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(……熱い) 山を降りて観光地に戻り、そして家に着いてからも、俺の身体を包む妙な感覚は続いていた。 御神酒を飲んだあたりからはじまった火照り……アルコールならとっくに抜けているはずのそれが、翌日になっても治まらない。 それどころか時間が経つにつれて火照りは強くなっていった。 酒に酔った感覚とは微妙に違う、腹の底から湧き上がるようなエネルギー。 身体を動かしたくて仕方がないような、ただ運動したいというよりも筋肉に溜まったエネルギーを限界まで使い果たしたいような……。 極限まで食欲や性欲に飢えているときのように、頭がロクに働かなくて記憶がおぼろげにしか残ってない。 でも、身体の求めるままに俺は家を出て……。 「これで手続きは完了です、ご入会ありがとうございます」 「はい……」 気がつけば、近くにあるスポーツジムに来ていた。 とにかく全力を出したい、そんな身体の衝動のまま、来たことのない場所に足を踏み入れていた。 なんでそんな知識がないのにここを選んだのか……まあいいか、身体を動かせるんだし。手続きを終えて中に入ると、広い空間にトレーニング機器がズラリと並んでいた。 利用している人の多くが筋骨逞しい男性で、いまも重々しい金属音が響いている。 本格的なジムゆえに、全身の筋肉それぞれを使えるマシンが完備されていた。 (すごい……っ!) まるで極上のご馳走でも目の前にしたかのように、胸が高鳴って全身が打ち震えている。 全身の力をフルに発揮したい、そんな欲求が身体中を満たしている。 準備も早々に、吸い寄せられるようにフラフラとマシンに向かっていく。 そして大胸筋を鍛えるバタフライマシンに座って、動きを確かめるように腕を動かした。 「うぐっ……?」 ズシリとくるウエイト、筋肉にかかる負荷。いくら衝動に任せたとはいえ、運動不足気味の身体が悲鳴をあげる。 しかしそれ以上に、痒いところに手が届いたような快感が広がっていく。 渇望していた刺激は想像以上に素晴らしく、さらなる刺激を欲して筋肉が勝手に動き出す。 ……そこからは、夢中だったからよく覚えていない。 ひたすらに全身の筋肉が求めるままに、全身を使いまくった。 「ふぅ……」 体力の限界まで全身を追い込み、ぐったりとベンチで横になる。 心地よい疲労感に包まれながらも、身体の奥底からさらなるエネルギーも湧き上がってきている。 汗だくになりつつ、欲しいもので満たされた感覚に恍惚とする俺。 これから通い続けることは自分の中で確定していた。 そんな帰り道、いつもなら一直線に家に戻ってるはずなのだが……ふと肉屋をみかけて足が止まる。 グウゥゥ…… お腹がすいてたまらない。久しぶりに全力で運動したからだろうか。 疲れきった筋肉も肉を欲しがって訴えているようないる気がしてくる。正確にはタンパク質だろうか? 「これ、2キロください!」 ひたすら肉を買い込んで、家路につく。 調理もそこそこに焼いて、かじりつくようにして食べた。 ◆ ◆ ◆ 一ヶ月ほど経った。 神頼みの効果なのか、あれからパタリと不運がなくなっていた。 職場なんかでもロクでもない奴らに絡まれたりしたものだが、いまは近寄ってすらこない。 振り返ってみると、精神的な弱気も不幸のループを生み出していたんじゃないかと思えてくる。 それと、肉体的なところにも変化があった。 体育の授業がなくなって数年、徐々についてきていた無駄な肉は綺麗さっぱり落ちきったし、体力もかなりついてきてる。 全身を動かしているからか、肩こりや腰痛といった肉体的な問題もまったくない。 これは神頼みというより、ジム通いの方の効果だろうな。 端的にいえば、とても順調だ。だが…… (オレの身体、こんなにデカかったか?) ジムの巨大な鏡張りの壁に自分の身体を映して凝視する。 腕はやたら太くなって、二の腕と前腕それぞれに発達した筋肉の形が浮き上がりボコボコと連なっていた。 厚みを増した胸板に、縦だけじゃなく横にも割れたシックスパック。 尻も筋肉でデカくなって、その上に脂肪が乗っている。 太腿なんかは一番デカい筋肉だし、片脚だけでもウエストくらいにぶっとい。それでいて滑らかな曲線で構成されていて、非の打ち所のない脚線美だ。 どちらも引き締まりつつ肉量があるから、横を向くと尻との境目がはっきりみえる。 他の鍛えている男たちよりもずっとバルクがあるし、筋肉1つ1つが褐色肌ごしに浮き上がっている。 全身どこを見られても恥ずかしくない身体だ。 (なんか分かんねぇけど……こんな身体だったっけか?) オレは自分の身体に触れながら首をひねる。ここ一ヶ月でかなり変わった気がするんだよな。 肌なんかも日サロで焼きまくったみたいな褐色に自然と染まってきてる。筋肉が目立つから色白のままよりよっぽど良いんだが、どうしてこうなったんだか。 髪もそこそこ伸びつつ、ストレートだったはずの毛先は外に跳ねまくって野性味がすごい。 色の方も鮮やかなオレンジ色が混じりだして、褐色肌によく映えている。 地毛だから引っ張っても痛いだけだし、染めた覚えはねぇんだけど……別にいいか。 周りもオレの身体や髪を見てはくるが、おかしいと言ってくる奴もいねぇし、容姿で困ってるわけでもない。 そんなことより全身が疼いて、身体を動かしくてたまらねぇ。 難しいことを考えるより、筋肉鍛えて飯食ってないと落ち着かないのだ。 