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 3月3日。それは世間的にはひな祭りという行事がある日だ。

 しかし伏木野家ではもうひとつ重要な日であった。


「ハッピバースデートゥーユー! ハッピバースデートゥーユー!」


 綺麗に飾り付けられたリビング。テーブルに並べられた豪華な料理。

 部屋に響く軽やから歌声に、曇りひとつない笑顔の面々。


「ハッピバースデー、ディアアリス! ハッピーバースデートゥーユー! アリス誕生日おめでとう!」

「ふぅー……!」


 掛け声とともにアリスが勢いよく息を吹きかけ、ケーキの上に並べられたロウソクの火を一斉に吹き消した。

 そう、この日はアリスの誕生日なのだ。本日の主役である彼女は、いつも以上に晴れやかな笑顔をみせていた。


「わーい、大きなケーキですー! 美味しそうな料理もたくさんありますー!」

「ふふ、アリスのために貴方の好きなものばかり用意したわよ」

「出産が近いのに無理させてすまないな」

「いいえ、年に一度のアリスの誕生日なんだもの。これくらいは頑張らないと」


 出産予定日が近いマリアのお腹は、破裂しそうなほど大きくなっていた。

 伸彦や邦彦も手伝ったとはいえ、アリスの誕生日の準備は彼女の負担になったはずだ。

 それでも嫌な顔ひとつせず率先して多くの料理を用意したのは、アリスのことが大切だからだ。

 そしてアリスのことが大切なのは邦彦も同じだ。彼女の誕生日が最高の一日になるよう、彼も努力を惜しまなかった。

 その結果が楽しそうなアリスの笑顔だ。この表情を見れただけでも、頑張って準備をした甲斐があるというものだ。


「さぁ、料理が冷める前に食べ始めましょう。アリス、好きなものを好きなだけ食べていいのよ」

「わーい! それじゃあケーキが食べたいです!」

「いきなりケーキ!?」

「はっはっは。それもまたアリスらしくていいじゃないか」


 自分のものでも他人のものでも、こんなに賑やかな誕生日は初めてだ。

 やはり誕生日の主役が元気いっぱいだから、こちらも陽気な気分になるのだろうか。

 自分の誕生日ではないのに、いつまでも記憶に残るような和やかな時間が流れた。

 こんな平和な日常が、永遠に続けばいいのに。

 そう思う邦彦の願いを、マリアの悲痛な声が引き裂いた。


「うぅっ……お腹が……」

「マリアっ……!?」


 伸彦の隣で、マリアがお腹を抱えて苦悶の表情を浮かべていた。

 その顔を一目見るだけで、ただならぬ事態なのが一瞬で理解できる。


「まさか、赤ちゃんがっ……!」

「えぇ、少し早いけど来ちゃったみたい……」

「赤ちゃんっ……!?」


 予想外の緊急事態に、アリスの表情が強張る。

 邦彦も頭が真っ白になり反応が一切できなかった。

 動揺する子供たちの前で、父の伸彦は焦りながらも思考は冷静だった。


「マリアっ、病院に急ごうっ!」

「でも、アリスの誕生日がまだ……」

「そんなこと言ってる場合かっ! アリス、埋め合わせは今度必ずするからマリアを連れてくぞ!」

「はっ、はいっ……!」

「邦彦、父さんたちがいない間アリスを頼んだぞ!」

「あっ、あぁっ……!」


 邦彦が何かを考える前に、伸彦はマリアを連れてリビングを出ていった。

 あとに残された二人の間に、しばらく気まずい沈黙が流れた。


「あの、えーと……」


 先程まであんなに楽しい空気だったのに、今はそれどころではなくなってしまった。

 彼女になんて声をかければいいだろう。言葉を探す邦彦に、アリスは持ち前の笑顔を兄に見せた。


「仕方ありませんよ。わたしの誕生日よりも、赤ちゃんの命のほうが大切ですし。それに赤ちゃんが無事に生まれるのなら、むしろ喜ばしいことです」

「アリスちゃん……」


