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『裸祭り獣人立ちション盗撮』    一月某日、尾先獣人裸祭り。  一年の五穀豊穣と豊作祈願、大量祈願を占うという目的の元に、褌一丁の獣男衆が大神輿を担いで町中を練り歩く祭りだ。  尾先に住む十歳以上の獣人男性は、種族問わず参加が義務付けられている。子供から壮年まで、様々な種族の獣人達の裸が眺められるイベントとして、一部の界隈では毎年大盛り上がりだった。  毎年この時期になると、ソッチ系の動画サイトに大量の隠し撮り動画が上がる。  一例を挙げれば、男衆の屋外着替え動画だとか、神輿を担ぐ男衆のケツを追い続ける動画とか、緩んだ褌の隙間からチンポがぽろんと零れ落ちる瞬間を捉えた写真とか、様々だ。威勢よく神輿を担ぐ獣人達の預かり知らぬところで、その雄姿はオカズとして使われ続けている。  勿論、動画があるからには、当然その撮影者もいる訳だ。動画で満足するだけでは飽き足らず、実際に現地に足を運んで、肉眼で獣人達の肉体を拝もうと考える筋金入りの変態達。    まあ、つまるところ、俺のことなのだが。     ◆    薄曇りの空からはちらちらと雪が舞い、吐く息は白く染まっている。剥き出しの鼻先や、ハンディカメラを構える指先がかじかんで痛い。  耳を澄ませば、少し離れたところから威勢の良い掛け声や、甲高い祭囃子が聞えてくる。神輿を担いだ獣人達が、段々とこっちに近づいてきているようだった。  今現在俺が陣取っているのは、神輿の休憩場所になっている公民館の裏手、鬱蒼と生い茂った雑木林の奥だ。  もちろんこんなところに陣取っていたって神輿は通らないし、褌一丁の男衆は通り掛からない。一見、全くもって的外れな場所にいるようだが、むしろこここそが数年掛けて見出した、撮影のためのベストポジションなのだ。  カメラの動作を確認しているうちに、神輿が公民館の広場に入ったのかざわめきが大きくなった。神輿を担ぐ男衆だけでなく、それを補佐する地元の女性や見物客なども居るからか、静まり返っていた公民館の裏手まで大勢の人の声が聞えてくる。  神輿は非常に重く、いくら獣人の男衆といえど適度に休憩を挟まなければバテてしまう。神輿が練り歩くコースに合わせて何か所かの休憩地点が用意されており、公民館はその最初の一つだった。裸男達には冷え切った身体を温める為の甘酒やお神酒が与えられ、更に腹を満たすための汁物などが見物客達に振舞われる。暖かい飲み物で体を温めて、長く続く祭りを乗り切ろうとするのだ。  神輿を下ろした獣人達の行動パターンは大体三つに分類される。冷え切った身体を温めるために焚火に当たろうとする獣人が大半で、次に甘酒やお神酒を貰いに行こうとする連中、最後が結構多いのだが、設けられた仮設トイレに並ぼうとする獣人だ。  神輿の担ぎ始めからおおよそ四十分、真冬の肌寒さに晒され続けたせいで、尿意を催す獣人達は結構多い。一つの休憩所に二、三基ぐらいしか設置されていない仮設トイレには、かなりの行列が出来あがっている。仮設トイレは男女共用なので、女性や見物客が並ぶことがしばしばあるというのも、行列に拍車をかけている原因だ。  ここまで語れば、今俺が公民館の裏手という人目に付きにくい場所に陣取っている理由も何となく察せられるだろう。行列に並んでいられるほど膀胱に余裕のない獣人達や、そもそも並ぶのが面倒と考える獣人達が小便をしに来るのがこの場所なのだ。撮られていることも気付かず、無防備に立ちションしてる獣人達を撮影するのが、俺の目論見であり趣味だった。  砂利を踏む足音がして、息を凝らす。どうやら早速一人やってきたようだ。俺はカメラをズームさせ、その姿を捉えた。  現れたのは狼獣人の青年だった。背が高く、いかにもスポーツマンっぽい筋肉質だ。厚みのある灰毛を纏った肉体に真っ赤な六尺褌が締められ、中々に漢らしい雰囲気を醸し出していた。褌に包まれた股間は中々にふっくらしており、逸品を持っていることを予期させる。  青年は軽く周囲を見渡すと、手早く褌の前袋からチンポを出した。