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約6300字です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 娼館エリアの外に出てしばらく進むと、閑静な住宅街が広がっている。 立ち並ぶ家々の屋根を、さながら忍者のように音もなく駆け抜けていく少年たち。 彼らの身体を包むのは、科学技術の粋を集めたスーツである。 戦闘面はもちろん、コンディションの調整や運動能力の補助も兼ねており、彼らの動きは娼館の廊下を走っていたときよりも一段と滑らかでスピードを増していた。 退魔師としての役目を果たすべく、魔物の出現したエリアへと向かう4人。 ……しかし、その姿は以前のままとはいかなかった。 「うぅ……やっぱきつい……」 苦悶の声を漏らすのは、さきほど爆乳を揺らしていた少年。 全身を包む戦闘スーツは胸や尻を支える働きもしていたが、下乳の付け根に至るまでピッチリと包み、柔らかくもハリのある輪郭が丸わかりだ。 左右の頂点では乳首はもちろん、なだらかに盛り上がった乳輪の輪郭までもがうっすらと浮き上がっていた。 「足元が見えないし……」 下を向いても、視界の半分以上をせり出した胸が隠してしまう。 スーツの生地に包まれてもなお存在感を主張する乳房。サイズもボリュームも、大玉スイカを2つ抱えて走っているようなものだ。 バランスを取るたびに胸が揺れ、そのたび窮屈そうに盛り上がった乳首がスーツの伸縮で刺激されてジワリと淡い快感と疼きを滲ませる。 それらが相まって、本来の退魔師としての身軽さとはかけ離れた足取りとなっていた。 ばるんっ、だぷっ、ぶるるっ! 小柄な体躯が重たげに揺れる乳房に振り回される様子はみるからに危うげで、それでも転ばないあたりは培ってきた体幹の強さやスーツによる補助の賜物なのだろう。 他のメンバーたちは彼よりはまだ身軽に動けているが、それでも不都合がないわけではなかった。 「んっ……」 もう一人のシーメール退魔師である長身の青年は、胸の方はそこまで気にしていない。 女子と比べれば相当な大きさではあるが、胸板に収まる程度の美巨乳は適度に揺れる程度で済んでいる。 ただ、問題はその股間にあった。 男娼としてのアピールポイントでもある巨根。 密着したスーツがコンドームのように肉棒を包み、もっこりとした膨らみというより男根の形状そのものが生地ごしにくっきりと浮かび上がっていた。 くわえて大きく動かしている両脚につられ、わずかにスーツ内で動いている。その摩擦が亀頭に、大きく張り出したエラに、裏筋に、もどかしくも甘美な刺激を与えてくる。 みるからに勃起し刺激に合わせてビクビクと震えている様子は、明らかに彼が興奮していることを示していた。 本人もそれを自覚はしていたが、触れてしまうと余計に疼きが悪化するのを分かっているため、吐息を漏らしつつも走ることに意識を集中させている。 「あ~、食い込んでめっちゃ疼いてくる……」 最後尾を走る黒ギャルの少年も似たようなものだった。 しきりに気にしているのは下半身、肉厚な巨尻のさらに中央。 アナルでの性行為を繰り返していたのだろう、本来なら一点に収束するはずの菊門は尻の肉圧をそのまま象徴するかのように縦に割れ、周囲がぷっくりと陰唇のように盛り上がっていた。 スーツによって粘膜の色が見えない分だけ、まさに性器のような形状だけがくっきりと浮かび上がっている。 密着するがゆえに開発された性感帯はもどかしい疼きを放ち、陰唇のようなそこがヒクヒクと勝手に震えていた。 「はぁ……」 「んっ……」 熱っぽい吐息と声をわずかに漏らしながら、どこか堪えるような表情で夜の街を疾駆する少年たち。 普通ならば自慰に耽るか、疼きを解消してくれる客を探すくらいだが、今このときばかりは退魔師であることを優先させる。 スーツが月の光と街の照明を反射して、4人の肢体が艶めかしい光沢を放っていた。 