 邦彦の目から見ても、アリスが無理をしているのは明白だ。

 しかし彼女の言う通り、こればかりは仕方のないことだ。

 誰も何も悪くないが故に、どう言葉をかけていいか迷ってしまう。

 だが黙ってもいられない。それでは余計に気まずくなるだけだ。

 せっかく彼女が気丈に振る舞っているのだ。それに習わなければ年長者として示しがつかない。


「さぁ、僕たちだけでもパーティーを続けよう。残った料理は父さんたちに取っておけばいいよ」

「そうですね、そうしましょう!」


 その後、二人きりの誕生日会は和やかに続く。

 この日の出来事は、色んな意味で彼らの記憶に残る記念日となるのだった。



 ×××



『もうすぐ赤ちゃんが生まれそうだから、父さんは立ち会いで遅くなると思う。悪いな』

「こっちは大丈夫だから、出産頑張ってね」


 アリスの誕生会はつつがなく終了し、夜。

 父との電話が終わるやいなや、隣にいるアリスは興奮した様子で話しかけてきた。


「お母様はっ、お母様は大丈夫なのですかっ!?」

「アリスちゃん、落ち着いて落ち着いて。マリアさんは無事みたいだけど、これから産まれるみたいだから父さんが帰ってくるのは遅くなりそうなんだ」

「そうなんですか……少し安心しました」


 母親の無事を知り、アリスはホッと胸を撫で下ろす。

 二人だけの誕生会も終わり、今は邦彦の部屋で二人きりだ。

 誕生会の時は無理して元気をだしていた彼女も、幾分か落ち着きを取り戻したようだ。

 マリアと赤ちゃんが心配なのはわかるが、自分たちにできるのは無事を祈ることだけだ。

 ならばいつも通り過ごすのが一番だろう。


「ふぅ……。落ち着いたらなんだかエッチな気分になってきちゃいました♡ お兄様、お父様が帰ってくる前にエッチしませんか?」

「……アリスちゃん、切り替えが早いね」


 食欲を満たした次は性欲とばかりに、アリスは瞳を輝かせる。

 先程とは別人になったかのような豹変っぷりだが、これがいつものアリスである。

 だが母への心配を引きずるよりはずっと良い。この時ばかりは、マイペースなアリスに安心感を覚える邦彦なのだった。


「分かった。それじゃあエッチしようか」

「ふふ、わたしと一緒に気持ちよくなりましょうね♡」


 エッチスイッチが入ったアリスは、子供とは思えない妖艶な表情で邦彦に迫る。

 彼女の無自覚な色気に当てられて、邦彦の気分も高揚する。

 性欲を滾らせた少年少女は、引き寄せられるように顔を近づけ口づけを交わした。


「ちゅう、ちゅぱっ、んぱあぁっ……お兄様ぁっ♡ お兄様とのキス、気持ちよくて好きですぅっ♡」

「んちゅっ、れろっ、んちゃあぁっ……僕もだよ、アリスちゃん」


 邦彦とアリスは、取り憑かれたようにディープキスに没頭した。

 互いの口内をまさぐり、舌と舌を絡め合い、相手の唾液を啜る。

 キスは情事を盛り上げるための最適な手段だ。相手の呼吸を間近で感じると、情欲が天井知らずに上昇していく。

 アリスとの情熱的なキスで愚息はたちまちギンギンに漲り、股間に立派なテントを張っていた。


「ちゅう、んちゅっ、ちゅぱあぁっ……ふふ、お兄様のおちんぽ大きくなってますね♡ ご奉仕しましょうか?」

「んんっ……そうだね。今日は互いのアソコを舐め合いっこしようか」

「はい、シックスナインですねっ♡」


 まずは邦彦がベッドに寝て、その上にアリスが乗る。

 アリスの目の前には、雄々しくそそり勃つ陰茎が君臨していた。

 彼女はソレを視界に捉えると、間髪入れずに飛びついた。

 竿を握り、顔を埋め、亀頭に舌を這わせる。彼女お得意の濃厚フェラの始まりだ。


「れろっ、れちゅっ、んちゅうっ♡ お兄様のおちんぽ、すっごく硬くて熱くなってますっ♡ ドクンドクンっておちんぽが興奮しているのが分かりますよっ……ちゅう、んちゅっ、ちゅぱあぁっ♡♡」

