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本にしたい内容の小説の続きです。8000字あります。 タイトルが仮ですが『退魔師娼館』にしました。 校正や推敲も随時していきます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 夜の闇を柔らかな光で満たしたこの街は、どこも薄暗くはあるものの足元や周囲が見えないほどではない。 娼館の看板が見える位置まで近づくと、そこで働く従業員たちも視界に入ってくる。 「おにーさん、この街に一般人が来るなんて珍しいですね。一晩いかがですか?」 娼館の前に立ってお客さんを誘っているのは、バニースーツを身に着けた少年。 淫魔ではない客が珍しかったらしく、青年へ誘いの声をかけていた。 ピッチリとした衣装は、おそらく退魔師としてのインナーを再利用したものだろう。 声変わり前の少女とも取れるようなボーイソプラノは、純粋でまっすぐな響きをしながらも夜伽を求めている。 あどけなさを残した顔に見つめられて、形容しがたいゾクリとした感覚が背筋を走った。 「すみません、この方はツアーの案内中なので……」 「あ、失礼しました。楽しんでいってくださいね!」 案内係がやんわりと断るとバニーボーイも理解したようですっと後ろに下がり、ニコニコと手を振って2人を見送った。 我に返った青年も、彼女についていくようにその場を離れる。 チラリと後ろを振り返ると、少年に目を付けたとおぼしき淫魔が近づいて声をかけるところだった。 「かわい~♡ 今夜はキミを頂いちゃおうかな」 「あ、ありがとうございますっ♡」 少年の小柄な体躯を撫で回しながら娼館の中へと入っていく。 よく周囲を見てみれば、他の娼館の前でも似たような光景が広がっていた。 当然のように性交渉が行われている光景に、緊張と興奮がごちゃまぜになって徐々に高まっていく。 「淫魔のための娼館街ですから、客は基本的にサキュバスです」 案内係の彼女が言う通りすれ違う人影はサキュバスばかりで、みな露出の激しい服装を着て歩いている。 男はもちろん、自分と男娼の他には人間そのものを見かけない。 この街に入ってからずっと、うっすらと甘い香りが一帯を満たしているのだが……それがすれ違うサキュバスや案内係の彼女たちの体臭であることをようやく理解した。 「我々にとって、食事と同じなので……人間でいうところのレストラン街みたいな感じですね」 通りを歩く淫魔たちの意識は、ほとんどが立ち並ぶ娼館へと向けられている。 一夜を共にする相手を品定めしているのだろうが、一方でこちらに熱のこもった視線がチラチラと送られてくるのも肌で感じていた。 さっきの少年のように、自分も夜の相手として視られているんじゃないか……興奮の中に不安も混じる。 「一般の方々には手出しできませんので大丈夫ですよ。我々サキュバスも我慢してるんです」 そう語る案内係だが、彼女の瞳もわずかだながら怪しく光った気がした。 ゾクリと身体を震わせる青年だが、流石に慣れてきたのか歩みを止めたりはしていない。 解説を続けますねー、と案内を再開する淫魔。 「淫魔と和睦が結ばれた〇〇年以降、この地域は大きく変遷を遂げました。退魔師組織の解体と、淫魔を相手にした娼館街の建設……ほとんどは既存の建物を改修してますけどね」 人類側が科学技術の粋を集めて建てたこの街は、淫魔からみても感心することが多いらしい。 なので建造物はそのままに外観や装飾、設備などをサキュバスの好みに合わせて変えていったのだという。 「男娼として、敵対していた相手に従う……退魔師側からは反発も起こりましたが、現実をみて折れることとなりました」 他に手段がないですからね、と付け加える案内係。 退魔師側からすれば、ともすると屈辱とも取れる話ではある。しかし拒めば淫魔との戦いに逆戻りだ。 おそらく、この案以上に良い対応もなかったのだろう。 