【Japanese Novel】Rabbit God receives the Haigle ray and becomes a member of the servants of evil. (Patreon)
Content
木々が生い茂り、花が咲き乱れる緑豊かな大地。大きな山の麓には獣の頭部をした二足歩行の生物──獣人達が集まって作り上げた村があった。
まだ文明という物が生まれて数百年しか経っていない時代。獣人達は農業や畜産、交易を行いお互いに支え合うことで今日を生きていた。そして、彼らが豊かな生活を送れているのは山に住む神様と敬われる存在のお陰でもあった。
村の中心から山へと伸びる道。石造りの階段を登ったところに作られた立派な建物は、神を祀り住居にしてもらう為に作られた物だ。神を祀る建造物──神社の入り口には、兎の頭部を持ったふくよかな着物姿の老人が立っていた。
「ふむ、今日も村は平和じゃな」
兎の可愛らしいイメージとは真逆の鋭い三白眼で村を見つめるこの老年の男は、ただの獣人ではない。この兎こそが尋常ならざる力──神通力を持ったこの大地を守る神なのだ。
神達は獣人達が生まれ文明を持つ前からこの世界に現在していた。そしてある日神通力こそ持っていないものの、自身と似た姿をした知性を宿した生物──獣人が誕生し、神達は彼らの進化と文明の発展を見守り続けた。それが自分達の使命なのだと生まれながらに理解していたからだ。
(もう少し神通力の範囲を広げてみるか)
そして今日も兎の神──兎神(うさがみ)は神通力を使って災いを払い、ここ一帯で暮らす獣人達に豊かな恵みと平和を与えているのだった。
(……ふむ、隣の村も問題なし)
争い事が起きていないか、獣人達が不運の事故に巻き込まれていないか、この世界の自然や生物に害をなす毒が発生していないか。髭を生やした顎に手を当てながら、集中して神通力を使い、異常がないか遠くの場所まで視界を巡らせていく。
獣人と神の姿は似ているが、よく見ると細かい違いがある。まずは身体の大きさ。獣人の成人男性は大きくて2m程なのだが、神通力という強大な力を持っているせいか兎神はその一回り大きい。そして、その両目の下には一本の短い線でできた模様が浮かび上がっていた。
「む?」
しばらくすると、神通力で遠方の探知を続けている兎神が怪訝な声を上げた。眉間に眉を寄せ、遠くの土地ではなく自身の隣に視線を送る。すると、驚くことに何もなかったただの空間に真っ黒な穴が空いたのだ。
「何じゃ……!?」
即座に神通力での遠方探知を解除すると、目の前の黒い穴への警戒心を高め距離をとる。そして、神社の敷地内に兎神以外誰もいない事を確認すると、神通力によって神社を囲むように不可視のバリアを張った。もしこの黒い穴が災厄をもたらしたとしても、その被害を周りに広げない為だ。
兎神は黒い穴を刺激しないよう、そして何が起きても対応できるよう両手に神通力を込め構えをとった。すると次の瞬間。
「「「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!」」」
「……は?」
中から奇声と共に奇抜な格好をした男達が飛び出してきた。奇抜な格好──首から股までぴっちりと覆い、股の部分を鼠径部に沿うようV字にカットされた袖のない服──所謂ハイレグに、白い全頭マスク、白いロンググローブとロングソックスを身に着けた変態たちはぞろぞろと穴から出現し、兎神を取り囲んでいく。
そして男達は皆が一様に股間の逸物を勃起させ、ハイレグ水着の股間部分を押し上げていた。
勿論、兎神にハイレグやロンググローブ、ロングソックス──そして変態などという概念は存在しない。ただ黒い穴から現れたハイレグ姿で奇声を上げる男達に、今まで感じたことのない不快感を覚えるのだった。