「うあっ、あぁっ、アリスちゃんのフェラ気持ちいいよっ!」


 アリスの熱のこもった口淫で、愚息は瞬く間に至福の快感で包まれる。

 彼女のフェラは、何度味わっても飽きることのない第二の性器である。

 回数をこなす度に精錬されていく舌技に酔いしれる邦彦だが、それではシックスナインにならない。

 邦彦は眼前に浮かぶ恥部に顔を寄せ、舌を伸ばす。芳しい淫臭を放つ膣口をなぞるように刺激し、フェラのお礼を還元する。


「れろっ、んちゅっ……」

「んあっ、ふあぁっ、あぁんっ♡ おまんこにお兄様の舌がぁっ♡♡」


 ピッタリと閉じた膣口を舌でこじ開け、内部をくすぐるようにつつく。

 発情した膣は感度抜群なようで、ちょっと愛撫するだけで愛液が奥から滲み出てくる。

 愛液は天然の媚薬である。邦彦は膣口に口をつけ、音を立てて愛液を啜った。


「じゅずっ、ずずっ、ずずずぅっ!」

「んんっ、んあぁっ、はあぁんっ♡ おぉっ、おまんこ吸っちゃダメですぅっ♡ んあっ、ふあぁっ、気持ちよすぎてフェラに集中できないですぅっ♡」


 敏感な性感帯を愛撫され、アリスは声を張り上げ感じていた。

 少女の肉体は、この一年で信じられないほど淫らに成長した。

 技術と性欲を併せ持った彼女が、自分のために全力で相手してくれているのだ。

 彼はそのことに感謝を込めて肉壺を愛撫する。熱心なクンニで彼女の股間は大洪水。止めどなく流れ出てくる愛液で、シーツはビショビショになっていた。


「あぁあっ、んんっ、んあぁっ、ふあぁあぁっ♡ んあぁっ、わたしもフェラを頑張らないとっ……ずちゅっ、ずぷぷっ、れちゅる、ぐちゅっ、んじゅうぅっ♡♡」

「くぅっ、気持ちいいっ!」


 邦彦に負けじと、アリスのフェラは激しさを増していく。

 彼女は逸物を根本まで咥えると、淫猥な水音を立てて愚息をしゃぶる。

 アリスの本格的な口淫によって、シックスナインは終盤に突入した。


「じゅるっ、じゅぷっ、んんっ、ぐちゅうぅっ♡ んぶぅっ、おちんぽ美味しいっ♡ お兄様のおちんぽっ、大きくて逞しくて顎が外れちゃいそうですぅっ♡ んぐっ、んんっ、んじゅっ、じゅるるぅっ♡♡」

「れろっ、んちゅっ……んぐぅっ、アリスちゃんのフェラ良すぎる! もう限界だっ!」


 アリスの絶品フェラによって、男根にとてつもない快感が伸し掛かる。

 これほど刺激的な快感、耐えられるはずがない。急速に射精感がこみ上げ今にも射精しそうになっていた。


「んじゅっ、んぐっ、じゅじゅうぅっ♡ お兄様ぁっ、射精してくださいっ♡ わたしの口マンコにぃっ、お兄様のおちんぽミルクらしてぇっ♡ じゅじゅっ、ずずずっ、ぐちゅうぅっ♡♡」

「アリスちゃんっ、それはっ……!」


 邦彦の射精が迫り、アリスはトドメとばかりに口をすぼめて激しく啜る。

 強烈なバキュームに晒され、邦彦は思わずクンニを止める。

 これ以上は我慢の限界だ。彼は愚息の封印を解き、アリスの口内に子種を解き放った。


「うおぉっ、射精るっ……!!」

「んんっ、んぐっ、ぐぶっ、んぶううぅぅっ♡♡」


 口内に流れ込んできた精液を、アリスは美味しそうに喉を鳴らして飲み込んでいく。

 この年にして精飲した回数は数知れず。今ではすっかり精液が大好物になった彼女は、怒涛の如きバキュームフェラで尿道に残ったザーメンを綺麗に吸い取っていた。


「くぅっ……搾り取られるっ!」

「ずずずっ、ずちゅっ、んじゅじゅっ……んはぁっ♡ お兄様のおちんぽミルク、とっても美味しかったですっ♡♡」

「アリスちゃんのフェラ気持ちよかったよ。気持ちよすぎて最後クンニを止めてごめんね」

「いえいえっ、お兄様が感じてくれて嬉しいですっ♡」


 アリスの魅惑のフェラチオでイッた邦彦だが、愚息は依然として勃起したままだ。

 彼女との情事が前戯で終わるなんてありえない。むしろ先程よりギンギンに漲ったペニスは、早く本番にいけと急かしてくる。


「アリスちゃん、そろそろ挿れていいかな?」

「はい、お兄様のおちんぽほしいですっ♡」


 邦彦が男根を構えると、アリスは自ら股を開いて恥部を顕にする。

 濃厚な前戯で彼女の膣はビショビショのヌレヌレであり、待ちに待った交尾を前にして物欲しそうにヒクついていた。

 今すぐにでも挿れたい。しかしその前に準備がいる。邦彦は逸る気持ちを抑えてコンドームを取り出すが……。


「お兄様。今日はせっかくの誕生日だし、ゴムは付けなくていいですよ♡」

「えっ、いいの?」

「はい、今日は安全日ですから♡」

「でも……」


 安全日だからといって、100%妊娠しない保証はない。

 自分たちの今後のことを思えば、絶対に避妊するべきなのだが……。


「早く、お兄様っ♡ お兄様の生チンポを、アリスの発情マンコにくださいっ♡♡」


 エッチで可愛い彼女に懇願されたら、なけなしの理性なんか簡単に吹き飛んでしまう。


「アリスちゃんっ、挿れるよっ!」

「はいっ、きてくださいっ♡♡」


 気づくと彼はゴムを捨て去り、アリスの蜜壺に突入していた。

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