長さ、太さ共に中の中、と言ったところだろうか。包皮は剥けており、亀頭はほどほどに赤黒い。ルックスは申し分ないが、チンポの方は良くも悪くも普通としか言いようがない。  褌を手繰る所作に焦りはなく、漏らす寸前というよりはトイレに並ぶのが面倒だったからという理由で用を足しに来たように見える。どちらかといえば切羽詰まってたり恥ずかしそうにしている表情の方が好ましいのだが、青年は極めて無表情だ。  青年はチンポに片手を添え、砲身を草藪へと向けた。ふう、と小さく息を吐くや否や、鈴口から黄金色の液体が迸る。小便は綺麗な放物線を描いて草藪の中に突き刺さり、もうもうと湯気を立てる。びちゃびちゃ、という大きな水音が、継続的に雑木林に響き渡った。    放尿は二十秒程度続き、その間青年はしきりに周囲を見渡していた。小便しているところを他人に見られたくないのだろう。いかにもノンケっぽく恥じらってみせるのは、中々にそそるものがある。  見られたくない、という彼の願いは残念なことに叶わない。俺の視線やハンディカメラが一部始終をくっきりと目の当たりにしているからだ。もっとも、狼の青年には気づきようもないことだが。  小便が終わり、チンポの先をぷるぷると何度か振って雫を飛ばしてから、青年は褌の中にチンポをしまった。膀胱の中の物を出し切ってすっきりしたのか、先ほどよりも軽い足取りで去っていく。    狼の青年と入れ違いになる形で、今度は二人の兎獣人がやってくる。どうやら兄弟らしく、顔立ちも毛並みの白色もそっくりだ。兄の方はすらりとした大人の体つきで、紺色の六尺褌がばっちりと決まっている。種族柄比べるのはかわいそうな気もするが、先ほどの狼獣人に比べれば褌の膨らみは大分小ぢんまりとしている。  兄に対し、弟の方は若干ずんぐりとした子供体形だ。同じく紺色の褌を締めているが、兄と違って黒猫褌を締めている。黒猫褌は竿と玉の宛てがわれるところにしか布地がなく、股間の膨らみが強調されて分かりやすい。とはいえ、いかにも子供らしく、その膨らみは微々たるものなのだが。  尾先獣人裸祭りは、年齢によって締める褌の形状が異なっている。どんな種族でも、十歳から十五歳までは黒猫褌、十六歳から二十代後半までは六尺褌、それ以降は越中褌を締めることが定められている。理由は良く分からないが、ともかく締めている褌の形で年齢が判別しやすいというのは、中々にありがたい話だった。 「ほら、兄ちゃんがついててやるから。さっさとおしっこしちゃえって」 「う、うん……」  外で用を足すのが気恥ずかしいのか、草藪の前でもじもじしたまま立ち竦む弟の兎少年。外でするのが恥ずかしいのにトイレを選ばなかったあたり、恐らく相当な量を我慢しているのだろう。 「でも、恥ずかしいよ……」 「大丈夫だって。ほら、兄ちゃんもいっしょにしてやるから」 「うん……」  兄の兎青年は弟の隣に並んで立つと、自らの褌をずらし、チンポを露出させる。体毛と同じ色の包皮に包まれたソレは、寒さで縮こまっているのか、若干小ぶりなサイズだった。  親指と人差し指で包皮を剥けば、中に包まれていた桃色の亀頭が露になる。一人遊びの味を覚えた頃合いか、竿は微妙に淫水焼けしていた。身体は大分成熟しているようだが、雄の象徴の発育はまだまだ途中という感じだろう。  兄が小便の態勢に入ったのを見て、弟もそれに倣って黒猫褌の前袋をずらし、かわいらしいおちんちんを露にする。こちらもまた寒さで縮こまっているのか、すっぽりと皮の被ったそれは親指ぐらいの大きさしかない。  ほぼ同時に、二人のおちんちんの先端がひくんと震える。次の瞬間ふたつの鈴口の先からちょろちょろと透明な液体が流れ出し、ゆっくりと放物線を描いて草藪に突き刺さっていく。      ――ちょぼぼぼぼぼぼぼ……      大小二つのチンポの先から放たれる勢いのよい水流が、草藪をじっとりと濡らしていく。もわもわと湯気が立ち上り、風下のこちら側にまで小便のツンとした匂いが漂ってくるほどだ。  兎の兄弟はじっと黙ったまま、口を呆けたようにぽかんと開けている。二人とも、溜め込んだものが放水されていく快感と、屋外放尿特有の強烈な開放感に浸っているようだった。