「最終的には『自分達が奉仕することで、平和が保てるのなら』……と男娼になることを受け入れたのです」 客を呼び込んでいる少年たちは何人も見かけたが、彼らがみな元退魔師なのだろう。 しかし……さっき会ったバニーボーイをはじめ、みな望まない仕事ゆえの苦痛や使命感ゆえの悲壮さは感じられなかった。 むしろこれから得られるであろう快楽を期待するように、うっとりと蕩けた表情で淫魔たちを見つめ、誘っている。 「彼らは男娼とはいえ、その扱いは悪いわけではありません。淫魔からしても、いなくなられると困る存在ですからね。私たちも敵意はないですし、むしろ対立時から『可愛い』とさえ思ってたり……」 思い浮べているのか、こちらも恍惚とした表情で語る案内係。 淫魔としての本能が発揮されたのか、口の端からはよだれがツゥッと垂れる。 行き過ぎたことに気づいたのか、コホンと軽く咳払いをして間をとる。 「とにかく、退魔師たちは職と生活を保障されつつ男娼として最高のサービスを提供し、サキュバスはそれを享受する代わりに一般の地区へは立ち入らない……ある種の交換条件が成立した街なのです」 ここが夜の街にしてはやけに治安のいい理由もここにあるのだろう。 そもそも悪い人間が介入する余地が無いのだ。 万が一に街に入れたとしても、サキュバスの巣窟で何かしようと考える者はいない。 「そういうことで、この娼館街に入れる人間の数は制限されています。ただ完全に隔離することも長期的には損だろう……というわけで入念な事前調査の結果、選ばれた方のみがツアーに利用できるようになりました」 あなたみたいな、と彼女は青年に微笑みかける。 彼は軽い好奇心と興味から参加することに決めたのだが、すでに街の光景に圧倒されて言葉も出なかった。 こうして選ばれた運の良さを実感しつつ、案内係の後をはぐれないように歩き続ける。 しばらく通りを進んできたが、娼館といってもみな同じというわけではなさそうだ。 建物の外観は多種多様で、先ほどの妓楼のような和風調のものや、大理石のように白く装飾が随所に施されたものもある。 呼び込みをしている少年や、チラリと奥にみえる男娼たちの衣装も様々だ。 和装にしていたり、中東の踊り子のようなフワリとした布をまとっていたり……おそらく外観に合わせた内容のプレイとなっているのだろう。 「淫魔にとって食事と同じなので、色んなプレイを取り揃えているんですよ。レストラン街みたいな感じです」 様々な趣の娼館がズラリと並んでいるが、もちろんこの大通りに面した場所だけではない。 大通りから分岐している道をチラリとみると、淫魔の人影も少なくない。 「酒場、カジノなど、歓楽街としてのお店もあります。あと街の奥に行けばいくほど、マニアックなプレイなどが専門の店も多いですね」 ズラリと並ぶ娼館と、濃厚な性の空気に、ひたすらに圧倒される。 窓ごしに見える内装も凄まじい完成度だ。 しかし……こんなに大規模な街で、やっていけるのだろうか? もし人間が普通に暮らしている都市にこんな娼館があったとすると、一晩だけでも普通の人間が払えるような額ではないはずだ。 「お金を気にされる方も多いですけど、基本的にどこも無料です。営利目的じゃないのもありますけし……淫魔の体液や魔力は、それだけで値千金の価値がありますから」 彼の不安を、あっさりと解消する案内係。 和睦をきっかけに、人類の科学や医療はサキュバスの協力を経て急激な発展を遂げたらしいが……その源が、まさか娼館街だったとは。 淫魔の被害を防ぐためにも、この街は成立させ続けなければならないのだろう。 話している間にも通りを進んでいた2人は、その突き当りに到着した。 「ここが元退魔師本部です。正義の象徴と言われていた時代もありましたが、今ではこの街最大の娼館になっています」 目の前にそびえ立つのは、ひときわ大きな娼館。 高さも幅も周囲とは比較にならない規模の建物で、ビルと表現した方が適切かもしれない。 外観は周囲と同じように大きく改装はされているものの、ガッシリとした造りからは基地としての名残が感じられる。 おそらく最新鋭の設備を揃えた基地だったのだろう。 