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「羽鳥さん、ハッピーちゃんをやってみる気ある? 今探してるみたいなの」 「え? 私が……ですが?」 休憩中に先輩から思いもよらぬ誘いを受けた私は、ちょっと戸惑った。私なんかにアイドル染みた仕事なんて無理ですと即時お断りしたものの、この園の若い女性では一番可愛くて向いてると煽てられ、断り切れないうちに園長室へ行くよう告げられてしまった。内々に決め打ちされていたようだ。 (え、えぇ~、どうしようかな……) 断る。断りたい。言い訳を断り方を考えなくてはならない。と思いつつも、ファンに囲まれ声援を受ける自分の姿をちょっと想像してしまう。嫌なんだけど、本音を言うとそんなに悪い気分でもなかった。打診が来たということは先輩の言う通り、若手で私が最もまあ、その……ウケる容姿と目されたということではある……からだ。い、いやーでも、まさかそんな、アイドルみたいなことはちょっと流石に……そこまでは……。 などと思いながら園長室にたどり着き、私は扉をノックした。断る? よね? ハッピーちゃんに抜擢された自分の姿を想像しアイドル気分に浸る妄想は妄想に押しとどめておいて、現実にはしたくなかった。恥ずかしすぎるし、やれるとも思えない……。 中には園長だけでなく、獣医の先生や各部の責任者も集まっていて、何だか想像以上にものものしい空気だった。 (んん……?) 「すまないね羽鳥くん、さあかけてかけて」 「し……失礼します……?」 何でこんなに人がいるんだろう。そんな盛大に売り出すのかな……芸能デビューでもするの? ハッピーちゃんとは、この動物園が長らく愛用してきたマスコットキャラクターの一つ。鳥の羽と脚を持った女の子……いわゆるハーピーだ。昔はイラストだけの存在だったのが、三十年ほど前から着ぐるみで園内を回ったりするようになった。そして二十年ほど前から人間化した。若い女性の職員がハッピーちゃんの衣装を着て園内イベントを開いたり、話題になった代だとテレビに出たりもしたらしい。地元アイドルみたいな感じで受容されていたようだ。私も幼いころステージを見た。あんまり覚えてないけど。 最もここ数年は特に何も展開しておらず、お土産や公式ページのイラストだけの存在になっていた。だから私はてっきり自分が新しくハッピーちゃんを襲名し、ハーピーのコスプレをして園内イベントに出るようなことをお願いされるのだとばかり考えていた。或いはバーチャルライバー化とか……。 が、園長たちから行われた説明内容は私の想像を遥かに超えていた。近年はうちのような地方動物園は不況で、原因は普通の動物しかいないこと……つまり、今都会で人気の人造生物がいないことが原因だと皆は言う。それはその通りで、最近は人造細胞を使って現実には存在しない架空の生物を生み出すことが流行っている。ドラゴン、ケルベロス、ユニコーン、クラーケン……。しかし同じことをやってもインパクトが薄いし、そもそも大型の人造生物を飼育できる環境とお金がない。ならば……人間を改造して人型の人造生物を作り、当園の新たな目玉としたい。それが園長たちの語った仕事内容だった。つまり、私に……本物のハーピーになってほしいというのだ! 「えっ、い、いや、その、それは流石にちょっと……無理です」 とんでもない。そんな恐ろしいことできないって。そもそも医療以外で人に人造細胞使うのダメじゃなかった? ていうか人型の人造生物自体が確か禁止だったはず。特に知能のあるやつは。 恐る恐るその疑問をぶつけると、もうすぐ人型も解禁になるのだと告げられた。知能を抑えれば作ってもよいと。じゃあそれでゼロから作ればいいじゃない? 「いやー、それがね……ウチだと中々厳しくて」 彼ら曰く、ゼロから人造生物を設計して産み出すのはかなり予算がかかるし、飼育も大変。とくに低知能に抑えなければならないから尚更。しかしそれら全てを解決する方法がただ一つ。人間をベースに改造すれば人造細胞は少なくて済むし、飼育も楽になる。それが彼らの理屈だった。 私は何度も首を横に振った。コスプレしてステージに出て踊る方が万倍マシだ。元々断るつもりではあったけど、まさかこんな突拍子もない話だったとは思わなかった。改造したあと私はどうなるの? 再改造で戻せるって皆言うけど、嫌だよ。私の生まれ持った手足だもん。ていうか、人造生物扱いで動物園の目玉になるってことはつまり、その……檻の中で展示されるってことでしょ? 冗談じゃない。 給料が数倍になるだとかあとでいいポストつけるだとか色々言われたけど、私は頑として首を縦には振らずに、休憩時間が終わったことを口実にして園長室から立ち去った。 はぁ……信じられない。