よほど気持ちよかったのか、弟の短い兎耳がぴこぴこと揺れている。  草藪が水を吸い切れなくなり、地面に透明な水溜りが広がっていく。そこに突き刺さるおしっこがじょぼじょぼと派手な音を立て始める。二人分のおしっこというのもあるだろうが、放水の勢いを見るに二人とも相当に我慢していたらしい。  二十秒ぐらい放尿が続き、先に出し終わったのは兄の方だった。ぴっぴっとチンポを振り、小便を出し切ってご満悦のチンポを六尺褌の中に仕舞いこむ。 「兄ちゃん、まって」 「別に置いてかないって。終わるまで待っててやるよ」  どうやら弟の方が溜め込んでいたらしい。しばらくして、ようやく弟の方の小便が止まる。 「ちゃんとおしっこ飛ばさないとな。褌にシミが出来ると恥ずかしいぞ」 「わかってるもん」  兄に言われ、弟は躍起になっておちんちんをぷるぷる揺らす。まだオナニーなんてしたこともないのだろう、未成熟でいかにも柔らかそうな、弾力のあるおちんちんが震えている。 「しっかり収めとけよ。でないとクラスの女の子にチンコ見られちゃうぞ」 「昔の兄ちゃんみたいに?」 「う……なんで覚えてるんだよ……」  弟が褌の中におちんちんをしまいこむと、兄は弟の前にしゃがみ込んで弟の褌の前袋を整えた。黒猫褌は生地が少なく際どいので、神輿を担いでいる途中に緩んでおちんちんが丸見えになってしまうことが度々ある。会話の内容から察するに、兄のほうは一度やらかしたことがあるらしい。ぜひともその瞬間を拝みたかったところだ。 「よし、これで大丈夫だ。そろそろ休憩も終わるし、神輿のほうに戻るぞ」 「うん」  溜まっていた尿意を晴らし、すっきりとした面持ちで兎の兄弟は去っていく。  どうやら一度目の休憩がそろそろ終わるらしい。集合を呼びかける声が公民館を挟んだ向こう側から聞こえてくる。  あまり大した収穫はなかったが、まだ最初の休憩が終わっただけだ。次の休憩は三十分後、休憩中に飲んだ甘酒やらお神酒やらが降りてきて、今より多くの獣人達が催し始めるだろう。その時がチャンスだ。  俺は勘づかれないように雑木林を抜け出て、次の休憩所付近へと先回りすることにした。      ◆      近所に止めておいた車を走らせ、次の休憩所へと辿り着く。  次の休憩所は、住宅街の只中にある広い空き地だ。足元は雑草交じりの砂利で、既に休憩用のテントやイスが並んでいる。  道路沿いから見て奥側と右手側は民家が隣接しており、くすんだ灰色のブロック塀が間を仕切るようにそびえ立っている。左手側は背の低い金網フェンスがあり、フェンスを挟んだ反対側は数台の廃車が無造作に並べられた廃車置き場になっている。  廃車に紛れ込ませ、自分の車を廃車置き場へと並べる。フェンスを挟んだ向こう側に、ちょうど道路側から見て奥側のブロック塀が並ぶぐらいの位置がベストだろう。うまいこと潜り込めたら、後はじっとその時を待つのみだ。  またしばらくして、大神輿を担いだ様々な種族の獣人達が空き地へと差し掛かる。真冬だというのに獣人達の毛並みは汗でしっとりと濡れており、ぺったりと張り付いた毛が雄の肉体の起伏をくっきりと浮かび上がらせていて、なかなかにエロい。歩くたびに褌の布地に包まれている股間がぶるんと揺れて、布の奥に押し込められているずっしりとしたチンポの存在感を浮かび上がらせている。  自治会長の竜人の音頭取りで神輿が下ろされ、休憩タイムが始まる。先程と同じように担ぎ手たちには熱い神酒が大量に振舞われ、寒さに耐えるために担ぎ手たちはがぶがぶと何杯も飲み干すだろう。  神輿を下ろすや否や、一人の牛獣人が奥側のブロック塀の方へと走ってきた。  黒色の毛並みの牛獣人だ。体格はかなり筋肉質で、分厚い胸板と引き締まった腹筋、筋骨隆々で太ましい四肢が目立つ。しかしそれ以上に目を引くのは、彼が唯一身に着けている褌だ。大人びた風体だが、身に着けているのは純白の黒猫褌だった。ということはつまり、この牛獣人は十五歳以下らしい。とてもそうは見えないが。  牛獣人は発育が早い、という話は聞いたことがあるが、どうやらマジらしい。