しかし正義のため、人類のために建てられたはずのビルは、本来の機能とは真逆の役割を担っていた。 立ち止まった2人を追い抜くように、大きな入口に向かってサキュバスたちがそろぞろと吸い込まれていく。 彼女たちの性欲が、街の中枢たるここへで煮詰まっているかのよう。 淫靡な瘴気が周囲に滲み出てているように思えてくる。 「説明するよりも実際に見た方が早いですから、さっそく入りましょう♪」 楽しげに歩きだす案内係の後を追うように、彼も意を決して足を踏み入れた。 大きく開かれた入口を抜けると、広大な空間が広がっていた。 複数階の天井を取り払ったであろう、高さのあるエントランスホール。 絨毯が敷き詰められた床に、装飾の施された壁、天井からはシャンデリアがつり下げられている。 さっきまで歩いてきた夜の通りとはうって変わり、明るく豪奢な雰囲気。 高級なホテルを連想するが、実際に泊まる場所でもあるのだから、イメージとしては間違っていないのだろう。 少し気後れしてしまいそうな程に手入れの行き届いたロビーを、サキュバスたちが闊歩している。 中には男娼とおぼしき少年の腰に手をあてて、歩いていくペアもいた。 それぞれに目的地があるのだろう、彼女たちは上階や左右の通路へと別れつつ、その後ろ姿は広く高い娼館の中へとばらけていく。 「娯楽施設はもちろん、様々なイベントも行われています」 示されたフロア図には、把握しきれないほどの部屋が表示されていた。 上層にはズラリと並んだ宿泊・休憩用のフロアもあるが、それは半分ほど。 カジノやバー、プールにゲームコーナー……最上階には展望台もあるらしく、観光地として見ても最高級の設備だということがわかる。 おそらくは男娼とのプレイも考慮されているのだろう、『プレイルーム』と書かれたスペースが各所に存在しており、その内容は案内係に聞かずとも察せられた。 パッと見ただけでは、どこに行けばいいかも分からない。 1つ1つ巡っていただけでも夜が明けてしまいそうだ。 「まずは順当にノーマルな所から行ってみましょうか」 青年が頷くと、彼女は淀みなく進行方向を定める。 奥へと進むにつれて、周囲を満たす甘い香りはより濃厚になっていった。 「こちらがイベントホールです」 案内されたのは大きな広間だった。 ここもエントランスのように複数階分のスペースを取っているようだが、こちらは非常に暗く足元さえもよく見えない。 会場の中央には花道のようにステージが設けられており、そこだけライトアップされている。 それらを囲むようにして盛り上がっている客たちの顔は逆光になって見えないが、翼や角のシルエットからしてやはり淫魔なのだろう。 会場全体には身体に響くほどの音量で艶やかな曲が流れ、興奮と熱気がホールを満たしている。 ステージから一定間隔に天井に向けて金属製の棒が何本もまっすぐに伸びており、照明を反射してきらめく銀色の柱には、絡みつくように踊る男娼たちがいた。 「この時間帯は、ポールダンスのショーをやってますね」 踊り子たちは中性的で整った容姿の者ばかりだが、肩幅や浮き上がる鎖骨は男らしさをわずかに感じさせる。 身に着けているのはマイクロビキニのみ。 ご丁寧に上も着ているわけで乳首まで隠しているのが、逆に劣情を煽っている。 男子とは思えないサイズのぷっくりとしたそこがビキニの布地を押し上げ、乳輪の縁がチラリとはみ出している。 性欲をかきたてるためだけを目的とした衣装だ。 「彼らももちろん男娼ですし、夜の相手がここで決まったりもします」 2人は他の客の邪魔にならないよう、壁際から遠巻きに眺める。 曲に合わせて踊るその顔ををよくみると、ステージの強いライトで白飛びしないよう濃いメイクが施されていた。 とくに目元は男娼ごとに異なる色で彩られ、それぞれの個性と色香が際立っている。 ビキニも合わせて女子であっても痴女と呼ばれかねない格好だが、彼らは恥じることなく堂々と身体を見せつけていく。 「まずはステージを楽しみましょう♪」 ポールをしっかりと掴み、ときには脚で挟みつつ空中を舞う男娼たち。 しなやかな肢体は体重を支えるたび、うっすらと筋肉の隆起が浮かび上がる。 