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(不謹慎ではあるけれど、神竜様の軍に参加してよかったわ。

 フィレネ王城兵としての情報網だけでは、あんな珍味の情報は得られなかったもの)


 夕刻。ブロディア王国の鉱山地区から、城下町へ向かう乗り合い馬車。

 荒れた畦道に車輪が跳ねるのを感じながら、クロエは吊革に掴まって今日の幸せな出会いを噛み締めるように柔らかく微笑んだ。


 ブロディアの鉱山地区で労働者に振る舞われる“ごった煮”は、フィレネの珍味ともまた違った荒々しい味わいでとても美味しく、ついつい長居して食べ過ぎてしまった。

 お陰で乗り合い馬車は非常に混雑していて、クロエは座ることも出来ずに鉱山夫の汗の匂いが満ちた車内で揺られるしかなくなっている。


(ジェーデにも、鉱山の労働が終わる前に帰るよう言われていたのだけど……。

 ダメね、彼女に怒られてしまうかしら。服も貸してもらったのに申し訳ないわ)


 フィレネの貴族であるクロエの私服は、ブロディアの鉱山地区では目立ちすぎる。

 だから彼女はジェーデから服を借りて鉱山地区を訪れていて、だからこそ彼女は現在纏っている服をなるべくなら汚したくない。


 シンプルなデザインの白いブラウスと、これもまたシンプルな膝丈程度の黒いスカート。靴もヒールではなく歩きやすい平底のショートブーツを履いている。

 フィレネ貴族らしいクロエの私服とは趣のちがう装いは、けれどシンプルであるが故に彼女の美貌と清廉さを際立たせ、乗り合い馬車の内側でその姿を浮き上がらせるようだ。


「………………」


 そしてそんなクロエの姿は、彼女以外に“女”のいない車内ではひどく目を引いていた。元々鉱山労働地区を訪れるのは男ばかりで、女などは事情があって日陰に潜まざるを得なくなった街娼が精々というもの。

 そんな女日照りの鉱山地区の中、偶然の幸運で彼女の後ろに密着する形になった労働者の男が、豊かな空色の髪から香ってくる女性らしい柔らかな香りや、見るからに柔そうな小柄な身体から目を離せなくなってしまうのも仕方がない事ではある。


 クロエに落ち度があったとすれば、それはジェーデの忠告の解釈を間違えたことだ。

 “乗り合い馬車が混み合うから”ではなく、“危険だから”という意味での『早く帰るように』という言葉を、クロエは前者の意味で捉えてしまった。


 ブロディアの鉱山地区は、元々豊かとは言えないブロディアの中でも、とりわけ貧しい地域の一つである。

 それ故に集まる労働者には気象が荒く短絡的な破落戸崩れのようなものが多く、乗り合い馬車の治安は決して良いものではない――少なくとも妙齢の美女が一人でそこに揺られて、平穏無事でいられるような治安ではあり得ない。


