夏の風物詩(2) (Pixiv Fanbox)
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― これは貸しだからね…キアラ。
リネアはビーチの岩陰に一人で立っていた。
キアラを追いかけてレクトは泳ぎに行ってしまった。
理由はわからないが、彼女がひどく落ち込んでいるのは目に見えて明らかだった。
キアラは表面上はいつも覇気がないように見えるが、その内は朗らかで元気な子である。でも今日はなんだか調子が悪そうに見えた。
そんな時に一番効くのはレクトがそばにいてやることだろう。あいつは気が利かない朴念仁だが、芯はいいやつだ。だからレクトに任せることにして、自分は一人で待つことにした。これは一つ貸しにしておこう。
リネアは物思いに耽っていたので、背後に男が居ることに気づくのが遅れた。
― 暴漢……!
その男はいきなり背後から襲いかかると、水着を剥ぎ取り、後ろから掴みかかってくる。
「何なのよ…!あなたは!」
力づくで抵抗しようとする。しかし思いの外相手の腕力が強すぎて刃が立たなかった。
後ろ手に組み伏せられ、そそり立つ男性器が大切なところにあてがわれる。その瞬間、熱い液体が下腹部に跳ねかかった。濃厚なソウルの塊だ。
その白濁が肌に触れただけで、ソウルが流れ込んでくる感覚がする。
リネアはソウル欠乏症というハンディキャップを背負っており、インゲニウムコードで辛うじてソウル供給を得ている。
「くうう……っ!」
抵抗の甲斐もなく、太くてそそり立つものが身体の隙間に入ってくる。そしてとどめと言わんばかりにもう一度射精された。
― 熱い……!
濃厚で良質なソウルが体内を駆け巡っていく。ここを使ったソウルの供給方法は知っていたが、もちろんほとんど使ったことがない。
だがここまで強烈に身体に染み込んでくるとは……!
水を得た魚のように細胞が悦んでいる。これは常人のソウルではない。飛び抜けて濃度の高いソウルの塊だった。
いつの間にか強姦されていることも忘れて、腰の動きを合わせて身体の最奥で真夏のソウルを受け止め続けた。
*
「やっほー、ふたりとも。随分遠くまで泳ぎに行っていってたんじゃない。」
「あれ?リネア。もう着替えちゃったの?」
「あはは。もう海はこりごりかなーって。
それよりもさ、このあと街を見て回らない?今日はとっても身体の調子がいいの!」
「賛成。」
「そうだね、じゃあ行こうか。リネア、キアラ。」