大人顔負けの肉体に並んで、アソコの方も大人顔負けだった。布地の小さな黒猫褌では覆い隠すのも一苦労という感じで、褌の上からでもくっきりとチンポの形が浮かび上がっている。  こんもりとした股間の膨らみをよくよく眺めてみれば、微妙に玉袋がはみ出ている。巨根の弊害か、やはり黒猫褌の小ささではチンポを収めきれなかったようだ。周囲の大人も六尺褌を宛がってやればいいのに、と思いつつ、個人的には今の方がエロいのでありがたい。  牛獣人の少年はブロック塀の前に立つと、しきりに背後の様子を気にしながら褌の前袋に指を掛けた。褌ははちきれんばかりに膨張していて、ずらすのも一苦労のようだ。我慢の限界が近いのか、少年は焦った様子で無理やり褌をずらそうとするが、どうにも上手く行かないようだ。  牛獣人の少年は結局ずらすことを諦め、腰紐を解いて褌を緩めることにしたらしい。布地を指で持ち上げ、もう片方の指で褌の中のチンポを引っ張り出す。露になったチンポは案の定、とんでもない質量兵器だった。  チンポは毛皮と同じ黒色で、手で持て余すほどの巨根だ。ずっしりと佇む肉棒の全体をすっぽりと包皮が包み込んでいて、先端から僅かに薄桃色の亀頭が覗いている。がっちりとした体形と弩級の巨根の持ち主だが、唯一チンポの色だけはまだまだ子供のようだ。  竿の太さもさることながら、竿にぶら下がるキンタマもまたデカい。身体を揺らすたびにたぷんと揺れるそれは、人の握り拳大の巨玉だ。褌の中に納まらなかったのも納得の代物である。褌という戒めから解き放たれ、しっかりとしわの刻まれたキンタマは心なしか開放感に満ち溢れている。  牛獣人の少年は極太チンポの皮を剥き、チンポを両手で支えながら体を弛緩させた。その次の瞬間、薄桃色の亀頭の先から小便が溢れ出して、目の前のコンクリート塀の下の方をびっちょりと黒く濡らしていった。 ――じょろろろろろろろろろ……  チンポの先から噴出する黄金色の小便の勢いは非常に強く、コンクリート塀に当たってびちゃびちゃと激しい水音を立てる。水流の勢いも強ければ、撥ねっ返りの飛沫も強い。塀を伝って砂利の地面に流れ出た小便が勢いよく広がっていき、少年は水溜りを避けようと足を開いた。  先ほどの兎の兄弟も中々の量だったが、牛獣人の少年の方が間違いなく多い。放尿はもうかれこれ三十秒ほど続いているが、未だに勢いは強まっていくばかりだ。  神輿を下ろすや否や走ってきたことから、よっぽど小便がしたくてたまらなかったのだろう。限界ぎりぎりまで我慢してなければ、この勢いは出せない筈だ。現に牛獣人の顔はうっとりとしており、快感からくる熱い溜息を吐いていた。細長い尻尾がぴこぴこと揺れ、間に合った安堵と放尿の快感とを、全身でふんだんに味わっているように見える。  神輿を下ろすや否や空き地の片隅に走っていく巨漢の牛獣人となれば、当然目立つし人目も引く。塀の前に立って豪快に小便を始めた牛獣人の尻にいくらかの暖かい視線が刺さっていたが、本人はまだ気付いていないようだった。  牛獣人の少年に触発されたか、若い狐獣人と犬獣人が塀の方に歩いてきて、塀に向けて小便をし始めた。どうやら牛獣人の知り合いらしく、放尿しながら楽し気に談笑している。褌が牛獣人と同じ黒猫褌だから、同級生とかだろうか。  獣人達の三者三様なチンポが、勢いよく黄金色の水流を発射しながらぷるぷると揺れていた。三本の水流がコンクリートの塀にぶち当たり、地面に伝って温い水溜りが広がっていく。  後にやってきた二人のチンポと比較すると、牛獣人のそれは一回りも二回りも長くて太い。他の二人も種族と年齢とを加味すれば平均的な大きさのモノだろうが、牛獣人の巨砲のサイズがエグすぎて若干霞んでしまっている。  おおよそ一分ほどの放出を経て、牛獣人の放尿はようやく終わった。皮をすぼめて小便の雫を切り、ぶるんぶるんと竿を豪快に揺らして雫を払う。長く太いモノが脈動するさまは、どことなく威圧感さえ覚えるものだ。あれでまだ子供だというなら、将来は一体どうなってしまうのだろう。  そんなどうでもいい懸念を浮かべる俺とは対照的に、膀胱の中のものを出し切った牛獣人達は満足げな顔を浮かべ、チンポを褌の中に仕舞いつつ神輿の方へと戻っていく。