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 雷轟の音が響き渡る、稲妻城の天守閣。

 “御前試合”と呼ばれる、直訴であり処刑でもあった悪習—―――雷神が”永遠”という妄執に憑かれていた頃に行われていた習わしの舞台にて。


「っ…………!」


「無様だね、”雷電将軍”――――否、ここは業腹だが”お母さま”とでも呼ぼうか。

 放り捨てたはずの”息子”によって下される気分はどう?自分がいかに浅はかで傲慢だったか、少しは理解できたんじゃないかな?」


 稲妻幕府の重臣たちと、スカラマシュの部下であるファデュイの者たち。

 それぞれの視線が交錯するその中心では、彼らの主である者たちの激突が、今まさに終わりを迎えようとしている。


 稲妻の者たちは表情を絶望に染め、ファデュイの者たちは高揚に表情を染める。


 稲妻の支配者である雷電将軍が、ファデュイの執行官であるスカラマシュによって腹部を踏みつけにされ、地面に仰向けに転がっている。

 雷電将軍がどれだけその腕を伸ばしても、地面に転がった薙刀にはその指先すら届かず、身体から取り出す雷の刃も、スカラマシュに仕込まれた”機構”によって封じられた。


 雷電将軍が敗北し、スカラマシュが勝利を収めた。

 稲妻城の天守閣に存在する現状を示すのに、それ以上の言葉は存在しなかった。


「……何が目的なのですか、ファデュイ執行官第六位、”散兵”」


「つれないな。”我が息子”とでも呼べよ、雷電影。

 それとも認めたくないの?自分が人形に負けるほど弱くなったって事実をさ」


 美少年と呼ぶに相応しい顔立ちを嘲笑に歪めながら、スカラマシュは雷電将軍の華奢な腹をぐりぐりと力を込めて踏み躙る。

 “雷電将軍”の身体はスカラマシュと同様に人形だが、それでもその感覚は雷電影と繋がっていて、故に人形の口から零れる苦悶は、間違いなく”雷電影”のものでしかない。


「っ、ぐ……!」


「そもそもそんなに不思議かな?

 母に捨てられた息子が、時を経て成長してから母親を殺しに戻ってくるなんて、ありふれた三文芝居そのものだとは思わない?」


 悲劇の主人公を気取るような言葉とは裏腹に、スカラマシュには悲劇の主人公のような憂いも逡巡も何一つとして存在してはいなかった。

 スメールで曲がりなりにも”神”となり、草神と旅人を下して貶めた。その経験から成る全能感がスカラマシュを酔わせ、創造主である雷神を下したことで酔いはさらに深まっていく。


「……そうだ、折角だからもう少し楽しく遊ぼうじゃないか」


 言いながらスカラマシュは、部下の中でもとりわけ屈強な大男を呼び寄せた。

 恵まれた体躯と膂力、そして何より頭が悪い故に命令に対してひたすらに従順な男はスカラマシュには珍しくお気に入りの部下だ。

 だからこそ彼は下劣に表情を歪めながら、自らの前に跪いた男に向けて、極めていつも通りの調子で指示を飛ばす。


「この女を裸にひん剥いて、僕の目の前に拘束しろ」


 無体な指示に、居並ぶ稲妻幕府の重視たちの表情が引きつる。

 けれど大男はのっそりと頷いて、スカラマシュの眼下で踏み躙られる”女”の身を包む藤色の優雅な着物に躊躇なく手を掛けた。

 将軍の家臣たちがその蛮行を止めようと刀に手を掛け、ファデュイの者たちもそれぞれに武器を手に取って、場に一触即発の雰囲気が流れる。


「もちろん、抵抗なんてしたらどうなるかはわかるよね?

 お前が抵抗する度に、稲妻の民たちを――――お前に縁の深い者たちから順に殺していく」


 だがそんな一触即発の空気は、スカラマシュの一言で凍り付いてしまう。

 そして同時に雷電将軍—―――その内側で抵抗を試みようとしていた影の意識も、突きつけられた残酷さによってその抵抗を完全に止めてしまった。


「あぁ、それとも、縁深い娘を一人ずつ順にお前の前で犯していく方がいいかな?

