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「間に合っ――――たぁ!!」


 トリニティ自治区からアビドス自治区へと向かう終電の車両。

 発車ベルを鳴らすそれにギリギリで滑り込んで、黒見セリカは大きく荒い息を吐き出した。


 夜気は既に冷え始める時期だけれど、それでも全身が汗ばんで体温が上がっているのが分かる。

 先輩であるシロコのトレーニングに時々付き合っているから体力には自信がある方ではあるが、それでもバイト終わりの全力疾走が体に応えることには変わりがない。


(まさか閉店間際に強盗がくるなんて思わないわよ……。

 バイト代はその分だけ色を付けてくれたけど、おかげでこんな時間になっちゃったし……)


 時刻はまだ21時を過ぎたところで、健全な高校生にとってはそこまで遅い時間ではない。

 けれどアビドス自治区行きの終電は各駅停車の形式をとっていて、終点である寮の最寄り駅にたどり着くのは大体1時間後――――そこから徒歩で帰るのを考えると、門限である22:30は完全に過ぎてしまう。


(アヤネちゃんかノノミ先輩に連絡して、寮の門も開けておいてもらわないと……。

 明日は朝イチでシャーレの当番もあるし、帰ったらすぐにお風呂に入って少しでも寝ておかなきゃ)


 ゲヘナ自治区であれば"便利屋68"の事務所に泊めてもらうことも出来たけれど、生憎トリニティの知り合いは阿慈谷ヒフミくらいで、そのヒフミは学園の寮暮らしでこういう時には頼れない。

 今日のバイト代の大半を使えばホテルに泊まることもできるけれど、アビドスの再建に使うためのバイト代をこんなことで使ってしまうのは他の対策委員会のメンバーに申し訳が立たないから論外だ。


 とはいえ、流石に今日は全身が疲労を叫ぶ程度には疲れた。

 車内に乗客はほとんどいない。だからこそセリカは胸を撫で下ろして呼吸を整えながら三人掛けの座席の真ん中に腰を下ろし、そこで大きく長い溜め息を吐いた。


「…………はぁ、あぁぁ~~~~…………!」


 体重を預けられる場所を得ると全身から力が抜けて、間の抜けた欠伸が漏れる。

 全力疾走で高められた疲労感が全身に染み込んで目蓋までを重くして、ほんの少しでも気を抜けばそのまま深く眠り込んでしまいそうだ。


 とはいえ、それはキヴォトスの治安を考えるにあまりにも危険すぎる。

 終電まで運ばれていけば最寄り駅には辿り着けるけれど、バイト代を持った状態で深々と寝入ってしまえば、万が一それを盗まれたとしても文句は言えない。


(……まぁ、でもほんの少し仮眠するくらいなら…………)


 とはいえ、現状の睡魔に抗うのが非常に難しいのも事実だ。

 だからこそセリカは、封筒に入ったいつもより多めのバイト代をブレザーの内側――――懐のポケットへと大事そうにしまい込んでから、腕を組んで睡魔に身を委ねて目を閉じた。


 目を閉じてしまえば、後はもう睡魔の進行は流れ作業のようなものだ。

 身体が重くなり、周囲の音や体の感覚がどことなく遠くなって、セリカは厳しい表情を浮かべることも多い顔をあどけなく染めて、やがて微かながらに寝息を立て始める。


「…………おい、どうする?」

「……ああ、随分と警戒心の薄い嬢ちゃんだなぁ」

「仕方ねぇだろ、なんかお疲れみたいだしよ。俺らからすればありがてぇ話だが」


 そんなセリカの無警戒な姿を視界に収めながら、三人の男たちがひそひそと言葉を交わした。

 キヴォトスには珍しい"人間"の姿をした男性。数少ない"大人"の"男性"は、しかしセリカだけでなく様々な少女たちが慕う"先生"と姿形だけは酷似していて、けれどその視線の色はまるで異なっている。。