「……あれだな」 報告のあった場所に到着すると、視線の先、夜空の中で星の光をかき消すように黒い靄のような塊がうごめいていた。 よくみると、それは無数の空飛ぶ何かが集まって形成されている。 鳥の群れのようにもみえるが一個体はそれよりもいくらか大きく、夜の闇の中でも自由に飛んでいる。 近づくにつれ明確になってくる姿は、淫魔とは違い人型にもなっていない。 大型の蝙蝠にゴブリンのような顔と爪を足したような、異形の化け物だった。 普通の人間ならば恐れをなしてパニックになるところだが、彼らの表情は変わらない。 「下級の魔物か」 すでに情報は得ていたが、確認するように呟くリーダー。 後ろにいる隊員たちも無言で武器に手をかける。 その顔は、退魔師としての真剣なものに切り替わっていた。 「キシャアァァッ!」 奇声を上げながら襲い掛かってくる魔物の群れ。 自然と武器を持つ手に力がこもり、黒いグローブのように鈍い光沢を放つ手元がギチリと音を立てる。 「行くぞ」 そして、人魔の戦闘が始まった。 「はあぁぁっ!」 まず突っ込んでいったのは、先頭を走るリーダーの少年。片手剣を現代科学で洗練させたような形状のブレードを構え、一気に切り込んでいく。 加速しながらの一撃は反応できないほどに速く、ブレードが銀色の軌跡を残した次の瞬間、何体もの魔物が両断されて地に落ちた。 一振りで巨大な塊にみえた群れに穴が開き、その中を弾丸のように駆け抜ける。 数拍おくれて反撃に転じようとした魔物たちだが、そのスピードは彼に比べると緩慢が過ぎた。 引き締まった体躯をフルに活用した俊敏な動きで家々を飛ぶように立ち回り、相手の爪を躱しつつさらに追撃を加えていく。 「そっちは頼む!」 「任せて!」 もちろん他メンバーも黙ってみていたわけではない。 中央を抑えられてばらけた魔物たちを、後ろに控えていた3人がそれぞれ撃破していた。 みな胸や尻を振り回しながらも、その動きには無駄もブレもなく、カタギでないことは一目でわかる。 その身がいくら淫らに変質しようとも、培ってきた戦闘スキルが失われることはないのだ。 ……ただ、限度というものはあった。 「くぅっ!」 顔をしかめているのは、この小隊で一番の爆乳をした少年。 手にしている武器はリーダーのものよりも長く太刀のような形状で、必要最小限の動きで居合のように飛びかかってくる魔物たちを捉え、振り抜いていく。 戦いで圧されているわけではない。むしろ一太刀ごとに重く鋭い斬撃が魔物を的確になぎ倒している。 彼を苛んでいるのはやはりというべきか、彼自身の身体だった。 ばるんっ、ぶるっ、だぷんっ! 激しく動けば動くほど、乳房が振り回される。……いや、上半身の半分以上を覆い隠している肉量からして、乳房に振り回されているという表現が適切かもしれない。 さらに攻撃で両腕を振るたび、胸板から溢れだした横乳とぶつかって圧迫してしまう。 退魔師としての彼を、男娼としての肉体が翻弄していた。 「っ……!」 少年の肢体を雌のそれへと上書きしている爆乳は、胸板からはみだした大きさだけではない。 彼女たちの術をもって育て上げられた乳房は、その内側で乳腺もこれでもかと発達し、ぎっしりと詰まっていた。 男娼としては最高の……淫魔に奉仕するため、より満足させるため、性感帯として開発され尽くした極上の美爆乳であり淫乳なのだ。 そんな乳器官が、ここまでの揺れや刺激に反応して活動を開始していた。 (そろそろ、ちょっとマズいかも……) 内側から湧き上がる熱くずっしりとした疼きにくわえて、張り詰めるような苦しさが乳房に広がっていく。 乳首の付け根あたりに詰まっているような重苦しさと、性欲が限界のときのような切迫感がこみ上げてくる。 しかしスーツを着込んだ状態では対処のしようがないし、そもそも戦いを止めるわけにはいかない。 内心に戦士としての焦りと、男娼としての「イきたい」という場違いな欲求が広がっていく。 「このっ……うぁっ!?」 だぽん! 