 選ぶ権利は上げるよ。九条の天狗か?狐の宮司か?神里の姫か?あるいはようやく纏まってきた講和を反故にして、珊瑚宮の巫女でも差し出すかなぁ?」


 雷電将軍の表情が屈辱と絶望に歪み、段々と人間的な表情――――雷電影としての意識が明らかに表出してくるのが、スカラマシュには理解できた。

 藤色の着物が力任せに裂かれ、布が切り裂かれる無惨な音と共に人形の柔肌—―――人間そのものと形容すべき柔らかな肌が露わになっていく。


「っ……や、やめなさい……!」


「冷静ぶっても声が震えていたら意味ないよ、”お母さま”?

 既に”将軍”としての振る舞いも維持できなくなってるなんて、本当惨めになったね」


 帯諸共に真っ二つに引き裂かれた藤色の着物が、柔肌の上から取り除かれる。

 身体そのものは人形であっても、その”人形”は雷電影の身体をそのまま写し取っているに等しい――――つまり現状、影は裸身を鑑賞されているも同然だ。


 晒された真っ白な裸身。胸と秘部はレース地の黒い下着によって隠されていて、けれど白い肌と黒い薄布のコントラストは見るだに欲情を煽り立てる。

 だが、羞恥に頬を染めて自らを辱しめる男たちを睨みつけても、大男は仮面の下に表情を閉ざし、”息子”である筈の少年は下劣な嘲笑を深めるだけだった。


「構う事はない。下着も破り取って捨てろ。

 その後は拘束だ。その大きな体を使って、僕の目の前にこの女を吊り下げろ」


 無体な命令が薄い唇から吐き出され、大きな手がそれぞれに黒い薄布を掴んで、何の躊躇も興奮も見せぬままにビリビリとそれらを破り捨てる。

 張りつめた静寂の中に響き渡る無惨極まる音。しかしそれに見向きもせずに、大男は抵抗を封じられた雷電将軍の腕を一纏めに掴み、言われたとおりに吊り下げた。


「さぁ、稲妻の諸君。よく鑑賞させてもらうといい。

 君たちが尊敬する雷神サマの艶姿—―――目に焼き付けておいて損はない筈だろう?」


 両腕を一纏めに掴んで拘束され、ファデュイの男たちの下劣な視線と、家臣たちの動揺の視線が華奢な一身に突き刺さる。

 影は爪先が床に触れるか触れないかの場所で揺れる不安定な体勢で、悔し気に歯噛みしながら羞恥に全身を真っ赤に染めた。


「白く透き通る肌、大きく形の良い胸、薄桃色の乳首、それに無毛の秘所か。

 “淑女”なんかであれば、嫉妬に駆られてヒステリーでも起こしそうな身体だ」


 だがスカラマシュはそんな羞恥を理解したうえで、あえて全てを言葉として響かせることで、羞恥をより一層深めようとする。

 稲妻の統治者である雷電将軍の裸体—―――それは職責に反した華奢さと、美貌に違わない美しさでその場に居並ぶ者たちの視線を吸い寄せてしまう。


 敵と味方、侮蔑と忠節、期待と絶望。

 相反する立場や感情を抱いていたとしても、共通項に”男”という抗えないものが存在してしまう限り、天守閣に居並ぶ男たちは等しく獣じみた欲情を抱かされるしかない。


「よくも、このような辱めを……!」


「それは抵抗のつもりかな?

 さっき”抵抗したらどうなるか”は伝えたと思ったけど」


 全身に突き刺さり絡みつく、敵も味方も問わない獣じみた欲情の視線。

 それを意識の外に追い出そうとして、必死に保った気丈さで影が言葉を発すれば、それは最後まで言い切ることすら許されない。


 歯噛みをして睨む以外に、影に出来る抵抗は最早なかった。

 そしてそんな”母親”の抵抗を嘲笑うように、スカラマシュは指先に微弱な雷元素を纏わせつつ、ゆっくりと目の前の裸体へと手を伸ばしていく。


「折角だ、さらし者にする前に遊んであげるよ。

 無責任に僕を作り出して、無責任に僕を捨てた”母親”には、”母親”として味わうべき痛みと苦しみと辱しめを存分に味わってもらう」


「――――っ、んぅ……ッ!!」


 言いながらスカラマシュは、雷元素を纏わせた指をゆっくりと――――まずは真っ白な肌に刻まれた臍の付近へと触れさせた。

 雷元素を司る雷神の身体。それは微弱な雷元素を流し込まれる事による”苦痛”をシャットアウトし、けれどそれ以外の感覚はそのまま影に伝えてしまう。


「は、ぁ……っ!ふ、んぅぅ…………っ、ひ、ぃ……!」


 ゆっくりと臍の付近を滑らかな指が滑りつつ、触れねばわからないほどの微弱な振動を、華奢な腹の内側へと伝えていく。

 人形の身体には不要な筈の子宮—―――けれどそれは、”影の意識”と”現実の肉体”を寸分たがわずリンクさせるために作りこまれ、結果として振動による性感を避けようもなく影の意識にまで伝えてしまっていた。