 黒見セリカは元来、周囲に対する警戒心が強い性質の少女ではあった。

 けれどそんな彼女に誤算があったとするならば、それは彼女が知り得る"悪意"の形が、金銭や暴力に関する事柄しかなかったという一点に尽きる。


 あどけない表情で仮眠――――蓄積した疲労による深い眠りに沈んでいるセリカ。

 その眠りがどれほど残酷な形で遮られ、どれほどまでに残酷な悪意が少女を襲うことになるのか。

 眠りこけるセリカはそれを察することもなく、ただ穏やかに微かな寝息を響かせるだけだった。



「ん……っ!!」


 薄ぼんやりとした意識が、跳ねあがった警戒心によって強制的に覚醒させられる。

 胸元をまさぐる指。それは当然ながら自分の指ではあり得なくて、だからこそセリカは弾かれたように思い目蓋を開けて、周囲に睨むような厳しい視線を向けた。


「ちょっと……!一体何を考え、て…………!?」


 だが向けたはずの厳しい目は、すぐに動揺に上書きされてしまった。

 乗客もほとんどいないはずの車内――――座席など探すまでもないほど余っている筈なのに、何故かセリカの左右を固めるように密着して座っている二人の男。

 更にもう一人がセリカの眼前を塞ぐように立ち、明らかな悪意を滲ませた下卑きった表情で、起き抜けで状況が飲み込めていないセリカを見下ろしている。


「よぉ、お疲れみたいだなぁ、お嬢ちゃん。

 随分深く寝てたみたいじゃねぇか。こんな状況になるまで気づかねぇとはよ」


「アンタたち、何……?まさかカイザーの――――っ、ひっ!?」


 セリカの言葉に答えを返すこともなく、左右を固める二人の男たちの指が分厚いブレザーの布地越しに胸元を這いまわってくる。

 バイト代の封筒を収めた懐には手を伸ばそうともせず、布地の厚さを加味しても決して大きいとは言えない乳房の付近を指が這う感覚は、セリカには理解できない類の悪意に満ちているようだ。


「ひひっ、俺らがカイザーなんて大企業に勤められると思ってんのかよ」

「そーそー、精々が日銭を稼いでなんとか生きてくしかねぇんだよ俺らみたいなモンは」

「だからこういう風に、たまーに娯楽としてストレス発散しないとやってけねぇんだよなぁ!」


 密着してくる男たちから伝わる不快な汗の匂いに、表情が勝手に不快感に染まる。

 粗野な言葉。野卑な態度。不快感が怒りに転化されていく。同じ"大人"の"男性"という属性あっても、尊敬する"先生"とはまるで別種だとしか思えない下卑た連中。

 彼らはセリカの抱く不快感を慮る様子もなく、勝手な行為を止めようともしない。


「っ、はぁ……!?ふざけないで!ちょっと、触るな……っ!」


 名状しがたい恐怖に煽られて、セリカは身じろいで抵抗を示そうとした。

 だがその抵抗はひどく弱弱しく、睨むように細められた目にはどうしようもなく恐怖の感情が滲んでしまっていて、そうなってしまえばセリカに男たちの蛮行を止めうる手段はない。


 ブレザー越しに胸元をなでていた手指が、嬲るように蠢きながらブレザーの内側へ侵入する。

 だが骨ばった手はブレザーの内ポケットに収められた封筒にはまるで興味を示すことはなく、むしろセリカの薄い胸へと毒牙を伸ばすようにスクールシャツのボタンをはずし始めた。


「っ!?ちょ、ちょっと、ふざけ……っ!」


「ひひっ、ブレザーで押し込められてるだけかと思ったが。

 随分と小さい胸だなぁ?こんなのブラジャー着ける意味もないんじゃねぇか?」


 身じろいでの抵抗は意味を成さず、いとも容易くシャツのボタンを完全に外されて内側を曝け出される。

 電車内という異様な状況で外気に晒されてしまった真っ白な素肌と、薄い乳房を包む薄桃色のボーダー模様が特徴的な可愛らしいデザインのブラジャー。

 最近になってようやくつけ始めたばかりのそれを嘲られ、セリカの顔が屈辱で紅潮する。


「っ、う、うるさいっ!!関係ないでしょ!?