胸板は少年らしい肩幅と骨格の影響を受けているのか、女性よりもいくらか広い。 マイクロビキニに包まれた胸は光沢を放つ布ごしにうっすらと乳首の形が浮き上がり、胸自体にもわずかに膨らみがあるようにもみえる。 下半身の肉付きはむっちりとしたボリュームをたたえ、力強くしなやかな動きに合わせて柔らかそうな尻肉がフルリと揺れる。 太腿は内側に筋肉が詰まっているだろうハリを感じさせ、ポールを挟み込むたびにギュムギュムと弾力を示すようにたわんでいる。 下半身のボリュームのせいか余計な肉のない腰の細さが際立ち、くびれのようなラインを描く。 筋肉もある程度ついているのだろうが、それよりもしなやかで柔らかそうな印象も強い。 会場のテンションとともに曲調も徐々に高まってゆき、彼らの動きの激しさを増していく。 数メートルの高さで逆立ちのように頭を下にしたり、空中に身体を投げ出したまま、腕だけの力で静止したり……ある種の体操のようにも思えてくる。 しかし力んでいたり苦しそうな様子は少しも見せず、まるで重力が存在しないかのようだ。 しなやかではありつつもしっかりと筋肉のついた体躯が、その力強さを発揮している。 「元退魔師としての身体能力を存分に活かしたステージです」 こういったショーを初めてみる青年からしても、圧巻のパフォーマンスといえた。 ダンスとしてだけではない。少年たちの身体そのものの魅力も観ているだけで伝わってくる。 脚を開いてゆったりとポールを軸に回れば、ビキニの内側に詰まった男性の象徴が揺れる。 腕を上げれば腋がみえるし、胸や尻も無防備に晒され続ける。 むっちりとした尻でポールに擦りつけ、観客のボルテージも上がっていく。 決して女性的な魅力がある、というわけではない。 そこだけなら、観客として集まっているサキュバスの方が人間とは比べ物にならないレベルで完成されている。 しかし少年たちには、男性的とは別の、どこか背徳的な……メスとしての魅力があふれ出していた。 スレンダーで少し直線的なボディラインに、うっすらと乗った柔肉。 ライトに照らされた肌は透き通るほどに白く、メイクもより際立っている。 少年らしさが変質して、色気へと進化したような……。 クライマックスを迎えたステージは曲とともに終わりを迎え、男娼たちが空中からステージへと降り立つ。 サキュバスたちの拍手と歓声が起こる中、少年たちもそれぞれアピールしたり、思い思いに客へ向けてサービスしている。 「誰か好みの子とかいます? 指名もできますけど」 徐々にムードに飲まれてきたのか、見惚れていた青年。 案内係に促されて何人もの少年たちをじっと凝視し、周りの淫魔たちと同じように彼らを品定めしていく。 その中でふと、紅いアイラインを引いた男娼が目に留まった。 同じ色のマイクロビキニを身に着けた彼は、今はポールを使いつつI字バランスを取っている。 上手く表現できないが、身体の内側から熱が湧いてくるような感覚。 それこそ、股間が反応した……と言うべきだろうか。 他の客の邪魔にならないようそっと近づいて、ステージの上にいる少年を見上げる。 男子にしては少し長めの黒髪が、姿勢を変えるたびにサラリと流れている。 数秒ほどしたところで双方の視線が合い……少年がニコリと微笑んだ。 スタッ ポールから手を離し、軽い身のこなしでステージから降りる。 すっと距離を詰め、笑顔で青年を見上げている。 ステージの上だったから見上げていたが、同じ高さになると頭2つ分ほど低い。 何かを期待するような視線に、戸惑ってしまう。 どうすればいいのか分からず、伸ばしかけた両手を引っ込める。 「おさわりは問題ありません、むしろした方が喜んでくれますよ」 助け船を出すように説明する案内係。 彼女が示す先ではさっきまで踊っていた別の少年が、客席で淫魔たちからハグや愛撫をされていた。 後ろから抱きすくめられ、サキュバス特有のネットリした手つきで胸や股間をまさぐられている。 しかし彼の方は嫌がるどころか、むしろ愉しんでいた。 見ているだけで性感が伝わってくるようだ。 