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pixivに投稿した「神通の筋肉訓練」(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11563087)の続編をコミッションで書いたものです。 依頼内容は「筋肉化した神通が鎮守府全体を筋肉洗脳していく話」です。 性癖的にニッチではあるのですが「こういうのもあるんだ」みたいな感じで、合う人は読んで頂けると幸いです。 「これからどうしましょうか……」 神通は悩んでいた。 自分の部屋のベッドに、筋肉で構成された巨体をドカッと腰掛けつつ1人思案に耽る。 素晴らしい肉体を得た自分自身については不満など何もない、問題は自分の所属する鎮守府についてだ。 自らの汗に筋肉化の効果があり、さらに揮発した汗によって他の艦娘がこの身体をみても違和感を覚えない。そんな非の打ちどころのない体質……とはいえ、このまま普通に過ごせばいつかは露見してしまうだろう。 この鎮守府に所属する全員を、筋肉に染めていかねばならない。少なくとも過半数を筋肉の虜にする必要があると考えていた。 直属の駆逐艦たちは神通が直接「訓練」して、自らと同じ分厚い筋肉に覆われた肉体にすることができた。部隊以外の艦娘でいくと、偶然の要素が大きいものの矢矧も筋肉の素晴らしさを分かち合う仲間だ。 その他の艦娘、中でも神通の姉妹である川内や那珂、部隊にいる駆逐艦たちの同型艦をこちら側に引き込むのは容易いだろう。同じ部屋が割り当てられているし、みんなを一気に変えてしまえば一晩でも済む話だ。 ……しかし、それ以外の同僚達はそうはいかない。 重巡や空母、戦艦といった主戦力の同僚たちは別の寮で生活している。神通たちは皆、所属としては小型艦であり立場的にも彼女たちの方が上になるのだ。 駆逐艦たちは神通が旗艦であったが故に呼び出せたが、そういった手段は使えない。部屋に押しかけるのも不審に思われるし、1人ずつ呼び出すのも不自然になる。 蒸発した汗によって歩い程度の筋肉は不自然に思われないとはいえ、隠すのにも限度というものがある。悲鳴の1つでも聞かれれば、他の艦娘たちが何事かと飛んできてしまうだろう。 筋肉を全力で肥大化させ、誇示しつつすべてを圧倒……というのもちらと考えたが、今の肉体であっても100をゆうに超える艦娘たちを一斉に相手にするのはリスクがあった。 遠距離の砲撃、上空からの航空攻撃、戦艦や大淀の指揮能力の高さ……鎮守府全体を制圧するにはこの身体をもってしても骨が折れるのは明らかだ。そして誰か1人でも逃がせば、緊急事態であることが鎮守府の外にまで漏れてしまうだろう。 神通は鎮守府を破壊する怪物になりたいわけじゃない。ただ仲間と最高の肉体を共有し、愉しみたいだけなのだ。 出来る限り静かに、効率よく、隠密に事を済ませたかった。 「…………」 ふと、自らがこの肉体に変わるキッカケとなった場所を思い出す。 入渠だ。不思議な筋肉バケツを使ったせいでこの肉体になったのだ、あの再現ができれば気づくことなく一気に皆に筋肉を広められるのではないか……? アイデアが浮かんできた神通は、目的の場所へと歩だした。 のしのしと廊下を歩き「入渠」と書かれたのれんをくぐる。 幸いなことに今は多くの艦娘が連合艦隊で遠方に出撃しているところであり、誰かが新たに入渠しに来ることはない。 ……そして、これから何人もの艦娘たちが間違いなくここを使うのだ。 湯船へ続く途中に高速修復剤、いわゆるバケツが山のように置かれているが、すべて何の変哲もない緑のものだ。これでは神通のように修復剤を使って……という手段はとれない。 しかし神通に落胆した様子はなかった。最初から別のものを使うつもりだったのだ。 そのまま脱衣所を通りすぎ、大浴場と形容するべき広さの湯船に立ったまま入る。 そして軽く息を吐き、拳を握り…… 「ふんっ!」 両腕を曲げつつ前傾姿勢になりつつ全身に力を込めた。 ムクッ、ムググッ、ボコォッ! 抑えていた筋肉が本来のバルクを取り戻し、艤装を内側から引き裂いていく。 一糸まとわぬ姿となった神通は、しかしそれを全く意に介さずに力を込め続けている。 ビキビキと蔦が這うように血管が皮膚のすぐ下に浮き上がり、大量の血流が筋肉に注がれていく。 ポージングを続けるうち、筋肉に引き伸ばされた肌からは汗が滲み始めた。全身の力を使っているうえ、巨大な浴場を満たす熱気と大量の湯気が神通の発汗をさらに促していく。 全身から噴き出す汗は筋肉の谷間を流れ、ボタボタと滴り落ちて湯船の中に混ざっていく。 「まだ足りませんね……」 ムグググゥッ! 満足いかなかったのか、さらに力を込めていく神通。 追い打ちをかけられた筋肉はさらにひと回りパンプアップし、滝のような汗が流れ落ちていく。 筋肉化した艦娘たちなら夢中で見惚れてしまうだろう、全力のポージング。 筋肉を収縮させるたび、筋繊維までもが浮かび上がりつつ蠢いている。 体内で生まれた熱はさらなる発汗をうながし、湯船の中へ混じっていく。 全身を赤く火照らせながら、大量の筋肉と汗にまみれた時間が続いた。 「……これぐらいでしょうか」 30分ほど経過して、おもむろに肉体から力を抜く神通。 熱くなった巨体からは目に見えて湯気が立ち上っている。筋肉で盛り上がった肩は大きく上下しており、全力ポージングを続けたゆえに疲弊していることが見て取れる。 しかし重要なのは神通本人ではなく大量の汗が流れ込んだ湯船で、お湯だけでなく空間そのものが神通の汗の匂いで満ちていた。 それこそが彼女のアイデアであり、狙いだったのだ。 「あとは待つだけですね」 荒い息を吐きながら、これから起こることへの期待に笑みを浮かべた。

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