「っく……!は、はぁぁ……!ぅ、んぁ……っ!ぁ、や、ぁぐ……っ!」


「あれ、どうしたのかなぁ?まさかもう息が上がってる?

 ”冷徹な将軍サマ”として振る舞ってきたくせに、随分と屈服が早いんだね?」


 悪辣に嘲りながら、スカラマシュは影の臍の内側に人差し指の先を滑り込ませて、微弱な振動を僅かだけ――――けれど確かに強めた。

 そしてそれだけで、影の身体はビクリと大きく震え、その表情が明らかに性感に歪む。


 “雷電将軍”としての意識を呼び覚まして、一心浄土に意識を退避させようとしても、微弱な雷元素で身体全体を震わせられていては瞑想すら不可能だ。

 それにそもそも、影が一心浄土に退避したとわかれば、その時点でスカラマシュが何をしでかすかなど考えるまでもない。


「ふ、ぁぎ……っ!は、ぁ、ぁぐ……ッ!

 な、にを……っ!する、つもりですか…………!?」


 臍を指先でほじるように刺激しながら、スカラマシュは微弱な振動を宿した指で、影の子宮をじわじわと震わせ続ける。

 薄桃色の乳首や、ピッタリと閉ざされた秘芯には触れる事もなく、ただ臍に指を突き入れてニヤニヤと嗤うスカラマシュの行動は、少なくとも彼以外には理解が及ばない。


 段々と失望が混ざりだす空気—―――見目麗しい美女の痴態が、けれど現状以上には辱しめられない事への敵味方を問わない獣欲に伴う失望感。

 けれどそんな失望に満ちていた空気は、数秒の後に一変する事になる。


「っ、ぁ、答えなさい……ッ!

 こんな、事をして、何に、なる、とぉッ!!??」


 何が起こったのかは、影にはまるでわからなかった。

 けれど唐突に与えられた”性感の果て”によって、影は紡いでいた筈の言葉を跳ねさせて、同時に全身をビクビクと痙攣させながら愛液の雫を太腿からつま先まで伝わせてしまう。


 黒い長足袋によって太股の半ばほどまで覆われた、細く長い美脚。

 それをつま先まで愛液の雫が伝っていく有様と、ビクビクと痙攣する美女の痴態は、あまねく男たちの内側に生唾を呑みこむほどの欲情を掻き立てた。


「さっきも言っただろ?それとも聞かないフリしてる?

 『”母親”として味わうべき痛みと苦しみと辱しめを存分に味わってもらう』って、言ったばかりだと思うんだけどなぁ?」


 言いながらスカラマシュは、影の臍に埋めたままの指先に更なる雷元素を流し込み、柔らかな肉の内側にある子宮を強制的に震わせてしまう。

 乳首やクリトリスのような性感帯とも違う、生殖機能と密接に関係するその器官。それを直接の責めに晒されて、影は悶絶しながら拘束の中で身を捩った。


「は、ぁ、んぅぅっ!ふぐ、ぅ、くぅぅ……っ!

 や、ぁ、放せ……っ!放しなさ――っっぁあぁっ!や……っ!ぁぐ、うぅぅっ!」


 だが大男の手による拘束は、その程度ではまるで揺らぎもしない。

 あるいは彼女が真に”雷電将軍”であったならば、民の犠牲をいとうことなく本気の抵抗をできたかもしれないが、”雷電影”に民たちを犠牲にするような決断は不可能だ。


 雷元素を流し込まれる苦痛は存在せず、けれど微細な振動は柔らかな肌や肉を伝って、間違いなく影の子宮を徹底的に震わせてしまう。

 ビクビクと感電するように跳ね、収縮しては何かから逃れるように全身に性感を送り出してしまうそれは、影の身体をまるで未知の感覚で浸していた。


「無様だね、雷電影。人形の身体もこうなっては形無しだ。

 あの愚かな異邦人に諭されて、莫迦のくせに表舞台に出ようとしたからこうなる」


 嘲笑と共に僅かに指先の雷元素を強めれば、ただそれだけで影の身体はビクリとのけ反るように跳ね、ひくひくと蠢く秘芯から淫らな液が噴出する。

 ピッタリと閉ざされていた割れ目は、子宮を震わせ疼かされる事でひくひくと呼吸のように蠢き、内側の薄桃色の媚肉をちらつかせてしまう。


「ぅ、ぁ……っ!!は、ぁ、やめ……ッッ!!

