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 カミシロ様。

 それは十八年に一度、この島の男から選ばれる神様の代理人だ。学業、スポーツ、芸術。なんでもいいが最も大きなことを成し遂げた男は神様の加護――いや、神様の代理人であるからこのような功績を成し遂げたのだと祀られる。具体的に言えば神様への捧げものとして島民の身体を好きにできるし、島民はそれを栄誉と思わなければならない。

 

 狂った伝統。歪んだ信仰。こんなものが現代でも続いているなんて信じられない。

 あの頃のはそう思っていた。自分の代でこんな因習は終わらせてしまおう。こんなものが続いていては島の恥だ。最近では観光客も多く来るようになったのに、こんな伝統の存在がばれては逆に人が減ってしまう。

 

 自分がカミシロ様に選ばれても、その考えは変わらなかった。むしろこの伝統を無理やりに終わらせるチャンスだと鼻息を荒くしていたものだ。

 

 カミシロ様。その真実を知るまでは。

 

 ***


 大槌さんの家を出るころには月灯りが道を照らしていた。山道を下りながら視線を海へと移す。遠くの海面に、イカ釣りの灯りが煌々としていた。

 静かな夜だった。そよぐ風は蒸し暑い空気を和らげてくれて、木々の間からはフクロウの鳴き声がした。

 

 この島は昼と夜で顔がまるきり違う。生命に満ち溢れたような昼と生きている人が僕だけのような静謐とした夜。

 

 僕はこの島が好きだ。

 きっと、都会みたいになんでもあるわけではないけど。何もかもが綺麗で、僕のものになってなんでもしてくれる人たちがいる。先生や大槌さんは何度も抱いて、欲情をぶつけても拒まずに受け入れてくれた。

 ここにいればきっと僕の欲しいものは、ぜんぶ。一番欲しい義父さんの心以外は手に入るのだろう。

 

 それが、カミシロ様に選ばれた褒美なのだろうか。

 年寄りしか信じていないような馬鹿げた伝統だと思っていたけれど、僕がカミシロ様の望みだといえばみんななんでも願いを聞いてくれる。僕が好き勝手に雄を抱いても誰も咎めない。自分たちの棟梁を潮噴きするまで抱いても、大槌さんの部下たちは何も言わずに悔しそうにしているだけだった。人前で先生の尻を揉んだり、キスをせがんでも誰も気に止めない。僕の行いに口を挟んでくるのは義父さんぐらいだ。

 カミシロ様とはそんなにも大事な存在なのだろうか。でも、僕はくだらない言い伝えとしか思っていなかった。

 

 子どもが知らないだけなのかな。クラスメイトだってカミシロ様のことを『アホみたいな伝統』とまで言ってたし。僕が義父さんと同じくらいの男に声をかけることが多かったけど、同い歳ぐらいのやつに声をかけたら何を馬鹿なことをって拒まれるのかもしれない。

 僕が抱いた中で一番若かったのは、大学生のトカゲだったはず。あいつも馬鹿っぽかったし迷信を根拠なく信じこんでいた可能性はある。

 聞くなら良く知っているクラスメイトかな。

 

「明日、あいつにカミシロ様の命令してみようかな……」


 爆笑するのか、怒るのか。いつもうるさい虎の顔を思い浮かべていると頬が緩んだ。

 その夜はとても静かだった。島民たちの多くは寝静まっている時間帯だ。ただでさえ車なんてほとんど通らない山道だ。呆けながら道の真ん中を歩いている僕は、木立を縫うように近づいてくるヘッドライトに気づかなかった。

 

「おーい、少年!きみ、この島の子だよな!」


 月が雲に入り暗闇が濃くなる。それを裂くように車のヘッドライトの明るさが際立つ。

 ヘッドライトに目を眩ませながら車を見やると、闇に溶けそうな黒と浮きだつ白を纏った男がドアを開くところだった。

 

「良かった。こんな時間だし誰にも会えないかと思った」


 車から降りてきた男を見て息を呑んだ。

 大胸筋がはみ出してしまうぴちぴちのタンクトップに、太もものほとんどが剥き出しになっているハーフパンツ。

 身体を隠す気の感じられない服装だが、無理も無いだろう。車から降りてきたシャチの男は隠すことが犯罪になるような素晴らしい身体をしていた。

 

「少年。島の子だよな?ちょっと話させてくれないかな」


 筋肉の鎧を纏っている点は同じだが、先生や大槌さんのような脂の乗りは感じられなかった。だが、その瑞々しさが夜目にもはっきりと見て取れるようだった。

 ビロードのような黒の肌はわずかな光を艶めかしく照り返しており、朝露で濡れた果実のような生命力があった。

 ごくり、と喉を鳴らして応えた。

 

「僕、ですか」

「きみ以外に誰もいないじゃないか。あ、怪しい者じゃないから緊張しなくていいよ」


 そしてにかっと笑うと、思いのほか愛嬌があった。

 太い、と言って良い身体の分厚さなのにどこかしなやかさがあった。尻肉も、タンクトップを内側から膨らませている肉乳の大きさも見事だったが淫らさよりも健康的な美しさが匂う。

 

 戸惑っていると肩にかけていたバッグからスマホを取り出して、僕へと向けた。

 そこに映っていたのは僕の良く知っている人。

 

「おれ、記者をしている湊(みなと)って言うんだ。この人の事、知らないかな?」


 大理石を削りだしたような筋肉に、精悍な顔つき。

 薄緑の鱗を纏った、生きた芸術品のように美しい竜。

 僕がその人を知らないはずは無かった。

 

「――いえ、知らないです。湊さんは、どうしてその人を探してるんですか?」


 でも、僕は嘘を吐いてしまった。

 きっと怖かったのだ。

 得体の知れない男に恐怖したのではない。きっとそれは予感に近い。

 この男に話せば、何かが変わってしまう気がしたのだ。

 僕の大事な何か。失いたくないもの。それらが全部、ひっくり返ってしまいそうな気がして。

 

 僕の義父さんの事を、この男に教えることができなかったんだ。

 

 ***

 

「いやぁ、良い島だよねえここ。海がきれいだし、空気も美味しいし」

「田舎って言ってるふうにも聞こえますけど」

「あはは!実際田舎だしね。でも良い島ってのは本当だよ。仕事じゃなくってバカンスで来たかったよ、ホント」


 ハンドルを握りながら湊さんはからからと笑った。

 僕は湊さんの車の助手席にいた。山道を進む車はクーラーで快適だったけれど、僕の背中には嫌な汗が滲んでいた。


「ねえ、さっきの話だけどさ」

「は、はい……」

「名前も聞いたことないかな?アメフト部のエースでさ、テレビに出たりもしたんだけど」


 ハンドルを巧みに操りながらもう一度問いただしてくる。

 さっき教えてもらった義父さんの名前。だいぶ若いころの写真。

 僕は義父さんの事なら何でも知っている。匂いだって、身体の硬いところと柔らかいところ。好きなもの、嫌いなもの。なんでもだ。

 でも、僕はもう一度同じ答えを返す。

 

「知らない、です」

「ンー、そっかぁ。若い子は知らないかもね。十七……いや、十八年だったかな?そのぐらい行方不明だし」


 その言葉に僕はシャツのすそを握りしめた。

 湊さんは『ドライブのついでに家まで送ってあげると』言ってくれたけど僕が助手席に座った理由は義父さんのせいだ。

 義父さんの事を教えたくないと思っているはずなのに、義父さんについて知りたくていてもたってもいられなかった。

 このままついていけば僕が義父さんの息子だってばれてしまうのかもしれないけど、でも……

 

「当時はお茶の間のスターみたいになっててさ。あの頃は毎朝ニュースに流れてたんだよ。おれもショックだったなぁ」

「そんなにすごい人だったんですか。スポーツ選手って、サッカーとか野球をやってる人ばっか有名だと思ってました」

「ま、顔も良かったし愛想も良かったからねぇ。それに、嫌な噂もあって――」


 そこまで言ってから港さんは『しまった』って顔で口を閉じてしまった。

 嫌な噂?義父さんに?

