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ノアはえっちがすっかり好きになってしまった。

時々ネモは相手してくれるけれど、それほど頻度は高くない。あまり乗り気ではないようにも感じる。

友人のマナに相談したら、ネモさんはノアさんを大切にしているんですよ。とアドバイスをくれた。

でもノアは少し不満である。楽しい事なら毎日でもしたいのに。欲求不満が溜まっていた。


学園の性行為実習が始まったのはその頃である。

知らない男とのえっちに少し抵抗はあったものの、同時に興味もあった。

この身体の疼きを鎮めてくれるなら誰でもいい。そんな気持ちで初めての実習に挑んだ。



「ん……」

避妊具をつけた男の熱い剛直が、両側の壁を押し広げて入ってくる。

この瞬間が一番ドキドキする。上手く濡れていないと痛いが、割とすんなりと入っていく。ゴム越しに伝わってくる体温が熱く感じる。

知らない男の性器が侵入してくる。まさに侵略行為だった。

なんだかいけないことをしているような気がして、背筋がぞくぞくする。


「はあ……あ…んっ」

すっかり奥まで侵入されると、深い満足感がやってくる。

ずっと欲しかったものが今この中にある。

ぴったりと隙間なく収まって、隙間を埋めてくれる。


「あっ……あんっ」


でもなんだか少し違った。

びりびりとした強い快感の信号が脳にやってくるのに、脳がそれを気持ちいいと処理してくれない。

ちょうど安物のドーナッツを食べたときのようだった。それは甘い。甘すぎるほどに甘いが、美味しくはない。残念な気持ち。

その男のそれは、身体の隙間を埋めてくれるのに、心の隙間までは埋めてくれない。

どこか物足りない。


これなら一人でバイブを使ってするのとあまり変わらない。

実際、避妊具をつけているのだから妊娠の心配はない。つまりは生殖行為ではない、疑似行為なのだ。

だから気持ちよくないのかもしれない。


気がつけば男の動きが止まっており、ずるりと引き抜かれた。

ゴムには白濁が満たされており、一方的に終わった事を意味していた。


全く物足りない。こちらはまだ少ししか気持ちよくなっていないのに不公平な感じがした。


「次は……生でお願いするのです。」

ノアはお尻を向けたまま、もう一度おねだりをした。

それを聞いて、萎みかけていた男のそれが、どくんと一気に起立する。

孕ませたいという本能が人を奮い立たせるのかもしれない。


ノアはさっきとは違うドキドキがあるのを感じていた。それは強烈な背徳感。いけないことをするという甘美な香料が味を引き立てて、気持ちを昂ぶらせてくれる。

次こそは気持ちよくなれることを信じて、男のそれを受け入れた。






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