギャッギャッ!」


 前方から、身長一メートルにも満たないような小さな二足歩行の生き物が現れる。

 緑の肌とおぞましい容貌と牙を持った小鬼、ゴブリンである。その目には理性というものを一切感じさせない歪みがあり、その手に持った棍棒を乱暴に振り回していることからもその残虐性が一目見抜く事ができる。


「……ふぅ」


 セフィリアは呼吸一つで動揺を沈め、腰に備えていた黒い刀身の剣を手に取る。

 『クライスト』というセフィリアの愛剣である。

 『伝説の鉱物』とも呼ばれる希少な『オリハルコン』で作られた世界でただ一本のセフィリアのためだけの剣であり、どのようなものでも切り裂くことが出来、どのようなものでも砕くことの出来ない宝剣。

 そしてなによりも。


「……終わりです」

「ぎゃっ、ぎゃっ……ぎゃっ……?」


 無音にして神速。

 斬られたことにすら気づかないとは、まさにセフィリアの超越的な剣技のことを言う。事実として、この異界に使役されている魔物であるゴブリンたちはバタバタと頭部の存在しない胴体で走り回っている。

 この驚異的なスピードの剣術から生じる負荷に耐えられるほどの剣はこのクライストのみなのだ。クライストにとって最上の使い手がセフィリアであるように、セフィリアにとってもクライストは全力で力を振るうことを許してくれる最上の武器なのだ。


「お見事でございます、マスター!」


 一方で、巴の戦いは荒々しい豪快なものであった。

 アーチャーのクラスに相応しく、和弓を手に取った巴は魔力て矢を生成して次々にゴブリンを撃ち抜いていく。その怪力だからこそ引くことの出来る剛弓から飛び出していく矢はゴブリンの体を貫くのではなく、砕くようにして蹂躙していく。まるで大砲にぶつかったかのようにゴブリンの胴はぐちゃぐちゃに破裂して、その手足と頭部が四散していく。


「この程度の雑魚が相手でしたら問題はありませんね」

「はい。どうやら下級の神秘が生じない、数だけが取り柄の小鬼。マスターの技量ならば敵ではありませんと考えます」

「ありがとうございます。あの巴御前にそう言われていると思うと、なんだかくすぐったいですね」


 日本通であるセフィリアは巴御前の武勇をよく知っている。だからこそ、聖杯戦争の仕組みを知ってもなおあの英雄が自分の隣に立っているという事実を上手く飲み込めていなかった。

 それにしても、頼りになる味方であることだけは確かだ。


「階段……奥へと進めるようですね」

「核とは一番奥にあるものです。このまま突き進んでいけば、必ずや目的地へとたどり着くでしょう」


 小鬼を文字通り蹂躙していった二人は、やがて次の階層に繋がる『階段』を発見した。

 新たな小鬼の気配はしない。恐らく、この第一階層にはなにもないのだろう。

 セフィリアたちは顔を見合わせてゆっくりとその階段を登っていた。

 ここがどのようなダンジョンかも知らずに、彼女たちは地獄に続く階段を登っていたのだ。



 ■


 これは、聖杯戦争などではない。

 これは、性杯戦争。

 薄汚れて爛れた欲望が、男にとってだけ都合の良い欲望が、世界を歪めて作り上げたモノ。


 悲劇ではない。

 英雄譚ではない。

 喜劇ですらない。


 これは、単なるポルノショー。

 美しい女たちが、男たちの毒牙にかかるために集められただけの、どうしようもない醜悪なショーなのだ。


 セフィリア・アークスと巴御前が、男の欲望によってその心すらも都合よく捻じ曲げられるまで。

 あと、――――。


 ■


 ☆エロトラップダンジョン第一階層☆

 ☆エロステータス☆


『セフィリア・アークス』

 C(クリトリス)性感:15

 B(バスト)性感:15

 V(ヴァギナ)性感:20

 A(アナル)性感:50

 マゾ性感:LV2

 精液中毒:LV0

 性交経験:有

 アナル拡張:済

 アナル性交経験:有

 出産経験:無

 反発令呪:三角

 屈服令呪:無


『巴御前』

 C(クリトリス)性感:30

 B(バスト)性感:15

 V(ヴァギナ)性感:30

 A(アナル)性感:25

 マゾ性感:LV0

 精液中毒:LV0

 性交経験:有

 アナル拡張:未

 アナル性交経験:無

 出産経験:有


 ■


 セフィリアと巴が階段を上り、第一階層から第二階層へと登った瞬間に感じた変化は、ブーツ越しにもはっきりとわかる柔らかな肉の感触だった。


「この柔らかだけど弾力のある感触、獣の筋肉のようですね」

「時折脈打つこの感覚も、狩りで捕れる四足獣のそれとよく似ています。異界とは一種の生物ということでしょうか?」


 先程までの第一階層はあくまで『肉のような外装のフロア』と言った様相であったが、今回は踏むたびに『ぐにゅっ』とした感触が走るような、まさしく『肉のフロア』であった。

 このダンジョン自体が生きているかのような、生々しい肉のフロアを慎重に進んでいくセフィリアと巴だったが、二メートルほど進んだところで背後からぐぐぅっ、となにかが蠢く音が響いた。


「っ!」

「これは!」


 瞬時に戦闘態勢へと移るセフィリアと巴であったが、襲いかかってくる敵性反応はなかった。ただ、先程二人が登ってきた階段がシャッターを閉じるように姿を消してしまったのである。こうして、二人は第二階層に閉じ込められる形となったのであった。


「……不味い」

「ええ……申し訳ございません。少々、侮っておりましたか」


 セフィリアと巴が深刻そうに顔をしかめる。

 第一階層へと後戻りが出来なくなったことではない。もちろん、撤退という戦略が潰えてしまったことも十分に危機に繋がるのだが、より深刻な問題がある。この異界ダンジョンは、『肉壁が動いてしまう』という事実が判明したことだ。それはつまり自由自在に姿形を変化させて、セフィリアと巴の方向感覚を狂わせつつ、もっと言えばこの階層を切り抜けられる保証も失ってしまったのだ。


「アーチャー。いざとなれば、貴女の宝具でこの肉壁を貫いてもらいます」

「かしこまりました、マスター」


 セフィリアは自身の下腹部を撫でながら伝える。その黒いコートに隠された白い肌には、三角の令呪が刻まれている。その令呪の形はちょうど自身の額に刻まれた忠誠のタトゥーと同じものであり、まさしくその形はセフィリアの魂の形と言えるのだろう。

 この令呪を一角消費することで、セフィリアは巴の中に眠る鬼種の呪いを全力で解放させることが出来る。そこから生じる慈愛と恩讐が入り混じった炎でこの肉壁を焼き払うことで無理やりに次のフロアに繋がる階段を探そうという考えなのだ。


「まずはこの階層を探索しましょう、いつの時代も基本は脚を使うことですからね」

「私に索敵などのスキルがあれば……申し訳ありません」


 そう言いながら、二人は周囲に気を払いながらゆっくりとフロアの内部を動き回る。

 壁伝いに歩きながら、セフィリアの愛剣クライストでマーク代わりに傷をつけているが、この階層回想が迷路のように入り組んでいるのか、気づけば元の場所に戻っているということが続いてしまっていた。