来る時にアイドル妄想して内心満更でもなかった自分がことさらアホに思えた。……ひょっとして他の人にも全員断られて私のところに回ってきたんだろうか? だったら私が女性職員の中で容姿が良かったとかですらなく……いやわかってましたよ知ってます、自分がアイドルなんかやれる顔じゃないってことぐらい! 事態が急変したのは翌週のことだった。私の家が火事で焼けてしまったのだ。幸か不幸か仕事中だったので私は大丈夫だったけど、家財は全て灰と化し、私はあまりにも突然で理不尽な出来事に心がついていかなかった。怒りや悲しみが湧いてきたのは数日経ってようやくだった。隣の部屋に住んでいた隣人の不始末なのに、何故私までこんなとばっちりを受けなければならないのか……。園の皆が親身になって後始末や生活の手配をアレコレ手伝ってくれたのはとてもありがたかったし、嬉しかった。でも、大きな借りを作った上に、急遽お金が入用になった私は、高い給料と恩返しを兼ねて、例のあの計画に乗らざるを得なくなってしまった。私はこの体を人造細胞で改造し、見世物のハーピーに変身することに同意した。してしまった。いやだって世話になったし……お金もいるし……。はぁ。 改造を行う研究所に連れていかれた当日、その場で同意書にサインさせられた。長い文章に厚い紙の束。怖かったけど、周囲で黙々と進む準備に気圧され、私は読む間もなくサインしてしまった。ここまで来ちゃったら今更やめるとも言い出しづらい。 スタッフの方々から代わる代わるいろんな説明を受けた後、いよいよ私は人間をやめる段になった。重々しい機械に挟まれた大きな円柱状の容器。その中は緑色の液体で満たされている。更衣室で白いワンピース一枚に着替えてきた私だが、それさえここで脱ぐよう指示された。今は下着すらつけていない。完全に全裸になっちゃう。男性スタッフが多くいるのに……。でも仕方がない。病院で男の先生に診てもらうのと同じだと考えればいいんだ。無駄に恥ずかしがる方が変な空気になる。私は自分にそう言い聞かせて、ワンピースを脱ぎ捨てた。見知らぬ人たちが多くいる上に、普通裸になるべきでない部屋。羞恥心はどうしても捨てられなかった。顔を赤くしながら、私はすぐ容器の梯子に手をかけて上りだした。出来るだけ体の前面を見られたくなかった。これから改造されるんだから結局全て見られてしまうとわかっていても、あけっぴろげにすることは難しかった。 緑色の液体の中に、ゆっくりと足を浸ける。二メートル近い円柱状の容器は私の足が底につかない。溺れそうで怖い。大丈夫だと説明は受けてるけどやっぱり怖いな。 容器の淵をしっかり掴みながら、私は液体の中に体を沈めていった。ほんのりと暖かい液体は不思議な安心感がある。緑色のフィルターと屈折で外がぼやけるおかげで、思ったよりは恥じらいを抑えられそうだった。意を決して手を離し、私は頭から手の先までいよいよ全てが液体の中に浸された。本能的に息を止めていたけど、外からスタッフたちがジェスチャーで口を開けるよう指示しているのが伝わった。恐る恐る口を開けると、液体は勢いよく私の体内に流れ込む。 (んんっ!?) 本能が溺死の恐怖に沈む。私もちょっとパニクりかけた。でも事前の説明通り、息苦しくはなかった。私の肺や胃が緑色の液体で満杯になっていくのに、まるで息は切れない。そのうち液体の流入が止まり、私の体内はすっかりこの液体で満たされてしまったようだった。 容器上部の蓋が閉じ、私はこのカプセルに閉じ込められた。これから改造されてしまう。私は人間でなくなってしまう……。やっぱり嫌だという後悔が押し寄せてくるも、もう後戻りはできない。 「麻酔入りまーす」 私の意識はプツリと途切れた。まるで機械の電源を落としたかのように。 (ん……) 目が覚めると、見知らぬ白い天井が視界に広がった。全身がズシリと重い。手足が硬い。感覚もおかしい……。 「あ、目が覚めたみたいですよ」 「大丈夫ですか? 名前言えますかー?」 「羽鳥陽子……」 段々何をしていたのか思い出してきた。私は確か容器に入って……ああ。改造するために。身体を。ハーピーに……。 ゆっくりと頭を傾けると、驚くような光景がすぐそこにあった。巨大な羽毛……鳥の羽がベッドに延びている。それは私の腕から生えている。 意識した瞬間、ぼんやりしていた手の感覚が一瞬鋭くクリアになり、次の瞬間消えてしまった。 (あ……わ) ない、手がない。腕は翼の中に溶けている。私の腕は翼を支えるための骨に変わっている。濃い緑色をベースに、黄緑や黄色の羽毛を交えて綺麗に彩られた大きな翼。私が自分の「腕」を少し動かしてみると、翼が動いた。 脚。太く硬い鳥の脚。私の太腿は緑色の羽毛にビッシリと覆われていて、足先が見えない。手と同様、意識した瞬間にぼやけた五本の指の感覚が一瞬強まり、消え去った。