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カスミは桜の神の巫女である。

氏神は実体を持たないが、巫女の身体に"降りる"ことで、一般の氏子達の前にも現れることができる。

神降ろしは巫女にとって重要な役目の一つだった。

ひめかみ様の声が聞こえるようになり、再び巫女としての力を取り戻したカスミは、氏神の願いを聞くことになった。

「また……するのですか。ひめかみ様」

<神の力は信仰の強さに比例します。今の私はもはや力が失われかけています。氏子達の信仰と魂(ソウル)が必要なのです。>

「だからって……」

<あらいいじゃない、カスミ。あなただって気持ちよくなれるわけだし>

頭の中に響く姫神の声が、急にトーンの上がった声になる。彼女が神妙に話すのは表向きの顔で、中身は意外とフランクな性格だった。

「別に気持ちよくなんか……!気持ち悪いだけ。」

<ふふ、わかるわ。あなたと身体の感覚を共有するんだもの>

ひめかみ様は桜の姫神。出逢いと色を好み、恋愛成就の神でもある。

えっちするのは大の好物で、こうしてカスミの身体に降りてきては、ときどき氏子達との交わりの機会を開くのであった。

それに付き合わされるカスミはたまったものではない。


<ちゃんと身体は清めた?>

「はい……。禊(みそぎ)を済ませてきました。」

禊を済ませた証として、真っ白な褌を締める。これも姫神の指示だった。

<お尻の穴の奥の奥まで、ちゃんと綺麗にした?>

「……はい。」

儀式で使うのは、前の穴だけではない。後ろの穴も存分に用いられてしまう。

そのためきちんと奥まで洗浄し、何もない状態にしておくことが必要だった。

<じゃあ準備は大丈夫ね。身体、借りるわよ>

「どうぞ…。」

カスミは真っ赤な盃になみなみと満たされた甘酒を一気に飲み干す。

ほっと身体が火照る感じがして、意識が揺らいだ。

ふわっと身体が軽くなり、重力を遠く感じるようになる。

ひめかみ様が降りたのだ。

自分の意思とは無関係に手足が動き始め、カスミはただそれを傍観するだけとなった。

ただ五感だけは共有しているため、その感触はそのまま伝わってくる。

「では、儀式を始めましょう」

カスミの顔をしたひめかみ様が明るくそう言って、障子の向こう側にいる氏子達を呼び寄せた。


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(Fanbox)


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