『退魔師娼館』 3-5 (Pixiv Fanbox)
Published:
2022-03-12 12:29:40
Edited:
2022-03-12 12:31:27
Imported:
2023-05
Content
エロシーンのみで12000字となりました。
お楽しみ頂ければ幸いです。
~~~~~~~~~~
「ねぇ、ボクと一緒のシフトに変わろうよ~」
きっかけは、ミツハから持ちかけられた誘いだった。
身体にいくらか影響の出つつあるランだったが、心身の変化でいえば彼の方がずっと顕著に現れていた。
もともと小柄で細かった体躯は少女のようにより細く、退魔師としての精悍さよりも丸みを帯びたしなやかな肢体の印象の方が勝っている。
シンプルで少年らしさのあった髪は肩のあたりまで伸びてきているし、髪色も染めているのか色素が薄くなってきている。
容姿だけでなく、内面においてもガラリと変わっていた。
退魔師として同室だった頃はとても大人しかったミツハだが、今では積極的に淫魔たちにサービスする活発な少年メイドになっていた。
私服も人形のようなロリータ調のものを好みだし、常にコスプレしているような格好で過ごしている。
仕事以外の時間にも夜に出歩く頻度がかなり増していて……この娼館街でプライベートに何をしているのかは、ランもよく知らなかった。
「お前と……って、別のエリアだよな」
「うん。ランと一緒にやりたいなって」
甘ったるい口調は、完全にメスとして堕ちた者のそれだ。
ここ最近、メイドカフェの仕組みが変わってきているのはランも自覚していた。
ミツハのように性に開放的になった少年メイドたちを中心に、店の奥にあるスペースでのシフトが割り当てられるようになっていた。
同室だった友人の誘いを受けて、しかしランの表情は晴れない。
いまの仕事に慣れてきたとはいえ、心理的な抵抗がゼロではない。そんな中で違う仕事を追加しても大丈夫だろうか。
少しためらいの色をみせるランだったが……
「ね、いいでしょ? ランも気に入ると思うからさ~」
「……合わなかったらすぐ戻してもらうからな」
同室だった友人の願いを、無下に断ることもできず。
少しの好奇心も重なって、首を縦に振っていた。
「こっちこっち」
「ちょっと……そんなに引っ張るなって」
ミツハに手を引かれ、普段は入ったことのない通路を進んでいくラン。
大通りに面したメインとは反対側、いつも応対しているカフェから離れていく方向で、このまま進めば通りの裏手に面するだろうエリア。
元々かなり広い店ではあるが、与えられた仕事場と自室の往復になっていたランにとって、完全に未知の領域だった。
「ここだよ。ほら」
関係者専用のドアを示しながら、慣れた手つきで開けるミツハ。
店員と客たちがいるだろう接客スペースに出たランは――
「……え?」
広がっていた光景に言葉を失った。
入ってすぐに抱いた感想は「暗い」。
メイドカフェのような照明ではなく、ピンク色がかった光がボンヤリと鈍く空間を満たしており、どことなく娼館を彩るネオンを連想させる。
ソファーとテーブルがあるのはいままで見てきた店内と同じだが、より個々のスペースが広く、その中でいくつもの人影がうごめき、絡み合っていた。
半分ほどはシルエットで淫魔だとわかる。しかし彼女たちに抱かれている人影はそうではない。
重ね合った身体からはみ出している布にはふんだんにフリルがあしらわれており、覗く腕や脚は滑らかでどことなく若さを感じさせる。
顔はよく見えないが、間違いなく同僚の少年メイドたちだ。
ムワァ……
「うっ」