「…………」 こちらの様子を伺っている紅いアイラインの少年も、青年の躊躇いを感じたのだろう。 少年の方からは触れないようにしつつも、受け入れると言わんばかりに腕を広げて身体を任せる。 はそっと手を伸ばす。 「あんっ♥」 肩のあたりを触れただけなのだが、まるで性感帯に触れられたように甘く喘ぐ少年。 磁器のようにきめ細かく吸いつくような手触りは、ずっと触っていたくなるような心地よさで、青年もそのまま二の腕へと手を這わせていく。 なめらかな肌の奥に感じる、しなやかな筋肉と骨格。 「今の彼らは淫魔の眷属に近い状態ですね。容姿はもちろん、感度や抱き心地も最高です」 少年の興奮を示すように、マイクロビキニを押し上げる膨らみも興奮で大きくなっている。 そして誘うように、ゆったりと尻を突きだした。 尻肉は柔肉をいっぱいに詰め込みながら、奥に筋肉の存在も感じる。 娼年は熱い吐息をこぼしながら、ビキニをズラして覆っていた尻を見せつける。 すでに発情していたらしく、緩んでトロトロになった菊穴が露わになった。 ピンク色の粘膜によって形成された肉孔は綺麗に縦に割れていて、その周囲が陰唇のようにぷっくりと盛り上がっている。 まるで女性器のような……それよりも淫らな何か。 「あぁ、汚くはありません。男娼たちは体質も性に特化してるので」 媚薬にはなりますけど、と軽く笑いながら付け加える案内係。 そんな説明も、青年の方にはほとんど届いていなかった。 あまりにも淫靡な尻穴性器に、彼の股間が熱く滾っていく。 クチュ…… 「あんっ♡」 パックリと割れたそこをなぞるように指先を這わせると、吸いつくように収縮していく。 甘い声をあげながら、ブルリと身体を震わせる少年。 背徳感や倒錯感もあるが、それ以上にゾクゾクとした興奮が湧きあがってくる。 ……挿れたい。 身体の芯から湧き上がってくる熱い衝動。 股間がズボンを限界まで押し上げる。 「お相手が決まったようですね」 案内係の声に、青年も首肯した。 相手が決まった、自分から嬉しそうに抱きつく少年。 3人はそのまま奥にあるエレベーターへと向かった。 「基本的にプレイにNGはありません。初めてですし、男娼に任せてしまうのも一興ですね」 上階はホテルのような造りになっていて、一定間隔で部屋が並んでいる。 ガイドの説明を聞きながら廊下を歩く。 指名した男娼は腕に絡みつくようにして身体を委ねてくる。 頭2つ分くらい小柄な少年を、裸同然の格好で侍らせて歩くのは形容しがたい背徳感があるのだが、それに興奮しているのも事実だった。 「こちらが、今夜過ごして頂く部屋になります」 案内係がドアを開き、青年と男娼が中へと入る。 一般的なホテルよりもずっと広く、シンプルで清潔感のある部屋。 その中でもひときわ目立つのは、2人で横になっても使いきれないほどの大きなベッド。 これなら思いっきりヤってもスペースで困ることはないだろう。 少年の方は慣れた動きでちょこんとベッドに腰掛け、その時を待つ。 「こちらに通常のプレイで使うものは取り揃えています。男娼にはどれも使えますのでご自由にどうぞ」 浴室の横には、ズラリと道具が並べられていた。 かなり大きなサイズのディルドやアナルプラグもあり、これが入るのかと少しばかり戦慄する。 具体的な物としてみると、少しばかり緊張も高まっていく。 「飲み物は無料で飲み放題です。水、お茶、ジュース、アルコール……媚薬もご用意してます」 激しくヤりすぎて水分不足になってはいけませんからね、と付け加える案内係。 これからのことを想像しているのか、淫魔の尻尾が楽しげに揺れている。 「私からの案内はひとまずここで一区切りです、ありがとうございました」 案内をしてくれた彼女が一礼し、青年も頭を下げる。 彼は意を決した表情で、男娼の待つベッドへと向かった。 「それでは、心ゆくまでお楽しみください」 案内係は手を振って、部屋の扉が閉じられた。

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