 な、何が、何が目的なの!?こんな事して、いったい何がしたいわけ!?」


 金目的でもなく、カイザーの手先でもないのだと男たちは言う。

 だがそれでもセリカに向けられる"悪意"だけは間違いなく本物で、だからこそセリカには男たちがこんな蛮行をはたらく目的が分からない。


「あ?最初に言ったろ、"ストレス解消"だってよ」


 だがそもそもの話、この行為には"目的”などなかった。

 ただのストレス解消――――男たちの下劣な欲のはけ口として、黒見セリカという少女がたまたま都合の良い場所で目をつけられてしまっただけ。

 ただそれだけの理由で、セリカはその身を男たちの欲に絡めとられてしまっている。


「っ、はぁ……っ!?意味、わかんないわよ……っ!

 ちょ、ちょっと、やめ、やめなさ……っ!それ、脱がさないで……っ、あぁっ!」


 はだけられたスクールシャツと、そこから曝け出されてしまったブラジャー。

 そして男たちは更に黒見セリカという少女を辱めるべく、健康的な美脚を引き立てる短いスカートを当然のように捲り上げて、硬い防備である筈のスパッツを勢い良く引きずりおろす。


「お、可愛いパンツ穿いてるじゃねぇの。

 ブラジャーとお揃いとは、結構気に入ってるのかい?」


 スパッツの下から男たちの視線の先に晒された、ブラジャーと揃いの可愛らしいショーツ。

 白い布地に薄桃色のボーダー模様のそれは、セリカが常に浮かべる強気な態度からは想像もできない程に可愛らしく、だからこそ彼女の内側の少女性をありありと示すようだ。


「う、うぁ……!ぇ、や、なん、で…………!?」


 日常であったはずの電車内で、強制的に下着姿を晒されている状況。

 未だ15の少女でしかないセリカには、そんな異様な状況は理解できるものではなく、彼女はただ動揺と恐怖に表情を染めて、必死にその場から逃れようとするしかない。


 だがどれだけ身を捩っても、"大人の男"に"少女"が膂力で勝れる道理はなかった。

 むしろ男たちはセリカのそんなか細い抵抗を愉しむように、あえて強く彼女を抑え込むこともなく、そのまま少女の素肌へと好き勝手に欲をぶつけ始めてしまう。


「っ、ひ、やめ……っ!!や、いやだっ!

 やめて、触るな!触るなぁっ!!や、やめてぇぇっ!!」


 左右から下着越しに薄い胸を揉みしだかれ、下着を隠すために強く擦り合わせた筈の足を強制的に開かされ、ショーツのクロッチ部分を指で幾度か撫でられる。

 まだ自慰すら経験したことのない無垢な身体に、強制的に叩きつけられる下卑た欲。本能に直接働きかけるような責めは、セリカの身体をじわじわと侵食していくようだ。


「っ、うぁ……っ!やめ、て……!!

 やだ、やだ、触らないで……っ!これやだ、やっ!ぁ、だめぇっ!」


 ブラジャーの薄い布越しに、くすぐるように薄い乳房が刺激される感覚。

 最近になってようやく緩やかな膨らみを見せ始めた乳房。"双丘"などと呼ぶには緩やか過ぎて、同学年のアヤネと比べてコンプレックスにもなっているその場所を、左右から好き勝手に嬲られていく屈辱。


 柔らかなそれらを寄せ集めるように揉みしだかれ、ぞわぞわと痺れるような恐怖に晒される。

 そしてそのままブラジャーの布地を上方向にずり上げられると、ふるりと緩やかな乳房が震える感覚と共に、敏感な場所が直接湿った視線と外気に晒される羞恥がセリカを打ちのめした。


「おぉ、乳首めっちゃ綺麗でちっちゃいなぁ。

 こりゃ感度も期待できそうだねぇ、ひひひ、ひひひひ……っ!」


「っ、や、ぁ、やめ……ッッあ!!