 動揺を抑えようと努力してみたが、笑顔が引き攣らないようにするのが精いっぱいだった。

 

「えーっと。嫌な噂ってなんですか?犯罪とか?」

「あー、いや。そんな大したもんじゃないよ。あれだよ。その人、失踪直前にこの島に帰ってたんだよ。地元だからって」

「へー、そうなんですね。こんな小さい島出身の有名人がいたんですね」


 そんな情報とっくに知っているが、僕が話を合わせてやると湊さんは安心したように口を滑らかに動かし始めた。

 嫌な噂は気になるが、僕がこれ以上問い詰めたところではぐらかされるだけだろう。適当に相槌を打つと、湊さんは安堵したように話を続けた。

 

「地元に帰ってから急に失踪ってさぁ。この島に何かあると思うじゃない?怪しげな儀式とか因習とかさ」

「何ですか、B級映画じゃあるまいし」

「ばかばかしいよねぇ。この島、そういう伝統行事とかないの?」


 小さい目からは知っていてとぼけているような気配は感じられなかった。そもそも、カミシロさまなんて湊さんが知っているわけもないか。こんな小さな島の伝統で、生贄を捧げているわけでもないのだ。

 島の好きな男とセックスできますよなんて言えるわけもないので、肝心な部分――僕がカミシロ様に選ばれたことやなんでも言うことを聞かせることができる事なんかを――ぼかした説明をすると湊さんは楽しげに目を真っ赤な舌をのぞかせた。

 

「へえぇ、一番優秀な人からカミシロ様を選ぶんだ。十八年に一度しか選ばれないって、それだけ長いスパンが空くのはそうそう無いんじゃないかな」

「やっぱりそうなんですか?僕もこれだけ長いのはなんでだろうって思ってましたけど」

「新年に競争をして、寺に一番早く着いた人が神様に選ばれる……なんて行事はあるけどね。そこまで長いのは僕も聞いたことがないなあ」

「湊さんはカミシロ様については何も知らなかったんですか?この島の大人はみんな知ってるみたいだし、外でもちょっとは有名かと」

「ん、おれもこの島については調べてみたんだけどさぁ。カミシロ様なんて名前は出なかったなー」


 三流のライターだし資料の当たり方が下手だったのかもね。

 やっぱり、カミシロ様なんて伝統はこの島の大人しか知信じていないものなんだ。島の外に住んでいる人は存在すら知らない。どうやってかは知らないけれど、大人になったらみんなカミシロ様について教えられるのかもしれない。

 僕だってカミシロ様に選ばれたときに年寄りたちから呼びつけられたし。

 

「この島でも大人しか信じてないからと思いますよ。たぶん、子どもはみんなバカバカしいって思ってます」

「そなの?まあ、十何年に一度じゃ子どもは実感湧かないよね」


 そして湊さんはまた笑った。目が小さくて表情が分かりにくいのに、声やリアクションが大きくて見ていて楽しい人だ。

 それに、とタンクトップを押し上げる大胸筋の隆起に視線をやる。ルポライターだと言っていたが、スポーツもやっているのだろうか。その盛り上がりは実に見事で、車の振動で微かに震えるさまは弾力と柔らかさにも富んでいることをうかがわせる。

 

「なんだよ、男の胸になんか興味があるのかい?」

「あっ、そ、そんなことないです。ただ……」

「ただ、なんだってんだい。ドライブに付き合ってくれたし、見るぐらいなら好きにしていいけどね」


 湊さんは僕を挑発するように足を動かしてみせた。剥き出しの太ももは見事に発達しており、筋肉と血管が浮かんだ脚は丸太のように太い。

 思わず視線をやってしまったが、湊さんは怒っている様子は無かった。こんな身体をしているし見られることにも慣れているのかもしれない。

 

「小さい島だと相手を探すのにも苦労しそうだよね。すぐ噂になって」

「えーと、まあ、そうですね」

「人の身体をジロジロ見てたくせに、恥ずかしがるなよ。若いなら仕方ないって」


 くすくすと笑われるが言い訳も反論もできなかった。実際、僕のズボンの中では性欲がむくむくと大きくなっていたからだ。

 それに、口を開く前に窓の外から見える景色に気が付いた。ぐねぐねと曲がる山道は、いつも家から街へ降りるときの道だ。島を回っていた車は僕の家へと近づいてきていた。いつの間にか時間が経っていたらしい。

 

「ここで合ってるよね?他に道も無かったし、辺りには家も無いし」

「そうですね、ここであってます」


 義父さんのことを聞き出せなかったな、と思いつつも心は浮かれていた。人懐っこいシャチとの会話と、雄の色気に満ちた身体は僕に元気を与えてくれたらしい。

 湊さんにお礼を言いつつ家を眺めてみるとまだ電気が灯っていた。義父さんはまだ起きているのか、と浮かんだ心がまた重くなる。

 

「暗い顔してどうしたんだい?門限を破って怒られそうだとか?」

「高校生にもなって門限とかありませんよ。ただ、ちょっと喧嘩してるというか……」

「あー、高校生ってそんなもんだよね。親とうまくいかない時期ってみんなあるよ」


 たぶん湊さんが想像しているものとは違う。義父さんとセックスしたいけど、できなくて苛ついているなんて言っても信じてはもらえないだろう。しかも義父さんは湊さんが探し求めている当人なのだ。

 僕が曖昧な笑みで誤魔化していると、湊さんはもう一度車のエンジンをかけた。

 

「しんどいなら、もうちょいドライブしようか?きみの家族が寝ちゃうまで」

「それは助かりますけど、でも」

「いいって。ついでに取材を手伝ってよ。きみの言ってたカミシロ様のさ」


 僕を安心させるようにもう一度微笑まれて、僕は助手席へと座りなおした。

 湊さんが思ってるような深刻なものじゃないんだけど、まあいいか。義父さんと顔を合わせたくないのは本当だし、この美味そうな身体をしたシャチともう少しドライブを楽しんでみたかった。

 

「じゃあもうちょっとだけ。ありがとうございます、湊さん」

「いいよいいよ。カミシロ様ってのも面白そうだしさ。詳しく知りたくって」


 だったら、教えてあげてもいいか。

 信じてくれる気はしないけど。いや、結構フランクだし遊び慣れてそうな気もするしすんなり受け入れてくれるかもしれない。

 

「じゃあ、さっきは隠してたこと教えてあげます。カミシロさまって選ばれると良いこと、っていうか特権があるんですよ」

「やっぱなんか隠してたんだ。なになに?教えてよ」

「カミシロ様って選ばれると島の人たちに命令できるんですよ。えーっと……」


 いつものようにしてみせようと、僕はジーンズのポケットから赤い布切れを取り出した。最近では、好みの男にいつ出会っても良いように予備の赤褌を持ち歩いてるんだ。

 湊さんは突然取り出された赤い布切れを見て怪訝そうな顔をしている。真顔の相手にセックスしろって言うのは恥ずかしいな。ちょっとだけ誤魔化そう。

 

