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 転機が訪れたのは、アリスたちとの生活も慣れはじめた5月半ばのことだった。

 その日は休日で、邦彦は何をするでもなく自室でくつろいでいた。

 そんな彼の耳に、コンコンとドアをノックする音が届く。


「んっ……」

「お兄様、アリスです……」

「アリスちゃんか。入っていいよ」


 アリスが部屋に来るとは珍しい。

 彼女が訪ねてきたことに疑問を抱きつつも、邦彦はアリスを自室に迎え入れる。


「失礼します……」

「うん、ゆっくりくつろいでいってよ」


 一緒に生活するようになって2ヶ月経過しようとも、彼女に対して妹という認識は沸かなかった。

 こういう感覚的なものはやはり、理屈でどうにかなる問題ではないようだ。

 こればっかりは、時間をかけてゆっくり慣らしていくしかない。

 そう再認識する邦彦の前で、アリスはベッドにちょこんと座る。


「…………」

「…………」


 アリスは何か用があって来たはずだ。

 だが少し待っても彼女が話し始める様子はなかった。

 部屋中に気まずい空気が流れ、邦彦も沈黙せざるをえない。

 なぜ自分の部屋で居心地の悪さを感じなければならないのか。

 とはいえ、相手は10歳かそこらの少女である。

 ここは義理の兄として、頼もしいところを見せなければ。

 アリスが一向に話を切り出さないので、邦彦から話を始めることにした。


「あの……アリスちゃん、何か話したいことがあって僕の部屋に来たんだよね? 何か困ったことでもあったのかな?」


 邦彦はなるべく落ち着いて、アリスを怖がらせないように話しかける。

 唯でさえ年上の男の部屋で2人きりなんて緊張するだろうに、無駄に威圧させるのは良くない。

 邦彦の気遣いを受け取ったのかどうなのか、彼女は真剣な表情で重い口を開いた。


「あの……お兄様。わたし先日の夜、見てしまったんです」

「見たって、何を……?」

「それは……」


 アリスは語りはじめる。

 彼女が目撃した出来事について。


「その夜は早めに寝たんですけど、夜中にトイレに行きたくなって起きたんです……」


 彼女は部屋を出てトイレに向かった。

 時間は日付が変わろうかという真夜中だ。周囲は当然暗く、道標となる明かりはない。

 アリスは転ばないように慎重に歩く。すると彼女の瞳に微かな光が映った。

 それは部屋から漏れた蛍光灯の明かりであった。

 こんな夜更けに明かりがついているのは、伸彦とマリア夫妻の寝室だ。

 2人はまだ起きているのだろうか? 不思議に思うアリスの耳に、聞き慣れぬ親の声が届いた。


「あっ、んあっ……んんっ、あぁっ、伸彦さんっ……♡♡」

「マリアっ……マリアっ……!」


 日常では聞くことのない母の叫び声。

 それはアリスの眠気を吹き飛ばすには十分すぎた。

 夜遅くに2人は何をしているのか。膨れ上がった疑問は彼女の好奇心を刺激した。

 アリスは気づくと、息を潜めドアの隙間から中の様子を覗いていた。


「あっ、んあっ、伸彦さんのが奥まで届いてますっ……♡♡」

「あぁっ、マリアの膣内気持ちいいぞっ……!」


 そこにはアリスが理解できない光景が広がっていた。

 伸彦とマリアが裸で抱き合っていたのだ。彼らは見たこともない表情で、聞いたこともない言葉を発している。

 伸彦が何やら腰を振り、マリアがそれを嬉しそうに受け止めている。

 彼らの行為をアリスは理解できない。小学生の彼女には意味が分からない行為だろう。

 しかし何故か、胸の内に沸き起こる感情があった。

 そのドキドキの正体を彼女は知らない。だが、なんとなく嫌いな気持ちではなかったのは確かである。


「……ということがありまして」

「なっ、なるほど……」


 アリスが見た出来事を、邦彦は冷や汗をかきながら聞いていた。

 まさか自分の父親が再婚相手と情事に耽っている様子を、義理の妹から聞かされることになるとは思っていなかった。

 自分のことじゃないのに、こんなに恥ずかしい気分になるとは。胸中は複雑な感情がせめぎあっていた。


「このことは父さんたちには話してないよね?」

「はい……。誰に相談していいのか分からなかったので、こうしてお兄様に……」

「賢明な判断だと思うよ」


 自分が適役だとは思わないが、当事者に聞くよりマシだろう。