代わりに与えられたのは三本の鳥の足指。いや……四本だ。後ろにも生えている。鋭く大きな爪の生えた、前後合わせて四本の指。枝につかまるための構造を持った人でない足先。 思わず涙が滲んでしまった。自分がとんでもない馬鹿な選択をしてしまったのではないかと……。人間でなくなったこと、動物の手足に変容したことがこれほど生理的な恐怖と喪失感をもたらすとは思わなかった。 私は上手く手足……だったものを動かせず、ベッドの上でずっとモゾモゾしていた。スタッフがやってきて説明を始めたが、ショックで内容はほとんど頭に入ってこなかった。ただ、改造は無事成功して障害もない……ということだけは受け止められた。 初めて立ち上がり鏡の前に立った時は、改めてショックを受けてしまった。そこに映っていたのは紛れもない生きたハーピーだったからだ。人間じゃない。コスプレでも特殊メイクでもない。本物の生きた翼と羽毛、鳥の足。私の髪の毛は翼と同じ濃い緑色に変化していて、肩まで伸びていた。同僚でもパッと見私だとわからないかもしれない。存在感のある大きな翼は、見世物にふさわしく羽毛の色が調整され綺麗にデザインされている。腕だった骨の先は翼の中に溶けて消え、手先が存在しない。私はもう何も掴めないのだ。ただでさえ歩きにくくて転んじゃうっていうのに……。視線を落とすと、羽毛で覆われた太腿と、そこから伸びる黄土色の鱗に覆われた下肢。指は前に三本、後ろの一本指で形作られ、その先には立派な太い爪が伸びている。 誰かに写真を見せたらメイクかCGだと思うだろうか……。しかし生で見れば誰もが「本物のハーピー」だと納得するだろう。人造とはいえ生きた細胞、力強い生命の存在感が嫌というほど放たれている。 周囲は改造成功に大盛り上がりなのが尚更私の喪失感を煽った。ああぁ……。これから三か月もこんな体のままなのか……。それも、お客さんたちの前でこれを見世物として披露しなくてはならないなんて……。 リハビリ後、私はトラックに乗せられて動物園に帰った。動物扱いされているようでいい気はしない。運転席には翼が邪魔で乗れないから仕方ないんだけどさ。まだ人に見られたくもないし……。 園では皆が歓迎してくれた。可愛い、凄い、本物みたい……。本物ですけど!? 以前レッサーパンダが到着した時のことを思い出し、その時もこうして皆が集まったことを思い出した。私も可愛い連呼して近くに寄ったなあ……。わたしゃ動物か。 「ね、ね、触っていい?」「接合部見せて」「あー膝は人間ままか。脚は見た目だけなの?」 なまじ意思疎通がとれる人間であるからか、遠慮がなかった。地面を走れる足に振り払う手さえない私は、一方的になされるがままだった。四方八方からスマホを向けられ撮られ放題。うぅー、やだなあ。恥ずかしすぎて死にそう。 リハビリが終わり動物園に戻っても、即公開ではない。今度は演技指導が始まった。ハッピーちゃんらしく明るく元気なキャラでいって欲しいそうだ。明るく出来るか不安だった。演技なんかしたことないし……。こんな惨めな姿で衆目の前に晒された挙句アイドル演技なんてできる気がしない。 「まあまあ、可愛く笑ってればそれでいいから」 「は……はぁ」 そしてさらに、人前ではあまり喋らないように、と指示された。人間を改造したことがバレると問題だから……と。や、やっぱりダメなんじゃん!? 弁護士さん曰く手続き上は問題ないらしいけど、人間を動物扱いで檻の中に展示するのは倫理的にアレコレ言われるかもしれないからそれは避けたい、とのこと。……やっぱり企画自体が間違ってるよ、と喉まで出掛かった言葉を飲み込む。さらに言うと高知能の人型は製造禁止だから、やはり高度な会話は謹んでほしい、とも。 「そうですか……」 まあ……黙ってニコニコしてるだけなら何とかなるかなあ? 「あ、でもせっかくハーピーなのに意思疎通不可ってのもガッカリじゃない? 簡単な受け答えとか感情表現とかはやった方が」 えーっ! どうすりゃいいのさもう! しばらくして、ついに私のデビュー日がやってきた。珍しい人型の人造生物ということで、中々バズっているらしい。 「人気でるよー。ほらほら見て、ハッピーちゃん可愛い、って」 先輩がSNSの評判を見せてきたが、私は緊張でそれどころじゃなかった。だ、大丈夫かな……ヘマとかしないといいけど。 鳥類担当の人に連れられ、私は園内の鳥コーナーに「出勤」した。檻が一つ空にされている。私が入る檻だ。鳥用だったので歩き回るようなスペースは余りない。周囲は鳥の鳴き声で騒がしく、ほんのりと臭う。 私が檻に入ると、鍵がかかる音がした。あぁ……閉じ込められちゃった。展示されちゃった。動物用の……鳥の檻に。私が。 