 クロエ自身の意識とは無関係に発されるフェロモンめいた柔らかな香りを吸い込んで、彼女の背後に立つ労働者の男は獣欲に思考を支配されていく。

 過酷な鉱山労働で鈍った理性。長らく発散できていない欲望が煮えるように男の思考を支配して、男は甘く香るようなクロエの髪の匂いを意識的に嗅ぎながら生唾を呑み込んだ。


 そしてとうとう、シンプルなスカートに包まれた柔らかな尻へと、男の手がゆっくりと伸ばされていく。

 この機会を逃せば一生味わえることもないだろう極上の美女。この馬車はもう一時間以上は停車せず、“条件”は完全に整ってしまっている。


「――――っ……!」


 恐る恐る伸ばされた手。その指先がスカートの上から柔らかな肌を撫でると、クロエは僅かに身じろいで手を振り払いはしたけれど、大声を上げることはない。

 抵抗は微弱で、物理的に距離をとることも不可能で、そもそも車内のどこに逃れたところで、それは痴漢をはたらく男が変わるだけだ。


「っ、え、やっ…………!」


 鉱山労働者特有の分厚いズボンの下で、男の欲望がみるみるうちにぺニスの内へと満ちて、パンツの布地が亀頭を擦るだけで先走りが滲み出していた。

 だから男はズボンのジッパーを下ろして、赤黒くグロテスクに屹立しきったぺニスを外気に晒し、クロエのスカートを捲り上げて太股に先端を擦り付けだす。


 肉感的で柔らかく、それでいて熱気に少し汗ばんでしっとりとした太股。

 そこにグロテスクな熱が擦り付けられる感覚に、クロエは恐怖と動揺に支配されて、なんとかその場から逃れようとするしかない。


「っ……!ぅ、え……?!や、うぅ……っ!」


 だが混雑しきった車内では、体勢を変えることも満足には出来ない。

 足がもつれ、揺れる車内では吊革を手放すことも出来ず、抵抗なんて示すことも出来ずに、クロエは粗野な男の獣欲にその身を弄ばれるしかない。


 スカートがウエスト部分に巻き上げられ、若草色のショーツが“乗り合い馬車の車内”という異常な状況に強制的に曝け出される。

 その状態で太股を掴まれ、足を閉じる形で押さえ込まれると、肉感的な太股とショーツ越しの秘部に、熱く滾った槍のようなぺニスが擦り付けられた。


「やめ……っ!ぁ、い、いや……!

 ちょっと、いい加減に――――っ、むぐ、うぅっ!!」


 耐えかねる恥辱に振り返るクロエと、すぐさま閉ざされる唇。

 クロエの滑らかな薄い唇に、男のがさついた厚い唇が押し付けられ、そのまま薄い唇が無理矢理に割り開かれて、その内側の小さな舌に男の舌が絡みつかされる。


「んむ……ッ!!ふ、ぅぅぅ、く、んぐぅ……ッ!!」


 ファーストキスを奪われた事への絶望が一瞬クロエの全身を突き抜け、けれど形のない絶望感は"舌を無理やり吸われる"という下卑た行為への拒否感で瞬く間に上書きされた。

 じゅる、じゅぶ、と粘ついた唾液の音が響かされ、太腿にペニスを擦りつけられ、抱きしめるように身体と身体を密着させられる。


 他の鉱山労働者たちは、疲れ切って周囲に目を向けてもいないのか、それとも単純に見て見ぬふりをしているだけなのか。

 ただ確かな事実なのは、現状のクロエに救いの手が差し伸べられるようなことはなく、彼女はただ熱を帯びていく男の獣欲に翻弄される以外にないという事だ。


「っ、ふー、んぁ!ふ、ぅぅ、ぐぅぅ…………っ!!」


 太股に挟み込まれ、疑似的な抽挿のように前後動を繰り返すペニス。

 興奮のあまりに時折ビクビクと打ち震えるそれは、クロエのクレバスをショーツ越しにではあるが何度も何度も撫でて刺激し、段々とその場所に潤みを帯びさせてしまう。


 恋人がいたことはないが、自慰の経験は当然ながら幾度かはある。

 だからこそクロエは、自分の身体がこんな行為の中で"女"として目覚めさせられてしまっているという事実に、動揺と焦燥を隠しきれない。


「っん、く、ふぅぅ、んく…………っ!

 ん、んぁ、っ、ぁ、う、やめ、て…………!」


 舌と舌を絡み合わされ、柔らかな太股に獣欲を擦り付けられるという異常な状況は、男のペニスを穢れた欲によって満ち満ちさせる。

 だが男の欲はその程度で収まるわけもない。むしろ興奮を深めて理性を焼却した彼は、背後からクロエを抱きすくめるようにしながら、とうとう目を引くブラウス越しの乳房へと魔手を伸ばした。


「――っ!?んぁ、ひ、ゃめ…………っ!

 ん、くぅぅっ!ふぁ、ん、ぁ、ぁ、ぁ、あぁ…………っ!」


 剥ぎ取り破るようにブラウスのボタンを外され、ショーツと揃いの若草色のブラジャーを無理矢理にずり上げられて、豊満な乳房を露出させられる。

 レース地のブラジャーから解き放たれてぶるりと揺れる、重量感のある乳房。淡雪のように白くも確かな質量を感じさせるそれを、男は背後から揉みしだいて表情を悦に染めた。


 元々スタイルのいいクロエという美女でも、とりわけ目を引くだろう美しい形の巨乳。

 そこにゆっくりと武骨な指が沈められていくと、クロエの身の内からは壮絶な拒否感が込み上げてきて、抵抗の身じろぎを僅かながら強めさせた。


「っぁ、や、やめ」


「――いいのか?あまりうるさくしたら気付かれちまうぜ?

