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義理の妹のアリスに子供の作り方を教えて以来、邦彦は悶々とした生活を送っていた。

 それは何故かと聞かれたら、先日の件で彼女のことを異性として認識するようになってしまったからだ。

 唯でさえ邦彦は春先からの数ヶ月間、アリスやマリアとの新生活に苦労してきた。

 ようやく賑やかな環境にも慣れてきたというのに、ここにきて特大の不安要素が爆誕してしまった。


 彼の名誉のためにも断っておくと、邦彦は決してロリコンではない。……いや、ロリコンではなかったというのが正しいだろうか。

 邦彦はそれまで、小学生なんか眼中になかった。

 異性として意識していたのは同学年以上の女性だけだったし、小学生以下の子供は手を出すべきではない庇護対象だと思っていた。


 その価値観が揺らいだのは、先日アリスの裸を見たせいだ。

 そればかりか、彼女は邦彦に抱きつき恥部を顕にした。

 いくら相手が小学生といっても、ここまでされたら興奮してしまうのが思春期の少年というものだ。

 そして一度でも異性として意識してしまったら、もう清らかな心で彼女を見ることはできなくなってしまった。

 ひとつ屋根の下に心を騒がす異性が一緒に住んでいる。それは彼の日常を脅かすには十分すぎるほどの懸念材料であった。



   ×××



「お兄様、おはようございます!」

「わぁっ、アリスちゃんっ!?」


 ある日の朝、邦彦はアリスにばったりと出くわした。

 同じ家に住んでいるのだから、会うこと自体は別におかしなことではない。

 ただアリスは邦彦に会うなり抱きついてきたのだ。

 あまりに快活な少女の行動に、少年は情けない声を上げて慌てふためくしかない。


「あっ、アリスちゃんっ! 女の子がいきなり男に抱きついちゃダメだよっ!?」

「えっ、どうしてですか? お父様とお母様もよくハグしてますよ?」

「そっ、それは……父さんたちは夫婦だから」

「それなら、わたしたちだって家族ですよ? 家族同士のスキンシップは変じゃないはずですっ」

「うっ……」


 相変わらず、アリスの正論は邦彦の心を抉ってくる。

 しかし邦彦も引き下がれない。無垢すぎる少女に好き勝手はさせまいと、必死にない知恵を振り絞って抵抗するのだ。


「確かに僕たちは家族だけど、いきなり抱きついたら危ないだろう? 相手に怪我をさせちゃうかもしれないから、今度からはもっと優しくしてね」

「うぅ、分かりました。確かに危ないかもしれませんね、反省します……」

「ふぅ、分かってくれたなら嬉しいよ……」


 アリスは大人が相手でも怯まず言い負かそうとしてくる傾向はあるが、決して聞き分けの悪い娘ではない。

 こちらの言い分が正しいと判断すれば、しっかり反省する度量を持った良い子である。

 だからこそ、こちらもアリスと真摯に向き合わなければならないので大変だ。


「さぁ、さっさと支度して朝食に行こう。マリアさんが待ってるよ」

「はい!」


 無事にアリスを納得させることに成功した邦彦は、愚息の膨張を前かがみになってひた隠す。

 抱きつかれた程度で勃起するとは、童貞全開で我ながら恥ずかしい。

 けれどそれが邦彦の現状だ。劣情を刺激する少女が近くにいる生活に、彼の理性は徐々にだが確実に削れてくのだった。



 ×××



「うぅ……アリスちゃん……」


 その日の夜、邦彦はベッドに寝転がりながらオナニーをしていた。

 オナニーのネタが義理の妹とは救いようがない。さりとてここで発散しなければ、いつかアリスを襲ってしまうかもしれない。

 そうなれば日常どころか自分の人生が終わってしまう。

 これは自分の身とアリスを守るための自慰行為なのだ。


「アリスちゃんっ、アリスちゃん……うぅっ……!」


 溢れ出るリビドーが頂点に達した瞬間、邦彦はできるだけ声を抑えて射精した。

 なんて気持ちよく、同時になんて虚しい快感だろうか。

 オナニーをすることで、一時的に欲求を発散させることはできるだろう。

