こだわりポイント解説「甘雨」 (Pixiv Fanbox)
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今回は下のイラストのこだわりポイントをまとめてみました。
〇要素配置
▼氷柱の配置について
氷柱はキャラクターの上半身を1周するように配置しています。
顔や胸、脇など見てほしい箇所が集まっている上半身に注目を集めるために氷柱をイラスト上部に集めて情報量に偏りを作っています。
▼氷柱を使った視線誘導について
一部の氷柱は丈の長いものを配置しています。
丈の長い氷柱を放射状になるように配置することで視線誘導を狙っています。このようにすることでキャラクター全身に目線が届くようにしています。
〇氷柱について
▼氷柱に使われる色について
氷柱はかなり大きく画面を占有しているオブジェクトで、このイラストにとって重要な要素なので、色をなるべく多くの種類を使って主役として見てもらえるようにしています。
氷柱をクリスタルのように見立てて、キャラクターの持っている色を反射させることで色数を増やしています。
▼氷柱の情報量操作
手前から奥にかけて描き込み量を変化させています。
手前にある氷柱は色数や濃淡の段階を細かく配置して情報量を多めにしています。
キャラクターの背後に配置されている氷柱は「シルエットがわかればOK」くらいの描き込み量にしています。
〇風の表現
▼髪の毛を使った風の表現
髪の毛を浮き上がらせることで「風が吹いている」表現を行っています。
後ろ髪に動きを付けることで胴体と髪の毛で空間を作ることができて、シルエット上の情報量を増やすことが出来るのでお得です。
▼衣装を使った風の表現
髪の毛の他にも飾り紐や前垂れ、腰布を使って風の表現を行っています。
マントなどを大きく動かすことでキャラクターのシルエットにアクセントを入れることが出来るので、キャラクター立ち絵などでも重宝する手法です。
▼煙エフェクトを使った風表現
白い煙エフェクトを使って直接的に風の表現を行っています。
このイラストでは氷がモチーフであるため、口からの「白い吐息」をつかって風の流れを表現しています。
〇煽り構図の胸質感と形状
甘雨の衣装的にここまで乳房のシルエットがわかりやすい例も少ないので「煽り構図時の旨の描き方」を解説しておこうと思います。
▼乳房の形状と位置について
乳房は胸筋から繋がるように配置します。
乳房単体の形状は「水風船を壁に引っ付けたような形状」を意識しています。
乳房に図のような斜めラインを入れると形状を把握しやすい気がするのでよくやっています。
▼乳房配置時に意識すること
左右の乳房を配置したときに胴体の丸みと傾きを意識して配置すると立体感を出すことが出来ます。
上図の右乳房は胴体との接合線を意識するとよりGOODです。
▼胸のライティング例
胸のライティングは球のライティングを意識するとやりやすいでしょう。
乳房と胴体で作られる「暗い影」を配置したり反射光を配置するとより立体感を増すことが出来ます。
▼胸の質感表現時のコツ
胸のような球面上に光を当てるときは「なじませる部分とそうでない部分」を意識すると立体感が出やすいです。
上図の場合は胸の膨らむ方向に色をなじませてグラデーションを作ると立体感を出すことが出来ます。
■まとめ
今回は氷柱について考えたポイントや、胸の描き方についてまとめてみました。
胸の描き方についてはこれから夏の時期に水着イラストなど描く際に役立つのではないでしょうか。
他構図でも胸を取り扱ったわかりやすい例があれば記事にしたいと思います。
この記事は以上です。ここまで読んでくれてありがとうございました!