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 ここは、レベルがマンコの感度となる世界だ。

 冒険者たちは力を求めると同時にマンコの疼きに苦しめられ、ちんぽを求めるようになる。仲間同士で慰め合うか、金で男を買うか、冒険者を止めて平凡な人生を求めるか。彼らは様々な道へと進む。


 そして、レベルがマンコとなる世界ではパーティに欠かせない存在がいる。

 ちんぽ士。

 常にマンコを疼かせる彼らを癒す、パーティの生命線。

 今回はとあるちんぽ士の物語。

 この世界のどこにでもあるような、ありふれた話だ。


 ***

 

「ん、んぅ……」


 朝の陽ざしが差し込む部屋の中で、雄の匂いが鼻孔をくすぐった。

 汗と精液のすえた匂いだが、ほんの少しだけ磯臭い。こんな時ばかりは狐人としての嗅覚の良さが鬱陶しかった。嫌いな匂いではないが、起きてすぐにこんなものを嗅いでいると胃もたれしそうだ。

 昨日、自分の上で何度も絶頂してマンコを締め付けていた鮫のものだ。この匂いが鮫人全般的な特徴なのか、それともあの鮫の個性なのか。抱いた人数が両手の指にも満たない狐には分からなかった。

 

「やっぱり、寝る前にはシーツを変えないとなあ……」


 今度こそはと決意するが、毎回セックスの後では気絶するように眠りこけてしまう。鮫とのセックスは激しくて、長い。津波のような荒々しさで腰を振って、精液を全部搾り取ってやるとばかりにちんぽにしゃぶりついてくる。鮫が満足するころには足腰がガクガクで動けなくなってしまうのが常だ。

 自分より頭3つ以上もでかく、横幅も分厚さも段違いの雄に尻で抱かれるのだ。とてもじゃないが体力が追い付かない。そのうえ、セックスが終わったら後始末もせずに自分の部屋に戻ってしまうのだ。結果、狐は毎朝のように鮫の匂いに悩まされるハメになる。

 

「でも、変えてもあんま意味無いかもなぁ」


 すん、と鼻を鳴らして部屋に満ちた空気を吸い込むと鮫とは違う雄の匂いも感じる。築十年ではききそうにないボロい部屋にはあらゆる雄の匂いが染みついてしまっていた。

 冒険者が拠点とするような安宿は大体がこんなものだ。冒険中はゆっくりと楽しめないせいか、欲望をぶつけあうようにちんぽを貪る。真夜中になれば嬌声と肉をぶつけ合う音が響くせいで、冒険者の宿周辺では他の宿が立たないほどだ。昨晩も両隣の部屋で雄々しい喘ぎ声が響いていた。

 たぶん、シーツどころかベッドの骨組みにまで雄臭が染みついているのだろう、とため息を吐いて枕に頬を擦り付けた。

 

「……今日から、また冒険かぁ。ちょっとは休めるといいなぁ」


 冒険者とは、一年の大半を旅に費やすものだ。

 野宿をし、風呂にも入れず、保存食で腹をごまかす日々。暖かい食事と柔らかいベッドで休める日なんてほとんど無い。

 狐も冒険者として、今日からまた旅立つ予定だ。しばらくはごつごつとした地面の上で寝る毎日と再会することになる。

 快適とは言えない日々だが、狐にとっては冒険の日々こそが休息だ。街中でゆっくりと休めるはずの時間が、冒険よりも身体を酷使する。鮫に、鮫以外の雄に抱き潰されて精を吐き出す肉棒になる時間。

 

 それが狐の役割。冒険者としての責務。

 そう、理解していても身体の倦怠感が消えるわけではない。もっと休みたいと筋肉痛の身体が訴えている。けれども、もう立ち上がらなくてはいけない時間だ。決意して身体を起こそうとしたその時だった。

 

「早く起きないとコリンさんに怒られちゃ――ぅうううんっ!?」


 突然、下半身に。正しくは鮫の愛液や唾液がこびりついたままのちんぽに、ぬるついた温かい感覚が這いずった。それだけではなく下半身全体にごわついたものが触れ合っている。あれだけ吐精したのに変わらず逞しく勃起したちんぽを、ねっとりと撫で上げる熱く柔らかい肉の感触。血管を浮かべて跳ねるちんぽを絶え間なくくすぐっていた。

 更には、ちんぽ全体を包み込んできつくない程度に締め付ける柔らかさや、粘ついた汁の熱さ、亀頭を痛みが感じないほどの強さで突き刺す硬い感触。それらすべてがちんぽをとらえて離さない。

 

 狐が、良く知っている快感だ。

 

「んぶっ❤❤ぐじゅっ❤じゅるるぅ❤んブぅ❤ずろろろろぉ❤」


 シーツの中からは、これまた良く知っているいやらしい水音が響いている。下半身には岩石が乗っているかのような重さがかかりぴくりとも動かすことが叶わない。加えて、目の前のシーツではその重さを与えている何者かが潜り込んでいるらしく、どっしりと膨れ上がっていた。


「コ、コリンさんっ!何してるんですかぁ!」


 快感を堪えつつ、狐はシーツを引っ掴んでまくり上げる。

 シーツをめくる前から分かりきっていた正体に向かって叫ぶと、そこでは一匹の熊が股間に顔を埋め、一心不乱に頭を揺さぶり、ちんぽへしゃぶりついていた。

 

「んぢゅっ❤ふぅぅ❤❤んぅ、やっと起きましたかぁ❤じゅろろぉ❤ん、んっ❤いつまで、んむぅ❤❤寝ているつもりなのですか、まったく❤」


 肉食のざらついて分厚い舌を大きく伸ばし、ちんぽの根本から頂点まで、頂点から根本へと激しく舐め上げる動きをしながら、悪いのは狐だと言いたげに厳しい視線を向けてくる。

 真っ白な毛皮や黒い鼻、舌がもちろん、ちんぽの根本を挟む爆乳にもちんぽ汁がへばりついて、白熊の生真面目そうな顔つきを雄臭くしていた。

 

「はあぁぁ……❤いいですか、んむっ❤みんなとっくに起きているのですよ❤❤だというのにまだ眠りこけているなど❤しかも、他の男のオマンコ汁をべっとりさせているし❤不真面目にもほどがありますよ❤❤❤」


 深雪の毛皮を我慢汁でべたつかせ、澄んだ青色に輝く瞳が、非難がましく狐を睨みつける。その相貌だけみれば聖職者然としている白熊の名はコリン。狐がパーティを組んでいる神官だ。

 年齢でいえば狐の倍は生きているが、その知識や経験は倍どころではない。彼の癒しの術によって千切れた手足を繋げてもらった戦士や、内臓を裂かれて死にかけたところを救われた魔術師を狐は知っている。

 加えて、聖職者として磨かれた話術や説法の技術のおかげか人との交渉や説得というものが巧みだ。冒険者などというならず者稼業をしているが、コリンが交渉を始めれば大抵の相手は心を許してしまう。

 

 コリンほどの実力を持つ神官は探そうと思っても見つかるものでもない。

 その気になれば冒険者ではなく本職の聖職者として神殿で働くことができるだろう。狐よりも遥かに上のレベルの冒険者。

 

 この世界においてその事実は、マンコの感度も並外れていることを意味する。

 

「まったく❤なんですかこの勃起ちんぽは❤❤こんな元気があるのならば、パーティの仲間を癒すために私の部屋へ来るべきではないですか❤んちゅ❤そうすれば、出発前にオマンコが疼くことなど無くなったのにぃ❤」


 亀頭へ頬ずりをするその顔はまなじりをさげた下品なものになり、ちんぽの根本を挟み込んでいる大胸筋は筋肉と脂肪をたっぷり詰め込んでいるせいで爆乳といって良いサイズになっている。

 冒険者らしく身体は鍛え上げられているのだが、全体的に脂肪の鎧を纏っているおかげでボディラインは丸々としたものになっている。揉んでみればずぶずぶと沈み込む乳肉に挟まれているとちんぽがますます硬くなり、顔面へ先走りを吹いてしまった。

 

「んくぅっ!コリンさ、もうやめて……」

「はぁ~なんですかこの反省ゼロのちんぽは❤❤私が叱っているというのに❤怒りを通り越して呆れてしまいます❤」


 顔と全く見合っていない生真面目さで言い放ち、拡がった舌腹で我慢汁塗れの亀頭をねぶり回す。その一瞬の刺激だけで、鈴口がヒクヒクと広がって乳肉に包まれたちんぽが跳ねようとする。

 

「あぁ❤またちんぽ汁を噴いて❤これはあなたのお役目をしっかりと教え込まなければいけませんね❤❤あなたの仲間として、聖職者として❤」


 この雄熊とパーティを組んでからというもの、狐はことあるごとに説教をされていた。生活態度から礼儀作法、そしてセックスについてまで。

 普段は自分を心配しての説教をしてくれる立派な聖職者なのだが、ちんぽを前にすると自分は悪くないお前のちんぽが全て悪いのだという態度でちんぽを責め立ててくるものだからたまらなかった。


「昨晩はあんなにもベルナールを楽しませておいて、まだこんなにも硬いなんて❤しかも、私にしゃぶられてすぐに射精しそうになっていませんか❤❤ちんぽ汁に精液の味が混ざっていますよ❤」


 嫉妬の混ざったジト目で睨み、我慢汁を舌の上で堪能したコリンは上半身を跳ねさせ、たぷたぷと揺れ弾む乳肉でちんぽを扱き立てるた。マズルが亀頭を咥えこんでジュルジュルと啜り、尿道に溜まっている我慢汁までも吸いだすように吸引する。

 舌でそれを感じ取った白熊はいっそう顔を蕩けさせ、逆に口調はこちらを責め立てるものになる。

 自分が正しいと主張を崩さないが、他の雄を抱いた時には説教がしつこくなるので、嫉妬が混じっていることは狐も気づいている。他の男の愛液を全て舐め取る勢いでちんぽを舐め回しながらも、こんな情けないちんぽは許せん――と叱りつけてくる。

 

「はぁぁ❤❤仕方がありませんので、この恥知らずなちんぽをまずは落ち着かせないといけませんね❤説教はそれからです❤まったくぅ❤❤私がおちんぽを舐めてあげるといつもこうですね❤」


 ただ、その舌技と乳肉の柔らかさは雄の性欲をこれ以上ないほどかきたてるものだ。乳肉の谷間でちんぽを扱かれ、尖った舌先で鈴口をクリクリとほじられると、たちまち抵抗する気力が失せ、自ら腰を突き出してもっと快楽をねだってしまう。

 

「なんですかこのちんぽは❤私にもっとしゃぶれというのですか❤❤本来なら、あなたが私のオマンコを舐めてぇ❤慰めなくてはいけないんですよ❤❤」


 不満げな言葉とは裏腹に舌肉は貪欲にちんぽを舐り始めた。一気に喉奥にまで飲み込んでから、きゅ、きゅと精液をねだるように締め付けて。舌腹を使って竿を舐りまわす。

 快楽の電流はつま先にまで伝播して、ちんぽの根本を、精巣を、脳みその奥を痺れさせる。ちんぽがビクビクと跳ねまわるのだが、ひしゃげたデカ乳がそれを押さえつけるようにして扱き、挟み込み、精液を搾り出そうとする。

 

「んぶじゅぅ❤❤んぼっ❤ジュゾオオォォ❤❤む゛っふぅ❤んめぇ❤❤ちんぽ❤ジュロロロロロッ❤❤❤」

「あっ、コリンさ、もう駄目……」


 そのがっついたフェラに耐えられるはずもなく。

 唾液を満たした口マンコに亀頭が包まれて我慢汁を溢れさせる。喉の締め付けを堪能させられてすぐさま熱い口腔によって隙間なく舐め上げられる。

 狐の腰ごとちんぽを吸い上げてくる快感にたまらず腰を跳ねさせ、高く掲げてしまったその姿は熊に奉仕されているのではなく、捕食されている雄として最低の姿だった。

 

「い、いくっ!コリンさ、ぅううぅうっぁああぁ!」


 唾液とちんぽ汁を絡ませあい、粘膜同士の擦れる下品な水音を響かせた口マンコが蛸の口のようにすぼめた間抜け面でちんぽを扱く。子種を搾り出そうとする貪欲な刺激に誘われ、奥深くまでちんぽを突き上げた狐は、ついに欲望を爆発させる。

 視界を一瞬の間だけ白く染め、射精の宣言を部屋中に微々貸せて。敗北の証を熊の口マンコへと解き放った。

 

「んぶぐっ❤❤ぶむぅ❤んっぶうぅぅぅ❤❤んっぼぉおぉぉ❤❤❤


 喉に向かって精液をブチまけられ、逆流した精液を鼻から漏れさせながらも、熊は頭と口の動きを止めることはない。より口内から空気を抜き、頬を窄めてちんぽを吸い、張り付いた粘膜が白濁を啜り上げてくる。ちんぽとの隙間がまるでない密着感。その隙間をぬるついた舌がハビのように這いまわり、快感を不規則に波打たせる。

 

