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こんな都合のいい舞台背景あるわけないやん……と思いつつも書いた設定。



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 水沢・エヴェリナ・汐梨は人間ではない。全寮制の聖イルトゥーネ学院中等部三年四組に所属する女子生徒という扱いにはなっているが、彼女には親も兄弟も、その他親類と呼べるものが存在していない。「学校生活における青少年の健全な精神の発育を促進する女子生徒型アンドロイド」という大層な名前が、書類上で彼女を定義する名称であった。

 艶めく黒髪。怜悧な瞳。薄い唇に整った鼻筋。美人の要素を集めたような彼女の顔は孤高の美しさを備えていた。しかしながら成績は中の下。運動神経も決して良いわけではない。特に目立つ特技があるわけでもない。何もしなければ空気のように扱われていた筈だが、その美貌は何もしなくても男子生徒の視線を惹きつけた。

 抑圧された学校生活の中で、彼女は学生の「サンドバッグ」となるためだけに造られた。彼女にならば何をしても——暴言を吐いても暴力を振るっても——良いことになっていた。

 彼らは人を虐めるということが悪いことだと認識していた。それがいけないことだと分かっているからこそ、彼女を虐げることが合法であると宣言されている元では、いくらでも彼女を凌辱することができた。お陰で人間の生徒がその対象となることは決してなかった。


 放課後、ある男子生徒が教室に残っていた彼女の手を突然引き、男子トイレに入っていった。

 個室に入り、鍵を閉める。二人で入るにはやや狭い空間。彼女は俯いたまま、その目に恐怖の感情を浮かべている。

 男子生徒は血走った目で彼女を見る。無理やり彼女を壁に押し付け、便座に足をかけさせる。そして乱雑にスカートを捲り上げた。水色のレース付きショーツは、可憐な彼女の印象によく似合っていた。

 しかし男子生徒はそれに興味を示さず、すぐさまクロッチの部分をずらす。肉付きの良い太ももの間には、人間の女性と同じように秘裂が存在していた。その上には整えられた陰毛が見え、男子生徒は鼻息を荒くした。

 ズボンを脱いだ男子生徒は、濡れていない彼女の女性器に勃起したペニスをねじ込む。苦悶の表情を浮かべてそれを飲み込んだ彼女は、口から漏れそうになる喘ぎ声を手で抑えるようにして、男子生徒を恨めしげな表情で見つめる。男子生徒はその視線にぞくぞくとしたものを感じた。

 嗜虐的な瞳で彼女を見て、男子生徒は腰を振る。彼女はそれになすがままになるように、壁に手を押し当てて自分の体を支えながら揺すられる。

 腰と腰がぶつかる鈍い音が響く。ブレザーに包まれた胸を男子生徒の手が乱暴に掴んだ。やや硬めの生地、そしてその内側の下着に包まれ、乳房の柔らかさは十分には感じられない。しかしそんなことは関係がなかった。彼女のDカップの胸を揉んでいる、その事実だけで男子生徒は膣に挿入した陰茎を更に固くした。

 ピストン運動の度に微かな喘ぎ声が漏れる。性感によるものではない、ただの防衛機構として漏れ出た愛液が肉壺を潤す。卑猥な水音が男子生徒の耳に入る。

 彼は壁に押し付けた彼女を見下ろした。彼女はそれに応えるように睨みつけた。男子生徒の嗜虐的な感情が湧き上がり、胸を揉んでいた手で彼女の頬を平手打ちした。彼女の体が強ばり、反射的に膣が締まった。それを面白がるように彼は二度、三度と平手打ちを繰り返した。俯いた彼女の頬は赤く染まっていた。

 満足した彼は、再びゆっくりと腰を揺すり始めた。スカートの下からはぬちゅぬちゅという粘膜の擦れる音が聞こえる。射精欲が高まった彼は、激しく腰を振った。彼女はそれに突き上げられるようにして、か細い喘ぎ声を上げた。

 腰を深くまで押し込んで、男子生徒は彼女の体内に精液を吐き出した。絶頂の余韻に浸る男と、早くそれが終わって欲しいと言わんばかりの苦い顔を浮かべる少女。

 ペニスを引き抜くと、膣からどろりと精液が床にこぼれ落ちた。床に膝をついて息を荒くする彼女に股間を近づけ、男子生徒は彼女の制服でペニスを拭う。首元の赤いリボンや濃紺のブレザー、白いブラウスに至るまで精液がべっとりと付着し、それを彼女は嫌悪の表情で見つめていた。

 挙げ句の果てには、彼女に肉竿を舐めるように命じた。おずおずと伸ばした舌で、彼女は陰茎に付着した精液を舐めとっていく。それでは足りないと言わんばかりに、男子生徒は彼女の喉奥に無造作にペニスを突っ込み、彼女の頭を無理やり揺すって精液を舐め取らせた。

 そして最後に、尿道に残った分を彼女の喉に吐精し、男子生徒は彼女の口からペニスを引き抜いた。嗚咽を上げ、涙を目の端を浮かべる少女。しかしどれだけのことをされても、彼女は最後まで無抵抗だった。

 男子生徒は座り込んだ彼女に向かって後始末を命じ、そのまま去っていった。後に残された彼女は、唇に付着した精液を手で拭う。ずらされたショーツを戻し、乱れたスカートの裾を直すと、床に零れ落ちた白濁液をトイレットペーパーで掃除し始めた。

 股間に下着が張り付く不快な感触を何とも思わず、無表情で淡々と床を、そして服を拭う。ショーツは膣口から漏れ出た精液で股間にシミができ、受け止め切れなかった分が太ももを伝って垂れ落ちようとしていた。


 明日になれば、彼女は何事もなかったかのように教室に現れる。汚れた制服は綺麗になり、膣内の精液は完全に除去された状態で。そして、明日も同じように、人間の生徒からの酷い仕打ちを粛々と受け止めるのだ。

 優れた容姿には羨望も集めるが、同時に嫉妬やその他の黒い欲望をも集める。人間を精緻に模倣する非常に優れた人工知能を搭載しているにも関わらず、制限された思考能力で同学年の平均以下に落とされた成績は、後ろ暗い感情の矛先に十分になる。テストの点数という一次元の尺度で擬似的な上下関係がつくことで、人間は自分よりも成績が下の者は人間的に劣っているものだとすら勘違いし得るのだ。

 彼女は人間には向けることのできない欲望の捌け口という役目を背負い、明日も「元気に」登校する。彼女は決して将来を憂いたり、自分の立場を嘆いたりすることはない。少年たちの学校生活からストレスを除去する装置は、その役目を終えるまで「水沢・エヴェリナ・汐梨」という名の一人の女子生徒として稼働し続ける。



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アンドロイドが教育現場でいじめの抑止力(もしくはスケープゴート)になる作品は「つくられた心」や「イジメられ代行ロボ ヒカゲの日常」などがあったりしますね。個人的には、ロボ娘に人間の悪意が向けられるシチュエーションがかなり好きです。

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