 丸出しのおっぱい見られてもいいってんなら止めねえけどさぁ」


 だが抵抗の身じろぎと言葉は、残酷な言葉によって止められてしまう。

 スカートを捲り上げられ、ショーツ越しとは言え秘部を濡らされ、乳房を露出させられて揉みしだかれてしまっている姿。

 それを“見られるかもしれない”という羞恥は、現状のクロエにはあまりにも耐え難い。


「っ……!最、低…………っ!」


「恨むなら俺じゃなくて、自分のバカさを恨めや。

 こんな治安の悪い場所に物見遊山に来るからこんな目に遭うんだよ」


 太股にぺニスが擦り付けられる音。再び唇を奪われ、口内で唾液がかき混ぜられる音。

 漏れ出てしまう小さな嬌声と、男の興奮を示す荒い鼻息の音。抵抗のための身じろぎが立ててしまう衣擦れの音。

 揺れる乗り合い馬車の内では、それらはわずかな音でしかないけれど、クロエの耳には数多の音が羞恥の引き金となって届いてしまう。


 聞こえているかも。見られてしまうかも。もっとひどい目に遭わされるかも。

 クロエの頭の中にはそんな恐怖心ばかりが浮かび、結果として彼女に示せる抵抗はひどく弱々しいものへと変えられていくしかない。


「んぁ…………っ!ふ、んぐ、ぅぅぅ…………!

 んぅぅっっ、く、ぅう――~~ッ!ふ、ぐ、んぅぅ……!」


 クロエの唾液と男の唾液が混ぜ合わされた、ひどく穢れて泡立った粘液。

 それがクロエの口端から零れ、滑らかな顎のラインを伝って、揉みしだかれる豊満な乳房へと落ちていく。

 抵抗の身じろぎは満足に行えず、それどころか呻きすら羞恥によって封じざるを得ず、クロエは舌と胸と太股を穢しつくされる感覚を強制的に味わわされるしかない。


 ぐにぐにと乱雑に、乳房が背後から指で押し込んで弄ばれる。

 手汗が染みこんでくるような感覚と共に熱が乳房から全身を巡り、段々と屹立してしまう桃色の可憐な乳首を爪弾かれて、全身をめぐる熱を性感に変貌させられてしまう。


「乳首、随分と勃起しちまってんなぁ?

 それにアソコの方もひでぇもんだ。もうパンツの意味もねぇだろ」


「やめ……っ、言わないで……っ!