「あっ!すご、搾り取られるぅ……」


 金玉が脈打ち、跳ねるように何度も盛り上がり、休みなく生み出される精液が熊の口へと注ぎ込まれていく。その快感にたまらず腰が浮くと、豊満な雄乳が強く揉みこんできて、柔らかく温かな刺激を返してきた。ちんぽの上下で異なる快感が絡みつき、弾けた性欲は止まらず、いつまでも精液を吐き出してしまう。

 

「んぶじゅっ❤❤ぢゅるっ❤はあぁ❤ちゅ❤いつまで出す気ですか❤これでは朝食の前に胃がいっぱいになってしまいますよ❤まったく❤❤」

「だ、だってコリンさんがずっとしゃぶってるか、ああうぅ」


 けれど、尿道に残っていた精液まで飲み干してようやく満足したようだ。最後にちんぽに絡んだ唾液や精液を丁寧に舐め取ってからようやく口を離してくれた。

 シーツを剥がして自分も身を起こしたコリンが、厳格な目つきで見下ろしてくる。といっても口の中では精液を転がしているままなので、威厳など欠片も無いのだが。

 

「いつまでも起きてこないばかりか朝からこんなに射精をして……あなたはパーティの一員としての自覚が足らいのではないですか?」

「そ、そう言われても。コリンさんがしゃぶったせいで……」

「私のせいだと言いわけする気ですか?あなたがギンギンに朝勃ちして私におねだりをしたせいです!」


 無茶苦茶な言い分だが、この神官に何を言っても最終的には自分が言い任されてしまうのだと狐は良く知っている。それに、寝坊をしてしまったのは事実なのだ。さっさと謝った方が良い。そう判断した狐は頭を下げていつものように許しを請う。

 

「申し訳ありません、コリンさん。その……ええと、昨晩なかなか眠れなくて寝坊してしまいました。そのうえ、コリンさんにちんぽを見せてしまいました。反省してます」

「はい、わかってくれたならそれでいいのです。普段あなたが頑張ってくれていることは良く知ってますからね。たまには寝坊もしてしまうでしょう」


 すると一転して穏やかに顔を緩めて、狐を抱きしめてくれた。柔らかい乳肉を押し付けながら、あやすように頭を撫でてくれる。

 普段は厳しいこの熊だが、素直に反省すればすぐに許して、叱責した分だけこちらを甘やかしてくれる。こうしたところは実に聖職者らしい。冒険者となってレベルが上がったりしなければ、もっとまともなままでいられただろう。


「きみはいつも頑張ってますからね。昨晩もベルナールとあんなに楽しんで……私の部屋まで聞こえたせいで、ずっと眠れませんでした」


 聖職者である以前に冒険者であり、すなわちマンコの疼きに抗えない生き物である。

 こうして、乳肉を押し付けている間もコリンの股間はズボンを膨らませており、頭を撫でる指先もいやらしさを滲ませ始めている。

 これはまずい。今のうちに逃げなければフェラだけでは許して貰えなくなる。

 

「あ、あのぉ。そろそろ朝食に行かないと……」

「まだいいでしょう?昨日はベルナールと一晩中オマンコしたんです。私とはできないというのですか?」


 だが、焦りは最悪の結果を生んでしまったようだ。

 頭を撫でていた手は狐の細い腰をがっしりと抱きかかえて、もう片方の手は回復したちんぽを緩やかに撫でさすっている。

 いったんは理性を取り戻したはずの瞳がまた爛々と輝いている。

 いつもの顔。敬虔な聖職者である彼が、ケダモノに堕ちてしまう時のあの顔だ。

 

「昨日は何回ベルナールとオマンコしたのですか?キスもしましたよね?私ともしましょうか❤ベロチューをしながら、オマンコに種付けをしましょう❤❤」


 もはや狐の言葉なんて届いていなかった。

 精液臭い息を吐きながら豊満な乳と腹で押しつぶして、でかい尻肉をちんぽへと擦りつけてくる。

 もう駄目だ。抵抗しようにも手足の太さが圧倒的に違い、軽く抑え込まれてしまう。こうなったら満足するまで犯されるしかない――そう諦めた時だ。

 

「……何をしている、コリン」


 その声に、性欲に冒されていたはずのコリンさえも振り向いた。

 気配も音も感じさせずに背後に立っていたのは、鉄鎧を着こみ大剣を佩いた狼の雄だった。

 コリンのように脂肪をを大量に混ぜた身体ではない。筋肉のみでコリン以上の肉体の分厚さを作り上げた巨漢の雄が、狐を犯そうとしていた白熊を視線で射すくめる。

 

「朝食ができたから呼んでくる。お前はそう言ったな、コリン?」

「あぅ、違うんですヴァイク。私も起こすだけのつもりでしてぇ……」

「ならばお前の役目は終わっただろう。下に降りていろ。待っている二人と一緒に祈りでも捧げているんだな」


 穏やかだが有無を言わさぬ声だった。

 コリンを狂わせていた情欲も氷のような冷たい声で冷めたのだろう。大人しく狐の上から降りると部屋から去っていった。

 その間もでかい尻肉をもじもじとさせているあたり、マンコが疼いてしかたないのだろう。それを見るとほんの少しだけ罪悪感が湧くが、あのまま犯されていたらこの日丸々足腰が立たなくなるところだったし仕方がないか、と窮地を救ってくれた仲間へと感謝を告げる。

 

「ありがとうございます、ヴァイクさん」


 感謝の言葉にヴァイクと呼ばれた狼は口元をほんの少しだけ持ち上げて応えた。

 灰色の毛皮に、金色の瞳。

 狼の特徴を備えているが、その体格は通常の狼人の枠を超えていた。狐の体格を超えるプレートアーマーに加えて大楯と大剣を背負いながらも、その体幹には少しのブレも無い。

 鎧の上からでも分かる発達した大胸筋に、太い首筋とそれを支える幅広な肩。腕や脚の太さはコリンとためを張るが、その中身は筋肉がぎっしりと詰め込まれている。

 

 狼といえば細身なイメージがつきまとうが、ヴァイクは骨格に鉄の柱でも埋め込んでいるような圧倒的な体格を備えていた。それは、群れで狩りをする狼ではなく単独え獲物を噛み殺し食らう虎の体格に近いものだ。腕も、脚も、胸も、腰も。どこもかしこも太く逞しい雄。

 

 それが、ヴァイクという狼だった。


「疲れただろうし、少し休んだら下に来い。飯を食いながら今日の予定を決める」

「い、いえ。大丈夫です。大したことは、っていうか一回射精させられただけですからっ」

「昨日もベルナールに一晩中付き合わされただろう。あいつらの欲求を解消するのはいいが、お前が無理をする必要は無い」


 くしゃりと頭を撫でて、ヴァイクは鋭い眼光をほんの少しだけ緩めた。

 今も硬くなっているままの狐のちんぽへと視線を向けることもなく、部屋中に染みついている雄の匂いに鼻をひくつかせることもなく。

 

(ヴァイクさん、かっこいいなぁ。おれより1年ぐらい先輩なだけなのに)


 その落ち着きからベテランの冒険者と勘違いされるが、ヴァイクは冒険者となった年数としてはまだ新人の域だ。リードの所属するパーティでは2番目に冒険者としてのキャリアが短い。

 それでも、実力はベテランと遜色が無いと言われている。駆け出しの頃から大きなクエストに巻き込まれた結果めきめきと実力を身に着けて、リードのような新人からも憧れる冒険者となった。

 

「今日からまた長旅だ。辛くなったら俺に言えよ……リード」

「は、はいっ!ヴァイクさん!」


 名前を呼ばれたことに狐の尻尾がぱたぱたと揺れる。

 今日から始まる冒険の旅。時に魔物と戦い時に自然の驚異にさらされ、ベッドの上で休むこともできない過酷なものだ。

 だが、狐は目を輝かせてベッドから飛び起きる。どんな苦難も危険も、ベッドの上で精液を搾られる日々より遥かに素晴らしいから。それが『ちんぽ士』としての役目だとしても。

 

 これはとあるちんぽ士の話。

 この世界における一般的な冒険者の話。

 

 ***

 

「おっ!ようやく起きたかぁ~。遅いから朝メシ冷めちゃったぞ~」


 1階へと降りると、そこでは仲間たちが朝食をつついていた。頬に卵とベーコンを焼いたものを詰め込んで、鮫の男――ベルナールが笑いかけてきた。

 夜は酒場として使われる宿の1階は、この時間では今日の予定を決めるべく冒険者たちが朝食を兼ねて顔を突き合わせている。ボロい宿だが食事の安さと量に定評があるためか、どのテーブルの上にも料理の山が積まれていた。

 

「キミの分も残してあるから、ゆっくり食べるといい。私の特製メニューだぞ」


 鮫の隣でスープ皿をかき混ぜているのはシャチの男だ。他の3人と違いゆったりとしたローブ姿にツバの広い三角帽子を被った姿を見れば、冒険者の事を何も知らぬ者でも魔術師だと分かるだろう。

 名はジェロール。戦士としては他の3人に及ばないが、鍛え上げた筋肉にむちむちと脂肪の鎧を纏わせた体格は決して見劣りしない。リードなんて軽くひねられてしまうほどだ。魔術の腕も一流だし、見識も広いパーティの知恵袋。

 

 リードも頼りにしている……が、どうしようもない悪癖があった。

 今かき混ぜているスープ皿の深緑色を見るに、その悪癖は今朝も発揮されているようだ。

 

「ほら、おいで。馬鹿鮫に昨日虐められていたから、労わるために滋養の効くスープを作ってあげたぞ」


 助けを求めるようにヴァイクを見たが、目を伏せたままだ。

 どうしようもない時には助けてくれるが、これは自分がこなすべき職務の範疇――ちんぽ士としての仕事をこなせという事だろう。

 覚悟を決めて鮫とシャチの間に挟まると、むわりと濃い汗臭さに混じってきつい草の匂いがした。目の前のスープ皿から漂ってくる香りは森の奥深くで息を吸った時よりも濃い緑を感じる。あきらかに、ヒトが食べるものではない。

 

「ほら、私が食べさせてあげるからあーんってしなさい。ほら。疲れが吹っ飛ぶぞぉ」

「あ、ずるい!おれが食べさせてやるって。リード、こっち見ろし!」

「うるさいぞ馬鹿鮫が。昨夜はお前一人で楽しませてやったんだから今朝は私の時間だ」


 そうしてスプーンですくい取られたそれは、スープというには粘度と弾性が強くプルプルと揺れていた。

 危険なものでも、不味いわけでもない。それは知っている。このシャチは薬品学の知識までおさめており、お手製の薬で病気を治して貰ったことが幾度もある。このスープらしきものも口に入れて問題は無い、はずだ。

 

 問題なのは――

 

「昨日は馬鹿にたくさん搾り取られてしまったから、疲れてるだろう❤これを一皿食べれば元気になりすぎて、すぐに発散したくなるぞ❤❤」

「うひゃっ」


 ねっとりと耳元で囁かれるばかりか、舌先が耳を舐め上げてきた。朝っぱらから、他のパーティが近くのテーブルにいるというのにお構いなしだ。

 そればかりか黒くすべすべの手が太ももを撫でまわし、血流を良くするように揉みこんでくる。

 すると、たちまち股間は硬くなって革のズボンにちんぽの形を浮き上がらせる。さきほど射精したばかりだというのに早すぎる勃起は、目の前のスープの匂いのせいだ。

 

「ん~~❤いかんなぁこれは❤❤早朝からこんなにして❤昨晩しっかり射精できなかったのかぁ❤」

「ちょ、ちょっとっ!朝からやめて……」


 太ももを撫でまわしている手がズボンの膨らみを這い、慣れた手つきで撫でまわす。シャチの手を火傷させそうなほど硬く屹立した勃起は、快感を期待して震えていた。

 この滾ったちんぽはシャチの悪癖によるものだ。薬草学の知識を悪用し、精力増強感度上昇思考力麻痺とリードのちんぽを自分のものにせんと食事に薬効のある草を仕込んでくるのだ。酷い時には一日中腰を振るだけの畜生にされる。

 

「ほ~ら❤分かるか馬鹿鮫よ❤お前のユルマンでは満足できなかったようで、私におちんぽを虐めて欲しいようだぞ❤❤」

「はぁ~~!?んなわけねぇし!昨日はおれに5回もオマンコに出したんだぞ!マンコにザーメン残ってっから証拠見せるか証拠~~!」

「ふ、二人とも大声で恥ずかしいこと言わないで、あっうぅ!」


 ぐちゅり、と音が響いて。

 耳の穴をシャチの肉厚な舌が大きく舐め上げる。スプーンを持っていた手はいつの間にかリードのズボンへと突っ込まれていて、しなやかに動く指が毛皮に包まれた金玉を転がしていた。

 その抗いがたい快感にちんぽが震えて、先走りが下着をぬるつかせていく。さっき射精したばかりだというのに、雄の匂いをプンプンとさせていく。

 そんな様子を白熊と鮫は嫉妬に顔を歪めて睨みつけているのだが、そればかりか周囲のテーブルからも羨望の声が聞こえてくる。

 