「じゃ、頑張ってねー」 通路側に回った担当者は、柵の向こう側からにこやかにそう言って立ち去った。あぁー、いよいよだ……。ドキドキしてきた。ていうかなんで私なんだろう、もっと可愛い子とか度胸のある子とかいたんじゃないの? マイナスな感情ばかりが渦巻いてしまう。 やがて開園時間になると、すぐにそれが分かった。まだ遠くだけど人の喧騒が伝わってくる。ここ最近朝からこんなにお客さんが来たことなかったな……。檻の中からじゃなく、ちゃんと人間の職員としてその光景を見てみたかった。 間を置かず話し声と足音が近づいてきた。大勢だ。理由は明白だった。今日のお客さんは皆、ハーピーのハッピーちゃん目当てにやってきている。つまり、私を……。 家族連れが大勢視界に現れた。次々とやってくる。柵の向こう側が見る間に人で埋め尽くされていく。輝く子供の瞳、感嘆する男性の目、可愛いーと叫ぶ若い女性の声。その全てが私に注がれていた。笑って手を振らないといけない。何度も脳内でシミュレーションしたのに、硬直して動けなかった。 「緊張してるのかな?」「かわいい~」「すげー! ハーピーだー!」 人だかりの中に先輩がいた。反応しろとジェスチャーしている。私は懸命に作り笑いを浮かべながらおずおずと腕? を上げて翼を広げて見せた。おぉーっと声が上がる。スマホが連写され、私の緊張でカチコチになった痴態は多くの人々に届けられた。 (ううぅ~っ、は、恥ずかしいよ、やっぱダメ……) 私は顔が真っ赤になった。ただでさえ手足を鳥に改造されている上に、水着だけで半裸状態。そして檻の中に動物として展示されているときている。これでアイドル気取りする方が無理! 両目をつぶって背中を見せると、また可愛い~の声が上がり、耳まで赤くなってしまった。あ、あ、ダメやめてって。可愛いわけないじゃんこんな変態女が! 私が! しかし狭い檻の中に行き場はない。身を隠すものもない。中央に生えている木ぐらいだが、流石に成人した人間一人隠せるものでもない。ましてや両手が翼になった人間を。 恥じらいの表情を浮かべて檻の中をグルグルするのが精一杯だったものの、少なくとも不評にはならなかったらしい。女性は黄色い声を飛ばし、子供はキンキン声で何かを指示したり指さしたり、男性は鼻の下を伸ばしたり……。人生でこんなに注目された経験はなかった。どうしていいかわからず、用意していた演技は全て頭から吹っ飛び、私はんーんー唸りながら檻の中で右往左往するだけだった。 昼頃になっても人の波は収まらないどころか、ますます勢いが増していくようだった。何時間も変わらない状況のままどうしようもないでいると、流石に人間慣れてくる。勿論羞恥を感じなくなったわけではないけれど、朝よりは落ち着いて対応できだした。まあ、単なる開き直りもあるけど。 (ああぁ~、もうどうにもでなれーっ) 私は若干ピキりつつも口角を上げて柵に寄った。お客さんたちに手を振る。間違った翼だ。たったそれだけのことで皆が満足していくのが不思議であり、ちょっと爽快でもあった。私は今日何もしていない。動物たちの糞の掃除も、温度管理も、餌の手配も、何も。なのにお客さんはおろか職員の皆も頑張ってるねだの可愛いだのと満足気だ。動物として檻の中にいるだけで、生きてりゃ偉いモードになるらしい。釈然としないけど、楽っちゃ楽なのは否定しきれない。羞恥心さえ捨てられれば……捨てたら人として終わりな気がするけど……。 日頃、私が世話していた動物たちはどんな気持ちだったんだろうか、とふと考える。まさか自分が動物側に回る日が来ようとは夢にも思わなかったけど……。人間ってチョロいなあ、とか思ってたりしてたんだろうか。 しかし午後になると流石に疲れてきた。ずっと狭い檻の中で、どこにも行くことができず、大勢の人たちに面白おかしく見世物にされている自分が大層惨めに思えてきてしまって辛い。逃げ場もないし。休憩はお昼食べた時だけで、あとはずっと檻の中だ。 退屈と疲弊で私は作り笑いを浮かべることさえ困難になりつつあった。不機嫌そうな表情など見せまいと思っていたものの、実際厳しい……。人間に戻ったらもっと動物たちに寄り添ってあげよう。私はそう決意した。 怒涛の初日はようやく終わり、私は檻から出ることができた。 「お疲れー」「大変だったねー」「大丈夫ー?」「可愛かったよー」 口々に労いの言葉がかけられる。例によって先輩が反響を見せてきた。自分のハーピー姿、それも動物園で檻の中に展示されている姿が写真や動画で世界に出回ったという事実だけで耐えがたいものがあったけれど、可愛いという反応が相当に多くて、私は複雑な気持ちだった。こんなに可愛いなんて言われたことない……。 「ねっ、だから言ったでしょ、羽鳥さんなら絶対ウケるって」 「えっと、いや、それはー……」 「あっほらほらニヤけてるニヤけてる」 「ニヤけてません!」 