「壁を破りますか?」


 貞淑な乙女のように振る舞ってはいても、根本は猪武者の悪癖がある巴が痺れを切らしたように提案をすると、セフィリアは少々考え込んだ。無理矢理にこの壁を破壊するという考えは、悪くない。令呪の一角を使用して行うそれとは出力が劣るものの、巴にセフィリアの中で眠っている魔力を引き出させて宝具を行使させるという手段は有りだ。


「マッピングも難しいとなると……それしかないでしょ、う――――!?」


 セフィリアが思案の末に巴に宝具『真言・聖観世音菩薩(オン・アロリキヤ・ソワカ)』の使用を試みようとしたその瞬間だった。

 この肉の床が、突如として沈み始めたのだ。

 いや、呑み込み始めたと言い換えても良いかもしれない。

 その侵食速度は凄まじく、超人と言って差し支えのないセフィリアと巴が意識をやったその時にはすでに足首が床に呑み込まれているほどであった。


「不味いっ!」

「マスター、今すぐ――――ひぃゃぁっ!?」


 異界ダンジョンの罠であることは明らかであった。

 セフィリアを救わんと、巴が所有するスキルである『魔力放出(炎)』によってこの肉の床を焼き払って助けようとしたが、それは叶わなかった。

 巴の脳髄に理解不能な電流が走ったためだ。その電流は巴の意識を一瞬ではあるがバチンと停止させて、魔力を炎として放出するその意思を打ち切らせたのである。


「なにが……くっ、もう下半身がっ!」


 その間にズブズブと肉の床はセフィリアと巴の体を飲み込んでいく。下半身の全てを呑み込み、そして、二人の胸元まで床の中に消えていくまでは一瞬であった。

 まるで討ち取られた武将が晒し首として並べられているような、屈辱的な光景である。普段はたおやかで落ち着いたセフィリアと巴ではあるが、同時に彼女たちは誇り高い戦士でもあった。セフィリアは秘密結社クロノスの精鋭部隊『時の番人(クロノ・ナンバーズ)』の筆頭であり、巴はその武勇も名高い旭将軍・木曽義仲の家臣である。その自分がこのような晒し者のような状態に陥っていることは、耐え難い屈辱なのだ。


「いったい、なに、がぁぁぁっ!!??♡」

「ふぎいぃっぃぃぃぃっ!?!?」


 セフィリアが状況把握に努めようとしたその時、巴がそうであったようにセフィリアの脳髄にも電流が走った。巴もまた同様である。

 しかし、この電流の正体をセフィリアも巴も理解が出来た。

 それは。


「な、なにをしているのですっ! やめなさいっ! そんな、そんなところを触るの、はぁんっ♡」

「ほっ、ぉぉぉぉっ♡ そ、そこは不浄! ふ、不浄の穴ですっ! なんという、屈辱ぅぅ!」


 快感であった。

 呑み込まれた体を弄るように、肉の触手がセフィリアと巴の体を這いずり回っているのだ。その有り様は目視することなど到底出来ないが、それでも優れた戦士である二人にはその動き方が理解できた。なにせ、自分の体を這っているのだから当然であろう。


「な、なぜ直接、肌に……!? ふ、服が、溶かされているとでも言うのですか……!?」

「わ、私もです、マスター! 魔力の生成を阻害されて、衣服が溶かされております……! この、肌にまとわりつく粘液には、そのような力、がぁぁぁっ♡」


 しかも、特殊な粘液を発生させて衣服を消滅させているようであった。

 セフィリアと巴の触覚にはただヌルヌルとした粘液だとしか伝えてこないが、その実、『女性が纏う衣服を溶かす』という概念的な能力が備わっていた。この能力によって特殊な繊維を用いて作られた一種の鎧でもあるセフィリアのコートや、魔力によって編まれた巴の袴を溶かすことで消滅させたのだ。

 そして、下着すらなくなったセフィリアと巴の性的な急所へとこの異界ダンジョンの手指であろう触手が伸びていくのだ。


「ふぅぉっ♡♡♡♡」


 セフィリアのクリトリスを、ブラシのように無数の細かな突起がついた触手が覆い隠す。特殊な媚薬効果も所有しているそのローション粘液によって性的な快感を覚えていた彼女のクリトリスをさらに追い詰めていくブラシ触手。

 ぶぶぶぶっ、と。

 電動歯ブラシのように突起たちが蠢くことでクリトリスへと細かな振動を与えながら、さらにその触手自体も上下左右へと動くことで強制的に快感を与えてくる。


「ひぎぃぅ♡♡♡♡」


 一方で、巴御前はそのきれいなアナルへと長い触手がグググと入り込んできていた。巴のきれいな指、その人差し指と中指と薬指の三本を束ねていたほどの太さの触手は媚薬ローション粘液を発生させることで排泄行為以外で使用したことのない巴の直腸をずんずんと進んでいく。

 そして、その触手がなんと30センチほども進んだところで、突如としてボコォっと膨らんだのだ。それもすぐにまだ三本の指を束ねた程度の大きさに戻り、そして、またボコッと膨れ上がる。

 見るものが見れば、暴力的なアナル拡張調教であることはすぐにわかる動きであった。


「おぅぉぉっ♡♡♡♡ ほぉぉっぅ、おぉぉぉっ♡♡♡」


 セフィリアのブラシ触手によるクリトリスへの愛撫、いや、レイプは続けていた。しかも、新たにそのブラシ触手が二つ増えて、今度はその美しい美乳へと伸びていく。


「んっ、や、やめ―――――んほぉぉぉぉっ♡♡♡♡♡」


 当然、そのブラシ触手はセフィリアの美乳の頂点、ピンク色の乳首に吸い付いていく。これも激しく振動をして乳首をブラシで嬲っていく。それだけではない。


「ほぉぉっ♡ は、はいって、はいってこにゃいでぇぇぇぇ♡♡♡♡♡」


 ブラシの中から現れた細い、それこそ目視すら出来ないような細い触手が乳首の内部へと侵入していったのだ。あり得ない場所からあり得ない異物が入り込んでいく感覚は、媚薬ローション粘液によって脳を快感漬けにされていたセフィリアに全く別の快感を与えてくる。痛いと思うはずなのに気持ちいいと判断してしまう、脳を狂わせる感覚である。

 普段の凛とした姿などたやすく消し飛んでしまうほどの快感に、セフィリアは無様な喘ぎ声を漏らすことしか出来なかった。


「おぉ、ぉぉぉごぉぉぉっ♡ や、やめっ♡ そんなものは、はいり、ませぇ、んっっ♡♡♡♡♡」


 巴もまた同様であった。

 ブラシ触手によってその美乳を包まれて、乳首の内部へと入り込まれてしまっている。どれだけ戦場を駆け回っても味わったことのない感覚に悶えるしか出来ない。

 二人は自由になる頭部を、まるでバンドマンのようにブンブンと振り回しながら、ぶにゅぶにゅとした肉の床を腕で叩き続ける。それでなにかが変わるわけがないということはよくわかっているのに、そうすることしか出来ないのである。