「あー雄くっせぇちんぽいいなぁ。朝から楽しみやがって」「昨日も鮫の兄ちゃんに使われて喘いでたもんな。具合良いんだろうな」「5回も出したんだってよ。やっぱレベルが低いとちんぽも元気でいいねぇ」「おれらもちんぽ士欲しいよな。あの狐ぐらい巨根じゃなくていいからさぁ」「小便の時に見たけどマジでデケェよな。貸してくんねーかな」


 そんな周囲の冒険者たちの声が、ジェロールの耳舐めの合間に聞こえてきた、凄まじい羞恥がこみ上げる。ちんぽ士とは冒険者にとって欠かせない存在だが、全てのパーティがいるわけではない。

 ちんぽに飢えている冒険者たちが尻を疼かせながらリードに向かって視線を注ぎ、せめてちんぽの匂いだけでもと鼻をひくつかせている。

 

「朝食中にこんな雄臭ちんぽをプンプンさせて❤❤そんなだから私たちのオマンコも苛ついてしまうんだぞ❤」

「だ、だってそれはぁっ!うぐぅ!」


 巨体をすっぽりとおおうローブでも隠し通せないほど柔らかく大きなジェロールの大胸筋が腕に押し当てられ、媚びるように擦り付けられる。口と舌は延々と耳をしゃぶり、脳内はたちまち蕩け切って、滾ったザーメンを吐き出すことで頭がいっぱいになる。

 その性欲を更に昂らせるように、片手は金玉を、もう片方の手はズボンごしに亀頭を撫でまわし始める。リードの腰は耐えきれずに浮かび、もっと刺激をねだって前突き上げられる。

 

「ジェロールさ、おれぇっ!それ、きもちいいぃ」

「おっとぉ❤そんなおねだりポーズをしてはユルマンどもが嫉妬してしまうぞ❤❤私の手でおちんぽシコシコして貰う方が気持ちいいのかな❤❤他の男のだらしないケツ穴よりも手コキの方がずっといいのかい❤」


 仲間二人の剣呑な視線を無視しながら、赤ん坊をあやすように囁く。その声は周囲のテーブルにも聞こえているに違いない。羞恥と共に快楽を覚え、シャチの腕の中で身体をよじらせる姿にちんぽを求める雄たちが熱っぽい吐息を漏らす。

 ガクガクと膝が震え、腰がさらに上向きに突き出された。そうすればシャチは手の締め付けを緩め、撫でるだけの刺激に繰り返す。

 

「おやぁ❤❤いけないなぁリード❤きみが射精していいのはぁ、オマンコの中だけだぞ❤❤」

「じゃ、じゃあ手を離してぇ……」


 恨みがましくジェロールを見つめるが、そんな狐の反応も可愛らしくてたまらないとばかりに牙が生えた口で笑みを形作る。そうして、濡れた舌肉再び耳を舐め回し口に含んでしゃぶり上げる。

 

「ん~~❤駄目だ❤昨日馬鹿鮫マンコで喘ぎすぎたお仕置きだからな❤❤おちんぽをいじられながらご飯を済ませてみようか❤」

「そっ、そんなの、むりっ!んううぅぅ!」


 抵抗をしようとしても金玉を転がされると腰がヘコヘコ踊ってしまう。ニチャニチャと先走りを絡め、撫で擦ってくる指の感触に喘ぎながらヴァイクの方を見つめると、頭を振って口を開いてくれた。

 

「……ジェロール。そろそろ今日の予定について話したいのだが」

「ああ、続けてくれ❤ちゃんと話は聞いているからね❤❤」

「リードが話を聞けんだろう。それに、朝から体力を消耗されてはかなわん」

「射精をさせないように手加減するさ❤❤それにぃ❤馬鹿鮫とコリンばかり楽しんで、私だけおあずけなのは不公平だろう❤リーダーならパーティを平等に扱ってくれ❤❤」


 どうやってかは知らないが、コリンに朝から口で射精させられたこともお見通しのようだ。更に最悪な事に、ヴァイクはそれ以上言葉を重ねずに荷物から地図を広げ始めた。普段は口で煙に巻かれることなど無いヴァイクなのだが、今回はシャチの言葉に理があると判断してしまったらしい。今日から始まる旅の旅程を確かめるべく、話を初めてしまった。

 

「ヴァ、ヴァイクさっ!んあっ!止め、てぇっ」

「リード、少しだけ付き合ってやってくれ。ジェロールだけお前と楽しめていないのは確かに筋が通らん」

「その頭が柔らかいのか硬いのか分からないところ好きだぞぉ❤じゃあ、ゆ~~っくりと楽しもうじゃないか❤❤」


 そうしてちんぽを扱かれながらの朝食兼旅程の確認が始まった。

 今日の目的地は、警戒すべき魔物は何か。準備すべき装備は何か。真面目な会話をしている間も肉棒を握り締められ、射精させない程度の力加減で揉んだり逆に力を緩めたりと快楽のマッサージを続けられた。

 その間も仲間たちは飢えたケダモノのように牙を剥き出しにして、周囲の冒険者たちは羨ましそうに尻尾を揺らしていた。

 

 握るだけの刺激がもどかしく、浮いた腰をカクカクと上下に揺れさせるとシャチは意図的にての締め付けを緩め竿を扱かないように調整する。それどころか金玉への力をわずかに強め、はしたない動きを窘めてくる。

 

 結局、朝食と話し合いが完了するまでの間リードの射精が許される事は無かった。

 

 

 ***

 

 ちんぽ士。

 レベルとマンコの感度が比例する以上、マンコを慰めるちんぽ士はパーティに欠かせない存在だ。しかし、ただセックスをしているだけの楽な職業ではない。

 マンコの感度を上げないために身体を鍛えることも魔術を学ぶこともできない。無論、魔物を倒すだけでもレベルは上昇してしまうため、魔物と戦うこともできない。

 

 マンコを疼かせる冒険者はまさしくケダモノであり、無尽蔵の体力を持つマンコ野郎どもにレイプも同然にちんぽを使われる。ちんぽを犯されるならまだ良い方で、冒険者仲間の性癖によっては特殊なプレイを要求されることもある。

 ちんぽが萎えようとも、体力が尽きようとも仲間のマンコが飢えているのならば腰を振らなければならない過酷な職業。それがちんぽ士である。

 

 旅の最中であろうと、それは変わらない。むしろ男娼を買うこともできない旅の間こそちんぽ士は活躍する。それでは、旅の間ちんぽ士がどのような扱いを受けるのかを見てみよう。

 

 岩影から日差しの下へ一歩、踏み出した。

 影に隠れている間は見逃してくれていた日の光が目をかすめる。目の前には黄色い砂の海――リードたちの旅する『滅びの砂漠』が拡がっていた。

 照りつける日差しがまたたく間に頭のてっぺんを焦がし始めた。暑い場所では毛皮を恨めしく思っていたが、太陽が肌を火傷させるほどの酷暑では逆にありがたい。といっても熱まで防いでくれるわけではなく、こめかみのあたりがじわじわと痛んでくる。

 

「リード。そろそろ飲んでおけ」


 傍らを歩くヴァイクが差し出したのは革製の水袋だった。

 一瞬だけ躊躇したが、大人しく受け取って中の水に口を付ける。腐敗を防止するためにジェロール特製の防腐剤を入れ、塩分補給のために岩塩をわずかに混ぜてある水はお世辞にも美味しいものではない。それでも、この酷暑を耐えるには定期的に水分を補給しなければすぐに倒れてしまう。リードのような、貧弱な身体では特に。

 仲間たちもそれを気づかってか、水を優先して手渡してくれていた。リードは戦闘どころか荷物運びまで免除されているのにだ。

 申し訳なさと気恥ずかしさで耳をしょげさせていると、ヴァイクの手が頭を撫でまわす。

 

「気にしなくて良い。お前と俺たちじゃ役割が違う」

「でも、みんなも疲れてるのに。おれだけ」

「適材適所ですよ。リードくんは休憩の時に私たちを癒してくれてるんですから。今は身体を休めてください」


 後ろから柔らかな声がしたと思えば、コリンが外套をすっぽりと被っていた。その真っ白な毛皮に分厚い脂肪。ついでに金属鎧と熱で頭をやられるのでは――と心配になるがその笑みは穏やかなままで、ちんぽをしゃぶっている時の方がよほど乱れている。

 熱そうな外套は日差しのせいで鎧が熱せられるの防ぐためらしく、見てみるとヴァイクも鎧のあちこちに布を巻き付けている。偵察を担って前方を進んでいるヴァイクもフード付きのマントで全身を覆っていた。放っておくと鎧がフライパンみたく熱くなってしまうから、こうした対策も必須なのだろう。前線で剣を振るう冒険者たちは、こうした苦労もあるのだ。

 それに比べて自分は、と。

 自己嫌悪がどうしたって湧いて出てくる。

 

「キミが気にすることじゃないんだけどなぁ。ほら、私だって恰好はいつもと変わらないし」


 横を歩くシャチはいつもどおり。真っ赤で派手なローブに三角帽子を被っており、帽子につけた羽飾りが風で揺らめいていた。

 金属鎧を付けていないのはリードと同じだが、食料や旅の道具やら大荷物は背負っている。リードは自分の分の荷物すらもヴァイクに担いで貰っているのだ。

 

「こんな過酷な場所、荷物を担いでいたらすぐに倒れるよ?」

「そうですよ。ここは本来ならリードくんのような一般人並みの体力で踏み入って良い場所ではないんです。私たちが助けるのは当然ですよ」


 二人のフォローは自己嫌悪を煽るだけだ。

 確かに、この『滅びの砂漠』は腕利きの冒険者しか立ち入らない危険地帯だ。

 リードたちが拠点にしている街からわずか3日程度でたどり着くそこは、平原に突然現れる砂の海だ。一説では天災や魔法によって世界が狂った影響で生まれた砂漠だと言われている。

 その天候や砂の海に突然生まれる流砂もたやすく人の命を奪うが、人の命を好んで食らう魔物もうようよいる。リード一人で足を踏み入れたならば半日で命を落としているだろう。

 

「だが、俺たちには慣れた場所だ。お前を助けながら進んだところで負担にもならん」


 砂を蹴り飛ばしながら言うヴァイクの顔はいつも変わらない平然としたものだ。

 雪原を生きるために発達したはずの毛皮は、この荒涼とした砂漠の風に揺れていても美しく見えた。青い瞳は感情を伺わせず、周囲を油断なく警戒している。

 

 自分の情けない姿は違う、本物の冒険者の姿だった。

 

「ヴァイクさんたちは、何度もここに……」

「今回のように魔物退治を依頼されてな。周期的に魔物の大量発生が起こるらしい」

「前回は大怪鳥でしたね。今度は大蜘蛛から大量に湧いて出たようです」


 平然と話すが『滅びの砂漠』の魔物を討伐するなんて大抵の冒険者では依頼されることすらない危険な任務だ。ヴァイクたち以外の冒険者が同行していないのは、生半可な腕前では足手まといにしかならないから。

 腕の立つ冒険者ほど暇ではなく、ヴァイクたちと並ぶ腕利きを探すのも容易ではない。結果、このパーティだけで魔物の大群と戦う事になったのだが、リドリーはなんの不安も感じていなかった。

 

(このあたりの魔物も楽に片付けちゃうんだ。ヴァイクさんたちならどんな相手だって怖くない……!)