私は翼をバサバサ上下させて否定した。 鳥コーナーがある建物の中に、私の控室……というか「家」がある。改造後はずっとここで暮らしている。私はツインベッドの中央に寝転がり、翼を広げてようやく心身ともに休息を得ることができた。 (あー……大変だったな……これがあとまだ……三か月近く? うわぁ) 軽々しく引き受けるべきじゃなかった。後悔はまだある。けど、正直言うと承認欲求が満たされたことも否定しきれない事実だった。私は間違いなくアイドルだった。何をしていても、いや何もしていなくても皆が褒めてくれる、満足してくれる、可愛い可愛いと言ってくれる……。いやまあでも続けたくはないけど! けど本当に可愛いのかなあ? 私なんかで。本当に? 鏡の前に立って、私は笑顔の練習をしてみたり、その場でターンしてみたり、中学生みたいなムーブをひとしきり行ったのち、ベッドの上で悶えた。 そうして私の新しい仕事がスタート。日中は檻の中で展示されているのが仕事。……それだけ。見世物にされている屈辱は消えないけど、同時にアイドル気取りできる楽しみもあった。だって何しても可愛いって言ってくれるし、お客さんたちの表情をみればそれが皮肉でもなんでもなく、本心から出ている言葉だともわかってしまうからだ。 一方的に褒められていると段々大胆になってくる。私は一週間ほどでニコニコ笑って応対できるようになりつつあった。話は禁止だからだいたいジェスチャーだけど。それも次第にこなれてきて、ラインがわかってきた。「うー」とか「んー」みたいな声なら出していいし、それで問題なさそうだった。私はむーむー言いながら笑顔で飛び跳ねたり、しゃがんだまま上目遣いで微笑みかけたりしながらハッピーちゃんのキャラを固めていった。時々ふっと、いい歳してこんな格好してこんな言動している自分を冷静に見てしまって死にたくなる時もあるけど……。 「ハッピーちゃん、ご飯の時間よー」 「んー」 昼休憩になると、飼育員に連れられて私は一旦自室に戻る。手がないので食べさせてもらうんだけど、まるで赤ちゃん扱いされているかのようでいい気持ちはしない。この時ばかりは相手も内心キモイと思ってるかもしれないし……。 「いつもすみません……」 と言いながら、私はあーんして口の中にスプーンを運んでもらっている。正直これは何とかしたい……。けどそれこそ動物のように口だけでかぶりつくのも気が引ける。食事の時間は強制的に「人間」に戻されてしまうがゆえに、少しずつ苦手な時間になっていった。檻の中で可愛いハッピーちゃんになっている方が気が楽になるなんて、最初の頃の私に言っても信じてもらえなかっただろうな。 最も、それを喜んで受け入れるべきじゃないことは頭ではわかってる。私が何もしなくても許されるのは、何しても可愛いと言ってもらえるのは、私が人間じゃなくなっているからだ。動物に人間並みの働きや自制を求め期待する人はいない。私はこの檻の中で、そういう扱いを受ける存在に身を落としているのだ。動物だから多くを求めない。動物だから可愛い。私、羽鳥陽子が人として可愛いわけじゃない。 でも、何も求められずただそこにいるだけで働いたことになり、何をしても可愛いと肯定されるこの空間は居心地が良かった。……いや当然、動物扱いされたくないという自尊心もある。恥ずかしいし屈辱的でもある。それでも次第に、私は段々動物扱いされる方がずっと楽だと感じ始めていた。 お客さんがいる時はハッピー呼びだけど、閉園後は羽鳥呼び……だったのはいつまでだったろう。いつの間にか、私は人間の立場に戻ったはずの時間でさえ「ハッピーちゃん」と呼ばれるようになっていた。 「お疲れハッピーちゃん」「またねーハッピーちゃん」 着替え終わって帰ろうとする先輩がしゃがんだ私の頭を撫でた。 「んっ」 もはや人……成人の言葉とも思えない返答を返してしまう。言霊とはよく言ったものだ。ファンタジー小説が真名とか何とか、名前に特別な意味をこめたのも今なら痛いほどよくわかる。オフの時間でもハッピーちゃんと呼ばれて世話すべきペット、飼育すべき動物みたいな接し方をされてしまうと、私のスイッチも壊れてしまう。普通に、本来の人間として振る舞うべき場面でも何となくハッピーちゃんモードで返してしまうのだ。ハーピーのハッピーちゃんと呼ばれてそう扱われていると、こっちとしてもそういう風に答えるのが自然な気がしてきてしまう。何となく自然にそうなってしまう。そして自己嫌悪と恥辱に襲われるのだけど、先方がそれで可愛いと言って満足してしまうがゆえに、何だか立ち振る舞いを直す機会が奪われてしまうのだ。 夜、自室に戻っていても、私はあまり人間らしい振る舞いはできなかった。両手が使えないからほとんど何もできないし、外出は禁止だし。