 これぞ『落とし肉穴』。ターゲットである雌を落とし穴に入り込ませて、肉による拘束で自由を奪いながらその性感帯を無理矢理に開発させていく。


「ほぉぉぉぅぅっっっ♡♡♡♡♡ にゃ、にゃにか入ってくるぅぅぅぅ♡♡♡♡♡♡」

「ふぐぅぅんっ♡♡♡♡ で、噴乳るぅぅぅぅっ♡ 噴乳ちゃうぅぅぅぅっっ♡♡♡♡♡♡」


 そして、開発するのは性感帯だけではない。

 乳首の中へと入り込んだ触手は針となってセフィリアと巴の内部の肉へとある液体を注入していくのだ。それは妊娠せずとも母乳を噴乳させることが可能となる母乳活性剤だ。

 出産経験のある巴はもちろん、出産経験のないセフィリアもまた惨めに母乳を『ぶびゅぅぅぅぅ♡』と乳首を覆い隠している触手へと向かって噴乳させているのだ。


「おっ、おぉぉぉっ♡ だ、だめっ♡ おしり、おしりは、よわいからっ♡」


 一方で、セフィリアにもまたアナル拡張触手が侵入していく。

 だが、実はセフィリアにはアナル調教をされていた過去があった。

 敵対組織に捕まって調教をされていた、なんて過去ではない。忠誠を誓う『クロノス』に育てられた彼女は、性的な虐待にも遭っていたのだ。

 もっとも、それを虐待だとセフィリアは認識しておらず、育ててくれたクロノスに恩を返すための手段を身につけているとしか考えていなかった。今は剣の達人としてクロノスに貢献しているが、もしもなんの才能もなければセフィリアは一種の娼婦となる道を当然のように選んだであろう。その際に必要な調教だと思っていたが、その考えを込みしてもセフィリアにとってアナルとは『吾を失ってしまう弱点』なのであった。


「お゛ほ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛っ゛っ゛っ゛♡♡♡♡♡」

「んぎいぃぃぃっ♡♡♡♡♡ も、もう、だめぇぇぇ♡♡♡♡♡」


 触手は様々な方法でセフィリアと巴を攻め立てていく。

 当然、女性の最大の性感帯である性器も例外ではない。


「ほっ、おぉぉぉぉぉっ♡♡♡♡♡♡」

「お、オマンコがぁっ♡ セックスは、義仲様とだけなのにぃぃっっ♡」


 子供の握りこぶしほどもありそうな太い触手がズブズブとセフィリアと巴のオマンコへと侵入していく。

 常時ならばさすがに受け入れられないであろうそのごん太触手であるが、媚薬ローション粘液やブラシ触手と注射触手によって、すっかり快感に蕩けきっていた二人の体はその太い触手を飲み込んでいく。


「ふぅぅぉぉぉっ♡ おっ♡ おっ♡ おほぉぉぉぉぉっ♡♡♡♡」

「んほぉぉぉぉぉっ♡ ひぃっ♡ あっ♡ あぁんっ♡ ふぐぅぅぅんっ♡♡♡♡」


 ずぶずぶずぶぅ♡ ぶるるるるぅぅぅっ♡ にゅちゅっ♡ ぬちゅっ♡ ずぶずぶぅぅっ♡


 触手によって自分たちの体が良いように弄ばれていく。屈辱であるというのに、その屈辱を認識することも出来ずに耐え難いほどの強烈な快感に溺れていくのだ。


「あひぃぃぃぃぃぃっっっ♡♡♡♡♡♡♡♡」


 先にアクメに達したのはセフィリアだった。

 クリトリスによる激しい刺激、美乳が作り変えられていく衝撃、それらが快感となってしまうことに耐えられず、アクメという形でその激しさを逃したのである。


「れ、れいじゅぅっ♡ れいじゅを、おほっ♡ れいじゅをもって、命じますぅぅぅぅんんっぅぅぅっ♡♡♡♡」


 そして、アクメによるその快感をわずかに逃がすことを成功したことを活かして、回らない舌を必死に回してその言葉を続ける。セフィリアのように魔術に長けていないものにとって、令呪解放の際にその指向性を口にすることは重要である。だからこそ、セフィリアはそれが無様な姿であるとわかっていても口にしていくのだ。


「ほ、ほうぎゅ♡ ほうぐを、かいほーしなさいぃぃぃぃっ♡♡♡♡♡♡」


 その瞬間、セフィリアの下腹部に光が走る。令呪の使用によって起こる魔力反応である。

 なんとか意識を取り返したセフィリアは、巴御前へと令呪の使用を命じたのだ。


「んひぃぃぃぃぃぃぃっ♡♡♡♡♡♡♡♡」


 そして、令呪による強制的な命令を受けた巴御前は、アクメをキメながら己の宝具を開放した。

 宝具、『真言・聖観世音菩薩(オン・アロリキヤ・ソワカ)』。その真名の解放という前提条件すら無視した令呪の命令によって太陽がこの異界ダンジョンへと顕現する。

 巴御前曰く、『義仲様への愛と忠誠の証』である太陽がこの『落とし肉穴』を蒸発させていった。しかし、その愛した人物への忠節の化身と巴自身が思っている太陽へとその無様なアクメ顔を晒しながらである。


「はぁ……あぁ……んんっ……♡」

「ふぅ……ひっ、んぐぅっ……♡」


 床を這うように動いていくセフィリアと巴。ドロドロに溶けた衣服によって彼女たちはその魅力的なおっぱいとお尻を晒しており、その姿はなんとも男の情欲を誘う無様な姿であった。


「あっ……ま、マスター! 前を御覧くださいっ!」

「あれは……次の階層への、階段っ!」


 そして、宝具解放の影響か。

 先程までは肉の壁によって遮られていた場所に階段を発見した。このフロアから次のフロアへと移動できる階段であることは、先程の第一階層のことを思い出せば一目瞭然であった。

 令呪の一角を使用してまで抜け出したこのフロアへの生理的な嫌悪感が勝り、ただただ真っ直ぐに、焦ったように進んでいく。

 だから、常の二人ならば可能性を考慮したであろう『ゴールの直前にある罠』に気づかなかったのである。

 階段の前にたどり着いたその瞬間、二人の足元へと魔法陣が鮮やかなピンク色の光を放ちながら発生したのだ。


「なに、これは……!? トラップ……いえ、これ、服が!?」 

「な、なんと破廉恥な! く、屈辱ですっ……!」


 逃げるように次階層へと向かおうとした二人は、その階段の前にある魔法陣によるトラップにかかってしまう。

 そのトラップは『着衣デバフ』のトラップであった。

 『落とし肉穴』の衣服のみを溶かす粘液によってどろどろに溶けてしまった、セフィリアはその身につけていたクロノスの精鋭軍団『時の番人(クロノ・ナンバーズ)』としての黒の制服が、また、巴も魔力による生成阻害の呪いをかけられていた白と紺の衣服が繊維一つ残さずに消え去ってしまった。