 ぁ、ぁ、あぁぁ、ふ、くぅ…………っ!」


 耳元に低く言葉を囁きかけられ、同時に乳首を柔くくすぐられる。

 自慰で味わうのと同じか、それ以上の――――間違いなく後者だろう感覚に、ショーツ越しの秘部が蠢いて、漏れ出た淫蜜が薄布越しにクレバスの形を浮かび上がらせてしまう。


 脚がガクガクと痙攣し、クロエはもう吊革に縋らなければ立っていられない。

 スカートを捲り上げられて晒された太股には、いつの間にか汗ではあり得ない淫らな雫が散って、彼女の足元を濡らしてしまっていた。


「ぁ、あぁぁ……っ、や、やめ、てっ……!」


 だがそんな羞恥を一層深めるように、胸先の極点がどうしようもない熱と共に震わされる責めが続く。

 乳首の根本に爪を突きつけられ、ゆっくりと撫で上げるように側面を掠められて、ショーツの内側から淫蜜を迸らせられる。

 そしてそんな風に全身を“女”として覚醒させられてから、とうとう我慢を失った“それ”がクロエにとっての最悪の始まりを告げた。


「ひっ……!」


 ショーツと素肌の隙間から、秘部へと直接擦り付けられる亀頭。

 ぐちゅ、くちゅ、と濡れた膣から粘つく水音が微かに響き、けれどそんな水音に羞恥を煽られるよりも早く、蕩けた膣内に硬い肉楔が滑り込まされた。


「~~~~ッッ!!ぁ、かは、ぁぅ……っ!」


 細い身体が残酷な挿入によってビクリと跳ね、掴まれたままの乳房が根本から揺れる。

 濡れそぼった膣は抵抗もなく残酷な挿入を受け止め、純潔が押し破られる痛みもそこそこに、柔膣の奥底までを男の穢れた獣欲の前に晒してしまった。


「…………入っちまったなぁ、お姉ちゃんよぉ。

 イイ締まりと柔らかさだぜぇ。名器だなぁ、名器」


「っ、ふ、ふざけ、ないで……!今すぐ抜きなさい……!

 こんなこと、絶対に許されな、ぃっ?!んくっ!ん、ぁ、ぁ、んぅぅっ!」


 嘲笑混じりの囁きに毅然と言い返そうとしても、言葉を最後まで言いきることも今のクロエには許されない。

 乳房を揉まれ、乳首を捏ねられ、その状態でゆっくりとではあるがピストンを始められると、毅然とした言葉は無様に歪んだ嬌声へと変えられてしまう。


「っぅ、んぁ、や……っ!ぁ、ぁ、ん、ぁ、ぁ、あぁ……っ!」


 必死に嬌声を堪えようとしても、クロエに示せる抵抗は何もなかった。

 自分から仕掛けられる抵抗も、この場を逃れる方策もなく、クロエはいつ終わるかもわからない陵辱の中で、ただただ次善の行動を起こし続けるしかない。


 乳首が緩く震わされるだけで、肉茎を咥えこんだ膣が浅ましく収縮し、脱がされずにずらされただけのショーツや太股を淫らな雫が濡らしてしまう。

 ぺニスが引かれると、それだけで粘ついた愛液が掻き出され、ぺニスが押し込まれると膣奥で“ぐじゅり”と下品な水音が奏でられてしまう。


「や、やめ、んぁっ、ぁ、くぅぅ……っ!

 こんな、場所で……っ!見られたら、貴方も困る、でしょう……!?」


「本当に困るかどうか、試してみてやってもいいんだぜ?

 この馬車に乗ってるのは、俺と同じ鉱山労働者ばかりだけどなぁ?それでもいいなら思いっきり声上げてみろ、よ!」


「ッッ~~~~!!!!や、ぅ、んぁ、あぁっ……!

 っ、ダメっ、奥、グリグリしないで……っ!ぁ、ん、ぁあぁ……っ!」


 獣欲に駆られた男には、何を訴えても通用しない。

 ただ言葉が通じるだけの異形兵であるかのように、男はクロエの柔らかな肢体を背後から抱きすくめ、身勝手なピストンによって蹂躙するだけだ。


 たん、たん、たん、たん、とリズミカルに打ち付けられるピストン。

 混雑した車内での律動は激しくこそないものの、純潔を奪われたばかりのクロエには精神的な絶望感も相まって、ひどく鮮明に身の奥にまで響いてしまう。


「やっ、やっ、やっ、やめっ…………!

 んぁ、ぁ、うぅっ……!はぁっ、ぁ、んぅぅ、くぅっ……!」


 ぐちゅ、にちゅ、くちゅ、くちゃ。

 小刻みに肉と肉がぶつけ合わされる音と共に、浅ましく濡れた膣内から本能的な羞恥を煽る水音が響き、美脚を伝う淫雫の量が増していく。


 柔膣が縋るようにぺニスを締め付け、その甘美な感覚を味わうようにピストンが段々と早められる。

 肉と肉がぶつけ合わされる音と、響く淫らな水音。それは既に隠しようもなく車内に響き渡っていて、クロエが辱しめられているのはもう公然の秘密でしかない。


「ひひひひ、イイ反応するじゃねぇの。

 乳首もビンビンでアソコも濡れ濡れ。声ももう抑えるのキツいだろ?」


「ひっ、んぃっ、ぁ、あああっ!