 ぁ、あぁぁ、だめっ!そこやだっ!やめ、てぇぇっっ!!」


 だが羞恥程度に浸る余裕は、今のセリカには与えられない。

 男たちの小指の先ほどもない薄桃色の小さな乳首と、白い肌になお目を凝らさなければ判別も出来ないだろう色素が薄くきわめて小さな乳輪。

 男たちは左右それぞれの乳房を一人ずつ占有するように、敏感な小さな場所に鼻息が吹きかかるほどまでに顔を近づけながら、すりすりと嬲るように指先を蠢かせる。


「っ、ぁう、や、やっ、何、これぇ……!?

 だめ、だめ、これやだ……っ!ぁ、変、変、なの……っ!やめてよぉ……っ!」


 自慰すら経験したことのない、無垢で清廉な身体へと性感が書き込まれていく。

 セリカの表情には、もう常の強気は残っていない。セリカは屈辱と羞恥と身体の奥底からこみ上げてくる"知らない感覚"に白肌を紅潮させ、声音を甲高く淫らに跳ねさせるしかなくなってしまう。


 男たちの慣れた指使いによって、小さな乳首がじわじわと屹立させられていた。

 穢れた興奮を宿した鼻息に敏感な肉芽を温められ、骨ばった指によって弾力を宿したそれをふるふると震わせられて、セリカの身体は彼女自身が望まないにも関わらず、本能から性感を引きずり出してしまう。


「ひひひ、だいじょぶだいじょぶ、怖くねぇからさァ。

 ただお嬢ちゃんの身体が気持ちよくなってるだけ。だからそのまま浸っててくれよォ?」


「んぁ、やっ!違、うっ!こんな、こんなの、気持ちよくないっっ!!

 適当、言うな……っ!!この、放してぇ……っ!っ、ぁ、やめ――――ッッ!!」


 そしてそんな風に乳首が屹立させられていく中、もう一点にも当然のような責めが加えられる。

 捲り上げられたスカートと、ずり下げられたスパッツ。その下から曝け出されたボーダー柄の可憐なショーツのクロッチ部分がずらされて、秘されるべきクレバスが男の眼前に晒されてしまう。


「い、いやっ!いやだ、やだ、見るな!見ないでぇっ!!

 ぁ、だ、だめっ!やだ、いやっ!いやだってばっ!うぁ、あ、あぁああぁぁっ!!」


 大きく開かされたセリカの両脚。閉じることも出来ずに抑え込まれた真っ白な美脚。

 その間にしゃがみ込んだ男は表情を下劣に歪め、そのまま容赦なく貞淑に閉じられたクレバスの内側へ向けて、骨ばった指を容赦なく突き入れる。


「っあ゛……!ふ、ぁぐ、ぐ、ぅぅぅ…………っっ!!

 ぇ、あ、うそ、うそ、なんで、やだ……っ!あぁぁ、やめて、抜いて、ぬい、てぇっ!!」


 異性を受け入れたことどころか、自分の指の一本すら受け入れたことのない貞淑な場所。

 当然のように無毛であり、内側の媚肉を覗かせる隙間すら存在しないその場所に、どうしようもない異物感が残酷な形で突きつけられる。


 無垢な胸先を責め立てられて、僅かに潤みを帯びてしまった幼さを強く残す膣。

 その場所に挿入された骨ばった指は、そのままゆっくりとその存在を主張するように曲げ伸ばしされて、潤みだす柔肉に残酷な性感を染み込ませてしまう。


「んぅ、ぁ、ひ……っ!や、や、や、やだ……っぁあぁ!

 なんで、なに、これ、わかんないっ!!やめ――――ッッ!!ぁ、ぅ、んぁぁっ!!」


「おーおー、随分濡れやすいじゃねぇかよ。

 もうパンツに染みができ始めちまってるぜぇ、お嬢ちゃん!」


 そしてそのまま、くちゅ、くちゅ、くちゅ、と一定のペースで響かされる粘つく水音。

 鼓膜から染み入って精神に絡みついてくるような淫らな水音は、貞節なセリカの性根に当然の不快感を与えるけれど、それでも今の彼女に示せる抵抗は一つもない。


 小さな乳首をそそり立たされ、膣の浅い場所を掻き回されて潤ませられる。

 性に対する興味すらほとんど持っていないセリカにとって、男たちによって与えられる感覚も蛮行も、全てはあまりに理解不能な獣の振る舞いにしか感じられない。


「やだ、やだ……っ!だめ、だめ、だってばぁっっ!!

