41-3.シーサイドジムDストーリー3(seaside gym D story 3) (Pixiv Fanbox)
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ジム生徒の皆さん、こんにちは。
今回もdaipinさん執筆の海生の物語の続きとなります。
前回まで、徹底的に痛めつけられ、とうとう負けを認めてしまいそうな海生。
さあ、Dストーリーでの海生は、どのような最期を迎えるのでしょうか。
それでは本編を、どうぞご覧ください!
1.本編(main story)
男が勝ち誇ったように大声で笑う。その声を聞く海生は悔しさと不甲斐なさに拳を握りしめる。
「俺様に詫びろ。ゴミの分際で楯突いてごめんなさいってなぁ!そうしたらもう終わりにしてやるよ」
これで終わりに出来る。その言葉は今の海生にはとても甘美に聞こえた。例え頭で思ってなくても口だけでも奴に従えばいい。そうすればこれで終わりに出来る。
海生が男に屈しそうになった瞬間に脳裏によぎったのは兄の顔だった。
「おい、何のつもりだ?」
男の顔が再び不快気に歪んだ。海生はフラつきながらも2本の足で立ち上がり、ファイティングポーズを構えた。
「へへ・・・筋肉で出来てそうなテメェの脳みそでも理解出来るようにもう一度言ってやるぜ・・・・テメェ如きじゃ兄貴の足元にも及ばねぇ!」
海生の体力は完全に尽きている。こうして2本の足で立っているだけでも奇跡だ。事実、海生の足は小鹿のように震えている。しかし、そんな状態でも海生は消えかけていた闘志を燃やし、男に吠えてみせた。それに対し、男は能面のような表情になった。
「OK OK、よくわかったぜ。つまり」
グシャア!!!!
「ウボァ!!!!」
男のボディーアッパーが海生の胃袋を突き上げる。それを受けた海生の身体は飛び上がる。男はその海生の顔面を掴みケージリングの金網に押し付ける。
「ぶち殺し希望っつう事だな?」
ドグシャア!!!!!
「ガ、ガボォア!!!!!」
男のレバーブローが海生に炸裂するし、背にしてる金網が揺れる。胃液が込み上げてくるが、男の手が口を塞いでいるため、吐き出すことが出来ず食道を動き回る。
「もはやテメェの罪は死ですら許されねぇ!楽に死ねると思ってんじゃねぇぞ!」
ドボォ!!ドボォ!!ドボォ!!
「ム、ムゴォ!!ゴプゴプ!!ムグゥ!!」
男の拳が連続で海生の内臓を抉る。一撃一撃が内臓を削るかのような威力だ。海生の顔色は呼吸困難と激痛に蒼白になっていた。
「オラッ!もっと鳴けよ!テメェの無様な鳴き声をよぉ!!」
ドボォ!!ドボォ!!ドボォ!!パリィ!!
男の拳の衝撃により、海生の背中の金網が割れ海生はリングの外まで吹っ飛んだ。強固なケージリングが破損するほどの衝撃を腹に受け続けた海生は完全に意識が飛んでいた。海生の腹部は痛々しく腫れ上がっていた。
ーーオラッ!情けねぇなぁ、とっとと戻って戦えよ!
ーーテメェのやられっぷり、楽しみにしてるぜwww
ーー俺たちが特別に手伝ってやるよ。テメェがくたばるのをなぁ。
リング外の観客達がリングアウトした海生の両腕を持ち、男の元まで連れていく。この地下格闘場の観客達は男の蹂躙を楽しみにしている。このファイトではこのような事態も起こりうる。もはやこのリングで行われていることは1対1のファイトではなく集団によるリンチだった。
「ククク、優しいお兄さん達が手伝ってくれて良かったなぁ」
そう言って男は海生の腹に手をかざし、その感触を確かめる。ただ触るだけの行為だが、腹がズタボロに腫れ上がっている今の海生にはそれだけで激痛が走る。
ズキッ!
「はぐぅ!」
痛みに意識を取り戻す海生だが地獄のような苦痛を受け続け、何度も気絶させられその都度意識を無理矢理覚醒させられ、その表情は憔悴してるのが見てとれた。
「いい加減、てめえの無能さを理解し始めたか」いって男がうなだれる海生の髪をつかみ、顔を上に向かせる。
「なんだ?…てめえ…!」男は海生の顔を見て目を見開いた。
海生は、眼光鋭く男をにらみ返し、その眼差しから、今すぐにでも男の喉元をかみ切ろうと狙っていることが容易に伺えた。
「どれだけ痛めつけられても…オレはテメエに屈しねえ!ぶっ殺されるのはテメエだぜ!」
「テメエ…いい加減その生意気な目を止めろぉ!」
ドボッ!ズボッ!ボスッ!
「ガッ!ァア!グアッ!」
男は何度も海生の腹を殴り続ける。初めはニヤニヤしながら海生の両脇を押さえていた男達が顔が恐怖に染まる。海生が一撃を受けるたびに押さえていた海生の体が吹っ飛びそうになる。それほどの力を受け続けているとゆう事実に彼らは恐怖で蒼白になっていた。
「そろそろ、あの世に逝けぇ!!」
ズバアァン!!!!!
男は回し蹴りを海生の土手っ腹に食らわした。海生は両脇を抱えていた男達諸共吹っ飛んだ。
ブシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!
海生は大量の胃液を噴水のように噴き上げた。その胃液には血が混じっており、海生は内臓に深刻なダメージを負ったことは明白だった。
(コイツ、ここで殺しちまうか?)
男はさっきまでと違って気怠げな様子でそう考えた。血と胃液で濡れた海生の髪を掴み、身体を吊るしあげる。海生は白目をむいており、完全に意識を失っていた。
「ケッ!雑魚相手じゃ興がそがれたぜ」
男は結局トドメを刺さず、海生の身体を投げ捨てた。
「あ…あがっ………ああっ……」体を痙攣させながら、海生はうめき声をあげる。
「いきがっていたくせに、ダセえ最後だったな!けどよ、鍛え上げられたてめえの体をいたぶるのはなかなか楽しかったぜ!」
「ぐっ……がはっ…」
海生は最後まで屈せずに男に立ち向かった。だが、結果は無常だった。
海生は一矢報いることすら叶わず無惨に敗れ去った。
2.本編イラストの差分(Differences in main illustrations)
■髪をつかまれた海生
傷なしバージョン
傷ありバージョン
■意識を失う海生
白目バージョン
眼球上転バージョン
3.あとがき(Afterword)
最後まで闘いをあきらめなかった海生。
とうとう最後は意識を失い白目になってリングに倒れ伏してしまう最後を迎えました。
ですが、最後まであがき続ける海生が、とてもかっこよく描かれていて、僕は原稿を頂いたときに、息をのんで読んでしまいました。
daipinさんの圧倒的な力でねじ伏せられる展開は、読んでいて息をのむ力強さがあるように感じます。そのため僕は、この物語を描くことに本当に尽力しました。
や、もう、自分の力の最大限を出し切ったので、悔いはないのです。
が、皆さんに喜んでもらうことが一番の目的なので、楽しんでいただけたら嬉しいです。
さあ、海生編はここで終了となりますが、次は兄の岳がリングに立つこととなります。
原稿は頂いているのですが、僕が描くのは…だいぶ先かと思います。
自分の気力体力時間がばっちりのタイミングでないとやれないので、気長に待っていただけると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それではまた次回、シーサイドジムで会いましょう。
バイバイ!