(こんな奇っ怪な事態、ワシがこの世界に現在してから始めての出来事じゃ。しかし、冷静に対処せねばなるまい)
その鋭い三白眼で兎神はハイレグ男達を観察する。
まず、奇怪な姿こそしているがマスク越しシルエットを見て、このハイレグ男達は村に住む獣人達と同じ生物と見て間違いなかった。そして、正確には全く同じではないと兎神は理解していた。同じ生物、しかし生まれが違う。まるで今兎神がいるこの世界とは別の世界から来たような──そんな感覚をこのハイレグ男達に感じさせられたのだ。
(だとすれば、この突然現れた謎の黒い穴の正体にも検討が付くな)
兎神は考えたこともなかったが、この世界とは別の世界が存在している。そしてこの黒い穴はその2つの世界を繋げる“道”になっているのだ。
(こやつらにそんな物を作る力はないじゃろう──ならば向こうの世界の神の仕業か? しかし、この黒い穴には神通力のような力の気配を感じない)
この黒い穴についてもう少し調べる必要があると兎神は思った。ならば、その前にするべきはこのハイグレ男達の対処だ。残念なことに、このハイグレ男達から放たれる敵意を兎神はひしひしと感じていた。平和的解決は望めないだろう。
『のーほほほ! こんにちは、なのであーる!』
「ぬう!?」
兎神が戦闘態勢に入ろうとしたその瞬間、辺りに声が響いた。声のした方向──少し上の空中を見ると、ニヤケ面の目と口が描かれた白いマスクを被った──おそらくシルエットからして豚獣人の男の顔の映像が浮かび上がっていた。勿論映像という概念も、文明レベルが進んでいないこの世界に住む兎神は知らない。
『我輩の名はハイグレ魔王と申します、なのであーる。以後お見知り置きを』
「魔……王じゃと? そんな奴が儂に何の用じゃ」
兎神は敵意を持った目で──鋭い三白眼で空中に浮く自称ハイグレ魔王の映像を睨め付ける。マスクを被っているせいでハイグレ魔王の表情はわからないが、「のほほ!」と愉快そうに笑う姿に怯んでいる様子はない。
『兎神様、貴方は神通力という力をお持ちでございますな? であーる』
(此奴、儂と神通力の存在を知っているのか)
兎神は日頃からこの世界に危機が迫っていないか、神でしか持ち得ない神通力を使って見回りを行っている。しかしその兎神が初めて見る集団が、一方的に自分の情報を知っているのだ。兎神は警戒心、そして両手に込める神通力の力を強めた。
「我輩の目的、それはそんな強大な力を持つ兎神様……貴方を我が下僕として支配する為なんであーる! ハイグレ兵共、撃て!」
「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!」
ハイグレ魔王の号令を受け、ハイグレ兵と呼ばれたハイレグ水着を着たハイグレ獣人達がコマネチのポーズを行った。そして、隠していた銃を取り出すと兎神に向けて構え、その銃口からピンク色の光線を放った。
「ぬぅん!」
兎神は神通力を纏った両手を振りかざし、光線を弾き飛ばす。
勿論兎神のいるこの世界にはまだ銃という概念はない。しかし動揺することなく冷静に対処できたのは、何千年の時を過ごした年季、そして兎神の個としての実力による物だろう。
「舐められたものじゃな。儂を下僕にじゃと? お主のような──邪な心を剥き出しにする阿呆の傘下に下るほど、儂は落ちぶれておらんわ」
『……ほほう、先に調査した通りの凄まじい力なんであーる。しかし手数ではこちらが勝っているのであーる! ハイグレ兵共、どんどん攻撃するんであーる!』
ハイグレ魔王の号令を受け、ハイグレ兵達は兎神に向けて光線を連射する。しかし兎神は極めて冷静に光線を弾き飛ばしていき、一人のハイグレ兵に距離を詰める。
「ハイグ……ぐへぇッ!」