ブチッ! 「あー、また破れちまった」 音を立てた胸元を見下ろしながら呟く。 最近は大胸筋がデカくなるにつれて脂肪が上に乗り、ボリュームを増してきていた。 動くたびに胸が揺れて邪魔になってきたから、スポブラを着けて抑えつけてはいるんだが……最近はサイズが合わずにキツくて仕方ない。 店で売ってる最大サイズを買うようにしても、こんな風に破けてしまうのだ。 (オレの胸……なんかおかしいか?) 自分の足元を隠すくらいにせり出した膨らみにぼんやりとした違和感を抱くが、いくら眺めても何がおかしいのか分からず首をひねることしかできない。 男ってこんな体型……だったっけか? (でも、普通にちんぽはついてるもんな) 股間をみると、もっこりとした膨らみがちゃんとついている。これが小さくなって、なくなって、女みたいな身体に……なんてことは起きていない。 というか、前よりもかなりデカくなってきていた。 勃起すると30センチに達する巨根は、分厚くゴツい手でギリギリ掴み切れないくらいに太い。 どこからみても、立派なオスの性器だ。 オスらしい身体に筋肉がついてんだから、別に問題ない……よな? トレーニングウェアの短パンごしにも巨根の輪郭が浮き上がるくらいで、女子はもちろん男からの視線も感じる。 ほとんどの場合、鍛えるのに熱中していて気にしてないんだが。 「ぐぅ……っ!」 ガコン! トレーニングを再開してマシンの最大重量を動かしきったオレは、呼吸を整えつつ全身の力を抜く。 元々デカい筋肉が追い込まれてさらにパンプアップして、褐色肌を引き伸ばすように筋繊維が浮き上がる。 筋肉から生み出される熱も相当なもので、自分の肌からのぼる湯気がみえるほどだ。 「はぁ……はっ……」 息を吸い込むと同時に鼻に感じる熱気と湿度、そしてクセのあるメスの匂い。 どんなに身体を洗っても、汗をかいたそばから匂い立ってくる。 この筋肉と代謝、それに運動したい欲求のせいで、常にまとわりついている感じだ。 嗅いでるだけでチンポが固くなってきて、急激にムラムラしてきやがる。 「あーくそっ、こんなんじゃ集中できねぇよ……」 一度スイッチが入ると、何度オナってもスッキリしない。それどころか、イくたびにかいた汗の匂いで発情しちまう。 毎日ずっと自分のメスにチンポが発情しているのだ。 そんな匂いをまき散らしてるせいか周囲の利用客からも熱い視線を感じるし、オレがトレーニングウェアの中でチンポを勃起させているのも見え見えだ。 しかし軟弱な人間の男どもとヤりたいとは思わねぇし、下手に言い寄ってきたやつは睨むだけで退散していきやがる。ただ煩わしいだけだった。 そもそも、普通の男や女をみてもサッパリ興奮しなくなった。欲求不満ではあるのだが、こういう奴らを適当に捕まえてセフレに……なんてことは考えられないしヤりたくない。 己の肉体美や形の綺麗な巨乳、そして匂いに興奮してばかりだ。 そんな行き場のない性欲をぶつけるように全身を鍛えまくるから、余計に筋肉がデカくなっていきやがる。 「くっそ……」 24時間ずっとそんな状態だから、快感を求める全身に理性が常に焼かれて、そろそろガタがきちまいそうだ。 ムワァ……とメスの匂いと汗の湯気を全身から立ち上らせながら、オレは更衣室へと向かった。 シャアァァァ…… シャワーを浴びて汗を流しながら、自分の身体を眺める。 (ほんっと、デッカくなったよな……) やたら太くなった腕は力を抜いていても力こぶや筋肉の形が浮き上がっているし、顔を覆い隠せそうなくらいにデカい。 ブロックを積んだみたいにボコボコに盛り上がった腹筋に、太すぎて歩くたびがに股になりかける太腿。 そのどれもが力を発揮した心地よさと、性欲まじりの疼きで満たされている。 (でも、悪い気はしねぇんだよな) 湧き上がる性欲は不便ではあるのだが、それでも心の底からイヤとは思えない。 シャワーを出たオレは、固くなったちんぽを無理やりズボンに押し込めてジムを出た。 途中で肉は5キロ買い込んだ。 「はぁ……」 家に帰ると、火照った身体はすでにうっすらと汗ばみだしていた。 乱暴に服を脱ぎ捨てて、すでにパンパンに張り詰めた肉棒を握りしめる。 「うっ……」 ガシュッ、ガシッ、ゴシッ…… ちんぽをしごきながら、性欲を解消しようと自慰に耽る。 乳首を摘まんだり、竿のさらに奥にあるマンコを指でかき回したり……とにかくイけるだけイっておく。 「うっ……!」 ドプッ、ビュルッ、ビュビュッ……! 身体がビクリと震えて、白濁が噴き出る。 イくと汗が出て、また匂いで興奮する。ふたたび固くなったちんぽをしごく……そんな無限ループだ。 これで性欲の底が尽きればいいんだが、鍛えまくったこの身体は体力がありすぎて、一晩かけても欲求不満になっちまう。 (このままじゃ、いくらオナっても心身がもたねぇよ……) あり余る性欲を持て余しながら、こうなっちまった原因を考える。 思い当たるのは一つしかない。 (あの2人か……) あの神社、そして御神酒を飲ませてきた2人、銀と黄虎。 タイミングからして、オレの身体の変化と無関係なわけがないだろう。 「んぅっ!」 どぶりゅるるるっ! 射精に身を震わせるが、賢者モードで醒めるよりも先に性欲がこみ上げてくる。 治まらない性欲と絶頂に包まれながら、オレはもう一度あの神社に行こうと決めた。

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