 世の親御さんたちが抱える、子供に対する性への向き合い方に自分が直面することになろうとは。


「それで……お母様たちは一体何をしていたんですか?」

「えぇと……簡単に言うと、父さんとマリアさんは愛し合っていたんだ」

「裸で抱き合うことが、愛し合うことになるんですか?」

「まぁ、そんなところだね……」


 ジリジリを間合いを測るような、緊張感のあるやり取りが続く。

 彼女にどこまで話していいものか。非常に判断に困るところだ。

 アリスは今年で小学四年生になるので、学校でまだ性教育は行われていないはずだ。

 そして彼女の反応からして、周囲からエッチに関する情報を得ていない可能性が高い。

 つまり今のアリスは、何の知識もない純真無垢な状態ということだ。

 教える人次第では、如何様にも変化しうる。


「そういうわけで、2人は愛し合っていたんだ。でも父さんたちにこのことは言わないようにね。子供にあまり見られたくないことだから……」

「どうして子供には見られたくないんですか?」

「だって2人は裸になってただろう? 裸を見られるのは恥ずかしいことなんだ。アリスちゃんだって、知らない人に裸を見られたくはないでしょ?」

「確かに……。分かりました、お母様たちには言わないことにします」

「ふぅ……。分かってくれてよかったよ」


 アリスは素直なので、邦彦の話をあっさり信じてくれたようだ。

 これでなんとか性の試練を乗り越えることができただろうか。

 邦彦がほっと一安心していると、アリスから第二の矢が放たれた。


「そういえば、お母様たちが愛し合っている最中に、こんなことも言ってたんですけど……」

「なっ、なに……?」



「どうだマリアっ、このまま赤ちゃん作るかっ……?」

「ああっ、んあっ、ダメよっ、伸彦さんっ♡ せっかく再婚したばかりなんだから、もう少し新婚気分を味わいましょうっ♡」

「そうだなっ、赤ちゃんは追々なっ……!」

「ええ、伸彦さんとの子供欲しいわっ♡♡」


「お兄様、わたしに赤ちゃんの作り方を教えてください!」

「えぇと、それは……」

「赤ちゃんって、お父様とお母様が裸で愛し合うとできるんですか……?」

「そっ、それは……」


 ここにきて、子供に聞かれて困る質問ナンバー1がくるとは思わなかった。

 アリスの追撃に邦彦は動揺を隠せない。この手の話題はよくネタにされるが、いざ自分が答える側に回ると考えてしまう。

 こういう場合、どう答えるのが正解なんだろうか。

 彼女の好奇心に応えるべく本当のことを話すべきか、彼女の将来を案じて適当にごまかすべきか。

 いくら悩んでも、何が正しいかなんて分かるわけない。邦彦は思いつくままに適当な言葉を並べ立てた。


「そっ、そうだよ。赤ちゃんは男の人と女の人が愛し合うとできるんだ」

「そうなんですか……。それじゃあ、わたしがお兄様に抱きつけば赤ちゃんできますか?」

「いや、それは無理じゃないかな。僕たち愛し合ってるわけじゃないし……」

「そうなんですかっ!? わたしはお兄様のこと好きなんですけど……」

「えぇっ……」


 アリスの唐突な告白に、邦彦は素っ頓狂な声を上げる。

 義理の妹になった年下の女子小学生に、いきなり好きだと言われたのだ。脳が理解することを拒むのも当然だ。

 しかし邦彦も分かっている。この歳の女の子の『好き』を言葉通りに受け取ってはいけないことを。

 彼女の言う好きは、ラブではなくてライクのほうだ。今までの人生で女子から告白されたことのない非モテだからといって、真に受けてはならない。

 さりとて、女の子から好きと言われて嬉しかったのは事実だ。それが例え義理の妹からの義理好きだとしても。


「好きって言ってくれるのは嬉しいけど、そういうのじゃないんだ」

「違うんですか? やっぱり裸にならないと赤ちゃんできないんですかね……えいっ!」

「あっ、アリスちゃんっ……!?」


 現状に理解が追いつかないまま、さらなる驚愕が邦彦を襲う。

 何を思ったのか、アリスは服を脱ぎはじめたのだ。

 あまりに刹那の出来事に、邦彦は止めるタイミングを失う。

 邦彦が動揺している間に、彼女は瞬く間に生まれたままの姿になった。


「これならどうです? 赤ちゃんできますか?」

「うわっ、ちょっ、下品だよアリスちゃんっ!? 異性の前で裸になって恥ずかしくないのっ!?」