「えーっと、こうやって赤褌を出してお願いするんですよ。カミシロ様の命令です、僕の恋人になりなさい。とか。そうすると島民は言うことを聞かなきゃいけないんです」


 セックスしろってお願いをしているなんて言うのはさすがに恥ずかしくって。ほんの少しだけ誤魔化して伝えたカミシロ様の特権。

 なんだよそれ、と笑われるかと覚悟して湊さんの顔がどう変わるか視線を向けた。

 

 でも、そこにいたのは僕の予想していたどんな表情とも違っていた。

 

「あ、ああぁ……。あ、おぉ、ああぁ」


 懐っこい笑みを浮かべていたシャチは、唾液を垂らして呻いていた。

 腕をだらりと下げて、力はが漲っていた身体を弛緩させたまま虚ろな表情で僕を見つめ返している。


「みなと、さん……?」

「ウ゛ぁ、あああぁ」


 僕の言葉にびくりと身体を反応させたが、言葉はかえってこない。ただ、小さな目を見開いたまま意味を持たない声を喉から搾りだすだけだ。

 それは苦悶の叫びのような。助けを求めているような。何かを必死に伝えようとしているような濁った声が車の中に響く。

 

 びく、びくと身体を痙攣させる姿は中学でやったカエルの解剖を思わせた。生きるために必要な部分を切除されていくのに、反射で身体が震えるあの哀れなカエルのように筋肉を震わせている。

 

「ああっ、あああぁぁ……」


 だが、呻き声も哀れな痙攣運動も唐突に終わった。最後に身体をぶるりと震わせた湊さんは、全身を汗で濡れ照からせて微笑んだ。

 その笑顔はつい先ほどの朗らかで快活な笑みとはまるで違うもの。淫靡で、どこか退廃的な――瑞々しく健康的な男の魅力とはかけ離れた情夫のような笑みだった。

 

「ふ、んうぅ。ごめんな、トモくん。ちょっと暑さでぼうっとしちゃってたよ」

「で、でも。今のって絶対普通じゃなかったですよ。どうしたんですか、一体――」


 とろり、と零れ落ちそうな笑顔だった。

 ごつい手のひらが僕の腕をつかみ取ると、ある場所へと導かれる。ハーフパンツの中央――初対面の人間に触れさせて良い場所ではないところへと僕の指先が押し当てられる。

 湊さんの股間は恐ろしく熱く、布地ごしに粘液がねばつくような感触がした。ぐちゅりと布地が擦れると水音が響く。

 

「み、湊さんっ!?何を」

「んんんぅ❤ここでオマンコほじって欲しいけど、レンタカーを駄目にしちゃうよな❤❤どっか、適当なところで降りようか❤」


 鋭い牙が生えそろった口から吐き掛けられる生臭い吐息。その顔は捕食者であり被捕食者のそれであり、何を求めているのかを理解できてしまう。

 ハーフパンツを腰からずり降ろすと、現れたのは腰と尻に良く食い込む豹柄ぼビキニだった。さきほどまでの爽やかな男ぶりならばギャップで興奮を煽っただろう。今はその情夫じみた所作に実に合っており、アイスクリームの上に垂らした熱いチョコレートのようにその魅力を引き立てていた。

 

「ホテルまで待てないし、いいよな❤たまには外で、な❤❤」


 ビキニに大きなシミを作りながら囁くシャチは明らかに異常だった。

 言動も性格も数分前とは何もかもが違う。僕の股間を撫でまわす手つきを撫でまわしては、腰をへこへこと浮かしている。

 だが、僕はシャチを問い詰めることも逃げることもせず車が走り出すまで助手席に座ったままだった。

 

 湊さんの淫らさは抗えない、というのもあったけれど見てしまったからだ。

 

 家の窓からこちらを見つめている義父さんの姿を。

 

 

 ***

 

「へえ、良い景色じゃないか。こんなところでセックスとか、バチが当たりそうだね❤❤」


 車を走らせてから10分も経たずに頂上へとついた。展望台兼公園のようになっており、ベンチや公衆トイレも設定されている。さすがに人の姿は見えないが、ランニングコースとしても使われておりいつ誰が来てもおかしくはない場所だ。

 

 ここに来るまでのドライブは短いようで、湊さんの身体で挑発されながらの時間は恐ろしく長く感じられた。運転の間も下半身を豹柄のビキニだけで隠し、汗と愛液の匂いをプンプンとさせて僕を煽っていたのだ。僕のハ-フパンツも抑えきれないぐらいに膨らんでいた。

 

 湊さんはそれに満足そうな笑みを浮かべ、ビキニ姿のまま車から降りる。

 昼間には観光地として多くの人が訪れる山の頂は、三百六十度の展望を楽しめるし森に囲まれているおかげで空気が清浄に感じられる。

 年寄りは山を聖なる場所として考えていて、いたずらでもすればこっぴどく叱られた。そんな場所で、僕はセックスをしようとしているんだ。明らかに様子がおかしいこのシャチと。

 

「ほら……早く降りてきなって❤おれも待ちきれないからさ❤❤」

「湊さん、あの」

「外でするのが怖いのかい❤❤しょうがないなぁ……❤」


 性欲がせかしていても、この異常な状況に理性が歯止めをかけている。

 それに焦れたように尻尾を動かすと、湊さんはビキニへと指を引っかけた。この、いつ誰が来るかも分からない場所で。

 

「ほら、おれは待ちきれなくてこんなになってるんだ❤❤いつもみたいにしてくれよ❤」


 僕に向かってでかい尻を揺すってみせると、片手で尻たぶを割り開いた。豹柄のビキニが食い込んた谷間では股間と同じように愛液がねばついており、街灯を反射して宵闇の中で光っていた。

 先生の尻と比べると脂がのっているが、大槌さんと比べると引き締まっている丸々とした尻肉。谷間の中央ではビキニで隠しきれない発達した肛門がひくついている。それはキスをせがんでいるようで、僕の股間へと熱が流れ込んでいく。

 

「その気になってきたかい❤見られるのだって嫌いじゃないもんな、トモ君は❤❤」


 ゆったりと腰を回しながら、湊さんはビキニを脱ぎ下ろしていく。

 白と黒に映える下品な豹柄は大樹のような腰から滑り落ちていき、わざとらしくデカ尻に引っかかって優美な円形の形を歪める。

 べっとりと粘液の柱を立てながら股間から布地が剥がれると、入口を開いたスリットから粘液な雨が地面へと落ちた。

 

 ぼるんっ!と弾む音を立てそうな尻肉を揺すりながらビキニを脱ぎ下ろしていき、最後には足首へと引っかけたそれを躊躇いもなく投げ捨てる。

 

「ほら、どこでヤろうか❤車に手をついたままバックってのはどうだい?❤❤それとも森の中がいいかな❤❤どっちでも楽しめそうじゃないか❤」


 そして、これ見よがしに身をかがめると肉風船のような尻肉を両手で割り開いてみせる。準備はいつでもできていると真っ赤な淫部を見せつける。下半身にスニーカーだけを身に着けたままの逞しい雄が、尻を突きつけて交尾をせかしている。タンクトップを貼り付けた上半身は相も変わらず男らしさを誇示しているせいで、下半身が殊更にいやらしく感じられる。