 ちょっと、待って……!声、出ちゃっ、ぁ、あぁんっ!!」


 そしてそんな視線――――クロエの痴態に向けられる数多の下卑た視線を理解して、男は抱きすくめた身体をより激しく責め立て始める。

 ぷっくりとそそり立った乳首をぎゅっと捻り上げながら、膣奥を何度も何度も震わせるように刺激を加えて、堪えきれずに漏れ出る声を堪能する。


 下卑た視線が向けられていることは、クロエも理解してしまっている。

 けれどその事実を認めることが――――自らの痴態が衆目の面前に晒されてしまっていると自覚してしまうことが怖くて、クロエはただ強く目を瞑り、与えられる性感だけに意識を集中させられる以外にない。


「ダメっ……!だめだめだめそこやだっ……あぁぁっ!

 だめ、も、今、今イって……!ぁ、あぁぁやだっ、そこ、そこ今弱いからぁぁっ!!」


 目を閉ざす以外にないからこそ、与えられる責めはいつもの自慰などよりも余程鮮明に、クロエの鋭敏で清廉な身体へ向けて叩きこまれてしまう。

 膣奥を拉ぐように震わされ、ふわりと柔らかくも程よい締まりを宿した膣口から何度も何度も淫らな雫を噴き散らし、その有様を数多の目によって観賞される。


 吊革から手を放すことも出来ず、クロエはただひたすらに膣奥と胸先を責め嬲られ、途方もない陵辱にその身を浸され続ける。

 つい数時間前に味わったはずの珍味の、あれほどまでに『また味わいたい』と思った筈の幸福な味すらも、もうクロエには思い出すことすら出来ない。

 ただこの場から逃れたい。汗のにおいと下卑た欲望の気配に満ちたこの場所から逃げ出したいと思う以外に、クロエはもう何も考えられなくなってしまっている。


「んぁ、や、ぁあぁっ!やめ……っ!ぁ、だめだめだめだめだめだめ……ッ!!

 あぁぁ、や、イった、イってる……っ!!イって、る、からっ、もう、やめ、て……!」


 数多の淫雫に伝われる美脚が、内股になりながらガクガクと痙攣していた。

 前のめりになって尻を突き出すような体勢になり、その状態で乳房の頂点を強く摘ままれながら膣奥を深く突かれると、ただそれだけでクロエは淫らな叫びを響かせてしまう。


 既に彼女の嬌声は、車内どころか車外で馬を駆る御者にまで聞こえてしまっている。

 嬌声を抑え込もうとすることになど最早何の意味もなく、けれどクロエは未だ折れ切らない淑女としての性根に縋るように、無駄な抵抗を続けてしまう。


「ひひっ、わざわざ言わなくてもわかってるよォ。

 マンコの締まりがさっきからエグすぎて、正直もう出ちまいそうだ……!」


 小刻みに腰を蠢動させて膣奥を突きながら、男はこみ上げてくる欲望に身を委ねる。

 いつ射精に至ってもおかしくない、安い街娼では決して味わえない類の興奮。降って湧いたような好機を少しでも長く味わうようにゆっくりと腰を振ってはいたが、それでも訪れる終わりがある事には変わりがない。


「や、や、いやっ!やめて!だめ、だめ、ですっ!!

 そんな、だめ、それだけは……!それだけはやめて、やめてください!!」


 膣内への射精をちらつかせたときの反応も、どうしようもなく男の――――その場に居合わせた全ての男たちの下卑た欲を煽り立てる。

 スレた街娼では味わえない類の鮮烈な反応。恐怖と屈辱と性感をない交ぜにした反応を示すクロエの姿は、彼女にとって最悪の地獄を近づける結果にしかならない。


 潜めることすら忘れた悲痛な懇願は、ふわりとした優し気な声音がそうまで至っているという事実だけでも男たちを興奮させる。

 振り付けられる腰。卑猥な期待に満ちた視線。それらに痴態を捕えられた状態で、クロエはもう逃れようもなくなった"最悪"へとひたすらに転がり落されていく。


「んぁ、あぁぁっ!あぁぁっ!だ、だめ、や、抜い、てぇっ……!

 それ、本当にダメ、ダメなの……っ!そんな醜聞、家に、迷惑が……っ!」


「……おいおい、って事はやっぱりお貴族サマかよ!

