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翌朝。 「っ……、……!」 「ん?」 洗面所からくぐもった声が聞こえてきて、ドアを開けて覗き込む。 「くっ……このっ……!」 弟が鏡の前に立って、身体の前で両手を動かしていた。 乳肉を一人で揉んでいるように、ぐにぐにと動かしている。 胸にあてられているのは、昨日ちゃんと着けるように指導したブラだ。 「……何してんの?」 私の視線に気づいた弟は、ビクリと身体を震わせながらこちらに顔を向けた。 「起きたら外れちゃってて、それで着けなおそうとして……」 申し訳なさそうに話す弟。 その手にぶら下がっているのは、昨日着けてあげたブラだった。 寝相がそんなに良くないのと、サイズが合わなかったのが原因みたい。 「これからは1人で着けられるようになりなさいよ」 手伝ってやろうとして、昨夜からの変化に気づく。 ブラのカップから乳肉がはみ出している。 乳肉も時間帯や姿勢で微妙にサイズは変わるものだけど、それにしても大きいな……。 「デカすぎんのよっ……年下のくせにぃ!」 2人がかりで乳肉を押し込めることになった。 弟のブラに手間取ったから、少し急ぎ足で学校に向かう。 お陰で遅刻は回避できて、無事に休み時間のうちに教室にたどり着いた。 ガララッ (うわぁ……) 中に入ると、視界に入ってくる大量の肌色。 その正体は、制服の学ランを羽織っただけの男子たちだ。 身体よりも大きくて重い乳肉を持ち上げ続けるのは無理だから、みんな教室の床に着けちゃってる。 弟のおっぱいが可愛く思えてくるレベルだ。 10メートルクラスのおっぱいをつけた生徒も2人いるし、他の男子たちも私の何倍も大きなバストをしてる。 ここまで大きくなると机も置けないから、自分の上乳にノートを乗せて授業を受けている。 私の胸が女子の中でトップクラスに大きいのは変わってないんだけど、クラスのほぼ全員の男子がそんな超乳をしてるから、目立つこともなくなった。 「おっぱいが張ってきちゃってさ」 「母乳は出さないと身体に悪いぜ」 だぷっ、どぷんっ、だぶるっ 自分では乳首を触れないから、堂々と乳合わせで刺激し合ってる。 「あんっ♡」 「ふあぁっ♡」 女子みたいに甘ったるい喘ぎ声を出しつつ、乳肉をぶつけ合う男子たち。 みんな可愛い顔してるけど、流石に女子とは見間違えない。 男口調だし、あんなデカ乳してる女子は見たことがないし。 制服の学ランがなかったら、おっぱいのサイズ以外は見分けがつかないかもしれないけどね。 「んくうぅぅぅ♡」 どぷぷぷぷっ 絶頂するたびに噴き出していく乳白色の液体。 お互いのおっぱいの境目から、行き場を求めて勢いよく迸っていく。 まるで、ホースで放水しているみたいだ。 「んっ……ちゅ……お前の母乳めっちゃ甘いわ」 「そっちこそ濃厚でクリームみたいだよ」 顔や上乳に飛んだ母乳を舐めとりながら、快感の余韻に表情を蕩けさせている。 こうして男子が母乳の飲ませ合いっこしてるのは当たり前の光景だし、他の男子たちも飲みに集まってきて、肌色の集団ができあがる。 そして、甘ったるいミルクの匂いが教室に充満していく。 私はというと、男子たちのノリについていけないというか、あいつらの母乳を飲むということにどこか心理的な抵抗があった。 だから今も飲んでないし、できるだけ近づかないように避けてきてる。 (最近は毎日こんな感じだよね……) 正直にいえば、私が悪目立ちしなくなったのは喜ばしい。 数週間前までは自分がクラス一の巨乳だったわけで、どうしても注目を浴びてしまっていた。 男子たちからの好奇の視線も一切なくなったし、女子から変に嫉妬を向けられることもなくなった。 