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「思い出したわ。弱そうな下級生おカツアゲしたあのちんぴらじゃない。またお腹ぼろぼろになって運ばれたいのかしら。」

「ふっ、腹パンなぐられて運ばれるのはどっちなのか、この機会に徹底的に思い知らせてあげますよ!」


音森女学園二年生の問題児、藤中千恵子。その日も自分のやからたちを率いて甘く見える下級生をかつあげをしていた。



ドズウウゥゥゥッン!!

「おっぼおぉえぇぇッ!!」

「そんなもんパンチって出したの?あんまり遅すぎてスローモーションかと思ったわ~。」


殴られた場所が良くなかったのか、昼食を全部吐き出した千恵子が、太った腹を抱えて床に伏せてうめき声だけを流す。


「ちんぴらなのか何なのか知らないが、私の前で堂々とカツアゲとはいい度胸だね。もう一度私の前に現れたら今日の ように昼御飯返すだけでは終わらないよ。わかった?」


ワンパンチに床におしっこまでだらだら流して、部下たちに引きずられていく肉ばかり太った豚。こんな雑魚なんかに殴られてやられるわけじゃない。

そんなはずだった・・・。





「オラオラ!!もう一発!!」


ズドオォォソッ!!

「おごぉおぉぉッ!?ぐはぅッ!!」

「こんな遅いパンチ一つまともに回避できないんですか?くそ先輩。あんまり下手くそでスローモーションかと思ったわ。」

(こ、こんな・・・奴なんかに・・・!)


何の準備もなし8ヵ月ぶりに上がってきたリング。その長い空白の間、怠惰な歳月を送った織慧の実戦感覚は崩れ落ちていた。防御もろくにできず、さんざんクリーン·ヒットを許した腹部は、すり減ったぼろぼろのサンドバッグになっていた。


(前ならこんなやつくらい簡単にやっつけるのに・・・!)

「たかがアマくらいの実力で私みたいなプロに勝つと思った~?前のようなラッキーパンチに二度も遣られると思ったら大間違いよ!本物のボクサーのボディーとはなんなのか、あんたの腹についたその脂肪の塊に直接打ち込んでやる!」


メギィッ!!ズドォォンッ!!ドズゥン!!

「えぶぐぅぅうぅ!!おぉぶッ!!おぼぉおぉぉッ!!!」


以前、腹パンにやられた恨みを晴らすように、千恵子は何かにつけてボディーでしつこくに織慧のお腹を殴っていた。以前戦った選手たちより大したでもないパンチ力にもかかわらず、そうでなくても弱点だった腹部は筋肉が抜けて脂肪の塊だけが残り、その衝撃を十分に防ぐことができなかった。


(こ、こいつ、お腹だけ狙って・・・!)

「どんどん行きますよ。オラオラ!!」



ズドォォソッ!!

「ぐぶぅあぁぁぁッ!!」


コーナーに追い込まれた織慧の腹部にボディストレートがクリーンヒット!リングポストに退路が閉ざされた織慧の下腹部が千恵子のグローブの間で醜くつぶれる。



「おぶぅッ!!んぐぅおぉ・・・!!」


たった2ラウンドで3度目のダウン。ぼろぼろの腹を抱えて胃液を吐かないよう耐えてみるが、口外にはみ出してマットに降り注ぐ。


(こ、これ以上お腹にパンチをうけたら確実にKOされてしまう。あんな豚雑魚なんかに腹パンKOなんて・・・ありえないわ!見てろよ、チャンスさえつかめばワンパンチでKOしてやる!)


10カウントが終わる寸前、赤く染まり苦痛に痙攣する船をつかんで立ち上がるが、織慧の腹部はすでに限界。その姿を見て千恵子が両グローブを打ちながら挑発してくる。


「まだ顔もろくすっぽ吹っ飛ばしてくれないのにこれで終わりじゃないだろうな、先輩どの。ぼこぼこの顔で小便漏らして運ばれていくあんたの姿がますます楽しみだわ~。」

「ふん、お前こそまだ分からないの? 今まで私を倒せなかったところであんたの運わもう尽きたのよ。 見てなさい。次の一撃でそのでぶた体をひき肉にしてやる!」

「明白な実力差なのに、まだパンチが足りないなんて、お腹に付いたパンチングバックがもうぼろぼろだぞ?私こそ次のパンチでお腹に穴をあけてやるよ!」


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何の成果もなしに第2ラウンドが過ぎて、いつの間にか第3ラウンド。相変わらず一方的な試合だったが、肥大した体で1ラウンドから猛ラッシュを続けてきた智恵子は、だんだん疲れ切っていた。今まで通り持ちこたえればステミナ的に優位を占めることができるかも知れない、しかし、その前まで織慧の体が持ちこたえるかどうか・・・その時だった。フィニッシュブローを狙って入ってきた大きく振り回されるフック。

これはチャンスよ!これを打ち返せば相当なダメージを与えることができるはず!フックが振り回す前に直線距離でストレート!イメージは完璧。しかし、その瞬間、織慧の古い感覚が目覚め、何故か危険信号を送っていた。


(危険だって?ふん、こういう機会を逃すものか!このまま一気にしとめてみせる!)


Orie wastes the 2nd round and enter the 3rd round without regaining her sense of match. It was still a one-sided match, but Chieko, who had been working hard with her big body since the first round, was getting tired. Orie may soon gain a stamina advantage, but she don't know if her body will hold out until then.

At that instant, Chieko swings her hook big for knock Orie out.

This is a chance! If she hit it back, she can give critical damage to chieko. Throw a straight punch at the shortest distance before being hit by a chieko's hook. The plan is perfect.

But at that instant, Orie's old sense awake and somehow sent a danger signal.


'Danger? Huh, it is nonsense! I'll knock you out with a single blow!'

※投票締め切られました。4話ではA分岐に進行ます。

(The voting is closed. Episode 4 will proceed with quarter A)



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