 砂潜蟲、蠍と人をかけあわせたような怪物、人食いサボテン。滅びの砂漠に巣食う凶悪な魔物たちもヴァイクたちは苦戦することもなく片付けてきた。リードが逃げ隠れする必要も無い。

 ヴァイクとベルナールが突っ込んで。ジェロールが魔法をぶちこんで焼き払う。コリンは補助や回復をする必要も無くうち漏らした雑魚を大槌で叩き潰す。実に単純な作業でどんな魔物も片付く。力任せ、というよりも力の差がありすぎて策を練る暇が無いような戦い方だった。

 

「そうそう。このあたりの魔物じゃ肩慣らしにすらならない相手だからね。きみは私たちのオマンコのために体力を温存しておけばいい」

「う、なんで格好いいって思ってたところにそういう下品な会話をぶつけてくるんですかっ!」


 うりうり、と腰のあたりを撫でまわす手つきは戦いのときとは別人のようにいやらしい。言葉のとおり、休息や就寝の合間では飢えた淫獣どもにまたがられ、精液を搾り取られている。ゆっくりとプレイを楽しむ余裕も無いからか、マンコにちんぽをぶちこんでひたすら突き上げさせるだけの乱暴なセックスばかりだ。

 拠点となる街を出てから既に一週間。不公平にならないように取り決めをしているのか、ヴァイクを除く3人に均等になるように犯されている。

 

 コリンに7回。ジェロールとベルナールに6回ずつ。どうでもいいが、コリンはキスをしながら正常位が好きで、ベルナールは騎乗位でこちらの都合なんて関係ないようなセックスが好きだ。ジェロールは体位というよりもリードが泣きわめいてしまうような嗜虐的なプレイを好む。共通しているのは、度を越した淫乱だということ。

 

「……ジェロールさんたちってなんでそんななんですか」


 どうしても納得できなくって、問うてみる。

 この世界に蔓延る呪いは知っている。レベルが高いほど、強いほどにマンコの感度は上がり、淫乱になる世界ではちんぽを求めることが自然である。それは理解しているつもりだ。

 だが、全ての冒険者がそうなるわけではないはずだ。優れた冒険者であれば精神の力でマンコの疼きを堪えることだってできるはずだ。

 

「そんな、とは酷い言い草だな。初心者を脱した冒険者ってのは大体こんなもんだよ。私たちはまだマシな方だ」

「毎日、おれをレイプしてもですか?絶対みんながおかしいと思うんですけど」

「それは違いますよリードくん。オマンコの疼きは力を持つ者すべてに与えられるものなのです。ちんぽへの欲求には決して抗えないのです」

「そんな、でも――」


 目の前に、ちんぽを求めたりしない高潔な戦士がいるじゃないかと狼を見やる。

 隣を歩く狼は我関せずといった様子で風に毛皮を揺らしている。

 

 ずっと疑問に思っていた。

 ヴァイク以外の3人はどうしてこうも淫乱なのだ。ヴァイクこそが冒険者の自然な姿であり、他の3人は呪いを言い訳にしたちんぽ狂いでしかないのでは。

 それはパーティを組んでからずっと抱いてきた疑問だ。先輩冒険者に対して無礼な言葉を吐くわけにはいかず、ずっと抱えてきた問い。

 

 決して自分を犯したりはせず、ちんぽに媚びる様子も見せず。常に誇り高い武人である自分たちのリーダーはどうなるのだ。

 

 そう、問いかけようとしたまさにその時だった。

 

「おーい!みんなぁ!キャラバンがあっちで休んでる!今夜はゆっくり眠れそうだぜ~~!」

 

 斥候をしていた鮫の声が響く。

 嬉しそうにぶんぶんと尻尾を振り回す鮫に釣られて砂丘を駆け上がると、すぐ向こうにオアシスと取り囲むように止められたいくつもの馬車を見つけた。

 

 キャラバン。砂漠を超えて物資や情報を運ぶ商人たちの一団は当然危険から身を守るための護衛も雇っている。一緒に休むことができれば今夜は見張りを立てる必要もなくゆっくりと休むことができるだろう。

 

「早くこいよぉ~~!あっちで肉焼いてるぞぉ!分けてもらおうぜぇ~~!」

「お肉!やったぁ!」


 風に乗って感じた脂の焦げる匂いに、リードだけではなく仲間たちの足も自然と早くなる。

 予想もしなかった幸運にご機嫌になり、今夜ありつけるであろう豪華な飯や柔らかい寝床のことで頭はいっぱいになっていた。

 

 ――だから、寸でまで出かかっていた疑問のことなんてすっかり忘れてしまっていた。

 

 ***

 

「ん~~。どこでヤる?せっかくだし、水の中でやるか~~❤」

「私たちはいいが、リードが溺死するではないか馬鹿鮫め。テントで構わんだろう。落ち着いたで可愛がってやりたい気分だ❤❤」


 安心できる寝床と時間が確保できれば当然やることは決まっている。

 キャラバンの護衛がいるおかげで夜襲を警戒する必要はなく、夕食を分けてもらったおかげで水を沸かす手間も保存食で粗末な飯を準備する必要も無くなった。どこでセックスするか、なんて考える余裕すらある。昨日までは時間ができたらさっさと犯されるだけだったので、リードにとっては死刑執行までやたらと待たされている気分だ。

 

 今夜のお相手は二人。

 鮫とシャチがどちらが先かで言い争った結果、二人で仲良く分け合うことに決めたようだ。コリンの方は恨みがましくこちらを見ていたが、キャラバンに病人がいるらしくそちらを診て欲しいと頼まれたようだった。マンコが疼くとはいえ、聖職者としての本分を捨てるわけにはいかなかったらしい。

 

「ん~じゃここでいいだろ❤ちょっと狭くっておれらでみっちみちになっちまうけど❤❤」

「そうだなぁ❤私たち雄っぱいでこのちんぽくんを潰してしまうぐらい狭いなぁ❤❤ふふぅ❤」


 そして放り込まれたのはキャラバンの中心から少し外れたところにあるテントだった。本来は複数で使うことを想定されているであろう大型のものだが、巨漢二人が立つと肉でいっぱいになり、間に挟まれているリードは前後から大胸筋で押しつぶされる形になる。

 しかも、水浴びすら許されないまま来たせいでテントの中はあっという間に濃厚な雄の匂いで満たされていく。

 

「おら~~❤もっと雄っぱいにしがみついてこいよぉ~❤❤乳首寂しかったんだぜぇ❤」

「んぶっ!ベルナールさ、苦し……」


 服をあっという間にはぎとられ生まれたままの姿になった狐を、同じく素っ裸になった空色の巨漢が抱きしめる。

 ヴァイクと違い非金属性の鎧を身に着けている鮫の身体は、筋肉こそたっぷりとついているがどこかしなやかさを感じさせる。パーティの斥候から潜入まで身軽さが必要な仕事をこなすためか、筋肉はヴァイクやコリンと比べると見劣りしてしまう。負けていないのは乳と尻の肉ぐらいだろう。

 といってもリードを簡単に押しつぶせるような巨体であることに変わりはなく、雄っぱいの谷間に顔を挟まれたまま逃げることもできない。


 

「もっと嬉しそうに喘いだらどうだね❤せっかくのデカ乳サンドイッチだ❤❤好きな雄っぱいからしゃぶっていいんだぞ❤」


 後頭部を雄乳で圧迫してくるシャチの筋肉もまた凄まじい。魔術師が何故こうも身体を鍛えているのかは分からないが、脂肪と筋肉によってできあがった豊満な雄っぱいは鮫に劣らないボリュームと弾力だ。

 互いの大胸筋がでかすぎるせいで、リードを挟み込んでいても乳肉同士でぶつかりあってむにゅむにゅと形を変形させている。リードの顔は完全に乳肉の海へと沈んでおり、息をするたびに熱せられた雄の匂いが肺に充満する。

 

「ちょっ、息ができな、んんっ」

「お~❤ちんぽガチガチじゃ~~ん❤❤❤」

「ちんぽは正直でいいなぁリードくん❤❤きみも素直になってくれていいんだぞ❤」


 筋肉の上に玉粒のように浮かび上がった汗はむせ返りそうな香りでリードの脳を犯していった。同時にムチムチですべすべの雄胸で顔を包まれる感触にちんぽは勝手に硬くなってしまう。そうなるように、肉体は躾けられていた。

 加えて筋肉で凸凹が激しい太ももがちんぽへと押し付けられて、擦り付けてくる。

 背後から伸びたシャチの指先は勝手知ったるちんぽ士の身体を撫でまわし、くすぐってくる。

 

 そうなれば我慢できるわけもなく、完全に勃起してしまったちんぽからとろりと我慢汁を垂らし始める。それは、淫獣にとってはかぐわしい樹液であり最淫剤だ。発達した尻肉を震わせると、リードの手を己の性器へと導いていく。

 

 鮫の分厚い尻肉に隠されたマンコに。

 中の肉を覗かせる、使い込まれたシャチのスリットへ。

 狐の指先が触れたそこは粘液でぬるついており、火傷しそうなほどに火照っていた。

 

「おおうぅ❤❤ん゛ぅ~~❤あっ❤ケツマン、とろとろになってるだろ❤❤ちんぽ欲しいってびくびくじてるぅ~~❤うおぉ❤」

「わ、私のオマンコもぉ❤指突っ込んでじゅぼじゅぼしていいんだぞ❤❤❤くふ、すぐに潮を噴いてしまうだろうなぁ❤」


 粘液をとろとろと垂れ流し、尻肉や股間だけではなく太ももにまで粘液の滝を作っている二匹のマンコは指先で触れるだけで軽く震え、もっと奥へ来て欲しいとねだり口を開いていた。

 ちんぽを咥えこんできた結果、入口の肉を尖らせるまで発達してマンコ肉はたやすくつまみあげることができるほどだ。

 

 肉のうごめきは蠱惑的で、指を突っ込んでかき混ぜれば肉が絡みつき歓喜してしゃぶりついてくることをリードは良く知っている。ちんぽを突っ込めばどれだけの快楽を与えてくれるのかも。

 

「ふ、二人とも。明日も早いですし、今日は二人同時はちょっと……」

 

 それでも淫獣二匹を相手して身体がもつ自信が無かった。

 ヴァイクはキャラバンの者たちから旅の話を聞かせて欲しいと言われ、相手をしている最中だ。二人が欲望に任せて自分を犯しても誰も助けてはくれない。

 だから、マンコからそっと手を離そうとしたのだが許してくれるはずもなかった。

 

「あ゛ぁ❤大丈夫だって~~❤❤今日は射精させねえから❤口とか指でオマンコに奉仕して貰おうと思ってっから❤❤」

「うむ❤射精寸止めで金玉ギンギンにして精させて~っておねだりするまで虐めてあげよう❤❤❤しても射精はさせないがな❤」

「なっ……!」


 慌てて逃げようとしても無駄だった。乳肉どころか全身が汗でヌルヌルになったままリードの身体へと擦り付けられており、手足をばたつかせたところで二人の巨体はびくともしない。それどころか抵抗が更に嗜虐心を煽ってしまったようで、二人のガチガチになったちんぽから溢れ出る体液が、狐の毛皮を雄臭く汚していった。

 

「やだ、やめてくださいっ!なんで、そんなこと」

「ん~❤リードにもいろいろ覚えて貰わないとだしな❤ちんぽ突っ込んで喘いでるだけじゃ一流のちんぽ士になれねえぜ~❤❤」

「そのとおりだ❤一流の冒険者を癒すにはちんぽ士も一流でなければいけないからな❤❤❤私たちが鍛えてやってるんだ❤」

「そ、そんなの無茶苦茶です!ヴァイクさんは、一流の冒険者だけどおれを襲ったりしないじゃないですか!」


 ヴァイクは他の冒険者のような淫獣とは違う。

 冷静だが冷徹ではなく、甘くはないが優しい人だ。他の雄なら我慢できないような自分の匂いを嗅いでも乱れることはなく、仲間として接してくれている。

 彼こそが一流の冒険者であり、今自分を犯そうとしている二人はただ性欲に溺れたケダモノではないか。

 

 それは侮辱と捉えられても当然の言葉であり、衝動に任せて口に出してしまったことを後悔する。

 この淫乱二匹をもっと昂らせることになるのではないか――

 

「あ~~。うん、そうだな。そう見えるよな~」

「確かにヴァイクに憧れてしまうよなぁ。気の毒だが」


 しかし、二人は怒るどころか慰めるように頭が腹を撫でまわし慰めの言葉を囁きかける。

 理解ができなかった。そう見えるどころか、ヴァイクは出会ったときから完璧な冒険者だった。わずかなほころびもなく、嘘をついているとは到底思えない。

 

「まあ、そう思っておけばいい。もうすぐだろうからな」

「そだな~~。今の冒険で『上がる』だろうからな~。そしたら分かるだろ」


 いつもは言い争いばかりをしている二人がうんうんと頷き合っている光景も不気味だったが、言っている内容も気味が悪かった。

 自分が愚かだと、何も理解していないのだと言いたげな態度だが馬鹿にしているような声色ではない。むしろ、哀れんでいるような。


 その意味を問う事はできなかった。

 鮫の手がガチガチに硬くなったちんぽを包み込んで亀頭を擦り付け始めたからだ。

 

「あっ!ンアアあぁっ!」

「ま~そんなこといいよな❤気持ち良くなっちゃおうぜ~~❤❤」


 そして、喘ぎ声を合図にしたように背後から黒い両腕がリードの腕を囲むように回された。細い胴体を簡単にヘシ折れそうな両腕は指を毛皮の中へと潜り込ませ、小さく未開発の乳首をそっと撫でまわし始める。

 快感を与えるというよりもじれったいような刺激で身悶えさせることが目的なのか、身体をよじらせ逃れようとする小さな身体を抱きすくめたまま、触れるか触れないかの繊細さで乳輪を撫でまわし続ける。

 

「や、やだっ!やめて、ううぅうぅんっ!それ、ううぅんっ」

「乳首はこうやって触ると覚えておこうな❤❤引っ張ったり潰したりする前に優しく愛撫してやると感度が高まるからな❤」

「おちんぽも亀頭で弄られるとイきたくてもイけねえだろ~~❤❤ザーメン金玉で温めような❤」


 左右の耳にそれぞれ淫靡な言葉を囁かれ、射精にまで至らない刺激を与えられ。

 それはリードの恐怖心を余計に煽り立てるが、筋肉に挟まれ身動き一つできない状態では喘ぎ声を無意味に上げることしかできない。

 息を荒げれば二人の匂いを余計に吸い込んでしまい、身体を擦り付けられるたびに汗が毛皮にしみ込んでいく。身体の内から外から二人の所有物へと作り替えられていく。

 