「悪いが、手加減はせんぞ?」
神通力を纏った手刀でハイグレ兵の一人を気絶させると、今度は別のハイグレ兵に向けて一気に距離を詰めていく。再び兎神に向かって光線が放たれるも、全て神通力で掻き消しながらハイグレ兵を一人、また一人と気絶させていく。
『ぐ……!』
ハイグレ魔王が悔しげな声を上げる。気付けば兎神を囲んでいたハイグレ兵は皆気絶し、地に倒れ伏していた。あれだけの人数を相手にした後だというのに、兎神の着ている着物は一切乱れておらず、土埃一つ付いてはいない。一方ハイグレ兵達は大の字に四肢を伸ばし、大勢でハイレグ水着を着込みながらピクピクと痙攣してしまっている。
『ぐぬぬ……! 我輩達の千年もの歴史と知恵の結晶がこんなにたやすく……!』
「千年?」
『この世界はずるいんであーる! 文明もまだ全然進んでないというのに、神様と神通力のお陰でこんな豊かな生活を送ることができるなんて、許せないんであーる!』
(……どうやら事情が掴めてきた)
兎神の推測通り、このハイグレ魔王とハイグレ兵達は別の世界からの来訪者のようだ。更に、その世界は兎神のいるこの世界よりも文明レベルが高いらしい。
先程までとは違い、余裕がなさそうなハイグレ魔王に向かって兎神は声を上げる。
「それは申し訳ないことをしたのう。しかし、お主のような邪悪な者に貸す力はない」
『~~~!!』
映像の中のハイグレ魔王が両腕を上げながらその場で地団駄を踏み始めた。どうやら、文明レベルは高いものの敵側の頭の精神はかなり幼稚なようだ。
「……ふむ」
ひとまず敵側の戦力は削いだが、これからどう後始末を付けようかと兎神は思案する。ハイグレ兵達が侵入経路に使った黒い穴は残っている。しかし兎神が単身で乗り込んで無事に帰ってこれる保証はないし、その間周囲の村人達を守る者は消えてしまう。
兎神は映像という概念を知らなかったが、空中に浮かぶハイグレ魔王を攻撃しても無意味だという事を感覚的に理解していた。
『……ぐふ❤』
地団駄を踏むハイグレ魔王とこれからの方針。その二つに意識を割いていた兎神は、マスクの下でハイグレ魔王がほくそ笑んだ事に──後ろの木に隠れていたハイグレ兵が銃を構えている事に気づかなかった。
「!!」
何か邪悪な気配を感じて兎神は素早く後ろ振り返る。見れば銃から光線は放たれ、それは兎神の眼前にまで接近していた。
素早く神通力を纏った両腕を顔の前に上げ──兎神の防御は間一髪の所で間に合った。しかし。
「ぬお゛おおおおッッ!?!?❤❤」
兎神が間の抜けた悲鳴を上げ、ピンク色の光に包まれる。見れば、兎神の後ろで開かれ続けていた黒い穴、そこから新たなハイグレ兵が現れ兎神に向けて光線を放っていた。
ピンク色の光が明滅し、それに合わせて兎神の姿も変わる。チカチカと明滅する度に、着物が消え、ハイグレ兵の着るハイレグ水着が現れる。そして。
『のほほ❤』
ボンッ❤ という間抜けな音を立てて煙が巻き上がった。
煙に包まれて兎神の姿が見えなくなる。
しばらくすると煙が晴れ、兎神の姿が顕になっていく。そして、完全に現れた兎神の姿は見るも無惨なものへと変わっていた。
着物を着ていた貫禄のある姿は露出の高いピンクのハイレグ水着へと変わっている。ピンクのハイレグは兎神の肉付いたふくよかな身体を締め付けて小山のような両胸、そしてまん丸な腹のシルエットをくっきりと浮かび上がらせていた。面積の少ないハイレグ水着に締め付けられた股座は両端から玉袋が少しはみ出してしまっており、ぴっちりと張り付く生地がちんぽの膨らみを浮き上がらせてしまっている。
着物により殆どが隠れていた両腕もハイグレ兵と同じく白のロンググローブを嵌めている。白足袋と草履を履いていた両足には白のロングソックスが履かされており、ロングソックスとハイレグ水着の間に露出するムチムチの太ももを際立たせている。