あいつらの胸が私の10倍ものサイズになったわけだし、自然なことだろう。 ただ―― (男の方がプロポーション良いってどういうことよ!) 自分よりも大きなバストが溢れかえったこの状況が、気に食わないのも事実だった。 注目を浴びることもなく、ただ重いだけの乳の肉を机の上に乗せて過ごす日々。 居心地はいいはずなのに、なんともスッキリしない。 外だとまだ視線を浴びるけど、他の男子たちの超乳のインパクトが強すぎるせいか、やっぱり以前ほどの注目は感じなくなった。 嬉しいような、腹立たしいような……。 どこかモヤモヤとした感情が渦巻いていた。 「ただいま~」 家に入ると、先に帰宅してたらしい弟が廊下から顔を出してきた。 どうやら私の帰りを待っていたらしい。 「あの……」 おずおずと近づきがら、申し訳なさそうに弟が声をかけてくる。 怒られるのを覚悟しているような様子で、持っていたものを私に見せた。 「ブラ、壊れちゃった……」 彼の手からダラリとぶら下がっているのは私のブラ。 よくみると、ホックが壊れて使い物にならなくなっている。 つまり、着けだして1日で壊してしまったのだ。 「あんたねぇ……ん?」 自分の下着だし、何か言ってやりたい気持ちはあったけど、弟を見つめて気づく。 着けるものがなくて丸出しになった彼の胸。 そこが、あきらかにサイズアップしていた。 すでにへそを覆い隠すレベルで、両腕の間で窮屈そうにたわんでいる。 「歩いてたら、突然ブチッって音がして……」 重すぎて自然と壊れてしまったらしい。 私の胸よりも2まわり以上大きな爆乳、これをブラで支えようとすれば、壊れてしまうのも仕方ないだろう。 「私のじゃ間に合わないみたいね」 これで弟を責めるもの酷だし、廊下を歩きながら静かに言葉を返す。 ただ……まぁ、ショックも大きいというか。 こいつも私を追い抜いていくのか……。 肩を落としつつ、小さく呟く。 「……行くか」 弟にまで抜かされた自分のバストについてはひとまず諦めつつ、自分のバイトしてる下着店に向かうことにした。 ◆ ◆ ◆ 「すみませ~ん、店長いらっしゃいますか……あっ」 「あれ、シフトじゃない日に来るなんて珍しいね」 店に入ると、ちょうど常連の先輩が来ていた。 隣にクラスメートはいなくて、彼女1人だ。 「今日は弟さんじゃないんですね」 「そ。店長に乳首用のヌーブラ作ってもらっててさ~」 ニコニコといつもの調子で語る先輩。 その胸は、数週間の間でとんでもないサイズに成長していた。 あまりにもおっぱいが大きくなりすぎて、直立してても下乳が地面に着いちゃってる。 乳首の肥大ぶりも相当なもので、指どころか手首くらいあるサイズだ。 「立派な超乳になるのは自然なこと」だとしても、ここまで大きいと大変だろうな~と思う。 「服とか合わないのもあるけど、母乳が出てきちゃってさ。ヌーブラを作ってもらってたんだよね」 乳肌からふわりと鼻にくるミルクの匂い。 クラスの男子たちにくわえて、弟に常連に……。 バストの感覚がおかしくなりそうだけど、応対してた店長は2桁だろう普通のサイズの胸をしてたので平常心を取り戻せた。 「そうだ、今度の週末に海行こーよ」 「いいですね! ぜひお願いします……あ、そうだ」 先輩との会話にのめり込みそうになったところで、本来の目的を思い出して奥にいた店長に告げる。 「あの、弟のブラをオーダーメイドでお願いしたいんですけど……」 「それで来たのね。じゃあ測定してみましょうか」 弟の胸を見ながら納得する店長さん。 許可をもらって、2人でフィッティングルームに入る。弟だし、私がやる方が手っ取り早い。 