距離を取ろうと刀を大きく振ったところ、自らの横乳を叩いてしまい……。 焦らされ続けた乳房が、ついに許容量を超えた。 トププッ 「んくぅっ♡」 限界まで充血していた乳首から熱と快楽が、母乳となって一気に噴き出した。 スーツごしにくっきりと浮き上がっていた乳頭が、迸る母乳の水圧でその輪郭がぼやけて見えなくなる。 ただ、生地から白い液体が滲むことはない。 サキュバスの体液など触れるだけでも効果を発揮するものから身を守るため、スーツは内側も外側も完全な防水機能を有していた。 逃げ場のない母乳がぴっちりと張り付いたスーツとの間に溜まってゆき、上半身全体に広がっていく。 それでも彼は噴乳の快楽を堪えつつ、戦闘を継続していたのだが―― (スーツの内側が、ヌルヌルして……!) 母乳をだくだくと漏らしながらも立ち回る彼だったが、状況は少しずつ限界に近づいていた。 わずかにトロリとしたミルクがスーツと肌の間に薄い被膜のように層をつくり、ぴっちりと密着していたはずのスーツが両腕を振り回すたびヌルリと滑る。 普通の戦闘なら気にならない程度の摩擦。 しかし淫魔とのプレイを重ねて開発され尽くし、母乳まで噴き出した乳首はより敏感に刺激に反応して、中途半端な甘イキだけでは足りないと訴えてくる。 甘美な痺れが上半身を包み込み、ラバーからは見えない胸の奥からじくじくと疼いてくる。 快感に脚の力がガクリと抜け、乳房がそこに追い打ちをかけた。 どぷるんっ! 「うわっ!?」 重い乳房につられてバランスを崩し、刀が振り遅れる。 それでも迫ってくる魔物の大半を斬ることができたが、太刀筋から逃れた一匹がそのまま彼の懐に入り込み、その胸めがけて爪を振り下ろした。 「ギシャアァッ!」 ビュッ! 奇声をあげながら2つの影が交錯する。 その爪は少年の胸元を確かに捉えたが、光沢を放つ生地には傷一つついていない。 彼らが身に着けているのは淫魔に対抗するため、対魔物に特化したスーツである。 耐久性、防刃性にも非常に優れており、このような下級魔物の一撃くらい大したダメージはない。 しかし―― だぷっ! 「ひぐぅっ♡」 彼の喉から出たのは苦悶ではなく、甘い喘ぎ声だった。 スーツの上から乳輪や乳首をひっかくように放たれた魔物の一撃。 ダメージを防げたとしても、その衝撃は殺しようがない。 スーツのギチギチとした締め付けやわずかにズレる摩擦だけでも堪えるのに精いっぱいだったのに、その衝撃を許容できるはずもなかった。 乳首だけではない、開発された肌が、乳肉が、乳腺が……限界まで溜まりに溜まった性欲と疼きが爆発したのだ。 魔物の方も意図していなかっただろうが、男娼として淫らに開花した肉体は激しい衝撃を引き金に、一気に快楽を爆発させた。 攻撃を食らって絶頂する、爆乳シーメール退魔師。 「あっ♡いっ、やぁっ……♡」 ひとたび始まってしまった絶頂が、すぐに治まるわけもない。 上半身を占拠しそうなボリュームの爆乳すべてが快感の源になっているのだ。 痺れるような乳快楽の波が何重にも押し寄せて、みるみる深く強くなっていく。 ガクガクと全身を震わせながら、喘ぐことしかできない。 揺れる乳房の感覚と、溢れだす快楽だけがやけに明瞭に伝わってくる。 抵抗することもままならず、一気に脳にまで流れ込んでくる快楽の濁流で意識ごとグラグラと揺さぶられる。 「「キシャァァァッ!!!」」 「っう……!」 崩れ落ちた彼に向けて、好機とばかりに他の魔物たちが襲いかかる。 絶頂で白く濁った視界の中、それでも彼は戦士としての意識を途切れさせてはいなかった。 危機を察して剣を構えようとするが、こんな状態では魔物たちを正確に斬れるはずもない。 流石に捌ききれないと判断し、腕をあげて頭をかばった次の瞬間―― ザンッ 横からブレードの軌跡が伸び、次の瞬間、魔物は二つに分かれて地に落ちた。 へたり込んだ少年の視界に、スーツに包まれスラリとした脚が入る。 「大丈夫?」 「は、はい……」 振り向かずに声だけ掛けたのは、長身のシーメール退魔師だった。 声音は優しくも、その立ち姿には一切の隙がない。 逃げ場を求めるように、あるいは反撃先を伺うようにうごめく魔物たちを前にして、すっとその瞳が細められる。 「ふぅ……」 細く息を吐きながら戦闘モードに入ると、青年としての顔立ちが際立つ。 そして軽い風切り音とともに、後続の魔物たちに向けて剣を振るった。 ビウゥッ! 彼が握っているのもブレードだが、その長身に見合うように細身で長い。 レイピアのようなそれを一撃で的確に急所を貫き、斬り伏せる。 細く長い腕を振りながら、しなやかに滑らかに立ち回る。 美麗。 男だとわかっていても見惚れてしまうほどに優雅に舞い、魔物を仕留めていく。 美巨乳がふるふると揺れる様はまるで男娼としてのステージなのかと思えるほどに扇情的で、わずかにギチギチと鳴るスーツの音も艶めかしく聞こえてくる。 飛び散る魔物たちの黒い欠片さえも、舞台の演出のようにみえた。 「いったん隊形を整えるぞ!」 「わかってるって!」 そして他の2人も彼を守るように左右に立ち、魔物を迎撃していた。 男娼として熟れきった肉体が戦闘に支障をきたす可能性は、すでに彼らも想定済みだ。 1人が絶頂しても、他の退魔師たちがすぐカバーに入り反撃する。 一連の流れは彼らが正式な退魔師だったとき、淫魔の術を食らっても隊が壊滅しないために編み出された連携だった。 それがまさか淫魔に奉仕しながら戦うために使われるとは、当時の彼らも想像もしていなかったわけだが。 「あ、ありがとう……」 「いいって。ウチがイったらカバー頼むよ」 黒ギャル退魔師はへたりこんだ彼と言葉を交わしつつ、両手に持ったニ丁拳銃で応戦する。 ダルそうにしていた態度とは打って変わり、その瞳にはギラリと鋭い光が宿っている。 退魔師としての貌をしていた。 「きゃははっ♡久しぶに銃ぶっぱなすの楽し~♪」 銃の引き金を引くたび、テンションが上がっていく娼年。凶悪な笑みは狂戦士のそれだ。 周囲の面々がその様子をみて動揺していないあたり、退魔師の頃からこういうタイプだったのだろう。 ギャルビッチとしての色香とは違う輝きを放ちながら、照準の合う敵をすべて屠っていく。 ……なお後ろにいる少年からは、発砲の振動で揺れまくる尻肉と太腿が見えたらしい。 「もう大丈夫です、いけます!……やぁっ!」 精神力とスーツの効果により絶頂から復活した彼も、ほどなくして戦線に復帰した。 余韻に顔をしかめつつ、胸を揺らしながらも魔物たちを切り伏せていく。 戦況はほどなくして明らかになった。 縦横無尽に動き回る少年たちとは対照的に、目に見えて魔物の数が減っていく。 「2時の方向に5体!」 「了解……あ、後ろ回ってきてる!」 「カバーするから、他はお願いね」 退魔師たちは淫魔とは互角の立ち回りだったが、それは彼女たちが高位の魔族だったからである。 それ以外の低級な魔物については圧倒といってもいい。 複数人でカバーし合えば、その安全度はさらに高めることもできる。 中には1人ですべてをこなしてしまう、化け物のような退魔師もいるにはいるのだが……それは例外なのだ。 端的にいえば、戦いは一方的だった。 唯一警戒することがあるとすれば、自分や仲間たちの絶頂のみ。 魔物の数が少なくなっていくにつれて激しい動きも減り、静かに収束していった。 「これで最後だな」 「ギィァァ……」 確認するような呟きとともにブレードが煌めき、小さな断末魔を残して最後の1匹が黒い塵となって消えていく。 住宅街の屋根の上に残された4人の少年たち。 先ほどまでの戦いが嘘のように静かで、夜空には平穏を象徴するかのように月と星々が浮かんでいる。 上気した頬に夜風が当たり、やけに冷たく感じる。 「これより帰還する」 隊員たちの息遣いだけが聞こえてくる中で、リーダーが小さく終わりを告げた。

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