そして、威圧感と貫禄の元となっていた口髭と双眸の三白眼──その下の神の証である模様は、頭部を丸ごと覆う全頭マスクによって隠されてしまっている。もはや肉体の大きさとシルエット、そしてマスクから伸びる兎耳にしか兎神の面影は残っておらず、その姿はハイグレ魔王の配下、ハイグレ兵そのものと化していた。
『さて兎神様──否、元兎神よ。ハイグレ兵として我輩に忠誠を誓うのであーる』
ハイグレ魔王が勝利を確信した声色で命令を下す。それを受けた兎神は──。
「誰がお主に忠誠を誓うじゃと?」
全頭マスクの下から怒りを孕んだ、地を震わせるような低い声が放たれる。次の瞬間、兎神はハイレグ兵の衣装一式を全て脱ぎ捨て、身体から膨大な量の神通力を溢れさせた。
『な……ッ!』
「どうやらお主達には……もっと痛い目に合ってもらう必要がありそうじゃな?」
神通力が兎神の着物を素早く再生成し、額に青筋を浮かび上がらせながら、鋭い三白眼で再度ハイグレ魔王を睨め付ける。今度は蛇に睨まれた蛙のように怯んだハイグレ魔王は背を仰け反らせると、慌てながら声を上げて叫んだ。
『ぐ……ッ! 撤退! 撤退であーる! ハイグレ兵ども、さっさと起きるんであーる!』
ハイグレ魔王の命令を受け、気絶していたハイグレ兵達はビクッ! と身体を震わせる。すると全員意識を取り戻したのか立ち上がり、それぞれが急いで黒い穴の中へ帰っていく。
兎神は追撃を行うでもなく、その様子を腕を組んで眺めていた。
未知の黒い穴の中に単身潜り込むリスクが高いのもそうだが、神に攻撃が効かないとわかれば──これ程実力の差があればしばらくは悪さをしないだろうという考えだ。
「今回はお主達を見逃してやろう。しかし、もう二度と敷居を跨いでこの世界に来るんじゃないぞ」
兎神の言葉にハイグレ魔王はワナワナと身体を震わせたかと思うと、空中に浮かぶ映像ごと消滅した。見ればハイグレ兵も全員帰還しており、黒い穴もなくなっている。兎神の完全勝利であった。
「やれやれじゃ……しかし、別の世界なんて物があるとはのう」
兎神は一息着くと、自分の身体を覆っていたハイレグ水着を汚い物を触るかのように摘み上げた。兎神の感性から見ても雄獣人がこの一式を身に着けるのは悪趣味極まりない。
もしかすると、他の世界からも奇妙な姿の獣人達が敵意をもって襲ってくるかもしれない──などと考えると、兎神の口から自然とため息が漏れるのだった。
(じゃが、多くの収穫はあったな。何が起きようと、何が来ようと。儂はこの美しい世界を守ってみせよう)
そう決意しながら、兎神は本殿の中へと戻っていくのだった。
……何故か悪趣味だと思ったハイレグ水着一式を持ち帰って。
*****
「兎神様。我が村、そして交易している村々から集めた果実でございます。どうかご賞味くださいませ」
「貢ぎ物などいらんと言っておろうに……。しかし、儂の為に持ってきてくれた物を無下にするのもなんじゃしのう。ありがたく頂くとしよう」
兎神は困ったように笑うと、口髭を撫でながら熊獣人の村人から貢ぎ物が入った籠を受け取った。ふくよかな身体のシルエットが少し浮かび上がった着物の横に、大事そうに籠を抱えている。
……ハイグレ魔王の襲撃から一週間が経った。他の世界の情報については、他の神に共有したが村人達には伝えていない。余計な情報を与えて村人達を不安にさせない為だ。
「村の様子は大丈夫じゃな?」
「はい。作物も豊作で、獣人同士の争いもなく平和に過ごせています」
「うむ、それならば良し。もし異変があれば儂が直ちに向かおう。他の者達にもそう伝えておいてくれ」
「はっ、兎神様の導きのままに」
