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城壁を破った帝国軍は聖都の中心である大聖堂を目指して殺到する。

聖女騎士団副団長シフォンは、大礼拝所前の広場で帝国軍を迎え撃つのであった。



押し寄せる帝国の闘士を撃退し続けるシフォン。



しかし、勝利を重ね、礼拝所を守り続ける為に払った代償は小さくはない。



息は荒く、疲労の影は濃い。さらに体中に受けたダメージは、シフォンの動きを鈍らせるには十分なものだった。









「 お邪魔してよろしくて?」



***ゾワッ***

なに?この気配は?

団長並・・・いえ、それ以上の威圧感・・・





カッ カッ カッ カッ

靴音を響かせつつ歩いてくるマルティナ



「あら、聞こえなかったかしら?」



「・・・・・聞こえているわ。

でも急な訪問の時は先に名前くらい名乗るべきよ?」




「あら?たしかにそうね。

 ワタシはマルティナ・エンペラドール。今回の遠征の指揮官って事になっているわね」


「マルティナ・・・聖騎士狩りの・・・」



「ウフフ、よく分かってること♩

さすがは聖女騎士団の副団長さんね?」


「・・・ ここにいるのが私だと分かっていて、あえてここに来た、ということね?」



「ホントに察しが良いわね♪」


「そう簡単に貴方に手柄を立てさせては挙げられないの。

大人しく引いてくれれば後は追わないでおいてあげる!」




「フフ、やっぱりそういう生意気な態度取られると、興奮してきちゃうわね」


バッ


「せっかくここまで来たんだから、お土産なしというのも寂しいし、お相手お願いするわね?」








「・・・この戦い、神々に捧げます」













現状での聖王国最高の戦力と

帝国最高の戦力が相見える。

まさに両国の明暗を占う一戦が行われようとしていた。












しかし、これを戦いといって良かったのだろうか。







それだけ、マルティナ・エンペラドールの力は圧倒的だった。

力くらべでは、シフォンの苦悶の叫びのみがあたりに響きわたる。

必死の表情を浮かべ全身の力を振り絞るようなシフォンに対し、非力な相手を嘲笑うように余裕を浮かべるマルティナ。



シフォンの抵抗を嘲笑いながらロープまで押し込むたびにリング中央に投げ戻すマルティナ、そして再び力くらべを強いていく。

格の違いを体に教え込むように。







マルティナ

「喘いでばかりで、手応えがないわね。

それでも聖騎士ナンバー2なの?」


シフォン

「う・・・うるさいっ!んぐぅうっ!」



寝技でも、シフォンは手玉に取られ続ける。

本来、聖女騎士団屈指の技巧を誇るシフォンにとって、グラウンドでの攻防は流れを掴む好機。


しかし敵わない。

動きの先を読まれ、体勢を崩され、いいようにコントロールされる。

本来なら自分の得意技のはずの領域が、逃げ場のない蟻地獄のようにシフォンを捉える。

蛇のように纏わり付いての締め上げ技。今まで見たことがない技に、首から背骨の脊椎が嫌な音で軋みをあげる。

全身の痛み以上に、身体の根幹から壊される恐怖がシフォンを襲う。





フッと身体の拘束を解かれ、身体中が上げていた悲鳴から解放されるシフォンだが、次の瞬間に目にする。



コーナー最上段から軽やかに背面ムーンサルトで飛ぶマルティナを。




どぼぉ!


空中高くから一直線に落ちてのニードロップがシフォンの腹部をえぐり潰した。

「ぐぶぅっ!?」



「アハッ

今ので内臓いっちゃったかしら?!」



かはっ!

ふぐ・・・ぐぅぅ・

喀血し痛みと苦しみに悶えるしかないシフォン。


こんな事・・ありえ・・ない。

団長より強いパワー・・

私の技術もスピードもかなわない・・・


「こんな・・・こんな化け物が帝国にいるなんて・・・」




グイッ

シフォン

 「きゃっ!」

シフォンの両手を掴み、無理やり引き起こすマルティナ。

そのままロープ際に押し付けて密着し耳元でささやく。





マルティナ

「あまりに実力差が大きくて信じられないっていう顔ね?