前にクラスメートを測ったものと同じメジャーを背中に回して、バストを採寸していく。 一周させて、目盛りの0と重なった地点に目をやる。 「えっと、1メートル90……」 むくくっ! 「あれ?」 数値を読み取ろうとしたところで、メジャーの目盛りがズレた。 肌に密着しているのは変わらないし、動かしもしてない。バイトの経験もそこそこあるし、こんな簡単な手順でミスをするほど下手じゃない。 まるで、内側から押し広げられたかのよう。 弟の胸が……膨らんでる? 「まだ成長しそうね」 店長さんが後ろから声をかけてくる。 先輩やうちの男子たちのバストも測ってるし、たぶんこういうケースにも慣れているんだろう。 「測定するのは、数日待ってからにしましょう」 どうやら、他のオーダーメイドに来たお客さんたちも似たような状況なんだとか。 一気に数十センチ、数メートル単位で大きくなるから、今ここでオーダーメイドで作っても、出来たときにはサイズが合わなくなる可能性が高い。 いったんバストサイズが落ち着くまで様子見することになった。 「最終的には着けないのが一番楽なんだよね~」 「あはは……」 あっけらかんと語る常連に、苦笑いで返す。 下着専門店でバイトしてる身としては、なんとも言い難い。 ただ……こんなにデカい胸を支えるブラ、乳肉の重さを支えるのにも一苦労だし、地面に重さを預けちゃった方がいいのかも。 弟の胸が、先輩クラスにデカくなること前提だけど。 「じゃあ、帰ろっか」 「…………」 弟に声をかけたものの、反応がない。 もぞもぞと動いてる気配はあるものの、フィッティングルームから出てこない。 どうしたのかと思いつつ、仕切られたカーテンを開けると、 「シャツ、入んないや……」 自分の服を持ったまま、困った表情を浮かべる弟がいた。 採寸中にも膨らんだ乳房。 ここに来るまでに着ていた私服のシャツ。 さっきまでギリギリだった服が、すでにサイズオーバーでボタンを留めることすらできなくなっていた。 このまま上半身裸で帰る……なんてことにはならず。 超乳のお客さんが増えたために、試しに作っていたらしい特製のシャツを店長が渡してくれたのだ。 これを着せて、どうにか帰路につくことができた。 いくら男子とはいえこんな乳房を丸出しにして歩くのは、やっぱりはしたないし。 胸だけがぴったりでウエストとかはブカブカだから、乳袋を強調しちゃってるけど。 どぷんっ、だぶるっ、ゆさっ 「うぅ……」 そんな格好で歩いてたら、どうしたって通行人の視線も浴びてしまう。 恥ずかしそうにうつむく弟。 一歩ごとにゆさゆさと揺れる乳房がうっとうしそうだし、背中ごしにもはっきりと見えるくらいに広がってるから歩道の横幅を占拠しちゃってる。 バランスボールを2つ胸につけているようなサイズ感で、隣を歩くだけでも横乳が当たってくる。 「ほら、前見て歩きなさい。転んじゃうでしょ」 私は巨乳との付き合いも長いし、周囲から視られるのも慣れてるけど、弟はそうじゃない。 さっきから注目の的になっている胸をかばおうと両腕を動かしてるけど、こんなデカすぎる乳房じゃ抱えることもできない。 どんなに頑張っても上乳を抑えつけるのがやっとで、むしろ強調しているような格好になってしまっていた。 ぶるんっ、だぷんっ……むぐぐっ! 測定中にも膨らんでたけど、さらに成長し続けている。 せり出した下乳は上半身すらも超えて、歩くたびに膝に当たるようになってきた。 (どこまで大きくなるのよ……) 際限なく成長していきそうな彼の胸を、半ば呆れつつ見つめる。 私の方も、バストサイズに嫉妬するどころじゃなくなっていた。

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