ベッドに転がるだけだ。或いは子供や女性のファンレターが張られたコルクボードを見ては承認欲求を満たすか……。やることがなかった。いろんな合わせ技で「人間」でいる時間がすっかり減少し、私は次第にハッピーちゃんに人格を乗っ取られているかのような錯覚さえ感じることがあった。でもだからといってさあお仕事終わり羽鳥陽子に戻るぞ、ともならない。夜になっても人としてやるべきことがないからだ……。 契約期限が近づく三か月目。閉園後、いつものようにシャワーを浴びに歩いていた時、思いもよらない事件が起きた。ズズーンと大きな音と衝撃が走り、騒然とする声が聞こえてきた。ただ事じゃないと発生源に行ってみると、大きなトラックが園の壁を壊して檻まで破壊していた。異様な光景に一瞬何が起きたのかわからなかったけど、動物たちのけたたましい叫び声で事態を把握できた。トラックが園に突っ込んだのだ。そして檻がいくつか吹っ飛ばされている。え? 嘘? 死んだ……何匹か? いや職員も、だだだ大丈夫!? 「お、おいどうしたんだコレ、何があった!?」「わかりません、急にトラックが突っ込んできて……」「怪我人は?」「い、今……」 私は壊された檻に近づいた。動物がいない。あたりを見渡した瞬間、壊された壁から黒い影が園の外へ飛び出していくのを見た。やばい。脱走だ。 「な、何か逃げましたよー!」 近くにいた人に報告しながら、私は影を追って園の外に出た。……手がないのにどうやって捕まえる気だったのか、その時は頭が回ってなかった。外も瓦礫と野次馬、倒れた人で溢れ返していて、逃げた動物がどこに行ったのかわからなかった。 「あ、ハッピーちゃんだ」「本物だー」「救急車は?」「誰か警察呼んだ?」 人々が私に気づいたものの、流石にトラックと怪我人に注目する人の方が多く、そこまで注意をひかなかった。その時、人混みの一団が「おっ」「わっ」と声を上げて顔を下に向けた。いた。あれは……マヌルネコだ。逃がしたらだいぶ不味い。 「ちょ、ちょっとすいません、通してください」 いつ振りかわからない人間の言葉を発しながら、私は人混みをかきわけてマヌルネコを追った。あぁー、ほんとに飛べたらいいのになあ。飾り物の翼が邪魔で鬱陶しい。 動物園から離れた駐車場で、私は逃げたマヌルネコを見つけた。近づいたら逃げられるかなあ、どうしよ。 幸いこっちに背を向けていたので、私は慎重に抜き足差し足で忍び寄った。あと少し、というところで自分に手がないことを思い出した。 (あっ……どうしよう) どうやって捕まえればいいんだろう。アホか私は。しかも入れておくケージも箱もないのに。その瞬間、マヌルネコが振り向いた。 やばい。逃げられる。 咄嗟に私は翼をバサッと目いっぱい広げた。どうして、何の意味があってそんなことしたのかわからないけど、とにかく精一杯両腕を上げ、横に伸ばし、翼を張った。 そんな私の姿を見たマヌルネコは目を見開いて固まった。次の瞬間、私は右足を出し、四本の指でマヌルネコの体を挟み込んだ。無我夢中だった。手がないから足が出た。巨大な鳥の足に捕まったマヌルネコは逃れようと暴れた。私はネコが傷つかないよう祈りながら、ちょっと強く握りしめないといけなかった。 「あっあっ、待って大丈夫、大丈夫だから!」 悲鳴を上げてもがくマヌルネコと、それを捕らえるハーピー。人目を引いたのか気づけば周囲に人が多く立っていた。 「動物が逃げてるー」 子供が指さした。マヌルネコ以外にもいたのかと、私は指さした方向に振り向いた。塀があるだけで、特に何もいない。 「ホントだ―」「これ通報とかした方がよくない?」「どこに? 動物園?」「警察?」 「お騒がせしてすみません、逃げた動物は捕まえ……」 が、「動物が逃げてる」系の野次は中々やまない。マヌルネコは観念したのか大人しく私の右足に捕まっているのに。やがてマヌルネコの入れ物ではなく、さすまたを持った警官が二人現れて私にそれを向けた時、私は「逃げた動物」が自分であると悟り、マヌルネコを右足に捕らえたまま呆然となった。 パトカーで園に戻されると、私は盛大に物笑いの種となった。まさか警察に動物扱いされるだなんて思ってもみなかった。先輩によると、ハーピーが猫を捕食しようとしたとSNSで面白おかしく囃し立てられているらしい……。私は両翼で自分を隠しながらうずくまり、顔を上げることができなかった。 そして幸いにも職員とマヌルネコに大きな怪我はなかったようだ。けどネコ科の動物が数匹犠牲になってしまったらしい。大変なことになっちゃった。どうなるのかなあ、明日から……。 事故の原因は高齢者ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違えだった。