 代わりに二人の身に纏ったのは、なんとも卑猥な金色に輝くマイクロビキニであった。『落とし肉穴』による触手調教が与えた快感で赤く染まった肌は露出されている。


「んんっ♡ こ、これ……内側に触手がっ♡」

「ふぅぅぅぅぅ♡ さ、先程の落とし穴ほどではありませんが、しかし、動いているぅぅ……♡」


 しかも、そのマイクロビキニの内側には無数の突起触手が蠢いていた。今も乳輪の縁をなぞったり、乳首に吸い付いたり、マンコのビラビラを愛撫したり、クリトリスを撫でているその触手ビキニ。

 当然、セフィリアも巴もそのマイクロビキニを脱ぎ捨てようとする。このビキニを身につけるぐらいならば、全裸のほうがマシだと考えるのもおかしなことではない。


「なっ、ぬ、脱げない!?」

「一種の呪い、なのでしょう……んっ♡」


 しかし、結ばれた紐を引っ張ってみても、クライストで紐を切り裂こうとしても不思議と外れることはなかった。巴はそれを呪いと称したが、それは正しい。これは『着衣デバフ』というこのエロトラップダンジョン内部でのみ効果を発揮される呪術なのである。


「……す、進むしかないようね♡」

「はい、早くこの異界を攻略してしまいましょうっ……♡」


 乳輪がかろうじて隠れる程度の狭い面積しかないマイクロビキニに羞恥を覚えながら、セフィリアと巴は次の階層へと進んでいく。

 そして、二人は気づいていない

 セフィリアが先程使用した令呪。通常ならば一角分の令呪が消滅しているはずなのに、その代わりにピンク色に淫らな光を放つものが新たに刻まれていることに。

 また、その尻がいやらしく男を誘うように、ふりふりと左右に揺れていることに。

 二人はただ、前へ前へと進むあまり気づいていないのだ。


 ■


 ☆エロトラップダンジョン第二階層☆

 ☆エロステータス☆


『セフィリア・アークス』

 C(クリトリス)性感:90

 B(バスト)性感:85

 V(ヴァギナ)性感:60

 A(アナル)性感:90

 マゾ性感:LV2

 精液中毒:LV0

 噴乳中毒:LV2

 性交経験:有

 アナル拡張:済

 アナル性交経験:有

 出産経験:無

 反発令呪:二角

 屈服令呪:一角


『巴御前』

 C(クリトリス)性感:80

 B(バスト)性感:95

 V(ヴァギナ)性感:70

 A(アナル)性感:75

 マゾ性感:LV1

 精液中毒:LV0

 噴乳中毒:LV2

 性交経験:有

 アナル拡張:有

 アナル性交経験:無

 出産経験:有


 ■


 第三階層に踏み入れたセフィリアたちに襲いかかった最初の刺激は、強烈な臭気だった。

 第二階層と同じくぶにゅぶにゅとした肉質の床を踏みしめると、その床の変化に乗じて生まれてくる、鼻を刺す強烈な臭気に思わず顔をしかめるセフィリアと巴。


「やはり、この異界は一つの生き物……そう考えるべきね」


 ぷるんっ、とその下品な色合いをした黄金のマイクロビキニに包まれた美乳を揺らしながら歩くセフィリアは、セフィリアが独りごちる。

 この異界ダンジョンは無機質な建物や超自然的な空間ではなく、セフィリアの常識の外にある法則によって生存している生命なのだ。

 だから、その内臓、あるいは外皮であるこの床は肉質の感触を与えてくるし、その肉を刺激することで生命ならば当然持ち得る臭気というものを発生させるのだろう。

 しかし、そこまで察しながらもセフィリアも巴も、自身たちに起こっていた異常に気づいていなかった。


「すぅ……ふぅ……♡ そのようですね。つまり、潜れば潜るほど……その存在を維持している器官に近づける可能性が高いと考えます。すぅぅぅ……はぁぁぁ……♡」


 ぷりんっ、とやはり下賤な輝きの黄金のマイクロビキニで隠した美尻を振りながら巴はセフィリアの言葉に肯定の意を示す。巴は自身の異常に気づいていないだけならばまだしも、セフィリアの異常にも気づいていない。


「すん、すんっ……♡ 後退も出来ない以上、前に進むしかありません。先程の階層のようなトラップに注意をしつつ、探索を開始しましょう。はぁ、んっ、ふぅぅぅ……♡」


 二人はお互いにまともな思考を持って動いていると考えているが、その実、この鼻を刺すような汚臭に含まれた媚薬成分によって脳みそが快感を産んでいることに感づいていないのだ。

 異界ダンジョンはそれぞれの階層を用いて、侵入者という獲物を自らに相応しい体へと変貌させていく。

 第二階層の『落とし肉穴』のトラップはセフィリアと巴の鋭敏な感覚を快感で蕩けさせるためのフロアだ。ここで無数の触手によって媚薬ローションや母乳改造液を注入されるという肉体改造を受けた獲物は、その頭を快感に蕩けさせてしまい、十分な判断を下すことが出来なくなるのである。ただ、目の前に起こった問題に対処することに精一杯の弱体した獲物を、ゆっくりと異界ダンジョンは調教していくのだ。


「っ、敵性反応です! 第一階層で発生したエネミーと同種と思われます!」


 アーチャーのクラス適正を所有する、人理から『弓の名手である』というお墨付きをもらっている巴がいち早く敵の接近に気づく。身体能力では鬼種の血を引く巴はマスターであるセフィリアを大きく凌駕するように、その視力もまた人並み外れたものだからだ。

 セフィリアもまた抜身の剣となったクライストを構え、巴もまた弓を番える。

 しかし、第一階層のような勇ましさはない。

 黄金のマイクロビキニというあまりにも下品ない服では戦士に相応しい威圧感など出せるわけがないし、そもそもとして第二階層で調教された体に残された快感は大きく、腰を震わせながら脚を内股に構えた姿は彼女たちの全力の構えとは程遠いものだ。

 これでは、先程は一蹴した格下のエネミーに過ぎないゴブリン相手と言えども苦戦をしてしまうのではと心配になってしまうほどの様子だった。


「はぁっ! せぇい!」

「疾っ!」


 それでも、さすがは『時の番人(クロノ・ナンバーズ)』のトップ、さすがは英霊の座から顕現したアーチャーのサーヴァントと言うに相応しい戦闘力を二人は見せる。いざとなるとクライストの切っ先は微塵も動かずに的確にゴブリンたちの首を切り離していき、射られた弓矢はその一矢だけでゴブリンを二体も三体も肉体を吹き飛ばしていく。


「はぁ……はぁ……♡」

「ふぅ……ふぅ……♡」


 しかし、戦闘という激しい動きをすることで二人の呼吸は激しくなり、この第三階層に蔓延している『媚薬ガス』をその体内に取り込んでいってしまう。屈辱的にも性感は高められていき、呼吸が乱れることでゴブリンに向けた攻撃も弱まってしまう。


「んっ、ひぃぃっ♡」


 そして、セフィリアに先に影響が出た。ゴブリンを斬り殺しながらも、マイクロビキニの内側にびっしりと敷き詰められた触手が急に蠢いたのである。この『マイクロ触手ビキニ』とでも呼ぶべき着衣デバフは確実にセフィリアの体に大きな影響を与えていたのだ。