まあ・・・お礼もあるし、お仲間さん達の近況報告も兼ねて教えてあげるわね。


たとえば・・・そうね。

強敵と戦って勝った時とか、なんだか自分が強くなった感覚、感じた事ない?


アレって実際に自分の実力、私達は【位階(レベル)】って呼んでいるのだけれど。

強敵との戦いの中でそれが上がっているのよね。

位階が上がると聖衣着用時の能力が大きく上がるのよ。

実際に位階が上がる前と後で身体能力を計測してみればハッキリわかる事なんだけれど。



でも、これって不思議な事に、戦いじゃなくて〔一方的に攻撃しても上がっちゃう〕のよ。

ホントにこれに気づいた時は興奮しちゃったわ。」




シフォン

「・・・何を言っているの?」



スッと体を離し、軽やかにリング中央に戻るマルティナ




マルティナ

「敗れた聖騎士のほとんどがその場で殺されずに捕虜にされる理由気にならなかった?

私達の戦力増強に協力してもらってたのよぉ♫

隊員にもすごく評判が良かったわ。

気持ちいいし、能力も上がって、色々な技が練習出来て最高に楽しいって。

それまで付け上がっていた聖騎士に対する鬱憤も溜まってたみたいだし・・それもあったみたいね♪」



シフォン

「な、仲間達を・・・どうしたの?」




マルティナ

「スキルが上がらなくなるまで私や隊員たちの練習台・・・サンドバッグになってもらったのよ♪」

「みんな張り切り過ぎてどんどん使いつぶしちゃうのよ。。

   そうねぇ、たしかまだ2.3人残っていたかしら?」




「あ、安心してちょうだい?ちゃんと供養はしてあげたから。






・・・家畜としてね。」











シフォン

「あぁあああっ!!

    このケダモノぉお!」

マルティナ「アハハハハ!

 今日一番ステキな顔になったじゃない!?」





五分後


ドカァ!

「がふうっ!」



ギッシイ!

「ぅあああっ!」

「ウフフフ♪」



もはや広場に木霊するのは

シフォンの呻き声と

マルティナの哄笑

そして断続的に響く打撃や骨の軋む音だけだった。







もはや定かならぬ意識の中シフォンが声を発する

「もう・・やだ・・・たす・・けて・」


「ウフフ・・・

あなたにさっきお礼に帝国の秘密を教えてあげた理由がわからないかしら?

だって悪いじゃない?

これから私の位階上げに付き合ってもらうのだもの。










・・・あなたが死ぬまでね。」

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Comments

Anonymous

pixivの『小説』と『イラスト』を同時に『お気に入り』に入れれたような物凄い満足感です。スゴいです。 要するに画像に興奮(勃)し文章にも興奮(勃)し、個人的には応援してるはずのシフォンさんの残酷な未来を予想し更に興奮している私がいますw

たこやきちゃん

いつもと若干違うテイストなので、今回のお話を楽しんでいただけている感想で、安心感でほっとすると共に本当に嬉しいです!

ぼまいえ

控えめにいって最高ですネ。素晴らしいッス。今回捕虜落ちしたシフォンさんの口から団長の存在が示唆されているので続編も楽しみです。

たこやきちゃん

ありがとうございます!NBなんとかさんの中世女子プロレスの伝統に続く作品なので、気に入ってくれれば何より嬉しいです!魅力的な団長のビジュアルが出来たらぜひ登場させてみたいですねっ!

Anonymous

橘さんや大河内さんを初めとして たこやきちゃんさんの作るこういうキャラは本当最高です。 受けに回ってもエロいのがまた最高ですが、それはまたこんどですねーw

たこやきちゃん

エロさとゲスさを精一杯出せるように祈りながら動いてもらいました。異世界という日本のような法律が無い世界であると、より一層ゲスみを発揮出来て自由度が高いのでこれからもよりエグみを出してまいりたいです!

Anonymous

パッと見同じくらいの体格、体つき、筋肉の女の子同士なのにどうして力比べで差が出てしまうんでしょうか?

Anonymous

マルティナさんは見た目はめちゃくちゃ性悪で卑怯な技とか卑猥な技使って攻める戦い方しそうなのに、同じ体格の女の子(しかもNo2)を正面から力比べでねじ伏せられるくらい体が強いというのが良いですね