「喘いでばかりいないで目の前の乳首でもしゃぶったらどうだね❤私たちがその気にならないと一生射精できないぞ❤❤」

「そうだぞ~~❤上手にしゃぶれたらオマンコにいっぱい射精させてあげちゃうぜ~~❤❤❤トロトロオマンコザーメン出したいだろ~❤」


 亀頭責めをされながらの脅迫めいた言葉に逆らえるわけもなく、狐の口が目の前に突き出されたデカ乳首をぱくりと咥えた。恐怖と快感でもつれた舌ではロクに舐めることもできず、牙まで立ててしまったが、それがたまらない様子で「んおぅ❤」と重低音の喘ぎが響く。

 

「んっふぅうぅ❤❤もっと強く吸っていいぜ❤乳首イキしたら一回射精させてやっかな~❤」

「お前は我慢が効かんなぁ❤良いちんぽに育てるには鞭も大事だぞ❤❤」

「んーっ!んむふぅうぅ」


 普段ナイフを扱うだけあり、鮫の手は実に巧みにちんぽをもてあそんだ。射精寸前まで追い詰めて、金玉が持ち上がればすぐに快楽を弱める手管は神業といえた。青臭い我慢汁でぬるぬるになったちんぽを扱かれる快感は足腰をたちまち腑抜けにするが、乳肉に挟まれているせいで倒れることも許されない。鮫の身体へとしがみついて、意識をどうにか支えていた。

 

 腕を拘束する必要のなくなったシャチの手は淫猥に這いまわった。初々しいピンク色の乳首を可愛がっていた手は割れ切っていない腹筋を撫でまわし、もう片方の手では内腿をほぐすように揉みこんでいく。鮫にちんぽを好きにさせているのだから、他は自由にする権利があるとばかりにリードの身体を好き放題に愛撫する。

 

「あっ!うぅうんっ、ジェロールさ、待ってぇ」

「どこを待って欲しいんだね❤乳首をつねられる事かね❤❤それとも会陰をぐりぐり押し込まれることかね❤もっと具体的に言ってみたまえ❤❤」


 背後からの両手指はリードの身体全ての性感帯を把握していた。

 快感なんて得ることはない乳首だが、撫でまわされていると気恥ずかしさとこそばゆさで腰がくねる。すると待ち構えていたように黒い腕が腰骨から脇腹のラインをなぞり上げてくる。

 ちんぽだけでも気を失いそうな刺激を与えられているのに、全身を撫でまわされていると快感が常に流れ続けて頭が痺れてくる。熱気と匂いで酸欠気味になった脳みそから思考力が失われていく。

 

「ちんぽじ~っくり育ててやるからなぁ~~❤❤最高の処女マン卒業させてやれる良いちんぽになろうな❤❤❤」

「すぐイってはあいつもかわいそうだからなぁ❤❤ふふ❤マンコが満足するまでイけないように躾けてあげよう」


 そして二人の乳肉に挟み込まれたまま、延々と快楽の拷問を与えられ続けた。

 筋肉と脂肪で奇跡的なバランスを形作った身体を汗でぬるつかせ、火照らせたまま擦りつけ。ちんぽを射精寸前のまま扱かれて。金玉から太ももから腹筋まであらゆる場所を愛撫して。

 

 淫獣二人の肉に包まれた獲物は豊満な乳肉に顔を埋めたまま、喘ぎ、よがりる声を涎と一緒に吐き出して。空色の乳肉を唾液でべっとりと濡らすまで虐められれば、今度は白黒の身体に舌を這わせ滴る汗を吸い上げていく。

 

「あーーっ!いくっ!も、もうむりいいぃっ!」


 どれだけ泣き叫んでも砂の海へは届かずに淫肉の沼へと悲鳴は沈んでいく。

 雄を犯すためのちんぽを持ちながらもマンコを犯され喘ぐ淫乱に抗えず、哀れな性玩具として弄ばれる。

 

「ヴァイクさ、助けてぇえぇ……」


 そんな彼が助けを求めるのは高潔な狼の戦士だ。

 いつも自分を助けてくれる優しく強い本物の冒険者。彼ならばきっと自分を助けてくれると信じて届かない叫び声を上げる。

 

 彼だけは違う。

 淫売に堕した冒険者たちとは違い、絶対にマンコの疼きに負けずに清廉潔白な雄であり続けてくれると、リードは信じていた。

 

 愚かなちんぽ士は知らなかった。

 何故冒険者が狂うのか。

 強い雄が何故ちんぽに媚びる雌へ堕ちるのか。

 

 呪い。

 この世界にかけられた呪いのせいだ。リードが知るのはそれだけだ。

 憐れなちんぽ士は知らなかった。

 

 ――この世界に蔓延る呪いは、ただ一つの例外も許さないということを。

 

 ***

 

 拠点となる街から10日以上歩き。

 道中をともにしたキャラバンと別れて数日。

 依頼で指定された座標近くに「それ」はあった。

 

 砂漠に突然生まれた巨大な穴。

 半ば砂に埋もれた洞窟の入口には蜘蛛の巣が幾重にも張り巡らされていた。枝分かれした洞窟を進んだ、その最奥。

 

 

 ぎち。

 錆びた鋏を使った時のような音が一つ。

 

 ぎちぎち、ぎちぎち。

 それに続いていくつも不快な音が続く。

 警戒。威嚇。どちらでもなくそれは合図。獲物が来たぞと群れの仲間へ鋏を鳴らして知らせているのだ。

 

「うっへぇ。予想よりも増えてやがるなぁ」


 片手に曲刀を構えたまま、鮫が角灯の灯りを音の方へと押し出した。

 灯りの輪が一歩分だけ押し出され、音の主が姿を現す。

 それは、丸く大きな白い腹だった。

 鮫の仲間であるか弱く小さなちんぽ士よりもでかいそれを支えるように6本の黒い足が伸びていた。大人ほどの背丈を持つ、巨大な蜘蛛。

 

 ぎちぎちぎちぎちぎちぎち。

 

 それが洞窟を埋め尽くしていた。

 リードたちが拠点としている宿屋をすっぽりと収めてしまうほどの巨大な空洞に蜘蛛糸を張り巡らせ、小さな目を光らせて蜘蛛たちがぎちぎちと毒液を垂らした顎を鳴らしている。

 

「あの毒はきみらでも食らったらまずいからな。油断するなよ」

「はい。ジェロールも私のカバーできる範囲から離れないでください」


 蜘蛛たちの8本の脚のうち、二つは歩行の役に立っていない。

 ゆらゆらと身体の前方で揺らすそれは先端が鎌のようになっていた。獲物を捉え、食らいつくための脚なのだ。

 

 ぎち。

 大きな腹に申し訳程度についた頭から音が鳴る。緑色の液体を滴らせ、近づいてくる大蜘蛛の群れ。

 それは冒険者ではない者なら気が狂いそうになるほどおぞましい光景だ。冒険者でも駆け出しの者ならば武器を投げ捨て逃げ出してもおかしくはない。

 そして、大蜘蛛たちは逃げ出した愚かな獲物を捕らえ、毒で痺れさせた後にゆっくりと食らうのだ。

 

 一体でも小さな村を恐怖に陥れる怪物が、わずか4人の冒険者へと牙をむく。

 しかし彼らには欠片ほどの恐怖も無い。

 鮫は真っ先にどの獲物を仕留めるかと舌なめずりをしていた。

 白熊は仲間たちを守るため盾と大槌を構え前に出る。

 シャチは蜘蛛たちを効率的に殺す為の呪文はどれがいいかと品定めをしていた。

 

「一匹でも逃せばまた増える。全て駆除するぞ」


 そして、狼は長剣を斜に構え一歩踏み出した。

 毒液も鎌脚も恐れずに、おぞましい虫の群れを睨みつける。

 威嚇の咆哮を上げるわけでもなく、ただ殺意を持って牙を剥き出しにするだけで蜘蛛どもはたじろいだ。

 恐怖といった感情を理解する脳もないであろう人食い蜘蛛どもが、ヴァイクの纏う空気を感じて怯えていた。

 

「これだけの数を倒せば、大きな経験になるでしょうね」


 仲間たちへ防御と耐毒の奇跡をかけながら、ため息をこぼした。

 それが悲劇的なことのように眉根を寄せると、前に立つ狼の戦士を見やる。自分たちのリーダーでありマンコに狂わない清廉潔白な雄。

 広く厚みのある背筋を見つめた後に、断ち切るように視線を逸らした。見据えるのは打倒すべき大蜘蛛の群れ。

 

「ヴァイク。動けなくなったら運んでやるから安心していいぞぉ~~」

「キミが抜けてもこの程度なら楽に片付くだろうからな。辛くなったらいつでも下がると良い」


 彼らにとっては取るに足らぬ雑魚の群れを前にして、鮫とシャチは気遣いの言葉をかける。それはヴァイクを軽んじたものではなく、思いやりによるものだと理解して狼は尻尾を振って応じた。


「……すまんな、リード」


 大蜘蛛どもの顎を鳴らす音に紛れて消えてしまった小さなつぶやき。

 剣の切っ先はヴァイク本人にも自覚できないほどかすかに震えていた。戦いへの恐怖ではないことは明白だった。その瞳は敵をしっかりと睨みつけ、わずかな怯えの色も無かった。

 

 ではなぜ震えているのか。

 それを指摘してもヴァイクにも答えられなかっただろう。

 期待か、絶望か。

 自分が抱いているものが、どちらかヴァイクにも分からなかったからだ。

 

「──行くぞ化け物ども!一匹残らず巣穴からは逃がさん!」


 自分を震わせる何かを消し去るために、狼は吠えた。

 洞窟内に反響するその叫びは、武人ヴァイクとしての最後の咆哮だった。

 

 ***

 

「ヴァイクさんたち、大丈夫かな……」


 仲間たちが洞窟へ足を踏み入れてから既に数時間が経過していた。魔物除けのまじないで守られたテントの中は、安全ではあるが少しも気分が落ち着かなかった。

 この先はリードを守り切れないとのことで入口で待たされたが、一緒に行って危険な目に合うよりも一人で待っている方がずっと辛かった。

 もし仲間たちに何かあれば自分は帰るすべもなく砂漠で野垂死んでしまうだろう。それに、仲間が傷ついて欲しくない。普段は自分を性処理の玩具にする連中でも仲間であることには変わりない。

 

 それに、ヴァイクはいつも自分を守ってくれていた。

 毎日レイプされるような環境でも耐えられていたのは彼がいたからだ。ヴァイクの背中に隠れることができなくれば、もう自分を保っていられないだろう。

 

 どうか無事でいてください。

 何度祈ったかも分からなくなるほど時間が経過していた。蜘蛛の動きが鈍くなる朝に突入したというのに、もうそろそろ昼過ぎになる。

 

 もしかしたら。

 仲間たちなら大丈夫だと信じていても不安が膨らむばかりだった。

 堪えきれなくなり、テントを飛び出そうとしたその時――

 

「おい、リード!起きてるかぁ~~!ちょい手ぇ貸してくれ!」


 テントへと身を投げ出すようにして、ベルナールとヴァイクが飛び込んできた。

 良かった、無事だった。そう安堵したのも束の間。

 ベルナールに背負われているヴァイクを見て血の気が引いた。

 目を伏せたまま、荒い呼吸を繰り返している。いつもの強く逞しいヴァイクが初めて見せる弱弱しい顔だった。

 

「ヴァイクさん!だ、大丈夫なんですか!」

「大丈夫です。命に別状は無いので……ちょっとテントに寝かせてあげてください」


 コリンに力を貸してもらい、ヴァイクをどうにかテントへと寝かしつける。

 何故か鎧を脱いで剣も帯びていないが、筋肉と骨が詰まった規格外の巨体は支えることすら不可能な重量だった。

 仰向けに寝かせたヴァイクの身体は、古傷こそあるもののどこにも怪我は負っていないように見えた。全身の毛皮が汗でじっとりとして、いつもより雄臭い程度だ。

 

「ヴァイクさんは大丈夫なんですか!?一体何が……」


 怪我は無いということは毒なのだろうか。

 しかしコリンの奇跡とジェロールの薬ならば大抵の毒は治せるはずだ。二人でこどうしようもない毒なのだとすれば、どうやって助ければ。

 

「ああ、大丈夫だよ。命に別状は無いから」

「雑魚の群れだったからな~~。あんなんで怪我も毒も食らわねえって」

「え、でもヴァイクさんが」


 こうして苦しんでいるではないか。

 今も湯気のように熱い吐息を吐いて身体をよじらせて、うめき声を吐いて。こんなヴァイクは見たことが無い。明らかにおかしい。こんな姿まるでいつもの――

 

「前も言ったけど、ヴァイクはおれらよりレベルが低かったんだよな」


 それは、リーダーとしての優秀さとは全く別の物だと鮫は頭をかいた。

 リードも知っている。短い冒険者歴でいくつものクエストをこなした天才。だからこそ、レベルだけは他の仲間よりも低いのだと。

 

