待機時間 (Pixiv Fanbox)
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故障したアルゴノート号の修理費用を稼ぐため、二人は奔走している。
潜水艦のパーツなど通常ルートでは手に入るはずもなく、軍の横流しなど裏ルートに頼らざるを得ない。そのため法外な費用がかかり、その資金集めに苦労していた。
ネモは手配中の身であるため表立っては動けず、専ら裏カジノなどで資金繰りをしていた。だが勝つ日もあれば大きく負ける日もある。トータルで見るとむしろマイナスになっており、一向に溜まる気配がない。
ノアはウェイトレス、アパレル従業員、キャバクラ嬢などをやってみようとしたが、どうしても明るく振る舞うことができず、面接で弾かれるか、初日で終わるか、どちらかになってしまう。
そんな中見つけたのがメイドのアルバイトだった。メイドの経験は以前ルルのところであるので、都合はなんとなくわかっている。それに給料もウェイトレスの5倍以上だ。
幸いにも即時採用され、しばらくメイドとして働くことになった。
*
「退屈なのです……」
メイドの仕事を始めてから1週間ほどが経ち、ノアは部屋で一人何もせずに天井を眺めていた。
この屋敷には15人前後のメイドがいる。厨房担当や清掃担当などそれぞれに役割があり、ノアが配属されたのはご奉仕担当。ご主人さまの夜のお相手をするお仕事である。
メイドにはどうしてもそういう仕事が伴うことは、ルルのところで経験があるので理解はしていた。あまり気は進まないが、仕方がないことだと思っている。
同じご奉仕担当のメイドは現在5人ほどおり、そのうちの誰かが呼ばれる。
それ以外には何も仕事がなく、ただいつ呼ばれてもいいように常に準備をしておくことだけが求められていた。
いつ呼ばれてもいいように待機する。これが想像以上に大変だということを、ノアは身をもって味わっていた。
何度も身体を洗い、香水を振りかけ、前の穴も後ろの穴もいつでも使えるように準備しておく。だがその日呼ばれるとは限らず、呼ばれなければそれらの準備は全て無駄になってしまう。
そしてそれ以外になにもすることがなく、ただひたすらに空虚な時間がすぎるのを待つだけだった。
靴下とヘッドドレス以外は身に着けられないため、裸で外を出歩くわけにもいかない。ただ日に三度運ばれてくる食事を食べるだけで、あとはひたすら待ち続けるのがノアの仕事だった。
*
その日、久々にノアは呼ばれた。
昨日、一昨日と呼ばれなかったので3日ぶりである。もう永遠に呼ばれないのではないかと思っていたので、自分が必要とされていたことがただ嬉しい。
「ああ…入ってくるのです」
ご主人様は無言でノアの秘処にずぶりと突き入れる。前戯も何もなしだ。何しろ忙しい人なので、そんなことをしている時間など無い。
このご主人様は多額の株取引をしているらしく、ノアの月給などわずか一分で稼いだり失ったりするような資産家である。
取引の間に時々メイドを呼び出しては、性欲処理をさせる。
1日に1人か2人、機嫌のいいときは3人まとめて呼び出されることもあるが、それでも5人全員が呼ばれることはまずない。呼ばれない日はただ待ち続けるだけで、ノアはその時間がとても辛かった。
だからこうしてご主人様に呼び出されて、自分が必要とされていることを確認できる瞬間が嬉しかった。
「出てるのです……っ!」
終始無言だったご主人様がすこし呻くような声を上げて、びゅくびゅくと熱いものを注ぎだした。
今日はいつもよりも多い。他のメイドの後の時は、ほとんど薄くて透明なものしか出ない時もあるが、今日のそれは白濁としていて濃かった。
もちろん避妊などしてくれないので、このあとしっかりと中まで洗い流さなくてはならない。
幸いにも時間だけはたっぷりあるので、消化不良気味な体の火照りも、そのときに一緒に消化すればいい。
ノアは次にいつ呼ばれるだろうと思いを馳せながら、シャワーで身体を綺麗に洗い流していた。