 

 こんなものを見せられたら理性が耐えられるわけもなく、震える指先を公衆トイレへと向ける。


「ああ、そこがいいのかい❤せっかくだし外がいいんだけど、まあいいさ❤❤」


 歩きながら、色彩も感触もビロードのような手が指を絡めてくる。

 僕の手汗と湊さんの手汗が混じりあっていくが不快感は無く、興奮を助長する。

 身体を寄せるとより強く湊さんの匂いを感じ取れる。若々しい汗の香り。それに混じる性器の濃い雌の匂い。僕が顔を見上げると目を潤ませて見つめ返す。薄明りに染まるだらしなく緩んだ顔。それは先生や大槌さんとも違う熱っぽさを帯びており、蕩けたまなざしからは錯覚ではない情愛を感じられた。

 

「なあ……❤キスしていいかな❤❤」

「ま、待ってください。ここじゃまずいです、中で」

「我慢できないんだよ❤❤ちょっとだけだから、いいだろトモくん❤」


 静止する間もなく、シャチの肉厚な舌が口内へと侵入してきた。

 海の狩猟者に相応しい肉食の舌は口内をたやすく埋め尽くし、口のあらゆる場所を舐め回してくる。反射的に舌肉を噛んで唾液を啜り上げると、太い両腕を背中へ回される。

 僕が舌をひっこめようと舌は追いすがり、経験をそのまま表したような技巧で僕の舌を絡めとり、擦り合わせ、吸い上げてくる。

 

「んっんっんうぅうぅぅぅ~~❤❤❤」


 やかましい喘ぎ声が静けさに満ちた公衆トイレに響くが、声を上げたいのは僕の方だ。崩れ落ちそうになる身体を無理やり抱きかかえられたまま、下品に唾液を啜り上げられる。肉がぱんぱんに詰まった尻肉を痙攣させた湊さんはキスの間も僕を見つめ続けたままで、下腹部をちんぽへと押し付けてきていた。

 逃がすまいと抱きすくめられたまま唇を貪られ続けるのは、レイプでもされているみたいで被虐的な悦びに火が灯る。カミシロ様になってから数えきれない雄を抱いてきたが、あくまで僕が犯す立場でありレイプまがいに交尾を催促されるなんて初めての経験だった。

 

 湊さんは僕の手を掴んで、自分の背中へと誘導する。汗で貼り付いたタンクトップに滑り込ませると、濡れて滑らかさを増した背筋を感じとれる。目で確かめるまでもなく形が分かるほど発達した背筋は山脈のようで、それを指でまさぐっているとしゃぶりついている舌が痙攣した。

 そのまま両手を下ろしていくと、そこにあるのはスイカみたいに大きくてビーチボールみたいな弾力のある双丘。鷲掴みにしようとして肉が溢れてしまうでかい尻が、交尾を求めて揺れていた。

 

「ちゅ❤ぅうん❤❤うぅあ❤あ゛っ❤んおぉおぉ❤」


 谷間へと指を潜り込ませると喘ぎ声が濁り始めた。濡れそぼったそこを軽く撫でてやると歓喜に蠢いて中まできてくれと指先に吸い付いてくる。

 谷間は既にねとねとした愛液にまみれていて、蜘蛛の巣に絡め取られたように指に愛液の糸が巻き付く。

 つんつん、とつつくアナルは既に準備万端で。僕が抱きたいと思った男が例外なくマンコが開発されていたが、島の外から来たこの人すらもアナルを使い込んでいる事には驚かずにはいられなかった。

 

 上も下の口ももっと激しい快感を求めており、舌をじゅるじゅると吸いながらアナルをほじられて、湊さんは鼻を激しく鳴らした。

 準備はできている。僕のちんぽも下腹部でずりずりと擦られて我慢がきかなくなっている。公衆トイレだろうと構わない。すぐにちんぽをぶちこみたい。

 

「んっはぁ❤❤ま、待ってくれ❤」


 けれど僕を静止したのはさきほどまでちんぽを求めていた湊さん本人だった。今さら臆したわけではないことは分かっている。舌先をネトネトと擦り合わせながら尻を揺すっているんだ。ちんぽを欲していることは自明の理。

 湊さんはもどかしそうに僕の手を取ると、公衆トイレの一番奥の個室へと連れ込んだ。

 

 3つある個室は幸いにも全て空いており、清掃がきちんとされているせいか匂いもさほどしなかった。だが、熱気が籠るコンクリート造りのトイレの中だ。そこに巨漢の雄と一緒に入るとたちまち熱気と雄臭さで満たされて、酸素が瞬く間に薄くなる。

 

「なあ、トモくん❤オマンコ舐めてくれよ❤❤いつもみたいにクンニして、おちんぽ欲しくなってドロドロになるまでオマンコしゃぶってくれよぉ❤キスしたいってオマンコが泣いてるんだ❤❤」


 個室へ連れ込んだ理由は、当然ながら羞恥心ではなかった。オマンコを舐めやすいように僕を便座へと座らせてから、顔の正面に愛液を噴きこぼしているたてわれを突きつける。


「はやくぅ❤潮噴くまでクンニしてくれたら、トモくんのおちんぽもいっぱい気持ち良くしてやるからさ❤いいだろぉ❤❤❤」


 薄っすらと黒くなった線は入口を緩ませて、内部の赤黒い肉までも見えていた。この夏から多くのスリットを舐めしゃぶって、指でほじってきたが湊さんのそれはより使い込まれているように見えた。僕の鼻息が当たるとぶしゃっと小さく汁を吐いて、ナマコやホヤみたいな海の生き物のように蠢いている。

 

「分かりました、湊さんのオマンコぐちょぐちょになるまで舐めてあげますね」

「舐めて舐めてえええぇぇ❤❤❤オマンコ汁吸ってぇ❤❤舌おちんぽでイキ狂わせてぇえぇん❤❤❤」


 言いなりになってスリットへと舌を伸ばしたのは、湊さんの淫らな肉体に心惹かれたというのが大きな理由だが、その貪欲で欲望に忠実な態度が新鮮だったのもある。カミシロ様として命令すればどんな雄でも股を開くが、あくまで僕に従い奉仕する立場であり、こうしておねだりをしてくることは少なかった。

 本当の恋人のように愛撫を求めてくる湊さんが可愛らしく、僕は両指をたてわれの両サイドへと添える。

 

「あ、ああぅ❤❤」


 僕たちの吐息はヤカンの蒸気みたいに熱い。鼻先を潮臭いたてわれへと潜り込ませ、肉襞を押し広げる。舌先を浅く差し込んで、肉厚な入口と粘膜を舐ってやった。ふと真上を見上げるとタンクトップを雄っぱいに引っかけているのが目に入った。下を向いた乳首と舌を垂らして湊さんの顔は欲望を加速させる。

 ケツマンコとは違う質感の肉襞は舐め心地が良かった。その味も好みが分かれるのだろうが、僕はずっと啜ってやりたくなる。

 

 入口にそって舌を動かすと下半身が一瞬震えた。太ももに血管を浮かせつつも、足が閉じてしまわないように太ももの付け根を抑えて大きく股を開く。僕がマンコを舐めやすいように。恥ずかしい場所がよく見えるように。

 