数瞬おくれて鼻腔に押し寄せるのは、濃厚な臭気。
部屋は甘ったるい匂いと湿っぽい熱気、そしてピチャピチャと張りつくような水音で満たされていた。
乱交。
そう表現するしかないほどに、淫魔と少年メイドは店内のそこかしこで盛り合っていた。
「な、なんだよこれ!」
常軌を逸した光景に思わず叫ぶランだったが、淫魔と同僚のメイドたちはそんなことお構いなしにヤり続けている。
目の前の相手を貪るのに夢中になって、数人がチラリとこちらを見ただけだ。
「やっぱり淫魔がオレたちを堕とすために無理やり……」
ギリギリの一線を保っていると思っていたが、やはり人を堕落させるための演技だったのだろうか。
ショックとともに疑念が膨れ上がるが――
「違うよ、ボクたちが望んでヤってることだし」
「なっ……!?」
ミツハの言葉に、さらに衝撃を受けるラン。
よくみれば少年たちも嫌がっている様子は一切なく、淫魔たちの責めをねだるように脚を絡め、腰をくねらせている。
もし嫌なら、拒絶すればいいのだ。同意のない強引な性行為は禁止されているはず。
しかしこの場にいる少年メイドたちは迫ってくる淫魔たちを迎えるように抱き返し、気持ちよさそうに喘いでいた。
「そんなに驚くことかな、ボクたち男娼でしょ?」
さも当たり前かのように語るミツハに、言葉を返すことができない。
そもそも、この街にある店はメイドカフェだけではないのだ。
他の店へと配属された元退魔師の男娼たちは、「淫魔専用の男娼」というイメージ通りの淫乱な日々を送っている……そんな話を客の淫魔たちから耳にすることが増えつつあった。
淫魔の欲求に応えるという意味ではその方が自然だし、この男娼街での生活に慣れていっただけともいえる。
(もしかして、オレの方が取り残されてる……?)
混乱する頭で状況を理解しようとする。
ランが取り残されていた理由は簡単だ、彼自身がそれを望んでいなかったから。
だからこの空間に一員として加わるかどうかも、自分の意思で決まるわけで――
「あ、ランくんじゃない!」
唐突に声を掛けられて振り向くと、淫魔の1人がこちらに近寄ってきていた。
薄明りに照らされた顔をみて理解する……ランを指名してくれていた、常連の淫魔だ。
「そろそろいいかなって、ボクが誘ったんです」
「初めてなの!? すごい、こんなタイミングで会えるなんて……♪」
まるで世間話でもするかのように話すミツハと彼女。
いつものメイドカフェも、そこかしこでヤりまくっているこの空間も、彼女たちにとっては大差ないのだろう。
「ね、ここに来たってことは、指名してもいい?」
「あ、その……」
嬉しそうに指名を希望してくる常連の淫魔に対し、ランは口ごもる。
何も知らずにここまで来た……とは言えなかった。
正直にいえば、なんとなく察してはいたはずなのだ。
シフトを終えたミツハたちから匂う甘い残り香が濃くなっていたり、空いた時間を見つけてはこっそりと喘ぎ声を漏らしながらディルドでオナニーしていたり……淫らな違和感は、確かに感じていた。
それに……この店が今後もずっと、ただのメイドカフェとして営業されるわけがない。男娼としての本来の姿に移っていくことは、簡単に想像がつく。
心のどこかで分かっていた。分かっていた上で、ここにきてしまったのだ。
「ほら、まずはヤってみようよ~」
ミツハに背中を押されるようにして、ずるずると彼女の前までやってきたラン。
男娼として生きていくなら、避けて通れない道なのかもしれない。
しかし、覚悟も何もできていないまま、淫魔と交わろうとしているのだ。
(オレは、何をやっているんだ……?)