「オマンコの感度というものは階段を上がるように変わるものなんです。あるレベルまで来ると、比べ物にならないぐらい気持ち良くなれるんですよぉ」


 恍惚とした顔で白熊が告げる。蕩けた言葉には微塵の後悔も無かった。レベル上がるたびにマンコが疼く淫乱となった自分を肯定していた。

 リードの背を汗が伝う。

 ヴァイクが苦しむ姿には見覚えがあった。冒険が終わるたびにベルナールたちは身体を火照らせ、身体をよじらせていたあの姿だ。

 

 あれは、レベルが上がっていたからではないのか。

 

「それでだ。ヴァイクもレベルが上がるたびに抑えが効かなくなっててな……」


 ジェロールが憐れむように微笑んだ。

 その視線の先にあるのはヴァイクの股間だ。褌を盛り上げている膨らみ。槍のように硬くなって、布地にシミを作っているちんぽを涎を垂らして見つめていた。

 

「今日のクエストでもレベルが上がってな。もう限界が来たようなんだ」


 手を掴まれた。

 肉球にまで傷がついてガサついた手はその気になれば爪を立て肉を裂き、膂力で以て骨を圧し潰す。

 いつもの頭を撫でる時の優しい手つきではなかった。手首を締め付けるその腕は腕がヘシ折れるのではないかと思うほどの力。

 

 それで、理解してしまう。

 

「リードぉ……❤❤❤」


 聞きなれた声。

 けれどいつもと決定的に違う声。

 媚びと甘えを滲ませた声の主がこちらを見て笑っていた。

 いや、笑いなどという甘いものではない。牙の隙間から舌をはみ出させ唾液を滴らせた口は口角を吊り上げて、いつも鋭かったあの目がだらしなく下がっていた。

 

 ここにはリードが憧れた戦士はいなかった。

 いるのは他の雄と同じちんぽを求める淫乱だけなのだ。

 

「ということで、処女マンコの相手を頼んだよ。リード」


 シャチがテントから出るのと同時に、視界が毛皮で塞がった。

 

 ***

 

「んぶっ❤❤はふっ❤じゅるるっ❤❤」

「んぁ、ヴァイクさ、やめて、んっ」


 怯えて逃げ惑うリードの舌に、執拗に舌肉が擦り付けられていた。肉食のざらついた舌は粘っこい唾液がたっぷりと絡められており、口内を這いまわるたびに一段と甘い激感が脳みそまで突き抜ける。

 舌同士をいやらしく絡めあわせているだけなのに身体は火照り、動悸が早まる。これまで何度も唇を奪われてきたが、こんなにも気持ちの良いキスは初めてだった。

 相手が、ヴァイクだからなのか。目の前にある顔が下品に崩れたものであっても、憧れていた男とのキスが興奮を高めてしまうのか。

 

「リード❤キスはもっと上手いはずだろう❤❤いつもみたいに、んっ❤俺の舌を吸ってみせてくれ❤」


 二人の息が互いに顔へとかかる。舌と舌が激しくもつれ合い、唾液が混ざり合っては顎下を伝わって落ちる。

 ヴァイクは甘露のように唾液をすすりあげてくるが、二人の唾液はどうしたって溢れてしまう。ぐちゅぐちゅと唾液の絡み合う音に舌を吸い上げる音が混じる。

 溢れた唾液が顎下からヴァイクの胸板へと垂れ落ちていた。リードの薄っぺらい胸板とは違う雄の胸はそれに見合って谷間も奥深く、唾液が吸い込まれていく。

 

「ほら、俺の乳肉はでかいだろう❤❤揉んでみたくないか❤お前の好きにしてくれ❤❤」

 

 リードの手を大胸筋へと導きつつ、舌で首筋から頬にかけてを舐め上げてくる。唾液にまみれた毛皮を舌で舐め取ろうとしているが、かえって唾液まみれにする結果にしかならなかった。

 その愚かな行為はつがいをいたわる獣のそれに良く似ており、剥き出しの本能を感じて背筋がぞくりとする。

 

 これがヴァイクなのか。自分の尊敬する戦士の痴態を受け入れたくない。

 

「揉んでくれないのか❤なら、先にお前から気持ち良くしてやるから、な❤❤」


 逆立った頭の毛皮を撫で、ヴァイクが熱っぽい吐息を耳へ吐きかけてくる。

 リードの頭はたちまちのぼせ上り、唾液を垂らした顔でなすがままにされてしまう。犯され、性処理の道具にされるのが嫌だったはずなのに身体が熱く滾っている。

 抵抗をしないリードに口元を吊り上げて、片手を股間へとすべり落とした。そこはこれまで経験したことが無い盛り上がりを見せていた。

 

「やはりお前のはでかいな❤❤これで処女マンコをハメハメして欲しくて、ずっとマンコを濡らしてたんだぞ❤❤❤」

「あ、ああっ!」


 男らしく筋張った手が勃起ちんぽを包み込んで優しく揉みほぐす。心地よい刺激にちんぽは興奮を促進され、滾っていた肉の槍がますます鋭く硬くなる。

 その姿をうっとりと見つめながら、ヴァイクは勃起がひっかかるズボンを優しく脱がしていった。ベルトを引き抜き、押し込められていたちんぽを引きずり出す。

 砂漠の熱と興奮で蒸しあげられていたちんぽが外気に触れ、開放感をもたらされる。ヴァイクの手によって引きずり出されたちんぽは使い込まれた赤黒さと堂々たる巨躯をみせつけながら我慢汁を垂らしていた。

 幾度となく雄に見られているにもかかわらず、羞恥心がリードを襲う。自分が尊敬していた男に――既に淫売と成り下がっていても――勃起を見られることが恥ずかしくてたまらなかった。

 

「これ、これだ❤❤雄臭いデカマラがずうっと欲しかったんだ❤」


 涎どころか鼻水までも垂らし、舌先がちんぽへと躊躇いがちに触れる。

 

「ん、んっ!」


 ヴァイクの舌は実に巧みだった。

 我慢汁を舌先ですくい取った後は、包皮の内部へと舌を潜り込ませてずるずると這いまわっていた。

 リードが身体を震わせて甘い声を漏らす間も舌は包皮の奥深くへと潜り、皮と亀頭の狭間で器用に滑り動く。パンパンに膨れ上がった亀頭のラインに沿って舌を這わせ、汚れを擦り洗うかのように舌の腹で摩擦する。

 包皮の中へ舌が潜り込む様子はすぐに射精しそうなほどに下品だった。憧れていた男が、ちんぽの皮の中までも舐めている。その下品さと快感を相手に射精を我慢できたのは、数日前から行われていたジェロールとベルナールの調教のおかげだった。射精寸前まで追い込まれて、寸止めをされる地獄のような責め苦がなければとっくに精液をぶちまけている。

 

「くっ、んぅっ!ヴァイクさ……!」


 そうしているうちにヴァイクは、舌を包皮に差し込んだままデカマラを口に含み始めた。亀頭を上口で抑え、舌をねじりこませてゆっくりと包皮を剥いていく。

 皮が剥けていくと剥き出しになった部分が火照った唾液と口内粘膜に包まれる。やがてちんぽが完全に剥けると敏感な亀頭に熱い肉が纏わりついてきた。

 ヴァイクは咥えることさえ難しいはずの亀頭を容易に半分ほどまで飲み込むと、緩やかに頭を前後させ始める。はじめは緩やかな運動も次第に加速し、テントの中にちんぽをしゃぶる音が響きだす。

 

「あ、ううぅあ゛っ!」


 絡みついてくる口蓋と舌腹が頭部の前後運動に従ってデカマラをざりざりと擦り付ける。平行して窄められた両サイドの口粘膜が摩擦してきた、ときおり舌先がカリ首をくすぐってくる。

 ガチガチに硬くなったちんぽへ上下左右から暖かく滑らかな快感が切れ目なく送り込まれる。極上の快楽に頭を酩酊させながらも、何故という疑問が離れなかった。

 あのヴァイクがこんな下品な所作でちんぽをしゃぶるなんて、どうあっても現実だと認めたくなかった。

 

 そんな思いを理解しているのか。淫猥な目つきでこちらを見上げ、イヌ科のマズルを器用に動かして間抜け面になり、唾液を散らして激しく勃起にしゃぶりついている。これまでのヴァイクを知る者なら、その表情との落差だけで絶頂しかねなかった。

 

「リード、お前は可愛いな❤❤ちんぽはこんな化け物じみているのにな❤」


 ちんぽにキスをしながら、喜びに満ち溢れた瞳を潤ませていた。それは今の自分への不満など欠片もなく、ただ幸福に浸っている者の目だった。

 

「さあ、俺も気持ち良くしてくれないか❤お前とマンコでキスをしたくて疼きっぱなしなんだ」


 ヴァイクは股間でリードの頭を跨ぐように体勢を入れ替えた。

 彼が求めているところを察し、リードは身体を横たえたまま力を抜く。

 褌に包まれた、大きさだけならばリードにも負けない巨根――には何の関心も無いのか雄狼はそのまま褌のねじりを食い込ませたデカケツを眼前へ突き出す。自分の中で湧き上がってしまった衝動に動かされるまま、褌のねじりをずらした。

 すると噴き上がるのは蒸れきった臭気。汗と雄の匂いに慣れ親しんだ雌の匂いを混ぜたもの。その匂いすらかぐわしく感じ、みっちりと詰まった尻たぶを割り拡げた。

 

「う、わぁ……」


 そこに現れたのはまさしく肉の薔薇。

 これまでコリンやベルナールのマンコを相手にしてきたのだ。雄の肛門なんて見慣れたものであり、使い込まれて形の崩れたマンコなんて驚くものでもない。

 だが、分厚い尻肉に隠されていたケツマンコはリードの目を捉えて離さなかった。

 粘液まみれの肛門は実に綺麗なピンク色をしていた。しかし楚々としているのは色彩だけであり、閉じているというのにマンコ肉はぷっくりと盛り上がって土手肉を作っている。鼻息を吹きかけるだけで肛門はぐぱぐぱと開閉している貪欲な肉の穴。

 

 処女。

 そう言っていた。事実その色は男を知らない初々しい色だ。

 だがマンコはこれまで見てきた男に劣らない下品な形をしていた。そのギャップに、リードの口に自然と唾液が溢れ出す。

 

「なあ、早くキスをしてくれ❤❤そっちはお前が初めての相手なんだ❤焦らしてくれるな❤❤」

「は、はい……」


 再び自分の勃起が暖かい肉に包まれるのを感じながら、リードはおそるおそる処女マンコへと口を近づけた。汗の酸味を含んだ濃厚な香気が気管に流れ込む。

 リードは震える舌を突き出して、弾けそうなぐらいに盛り上がったマンコをひとなめした。

 

「お゛ぅううんっ❤❤❤」


 激的な反応。

 大殿筋と太ももに筋肉が張りつめる。反射的に暴れ出そうとしているデカケツをどうにか抑え込んでいる。ベルナールたちでおなじみの反応だった。

 マンコは口を開いてディープキスをねだっているが、深くまで突っ込むことはせずに舌を翻して何度も盛りマンを磨く。熱い息を絶えず漏らし、舌先だけを差し込んで、震える肛門に口づけ、口を開いて盛り上がった肛門すべてを口内へ包み込む。

 

「う゛るうぅうお゛ぉおぉ❤❤❤ん゛ぉ❤い゛いっ❤❤マンコにもっどキスをじでぐれっ❤❤❤」


 こんなに熱心にマンコを愛する自分が信じられなかった。だが、止まらない。マンコを舐め回してから目の前に拡がるデカケツにしばし見入る。手を触れるだけでも分かる筋肉を詰め込まれた尻肉。小麦粉でいっぱいにした袋のような重量感。尻だけではない。太ももだって、抱き着いても手が回りきるか妖しい腰だって本物の戦士のそれだ。

 

 自分より圧倒的に優れた肉体。

 それが自分のちんぽを喉奥まで咥えこんで、酷い嘔吐音が鳴るように頭を上下させている。そして、尻肉の真ん中では腸壁をにじませた肛門が下品な音を立てている。

 淫靡な肉孔のおねだりに抗えず、指先でマンコのふちをなぞる。粘っこく糸を引くマンコは、さらなる快楽を求めて収斂している。

 

 だから、遠慮なく指を3本まとめて突っ込んだ。

 

「ぐっお゛お゛おおぉおぉ❤❤❤❤」


 尻尾がバサバサと揺れた。

 余裕があるようなので指を折り曲げて直腸の内壁をがりがりと引っ掻いてやった。指先に絡みついてくる貪欲なマンコ肉を強引に押し広げつつ、指をまとめて出し入れをしてやる。手首まで腕をぶちこんでやっても平気そうなマンコ肉の蕩け具合を楽しみつつ、ブポブポと下品な音を立てながらケツマンコをほじくる。

 指を引き抜こうとすると肛門が吸い付いてきて、盛り上がっていたマンコ肉が更に伸びる。腹に広がる生暖かい感触はヴァイクの精液だ。マンコを指でほじられるだけ黄ばんだ精液を吐き出して、顔面からは涙と鼻水と涎をまき散らしていた。

 