「恥ずかしいですけど……お兄様相手なら平気ですっ!」


 なぜ自分の好感度がこれほど高いのか。

 理由は分からないが、彼女は性行為に関して積極的に知ろうとしていた。

 好奇心が疼いて仕方ないのだろうか。アリスは真面目で素直な娘という印象だったが、こういう一面もあるなんて知らなかった。

 アリスの言動に邦彦は圧倒されっぱなしだ。

 しかしこれもまだまだ序の口。彼は義妹の行動力を舐めていた。


「この状態で抱きつけば赤ちゃんできますかね? ぎゅーって」

「うわっ、わわわっ!?」


 全裸のアリスはためらうことなく邦彦に抱きつく。

 相手は小学生とはいえ、裸の少女に抱きつかれ少年の心臓が飛び跳ねる。

 裸の抱擁は、童貞の少年には刺激が強すぎたようだ。

 邦彦の肉体は、色んな意味で硬直する。


「ふふっ、これで赤ちゃんができたらどうしましょう。お母様がおばあちゃんになってしまいますね」

「そっ、そんなことあるわけないだろうっ!?」

「その口ぶり、お兄様は赤ちゃんの作り方を分かってますね? ごまかさないで教えてくださいっ……って、あれ?」


 そこでアリスは邦彦の下半身に手を回す。

 そこには当然男性器がある。問題なのは裸体の少女の接触により、愚息が元気に勃起しているということだ。

 アリスは兄の異変に気づいたのか、邦彦の股間を執拗にまさぐる。アソコを触れば触るほど、股間の膨らみは硬く大きくなっていった。


「お兄様のココ、いつもと違いますね? 病気ですか? 怪我でもしたんですか?」

「いやっ、ちがっ……」

「怪我なら大変です! わたしに見せてくださいっ!」


 好奇心旺盛なアリスは止まらない。

 彼女は邦彦のズボンを強引に脱がすと、股間の怪物を露出させる。


「わぁっ……これっ……!」

「あっ、アリスちゃんっ!?」


 そして顕になる邦彦の邦彦ご尊顔。

 亀頭を真っ赤に腫らした雄々しき男根を目の当たりにし、アリスの瞳はキラキラと輝いていた。


「これっ、これ見たことあります! お父様のおちんちんがこんな風になってましたっ!」

「アリスちゃんっ、こっ、これはっ……!?」

「お父様は確か、お母様のお股におちんちんを出し入れしていたような気がします。……ここ、ここの穴でしょうか?」


 自分の記憶を掘り返すように、アリスは股間をまさぐる。

 性に無知な少女がアソコをイジっている。あまりに背徳的で淫猥な光景に、邦彦の理性は崩壊寸前だった。

 既にペニスは爆発寸前。竿に血管を浮き上がらせ、彼女の穴に挿れさせろと訴えていた。

 しかしそこは最後の良心が働き、ギリギリのところで踏みとどまる。

 ここまできたら彼女は真実を知るまで止まらないだろう。ならば義理の兄として、人生の先駆者として教えてあげるのが務めというものだ。

 邦彦は溢れ出る性欲を必死に抑えながらアリスに説明する。


「アリスちゃんがあまりにも勉強熱心だから、本当のこと言うよ。赤ちゃんを作るには、男性のおちんちんを女性のお股の穴に挿れるんだ。そうすると赤ちゃんの素が出るから、それで赤ちゃんができるんだよ」

「おちんちんを、ここの穴に……」


 子作りの真実を知り、アリスは興味深げに膣口を触っていた。

 その穢れを知らない純真な眼差しに、邦彦は己の汚れた欲求を恥じるばかりだった。

 さりとてオスとしては正しい反応だ。最後の最後で踏ん張っただけ彼は偉いほうである。


「お兄様、あの……」

「ダメっ、それ以上はダメだよ! 子作りをしてみるのは流石にダメだからね!」

「いや、赤ちゃんがほしいとはわたしも思ってませんけど……」


 実際にセックスをやってみたかったのか、アリスは不服そうに眉根を寄せる。

 いくらなんでも女子小学生とエッチはできない。劣情よりも理性が上回り、邦彦は兄としての威厳を保つことに成功した。


「さぁ、いつまでも裸でいないで服を着なよ。風邪を引いちゃうよ」

「分かりました……」


 疑問が解決したので、アリスは渋々納得し服を着る。

 これでようやく平穏が訪れる。そう安心する邦彦だったが、この一件はこれから起こる出来事の些細なきっかけに過ぎなかった。

 邦彦の日常は、ここから更に大きく変わる。

 少女の成長は、少年が思うよりもずっとずっと早いものだった。

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