内心で自問自答する。
拒否したければ、すればいい。それでこの部屋から出れば、問題なくこの場を離れられるだろう。
しかし……脚は動かなかった。
「よ、よろしくお願いします……」
ランは彼女に向かって深く頭を下げる。
退魔師として培ってきた理性は、まだ抵抗している。しかし彼の身体も、本能も、性欲も……理性以外のすべてが、目の前の彼女への奉仕を求めていた。
興奮なのか、はたまた緊張によるものなのか、身体が内側から熱くなる。
ドクドクと心臓が脈打ち、緊張で一礼する動きさえもぎこちない。手もわずかに震えている。
「そんなに固くならないで、誰だって初めては緊張するんだし」
彼女はいつものように優しく声をかけながら、ランを抱き寄せる。
顔を上げるとランを見下ろしながら、気に入った相手が誘いを受けてくれた嬉しさと、これからヤれるという性欲がないまぜになった淫魔らしい笑みを浮かべていた。
初めての相手が彼女でよかったと、少しだけ思った。
「まずはやっぱり、ムードを高めないとね……んっ♡」
「っ!?」
ふいに彼女の顔がぐっと近づき、そのまま唇を覆われる。
驚きに息を吸い込むと、花の香りに蜂蜜を混ぜたような甘い匂いが鼻腔に流れ込んだ。
「んむっ、ちゅっ……じゅぷっ!」
「っ……! んっ……!」
抱き寄せられ、2人の身体が密着する。
唇を触れ合わせつつ、くすぐるように舐めてくる淫魔の舌先。
くすぐったいようなもどかしいような、しかし心地よい感触にわずかに緩んだ口元を、彼女が見逃すはずもない。
柔らかな唇が圧迫感を伴いながらランの口を覆い隠し、ヌラリとした肉の感触が口腔に侵入してくる。
……ランは、キスというものを甘くみていた。
ねっとりと口蓋を舐めあげ、歯茎の裏側をくすぐり、彼の舌にも絡みついてくる。
大人の世界を通り越した淫魔の性技を、まともに食らっていた。
じゅる、れろっ、じゅぷっ……!
貪るようなディープキス。
愛撫だけでも快感を与えてしまうサキュバスの本分、
粘膜に包まれた口腔が、いとも簡単に性感帯になってしまうということを、ランははじめて知った。
性的なスキルもない彼は、ただされるがまま淫魔の舌に圧倒されていた。
キス一つで口腔全体が痺れ、ねっとりと甘い唾液が流れ込み、力の抜けた喉を伝っていく。
頭は動揺と混乱、快感に包まれ、上半身が震えて立っているのがやっとになる。
淫魔の方もそれを察知したのか、ランの腰にすっと手が回され、2人の身体がより密着する。
逃げ場のないキスの悦楽にランは圧倒され、翻弄され……。
呼吸さえも忘れそうになったところで、ふっと口が離された。
「ぷはっ! はぁ……あっ……」
解放された口から、酸素を求めて大きく息を吸うラン。
しかし半開きになった口は快楽が残り続け、緩みきった口端からよだれがツゥッと流れ落ちる。
「前戯はこれくらいにして……ね?」
淫魔はすっかり「できあがった」様子を満足そうに見つめつつ、空いていたソファーをポンポンと叩く。
ランは促されるまま、彼女の上に座らされるような格好で座ることになった。
密着した背中に彼女の胸が当たっているが、それを気にするだけの余裕はもうない。
花の蜜を煮詰めたような甘い匂いをいつもより強く感じるのは、彼女たちが発情と興奮で汗ばんでいるからだろう。
「肌もすべすべだし、初めて会ったときよりずっとキメ細かくなってる♪」
「ひぁ、うぅ……」
いつもよりもねっとりとした愛撫は、口だけでなく身体の感度も高めていく。
しかし彼女の右手はいつものように乳首へは向かわず、じりじりと下へ……スカートへと伸びていく。
「次は、こっちで気持ちよくなってみよっか」
「っ!?」
右手をスカートの内側に潜り込ませる淫魔。
ランはわずかに緊張するが、拒むことはできなかった。
彼女の右手はそのまま太腿を撫でさすりながら折り返すように上へと動き、ほどなくして股間へと至る。
そしてショーツに包まれた膨らみの中へと差し込まれ、二重に隠されていたものをそっと掴んだ。
「かわいいおちんちん♪」