 この強烈な快楽、それでもクライストを取り落とすことはなかったセフィリアは流石というべきだが、それでも動きが鈍ってしまった。


「なっ……!?」


 斬り落としたゴブリンの頭部と体が、突然溶けだしたのである。

 死骸から肉塊へと変わったゴブリンは、しかし、その生命を失ってはいなかった。スライム状のゴブリンはセフィリアの頭部に纏わりつきはじめたではないか。


「むぐぅぅっ♡♡♡♡ ぎゅっ、みゅぎゅぅぅぅっ♡♡♡♡♡」

「マスター―――しまっ!?」


 そのゴブリンからスライムに変貌してしまったエネミーを見た巴はすぐに救助に向かおうとしたが、やはり巴もまたマイクロ触手ビキニによる刺激の影響があったのだろう。本来ならば見落とすはずがない、足元に転がっていたゴブリンの死骸が、スライムに変貌してセフィリアにしたように自分の顔にまとわりつく隙を作ってしまったのだ。


「ふ、不覚ぅぅぅぅっ♡ こ、この巴、一生の不覚ですっ♡♡♡♡」

「お、落ち着きなさい、アーチャー♡ ここは、あなたの宝具、でぇぇぇぇっ♡♡♡」


 スライム状だったゴブリンは、さらに姿を変えていく。その液体が天井にも伸びていき、天井の肉壁と結びつくと、今度はスライムから肉触手へと変貌してしまったのだ。

 つまり、この異界ダンジョンに現れたゴブリンとは、ゴブリンではなかったのである。この異界ダンジョンが自身の肉を切り離して、ゴブリンの形を取らせていたのである。その雑魚ゴブリンを第一階層で撃退させることで獲物へと心の隙を作り、第三階層ではこのゴブリンを変化させて獲物を捕らえるという作戦を取っていたのである。


「むぅぅっ♡ こ、これはぁぁぁぁっ♡」

「くっ、くっっっっっさっ♡ な、なんて匂いが……むぐうぅぅぅっ♡」


 その状態を先程と同じ様に宝具を使用して肉を焼き払うことで切り抜けようとしたセフィリアであったが、肉触手へと変貌した自身の頭にまとわりつく肉塊から伸びてきた細やかな触手が鼻の穴へと侵入してきたことでその考えは吹き飛んでしまった。

 彼女の鼻孔に入り込んできた触手が醸し出すのは、この第三階層に入った瞬間から二人が嗅いでいた媚薬ガス、その濃度が非常に高いものである。

 精液臭を醸し出しながらも媚薬効果のあるそのガスを嗅いでしまえば、動きと思考は止まってしまう。

 その媚薬効果は凄まじく、セフィリアと巴の二人は内股に閉じていた脚をゆっくりとガニ股へと開いていき、腰を落としていってしまう。

 さらには快感に抗うようにプルプルと腰を震わせている様子は、無様でありながらも官能的な様子を上げていた。


「むぅぅっ♡ や、やめっ♡ ゴブリンが、私たちにぃぃっ♡」

「ひぃぃっ♡ な、こ、この小鬼ども……♡ まさか、私たちを犯そうとぉっ♡♡♡」


 その淫靡な姿に誘われたのはゴブリンたちであった。

 異界ダンジョンの化身でありながらも、その知性――――言うならば独立的に動かすために異界ダンジョンがゴブリンへと搭載したAI的な思考ルーチンは、非常に醜悪なものであった。弱きものをイジメたいという、あまりにも下賤な感情を持ったそのゴブリンはゲラゲラと笑いながら動き始める。


 バチィィィィィィィンッ!!!!


「ひぅぅぅぅっ♡♡♡ なっ、お、お尻を叩くなどぉっ♡♡♡」

「くぅぅぅぅっ♡♡♡ ち、乳房を、まるで玩具のようにぃっ♡♡♡」


 ゴブリンたちは顔を肉触手によって丸呑みされてしまい、ただくねくねと動かすことしか出来ない二人の尻へとその小さな手で平手打ちを食らわしていく。さらには二人の美乳をタプタプと水風船のように震わせて遊び始める。

 さらに、その腰巻きを脱ぎ捨てて小さな体に不釣り合いな巨根をビキビキに勃起させて、マイクロ触手ビキニをずらしてそのオマンコへと挿入しようとする。

 セフィリアと巴の脚長美女と寸胴短足であるチビゴブリンではまともなセックスなど出来ない。ゴブリンは腰に捕まって、床から浮いた状態で遊ぶように腰を動かしていく。


「ほごぉおぉぉぉぉぉっ♡♡♡♡♡」

「んひぃぃぃぃぃぃっぃ♡♡♡♡♡」


 二人のくびれた腰に抱きついた状態で挿入するゴブリンたち。二人は自由になる腕を使ってゴブリンをはねのけようとするが、媚薬ガスには筋弛緩効果もあるのかまともに力が入らない。

 ただ、鼻の穴を触手に侵入されるという無様な状態のまま、ゴブリンの巨根で犯されて喘ぐことしか出来ないのである。


「ほぉぉ、ぉぉぉぉぅ♡ お、おっきいっ♡ この、ぺ、ぺにすっ、大きすぎるっ♡♡♡♡♡」

「あぁっ♡ わ、私の、女陰がぁっ♡ 義仲様のための女陰がっ♡ 小鬼めの極太の男根で、広がっていくぅぅっ♡」


 性経験のある二人だが、ゴブリンの巨根は自分たちが睦み合ってきた人間の男性たちのものとは大きく異なるものだった。

 とにかく、チンポがデカいのだ。

 もちろん、男性器とは大きければ良いというわけではない。大きすぎれば女性器への負担が大きく、場合によっては女性側の体が傷ついてしまうこともある。男性によって男性器の差があるように女性にも女性器の差があるため、それぞれにとって程よい男性器と女性器というものがあるのだ。


「おぉぉぉぉぉほぉぉぉぉぉ♡♡♡♡♡ い、いきゅっ♡ いくぅぅぅぅぅっ♡」

「こ、こんなの、はじめてぇぇぇ♡ よ、義仲様より、気持ちいいのぉぉぉぉっ♡♡♡」


 しかし、第二階層での触手調教によって女性器自体を改造されてしまった二人にとって、この巨大なゴブリンチンポはその改造されて植え付けられた『気持ちのいいスポット』を丸ごと刺激される理想的なチンポなのだ。

 高いカリ首に生物的な特徴なのか幹にはゴボゴボと奇妙なコブがあるゴブリンチンポに、セフィリアと巴という二人の女傑はただ喘ぐことしか出来なかった。


「ひ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛っ゛っ゛♡♡♡♡♡♡♡♡ で、射精てるぅぅぅぅっ♡♡♡♡♡♡♡」

「ん゛ほ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛っ゛♡♡♡♡♡♡♡♡ あ、あちゅいのが、お腹にぃぃぃっ♡♡♡♡」


 どびゅるるるるるぅぅぅうっぅうぅっ!!! びゅるるぅぅぅっ!!! ずっびゅうぅぅぅ!! 