 ん、ぅぅうぅっ!!ぁ、あ、ぁあぁぁいやっ!!ぁ、あぁぁあぁっ!!」


 そして今度はそんな絶頂が抜けきるよりも早く、再び子宮が疼かされる。

 飛沫のように噴出する潮が床に落ちて水溜りを形成し、黒い長足袋に染み入りつつ、あるいは爪先までを伝い落ちて足元の水たまりを点々と揺さぶった。


 一心浄土に退避することも出来ず、影はただ身の内を揺さぶる疼きに嬲られ続ける。

 薄桃色の乳首は触れられていないにも拘らず、むくむくと芽が萌えるようにそそり立っていき、美しい白肌には玉のような汗が浮かんで見る者の目を吸いつける。


 明らかすぎる程の痴態は、それこそ春画めいてすらいる淫らな光景だ。

 それから目を離すことが出来る男など、それこそ”博士”のような偏執者か”富者”のような手馴れた下種さを宿す者しかいない。

 そう理解したうえで、それでもスカラマシュはあくまでも次の一手として、雷電影の尊厳を徹底的に貶めに掛かる。


「ほら、そんなに浸っていて大丈夫?ここが”御前”だって忘れてない?

 君を信じてついてきた愚かな臣下たちが、その姿を大勢で凝視しているんだよ?」


「ふ、ぅぁ、や……っ!だめ……っっあ゛ッ!!

 見ない、で……っ!ふ、ぅう、ぅうぅぅぅ、見ないで、ください……っ!」


 嘲りの言葉と共に、自分に向けられる視線を意識させられてしまう影。

 だが快楽と羞恥で潤んだ目を臣下たちに向けても、その弱々しい有様は一層臣下たちの欲情を煽り立て、向けられる視線を粘つかせてしまうだけだ。


 間断なく流し込まれる雷元素によって、影の子宮は徹底的に疼かされてしまった。

 ひくひくと断続的に打ち震え、内側から絶え間なく愛液と潮の雫を滴らせ、長い脚をピンと伸ばしては打ち震えさせて絶頂し続ける、稲妻を治める神たる美女の痴態。


「まったく、とんだ臣下たちだと思わない?

 主がこんなにも辱しめられているのに、誰も助けに出てこようとしないなんて」


 影の耳元に囁きかけながら、スカラマシュはゆっくりと臍の内側から指を引きぬき、疼かされ尽くした子宮をあくまでも疼いたままで放置する。

 どこか切なそうに漏らされた吐息を嘲笑だけで黙殺し、それからスカラマシュは雷元素を取り払った細い指の先端を、ひくひくと蠢く膣口へと触れさせた。


「それとも、君だけじゃなくて臣下のお歴々も期待しているのかなぁ?

 こんなにも浅ましく濡らして、こんな女が”雷神”を名乗っているだなんて悍ましいよ」


 ピッタリと閉じていながら、それでも時折ひくひくと蠢いてしまう秘芯。

 スカラマシュは指を僅かに蠢かすことで、その入り口の際の部分をすりすりと嬲りつけて、シンと静まり返っているからこそ聞こえる程度の水音を響かせる。


「ふ、ぁぐ……っ!は、ぁ、あぁぁ、やめ……っ!!」


 くちゅ、ちゅく、ぴちゅ。淫らな水音が微かに響く。

 そんな微かな水音を聞き逃さないようにするためか、僅かながらに響いていたどよめきや囁き声すらもが消えた天守閣に響くのは、淫らな音と淫らな声だけだ。


「んく……っ!は、ぁ、や、いやっ……!!