「あっ、みないで……」
少年としては平均的なサイズのそこは、まだ皮を被っていてむっちりとした印象の方が
強い。
見られている恥ずかしさと、くすぐったいような感触に腰が逃げそうになるが……
「だ~め♡」
後ろから抱きつかれるように左腕を回されて、動きを抑えられる。
流れるように手に収まるサイズの男性器を掴み、シュコシュコとしごいていく。
「ほら、いつもやってることでしょ?」
「うぅ……うあぁっ!?」
慣れた手つきの手淫、むしろ淫魔としてはこういった責めが本分である。
自分でしごくよりも何倍も気持ちよく、あっという間に固くそそり立つランの男性器。
指で輪っかを作りながらしごき、ときおり亀頭に指を這わせ、裏筋をなぞり……容赦なく快楽を送り込んでいく。
「あぁっ♡」
ビュルッ! トプッ、ピュルッ……
一気に送り込まれた快楽責めに、ランはこらえる間もなく射精してしまった。
小さな水鉄砲のように白い筋となって精液が噴き出すが、彼女は迸る白濁をこぼさないようにその手で受け止めていく。
射精そのものは1分もせずに終わり、出しきった股間はクタリと柔らかさを取り戻す。
「フレッシュでいい匂い♡ んっ……♡」
べったりと手についた白濁を美味しそうに舐め取りながら味わっていく淫魔。
ランの方は喘ぎはしたものの、射精が終われば快感はすぐに醒めて意識が明瞭になってくる。
しかし……だからこそ、認識してしまった。
一呼吸つくためソファーから立ち上がり、体勢を立て直そうとしたところで――
「美味しい精も頂いたし、私も固くなってきちゃった♪」
「……え?」
ランの視線が釘付けになったのは、彼女の股間。
いままでピッチリと身体に密着した衣装で隠されていたそこに、丸く穴が開いている。
露わになったのは女性器……ではなく、それを覆い隠すようにムクムクとそそり立っていく肉の棒。
ランが今さっきしごかれていたものと同じ形状で、しかし大きさは彼のモノの倍以上ある。くわえて先端は完全に皮が剥け、キノコのようにエラが張っていえる。
それは間違いなく男の象徴、血管を浮き上がらせながらビキビキに屹立した男性器。
ふたなりサキュバス。
犯されれば、ひとたまりもなく雌に堕ちてしまうと退魔師の間でも恐れられていた存在。
しかし、常連として相手していたときには、股間に膨らみすらもなかったはずだ。
「いや、そんな……どうして」
「最初から見せたら、警戒しちゃうかなって」
魔力を使って普段は見えないようにしているらしく、隠してたことを申し訳さなそうに告げる彼女。
ソファーに座っていた彼女の股間からそそり立った逸物は掴み切れないほどに太く、へそよりも高い位置までそそり立っている。
わずかにしなりながら持ち上がってゆき、ランに向けてそそり立った亀頭が突きつけられる。
おくれて、甘ったるい匂いの中にムワリとした独特の刺激が混じりだした。
鼻腔にへばりつき、嗅神経を犯してくる雄の性臭。
ゾクゾクと背筋が震え、身体がジィンと熱くなっていく。
(……奉仕したい)
いままで抱いたことのない欲求が湧き上がる。
理性はまだ異常だとアラートを鳴らしているが、発情しきった身体はそれ以上に彼女のふたなりチンポを求めていた。
下半身がキュンキュンと切なく疼きだし、射精したばかりなのに熱い性欲がこみ上げてくる。
「絶対きもちよくするから! ……いいよね?」
「……はい」
確認する淫魔を前にして、ランは身体の求めるままに頷いていた。
ここまできたんだから、最後までヤってしまおう。良いか悪いかはその後に考えればいい。
心のどこかで抗おうとする理性に言い訳をして、ふたなりチンポへの奉仕を決める。
リードされるままテーブルに手をついてお尻を差し出し、彼女が後ろから覆いかぶさるように身体を重ねる。
フリルつきスカートがまくりあげられ、尻をまさぐられている感触、そして熱く湿ったものが尻たぶの谷間をなぞるように動いていく。
パンパンに張り詰めた亀頭が尻の中央、肌からピンク色の粘膜へと到達し、その直後。