 しかしアリスに欲情してしまうという根本的な原因は解決できていない。

 これではまた彼女に劣情を催してしまう。そうすれば、いつか重大な過ちを犯してしまうかもしれない。

 でも一体どうすればいいのだろう。邦彦は致命的な問題を抱えながらも、打開策を見出だせずにモヤモヤとした日々を過ごすのであった。



 ×××



 性欲と理性の狭間で反復横とびをする毎日を送る邦彦の前に、新たな転機が訪れる。


「父さんとマリヤはな、新婚旅行に行こうと思ってるんだ」


 6月のある日のこと。夕飯のときに父伸彦は真剣な表情で邦彦とアリスに話を始めた。

 邦彦はというと、アリスへの劣情でそれどころではないので話半分に聞いていた。


「良いよ。行ってきなよ」

「2人とも新生活で慣れないことばかりで大変な思いをさせているというのに、自分たちだけ旅行に行くのは気が引けるんだが……っていいのかっ!?」

「別に構わないよ。アリスちゃんもいいよね?」

「はいっ! お父様とお母様も忙しかったでしょうから、ゆっくりと旅行に行ってきてくださいね!」

「お、お前たち……」


 こんなにすんなり受け入れられるとは思っていなかったのか、伸彦は感動の涙を流していた。

 この父親はいつも大げさすぎる。さりとて、だからこそマリアと結ばれたのだろう。


「邦彦くん、アリス、私たちに気を遣ってくれてありがとね。今回は私と伸彦さんだけだけど、そのうち皆で旅行に行きましょうね」

「はい、家族で旅行に行くのをわたしも楽しみにしています!」


 この時邦彦は、両親の新婚旅行について深くは考えていなかった。

 しかし邦彦は程なくして思い知ることになる。

 両親が不在ということは、家にはアリスと自分の2人だけということになる。

 それはつまり、彼に最大の試練が訪れたことを意味していた。



 ×××


 6月中旬。予定通りに伏木野夫妻は新婚旅行で海外へと旅立っていった。

 残された邦彦とアリスは、一週間ほど2人で生活することになる。

 邦彦自体は、父が多忙のためひとりで生活することには慣れている。

 だがアリスも一緒とあっては勝手が違う。可愛い女の子と2人きりというのは、高校生の少年には刺激が強すぎた。


「お兄様、料理ができるんですね。すごいです!」

「父さんが働いてて家にいないるから、家事は一通りできるんだ。凝った料理は作れないけど、これくらいは慣れたもんさ」


 今晩の料理は簡単で一度に大量に作れる定番メニュー、カレーだった。

 今まではひとりで作ってひとりで食べていたので、味や見栄えはそこまで気にしていなかった。

 しかしこの日はアリスが一緒だ。誰かに手料理を振る舞うとなると緊張するし、それが可愛い女の子ともなれば尚更である。

 なのでいつもより丁寧に調理を進め、念入りに味見もした。

 結果出来上がったカレーは、過去一番の仕上がりとなった。


「アリスちゃん、どう美味しい?」

「もぐもぐ……はいっ、美味しいですっ! こんなに美味しいカレーは初めて食べました!」

「はは、それは大げさじゃ……。アリスちゃん用に甘めの味付けにしたのが良かったね」


 何の変哲もない夕飯が、彼女がいるだけで一段と華やかさを増す。

 両親がいない寂しさはあるものの、アリスと2人で楽しく過ごすことができた。

 だが積もる劣情は確実に彼の心を蝕んでいた。

 今はまだ理性が勝っているものの、いつ緊張の糸が切れてしまうかはわからない。

 そしてその瞬間は確実に、刻一刻と迫っていた。


「お兄様……」

「アリス……?」


 夕飯を食べ、お風呂に入り、自室でくつろいでいると、アリスが部屋を訪ねてきた。

 アリスが自室に来たのは、彼女が子供の作り方について聞いてきたとき以来だ。

 そのことを思い出すと、愚息がピクリと反応してしまう。

 ダメだダメだ、義理の妹に欲情しては。兄として、人としての尊厳を保つんだ。

 そう必死に念じれば念じるほど、逆に邪な欲望に意識が集中してしまう。