 やめなさ、い……!こ、んなの……っ、こんな、事をしても、何の意味も――」


「あははは!最初から意味なんて求めてないよ。

 むしろ意味が欲しいのはお前の方だろう?こんなに浅ましく濡れそぼらせて、そこに意味が無かったら耐えられなくなっているんだよねぇ?」


 くちゅ、くちゅ、くちゅ、と一定のリズムで指先を曲げ伸ばしされて膣口を嬲られるという、精々が愛撫程度にしかならない筈の責め。

 しかし流し込まれた雷元素によって子宮を震わせられ続けている状況では、その程度の責めすらもが耐えがたい絶頂を呼び起こしてしまう。


「ふ――――っっぁ、ぁああぁぁああぁぁっっ!!

 や、や、ぁぐ……っ!は、ぁぁ、ぁ、止まらな――――っ、ひぅ、ん、ぁあっ!あ゛ッッ!!」


 膣口をゆっくりと嬲られただけで絶頂してしまう、稲妻を治める雷神の姿。

 臣下たちの忠誠が絶望に塗り替えられ、その絶望が怒りと獣欲に塗り替えられていくその光景は、しかしスカラマシュの筋書き通りに運ぶ戯劇に過ぎない。


 雷元素を全身に薄く流し込まれている影の身体に、スカラマシュは指先から氷元素を流し込み、その身の感度を徹底的に高めさせている。

 いわゆる”超電導”反応に伴う、身体的な感度の上昇—―――常人であれば一呼吸だけで絶頂し、発狂しかねないほどの快楽の奔流の中で、影はむしろよく耐えていると言えた。


「はーっ、は、ぅうぅ、ッッッ!!!

 や、や、だめっ!今、ぁ、指……っ!は、ぁ、だめ、だめ、だめぇぇっ!!」


 だが影の身体を襲う”事実”は、その光景を見つめる観衆たちには伝わらない。

 観衆たちに伝わるのは、稲妻の支配者である筈の雷神—―――見目麗しい美女と成り果てた彼女が、膣口を嬲られて容易く絶頂し続けているという事だけだ。


 固唾を呑んで数多の視線が見据える中心で、影の膣の内側にとうとうスカラマシュの指が滑り込み、氷元素で冷えた指が水音を立てて柔らかな媚肉を掻き回す。

 くちゅくちゅくちゅくちゅと淫らな水音が木霊するように響いては、ほとんど切れ間なく愛液と潮の飛沫が影の爪先を伝って、床の水たまりを揺さぶってしまう。


「んぁっ!や、や、いや、だ……っ!放して、放して下さ――――ぅ、ひぁぅぅっ!

 あっ!あ、あ、あ、あぁぁっ!や、ぁ、だめ……っ!ぁ、あ、ぁ、あぁあぁ――――ッッ!!」


 二本の指が柔らかな膣肉を掻き回し、氷元素と雷元素を同時に膣肉に流し込んで、その感度を異常なほどにまで引き上げ続ける。

 歯を食い縛り、身をのけ反らせ、床につかない脚を必死に揺さぶって抵抗を試みても、膣肉はきゅうきゅうとスカラマシュの細い指を締めつけてしまう。


 既に影の表情は、将軍の威厳など消え失せる程に蕩け切っていた。

 目は潤み、口は半開きになり、高貴さを感じさせる長い黒髪は乱れて頬や額に張り付き、結われていた後ろ髪もいつの間にか解けている。


「ひゃ、ぅうぅっ!は、ぁ、やめ……っ!ぅ、ぁぐっ!!ぁあぁっ!

 も、だめ、だめ、です……っ!壊れ、る……っ!!子宮も、アソコ、もぉ……っ!」


「残念だけど、この程度で壊れるような”神”はいなかったさ。

 草神ですら三日は耐えたんだ。それよりも旧い神として、せめて一週間は耐えて見せてくれよ?ねぇ、”お母さま”?」


 侮蔑と嘲笑の念を言葉に込めつつ、スカラマシュは言葉の内容とは裏腹に、雷電影の意識を完全に破壊しかねないほどの行動に移った。

 指に伝わる雷元素と氷元素を強めつつ、更にもう一本の指を膣内に滑り込ませ、それに風元素の性質を纏わせる。


 膣と子宮に対して与えられていた性感—―――高められ続けた感度を、そのまま全身に”拡散”するというあまりにも外道極まる責め。

 女としての尊厳を完膚なきまでに枯らす行為を影は残酷にも悟ってしまい、彼女はただ何度も何度も首を横に振り続けるしかない。


「や、や、ぁ、いやだっ!いやです……っ!!