「いくよ」
ズブブ……ッ
「ひぐぅっ!?」
すぼまりを押し拡げるように亀頭がランの中へと押し込まれた。
痛みはない。むしろ初めてのはずなのに這入ってくる感覚が心地よく、腰がビクビクと震えだす。
淫魔の体液や魔力、そしてランの下腹部に刻まれた淫紋によって、処女アナルでもふたなりチンポを受け入れられるように変容したのだ。
熱く太い陰茎から逆流してくる異様な感覚。ドクドクとした肉棒の脈動までもが、粘膜を介して伝わってくる。
「初めて、締まっててすっごく気持ちいいわ♪」
「あひっ、いっ……うあぁっ!?」
アナルの奥まで突きこまれ、下腹部がボコリと内側から盛り上がる。
一突きでメス穴へと作り替えられた彼のアナルは、圧迫されながらも無意識に肉棒へと絡みつき、快感を湧き上がらせていく。
乳首での絶頂とは違ってゆっくりとした、しかし圧倒的に重く熱い快感。
「じゃあ、ランくんお気に入りのここも……」
「ひぁっ!?」
そして彼女の責めは、アナルだけでにとどまらなかった。
腰とペニスでアナルを責め立てながら、フリーになっていた両手をランの胸へと伸ばす。
膨らみかけのふにふにとした柔肉の感触と、すでにパンパンに充血して固くなっている乳首。そのどちらもを味わうように、指先で弄んでいく。
乳首を責めるだけでイかせてしまう性技が、アナルにくわえて畳みかけられる。
鈍く痺れていく下半身にくわえて、乳首からもこみあげてくる快感が上半身に広がっていく。
消えることなく積み上がっていく快感に、みるみる全身が痺れて快楽で張り詰める。
「あ……うあぁ……♡」
少年の身体は、その許容量をあっというまに超えてしまった。
頭の中にまで痺れが流れ込み、目の前が白く濁っていくような感覚。
心臓が未だかつてないほどドクドクと激しく脈打ち、快楽の塊がジワァ……と全身に染み渡っていく。
射精とは違う、醒めずに残り続ける快楽の余韻。
五感が鈍っていくような、しかし乳首とアナルの責め、密着する淫魔の身体だけがやけに鮮明に感じられる。
声すらまともにあげることもできないまま、甘い絶頂に飲み込まれていく。
これがメスイキと呼ばれるドライオーガズムなのだと、ぼんやりとした意識の中で理解した。
心地よくふわふわとした感覚の中で、全身の力が抜けていく。
ふたなり淫魔はランの身体が崩れ落ちないよう抱き止めながら、そっと耳元で囁いた。
「初めてをくれてありがとう。すっごく気持ちいいよ……大好き♡」
それは、ただ性欲を処理したわけではなく、好みの相手とようやく交われたという嬉しさの滲む声音。
淫魔に犯されて、感謝までされる。いままで想定したことすらない状況。
しかし、ランは……幸せだった。
誰かに必要とされている充実感。
優しく愛をもった肉体の交わり。
そして、全身に広がっていく圧倒的な快感。
(こんなに、素敵なことだったのか……♡)
ずっと拒んでいたはずの一線を超えてみて、悪いことなんて1つもなかった。
いままでずっと心の奥底でわだかまっていた罪悪感、退魔師としてのプライドや理性……色んなものが緩み、ほどけて、押し流されていく。
むしろ、それらはこの街では余計なものなのだ。
今ここにいる自分の欲望を大事にしたい。
もっとたくさんの淫魔たちに奉仕して、性欲を満たしたい。
自分の欲望を認識していくたび、脳内が淫らに染まっていく。
「ずっと暗い顔してたけどさ……」
ミツハがランの顔を覗き込みながら微笑んでいた。
和睦があってから……いや、淫魔と戦いに明け暮れていた頃から、ランはずっと息苦しさの中にあった。
戦闘と訓練、つかの間の休息は心身の管理に費やし、楽しかった思い出などほとんどない。
それが当たり前なんだと思っていた。
……でも、今は違う。
「いま、すっごくいい顔してるよ♡」
快楽を受け入れた彼の表情からは曇りが晴れ、性欲に染まって淫らに蕩けていた。
心の奥底に残っていた緊張が、ふっとほどける。
快楽に身を任せた途端、ゾクゾクと甘美な感覚が背筋を這い上がり、手足にも広がっていく。