中々に眼福だった。  そんな牛獣人の少年たちとすれ違うように、茶毛の熊獣人が塀の方へとやってくる。背丈は牛獣人の少年よりやや低いぐらいで、体つきは筋肉質とは遠く、でっぷりと脂の乗った腹周りが目立つ。全身くまなく弛んでいて、いわゆる肥満体という奴だ。腰に巻かれた白い越中褌の横廻しの上に、むっちりとした腹肉が乗っかっている。  顔つきと体つきからして、三十代後半から四十代手前といったところだろうか。砂利を歩む度にたぷんたぷんと腹が揺れ、太腿のぜい肉がぶるぶると震える。中々にそそる、悪くない肉付きだ。  熊獣人はしきりに背後を気にしながら、小便をする場所を選り好みするかのように塀の近くを歩き回る。いくらいい場所を探しても、遮るものがない以上他の担ぎ手や見物客、ついでに俺からも丸見えになるのは不可避なのだが。  結局諦めたのか、熊獣人は空き地の隅に立った。コンクリート塀と金網フェンスが丁度交わる場所だ。金網フェンスに寄ってくれればくれるほど、より間近で小便を拝むことが出来るので寧ろありがたい。  やはり二、三度後方を気にしてから、熊獣人はゆっくりと前垂れを捲り、前袋の中に手を突っ込んでチンポを引っ張り出した。  そのサイズは、効果音で例えるならぽろんとかちょろんとか、そんな感じの軽い音が似合うだろう。つまり、かなりの短小チンポだった。加えて、分厚い包皮が先端まですっぽりと被った包茎でもある。ぶら下がる陰嚢がやたらデカいだけに、いっそう粗チンが際立っていた。  なるほど、道理でしきりに周囲や背後を気にしていた訳だ。おそらく、サイズの小ささが相当なコンプレックスなのだろう。なるべく他人に見られることは避けたいが、しかしこの空き地にトイレはない。他人に見られてしまう可能性と次の休憩所まで漏らさずにたどり着ける可能性を天秤に掛け、やむを得ず立ちションを選んだのだろう。  両手の指で挟み込むようにして短いチンポを持ち、粗チンの熊獣人はチンポの先端から細い水流を放った。包皮を剥かずに小便を出したせいで、皮の先端に引っかかった水流は二又に分かれている。周囲に気を張っているからか、水流はちょろちょろとか弱く、足元の砂利を濡らしていく。  しかし、それもつかの間のことだった。やはり膀胱に相当な量の小便をため込んでいたようで、水流の勢いはだんだん強くなっていく。ほぼ真下に放たれていた小便の流れが、勢いを増すことで綺麗な放物線を描き始める。  殆ど水に近い透明な小便が十数秒ほど放たれ続け、やがて止む。小便がひっかかった金網からぽたぽたと雫が垂れていた。  熊獣人は小便を出し切って縮こまったチンポをぷるぷると震わせ、褌の中にしまう。残尿がじわりと前袋に染みて、白い褌に小さなシミが広がっていた。  休憩が終わるまでに、牛獣人達や熊獣人の他にも何人かの獣人達がやってきた。ある人は恥じらいながら、ある人は人目など一切気にせず豪快に、またある人は小便しているところを周囲に揶揄われて赤面したりなど、小便中の反応は様々だ。  その一部始終をしっかりとカメラに収めた後、休憩が終わって空き地から神輿と担ぎ手とが去っていくのを見送る。これで動画分の取れ高はばっちりだろう。いい感じにトリミングしてソッチ系の有料動画サイトに上げてやれば、多少の小遣い稼ぎになる。  だが、本当のことを言えば祭りの本番はここからだ。最後の休憩所で見られる光景こそが一番ヌける。だからこそ、俺はあえて誰にもその光景を共有しようと思わない。良いものは一人で独占したい性分なのだ。      ◆      最後の休憩所として提供されるのは、街の一角にある大きな市民公園の駐車場だ。  市民公園は一面に草原が広がり、いたるところに植え込みやら雑木林やらが点在している。規模の大きなアスレチックやテニスコート、市の資料館などといった施設もあり、春には花見の客でごった返すという話だ。  今日、ここには様々な屋台やらなんやらも並び、ちょっとした縁日のような光景が繰り広げられる。神輿は夕方ぐらいまでこの場所にとどまった後、最後に神社に戻って奉納され、祭りは終了となる。  