 人間とはなんて煩悩にまみれた生き物なんだ。


「お兄様、どうしました?」

「いや、なんでもないよ。それよりアリスちゃん、一体どうしたんだ?」

「はい、それが……」


 アリスは以前と同じように真剣な表情だ。

 この時点で邦彦はある程度察する。

 この感じはあの時と同じだ。邦彦の嫌な予感は、すぐに現実となって彼に襲いかかる。


「実はお兄様に頼みたいことが……」

「頼みたいこと? いいよ、何でも言ってみて」

「あの、その……わたしとエッチしてくれませんか?」

「えっ、エッチ……?」


 やはりと言うべきか、彼女の発言は予想と相違なかった。

 アリスの頼みに対し、邦彦の返答はひとつしかない。


「だっ、ダメだよ。前にも言っただろ、あれは子供がするようなことじゃないんだ」

「そうなんですか? お兄様が持ってた本には、子供同士がエッチしているものもありましたけど……」

「僕が持ってる本……!?」


 アリスの続いての発言には、邦彦も驚愕するしかなかった。

 彼女が言う本とは、邦彦が秘蔵しているエロ漫画のことだ。

 なぜ彼女が自分のエロ本のことを知っているのか。

 湧き上がる疑問で混乱しそうになるものの、なんとか理性を保ったまま話を続ける。


「アリスちゃんもしかして……僕がいない間部屋に入った?」

「……ごめんなさい。お母様たちの行為が気になって……お兄様の部屋に忍び込んで調べちゃったんです」

「いや怒るつもりはないけど、大胆な子だなぁ……」


 アリスは年のわりに聡明で真面目な子だと思っていたが、好奇心のためにここまでやる子だとは思っていなかった。

 邦彦所有のエロ本を見たというのなら、どんな知識を得ていてもおかしくない。

 自分から話さなければいいと思っていた自分の爪を甘さを思い知る邦彦なのだった。


「お兄様の本を読んで知りました。エッチって、とても気持ちいいことなんですよね? だってお父様とお母様があんなに熱中しているんだから……。だからわたしもやってみたいんですっ」

「でも、それは……」


 邦彦の中の最後の良心が、あと一歩のところを必死に踏みとどまっている。

 ここで道を踏み外したら人として終わりだ。なんとしても一線を越えてはいけない。

 そう思えば思うほど、性欲は彼の意思に反して膨張していく。

 否、欲望とは押さえつければ余計に膨れ上がるものなのだ。


「お兄様のここ、前みたいに大きくなってますね♡」

「うわっ!?」


 気づくと、アリスは優しい手付きで邦彦の股間を撫でていた。

 少女とは思えない、なんていやらしい仕草なのだろう。

 その撫で方だけで、欲求不満の少年には射精ものの刺激であった。


「本で読みました。男の人は興奮すると、おちんちんが大きくなるんですよね。ということは、お兄様はエッチがしたいんですね♡」

「いやぁ、それは……」


 ごまかしようにも、陰茎が勃起しているのは事実なので逃げようがない。

 そして適当な言い逃れは彼女に通用しようがなかった。


「安心してください。わたしもエッチをしてみたいので♡ さぁ、エッチをしましょうっ!」


 なぜアリスがそんなにもエッチをしてみたいのかは分からない。ただ彼女の勢いに気圧されて、邦彦の抵抗の意思が段々と弱くなっていた。

 理性を侵食するほどの有り余る性欲に、やる気満々の美少女の存在。

 ここまでお膳立てが整っていれば、少年の我慢など蝋燭の火よりも頼りないものだ。


「……分かった、分かった。アリスちゃんの熱意には負けたよ。アリスちゃんとエッチをしてあげるけど、一回だけだよ?」

「はいっ! ありがとうございますっ!!」


 こうして邦彦はアリスのプレッシャーに根負けしてしまい、彼女とセックスをすることになってしまった。

 ついに越えてはならない一線を越えた義兄妹は、これから一体どうなってしまうのか。

 邦彦は只ならぬ興奮と緊張感の中、ぎこちない動作で服を脱ぎはじめる。

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