「は、お゛っ❤❤見てくれ❤もうぐちょぐちょになってるだろ❤トモくんのちんぽ欲しくってぇ❤車に乗ってた時から濡れてたんだぞ❤❤」


 豹柄ビキニがグショグショになっていたのを思い出す。愛液を漏らしっぱなしの恥知らずなマンコへと舌腹を擦り付け、ぐりぐりと顔面ごと押し付けると太ももが強張った。

 その気になれば僕の頭なんて簡単につぶせるような逞しい大腿筋だ。反射で痙攣するたびに恐怖しつつマンコを啜っていると塩辛さは徐々に薄れていく。濃い愛液の味を求めて舌を奥へ奥へと潜らせながら粘膜を舐め上げていくとまた味が濃くなる。

 

「お゛おぉおぉ❤❤❤トモくんっ❤また上手く、なっだんじゃないかぁ❤❤いぐ❤ずっどいぐぅ❤❤」


 マンコを見せて貰ったのも初めてだが、湊さんの中では何度もクンニをしてやったことになっているのだろう。

 無視して舌を根本まで差し込んでいくと何かにぶつかった。くりくりと舌先でほじるとしょっぱい汁を吐く肉の塊――湊さんのちんぽはスリットの中から飛び出す寸前に硬くなっていた。

 でも、湊さんのちんぽなんかに用はないので人差し指を突っ込んでかきまわす。汁塗れの肉襞に包まれた指先は軽く動かす程度でもグチュリとみずおとを響かせて、マンコ肉が蠕動する。

 体表より熱を持った粘膜は指で抉り取れそうなぐらい柔らかくなったかと思えば、骨をきしませる勢いで収縮する。

 

「い゛ぐうぅ❤❤ぐぉ❤ん゛お゛おぉおおぉ❤❤❤」


 プシュプシュと汁を断続的に噴き上げているあたり、イキっぱなしになっているのかもしれない。指と舌先で違うところをぐりぐりとほじくると後頭部をトイレのドアに押し付けるようにして身体をしならせる。

 下品な音を立てて激しく吸い上げてやると、短く「ぐうぅ❤」と呻いた後に涙をこぼした。

 

 そろそろ満足したかなと顔を離すと湊さんはもの言いたげな、けれど満ち足りたような顔で顔を緩ませた。白黒の身体には汗の粒が浮かび、個室の中を更に蒸し暑くしている。

 

「ふうううぅ❤❤クンニ、ずいぶん上手くなったじゃないかぁ❤ちんぽ挿れらる前にぶっ倒れちゃいそうだよ❤❤」

「湊さんがおねだりしたんじゃないですか。で、満足しました?」

「んー❤まだかな❤❤もっとちんぽ欲しくなっちゃった❤」


 分かりきっていた答えを返して、湊さんはドアへと手をついた。突き出した大胸筋をドアで押し潰しながら、肩幅に足を開いて後ろへデカ尻を突き出す。ちょうど、僕の顔の正面に黒く艶光する尻が来る体勢だ。

 重たい尻肉を鷲掴みにして開くと、むわりと濃い雌の匂いがした。ちゅ、ちゅと尻たぶに音を立てて口づけると背筋が興奮にわなないた。

 尻の谷間の奥で熟れているケツマンコは指で確かめたとおりに準備万端になっており、淫唇を大きく突き出してディープキスをせがんでいる。土手肉を盛り上げたマンコは収縮と拡張を繰り返しながら愛液を噴きこぼし、食虫花のようにも思えた。

 

 スリットマンコよりも淫らで浅ましいそれを、舌全体を使ってねっとりと舐め上げてやる。舌の腹を使い表面だけに唾液を擦り付けるとドアがガタガタと鳴った。慌てて尻を平手打ちをして黙らせようとしたが、それすらも快感に変えて湊さんは喘ぐ。

 

「ちょっと、湊さんっ!声聞かれちゃいますって!」

「い、いいだろぉ❤❤きみとセックスしてイキ顔晒してるとこみられるなんて、アガりそうじゃないか❤❤❤」


 そんなことより早く、と尻肉を押し付けてきたので仕方無しにマンコしゃぶりを再開する。どうせちんぽをぶちこめばもっと馬鹿でかい声で喘ぐことがわかっているのだ。

 尻に谷間を唾液まみれにしてやってから、今度は凸状になったマンコを唇で挟むようにして吸い上げる。キスマークを残すようにして啄んでいると湊さんがキスに合わせて鳴き出した。僕が見てきた中でも使い込みが激しいマンコは、唇で挟んだまま吸ってやっても快感しか感じていないようだ。しみ込んだ愛液を吸いだすようにしてもマンコは柔軟に伸びるばかり。吸っている間も「のおぉぉ~~❤」間抜けな喘ぎ声を喉から搾りだしていて、隠すどころか聞かせてやると言わんばかりの声量だ。

 

「湊さんここ本当に人がきますから!もっと声落してくださいよ!」

「真面目だなぁ❤じゃあもっとオマンコ吸ってくれよ❤❤もっと気持ち良くしてくれた声抑えてあげようかな、あ゛っ❤あ゛っあっああぁぁ~~~~❤❤❤」


 バードキスの後は情熱的なディープキスを交わした。で直腸を舐め回しながら縁を吸うと逞しい太ももが内股になる。

 ほぐす必要が皆無なぐらい柔らかいマンコだけど舌の動きは止めない。一応は手のひらを噛んででかい声を加減してくれているようだが、止めれば馬鹿でかい声でねだってきそうだ。

 

 中指をずぼずぼと往復させてやるともどかしげに尻がくねる。唾液を垂らしながら僕を見つめる顔は淫靡で男らしさの欠片も残っていない雌の顔。僕がずっと義父さんにさせたかった顔。

 

「ん、あ❤ああぁ……❤❤」


 ちんぽをくっつけると温かくて湿った肉が吸い付いてくる。

 雄を抱いてきたのは義父さんを自分のものにできないことの不満を晴らしているだけなのだろうか。

 たぶん違う。湊さんの身体、先生に大槌さんの体温や匂いを思い起こすと湧き上がる衝動は代償行為とかそんなものでは生まれないものだ。

 後ろから覆いかぶさるようにして抱きしめた湊さんは、夏の空気の中であっても恐ろしく熱かった。精いっぱい首を伸ばしてキスしながら乳首を摘まむと、ぐりぐりと尻を押し付けてきた。

 

「はやく、はやくぅ❤❤」

「いいですけど、声出しちゃだめですよ。見られてもどうにかできますが、見つかるのは恥ずかしいし」

「んんぅ❤いっつも照れ屋だなぁきみは❤❤んー、もうちょっと開放的になろうよ、こうやってさ❤」

「ちょっ、湊さん!?」


 湊さんへの認識。そして僕の言いなりにならない淫獣を制御するのがいかに難しいかを改めねばならなかった。

 湊さんは声を抑えるどころかドアを開けはなち、その淫売な顔を通路へと曝け出したのだ。無論、顔どころか個室の正面にくれば僕が今からちんぽをぶちこもうとするところまでも丸見えだ。

 

「まずいですって!早く、閉めて!」

「おマンコ気持ち良くしてくれたら、な❤❤まずおちんぽハメてくれよ❤そしたらちょっとだけ閉めてあげるからさ❤❤」


 マンコで亀頭へと口づけて湊さんは口角を吊り上げる。悪魔的なその笑みはどれだけ口先でなだめようとしても無意味であることが見てとれた。

 