降る雪がだんだんと強くなりはじめ、褌一丁の担ぎ手たちは更なる寒さに苛まれているだろう。おまけに先ほど飲んだ神酒が膀胱に降りてきて、尿意の切迫感は次第に強くなっていくに違いない。  しかも、市民公園の休憩所に辿り着くまでの道のりは極めて長く、毎年おおよそ一時間程度は神輿を担ぎ続けることになる。  神輿を担ぐルート上に公衆トイレやコンビニは存在しないので、催した担ぎ手達は次の休憩所まで必死に我慢を続けるか、或いは見物客や他の担ぎ手の視線がある中、道端で立小便に興じるしかないのだ。  子供たちは立小便しても許される風潮だが、大人はそうもいかない。堪え切れずに道端でじょろじょろと垂れ流せば、白い目で見られるか思い切り笑われるかの恥ずかしい末路を辿ることになる。  という訳で、次の休憩所ではお漏らし寸前まで追い詰められた大人たちが大量に発生する。大人としてのプライドを保つ為か表面上は平静を保っているが、破裂寸前まで小便の溜め込まれた膀胱のせいで身動きはぎこちなく、傍目で見ればあからさまに挙動不審だ。数年間通い詰めた結果、遠目からでも我慢している人物のことを見分けられるようになってしまった。  神輿が入ってくるのは市民公園の正門側の駐車場だが、ここはあえて裏門から入り、裏門側の駐車場に車を止めるのがキモだ。こちらには屋台もなく、神輿も来ないので人気も殆どない。人目につかないので、幾らでも『前準備』が出来る。  かなりの面積を誇る市民公園には、公共のトイレが四か所も存在している。正門側の駐車場近くに一つ、テニスコート付近に一つ、アスレチック近辺に一つときて、裏門近くの駐車場の隅に一か所だ。このうち、駐車場近くにあるものは当然のごとく激混みになり、常に長蛇の列が出来ている。アスレチックとテニスコート付近にあるものは、建物の規模が非常に小さいのでやはり混雑する。しかし、裏門近くにあるトイレだけは、そもそも存在を認知している人が少ないこともあり、比較的スムーズに用を足せる。いわゆる、穴場スポットという奴だ。  裏門近くのトイレの難点は、神輿の入る正門からの距離が若干遠いことだ。しかしそれを差し引いても、行列に並ぶよりはマシだと考える人物が度々やってくる。そこを狙うのが、今年の俺の作戦だった。  予めプリントアウトしておいた『立ち入り禁止』の張り紙を出し、トイレの扉に張り付けておく。ついでに鍵穴を粘着テープで塞いでおけば、もう準備はばっちりだ。  この張り紙とノブに張られた粘着テープとで、いかにもトイレが故障した雰囲気を出しておく。それによって、裸男達はトイレを使うのに抵抗が生まれるだろう。空いているトイレを求めてわざわざ遠い距離を歩いてきたのに、結局逆戻りして行列に並ばなければいけないという悲劇が発生する訳だ。  ここまで歩いてきたことで、さぞ尿意は刺激されたことだろう。ただでさえ長い行軍で身体も冷え切り、切羽詰まっているというのに、トイレを目前にしてお預けを食らってしまう。その時の獣人達の心境を考えるだけで正直興奮する。  トイレも使えず、しかも戻って行列に並ぶだけの余裕もない彼ら。限界寸前のその欲求を満たしてくれるのは、トイレの近くにある低い生け垣しかない。彼らがとれる行動はもう一つしかなく、そしてその一部始終は駐車場側からは丸見えなのだった。      準備を終えて車内で待っていると、遊歩道の遠くから神妙な面持ちの褌男が歩いてくる。中々に珍しい、緑色の鱗の蜥蜴人だ。身体はかなり細身で、顔立ちは比較的若いように見える。身に着けているのは赤い六尺褌で、二十代前半と言ったところだろうか。  カメラを回し、ズームする。  露骨に股間を抑えたりはしていないが、歩き方は妙に覚束ない。歩幅は小さく、姿勢は微妙に前かがみで、歩いているのに嫌に息が荒い。どう考えても役満、彼のすらっとした下腹部には大量の温い液体が溜め込まれているに違いない。  蜥蜴の青年はトイレの前まで歩いてくると、張られている張り紙を見て露骨に落胆する。ここまで必死に耐え続けてきたのに、やっとたどり着いたトイレはまさかの使用不可。その心中は察するに余りあるというものだ。  