熊獣人の村人は跪いて頭を下げると、ゆっくりと立ち上がって来た道を戻り始めた。熊獣人が村へと戻っていく様子を見届けると、兎神も後ろを振り返り本殿に向けて歩みを進めた。
「……」
ザリザリと草履を鳴らしながら兎神が歩く姿には、年季の入った佇まいと貫禄を感じさせる。しかし今の兎神はいつもよりも少し落ち着かない様子で──少し足早に本殿の中へと戻っていく。
本殿の中に入った兎神は貢ぎ物を入った籠を机の上に優しく置くと、更に足を早めて部屋の奥の方へ入っていく。
本殿の最奥。その隅に目立たないように置かれた箱へと近づいていくと、膝を付いて箱の蓋を開ける。
その中には兎神が忌々し気に脱ぎ捨てたはずの──ハイグレ魔王の配下、ハイグレ兵が身につけていたハイグレ水着一式が丁寧にたたまれて保管されていた。
「……ッ」
兎神の口髭を蓄えた口から熱の籠もった吐息が漏れる。着物越しに丸まった腹を撫で下ろし、その下……股座に手を伸ばすと、確かに兎神の逸物は硬くなり精を放ちたいと脈打っていた。
「ぐ……ッ。何故儂はこんな物を大事に取っておいておるんじゃ」
兎神は忌々し気にハイグレ水着を見下ろす。
この世界に生まれる生物は皆例外なく生殖器を持っている。それは神である兎神も例外ではなかった。
しかし寿命が存在する普通の獣人達と違い、兎神には寿命が存在しない。そして兎神という個の力も強大な為、群れる必要も、子を成す必要もないのだ。だから、兎神に性欲という物はほとんど存在しておらず、射精は十数年に一度、溜まった使い道のない精液を義務的に吐き出すだけに留まっていた。もっとも、射精の際精液や身体から放たれる神通力が世界を良い方向へ導く力を働かせている為、全く無意味という訳でもないのだが。
だが、そんな兎神の性欲はハイグレ魔王の襲撃から見違えるほどに増大してしまっていた。
ふとした瞬間気を抜くと──己の身体を締め付けるハイレグ水着の感触を思い出すとムラ付いてしまう。そして第一に射精ではなく、あの悪趣味なハイレグ水着を身に着けたいと思ってしまうのだ。
(馬鹿な……ッ❤ こんな物を自分の意志で着れば、あのハイグレ魔王とかいう阿呆の手下、ハイグレ兵と一緒ではないか❤)
何千年もの時を生きてきた神としての尊厳が自身の内から湧き上がる受け入れがたい欲求を否定する。世界を守る神がこんな悪趣味な格好をしてはならないと。己を魔王と自称する幼稚なハイグレ魔王の手下の証に身を包んで良いはずがないと。
「フーッ❤ フーッ❤」
ハイグレ魔王とハイグレ兵という敵勢力がいるという話は他の神に共有した。しかし、一度兎神が光線を受けハイグレ兵と同じ姿に変えられ、そのハイレグ水着一式を大切に保管していることは誰にも話していない。
そんな事を話してしまえば、精神状態を疑われハイレグ水着一式は処分されてしまうだろう。兎神もそうするのが一番良いと理解しているはずなのに、内から湧き上がるハイレグ水着をもう一度着たいという歪んだ欲求が情報の共有を止めてしまった。
兎神は確実に、銃から放たれる光線の悪影響を受けていた。
「……駄目じゃ。もうこの事は全て他の神に話そう。儂が……神があんな邪悪な心を持つ者に屈するなどあってはならない」
兎神は眉間に皺を寄せながら目を閉じると、箱に背を向け部屋の外に向かって歩き始めた。足袋を履いた足を前に動かしていき、そして……その足の動きが止まった。
「一度だけじゃ」
口髭を蓄えた口から小さな声が漏れる。兎神の顔は紅潮し、いつもキリリと前を見据えていた三白眼は細まり、少し焦点が定まっていないように見えた。
白足袋を履いた足の向きが180度変わり、再び歩き始める。ハイレグ水着の入った箱の前に立つと、いそいそと着物の帯を解いていく。先程までの決意は何処へ言ったのか、鼻息を荒くしながらハイレグ水着の入った箱をうっとりと見つめている。
