旅館の接待 (Pixiv Fanbox)
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オスクロルは、とある寂れた旅館の復興を手伝うことになった。
手厚い"接待"が売りの高級旅館だが、従業員の高齢化に伴い徐々に人気が衰え、客足が遠のいている。
そこで他にもギルドのメンバーが数人加わり、旅館の活気を取り戻すために人肌脱ぐことになった。
言い出しっぺのポンは12歳であり、まだ接待をするには荷が重すぎる。
客の接待はもっぱらツキミやシャルロットやアイリスが行う。
だが中には厄介な客が訪れることもあり、オスクロルの担当はそういったイレギュラーの対応だった。
損な役回りだが、こういう役目も嫌いではない。
*
「おんやぁ~?うさ耳の子が来るかと期待してたのに違うのかぁ。」
のっけから失礼な物言いである。客は酒に酔った中年の男。身につけている服や装飾は豪華だが、そこから気品は感じられない。
「申し訳ございません。本日は予約で一杯でして…」
本当はツキミは少し空いているのだが、予め危険を察知してオスクロルが担当することになった。この失礼な態度からして正解だったようだ。
ツキミはこの宿の看板娘であり、彼女を危険に晒すことはできない。
「まあいいかあ。あんたも結構美人だしな。しょうがねーな。あんたで我慢してやるよ。」
「そうですか……ありがとうございます。」
このくらいで動揺するようであってはいけない。あくまでも大切なお客様として接していく。
「では、失礼します……」
「ん~?そんなもんいらねぇよ。興ざめしちまう」
ローションをまとい、マットの上で丁寧にご奉仕し、いよいよ本番というところで避妊具をつけようとすると、拒否される。
「ですが、当宿ではこれをつけていただくことになっておりますが……」
「やめやめ!」
客はあくまでも拒否する。予想どおり、だいぶ厄介な客のようだ。
「そうですか……。」
オスクロルはあくまでも笑顔だったが、その口端がわずかに歪んだ。
「では、寿命の1/10を頂くことになりますが、よろしいでしょうか」
「ははっ!何の冗談だぁ?……そういやあんたその見た目、悪魔の角か。」
「元・暁闇の魔王でございます。」
「へへ、悪魔でも魔王でも怖くねぇよ。さっさとやってくれ」
「かしこまりました。では失礼します。」
オスクロルは客の上にまたがり、避妊具をつけないまま自らの中にそれを導き入れる。
「ん……」
ぬるりと滑り込むように入ってきて、生の熱い体温が伝わってくる。
このまますぐにイかせてもいいが、せっかくなら少し楽しむことにした。
客のそれはあまり大きくないが、すこし背を反らすとお腹の下のGスポットによく当たる。気持ちいところを探り当てるようにしながら、角度を調整して腰を前後させた。
「うお…たまらん……」
さっきまで余裕な顔をしていた客の顔が、歪む。どうやらかなり気持ちいいようだ。
早漏なのか、大きく硬く膨らみ、早くもイきそうな雰囲気をさせている。
このあたりが頃合いだろう、とオスクロルは判断した。
「リアマ・バイラリーナ……!」
カッとオスクロルの背中の骨翼が展開し、先端が輝いた。
「お……おおおおおお!!!」
男が苦悶の声を上げ始め、中に入っているものがびくびくと痙攣し始める。
まもなく白濁がどくどくと射精されはじめ、まるで水道のように止まらなかった。
「と……止まらねぇ!止まらねぇよ!!」
自分の意志では止めることが出来ない射精。その至福の快楽とは裏腹に、生命を削り取られるような恐怖感がやってくる。
やがて白濁はオスクロルの子宮を満たし、入り切らないものが溢れて逆流をはじめた。それでもまだ射精は止まらない。もう何も出せるものがないはずなのに、オスクロルのそこは貪欲にもソウル吸い上げていく。やがて男の意識はふっつりと途絶えた。
「…ふふ、ありがとうございました。」
*
「あら。オスクロルさん。お疲れ様です。」
「アイリスさん。お疲れ様でした。」
ひと仕事終えたオスクロルは着衣を整え、部屋を出たところで廊下でばったりとアイリスに出会った。こころなしかアイリスも艶々した顔をしている。
「オスクロルさん、今日は一段と綺麗ですね」
「そういうアイリスさんこそ、いつもに増して若々しいです。」
「まあ。ふふ…」
二人でお互い笑う。しかしそれは冗談ではない。オスクロルは5年分の寿命を得、肉体はみずみずしく活力を得ていた。
そういえばアイリスは暁闇の魔王である自分よりも、ずっと高等な存在でしたっけ…。オスクロルはふと思い出す。彼女は自分よりはるかに長い時間を生きてきたはずだ。
それなのに自分よりもずっと若く見え、昔見かけたときよりもさらに幼くなっているようにも見える。
その若さの秘訣を聞こうかと思ったが、今はやめておくことにした。