Home Artists Posts Import Register

Content

挿絵 らすP様


前話のあらすじ

ルクリアとアンナはゴーデスの罠にはまり、バードンとケムジラの前に敗北を喫してしまう。

アンナと共に光の国で治療を受け、自らのトラウマと向き合うことになるルクリア。

アンナからの協力の申し出もあり、使用することのできなくなっていた自らの力、「コロナモード」を再び使用する決意をする。

ルクリアはジェニスから貰った光の衣の力で、アルティマレディとの同調を高めたアンナと力の分担を行い、新たな変身を遂げる。

自らと引き換えに地球に残り、敵の攻撃に耐えているマリアのため、地球へとテレポートするルクリア。

決着の時が迫っていた…


地球へのテレポート中、ルクリアはアンナに話しかける。

「アンナ…あなたのおかげで、再びこの力を手にすることができました…本当にありがとう…」

アンナも照れながらその言葉に応える。

「これで対抗できるといいのだけれど…でもこのフォームなら私も最後まであなたと戦えそうだわ!」

体からみなぎる力を感じ、アンナの声も明るくなっていた。

そんなアンナにルクリアは一つの提案をする。

「この力…私1人の時は『コロナモード』と呼んでいました。でも、今はあなたと2人で取り戻した力…アンナに新しい名前をつけて欲しいのです。」

ルクリアにとってこの力は、アンナと2人の絆で勝ち得た新たな力という認識であった。

故に、それには新しい名前がふさわしいと考えたのである。

「新しい名前かぁ…『コロナ』は私たちの星では太陽のから見えるオーラの光が語源なんだっけ…それなら…!…」

少し考えたアンナは一つの名前を思いつく。

「こういうのはどうかしら…同じ太陽から発生する現象が語源なんだけど…」

アンナの提案を受け、新たなフォーム名を決めるルクリア。

「いい名前をありがとう…もうすぐ地球です…今度こそ2人で勝利を!」

2人は誓いも新たに、戦場へと舞い戻っていった…


その頃、地球でアルティママザー・マリアを痛めつけていたバードン・ケムジラの後方に、巨大なエネルギーの歪みが発生する。

そしてその歪みの中心から、1人の戦士が飛び出した。

「たああっ!」

歪みから溢れる光の中から軽く跳躍したその影は、怪獣2匹をあっさりと飛び越え、ケムジラの糸で縛り付けられたマリアの側へと着地する。

「マリア様!お待たせしました!」


2匹の怪獣へと向き直り、ファイティングポーズを取るルクリア。

「その姿…新たな力を得たのですね…」

強力なオーラを纏う愛弟子の姿に、満身創痍のマリアも思わず目を細める。

今までの青を基調とした姿ではなく、赤と青が複雑に混ざり合ったカラーリングのコスチューム。

その髪と瞳も金色に輝き、溢れるパワーを感じさせていた。

「はい!」

宿敵の新しい姿にゴーデスも反応する。

「随分立派な姿になったではないか…もうその力は使わんのかと思っておったぞ!」

散々痛めつけられたゴーデスからの挑発にも動じないルクリア。

「ゴーデス!この力はあなたに打ち勝つためにアンナと手にした力…アルティマレディルクリア・フレアモードです!」

力強く言い放ち、さらにオーラを纏うルクリア。

そのエネルギーの奔流は、まさに太陽風・フレアの名前に相応しい物であった。

「フレアモードね…どれほどのものか見せてもらおう!」

そういうとケムジラをけしかけるゴーデス。

ケムジラはマリアを拘束した糸を放ち、ルクリアを牽制する。

「フレア・プロテクト!」

ルクリアが掌底を突き出すと、発生したエネルギーの壁が糸を弾き飛ばす。

しかしそれは陽動であり、タイミングを合わせて飛び上がったバードンがルクリアの頭上に迫っていた。

「甘い!」

ルクリアがもう片方の腕をかざすと、そこにもシールドが発生する。

落下エネルギーも合わせた降下攻撃であったが、ルクリアは難なく受け止めた。

「なんと…これを防ぐか!」

上下両方の攻撃を防がれ、流石のゴーデスも驚きを隠せなかった。

「タァッ!」

受け止めたシールドのエネルギーを解放するルクリア。

「イエァアアアアッ!」

バードンとケムジラはまとめて元いた方向へ弾き飛ばされる。

「ハアアッ!」

間髪入れずルクリアはケムジラへと跳躍し、フライングキックをお見舞いした。

「キキィッ!」

正面からキックをまともに受けたケムジラは、そのままバードンの方向へと吹き飛ばされる。

「イエァアアアア!」

バードンは邪魔だとばかりに、飛んできたケムジラをルクリアへと蹴り返す。

その勢いでケムジラはルクリアへと組みついた。

「くっ…離しなさい!」

一瞬動きが止まるルクリア。

「今じゃ!」

ゴーデスはバードンに火炎放射を撃たせ、ケムジラともどもルクリアを焼き払う作戦に出る。

「…!やらせません!」

自らに殺到する火炎に手をかざすルクリア。

そのまま火炎を球状にまとめていく。

「お返しです!プロミネンスシュート!」

球体に凝縮されて打ち返された火炎が、バードンに直撃する。

「セヤァッ!」

組みついていたケムジラを振り解くと、火炎に包まれたバードンへと投げつけるルクリア。