 そして、ゴブリンは早漏であった。あるいは、堪え性がないのかもしれない。

 射精欲が高まるとすぐにその粘ついた精液をセフィリアと巴の腟内へと解き放ったのだ。


「「お゛こ゛っ゛♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」」


 また、ゴブリンの射精に合わせて、二人の鼻孔を犯していた肉触手による特殊な粘液が放たれた。これはゴブリンの精液と同じく異界ダンジョンが所有する精液と同種の粘液である。腟内だけでなく鼻孔も犯そうという鬼畜の所業であった。


「ふごぉっ♡ おぉ、ごぉぉぉっ♡」

「むぐぅっ♡ んっ、ひぃぃぃぅ♡」


 鼻という鋭敏な器官に突如として放たれた粘液に、二人の脳みそへと鋭い痛みが襲いかかる。それでも、その痛みすらも心地よく感じてしまう。この肉触手は、二人の嗅覚へと改造調教を施そうとしているのだ。


「ほごぉぉぉぉぉぉっ♡♡♡♡ む、むりぃぃぃぃっ♡ もうむりぃぃぃぃ♡」

「むうぅぅぅぅっぅっ♡♡♡♡ た、たえられないっ♡ か、からだがじゆうにうごかないぃぃぃっ♡」


 そうして、また別のゴブリンが二人のオマンコへと襲いかかる。

 あまりの快感に、彼女たちはただその暴力的な行為を受け入れることしか出来なかった。



 ■



「あ、あへぇ……♡」

「お、おほぉ……♡」


 二人は、無様なアへ顔を晒しながらオホ声を漏らして肉の床に転がっていた。

 結局、ゴブリンに数え切れないほどに犯された彼女たちが開放されたのは、三時間はゴブリンと肉触手にレイプされた後のことだった。その解放だって、本当に奇跡的に意識を一瞬だけ取り戻したセフィリアが令呪を用いて巴に強制的に宝具を使用させたことで手に入れたものであり、場合によってはもっと長く続いていた可能性も十分にある。


「ちゅ、ちゅぎの、かいそうへ……いきましょう……か……♡」

「え、ええ……♡ は、はやく……このだんじょんからっ……でなくては……♡」


 この階層での無限レイプによって精神的な疲労を覚えていた二人は、震える体をなんとか動かして二本の脚で立ち、階段の方へと歩いて行く。

 その階段が大きく開けた肉食獣の口内のように見えたのは、恐らく、気の所為ではないだろう。

 それでも、二人はなにかを誘われるように、内股になって後方へとその美尻を突き出したレイプされること間違い無しの雌豚ポーズのまま、その階段を登っていく。

 二人の体は、完全に調教改造されてしまっていた。


 ――――しかし、完全に調教されたと思われる体ですら完全でないことを、第四階層で知るのだった。


 ■


 ☆エロトラップダンジョン第三階層☆

 ☆エロステータス☆


『セフィリア・アークス』

 C(クリトリス)性感:95

 B(バスト)性感:90

 V(ヴァギナ)性感:95

 A(アナル)性感:95

 マゾ性感:LV3

 精液中毒:LV1

 噴乳中毒:LV3

 悪臭フェチ:LV3

 性交経験:有

 アナル拡張:済

 アナル性交経験:有

 出産経験:無

 反発令呪:一角

 屈服令呪:二角


『巴御前』

 C(クリトリス)性感:85

 B(バスト)性感:100

 V(ヴァギナ)性感:90

 A(アナル)性感:80

 マゾ性感:LV3

 精液中毒:LV1

 噴乳中毒:LV3

 悪臭フェチ:LV3

 性交経験:有

 アナル拡張:有

 アナル性交経験:無

 出産経験:有


 ■


「はぁぁぁぁ…………♡ ふぅぅぅぅ…………♡」

「すぅぅぅぅ…………♡ んぅぅぅぅ…………♡」


 踏み入れた第四階層。

 この階層もやはり第三階層と同じく、脚の下に感じる肉質の床や壁と鼻を突き刺すような媚薬香が充満していた。しかし、新たにもう一つ変化が生じてしまっていた。


「こ、この音はぁ……?」

「なに……? なにか、変化が……?」


 キィィィン、と。

 感覚がより鋭敏な巴が先にその異常に気づく、かろうじて聞き取れる音が響いているのだ。一方で、セフィリアは紅潮した顔のまま、人間の認知できる範囲のわずか上を行く高音は、人間ではない巴は気づけても達人ではあっても人外ではないセフィリアには感じ取ることが出来ないのだ。


「妙な、耳鳴りがします……気をつけてください」


 巴もまた衰弱した身では、そんな言葉しか口にすることが出来ない。

 二人は周囲を警戒しながら、それでも快感によって脳が茹だってしまっている状態では普段のそれとは著しく劣った警戒態勢である。金色のビキニに包まれた二人の美乳と美尻が、第三階層での動きよりもさらにぷるんぷるんと不自然な揺れを見せてしまっていることが何よりの証明だ。二人が完調ならば、いや、何かしらの不調時であってもそのような、激しく体を揺らすことなどない。体幹がブラブラと揺れているその様は隙だらけと呼ぶに相応しい姿であり、恐らく、今襲われればたやすく不意を突かれてしまうだろう。


「それでも……進みましょう、先へ……先、へ……♡」


 巴の言葉を受けてもなお、セフィリアはただ前へと進むことだけを目指す。

 これがこのダンジョンに蔓延する歪な音の正体である。

 催眠効果のあるこの音は聞いたものに対して思考を鈍らせる効果を持っていた。そのことからセフィリアと巴に対して、ただ進むことだけを、単純な行動を取ることだけを強制させてしまうのだ。

 実のところ、この聞き取りづらい音は第一階層から放たれていた。音だけではない、第二階層から感じた肉の床と壁も、第三階層から感じた媚薬の香りも、全て第一階層から存在しており、それを感じ取れないように異界ダンジョン自体が隠蔽をしていたのだ。

 徐々に徐々に、進めば進むほど元に戻れなくなるように罠を仕掛けているのである。


「なっ♡♡♡♡♡」

「くぅ♡♡♡♡♡」


 ――――当然、二人の疲弊した体と惑わされた頭では、第四階層に施された『単純であるが本格的な罠』に逃れることが出来なかったのだ。


「これは、壁……!?」

「じょ、上半身と下半身が、分担されっ!?」


 魔法陣を使用した、壁穴トラップである。

 巧妙に隠されている、地面に敷かれた魔法陣に足を踏み入れた瞬間に獲物の体は移転をしてしまう。二本足で背筋を伸ばして立っていた体が、前のめりに体を倒して腰を中心に肉の壁が挟み込んでしまうのである。

 こうして、まるで壁の穴から下半身だけが飛び出たような無様な姿となってしまったのだ。

 しかも、壁で隔たれてしまっているためにセフィリアと巴からはその飛び出た下半身側がどのような状態になっているかもわからない。


『おっ、なんだこれ?』

「!?」

「声、が……!?」


 だから、肉壁の振動によって伝わってきたその男の音声にセフィリアと巴は体を震わせる。


『うわっ、すげえ美女……! このケツがそうなの……!?』

「ま、まさかっ……♡」

「そ、外に繋がってぇ……♡」


 ぼんやりとしてしまっている頭でも、その言葉の意味を二人は理解できてしまった。

 この肉壁は転移魔術の応用で、単純に壁を隔てた先にあるのではない。この肉壁は一種のワープホールであり、どこか見知らぬ土地、ダンジョンの外へと繋がっているのである。その音声もまた肉壁が空気の振動を感じ取って、わざわざセフィリアと巴へ悪趣味にも伝えてきているのである。