青年はすぐ傍にある低い生け垣をちらりと見て、目を逸らす。両足を大きく上げて足踏みを繰り返しながら、どうやら何かを葛藤しているらしかった。  それが、生け垣に用を足すことが公衆道徳の面において違反している為なのか、それとも駐車場や遊歩道側から丸見えになってしまうことを恐れてかは分からない。  しかし、彼に残された道は野外放尿するかこの場で漏らすかの二択なのだから、どの道公衆道徳に違反する行為だし、結局恥をかく以外にはないのだが。  長いようで短い葛藤を経て、蜥蜴人はその場から駆け出した。その足は近くの茂みに向かうと思いきや、何を思ったかトイレの裏手へと回っていった。  なるほど、トイレの裏手に隠れて済ますつもりか。確かに裏手に回ってしまえば、トイレが遮りになって、遊歩道側からは一部始終が見えなくなる。だが、残念ながらそれでも駐車場側からは丸見えだった。  まさか駐車場方面から覗かれているとは思わなかったのだろう。トイレの裏手に回った蜥蜴の青年は駐車場側を向き、その場にしゃがみ込んだ。  片方の手で前袋をずらし、青年は股間を露出させる。爬虫類系の例に漏れず、股間には一本のスリットが走っている。  もう片手の指を二本操り、スリットを開く。青年が下腹部にぐっと力を込めた瞬間、割れ目の内側の薄桃色の肉がひくりと震えたかと思えば、すぐに内側から透明な温水の束が迸った。  ――じゅわあああああああああっ!    車の中にまで届くほどの、豪快で激しい水音。  トイレの裏手のコンクリートの地面に、まるで滝のような勢いで激烈な水流が叩き付けられ、しゃがみ込んだ蜥蜴の青年の足元にはもうもうと湯気を立てる温水溜りが広がっていく。  スリットはなおもびくびくと脈を打ち、体の内側から外へと、小便を勢いよく放出していく。さながら巨大なダムの放流を思わせる、圧巻の光景だ。その細い体の一体どこにこれ程の量の小便をため込んでいたのだろうかと、純粋な疑問さえ浮かんでくる。  小便の間際まで表情を崩さなかった蜥蜴の青年だが、今では強烈な放尿の快感に浸っているのか顔面は緩み切っていた。響く水音や屋外で醜態を晒しているという事実などまるで気にも留めない様子で、内側にたまりにたまった欲求を解放し、身を包む快感に浸っているようだった。  驚くことに、放尿は一分以上に渡った。当然量もとんでもなく、トイレの裏手には小さな池と見間違うほどの広い水溜りが出来あがっていた。残念なことに放尿の途中に誰かが近づいてきて大ピンチ……とはならなかったが、誰かに覗かれていることなど想像もしていなかっただろう、放尿の快感に一心に浸るその顔は大層可愛らしいものだ。  スリットの内側の肉を何度か広げ、すぼめて、蜥蜴の青年は尿の一滴も残らず外部へと絞り出した。ようやく満足いったように深い溜息を吐くと、立ち上がって褌を直す。すっきりした、と言いたげな表情だ。  しかし、その爽やかな顔はすぐに曇る。尿意を堪えている時や小便を放っている時は無我夢中で気付かなかったようだが、己の仕出かしたことの跡が中々に激しく残っている。地面には水溜り、トイレのコンクリート壁面には跳ねた尿の飛沫が散乱し、黒い点々の染みがそこかしこに付着していた。トイレの裏手に誰かが回れば、そこで小便をぶちまけた何者かが存在するだろうことは容易に想像がつくだろう。  青年はいささかばつの悪そうな顔でその場に立ち竦んでいたが、どう考えても隠蔽は不可能であるという結論に至ったらしい。不始末の跡がくっきりと残されてしまうことに恥じらい混じりの複雑な表情を浮かべつつ、その場から去っていく。  蜥蜴人や竜人といったスリット持ちの雄達は、こんな感じで女性のようにしゃがみ込んで放尿することが主流になっている。一応スリットの中からヘミペニスを出して立小便も出来なくはないのだが、二本あると狙いが定めにくく、周囲に飛び散ってしまう事があるという話のようだ。    さて、スリットから放たれた豪快な小便の主を見送り、それから間もなく新たな裸男が遊歩道の向こうから歩いてきた。  恰幅の良い、筋骨隆々な虎獣人の男性だ。黄金の毛並みに茶色の縞模様が良く映えている。