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<この記事には、先日刊行された「青い瞳の籠の鳥」に関するネタバレが含まれます。ご注意ください。>


BOOTH→ https://lachrymalart.booth.pm/items/2674260

DLsite→ https://www.dlsite.com/maniax-touch/work/=/product_id/RJ314259.html


ごあいさつ

お久しぶりです。otoです。

「青い瞳の籠の鳥」、楽しんでいただけましたでしょうか。正直至らぬ点が多かったり、もっとこうしたかったという点も残りつつ、なんとか妥協点を見つけたのが今の形になっております。自信を持って完成させられなかったことが大変心苦しいです。


実はこの話は去年の3月くらいから構想を練っていたのですが、学業の方が非常に忙しくなかなか時間が取れないでいました。(同時期に考えていた「パーソナル・アシスタント・デバイス」は夏休み中になんとか書き上げることができたのですが、こちらの方は残念ながら間に合わず……)


小説に関するあれこれ

製本しながら直前になって表現の修正をかけたりとバタバタしていましたが、そういった苦労話というか非本質的なことよりは本文に関することを書いた方が良いと思うので、その中からいくつか抜粋して、小説には書けなかったメタ的な補足を簡単にしようと思います。


・最初のエリィとAの会話について

「注意」のトピックは、認知科学という学術分野ではよく知られる内容です。小説に登場したワードに関しては大体現実世界でもある話(完全な創作ではない)なので、興味があったら調べていただければと思います。

私個人は特にそういった分野を専攻している訳ではありませんが、大学の授業で聴講した際に興味深い内容だと感じました。


・「人間が狂気じみているのは避けがたいことなので……」というエリィの台詞

フランスの哲学者パスカルが「パンセ」で実際に述べた言葉です。パンセは「人間は考える葦である」の一節がかなり有名ですね。

かつてのヨーロッパでは狂った(とされていた)人を精神病棟などに幽閉し、正常な人間から隔離するという考えが一般でしたが、その考え方が発展し、どういった経緯で現在のような精神病という病の一種として存在するようになったのか、などをフーコーなどは探求していました。

正常な(もしくは、自分が正常であると思っている)人からは、「狂気」は忌避される対象であると思いますが、自分がふとしたきっかけでそちらの側に回るかもしれない、そして不利益を被るかもしれないという恐れを抱いているからこそ、人はそれを忌避するのでしょう。


・ショーツの重さ

だいたい20gくらいです。

魂が21gだというのは(オカルトに過ぎませんが)ご存知の方もいらっしゃるかと思います。彼女が冗談めかして言ったこの言葉は、結局のところ彼女は人間に搾取される性の象徴の役割から逃れられていないという事を意図しています。(そして、この一見場に見合わない冗談は、人間と彼女の一般的な感覚のズレを示唆したつもりです)

Aにとっては、その人の全ての属性が統合された(人間が普通持ちうる)アイデンティティが関心ごとではなく、乳房や女性器、そして彼女が身につける下着といった「部分」にしか目が向いておらず、「女性性」を提供するインターフェースとしてのLLHRには全くこだわりがないのです。



以上、3点ほど言及しました。

私が書く文章はエンタメ的な「楽しい」小説にはほど遠いですが(というかそもそもそれを目指しているわけではないのでどうでもいいのですが)、ちょっと背徳的なエロさを感じて、そして誰かが色々考えたり創作の足がかりにしてくだされば本当に嬉しいです。私は皆さんのリビドーを解放させることしか目的にしていませんので、それが何かしらの形として結実したものが、いつか私の目に留まる瞬間がくればいいなあと思います。


お知らせ

来年で大学を卒業する(予定)ということもあり、今年はそちらの方に集中させていただきたいと思っております。そのため、来年度は一年間創作活動を休止させていただきます。大変申し訳ないのですが、ご理解いただけますと幸いです。

FANBOXは毎月一度の更新を欠かさず行いたいと思いますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。


むふふ

最近は「悪魔のリドル」というアニメに登場するキャラクターの「英純恋子」のことばかり考えています。恋かな?

10話で明かされる彼女の正体は全身(?)機械化したサイボーグで、黒い義肢をギシギシ言わせて壁をぶん殴って穴を開けたり、ワイヤーを射出して壁を這いながら歩いてくる非人間的な挙動がめっちゃ萌えます。ニーハイに長手袋みたいな色合いの義肢だったり布面積の少ないバトルスーツ(スーツなのか?)を着ていたり、体がめっちゃ頑丈だったり義肢が脱着可能で銃に換装したりしてビジュアル的には百点満点で完璧という感じです。作画もめちゃくちゃ良くて実用性は十分でした。



予告

来月は製本のことに関して何か書きたいと思います。文章を電子書籍にする時に心がけていることなどがメイントピックになると思います。とはいえ本を作らない/文章を書かない方の方が多いと思うので、むふふな内容も増やせるように頑張ります。

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