 覚悟を決めて僕はでかい尻に指を食い込ませた。だったら従順になって、声も出せなくなるまで躾けてやろうじゃないか。

 

「あ゛お゛お゛おおぉっ❤❤❤お゛お゛おおぉ~~~~❤❤ちんぽ、ちんぽ入っだああぁぁ❤❤❤」


 ゆっくりと腰を押し付けるとほぐれてとろとろになった肉が迎え入れてきた。肛門の締め付けを超えた後はひたすらに心地よい肉の海がちんぽを愛してくる。

 肛門の締まり具合や尻肉の弾力ならば先生と同じぐらいだが、その蕩け具合は湊さんが圧勝していた。その柔軟かつぬるついた肉にぶちこんだだけでも射精しそうな名器。

 

「い゛いっ❤❤ちんぽふとぉ❤やっぱり、トモくんのぶっといおちんぽが一番イイなぁ❤❤オマンコがちんぽの形にされちゃってるぞ❤」


 ただでさえほぐれたアナルを指と舌で念入りすぎるぐらいに愛撫してやったおかげか、湊さんのマンコは余裕たっぷりに僕のものを咥えこんでいる。自分で言うのもなんだが巨漢の雄を満足させられぐらいには太く長いちんぽだ。肛門はミチミチに押し広げられ、直腸も強制的にちんぽの形に歪められている。前立腺なんて意識せずとも潰してやっている。

 僕が遊んでやった雄の中にはちんぽをぶちこんだだけでじょろじょろと潮を漏らし、イキまくった挙句に失神するような奴もいた。だが、湊さんは快楽に酔ってはいるようだが酩酊にはほど遠く、尻を揺すっては快楽を貪っている。

 

 屈強な足腰は内股にはなっているものの崩れ落ちる様子はなく、僕が体重を預けても余裕そうだ。遠慮なく身体をくっつけるとちんぽが奥までずぶずぶとはまりこむ。

 

「んっぐぅうおぉおぉ❤❤❤奥までちんぽきだあぁぁ❤子宮❤子宮口ちゅっちゅってしてるぅ❤❤」

「んっ、湊さん。ちゃんとちんぽはめたからドア閉じて……」

「やだやだぁ❤もっと子宮ぐりってしでぇ❤❤乳首もいじってくれよぉ❤そしたら閉じてあげるがらぁ❤❤」


 仕方なしにでかい尻へと腰をぐりぐり押し付けると最奥で亀頭と結腸口がキスを交わす。第2の肛門のようにひくついてちんぽに吸い付くそこと浅い口づけを繰り返す。そのまま大胸筋へと手を伸ばし、膨れた乳首を摘まみ上げて捏ね潰す。

 そうすれば湊さんは約束どおりにドアを閉じてくれたけれど、それはほんの少しドアの角度が変わった程度でまだ中の様子が丸わかりだ。早くドアを閉じ切って欲しくって音を立てないように慎重にマンコを掘り進める。

 

「あ゛っ❤お゛ぅ❤❤お゛っ❤ほっ❤んおんっ❤おあぁあぁぁ❤❤」

「湊さん、もっと閉めてくださいよ!それじゃ閉めたうちに入んないですって!」

「じゃ、じゃあぁ❤❤ほっおっおぉぉ❤もっと強くうぅ❤❤オマンコずぼずぼおぉ❤子宮ずんずんってしてえぇ❤❤」

「そんなぁ……じゃあ、ちょっとだけ強くしますけど大声出したら駄目ですよ、ほんとにっ!」

「出さないがらぁ❤はや、お゛おおぉっ❤❤❤ぞれ、ぞれもっどちょうらいいぃ❤❤今のピストンもっどおおぉ❤」


 腰をへこへことして子宮へのキスを催促してくるが、一度強く腰をぶつけたあとは浅く直腸を擦る程度にとどめる。と言っても前立腺をカリ首で潰すだけでも相当な快感を生むはずであり、マンコが弱い雄ならこれだけでもザーメンをぶちまけるのだが。

 

 湊さんのとろとろマンコはこの程度で満足できないようで、快楽を催促するようにドアを少しだけ閉じてくれた。

 

「し、閉める❤しめるから❤❤ほらぁ❤おほおぅ❤❤だがら、つよぐ、う゛ぅうぅお゛お゛おぉ❤❤❤んっほおぉぉ❤」


 大して変わってないけれどピストンを速めてあげた。こうしてご褒美を出してあげれば僕の言う事を聞けば気持ち良くなれると学習してくれるだろう。

 いつもならば相手が気絶して潮を漏らしっぱなしにするまでイキ殺してやるのだけれど、湊さんのマンコは手ごわくて気を抜けばこっちが搾り取られそうだった。

 

「お゛っひぃいぃぃ~~~❤❤❤おちんぽ届いてるうぅぅぅ❤❤んひぃいぃ❤おうぅ❤ほっ❤ほっひぃいぃ❤❤きてきてもっときてええぇぇぇ❤❤❤」


 それでも、ピストンを続けているとドアを半分ほどまで閉じさせることができた。浅いところをズリズリとするだけだったちんぽを、今ではしっかりと根本まで挿入して、がりがりとマンコ肉をかきむしってやる。

 ドアは閉じつつあるがマンコから奏でられる淫音は激しくなっており、気が気じゃなかった。誰かがトイレにくればすぐにセックスをしていると気づかれてしまうだろう。本当ならば湊さんをなだめ場所を変えて貰うのがいいのだろうが、僕もこの背徳的なセックスをやめたくなかった。

 

 力強かった足腰が崩れ落ちそうになったら、乳肉を握りつぶしながら上半身を持ち上げる。本当なら僕ていどの腕力で持ち上げられるわけがない巨体なのだけれど「しっかり立ってくれたらもっとオマンコごんごんしてあげますよ?」と囁くとガニ股になって踏ん張ってくれた。ご褒美にマンコを突き上げるとシャチちんぽから濁った汁がびゅるりと飛んだ。

 

「オマンコい゛いぃいぃ❤❤子宮ごりごりたまんない゛のぉおぉおぉ❤❤❤」

「じゃあ、もっとドア閉めてくださいよ。そしたらオマンコおもいっきりはめてあげますから」

「む゛りいぃ❤見られだいのぉおぉ❤❤オマンコはめはめもいいけどおぉ❤アクメ顔見られるのぎもぢいぃがらぁあぁ❤❤いっぐ❤おおぉ❤❤見られるの想像しただげでいぐ❤いぐいぐうぅ~~~❤❤❤おおぉっ❤」

「そんな変態になれなんてお願いしてないんですけど。湊さんってもとからこうなんですか?」

「そう、だぁ❤❤トモくんの恋人になる前がらぁ❤変態❤❤ほぉん❤いっぐうぅ❤❤露出セックスでオマンコぎもちよぐなっでる変態でしだあぁぁ❤❤❤おぉ、うぅうぅぅ❤❤またくるぅ❤イキまくりのオマンコズボズボされでいぐ❤いく❤いく❤んっひいぃいぃぃ❤❤❤」


 自らの恥を晒すことでも興奮を煽られるのか、尻が貪欲にちんぽをむさぼってくる。ヒダが、肛門が、結腸がちんぽへとむしゃぶりついて扱き立ててくる極上の快楽にちんぽは硬くなり、ゴリゴリとマンコ肉を抉る。もはや数えるのが馬鹿らしいぐらいに絶頂したマンコは痙攣しっぱなしで、人の器官とは思えない非人間的な震えでちんぽを愛撫してくれる。