まるで切り出した丸太のような、ずっしりとふとましく重量感のある四肢を急いで動かすたびに、股間を覆う白い越中褌の前垂れがひらひらとはためく。  筋骨隆々の虎獣人は、一歩一歩慎重に、まるで何かを溢してはならないと気を配るかのように、よたよたと歩いてくる。時折立ち止まっては褌の前垂れの裏側に両手を挿し込み、布一枚隔てた股間をぎゅっと抑え込んでいた。その仕草はどう見てもおしっこを我慢しているようにしか見えず、実際そうなのだろう。  三十代半ばの精悍な顔立ち。そのがっちりとした肉体美も相まって、異性からも同性からもさぞモテるに違いない。そんな偉丈夫が酷く顔を歪ませ、歯を食いしばり、脂汗を流しながらおしっこを堪えているというのは、中々にそそる光景だ。  虎の男性はトイレを目指し歩いてくる。その様子から察するに、失禁は秒読みといったところだろう。そこまで追い詰められているなら適当なところで立ちションなりしてしまえばいいのに、真面目な性分なのだろうか。  虎の男性の歩調は酷くたどたどしい。一歩一歩歩む度にぐっと歯を食いしばり、深く息を吐く。ときおりちらちらと周囲の茂みに目をやり、首を振るのは、抗い難い立ちションの誘惑を抑え込んでいるからだろうか。  まるで赤ん坊のような足取りがしばらく続き、虎の男性はトイレの前までたどり着く。トイレに着けば尿意から解放される、その一心で懸命に歩いてきた男性の前に飛び込んでくるのは、残念ながら「使用禁止」の無慈悲な張り紙だ。  視線が文字を辿り、虎の男性は愕然としたような表情を浮かべる。  苦心に苦心を、我慢に我慢を重ねてようやくたどり着いたトイレなのに、小さな紙切れ一枚がこれまでの頑張りを台無しにしてしまったというショックが、ありありと蒼白な顔面に浮かび上がっている。  そして、ついに限界が来たらしい。虎の男性はその場で股間を抑え、身を折った。  ぶるり、と大柄な体が震え――  ――しょわわわわわわわ……  褌の前垂れの上、抑えた両手の隙間から、黄金色の液体が溢れ出した。  小便は真っ白な越中褌の布地をじわじわと濡らし、小さく震える虎獣人の太腿を伝って地面へと流れ落ちていき、広がっていく。  一度溢れ出したものは止めることも出来ず、虎獣人はその場に立ち竦む。懸命に股間を抑えて止めようとしているようだが、緩み切った随意筋の前ではその抵抗は無力だろう。濡れそぼった越中褌の前垂れが股間にびちりと張り付き、褌の布地に抑え込まれた股間の膨らみをくっきりと露にしていた。  虎獣人は小刻みに震え、その大柄な体を小さく丸めていた。排尿の快感よりも羞恥心が優っているらしい。紅潮しきった顔は恥じらいに歪み、その目尻には涙さえ浮かんでいる。いい年してお漏らししてしまったことが、相当心に堪えているのだろう。  体躯が大柄なせいか、溜め込まれた量も相当だ。膀胱に大量に溜まっていた小便が堰を切ったように排出されていき、びちゃびちゃと雨垂れのような水音を立てる。さながらバケツの中の水を一気にひっくり返したような、すごい勢いと量だった。  ちらちらと舞う雪が勢いを増していく。もわりと立ち込める湯気が、冬の冷気の中にかき消えていく。  トイレの眼前で小便を垂れ流しながら、羞恥に震える虎獣人。いい年した大人なのに、今にも消え入りそうな様子で縮こまるその様は、まるで粗相のあとの子供のようだ。  小便の放出が終わってからも、虎獣人は暫く呆然とした様子でその場に立っていた。自らが漏らしてしまったという事実を受け入れられないようで、目を白黒とさせている。  ワンチャンあるかもしれない、とは思っていたが、まさか本当に失禁する奴が現れるとは。余りに非日常的、刺激的な光景を目の当たりにして、性欲がむくむくとこみ上げてくる。  もう少し粘ろうと思っていたが、あんな光景を見せられてしまっては堪らない。一刻も早く、ギンギンに張り詰めてくるズボンの下の愚息を宥めなければ。  さっさと家に帰って、今日の収穫を貪り尽くそう。俺は車を出し、市民公園の外へと出ることにした。

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