『ふぅ、最近溜まってたしなぁ……ふひひ……!』

「や、やめなさいっ♡ それは、してはっ……♡」

「そ、そのような卑劣なことは、許されませんよっ♡」


 繋がっている先から伝わってくるものは音声だけでセフィリアと巴はその男がどんな人物かわからない。そのため、二人にはわからないため説明をするならば、繋がっている先は落伍者たちが集まってコミュニティを形成している公園、その内部に作られた公衆便所。つまり、ホームレスたちが利用する薄汚いトイレに繋がっているのだ。

 しかもご丁寧に写真を創り上げてその尻の上へと貼り付けて、セフィリア・アークスと巴御前がどれほどの美女であるかをアピールまでしているのだ。

 すべてを失ってただ一日一日を無為に生きているだけのホームレスの前に現れた極楽浄土の一部分。金と名誉とともに倫理観も失ったその醜悪で薄汚い男が、その誘惑に耐えられるわけもなかった。


『おっ、おぉぉっ……! す、すげえ……! あったけえ……!』

「おぉっ、ほぉぉぉぉぉぉっ♡♡♡♡♡♡♡」


 セフィリアのオマンコに浮浪者の汚チンポが挿入される。肉体改造を施された上につい先程までゴブリンによって蹂躙されてほぐれきっていたセフィリアのオマンコは浮浪者のチンポを咥えこんでいく。


『おっ! おっ! こ、腰が止まんねえ!』

「ひぐぅぅぅっ♡ ふぅっ、くぅぅう♡ んひぃぃっ♡」

「ま、マスター♡ ご無事ですかっ♡ 気を、しっかりとお持ちくださいませ♡」


 セフィリアの名器を味わってしまった男は腰の動きを止めることが出来ない。さらに、壁尻というオナホとなんら変わりないものに対して容赦や思いやりというものを抱けるはずもなく、ただただ激しく、チンポだけが気持ちよくなるためのオナニーを続けていくのだ。


「マスター、どうぞ私に令呪で宝具の出力を上げてくださ、いぃぃぃぃぃぃっっ♡♡♡♡♡♡♡」

『おっ、いいケツじゃないか。いいのぉ、面白いのぉ』


 そんなセフィリアへと語りかけていた巴のオマンコにも、別の浮浪者がチンポを挿入していく。セフィリアの壁尻を使っていた浮浪者のよがり狂う声におびき寄せられた別の浮浪者が公衆便所に現れたのである。不意をつかれた巴は、やはり改造されきったオマンコに与えられた刺激に抗うことが出来ない。


『こりゃたまらん! もう出ちまう!』

「んひぃぃっ♡」


 性風俗にさえ長年通っていなかったその浮浪者はすぐに絶頂に達した。その汚チンポから流れ出た温かな感覚が腟内に走り、セフィリアは意識が飛びそうになるほどの快感を覚えてしまう。

 一緒だ。

 これまでと同じ様に、セフィリアは快感に支配されてしまう。


「ほぉぉっ♡ おぉぉぉぉっ♡ んほぉぉぉおっ♡」

『おぉ、こりゃたまらん……! 何度でもヤレるぞぉ!』


 それは巴もまた同様であった。

 快感に徹底的に弱いように調教されてしまった二人は、この肉壁で時間だけは残されている浮浪者たちの輪姦に抗うことが出来ない。

 それでも、一瞬の隙を見出して脱出をしようという考えだけは頭の片隅に残していた。これまでと同じ様に、唯一残った令呪の一角を用いてこの肉壁を破壊する巨大な魔力を使用して脱出してみせると考えていたのだ。

 それが、甘い考えであることにも気づかずに。


 ■



「お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛♡♡♡♡♡♡ ほ゛ぉ゛ぉ゛っ゛♡ ふ゛ひ゛ぃ゛い゛ぃ゛ぃ゛っ゛♡♡♡♡♡♡♡」

「あ゛ひ゛ぃ゛ぃ゛っ゛♡♡♡♡ く゛ぅ゛ぅ゛っ゛、ん゛ぅ゛う゛ぅ゛♡ ほ゛ぉ゛ぉ゛お゛ぉ゛っ゛♡♡♡♡」


 すでに一日が経過し、それでも終わらない輪姦。

 金も名誉も、人格さえも地に落ちてしまった浮浪者たちは一人や二人ではないのだ。それこそ指の数では数え切れないほどの人数が存在する。さらに、朝に動くものもいれば夜になってようやく動き出すものもいる。浮浪者たちが昼夜を問わずセフィリアと巴を犯していく。


『あ~、たまんねぇ……おっ、シゲさん、戻ってきたのか』

『おう、こいつで抜きたいから早く切り上げちまったよ』

「おぉっ、ほぉぉぉっ……♡」

「あぁっ、あへぇぇっ……♡」


 また新たな薄汚い浮浪者が現れる。いや、『新たな』ではない。夜に二人のオマンコを犯していた浮浪者が戻ってきて、『二周目』が始まろうとしているのだ。

 セフィリアと巴の美しさすらある白いお尻は浮浪者たちの垢まみれの手指で掴まれているために薄汚いものへと変わってしまっており、さらに黄ばんだ白濁液がオマンコと尻穴の内側からこぼれだし、抑えきれなかったものが丸い尻と長い脚へと垂れ落ちている。

 なのに、事件を超える壁を隔てた上半身にはただ二人の体液だけしか流れていない。あまりの快感に耐えられない二人は口を半開きにしてよだれを垂れ流し、皮膚という皮膚を赤ん坊のように紅色させていた。美しい美女が流す体液だけで、下半身のように汚い男の汚い垢も体液も存在しない。

 もう、二人の意識はトンでいた。まともな思考さえ出来ず、うめき声を漏らすことしか出来ない肉の塊になってしまっているのだ。


『うわっ、なんだっ!?』

『ちょ、ま、まだヤリたりねえぞ!?』


 これにて、第四階層の調教は終了。

 徹底的に体を快感で染め上げた二人はただのセックスだけで絶頂の渦に落とされてしまうため、わざわざ異界ダンジョンが肉と魔力を使って形作るゴブリンを使用することをしなかったのだ。ゴブリンたちを使えば異界ダンジョンの疲労に繋がるが、こうして外に居るNPCを利用すれば異界ダンジョンの消費は最初の転移魔術だけで済むためである。


「ほぉ、ぉおぉぉおぉぉ……♡」

「ふぅ、ひぃぃいぃぃぃ……♡」


 肉壁が解かれ、べたりと地面に倒れ込むセフィリアと巴。

 そんなセフィリアの耳元に、肉の壁の中から細く小さな触手が伸びていく。


「お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛っ゛♡♡♡♡♡♡♡♡」


 耳の穴から肉触手が入り込み、その刺激によってケダモノそのものと言える声を漏らすセフィリア。そして、セフィリアの下腹部――――令呪が光り始める。脳に直接指示を出して、令呪を使用させたのである。