多大な打撃を受けた園は、私に期間延長を申し入れた。今稼ぎ頭を失うわけにはいかない、と……。私は反対した。これ以上見世物になるのは御免だった。警察に動物扱いされたことは私にとって相当の衝撃だった。公権力に、つまり人間社会から公式に私は人間ではなく動物なのだと通告されてしまったような気がして、言葉にできないモヤモヤした感情がずっと胸の中を渦巻いている。 「ほ……他の人と交代すればいいじゃないですか、その予定だったでしょう!?」 しかし、誰も他の職員が手を上げないこと、先日の損害のために当面費用が厳しくなることなどから、結局私を人間に戻す改造は期限になっても行われなかった。当然抗議したものの、その抗議は通してもらえなかった。じゃあ辞めます、と言えないのが辛い。だって私の体はハーピーのままなんだから。契約や法律がどうであろうと、再改造を行わなければ人間生活に戻ることはできない。 不貞腐れながら、私は引き続きハッピーちゃんとして檻の中で過ごす日々に戻された。「狩りをする」「猫を食べる」という風評被害のせいで、今までとは異なりからかいや揶揄が増えたのも私の心を傷つけた。食べるわけないじゃん! 狩りなんかしないし! と叫びたくても、あんまり喋っちゃいけないことは変わらないので、私は苛々させられた。 やがて、思い切って芸にしてしまおうという企画がなされ、私はそれに駆り出された。嫌だったけど、檻の中で何もすることがなくからかわれる日々が続くよりはいい。三か月という期限も失われ、いつまでこうしていなければならないのかも不明瞭な今、とにかく変化が欲しかった。 新企画はずばり、私と猫に追いかけっこだ。開けた大きなスペースで「ハーピーの狩り」が開かれる。猫は可哀相だから嫌だといったものの、じゃあ他に何がいるかというと……。ネズミなんか触りたくないし早すぎるし。結局ネットの弄りに迎合する形で、私は数匹の猫と鬼ごっこをする羽目になった。 「ハッピーちゃんの登場です! みんな拍手ー!」 スペースに私が入場すると、声援が湧いた。私を応援する人、猫を応援する人、様々だ。 「今日は何匹捕まえられるかな? それでは用意……スタート!」 私は猫を追って広いスペースの中を走り回った。役に立たない翼をバサバサ上下させながら猫を追い回す滑稽で不器用な姿はさぞかし愉快なショーだろう……。私は昔から運動神経良くなかったし、ただ人造細胞でハーピーの見た目を再現しているだけで、狩りの経験も本能もあるわけない。ほぼ毎回狩りは失敗し、私は猫に振り回されてヘトヘト。体力が切れて座り込んだ私の頭に猫が勝利宣言するかのように乗っかる光景は非常にウケた。 たまに捕獲成功すると大歓声だった。 「やったね」「おめでとー」「野生に帰れるな!」……等々。野生に帰るってなに? 私、人間なんですけど!? ガラスの向こうから私を見下ろすお客さんたちが恨めしかった。皆私を動物だと……ナチュラルに自分たちより劣る低俗な存在だと思ってる。その傲慢が腹立たしかった。あんたらの半分より勉強できたんですけど!? ……多分。 ともあれ、終わった後に猫と戯れる時間も設けたおかげで、「猫を食べる」系の弄りはだいぶ下火になりつつあった。代わりに「猫狩りハーピー」の二つ名を戴くことに。良かったのか悪かったのか……。 そんな生活を続けているうちに、改造から半年が経過していた。このままじゃハーピーのまま動物園で年越しだ。私は周囲の同僚たちにも頭を下げて頼み込み、遂にようやく再改造の約束を取り付けることに成功した。それにはある条件が一つ。初代リアルハッピーとして、次代のハッピーちゃんを先輩として育成することだ。 一時はトラック事故で落ち込んだものの、トータルでは私の存在で来客数は大幅に増加、グッズの売り上げも好調、ということでようやく人間ベースではない本物のハーピーを一から作る目途がついたのだ。……最も来年のことだから、結局私はハーピーとして一人寂しく動物園の年越しだけれど……。 それでも期限がハッキリしたのは嬉しい知らせだった。それまで頑張れば人間に戻れる。その希望を胸に私はハッピーちゃんを演じ続けた。園も園で今のうちに稼げるだけ稼ごうと、私にいろんな企画を振ってきた。園内放し飼いday、広場で触れ合いタイム、テレビ出演等々……。もうすぐ戻れるという確約があるおかげで、最後の数か月は割と楽しんで過ごすことができた。アイドルみたいな企画ばかりだったし。 一月下旬、私は研究室に戻された。再改造はまだ先だ。そこで私は自分の後輩、二代目ハッピーちゃんとご対面。一目見た瞬間ゾッとしてしまった。私だったからだ。 「ど、どういうことですか?」 「だってデザイン変えたらグッズとか支障が出るだろう」 で、デザインて……。肖像権とかないの? 