 僕も湊さんも高みまで登りつめており、あと少しで雄子宮を着床させられるだろう。だが、そんな時に限って邪魔が――湊さんにとってはら更なる興奮材料が――現れた。

 

「うっわ、マジかよ!個室一個しか空いてねーじゃん!」


 人の気配がしたかと思った瞬間に湊さんはドアを引いて素早く鍵までかけた。一拍遅れて聞こえてきたのは若い男たちの声で、あと少しでも遅れてしまっていたら湊さんのアクメ顔が見られるところだった。

 心臓が止まりかねないピンチだったにもかかわらず、湊さんはセックスを止める気は無いようだった。再びドアへと手をついて、デカ尻を荒々しくぶつけてくる。

 

「ほぉおぉ❤ほっ❤ほっ❤ほらあぁ❤❤オマンコきもちよずぎてイキ声出ちゃうぞおぉ❤塞いで、くれないとこんなところでオマンコガン掘りされてるってばれちゃうなぁ❤❤❤」


 そして分厚い舌をねっとりと踊らされたりしたら、キスをしないわけにはいかないじゃないか。欲望に任せてぬるついた口内を舐め回しながら腰を押し付けて、結腸口を押しつぶす。

 でかすぎる尻肉が邪魔だが、肛門を僕の陰毛がくすぐるぐらい腰を強く押し付けて、湊さんが腰をくねりまわすと互いの鼻息が荒くなった。

 

「あっちーなおい。旅館帰る前にもっぺん海入らねえ?」

「夜の海とか不気味じゃんよ。街に行ってさ、イイ感じの子探さねえ?離島の子とかバカですぐヤれそうだし」


 間抜けそうな観光客は自分たちの会話が聞かれても構わないのかボリュームを間違えた声で騒いでおり、先生のマンコから鳴る水音なんてかき消えてしまう。

 それは幸いなことかもしれないが、湊さんのおねだりがどんどん激しくなってくるのは困りものだ。もしも拒めばすぐにでかい声で喘いでやるぞと脅迫するようにマンコ肉がうねり、ビンビンになった乳首へと僕の手を導く。

 

「んぢゅ❤むぶうぅぅーーっ❤❤❤ふ、はぁ❤んぢゅるるるぅぅ❤❤」


 ビン勃ち乳首を指の腹で扱くと舌を吸う勢いが激しくなった。息継ぎに口を離すと幾本もの銀糸が橋をかける。湊さんの口の端を舐め取りながら乳肉を捏ね潰すとマンコがぎちぎちに締め付けてくる。

 ガタリ、と隣の個室から音が聞こえると湊さんのちんぽからブシャリと潮が噴き上げられた。爽やかそうな外見に見合わない変態性は、僕のせいで発露したのだろうか。それとも元々こうだったのろうか。マンコ肉は恐ろしくあつくて、気持ち良くて、結腸の入口にちんぽをめりこませてしまう。

 

「んっお゛ぅおぉおぉぉ❤❤❤おちんぽが子宮を叩いでるうぅぅ❤❤あっお゛っ❤声出て抑えらんない゛ぃ❤❤❤」

「湊さん、隣に聞こえちゃいますよ。潮漏らして……そんなに聞かれるの嬉しいんですか?」

「うれじいぃ❤❤いぐ❤うれしすぎでいぐっ❤❤んっうぅぅ~~~❤トモくんのおちんぽでイキ声出してるの聞がれるのうれじすぎでぇ❤❤❤一人で露出オナニーじでるより、ずっどぉお゛おぉ❤❤❤お゛っ❤お゛おおぉおぉぉ❤❤❤」

「湊さんって露出オナニーとかしてたんですか?意外と変態なんですねぇ」

「っ❤❤お゛ひぃぃ❤お゛おぉ❤そうっ❤❤変態❤露出オナニーも外でオマンコはめはめも好ぎな変態でずうぅぅ❤❤❤だから見てぇぇ❤デカちんぽでオマンコジュボジュボされでいぐがらあぁあぁ❤❤いぐいくいくっ❤❤まだいぐぅうぅぅぅぅぅん❤❤❤❤」


 最奥を強く叩きながらなじっていると漏らした潮がドアへビシャビシャとまき散らされた。ドアが軋んで悲鳴を上げるのにも構わずにデカ乳を押し付け絶頂に溺れる。

 外では「なんか雨降ってる?ザーザー聞こえる」なんて言ってるがもういいか。湊さんも意外な性癖を「元から」持っていたみたいだし、ばれたところで問題あるまい。どうせ、ばれたところで黙らせることができるんだから。

 

 遠慮をやめた僕は湊さんが潮をぶちまけている間もマンコをガツガツと掘りこんで、結腸にちんぽをめり込ませる。潮を漏らしていることを聞かれて更に興奮が煽られたのだろう。湊さんは一回のピストンごとに痙攣し、首筋を反らしていた。

 

「あ゛~~~っ❤❤❤聞かれでるぅぅ❤オマンコよずぎでお漏らしした音聞かれで、う゛ぅうぉおぉお❤❤トモくんとセックスしてるのバレちゃううぅ❤お゛おおぉっ❤❤❤」

「でも、湊さんはばれて欲しいんですよね。僕に会う前から変態ですもんね。ずっとこんなことしてたんですか?」

「してまじたぁあぁ~~~❤❤❤毎日違う男のおちんぽハメられてぇ❤見てもらっでまじたぁ❤❤でも、もうトモぐんだげだからぁ❤トモくんのおちんぽ以外でオマンコいきでぎないいぃぃぃ❤❤❤❤」


 潮をじょろじょろと漏らしっぱなしの湊さんはとても可愛くて、中を抉るちんぽの硬さと太さが更にます。尻肉が盛大に音を立てる勢いで腰をぶつけても歓喜の悲鳴をあげるばかりで、股を大きく開いてちんぽを深く受け入れられるようにしてくれる。

 僕が抱いてきた中でも上位の身体。それに僕を本気で恋人だと思ってねだってくれる湊さんを、つい本物の恋人のように虐めてやりたくなる。

 

「んっ、じゃあ湊さんは僕以外とセックスしちゃだめですよ。したらもうマンコ使ってあげないですから」

「じな、い゛いぃいぃぃぃ~~~~❤❤❤❤いぐっ❤いっぐぅうぅぅ❤もうこのおちんぽあればいいがらあぁぁ❤❤トモくんもおれのオマンコだけつかっでぇ❤イキまくりオマンコはぁ❤❤いつでもはめはめしでいいがらああぁ❤❤❤」


 その声はどうしようもなく爛れているけれど偽りが無かった。潤んだ瞳も情欲で濁っているけれど僕への愛情が煌いていた。

 今日あったばかりの僕を恋人だと信じ込んでいる。芝居なんかじゃない。カミシロ様なんて何も知らなかったはずの湊さんが、僕の命令を聞くはずがないんだ。

 

「あ゛あぁお゛ぉぉおぉ❤❤❤トモくんっ❤❤マンコもうむりいぃぃ❤❤❤イキまくりオマンコもーげんかいいぃぃいぃ❤❤❤」


 湊さんのひときわ大きな嬌声で目が覚めた。

 快感と暑さで脳が揺らしながらも、湊さんは自分が幸福だと疑わずにマンコを締め付けている。

 哀れな淫獣の尻を鷲掴みにすると、下半身を大きくグラインドさせた。結腸にめりこんでいた亀頭が何度も出し入れされて、結腸口と肛門を同時にめくり上げる。

 