「お゛おお゛おおおぉ❤❤❤いぐっ❤ケツでいぐうぅうぅぅ❤❤❤」


 空気と愛液で攪拌されたマンコが汚らしい音を鳴らすのに合わせてでかい尻が突き出され、リードの顔に尻肉がぶつかる。交尾をねだるケダモノの仕草。

 雄らしさなど微塵も残していない仕草にふさわしくマンコ肉は伸びて、火山口のようだったマンコが筒状に盛り上がってしまっていた。

 指を引き抜いても伸び切ったマンコ肉は戻らない。もはや肛門の域を脱し、分厚いケツ肉からはみ出し掛けた肉壺マンコがずりずりと顔面へ擦り付けられる。


「い゛ぃいぃ❤❤もっどおぉおぉ❤❤❤マンコかき回してぐれっ❤マンコほじっでぇえ゛ぇぉお゛ほおっ❤❤❤マンコ吸われるのやっべぇええぇぇ❤❤❤❤」


 顔面を愛液まみれにされてはもう我慢できない。

 凸状になって戻らなくなってしまったマンコ肉をぱくりと咥える。黒い毛皮に覆われていない肛門の皺を舌先で伸ばし、容易に指でつまめてしまうであろうマンコ肉を唇で甘く噛む。

 そうすればでかいケツ肉が痙攣を起こし口の中で愛液がはじけた。

 鼻先を尻の谷間にぐりぐりと押し付けて、雄の匂いを強く吸う。そうしないと舌肉をマンコの奥まで潜らせることができないからだ。

 いつも自分を守ってくれていた雄の匂いを肺いっぱいに吸い込みながら舌をおもいきり突き出して、マンコの深く深くへたどり着かせる。匂いと一緒に愛液を舐めしゃぶっていると、甘いような、塩辛いような不思議な味がした。

 

「お゛ほお゛おおぉおぉ~~~っ❤❤❤いぐっマンコくるぅうぅぅ❤❤アクメぇ❤初アクメくるっ❤❤舌おちんぽでオマンコ突かれてアクメ決めるう゛ぅうぅぅぅ❤❤❤」


 口いっぱいに愛液が溜まるまでジュルジュルと下品な音を立てながらマンコを吸えば、尻を突き出したままの体勢で首をのけぞらせる。あんなにも焦がれていたちんぽから口を離し、マンコからの快感に酔いしれている。

 マンコからは愛液が止まらずに、ちんぽからは役立たずの種汁が溢れていた。舌肉をぎゅ、ぎゅと締め付ける動きからしてアクメを繰り返しているのだと理解できた。

 

 10秒。

 100秒。

 何分経過しただろうか。マンコ肉の締め付けが弱まるたびにマンコを吸って、舌を這いまわらせるとそのたびにヴァイクの喉から喘ぎ声が搾りだされた。聞いているだけで安心できたあの声が、今はすっかり醜いダミ声だ。

 

「あ゛ぉ❤おおぉ、お゛ぉおぉ……❤❤❤ほっ❤お゛ぉ❤❤これが、アクメか❤覚えた、ぞ❤❤」


 ようやく快感が収まったのか、名残惜しそうにデカケツを持ち上げる。

 体液で顔をぐちゃぐちゃにしていてもその顔は精悍と言えた。隣を歩く彼の顔を見ると顔が熱くなったことを思い出す。

 筋骨隆々とした巨体には相応しくない淫らな笑顔で顔を歪めて、次の段階へと進んでいく。

 

 逞しすぎる肉体がまたがると視界のほとんどがヴァイクでいっぱいになる。熱くて蕩けた息を牙の隙間から吐けば、マンコから蜜が零れ落ちた。

 褌を脱ぎ捨てたヴァイクの身体を眺めるには良い体勢で、マンコと違って使い込んだ色をしているちんぽから先走りがとろりと垂れており、尻からこぼれる愛液の川へと合流していた。

 

 ああ、自分はこれから犯されるのだ。心から尊敬していた冒険者に。

 快楽を期待してちんぽは硬くなっているくせに、目からは涙がこぼれ落ちた。

 

「そんなに俺とのセックスが嫌か❤嫌がられても今更止められんがな❤❤」

「ちが、違うんです。セックスが嫌じゃなくて、その」


 でかい尻を下ろしながらヴァイクが問いかけるが、答えをうまく口に出せなかった。

 レイプまがいのセックスなんて慣れたものだし、もっとひどく虐められることもある。こんなにも嫌なのは――いや、胸が痛いのは何故なのか。

 

 黙っている間も唇を尖らせたマンコがちんぽへと近づいていく。期待に何度も口周りを舐め回す狼が、ふと思いついたように手を握ってきた。

 

「なら、怖いのか❤俺も処女だが優しくはしてやるから安心していいぞ❤お前を誤って潰すほど足腰も軟弱ではないしな❤❤」

「怖いわけでもなくって。えっと……」


 ヴァイクの顔を見たくなくて顔を背ける。

 

「ただ、悲しいんだと思います。ヴァイクさんは、違うって思ってたので」


 握られていない方の手で目元を隠して、どうにか言葉を紡ぐ。

 きっと、これは失望と不安なのだろう。

 自分を守ってくれていた騎士は、他の淫獣と同じだと分かってしまった。

 明日からは自分を誰も守ってくれない。

 

 それが悲しくて、ちんぽを勃たせながら鼻を鳴らしてしまう。

 これは身勝手な感情だと理解している。ヴァイクは何も誓いはしなかった。勝手に自分が期待をしただけで。仲間にちんぽを提供するのはちんぽ士としての役割なのだ。

 

「そうか、んうっ❤すまないな、リード❤俺の維持のせいで却って辛い思いを、おおぉっ❤❤」


 片手でちんぽを握り、亀頭を肛門に擦り付けると甘い喘ぎ声が漏れる。それでも言葉を紡ぐヴァイクの顔には申し訳なさなんて微塵も無い。

 

「おぉちんぽ熱っちぃ❤❤す、すまんな❤生ちんぽなんて初めてだからか、マンコが堪えきれん❤」


 尻を下ろすと亀頭がゆっくりと埋没していく。処女を失うことがたまらなく嬉しいのだろう。顔を満たしているのは喜悦の色だ。

 

「あ、おおぉ❤もう、お前のちんぽを我慢できんが、安心しろ❤❤これからもお前を守ってやるから、あああぁっ❤❤❤」


 しゃぶられて筒状に伸びたマンコはちんぽを咥えこもうと貪欲に蠢き、なんの抵抗もなく巨根を飲み込んでいく。性器に他者の熱を感じ、二匹の顔が歪んでいく。

 ヴァイクはそのまま小さな身体を抱き寄せ、筋肉で膨張した胸で顔を押しつぶす。毛皮ごしであっても、その圧倒的な肉量を感じることができた。

 

「お前のちんぽがずっと欲しかったんだ❤他の男に虐めさせたりはしないし、勝手に使わせんからな、あ゛あっ❤❤来るぅ❤お前のちんぽが、奥までぇ❤❤❤」


 胸の谷間に顔を埋めながら亀頭を飲み込んでいき、恐ろしく熱い肉の海へとちんぽが包まれる。

 悲嘆と不安が渦巻く中に快楽のミルクを垂らされて。この欲に溺れてしまいたい欲求と、ここから先に行くのが怖いという思いがせめぎ合う。

 

「ん゛うぅ❤いいから、俺の胸でも吸っていろ❤❤何も考えずにな❤」


 唾液を垂らしつつ、ヴァイクは両方の手を握り締める。指を絡ませあっていると不安が薄れていく。

 逞しい乳肉にすがりついて、このまま何もかもを預けたくなる。誰よりも信頼していた、この狼に。

 

「あ゛があぁあぁ❤❤おっうぅぅ❤❤❤」


 ヴァイクは既に思考を放棄しているようだ。獣欲に身体を預けてでかい尻を下ろしていくと、待ってましたとばかり欲しがりマンコがちんぽを咥えこんでいき、処女を失った悦びと快楽がマンコ肉を駆け巡る。

 

「あ゛おおぉおおぉおんっ❤❤❤」


 口をすぼめて、天を見上げながらの咆哮は無様としか表しようがない。狼人の恥さらしといえるマンコイキによる吠え声。抑えが効かないようで毛皮を逆立てながら何度も声を上げる。

 雄を知らないマンコは締め付けがきつくも暖かく、ちんぽへむちゅむちゅとしゃぶりついてくる。肛門はちんぽを食いちぎるばかりの勢いで食らいついており、ちんぽを硬くせずにはいられない。

 

「あ゛おぉ❤❤ぐるるぅ❤ちんぽ❤❤あぁ❤これが、これがぁ❤❤」


 小さな狐に跨り、尻肉を腰骨とくっつけて狼は喘ぎをこぼした。酒に酔っているような目で、咥えこんだちんぽの脈動と熱を感じ取ろうとしている。

 そこには雄と一つになれた雌がいるだけであり、ちんぽを心から愛しているのだと顔を緩めていた。

 だが、自分から動くわけでもなくリードのちんぽを締め付けるだけだ。何故?と戸惑っていると握っていた手を離して抱きしめてきた。太い腕で抱きしめられると、身体の火照りがより強く感じられた。

 

「んぁ❤❤大丈夫だからな❤俺が、優しく抱いてやる❤これからは気持ちいいセックスだけしてればいい❤❤」


 いつもされていたように頭を撫でられたからだろうか。行き場を失っていた手が狼の太い腰を抱きしめる。手は回りきらなかったため、しがついているような体勢に近かった。

 

 滲んでいた涙は胸の毛皮に吸収されていた。自分の中で渦巻いていた感情が、熱で溶かされていた。

 

「……よし❤そのまま、しがみついていろよ❤❤」


 ねちゃりと音を立ててでかい尻が動く。

 粘っこい糸を腰の間に引いて。マンコを擦って。

 

「おおぉおぉ~~~~っ❤❤❤」


 肛門をかきむしりながらちんぽが抜け出ていく感覚に、口を「お」の字にして息を吐く。尻を一度持ち上げただけだというのにちんぽから濃い汁が飛ぶ。でかい尻を下ろしてやればまたちんぽが暴れる。尻は瞬く間に加速していく。

 

「お゛っ❤しゅげっ❤❤マンコいいぃぃ❤❤❤ここ、たまらんっ❤う゛うぅおおぉ❤❤」


 でかい尻が上下するたびに喘ぎ声も馬鹿でかくなっていった。自分のデカマラから白く濁った汁を飛ばして、ブルンブルンと暴れまわらせる。淫獣としての欲求に任せて、マンコを抉られる快感に酔いしれる。

 筒状に伸びていたマンコはちんぽを咥えこむための期間として最適化して、肛門を擦られながら愛液を噴き上げていた。それはケツマンコでフェラをしているかのようで、ジュボジュボとはしたない音を立てていた。

 

「すっげぇえぇ❤❤❤ちんぽがぁあぁ❤❤ひぎぃいぃ❤お゛っ❤お゛ぐぅ❤❤こんなおぐにいぃいぃぃ❤❤❤」


 自分より遥かに小さな身体に抱き着いて腰だけを動かす姿はどんな娼婦よりも淫らであり、戦いの時の彼を知っていればより扇情的に映るだろう。

 リードへの気遣いが残っているかは怪しかった。でかい尻が何度も叩きつけられる。肉と肉との打擲音に混ざる粘性の音。視界が塞がれているリードに交尾をしているのだと聴覚から叩きつける。

 

「う゛ぐうぅ❤❤すまんっ❤荒っぽくなっているがぁ❤マンコがよすぎでぇ❤❤加減が効かん❤ちんぽ子宮に届いてるうぅぅ❤❤」


 辛うじて理性は残っていたようだ。その言葉は快楽でもつれながらも慈しみが含まれていた――ケツ肉をぐりぐりと押し付けながらではあるが。

 欲望のままに腰を振るって、ちんぽを咥えこむ姿は他の雄と変わらない。けれどその言葉や頭を撫でる指先にはヴァイクの残滓が残っているように感じられた。

 

「あ゛っはあ゛あああぁぁ❤❤❤止まらん❤ケツがぁあぁ❤❤い゛いぃ❤至急ごんごんされでる❤❤でかちんぽが深くまで来てるうぅうぅぅ❤❤❤」


 蕩けてふやけた柔肉がちんぽに絡みつく。しがみついているはこんなにも逞しく力強いのにマンコはねっとりと柔らかい。

 ちんぽを極上マンコでしゃぶられて射精への階段を一歩一歩登っていた。それでも、ヴァイクの方が早く達するだろうとはマンコの具合から察しがついた。

 

「い、いがんっ❤❤我慢でぎなくなるうぅぅ❤お前のちんぽが良すぎでぇ❤❤とんでじまいぞうだぁ❤」


 口で警告を発してもケツは止まらない。マンコを攪拌する音を奏でながらちんぽをしゃぶり続ける。

 

「このちんぽ良すぎい゛いぃいいぃぃ❤❤❤❤う゛おぉ❤んっひいぃ❤❤マンコぉ❤マンコがあぁぁーーっ❤❤ぶっといちんぽが、無理無理むりいぃぃい❤❤❤ぎもぢいいぃぃいぃ❤❤❤❤」