「あ、あぁ……」
全身が感動に打ち震えているような、幸せで満たされていく。
いままで、どこかでブレーキをかけていた。
快楽を感じることが、気持よくなることが、いけないことなんだと思い込んでいた。
……でも、こうして淫魔に奉仕していて、悪いことなど一つも起きてない。
身体はじわじわと変化してきたけど、淫魔たちは喜んでくれるし、むしろメイドとしての役目をより果たせるようになってきてる。
そして何より……気持ちいい。
(これが、快感……♡)
もっと味わいたい。淫魔にすべてを委ねて、この身にありとあらゆる快楽を叩き込んでほしい。
そして今のランは、淫魔専用の男娼なのだ。
サキュバスに奉仕し、求められればセックスをするのがお仕事。思う存分に快楽に浸れる立場なのだと、頭がおくれて理解する。
(なんだ、簡単なことじゃん)
サキュバスの魔力や体液を受ければ、堕ちてしまう。
でも、それは視点を変えることもできるのだ。
抵抗せず無防備のまま、彼女たちに委ねれば――
「もっと……」
「ん? なにかな?」
頭で言葉を選ぶよりも先に、口が先に動いていた。
欲望のままに、男娼メイドのランとして、彼女に「お願い」する。
「全力で、オレを犯して……エッチにしてください♡」
ふたなり淫魔はランの言葉を聞いて少しだけ目を見開き、そして嬉しそうに顔を綻ばせた。
腰をぐっと掴み、淫魔としての本分を発揮する。
「よ~し、お姉さんも全力でヤっちゃう♪」
ジュプブブッ!
「ひぅあっ!?」
肉棒が一気に突きこまれ、ランの身体に注ぎ込まれる快楽が膨れあがった。
指先の責めも、腰遣いも、さっきの比じゃない。
いままでも相当加減していたのだということが身体でわかる。
乳肉を揉みしだかれ、両乳首をこねくり回され、アナルを蹂躙されていく。
イったせいでより敏感になった腸壁は、肉棒の動きと脈動がより鮮明に伝わってくる。
ランも腰をくねらせてよがりながらも下半身に意識を向けて、肉棒に快楽のお返しをするようにキュッと締めつける。
お互いが、相手のためにする性行為。
パチュッ、パンッ、ジュプッ、グチュッ!
「もうイきそう……思いっきり射精すから、ちゃんと受け止めて!」
「うぁっ♡ はいっ♡ せーしくらさいっ♡」
2人とも息が浅く荒く、声にも余裕がなくなっていく。
ペースアップしていく肉棒は、より熱をもちながらパンパンに張り詰める。
水音混じりの衝撃は脳天まで突き抜け、頭の中までかき回されているようなピストン。
そして限界に達した剛直が、さらに大きく膨れ上がり――
ドプッ、ビュルッ、ビュルルルゥ……ッ!
「うぐっ、あぁぁっ!?」
脈打ちながら、熱く粘ついた精液を吐き出していく。
大量のふたなりザーメンが直腸の最奥に叩きこまれる。
ランはそれを逃さないように肉棒を締め付けながら、注ぎ込まれる熱く粘ついた迸りをすべて体内に受け止めていく。
ドクドクと心臓が脈打ち、全身がガクガクと震え、お腹の底からマグマのように重く熱い快感が広がっていく。
さっきよりも深く重く、何倍も強烈な絶頂。
どくっ、どくっ、とびゅ、ごぷっ……
「ひぁっ、あぁ……♡」
このままずっとこうしていたくなるような、優しく暖かな快感で満たされていく。
蕩けきった彼は完全にメスの貌をしていた。
そして……身体にも変化が訪れる。
「あっ……」
「はじまったわね」
淫魔による全力の責めと、それをすべて受け入れたラン。
無防備な少年が、魔力の塊であるふたなりザーメンをその身に受けて、何も起きないはずがない。
そのうえラン自身が心から望んでいるのだ。
全身かが火照ったように熱く、内側から膨れ上がっていく。
いままで経験したことのない、しかし心地よい感覚。
欲望を抑え続けた反動か、この店に配属される際に言われた「素質」なのか……タガが外れ、いままで堪えていたものが噴き出すように肉体が一気に変質していく。
淫魔たちの責めをすべて受け入れられる、誰よりもエッチで淫らな身体に。
むくっ、むぐぐっ……!