 こりゃあ、もっともっと施しを貰わなきゃ割に合わねぇなぁ!」


 フィレネ貴族として慈悲を乞おうとも、それはむしろクロエへの責めを激しくするだけ。

 ペニスが抜かれる気配もなく、膣内を割り解すそれは段々と硬く熱く張り詰めていき――――そして男の奇妙な呻きと共に、"最悪"がクロエの最奥へと流れ込んだ。


「――――あ……!ぁ、あぁぁ、ぇ、うそ、うそ、嘘、でしょう……!?

 な、ぇ、出て、出てる……っ!やめて、止めて、いやぁあぁぁぁ…………ッ!!」


 どろりと、侵蝕するように膣奥に流れ込んでくる汚泥のような精液。

 それは不可侵であったはずの子宮内に流れ込み、その場所を身勝手に蹂躙しながらクロエの最奥へとその毒牙を伸ばしていく。


 それが本当の意味でクロエの内側に"絡みつく"かどうかは分からない。だがそれでも、その可能性そのものがクロエの絶望を深めていた。

 そしてそんな絶望にゆっくりと目を開いて――――けれどそれこそが、一層重く深く残酷な絶頂の呼び水となってしまう。


「――――――あ…………」


 潤んだ視界に映る、乗客たちの視線。

 それは間違いなく、ごまかしようもない程にクロエの方に向けられていた。


 向けられる視線はもう、獣欲も卑猥な期待も隠すつもりがない。

 ただ何も言わないだけで、馬車の内側に収まった数十人単位の屈強な男たちは、クロエという愚かしくも迷い出てきてしまった獲物を視線だけで捕らえている。


「あ、あぁぁ、いやっ、嫌――――――――」


 射精を終えたペニスが膣奥からずるりと引き抜かれ、それと同時にへたり込もうとしたクロエへと、理性を失い獣と化した男たちが群がっていく。

 悲鳴すら押し潰すような欲望の濁流。数時間前に味わった美味を完全に覆い潰すように、生臭く穢れた欲望の熱がクロエの全てを埋め尽くしていく。


 斯くして、クロエという天馬騎士はもう二度とソラネルに帰りつくことはなかった。

 全てが明らかになるのは、邪竜ソンブルとの戦いが終結を迎えた後の事。ブロディア辺境の鉱山地区にて、陵辱の果てに精神を壊した女が保護されてからの事だった。


≪了≫



お読みいただきありがとうございました!


次回は4月21日に更新予定。

内容はまだ未定ですが、『原神』か『ブルアカ』からになるんじゃないかなーと思ってます。


それでは次回も楽しみにお待ちいただけると嬉しいです!


Comments

Anonymous

執筆お疲れ様です! あんな柔らか清楚系でえっちな雰囲気纏った美人さんがこんな馬車に乗ったら当然そうなりますよね。最高すぎます、ありがとうございます。 周囲を意識させられて抵抗を封じられ、最後には嬌声が抑えきれず周囲バレの流れが完璧で好きです。感謝の念が止まりません……。 エンゲージ未履修だったのですが、この作品を読ませて頂いて衝動的に購入しました。キャラの解像度を上げて読み返したいと思います。 素晴らしい作品をありがとうございました!次回の特典も楽しみにしております!

ミズウミ

ありがとうございます! エンゲージ、深掘りすればするほどキャラのフェチい部分が増えてく作品だと思うので、ぜひ隅から隅まで遊び倒してから読み返していただければ!

Anonymous

FEで電(馬)車痴漢物…!マジでこの発想天才的すぎますよ!目からウロコ飛び出ました!!最高です!!! クロエさんというチョイスも個人的に超グッドです…! そして何より結末が仲間の預かり知らぬ土地で堕ちきってかつ全てが終わったあと消息が判明というのが無情すぎて個人的極大グッドでした…!!!

ミズウミ

ありがとうございます! FEって基本的に"戦場senkaもの"か"虜囚快楽尋問もの"が殆どだったので、ちょっと読み味が違うタイプとして考えたんですが、刺さってくれたなら何よりでした。 あとクロエさんは、あの優しい声音で「最低……!」って怯え睨みされたかったが故の人選だったりします。つまりは性癖ですありがとうございました。