「んっひぃいぃぃぃ❤❤❤オマンコめっぐれるぅうぅぅ❤❤オマンコいぐいぐいぐっ❤❤オマンコきっつい゛ぃいぃいぃぃ❤❤❤」

「そうですね……僕もそろそろいきそうだし、いいですよね。中出しして。恋人同士ですもんね」

「きてきてえええぇぇ❤❤❤しゅご、ちんぽかたいぃいぃ❤種付けアクメきめるうぅぅぅ❤❤種付けっ❤恋人マンコを着床させてええぇぇぇ❤❤❤❤」

「ん、くっ!いきますよ、湊さんっ……!」

 

 尿道口から精液と快楽が流れ出してくるのと同時に結腸内でどろどろとした熱が拡がっていく。黒く艶めいたは金に抱き着いたまま射精の快楽に耐えていると、あれだけうるさかった湊さんが声を漏らさずに身体を固まらせていた。

 

「~~~~~~~~~っ❤❤❤❤❤」


 舌の先までぴんと伸ばしたまま身体を硬直させ、はらはらと涙までもこぼしていた。太い尻尾が僕の胴体へと巻き付いて、絶対に逃がすまいとする意志が見て取れた。もしも正常位だったならば両手両足で僕を抱き潰していただろうという確信があった。それほどまでに湊さんは恍惚とした表情をしており、マンコもちんぽの形にフィットするように締め付けてきた。

 

「ああぁっ❤❤あへ……❤ふ、へえぇぇ……❤」


 マンコが熱くて溶けてしまいそうだ。今日何回目かも分からない射精だけれど精液は一番濃厚で、僕の性欲をそのまま表しているかのようだった。それをぶちまけられた湊さんのマンコはもうとろとろのめろめろになって、僕のちんぽへと媚びるようにうねる。

 湊さんは強すぎる快楽に限界を迎えたのか、ドアへと体重を預けたまま息を吐いていた。アクメを迎えて頭もトんでしまっているらしく、復帰には時間がかかるだろう。

 

「……湊さん、お疲れ様です」

「うぅお❤ひぃ、んぅうぅぅ❤❤」

「ちょっと外に出てきますから、待っててくださいね。次は車でヤりましょう」


 そして指先まで弛緩してしまっている湊さんを便座へと座らせると、牙が並ぶ雄々しい顔へとキスをしてあげる。うっとりと顔を緩ませるあたり僕の声は届いているようだ。

 ただ身体を動かすのは無理だろうから後始末は僕がやらないといけない。消えてくれてたら面倒が無いんだけど。

 

 トイレットペーパーで軽く身体を拭くと、個室の外へと出る。夏の蒸し熱い空気が涼やかに感じられるぐらいに、個室の中は熱で満たされていたようだ。

 これなら湊さんと外で楽しむのもいいかもしれない。もうすぐ真夜中。観光客も来ない時間になる。

 

 ――こいつらみたいに、ガラの悪い連中は別として。

 

「おいニイちゃん。こんなとこでサカるとか度胸あんじゃん」

「でもよー、人の迷惑は考えねえとな。てめえらがうるさいせいでゆっくりクソもできなかったしよ」


 トイレの出入り口を塞ぐように立っているのは島民ではなさそうな若い男が数名。ついさっき外で騒いでいた観光客どもだろう。

 言い分は正しい。こんなところでセックスなんてする方が悪いし謝ってもいいんだが、こいつらの求めるものは謝罪の言葉なんかではないだろう。そのニヤニヤと口元を歪める軽薄そうな笑い顔からなんとなくわかる。

 

「便所でセックスしてっとか、ケーサツに通報しねえとだよな?島民の方の迷惑だしよ」

「イヤだよな。じゃ、お詫びの気持ちを見せてくれよ。そうすりゃ勘弁してやっから」


 何がおかしいのか、チンピラどもは下卑た笑い声をあげた。

 予想していたことだ。驚きもしない。

 目の前のチンピラどもはどれも貧相な体つきで、湊さんの足元にも及ばない。

 僕が遊んであげる価値も無い連中だ。見逃してやってもまた島民に迷惑をかけそうだし、黙らせておく方が良いだろう。

 

 ポケットから赤褌を取り出して、チンピラどもへ突き出す。

 

「あ?なんだよそりゃ」


 僕が金を取り出すのかと勘違いしたチンピラども顔が一瞬だけ怒気に歪む。

 こいつらはカミシロ様のことを信じているわけがない。カミシロ様の名前すら聞いたことがないだろう。

 いや、こいつらだけじゃなくこの島民のどれだけの数がカミシロ様を知っているのだろう。

 

 僕が命令すればみんなカミシロ様のことを受け入れた。

 カミシロ様の存在を当たり前のように認識した。

 でも、知っていたんじゃなくその時に覚えこまされたのだとしたら。

 カミシロ様なんて、本気で信じている人はもう誰もいなくって。僕の言葉に従うのも、信仰や伝統のためなんかじゃなく、それが当然なのだと頭を書き換えられたのだとしたら。

 

「みなさん、カミシロ様の命令です――」


***


「う、ぉうぅっ!んめぇ!ああぉ……ぴちゃ、すげぇ、頭ぎもぢいぃぃ」


 私がトイレの個室から出ると、そこにいたのはトイレの床を一心不乱に舐め続ける若者たちだった。

 気が狂っているとしか思えない行為だが、若者たちは床を唾液で汚す間も恍惚とした表情を浮かべており、自分の行いに疑問を覚えている様子は全くない。

 

 これを「彼」がやらせたのだと思うと恐ろしくなる。

 知ってしまったのだ。島の伝統。信仰によって自分に従っていたのだと思っていた島民たちは、人知を超えた力によって従わされていたのだと「彼」は知ってしまった。

 まだ高校生に過ぎない少年が他者を屈服させて自分のものにできる力を持ってしまえばどうなるか。

 

 抗えるわけがないのだ。

 快楽に屈した淫獣たちと同じように他者を隷属させる悦びに心は屈して暴君と化してしまうだろう。それを私は誰よりもよく知っている。

 

 止めなければいけない。それが私の責任だ。

 その気になれば「彼」はどんな人物であろうと奴隷にすることができる。家畜にも、便器にもだ。カミシロ様とはよく言ったものだ。今の「彼」は神の代理人に相応しい力を持っている。命令されれば私であろうと抵抗できない。

 

 自分は神だ。誰も逆らえない。そう、思いあがっていることだろう。

 だが、絶対の神ではなく代理人である以上全知全能ではない。実際、彼は私に気づきもしなかった。

 

 あの淫売なシャチを使って性処理をしている間、ずっと私が隣の個室にいたことを知らない。喘ぎ声やシャチを辱める言葉に身体を昂らせ、精液を何度も便器へとぶちまけたことを知らない。

 

 私がずっと我慢してきたこの想いを「彼」は知らない。

Comments

亀ちゃん

これ個室に隠れてたのお父さんかな?いやでも息子に発情しないだろうから、うーん、正体が気になりますね🧐 今回もとてもエッチで素敵な話でした。次回作も期待してますよ

おもち

ありがとうございます! このシリーズは今月で終わる予定ですが最後までエロたっぷりで書きたいですね。