私の顔とスタイルをした人造生物が今後もこの動物園で飼われ続けるだなんて、侮辱にもほどがある。しかも……。 彼女は私を見るなり顔を輝かせて頬っぺたをスリスリしてきた。見た目成人なのに行動が幼過ぎて生理的にきつかった。そして私が今までずっとこんな風だったのかと思うと今すぐ自害したくなってしまった。マジに。 ま、まあとにかくこれでようやく人間に戻れるんだ。とりあえずはそれで良しとしよう。しばらく研究室で二人一緒に過ごし、私はハッピーちゃんの立ち振る舞いを彼女に教えた。教えると言ってもあまり言葉は理解しないので、目の前でハッピーちゃんとして可愛く振る舞い、真似させるというやり方だ。私が人間だと知る人たちしかいない空間でぶりっ子をやるのは死ぬほどきつかった。目の前で再現されるもんだから尚更だ。自分の顔した女が目の前でアニメ級のぶりっ子を全身でやってくるのだから悍ましい。そしてこれからずっとこれがお客さんたちの前で行われ続けるのかと思うと……。 最終日、私の堪忍袋の緒が切れた。 「ごめんなさい本当に無理です、勘弁してください」 私は土下座して彼女のリデザインを要求した。私ベースでもいいけれど、そのまんまは困る、と。勿論よけいなお金がかかるし、時間も伸びる。私はそれ全て込みで頼み込んだ。じゃあ一体誰がそれを補填するのか、その問いに私は……。 「私が稼ぎます。伸びた分私が続けます!」 二月。私はいつも通り檻の中でハッピーちゃんでいる。中旬には新しい顔の設計と改造が終わる。それまで私は予定より長くハッピーちゃんを続けることとなった。無茶を通した分、いつもより真面目……つまり、あざとく可愛らしく。 「ハッピーちゃーん!」 女の子の呼びかけに、私はしゃがんだまま柵の真ん前まで近づき、「んっ」と声を出して微笑んだ。……いつものことのはずなのに、死にたくなるほどいたたまれない。目の前で再現されたのがずっと頭にこびりついて離れないせいだろう。でも、だからこそ、だからこそだ。これから永遠にあんな恥を晒され続けるなんて死んでも御免。人間に戻っても二度と表歩けない。……でも自分の顔で媚び媚び言動させるのを封じるために自分自身でその言動を続けるのっておかしくない……? で、でもこうするしかないし。 ある日、フードとだぶだぶのコートに包まれた変なお客さんが檻の前に姿を現した。私にはそれが二代目ハッピーちゃんだとすぐにわかった。研究所のスタッフ二人で正体がバレないよう抑えながら連れている。三人が檻の目の前までやってきた。スタッフは小声で私に囁いた。 「実際の現場も見せておいた方がいいと思いまして」 確かに。ハッピーちゃんの学習にはそれができれば一番いいだろう。でも……。ハッピーちゃんと目が合った。可愛らしく愛くるしい顔つきになっている。私を若返らせて美化したような印象だ。これならまあぶりっ子してても似合う……かな? 檻の中に入れて見世物にするためだけに作られたはずの存在が今、人間たちに混じって通路側に立っている。そして私は……人間のはずの私は檻の中だ。おかしい……何かがおかしい。この一年近くで味わったことのない気持ち悪い感情が生まれた。胸の奥がグルグルと攪乱されるようで、吐き気にも似ていた。 「じゃ、これで……中々大人しくさせておくのも大変で」 (ま、待って……) 声にならない声は喉から先に出ていくことはなく、三人は数分も経たないうちに檻の前から立ち去った。 早く……早くここから出たい。人間に戻りたい。通路側に……柵の向こうに立ちたい。過去一番、そう思った。可愛らしく首をかしげて、お客さんに愛想を振りまきながら。

Comments

Anonymous

スーッ……(※語彙力消失オタク)

Gator

本当に面白く読んだ"ある人魚の話"と同じ世界観の話ですね。 個人的にも執筆してみたい魅力的な素材だと思います。 主人公がみんなに人間ではなく動物として扱われる部分はいつも興奮させます。 また、合間に大きな選択をする部分も共感できる展開で素敵だと思います。 女性が主人公のR-18小説の長所は主人公の繊細な心理描写だと思います。 今回では特にそのような主人公の感情変化と考えがリアルに近づいてきて特に良かったです。 いつも小説を楽しく読んでいます。 ありがとうございます。(translated)

Anonymous

すごくよかったです!二代目との対比が好きです!

opq

コメントありがとうございます。気に入っていただけたなら良かったです。

opq

感想ありがとうございます。そのように褒めていただけると書いた甲斐がありますね。

opq

どうもありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりです。