Home Artists Posts Import Register

Content

退魔師娼館の4章、これが予定上ラストの章になります。 導入は約6000字。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 淫魔との和睦が成立したのは、人間側にとって画期的な出来事だった。 恐ろしかった夜は平穏を取り戻し、人々は安心して眠りにつくことができる。 ……しかし、だからといって完全に安心できたわけではなかった。 もちろん淫魔とは不可侵の取り決めを結んではいるが、人ならざる存在というのは彼女たちだけではないし、高位の魔族である淫魔といえども魔物すべてを統率しているわけでもない。 ときには和睦など関係なしといわんばかりに、はぐれ魔族が出没することもあるのだ。 それらは理性を持たない低級の魔物たちがほとんどだが、しかし一般人が対処できるような存在ではない。 野放しにしていれば被害が出るのは確実で、人間を獲物として覚えてしまえば事態はさらに大変なことになる。 人間側も、無防備な状態ではいられなかった。 では、こういった事態に対処できる専門の武器や戦闘スキルを有し、それらと相対できるだけの実力を持つのは誰なのか? ……そう、退魔師である。 淫蕩の娼館街、ラディール。 夜の闇の中で紫の花のように輝くこの街は、そのすべてが淫魔と男娼たちのために存在している。 街そのものが性の権化といってもいい。 ほとんどの男娼たちが淫魔と部屋にこもって情事に耽るか、相手を求めて甘く媚びた声音で誘って過ごしている。 しかし、この日は少しだけ違っていた。 「やだぁ……」 「せっかくいいところだったのに」 街の中央にそびえ立つ、巨大な娼館。その廊下を複数の人影が走っている。 愚痴りながらも足を止めない彼らは衣装も含めとても目立つ容姿をしており、一目で男娼たちだとわかる。 どうやらプレイの最中に呼び出されたらしく、皆はだけた恰好のまま急いでいた。 「仕方ないだろ、オレたち以外にも出たときは持ち回りなんだ」 「あとちょっとだったのに、イけなかった……」 彼らは、もちろん元退魔師である。 魔物の出現に対して、コストを最小限にしつつも的確に対処できる人材。 退魔師という組織が解体され、その人員のほとんどが淫魔専用の男娼という形で転職した今も、彼らに任せるのが最も確実な手段になっていた。 そのためレアケースながらも確実に起きうる非常時に備えて、あらかじめ出動する人員が割り当てられているのだ。 めったに起こらないゆえに普段は割り当ても半ば忘れて淫魔と性欲の限りを尽くし交わり合うのだが、彼らは不運にもそのレアケースに遭遇してしまったらしい。 「ほら、さっさと終わらせればその分時間も空くんだ、急ぐぞ!」 退魔師たちの出撃は、基本的に4人ほどの小隊で行われる。 先頭を走りながら他のメンバーに檄を飛ばす少年は、おそらくは退魔師としてもリーダー役だったのだろう。動きや指示にも慣れた様子だ。 短髪で整った顔立ちで、凛々しい表情や鋭い眼光はまさに戦士のそれ。 プレイの一環だったのか女子用の競泳水着を着ているものの、ピッチリとした化学繊維ごしに腹筋が浮き上がり、腕もしっかりと筋肉がついている。 細身ながらも精悍な身体にくわえて股間にはもっこりとした膨らみもついており、男子らしさを失っていない。 ただ男娼として淫魔に奉仕している以上は完全に以前のままといかないようで、その肉体はどことなく丸みを帯び、うっすらと柔肉も乗っている。 そして顔を彩るアイシャドウとカラーリップが、少年らしさを淫らな雌として上書きしていた。 「わかるけど、ちょっと速すぎるよ……」 「キミは身軽でいいよね~」 一方で彼の後ろを走る他の男娼たちは、あまり乗り気ではなさそうだった。 男娼となって久しい少年たちの中で、退魔師としての体型を維持している者はむしろ少数である。 淫魔に奉仕する日々は少年たちの肉体をより性的に、より淫らに開花させていた。 「あぁもう、重いっ……!」 どぷんっ、ぶるっ、だぷんっ! 顔よりも大きな乳房を両腕で抑えつけて走るのは、ビキニ姿の少年。 少しあどけなさを残す顔はメイクも薄いが、その下にある胸のインパクトが少年めいた印象を塗り潰していた。 男子らしさも感じさせる広めの胸板から溢れだす爆乳はみるからに凄まじいボリュームで、ハリを感じさせながらも重たげにたわみ、一歩ごとにだぽだぽ揺れている。 男娼としてはこの上ない武器だろうが、いまは10キロをこえる肉枷と化していた。 「揺れすぎるとイっちゃうからぁ……♡」 直前までふたなり淫魔の奉仕をしていたのか、頭くらい包み込めそうな深い谷間はべったりと白濁に濡れて媚香が匂い立っている。 くわえて走る振動がじくじくと乳肉の内部からの疼きを湧き上がらせる。 もどかしさにしかめつつも、乳快楽に流されてしまいそうな蕩けた表情。 男娼として培ってきた癖なのか、胸を抑えつつも強調するように腰をくねらせながら足を動かしていた。 「もうすぐだからがんばろ、ね?」 隣を走りつつ声を掛けるのは、バニーガールの衣装の男娼だ。 スラリとした長身で、少年と青年の狭間のような顔を深い青のアイシャドウにカラーリップが彩り、艶やかな深い紫色の長髪がなびく。 彼の胸にもたわわな膨らみがあり、バニースーツに押し込められてたわんでいた。 牛柄ビキニの彼よりも小さいが、それでもかなりの巨乳とえるだろう。 どことなく男だと分かるのに、艶やかで性的なメス男子。 まさにバニーボーイとして完成度の高い容姿をしている。 しかし最も目を引くのは、その股間だった。 ぶるっ、ふるっ、ぶるんっ! 「でも……私も走ると射精しちゃいそう♡」 スーツの股間まわりを窮屈そうに膨らませつつ、ぼろんとまろび出た男性器。 それは両手で掴んでもはみ出すレベルの巨根だった。 淫魔の中には、通常の性行為を好む物も多い。その精力や刺激の強化のため、淫魔好みのデカチンポへと「育てて」いく。 彼は男娼としてその需要に応え、自らの変化を受け入れてきたのだ。 淫魔を満足させるための肉棒は、おそらく元のサイズの倍以上に肥大化していた。 今はある程度萎えてはいるものの、バニースーツからまろび出た亀頭は膝上あたりまで達している。 おそらくはプレイ中の淫魔といい所まで盛り上がっていたのだろう。肉竿は透明な液体で濡れており、走りに合わせてしなるたび透明な先走りを垂らしていた。 「マジでかったり~……ヤバッ、口調戻さないと」 最後尾で髪をかきながら呟いたのは、ギャルのような容姿をした少年。 かなり癖になっているのだろう、意識して元の口調に戻そうとしているが、抜けきっていない。 雰囲気はもちろんだが、それにくわえて艶やかな褐色に焼けた肌が周囲からより浮いてみえる。 褐色肌に合わせた白いアイラインが目元を飾り、唇には淡いピンクのリップ。 脱色された金髪をサイドテールにまとめ、鮮やかな紫のメッシュの入った前髪を片手で弄っている。 へそ出しのシャツは大きく胸元を開き、水着のようなブラを見せつけている。いわゆるアメスクの恰好。 通りの途中にある様々なコンセプトの娼館の一つに、こうしたギャルメインの店もあるのだろう。 男子らしい胸板をしているものの、見せブラの奥にチラリと覗く本来の白い肌との境目がより倒錯的な魅力を醸成していた。 さらに淫魔たちの香水なのか、全身を甘く熱くするような香りが匂い立っている。 むっちりとした尻肉を揺らしながら走るその姿は、どこからみてもビッチギャルだ。 そして男子であることを主張するように、丈がやたら短いスカートの奥には玉ブラに包まれた膨らみがチラチラと見えている。 「ケツマン疼いてたまんないし、はやくヤりたいんたけど~」 自然と口からこぼれる淫語の数々。彼もまた男娼として、淫魔好みのビッチへと育っていた。 直前までプレイが行われていたのか、頬にはキスマークが残っている。 口紅がわずかにかすれているが、それを直している余裕もないのだろう。 「……」 先頭にいる少年は、何も言わずに先を急ぐ。 後ろにいる彼らの容姿や言動は、退魔師として戦っていた時代だったら卒倒モノだろう。しかし今は、決してそれが悪いわけではない。 はしたない恰好も振る舞いも、今の彼らにとってはむしろ「淫魔を満足させる」という意味でプラスなのだ。 また他の者たちも主に夜の時間を奪われたことに不満を漏らしつつも、自らの役割を放棄する気はなかった。 退魔師だった彼らの義務感と良心、そして仕事後の楽しみが身体を突き動かしていた。 早く終わらせて、男娼としての仕事に戻る……その目的が同じならそれでいいのだ。 「ここだな」 彼らが向かった先は、娼館の中でも人気のない静かなエリアだった。 フロア図では関係者以外立ち入り禁止であり、淫魔の歓声や男娼たちの嬌声から離れた廊下の行き止まり。 そこにひっそりと豪奢な空間とは断絶したようにドアがあった。 地味ながらも重厚な扉は、高級娼館としてサキュバスたちの全力を尽くした意匠の数々で満たされているこの館では逆に浮いてみえる。 「入るぞ」 先頭にいた男娼が全員がいることを確認して、ドアを開ける。 中に入ると、そこから先に広がる空間は娼館の内装からガラリと変わり、無機質で科学的な印象へと変わった。 それは、彼らにとっては見慣れた光景でもある。 まだこの建物が退魔師の基地としての機能を未だに残した更衣室だった。 彼らはズラリと並んだロッカーから自分の場所へと向かい、扉を開ける。 中には鈍い光沢を放つ戦闘用スーツが掛けられていた。 ここに保管されているのは、彼らが男娼となる前の……退魔師としての装備一式だ。 「またこれを着るのか……」 鈍い光沢を放つスーツを手に取って少しだけ複雑そうな表情を浮かべる者もいたが、しかし目の前の事態には急いで対処しなければならない。 彼らは覚悟を決めながら、男娼としての衣装を脱いだ。 (淫魔じゃない奴の前で脱ぐのは久しぶりだな) ふと気付いて動きを止める少年。 ベッドの上でなら何度も裸を晒しているが、同僚たちだけでの着替えなど本当に久しかった。 彼らの裸そのものは見ているが、それも淫魔たちの前や乱交のときだ。 それこそ、和睦が行われる前の小隊以来だろうか……。 「っ……」 以前は当たり前だった光景にどこか懐かしさを覚えつつも、余計な感傷は要らないとばかりに首を振る。 部屋の温度に少し肌寒さを覚えつつ、スーツを着用していく。 他の男娼たちも一糸まとわぬ姿になってから、戦闘スーツを着ようとしたのだが―― ギチチッ 「うわ、きっつ……!」 「スーツが入らないよぉ……」 慣れているはずの行動に、かなりの苦戦をしていた。 戦闘のサポート、そして防御のために首から下を覆う戦闘スーツは、ピッチリと全身にフィットするよう作られている。 科学技術の結晶であるスーツの方は劣化などもなく万全の状態で手入れが行き届いているが、男娼たちの身体の方が大きく変質していた。 具体的には肥大化した胸がつっかえて、以前のようには着用させてくれないのだ。 さらに苦労しているのは、シーメールな男娼たちだけではない。 「このっ、くっ……!」 単純にメス化した身体であっても、尻のサイズアップは免れない。 まず太腿の時点で引っかかってしまい、身体の動きに合わせて尻肉がどぷんと揺れる。 このスーツは淫魔に対抗するため、淫術などでいくらか体型が変わっても動けるように想定されているのだが、ここまで大きく変化した体型にはすぐに合わせてくれないらしい。 それでも着れないわけではないのだが、一人では時間もかかるし効率も悪かった。 「あの、後ろ引っ張ってくれる?」 「ああ……ウチも後でお願い。お尻に引っかかってさ~」 引っかかった場所のスーツを引き伸ばし、お互いに着せ合いながら、むちむちに熟れた肉体をギチギチに押し込めていく。 彼らはゆっくりではあるが着実に、戦いの準備を進めていった。 (やはり鈍ったな……) 自分の身体を見下ろして眉をひそめるリーダーの少年。 変化が少なくみえる彼もまた、淫魔との性行為の影響はやはり現れていた。 腹筋が浮かびつつも、腰は以前よりも細くなっている。 太腿や尻のボリュームが増しているのは、筋肉の上に乗った柔肉のせいだ。 上半身には胸板と呼べる程度の厚みはあるが、大胸筋というよりは膨らみかけの胸のような柔らかさがあるし、その頂点でぷっくりと肥大化している両乳首の存在もわかってしまう。 水着よりも伸縮性がありフィットする素材だからこそ、体型がより鮮明に浮き上がっていた。 彼はしばらく、久しぶりのスーツのと自分の身体を確かめるように触っていたが…… 「んぅっ!?」 指先がスーツ越しに乳首の隆起を撫でた瞬間、背筋が跳ねて淡い快感と痺れが上半身に広がっていく。 かなりの快感だが、淫魔の手技はこの比じゃない。 それこそ、絶頂からしばらくまともな思考ができなくなるくらい―― (ダメだ、今は任務に集中しろ!) 発情しそうになる肉体を理性で抑えつけ、自分を叱りつける。 リーダーたる自分が快楽に流されれば、小隊の規律などあったものではない。 この任務中は絶対に乳首に触れないでおこうと心に決めた。 「準備できたな」 ほどなくして戦闘スーツの着用を終え、集まった4人。 みんな同じような構造のスーツに身を包んでいるため、さっきまでの衣装……性的に飾る男娼としてのあからさまな派手さや淫猥さはない。 しかしピッチリと張り付いたスーツは彼らの体型を見せつけるように、適度に滑らかな輪郭へと変換しながら覆っていた。 ムチムチと肉の詰まった胸や尻、対照的にスラリとしなやかな手足もより際立ってみえる。 部位ごとに適した素材になっており、特殊なファッションめいた印象もあるスーツ。 肩や腰まわりにつけられた装甲や武器のホルスターさえも、肉体を飾っているようだ。 首から上は変わらず露出しているものの、鮮やかな髪やアイシャドウやメイクに彩られた顔もそのままなので、スーツとのアンバランスな印象が強い。 男子らしい戦士としての格好と、隠しようもない雌が共存した姿。 股間の膨らみも含めて、何か倒錯したプレイを行っているかのようだ。 「ではこれから、出現した魔物を退治する」 真剣な顔で告げるリーダーの言葉に、背筋を伸ばして応じる元退魔師たち。 彼らのスーツは限界まで引き延ばされ、動くたびにギチギチを音を立てている。 しかし、それらをいちいち気にしているほど余裕はなかった。 ギイィ…… 入ってきた方向とは反対側の壁にあるドアが開かれる。 そこは娼館街と外界を隔てた壁の外側で、紫やピンクの光はなく、ひんやりとした外気と夜の闇が広がっている。 恐怖はない。彼らにとってはむしろ懐かしい感覚さえあった。 「よし、行くぞ!」 リーダーの号令とともに4人は一斉に外へと飛び出す。 彼らは退魔師として、しばらくぶりの出動をした。

Comments

No comments found for this post.