凡骨の純潔 (Pixiv Fanbox)
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それはまだセルピナがヘルモート様に出会う一年以上前のこと。
「セルピナ、13歳です!夢はウルスラたんみたいな立派な冒険家になること!」
「ふむ…君が新人冒険家か。」
ギルドの事務職員がセルピナの書類に目を通す。
「体力テストC、ルーン適正D、筆記試験E……稀に見る逸材じゃないか。」
「わかりますー!?私ちゃん、こう見えて結構天才なんですよー」
「そうだな。そんな君にぴったりな仕事がある。この店へ行きたまえ。」
職員はセルピナの胸をじろじろと見ながら、一枚の紹介状を手渡した。
*
「ええっ!もしかしてここでえっちなことをしちゃう感じですか?」
「だからそういう店だって言っただろう。もう契約書にはサイン済みだ。」
「だけど私ちゃん、こういうことはまだ未経験で・・・」
「まあ大丈夫だろ。身体だけは立派だから、あとは愛嬌があれば問題ない。明日から客を取れるように仕込んでやろう。」
「やっぱ私の人生クソだーーー!」
*
それから一年余りの月日が経ち。
「そーいえばヘルモート様ってアレの処理どうしてるんですか?男の人って毎日出さないと溜まっていくんですよね?」
「おい、凡骨。それはどういう意味だ。」
「えー!だってみんなそう言ってましたよー。だからヘルモート様はどうしてるのかなって。」
「お前……、まさか経験済みか……?何人とした?」
「ええー?数えたことないですけど、死ぬ前はざっと100人くらい?それ以上かも。毎日お店でさせられてたから。」
「そ、そうか……。まあ俺も一万年前は女どもをとっかえひっかえだったからな。100人くらいどうということはない。」
動揺を隠すようなヘルモートにセルピナは勝ち誇ったように畳み掛ける。
「えへへ、そんな事言って、案外童帝だったんじゃないですかー!?男の人ってそういう見栄張りたがりますよねー!」
ヘルモートの額に明らかな青筋が走る。
「おい凡骨。」
「はひいっ!」
「今、貴様に一つの呪いをかけた。お前が処女を失った瞬間、肉体のないソウルへと還るだろう。」
「え、処女!?そういえば復活してからあれが再生してたような気がするけど…。って、それどういう意味ですかっ!?」
「言葉通りだ。貴様は一生処女のまま過ごすがいい。」
「そ、そんなーー!?私の人生、やっぱクソだーー!」