 うぁ、や……っ!やめて、これだめっ……!変、変なのっ!ぁ、や、いやだ……っ!」


 乳首からこみ上げてくる、名状しがたい"痒み"や"痺れ"とも違う奇妙な疼き。

 それが全身を不規則にビクビクと跳ねさせ、秘部に埋まった指の蠢きをより鮮明に伝えてくる。


 悔しくて辛くて苦しくて、それでも表情に表せるのは恐怖と羞恥だけだ。

 みだりに晒してはいけない場所を強制的に晒されて、自分のものとも思えない甲高い声を喉奥から絞り出されて、それでもセリカは強気な態度を崩されたまま、ただその身を打ち震えさせることしかできない。


「はははは!可愛い乳首も随分硬くなっちまったなぁ?

 イイ反応を返してくれて、俺たちもヤり甲斐があるってモンだよ!」


「ほれほれ、こういう風に乳首撫でられるのがイイんだろ?

 "耳付き"の娘は分かりやすいねぇ、イイところ弄るとすぐに耳がピクピクしやがる」


「んぁ、ぃ……ッ!!く、んぁ、ぁ、あぁぁっっ!!

 やめ、て……っ!それやだっ!や、だ、ぁぁぁ…………っっ、っ、っ!!」


 小さな乳首の根元から、触れるか触れないかの強さで先端までを撫で上げられる。

 痛みも苦しさもなく、だが故にこそ純度の高い"性感"を流し込まれる感覚は、セリカの細く華奢な身体を淫らな動きで幾度か跳ねさせ、猫のような耳をヒクヒクと震えさせてしまう。


 どうしようもない弱点を、どうしようもなく残酷な方法で責め立てられる。

 骨ばった指を咥えこんだ貞淑な秘部が、目覚めさせられた本能に屈服するようにきゅうきゅうと収縮して男の指を締め付け、セリカにとってこれ以上なく残酷な感覚を一層鮮明に意識させてしまう。


「っ、ぁ、いや、やだ、やだぁ……っ!!

 先、輩……っ!せんせ、せんせぇ……っ!助けて、助けてぇ……っ!」


 抵抗の身じろぎを示すことすら出来ず、助けを乞おうとも意味は無い。

 走る電車は砂漠に点在するまばらな駅舎に停車する以外には止まらず、内側の乗客は減りこそすれど増えることはなく、となれば必然的にセリカに差し伸べられる救いの手などは存在しない。


 けれど"救われる手段がない"と認めることも、今のセリカには認められない。

 認めてしまえば心が折れてしまう――――本能的にそれを理解しているからこそ、セリカは大きな目から大粒の涙をこぼしつつ、それでも必死に救いを求めてしまう。


「もうやだ、もうやだ、もうやだぁぁ……っ!!

 も、だめ、触ん、ないでぇ……っ!ぁ、ぁ、うぁ、助けて、せんせ、せんせぇ……っ!!」


 だがどれだけ泣いて救いを求めても、残酷な現実は何も変わらなかった。

 むしろセリカの弱々しい態度は男たちの嗜虐的な欲を煽り立て、彼女に向けられる獣欲の毒牙を一層深々と、そして一層残酷な方法で無垢な身体へと向けさせてしまう。


「っ、や……っ!やめて、だめ……ッッ!!

 ぁ、あぁぁ、やだ、やだ、だめ、やめ、てっっ動かさないでぇっ!!」


 ゆっくりと浅い場所を擦るだけだった膣内の指が、掻き回すように素早く蠢きだす。

 既に潤み切った膣から響く、くちゅくちゅくちゅくちゅという淫らに粘ついた水音。ずらされただけで脱がされてもいないショーツに愛液の染みが内側から散り、ゆっくりとそれらが広がっていく。


「っ、うぁ!!あぁあぁぁだめだめだめだめだめだめっっ!!