まずは胸からだった。
メイド服を押し上げるように、ランの胸が膨らんでいく。
ぷっくりと充血していた乳首もさらに肥大化し、メイド服に形成されていく乳袋の先端をツンと尖らせる。
「あはっ、きたぁっ♡」
ランは戸惑う様子もなく、むしろ嬉しそうに顔をほころばせながら自らの胸を撫でていた。
むくむくと脈打つように膨らんでいく彼の乳房は、あっという間に両手に収まらない質量へと育っていく。
どっぷりと重たげに揺れる様子は、もうどこからみてもたわわな巨乳でしかない。
いままで余裕のあった胸まわりの布地が張り詰めてゆき、行き場をなくした乳肉がたわみ合い、大きく開かれた胸元の中央には谷間ができあがっていく。
少年の胸板ゆえに、乳房のボリューム自体が大きく、柔肉がめいいっぱいに詰まっている。
「美味しそうなおっぱいになったじゃない」
ギュムッ
「ひゃうっ♡」
胸をわし掴みにする淫魔。しなやかな指が沈み込み、もっちりと饅頭のようにたわむ乳肌。
揉まれる感触とともに乳肉からも甘やかな快感が押し寄せ、絶頂の余韻をさらに濃くしていく。
両手を押し返すように肥大化していくランの乳房。
後ろから押しつけられている彼女の形のいい巨乳よりも、ずっと大きく重く、どっぷりと存在するだけで淫猥なサイズへ育っていく。
ドプッ……ムチッ、ブルンッ!
大きくなっているのは胸だけではない。
淫魔の肉棒を突きこまれている下半身では、スカートを押し上げるように尻も肉量を増していた。
小ぶりだったはずの尻はみるみる肉圧を増して、挿入されたままのふたなりチンポを包み込みながら圧迫していく。
筋肉と脂肪の詰まったハリのある尻肉は垂れ下がることなく、細い腰から急激なS字カーブを描いて後方にも張り出したヒップライン。
淫魔にバックから犯されたまま肥大化し続ける尻肉は、ピストンのたびに彼女の下腹部と衝突してタプタプと波打ちだしていた。
巨尻と化したその下では、少年らしく筋肉の陰影と固さが目立っていた太腿が丸みを帯びつつ内側から膨れ上がっていく。
むっちりと艶めかしいラインを描きつつ、内側には筋肉も感じさせながら、巨尻と釣り合う肉量のぶっとももへと育っていく。
あまりのボリュームに骨盤からも溢れだして左右に広がった尻に、メイド服のニーソを限界まで引き伸ばしながらむっちりと肉の乗った太腿。
まさしく、ヤるために特化した下半身だ。
ググッ……キュッ!