 尻肉の震えはそのまま快楽を表していた。生半可な刃など受け止めてしまう肉の鎧が弱々しく震え、戦士としての殻を剝いでいく。

 そして剥き出しになった欲望はリードを強く抱きしめる。これまでで一番強く。痛いぐらいの力で。

 

「ああぁぁっ❤❤絶対離さんぞっ❤あ゛っひぃ❤❤いぐぅ❤お前は、逃がさないからな❤❤お゛ううぅ❤❤❤」


 腕はの力は強まるばかりなのに。マンコは愛液を粘つかせて甘くしゃぶりつくだけだ。マンコとは違う欲求で腕は突き動かされていた。

 

「お前のちんぽもっ❤❤お前も俺が守って、やるがらなっ❤❤❤誰にも傷つけさせんぞぉ❤❤お前は、ずっとっ❤俺が守るっ❤❤❤」


 ヴァイク自身、自分の言葉を理解しているのかが怪しかった。マンコは絶頂へ向かって一直線に突き進んでおり、マンコ肉が震えると溢れた愛液がリードの足へと飛んだ。

 

「あ゛お゛お゛おおおぉんっ❤❤❤マンコぎもぢいぃいぃ❤❤絶対に゛ぃ❤他の男に綿さんがらなぁ❤❤俺のっ❤俺のちんぽおおぉぉ❤❤❤俺のリードおおぉ❤❤」


 マンコが立てる下品な音と一緒に叫ばれる言葉。

 それは自分を求めている言葉としか思えず、収縮してザーメンを搾り取ろうとするマンコと合わせてちんぽを硬くする。

 こんな言葉は吐かれたことがない。コリンも、ベルナールも、ジェロールも。ちんぽを求めてはくれたが自分の快楽だけをひたすら求めていたからだ。

 

 自分を抱きしめながら叫ぶ狼がとてもいやらしく。抱きしめた身体が分厚く。ちんぽが気持ち良く。

 その全てにせっつかれて尻肉を鷲掴みにする。

 

「ヴァイクさ、もう、いきそう……」

「お゛おおぉっ❤❤❤そうか❤いいぞ❤俺の処女マンコにぃ❤❤初めての種付けをしてくれ❤❤お前のちんぽが俺のものだと証をくれっ❤❤❤」


 リードの反応に狼は嬉しそうに吠えて、体液でぐしゃぐしゃの顔をゆがめた。でかい尻を上下させる速度も上げて、子種を求めてマンコを鳴らす。

 

「あ゛あっ❤❤もっと硬くなれ❤もっと感じてぐれぇ❤❤お前のちんぽが俺に惚れるまで愛してやるっ❤❤❤」


 狙った獲物に牙をかけようと、狼は思い切り腰を叩きつける。

 がりがりとマンコ壁を抉り取られながら。

 

「ん゛っほお゛おおおぉおおぉぉぉ❤❤❤」


 今までは届いていなかった奥まで抉られて、ヴァイクの舌がピンと伸びる。豊かな毛皮に隠されていなければ火照った肌が見えたことだろう。

 これまでぎりぎり保ったタガが外れてしまったのか、そこからはひたすら快楽を求める荒々しい動きへと変わった。雄っぱいで狐を抱き潰したまま、腰が淫らに、早く踊る。叩きつけるだけはなく最奥に差し込んだまま尻を押し付け、イイトコロに押し当てるようにして擦り付ける。

 

「う゛っひい゛いぃぃ❤❤❤いいぞっ❤お前のちんぽ最高だっ❤❤お前のちんぽ以外ではもう満足できんぞ、リードおおぉ❤❤❤」


 雄っぱいに押し付けられる顔へと吐きかけられる言葉もはちみつのように甘くなり、躊躇いなくちんぽで自分の中をかき混ぜる。

 巨木のような腰が浅ましく踊り、尻が持ち上がる。鈴口だけを残すまで持ち上げると、愛液で濡れてかるちんぽと吸い付くマンコが実の良く見える。

 テントの中の薄っすらとした灯りでもマンコが良く目につくのは、愛液でてらてらと塗れ、鮮やかな肉色で彩られているからだ。

 

「お゛っう゛う゛ぉおぉぉ❤❤❤子宮潰れるう゛うぅ❤んお゛っ❤❤おおおおぉぉぉ❤❤❤」


 そこからヴァイクの尻が一気に叩きつけられる。ごりごりごりごりマンコ肉を抉りながら直腸を押し広げられる快楽。ヴァイクは瞳をひっくり返して快楽の奔流に襲われているようだった。

 

「あ……うぅ」


 それはリードも同じだった。既に金玉が精子を大量に製造し、射精を待ちわびて鈴口が開閉を繰り返している。

 

「リードおぉ❤❤❤ちんぽがまた、硬くなってぇ❤❤お゛っほぉ❤射精したいんだな❤❤いいぞ、いつでもおぉ❤❤来いぃ❤」


 蒸し暑いテントの中で絡み合う二人の身体は汗にまみれ、抱きしめあっているせいで熱は更に加速する。汗と性の匂いで満ちたテントの中はそれだけで孕むのではないかと思うほどに濃厚で、雄胸に抱きしめられているリードの感じる匂いはそれよりも濃かった。肺にも脳みそにも淫乱狼の匂いがしみ込んでいく。


 匂いと快感に頭を犯されていくうちに、ヴァイクの声が媚びを強くし始めて、限界が近いのだと理解する。

 

「お゛ほおぉっ❤いぐっ❤❤もうぅうぅ❤」


 肉の谷間に顔を埋められて、匂いだけしか感じなくなったがそれどころではなかった。

 マンコがぎちぎちと締まる。二人の間に挟まれたデカマラが張りつめて、絶頂するぞと濃い先走りを噴き上げる。

 

「さあ、お前もイっていいんだぞ❤❤❤お前の子種を俺にくれ❤お前の精液で子宮をマーキングしてくれっ❤❤」


 本気の言葉なのだとマンコが扱き立ててくる。子種を求めるマンコはちんぽにぴったりと吸い付いて、マンコの奥でもキスをしてくる。

 

 それはこれまでしてきたどんなセックスよりも素晴らしい快感。最高の雄に愛されてする射精は、レイプまがいの交尾とは何もかもが違った。

 

「いぐぅうぅ❤❤ぐお゛っ❤おおぉ❤アクメくるぞおぉ❤❤お前のちんぽでアクメがぁぁ❤❤」


 そして二人に終わりが訪れる。交尾によって煮えたぎったザーメンがぶちまけられる瞬間が。

 

「ぐっう゛う゛うぅうぅぅ~~~~っ❤❤❤」


 とどめとばかりにヴァイクの巨大な尻肉が振り下ろされる。

 マンコ襞でちんぽを撫で上げながら、マンコの一番奥深くへと。

 

「ぐ。ル、るぅぅ――――」


 ちんぽがたどり着いたのは直腸の行き止まりを超えた先。

 結腸の曲がり角を叩いた時、快感が爆発した。

 

 精液が、溢れ出してくる。

 

「ぐる゛るるぉお゛ぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉ❤❤❤❤❤」


 ドバドバと、マンコを舐めた時とは比較にならない量の精液が噴き上がっていた。火山の噴火のように、腹の間で挟まれながら射精を繰り返す。

 二人の毛皮が黄ばんだザーメンで塗りたくられて、汗の匂いを上書きするきつい性の匂いがたちこめていく。二人は抱き合っているというのに精液は腹の間から溢れ出して、テントに精液を飛び散らせていく。

 

「お゛ほお゛おお゛おおおぉおぉおぉぉぉ❤❤❤❤オマンコザーメンきてるきてるぎでるぅうぅぅぅぅ❤❤❤❤❤」


 狼マンコの中でもザーメンがぶちまけられていた。最高のセックスでした射精は量も濃度も桁外れで、ヴァイクを孕ませようと子種を噴き上げ続ける。

 その間も大胸筋に挟まれ続けているせいで呼吸がままならないのだが、ヴァイクにそれを気遣う余裕は無かった。自分のちんぽからの射精。マンコにぶちまけられる射精。脳を壊してしまう快楽に、ただアクメし続けるのみだ。

 

「あはあぁぁぁ……❤❤孕んだ❤こんなの絶対に孕んでしまうぅ❤❤」


 唾液を恍惚と垂らしながらも、射精がおさまるとようやく頭を解放してくれた。もっともっとと尻を擦り付けてくるあたり、満足にはほど遠いようだが。

 狼マンコは肛門も直腸もみっちりと締め付けてきて、ちんぽを離す気配が無い。そのまま身体を倒すと、リードをもう一度抱きしめる。今度は力強いものではなく、慈しむような優しい抱擁だ。

 

「はぁ❤すまんな❤❤しばらくこうさせてくれ❤今動いたら、精液をこぼしてしまいそうだ……❤」

「はい……。おれも、どうせ動けませんから」


 セックスは身体を酷使するものではなかったが、精液を根こそぎ吸い取られたような疲労感で全身が動かない。

 息を吸い込むと感じるのは濃い精液の匂い。二人の間にべったりと伸びたザーメンはまだ湯気を立てており、入念に洗わないと匂いが取れそうにないほどに強く毛皮に染みついていた。

 

「すまんな、リード。マーキングというやつだ」

「マーキングって……おれのものだってアピールするあれですか?」

「そうだ。これから俺のちんぽだからな。勝手に手を出されんようにしておいた」


 そして頭を撫でてくる狼はいつもと変わらないように見えた。無論、マンコを締め付けて今もザーメンをとろとろと漏らしているのだから、そんなはずはないのだが。

 その視線で察したのだろう。リードの顔を舐め上げた。

 

「そうだな。俺はもうちんぽ無しでは生きていけん。以前のようにお前を守ってはやれん」


 上気した顔のまま、狼はちんぽを締め付けた。

 人格が変わったわけでも記憶が失われたわけでもない。

 ただ、マンコの疼きに堪えられない。ちんぽが無いと生きていけない。ザーメンが欲しくてマンコをいつも濡らしてしまう。ちんぽのためならなんだってする。そういう生き物になったのだ。そう、寂しそうに告げた。

 

「お前をできる限り守ってやりたくて、ちんぽも我慢してたんだが……ついに限界を迎えてしまった。俺も、これからはお前のちんぽを毎日求める淫売になるんだ」

「そう、だったんですか……」


 もう、これまでのヴァイクはいないと知らされたたのに不思議と涙は出なかった。ザーメンと一緒に自分の中に渦巻いていた感情も吐き出してしまったのだろうか。

 ただ、ほんの少しの寂しさだけがあった。自分の憧れていた人は消えてしまった。これからは淫獣たちを相手に一人で戦わなければいけないのだ。

 

「だが、な」


 ヴァイクが牙を剥き出しにして笑んだ。

 ちんぽをマンコ肉で抱きしめたまま身体を擦り付ける。精液塗れの身体にもっと自分の匂いをしみ込ませるように。

 

「これからはお前は俺のものだ。だから……お前のちんぽを好き勝手に使わせたりはせんから安心しろ」

「……それって、ちんぽ士の仕事もしなくていいとか?」

「それは別だ。コリンたちもちんぽが無くては生きていけないのだからな」


 うむむ、と考え込みながら耳をパタパタと倒す姿はどこか可愛くて、リードには新鮮だった。ヴァイクのこんな表情を見たことも、こんなに長く話し込むことも初めてだった。

 

「そうだな、セックスの時間も回数も俺が決める。後はお前のちんぽが酷い目に合わんようにセックスの時は俺が監視するか。俺のちんぽに勝手な真似をされんようにな」

「それ、二人でレイプされる気がするんですけど……」


 重い身体にのしかかられつつも、心は軽くなっていると感じていた。

 自分を守ってくれた理想の戦士はいなくなり、自分を犯す淫獣が増えたというのに。

 マンコの中でちんぽが硬くなるのを感じて、もう一回戦ぐらいはいいかなんて考えている。

 

「いくらでもいいぞ❤俺のマンコはもうお前の物になったんだから、な❤❤」


 舌を絡ませあいながら、再び雄と性に満ちた空気の中へ沈んでいく。

 マンコがかき回される音が響くころには、我慢しきれなくなった仲間たちが割り込んでくるに違いない。

 

 だが、それを受け止めてやるのがちんぽ士の仕事だ。

 

 ここは、レベルがマンコの感度となる世界だ。

 冒険者たちは力を求めると同時にマンコの疼きに苦しめられ、ちんぽを求めるようになる。

 仲間同士で慰め合うか、金で男を買うか、冒険者を止めて平凡な人生を求めるか。彼らは様々な道へと進む。

 

 今日の話はこの世界にとっての良くある話。

 ありふれた物語の始まりだ。

Comments

サバンナ

内容のエロさはいつもながら、今回は特に素敵なストーリーでした! エロ切ないほろ苦系かと思ったら最後にはほっこり甘いラスト、読んでてめちゃめちゃ感情が動かされました。

おもち

ありがとうございます~。このシリーズのいわゆる普通の話を書いてないんで書いてみました。