 や、や、だめっ!これや゛――――っっ!?ぁ、あ、ぁあぁだめっ!ぁ、や、やぁぁっ!!」


 膣の浅い場所を掻き回されながら、敏感な乳首を根元から摘まむようにくりくりと刺激される。

 目を剥き、歯を食いしばり、それでもこらえきれない喘ぎが喉奥から絞り出され、セリカは肚の底からこみ上げてくる異様な感覚に恐怖しながら、それでも与えられる感覚を受け止めるしかない。


「お、イきそうだなぁお嬢ちゃん?

 ほらほら、イイんだぜイっちまってもよ!キツいんだろ?なぁ?」


「んぁっ!や、や、や、だめっっ……!!

 っぐ、ひ、ぁ、やだ、イ、きたくない、っっ!!イかないっ!こ、んな――――んぁ、や゛ッッ!!」


 "イく"という言葉の意味は分からなくとも、セリカは男たちの言葉を受け入れようとはしなかった。

 だが彼女の意思がどれほど意地を張り通そうとも、無垢な身体はもう完全に男たちから与えられた快楽を受け入れるしかなくなっていて、彼女にとって"最悪”の反応を示してしまう。


 乳首を少し強く抓りあげられ、身の内で性感を炸裂させられる。

 その状態で膣の浅い場所を執拗に掻き回され、ぐちゅぐちゅと粘つく水音を響かされて――――そんな中でとうとう、セリカの身体がこれまでよりも大きく跳ねた。


「っ、き、ひぁ……ッッ!!

 や、や、だめ、だめ……っ!これだめ、も、っっ、う、ぁあぁ……っ!!」


 淫らに上ずった吐息が漏れ、ガクガクと無様に体が震える。

 そしてそんなセリカの身体にトドメを刺すように、乳首がきゅっと強く抓りあげた時――――セリカはとうとうのけ反るように体を跳ねさせつつ、喉奥から隠しようのない淫らな嬌声を迸らせた。


「っぎ、ひ――――んぅうぅぅぁあぁぁぅううぅぅぅっっっ!!!

 っぁ、あ、あ、あ、あ、だめ、やっ、やだ、止まっ――――ぁ、ぇ、んぅぅぅああ―~~―ッッ!!」


 何かに突き上げられるように、華奢な身体がビクビクと跳ねる。

 隠しようのない快楽の臨界は、女という性を宿す以上は抗えない生理的反応だ。セリカの表情は羞恥と屈辱によって紅潮し、その身体は炸裂した性感を発散するためにビクビクと震え続ける。


 じわりとショーツに広がっていく、薄い布地を濃く染める淫らな染み。

 強気なはずの目はどうしようもなく潤み、猫のような耳はピクピクと痙攣し、半開きになった口からは湿った吐息と微かな喘ぎばかりが漏れていくだけだ。


『次は、アビドス旧市街、アビドス旧市街――――』


 終電の車内――――セリカと男たちしかいない車内に虚ろに響くアナウンス。

 終点は未だ遠く、三人がかりで抑え込まれていては逃げることも出来ずに、セリカはまだ終わらない絶望を理解して潤んだ眼から涙を零し、薄い唇を戦慄かせる。


「ぁ、あぁぁ、先輩、せんせぇ、助けて…………!」


 助けを乞う言葉は掠れ、誰の耳にも届きはしない。

 電車が終点に至るまでのおよそ三十分。それは決して長い時間ではなくとも、黒見セリカと言う少女が悲劇に沈んでいくには、あまりにも十分すぎる時間だった。


≪了≫



お読みいただきありがとうございました!


次回は3月24日更新予定。

内容はまだ未定ですが、『FGO』からエレナさんの快楽拷問ものになるかなーと思ってます。

次回も楽しみにお待ちいただけると嬉しいです!

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