「お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛っ゛♡♡♡♡♡♡♡♡」


 令呪の内容は、『セフィリア・アークスと巴御前の体の感覚をリンクさせる』というものである。

 巴は肉触手による脳愛撫を受けていないにも関わらず、脳愛撫を受けているセフィリアと同じ快感を味わっているのである。

 目を見開き、鼻を広げ、口をOの字に突き出した無様なアへ顔をセフィリアと巴は揃って並べる。


「「こ゛ぉ゛ぉ゛お゛ぉ゛っ゛っ゛♡♡♡ ほ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛♡♡♡♡♡」」


 ケダモノそのもののうめき声を上げながら、セフィリアと巴の体が肉の床に沈み込んでいった。

 ちょうど、食肉植物が虫を捕食するように、じわじわと二人の体は消えていく。

 セフィリアの武勇と忠節の証であるクラレントと、巴の猛勇と人外の証である剛弓だけが、第四階層に取り残されていた。


 ■


 ☆エロトラップダンジョン第四階層☆

 ☆エロステータス☆


『セフィリア・アークス』

 C(クリトリス)性感:95

 B(バスト)性感:90

 V(ヴァギナ)性感:100

 A(アナル)性感:100

 マゾ性感:LV3

 精液中毒:LV1

 噴乳中毒:LV3

 悪臭フェチ:LV3

 性交経験:有

 アナル拡張:済

 アナル性交経験:有

 出産経験:有

 反発令呪:無

 屈服令呪:三角


『巴御前』

 C(クリトリス)性感:85

 B(バスト)性感:100

 V(ヴァギナ)性感:100

 A(アナル)性感:100

 マゾ性感:LV3

 精液中毒:LV1

 噴乳中毒:LV3

 悪臭フェチ:LV3

 性交経験:有

 アナル拡張:有

 アナル性交経験:有

 出産経験:有


 ■


「ぉぉぉぉ…………♡ ぉっ……ぉぉぉっ……♡」

「ぅぅぅぅ…………♡ ぅっ……ぅぅぅっ……♡」


 第五階層。

 肉の床に呑み込まれてセフィリアと巴が運ばれたのは異界ダンジョンの最奥であるその階層であった。

 そこには何もなかった。

 胃の中という表現がしっくりと来るような、魔力の光によってのみ光量を得られる薄暗い部屋の中で、二人の美女は拘束されている。

 大の字になったセフィリアと巴。

 腕は二の腕まで、脚は太ももまで肉の壁に呑み込まれている。

 艷やかな口を防ぐように触手が入り込まれ、小さな耳の穴にもやはり細長い触手が潜り込んでいる。

 形の良い美乳と美尻は醜悪なまでに膨張してしまい、その爆乳は一メートル五十を超える奇乳へ、臀部も動くことさえ難しそうな一メートル二十を超える重石へと変わり果てていた。

 腹部も同様だ。あの見事なくびれた腰はすでに存在しておらず、大きく膨らんだボテ腹へと堕ちてしまっている。さらに、セフィリアには『服従刻印』と呼ばれる異界ダンジョンへの隷属を促す淫紋が刻み込まれていた。

 巴は人間の姿で顕界していたが、異界ダンジョンの改造調教によってその鬼種としての力が前面に出てしまい、立派な両角が頭から生えていた。


「ぉおぉごぉっ♡♡♡♡♡♡」

「ふぎぃぃぃっ♡♡♡♡♡♡」


 ゴボゴボと膨らんだボテ腹が蠢き、すでにポッカリと開ききったオマンコとアナルがヒクヒクと動き始める。触手で防がれた口から、それでも隠しきれない嬌声が響き渡ると同時に、セフィリアと巴それぞれのオマンコとアナル、合計四つの穴から肉の塊が堕ちていった。

 胎児である。

 異界ダンジョンが己の分身をセフィリアと巴の体内に埋め込み、その体にある魔力を奪い取って胎児という肉塊を産み落とす。その胎児は父である異界ダンジョンとすぐに合流して、異界ダンジョンの力を強めていく。

 異界ダンジョンが普通の生物のような『魔力的な排泄物』のみを糧としてセフィリアと巴は生かされている。


「ほぉ、ぉぉぉお……♡」

「ひぃ、んひぃぃ……♡」


 世界の大半を支配する秘密結社クロノスが誇る最強のエージェント集団、『時の番人(クロノ・ナンバーズ)』の首領であるセフィリア・アークス。

 旭将軍とまで讃えられた猛将・木曽義仲の忠臣であり、鬼種という人外の血と力を所有する女傑である巴御前。

 その二人は、今、その筋肉の全てをブヨブヨとした脂肪に変えて、戦うものではなく産み出すものへと堕ちてしまっていた。


「ひぎぃっ♡♡♡♡♡♡」

「おごぉっ♡♡♡♡♡♡」


 異界ダンジョンの正体。

 それはすなわち、性杯そのもの。あるいは性杯の一部分。

 ここではない何処かに、けれど確かに存在する、収拾メーターが回っていく。

 このメーターはどれだけ卑猥で、どれだけエロティックな行為を行ったかを判定するためのメーターだ。

 このセフィリア・アークスとアーチャー:巴御前の主従は、このように無様な終わりを迎えながらも、『性杯戦争の優勝候補の一角』と呼んでいいほどの注目度を浴びていた。

 すなわち、この無様な苗床化は多くの人物が『エロくて興奮する』と、性的な消費物となった彼女たちは、性欲という意味で高く評価されているのだ。

 もっとも、この性杯戦争は優勝なんて終わりはない。快感と興奮が集まって性杯に捧げられれば、性杯は己を固定するのではなく、より新たな存在を召喚することに使ってしまう。

 終わりのないセックスの螺旋。

 それこそが性杯戦争なのだ。


「おほぉぉぉぉぉぉっ♡♡♡♡♡♡♡♡」

「あへぇぇぇぇぇぇっ♡♡♡♡♡♡♡♡」


 ――――死という終わりすらない肉の苗床、それが今の二人である。


 ■


 ☆エロトラップダンジョン第五階層☆

 ☆エロステータス☆


『セフィリア・アークス』

 C(クリトリス)性感:255

 B(バスト)性感:255

 V(ヴァギナ)性感:255

 A(アナル)性感:255

 マゾ性感:LV9

 精液中毒:LV9

 噴乳中毒:LV9

 悪臭フェチ:LV9

 性交経験:有

 アナル拡張:済

 アナル性交経験:有

 出産経験:有

 反発令呪:無

 屈服令呪:三角

 出産魔物数(膣):145体

 出産魔物数(腸):357体



『巴御前』

 C(クリトリス)性感:255

 B(バスト)性感:255

 V(ヴァギナ)性感:255

 A(アナル)性感:255

 マゾ性感:LV9

 精液中毒:LV9

 噴乳中毒:LV9

 悪臭フェチ:LV9

 性交経験:有

 アナル拡張:有

 アナル性交経験:有

 出産経験:有

 出産魔物数(膣):282体

 出産魔物数(腸):196体

Files

Comments

No comments found for this post.