 やめて、ぁ、やめ、やっ!いやぁっ!ぁ、あ、ぁ、あぁっ!だめだめだめだめだめ……っ!」


 だがどれだけ拒否の言葉を並べようと、スカラマシュは侮蔑と嘲笑を崩さない。

 そしてそれどころか影の懇願は、責めの本質を理解していない観衆たちに”雷電将軍がファデュイの執行官に屈し、あまつさえ懇願まで始めた”という認識を強く印象付けてしまう。


 全てはスカラマシュの思い描いた戯劇の脚本通りに進んでいくだけだ。

 臣下たちからの忠誠を失っていく雷電将軍。脆弱な主に対する怒りを獣欲に転化させていく臣下たち。

 それはまさしく”零落”と呼ぶに相応しい”神の死”の形だった。


「ぁ、あ、ぁ、あぅっっ!?

 や、や、やだっ!いやだっ!やめ、て……っ!だめ――――ぁ、だめ、だめぇぇっっ!!」


 そしてそのまま、”零落”を決定づける瞬間が訪れる。

 スカラマシュの指先から、雷と氷と風の元素が膣肉に流し込まれたその瞬間に、華奢な身体は拘束の内側でこの上なく無様に跳ねる。


「あ゛…………ぁ、は、ぁぐっ!や、ぁ、あぁあああああぁぁぁぁぁっっっ!!!

 いやっ!ぁ、止まらな……ッッ!!ぅ、ぁ、やぅっ!ぁ、あ、ぁあああぁいやっ!いやだっ!ぁあぁ見ないで、見ないでぇぇええええええぇぇぇぇっっっっ!!!!!」


 この上ない無様な懇願と共に、のけ反りながら果てる雷電将軍の姿。

 三本の指を咥えこんだ膣からはアーチを描くように潮の飛沫が噴出し、吊り下げられた身体がガクガクと腰を起点に淫らに揺れ動く。


 表情は怜悧も勇壮もなく、ただただ淫靡に蕩け切っている。

 乳首はそそり立ち、全身は淫らに汗ばんで紅潮し、もはや”雷電将軍”は尊敬を集める怜悧な雷神ではなく、ただの”淫らな女”にまで成り果てていた。


「……さて、観客にはサービスをしなければならないよね?」


 だが当然のように、スカラマシュは無慈悲な責めを終える事はない。

 影の膣から指を引き抜き、指を濡らす愛液と潮を影が唯一纏っている黒い長足袋で拭いながら、彼はニタリと嗤った。

 どよめくファデュイの男たちと、将軍に仕えていた家臣たち。全てを察した影だけが淫らに染まった表情を引きつらせる中、スカラマシュはただ予想通りの言葉を告げる。


「その女を放してやれ――――観客たちの目の前に投げ捨てる形でな。

 次は僕が見物する側だ。”雷電将軍”がどのように堕ちていくのか、楽しみに見せてもらおうじゃないか」


 言葉に影は息を詰まらせ、それでもその先に言葉は続かなかった。

 影の事を吊り下げ続けた男は、それでも疲れの色を見せることなく、ただ命令されたとおりに華奢な身体を居並ぶ男たちの面前へと投げ捨てる。


「ぅあ……っ!――――ぁ、あ、ぁ、あぁぁ、やめ――――っっ!!」


 うつ伏せに床に転がり、それでも起き上がることすら出来ない影。

 性感に屈服した哀れな女――――そんな彼女を、かつては味方だった筈の男たちも含めた獣欲の奔流がいとも容易く呑みこんでいく。


「ふぁっ!や、いやっ!いやですっ!やめて!やめなさいっっ!!

 ぁ、あぐっ!んんぅぅっ!んぐっ!ふ、ぅぁっ!あ、いやっ!いやぁぁあぁっっ!!」


 群衆に呑み込まれた、雷神だった女の成れの果て。

 響き続ける嬌声が、どのように歪み果ててどのように壊れ果てていくのか。


 その結末が明らかになるのは、決して遠い先の話ではなかった。


≪了≫



お読みいただきありがとうございました!


次回は『ポケモン』より。

「プラズマ団のプロモーションへの協力を拒否したカミツレさんが酷い事される話」を予定しています。

快楽強めですが電流責めを想定。以前に書いた『雷蛍術士×リサ』みたいな感じかも。


よろしければ楽しみにお待ちいただけると嬉しいです!

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