そのまま腕をL字に組み、必殺光線の態勢に入る。

「ネイバスター光線!」

体内の浄化エネルギーを破壊光線と共に打ち出すルクリアの新たな必殺技が、2大怪獣を直撃する。

ひとたまりもなく破壊される怪獣の体内から、自らの細胞と共に逃走するゴーデス。

その様子を見たルクリアは、あえて追撃はせずマリアの元へと向かった。

「マリア様、お待たせして申し訳ありません…」

磔に使われていた糸をほどきながら、ルクリアは俯く。

「あら、私は貴方が帰ってくることを疑ってなどいませんでしたよ。でも想像以上のパワーアップでした…アンナさんとの絆の力かしら?」

マリアは自らの期待以上の成長を見せた愛弟子に、ねぎらいの笑顔を送った。

「そんな…お世辞はよしてください…よいしょっと!」


照れながらもマリアを拘束する糸を取り除いたルクリアは、その体を抱き抱える。

「貴方にこうして救われる日が来るなんて…老体には鞭打ってでしゃばった甲斐はあったかしら。」

意外と余裕のある様子を見せるマリアに一安心するルクリア。

それと同時に、上空にウルトラサインが光る。

銀十字軍の迎えが地球の上空まで来ているという内容を伝えるものであった。

「貴方の腕の中も名残惜しいですが、お迎えが来ましたね。ルクリア、少しエネルギーを分けてもらえますか?」

マリアの申し出に頷き、カラータイマーを近づけてエネルギーを受け渡すルクリア。

光の消えていたマリアのカラータイマーが点滅を始める。

「ありがとう、もう十分よ…ルクリア、アンナさん…これからも2人には苦難が待ち受けているでしょう…それでも今日のように、2人なら必ず乗り越えられるはずです。アンナさん…ルクリアのこと、お願いしますね。」

そう言って別れを告げ、飛び立っていくマリア。

「終わったね…私たちもおうちに帰ろうか!」

いつまでも見送っていそうなルクリアに、アンナが声をかける。

「そうですね…帰りましょう!」

ルクリアが賛同したその時、その体が淡く光り出した。

「あら?…これは…」

次の瞬間、ルクリアの身体はフレアモードからいつものルナモードへと変わる。

ピコピコピコ…

同時にカラータイマーが激しく明滅し、ルクリアはそのまま尻餅をつく形でへたり込んでしまう。


「あ、あれ?力が…」

2人の力を合わせて限界まで能力を引き出すフレアモード。

その代償として、解除後に激しい消耗が襲ってくることも当然の結果であった。

「こ、これ…わたし家までもたないかも…」

意識が遠のいていくのを実感するアンナ。

「アンナ、私はもう少し大丈夫です…後でゆっくりおうちで話しましょう…」

そういうと、2人の家に向かって飛び立つルクリア。

沈みゆく夕日と共に、2人の長い長い1日が終わりを迎えようとしていた。


「あ〜あ…明らかに藪蛇な結果じゃないか…」

青年はゴーデスの帰りを確認するとため息と共に呟いた。

「まぁ、そう言わんでくれ…これはいい方向に転んだ方じゃ。」

意外にも前向きなゴーデスの言葉に、青年は首を傾げる。

「そうなのか?あれだけお前の細胞を注ぎ込んだのに、二体とも瞬殺だったぞ…これからどうするのさ?」

「まぁ、正直思った以上のパワーアップだったのは否めんのう。便利なブレスレットの一つでももらってくるぐらいに考えておったが、想像以上じゃったわい。」

青年は呆れ気味に肩をすくめたが、ゴーデスは状況を楽しんでいるかのように続けた。

「しかし、これはある意味では吉兆じゃ。強い光はそれだけ濃い闇を生む…これからこの星はルクリアの光につられた奴らに狙いをつけられるじゃろう。マリアのリンチ中継で資金とマイナスエネルギーはある程度貯まっておるし、わしらはしばし雌伏の時と洒落込むとしようかのう…」

余裕を崩さないゴーデスの姿に、呑気なものだと感心すら覚える青年。

すると、ゴーデスが青年から拝借しているパソコンにメールが着信する。

日頃ゴーデスはこのパソコンから地球の衛星をハッキングして、宇宙との交信を行なっていた。

「ほぅ…早速目をつけられたようじゃぞ。あやつが来るとなると…少し手助けしてやるかの…」

新たな展開に高揚しているゴーデスを横目で見ながら、青年は一抹の不安を覚えるのであった…


続く


Files

Comments

ます。

フレアモード解除後の激しいエネルギーの消耗するって設定好きです。 今後の展開が楽しみです! あと今後、ルクリアは挿絵増量版の作成は難しい感じでしょうか?

ガチピン@ご支援感謝

ます。様 ご支援・コメントありがとうございます。 エネルギー消耗設定はすぐに生かされる(?)予定です。 お楽しみいただければ幸いです(^^ 挿絵に関しては、ミレーヌとルクリアの月の更新の中で、挿絵少なめの1作をランダムで基本コースのみで投稿しています。 今月はルクリアだっただけなので、次回は挿絵増量版も作成予定です。 らすP様への挿絵を依頼できるペースも戻りましたので、楽しみにしていただけると嬉しいです。

ます。

ご返信ありがとうございます。 エネルギー消耗設定がどのように生きてくるのか、楽しみにしてます! らすP さん多忙が原因で難しいのかと思ってたので、安心しました。 今後もルクリア楽しませて頂きます!