コミッションss「神通の筋肉拡散計画」（３） (Pixiv Fanbox)

しばらく経ち、また入渠ののれんをくぐる人影があった。 「被弾した箇所をはやく直さないと」 やってきたのは小柄な体格に白を基調としたジャージ姿……速吸だ。 その全身は所々焦げたように黒く、ジャージも所々が破れている。 給油艦として艦隊の道中で艦娘たちに燃料を補給する彼女だが、装甲の薄さが欠点だった。 今回の出撃でも長距離の航行が必要なため重要な役割を担っていたのだが、給油の前後ではあまり戦線で活躍できるわけでもなく、敵空母の攻撃一発で大破してしまったのだった。 「はぁ……」 今回は連合艦隊での出撃だったため、駆逐艦とともに護衛退避をして鎮守府へ先に帰投していた。 致し方ないことだと分かっているとはいえ、はがゆさもある。 戦闘に関してはほとんど戦力にならないうえ、給油さえできずに大破してしまう場合だってあるのだ。 自分の艦種を役目を考えれば起こり得る事態であり、責められることではない。しかし―― 「もっと強くなれたらいいのに」 仲間のように強く、敵の攻撃を受けても破れない装甲があれば……そう考えてしまうのだった。 チャプンと静かにお湯に入り、ボンヤリと湯気を眺める。 小型の艦種ということもあって、入渠の時間自体はあまり掛からないはずだ。 いつものように時間が流れていくはずだったのだが…… モコッ！ 唐突に、小柄な身体がひと回り大きく膨らんだ。 白くなめらかな肌を内側から何かが押し上げていく。少女らしいなだらかな輪郭は、せり上がるものによっていくつもの隆起が生まれつつあった。 「今日はお湯が熱いのかな？」 速吸の場合は認識改変の方が先に進んでいるらしく、膨らみつつある身体をみて動揺することはなかった。 入渠の時間が短いせいか、急速に筋肉の肥大化は進んでいく。 小さな背中はいつの間にか左右に広背筋を広げ、背骨の通っている中心だけ深い溝ができている。 浴槽の底に座っている状態のはずだが、頭の位置が徐々に高くなっていく。尻が筋肉によって膨らみ、押し上げているのだ。 ガッシリとした肩や窪みの深くなった鎖骨が外気に晒されていく。 視界の下側を覆うように大胸筋がせり出し、薄かった胸板がみるみる厚くなっていく。 その上にある双丘もさらに大きく膨らんでいた。 「あ、終わりかな」 いつものように短い入渠時間、慣れた動きのつもりで速吸は立ち上がる。 しかし筋肉で膨らみきった肉体はザブリと大量のお湯をおしのけ、ずっしりとした重さが両脚にかかっていく。 「……いつもより身体が重い、かな？」 不思議そうな表情を浮かべる顔は何も変わっていない。しかしそのすぐ下には境目がつかないほどに太くなった首と像帽筋がアーチを描いていた。 形よく大きさもあった両乳は、大胸筋に押し上げられながら顔よりも大きな肉鞠となって鎮座している。 肥大化した背筋と二の腕がぶつかり合い、両腕を閉じきることが難しくなっていた。太腿も筋肉同士が邪魔をするため、がに股気味に歩きながら脱衣所へと向かう。 「うん、いつも通りだよね」 鏡を見つめながら、軽く腕を曲げてポーズを取る速吸。 駆逐艦や軽巡並の身長はそのままに、小さな身体から溢れだしてしまいそうなほどに肥大化した筋肉の数々が全身を覆っている。その上にはうっすらと脂肪も乗っており、身長以上に大きい印象を与えている。 肌は白いままだが、汗を噴き出しながらテカテカと蛍光灯の光を反射するさまは分厚い装甲のよう。 しかし彼女の特筆するべき変化はその肉体ではなく、豊満な筋肉爆乳の内側にあった。 「何か、胸の辺りがヘン……」 ジクジクと疼くそこを、速吸が揉んだ瞬間である。 「んっ♡」 ピュルッ！ プックリと親指の先ほどに膨らんだ乳首から、乳白色の汁が迸った。 両乳全体が快感を放ち、さらに射乳したいと疼きを強くする。 体験したことのない事態のはずなのに、速吸はこれが何であるのか分かっていた。 トプトプと白い液をこぼす乳首を見つつも、それが当たり前のことのように上から服を着ていく。 いつもの体型であれば大きめのサイズのジャージなのだが、筋肉で分厚くなった身体のせいでパツパツだ。 速吸は興奮で頬を紅潮させつつ、熱に浮かされたように呟く。 「みんなにもプロテインを分けなくちゃ……♡」 艦娘たちに補給する濃厚プロテイン。神通の汗と同様、かつ強力な効果を持つ筋肉母乳なのだ。 ただ快感のために射乳するのではなく、同僚たちに飲ませていく。それこそが給油艦としての自分の役目なのだと価値観が上書きされていた。 のれんをくぐり、去っていく速吸。 ジャージの胸まわりはすでに母乳の染みが広がりつつあり、甘い匂いが周囲に拡散していく。 その後の出撃では速吸の補給が戦力の急激な上昇を生み、艦隊は筋肉で分厚くなった肉体で帰投したという。