胸や尻にはこれでもかと肉が乗っていくが、それ以外はむしろスレンダーさに磨きがかかっていく。
スラリとした腕をはじめ、ウエストの括れもより際立っていく。
ただ男子の骨格はそのままなため、へそよりわずかに上くらいの、少し低い位置に形成されていた。
うっすらとみえる腹筋のラインや、少し広い肩幅。
わずかに残るしっかりと固い肉感が、ランが男子であることを感じさせる。
「これが、オレの身体……♡」
自分の身体を見下ろしながら、蕩けきった笑みを浮かべるラン。
ずっしりとした柔肉の重さと、メスの快感に包まれた全身。
メスの快楽を味わい、より濃密な奉仕のできる肢体。
少年らしい無垢な肢体に、メスとしての魅力をこれでもかと詰め込んだ淫乱ボディ。
メイド服から露わになった肌はより艶を増しながら、薄暗い照明の中でも色濃くなっていくのがみえる。
汗ばんだ肌からは少年らしい青さと甘さの混じった匂いが立ち上りだし、周囲にいる者すべてを発情させてしまいそうだ。
ランの身体は、男娼として極上の……淫らなメイドとなった。
「うわぁ……すっごいわね」
嬉しそうに、そして感動の混じった淫魔の呟き。
雌として開花してした身体。
淫魔の情欲をこれでもかとかきたて、奉仕するために特化した身体。
感度もめちゃくちゃに高まり、ずっとイっているような快感が全身からこみあげてくる。
「おかげで、また固くなってきちゃった」
射精したばかりでいくらか柔らかくなっていたふたなり淫魔の陰茎が、ふたたびパンパンに怒張していく。
ふたたび犯し尽くそうとする男根を前にして、ランの顔にはもう困惑も動揺もなかった。
後ろを振り向きながら流し目で彼女を見つつニヤリとした笑みを浮かべ、スカートの端をつまんで尻を見せつける。
「もっと突いていいんですよ? せーし、空にしてあげます♡」
淫魔の性欲をかきたてる煽り。
いままでの彼であれば、どんなに快楽責めされようと言わなかったセリフ。
彼女の方も予想外だったようで、数秒ほど言葉を失って動きを止め……衝動のままに肉棒を突き込んだ。
ジュプッ、ズチュ、グチュ、バチュン!
「あひっ♡ うぁ♡ ひゃう♡」
獣のように激しくアナルを穿つ、無言の抽迭。
しかしランはそれをうっとりと嬌声を上げながら愉しんでいた。
全身が淫魔とのセックスに悦んでいる。
突きこまれるたび尻肉が波打ち、爆乳がブルンブルンと大きく揺れる。
キュンキュンと締め付けるアナルは完全に淫魔のペニスに最適化され、肉ヒダ1つ1つが肉棒に絡みつきながら、ふたたびの射精を誘う。
理性を飛ばしたサキュバスの容赦ない責めの数々を、淫らなメスボディで受け止める。
できたての爆乳を揉まれ、乳首を責められ、ケツマンコを犯され……。
快楽が全身の肉いっぱいに溜まり、一気に爆発した。
「イックううぅぅうう♡♡♡」
うっとりとした表情を浮かべ、全身で絶頂する。
ビリビリと痺れ、脳内までメスイキで染め上げられる。
それでも無意識にヒクヒクと収縮しながら、精液をより搾り取ろうとするアナル。
下腹部がぽっこりと盛り上がっているのは、肉棒だけでなく注ぎ込まれた精液のせいでもあるだろう。
ジュポッ
「あっ……♡」
何度もランをメスイキさせたふたなり淫魔の陰茎が引き抜かれ、わずかに切なそうな声で反応する。
肉棒が引き抜かれたそこは精液を逃がさないよう自然と締まり、味わっているかのようにひくひくとうごめいている。
彼の尻穴はもう、新たな性器……ケツマンコと化していた。
「すごいイキっぷりね。見てるこっちまで気持ちよくなってくるわ」
荒い息を整えつつ、ランを見下ろしながら呟くふたなり淫魔。
より淫乱に感度を増した身体は、同時に快楽の許容量も増していた。
いままでなら気絶しているだろう人間離れした絶頂を、雌肉が悦びながら受け止めていく。
乳首はもちろん、机の上でたわむ乳肉も内側からジンジンと甘い痺れを垂れ流している。
頭の中まで快楽に漬けこまれ、恍惚としながら余韻を味わうラン。
彼女は崩れ落ちないようにランの腰を支えつつ、愛おしそうに頭を撫でる。
「これからもよろしくね♡」
「ふぁ……あはぁ……♡」
未だかつてない絶頂の中。
淫魔の腕に抱かれながら、ランは幸せに満ちていた。