「もう二度と着れないのならば一度だけ……❤ 一度だけ着たら、他の神にこの事を伝える❤ これはあの阿呆に屈したからではない❤ このハイレグ水着がどのような物か詳細に情報を共有せねばいかんからじゃ❤❤」
兎神は知る由もないが、ハイグレ魔王の従えているハイグレ兵達は皆ハイグレ魔王に洗脳され従っている。しかし、他者を意のままに操るなど、ハイグレ魔王の住まう文明の進んだ世界でも簡単ではない。ならばどうすればそれを可能にするのか。それはハイグレ魔王が洗脳に獣人の性欲を利用しているからだ。
光線に撃たれた獣人はまず悪趣味なハイレグ水着姿一式に格好を変えられてしまう。その最中に洗脳が行われるのだが、まず洗脳対象をハイレグ水着、そしてコマネチのポーズ──ハイグレポーズを取ることに興奮を覚えるように洗脳する。
それが終われば次は関連付けだ。ハイレグ水着一式をハイグレ魔王に従う下僕の正装だと認識付け、ハイグレポーズは忠誠を誓うポーズだと認識させる。そして、更に洗脳が進むとハイグレ魔王に従うことが至上の喜びのハイグレ兵が完成するというわけだ。
そして、ハイグレ兵達は何かの間違いでハイグレ魔王に逆らおうとすれば一瞬にして発情するよう身体を変えられてしまう。発情したハイグレ兵達が行う最も気持ち良い行動はハイレグ水着を着ること、そしてハイグレポーズを取ることだ。それを行うことは再びハイグレ魔王の手下に戻る事と同義であり、このループがハイグレ魔王による絶対的な支配を実現させていた。
「フーッ❤ フーッ❤」
そして、その効果は洗脳に耐えたはずの兎神にも発動していた。ハイレグ水着の情報を周りの神に報告するというハイグレ魔王にとって不利に働く行動をとろうとしたことで、強制的に身体が発情させられてしまったのだ。
はらり、と着物が床に落ちる。兎神は白の褌を締めており、勃起したちんぽが反り勃つことで布地を持ち上げ股間にテントを張ってしまっている。愛用していた褌も邪魔だと言わんばかりに乱雑に脱ぎ捨てると、兎神は勃起したちんぽを晒した白足袋以外全裸の姿になる。
筋肉こそ付いているものの、兎神の身体は全体的にふくよかで肥えている。しかしその大きな腹に広い背中。そして太い腕と足には神としての、強者としての威圧感を感じさせた。
全身は白いふさふさの被毛に覆われており、着物も合わせた抱き心地、揉み心地はその幼さから兎神を恐れない村の子供達に人気であった。
しかし、そんな子供達に対し優しい目を向けていた、老年の落ち着きがある兎神はもうここにはいない。
息を荒げ、ちんぽから先走りを垂らしまま箱の中に手を入れると、ピンク色のハイレグ水着を持ち上げた。
「ううむ……❤ 何と目に痛い桃色じゃ❤ こんな色では、ハイレグ水着がより一層際立ってしまうではないか❤」
ピクッ❤ ピクッ❤ とちんぽを上下に揺らしながら兎神は感嘆の声を上げる。そして白の被毛に覆われた、どっしりと床に着いていた──未だ白足袋を履いている右足を持ち上げる。目の前にハイレグ水着を持っていき、そのネック部分に右足を通した。
「く、お゛ぉ……❤」
まだ右足を通しただけだというのに、兎神のちんぽがビクンッ❤ ビクンッ❤ と大きく揺れる。右足の次は左足。むっちりと肉付いたふさふさの左足を持ち上げると再びハイレグ水着のネック部分に通す。
「フーッ❤ フー……ッ❤」
兎神は自分の心臓が高鳴っているのを自覚していた。歪められた性欲、そしてこの世界に誕生してから初めて感じる背徳感という感情にちんぽをヒクつかせる。そしてゴクリ❤ と息を飲み込むと、ハイレグ水着を掴んでいた両手を一気に上へと持ち上げた。
「ぬほお゛お゛ぉ……ッ❤❤」
キュウウ❤❤ と玉袋が持ち上げられ、締め付けられる感触に兎神は情けない声を漏らす。ガクガクとガニ股気味になった両足を震わせながら、ハイレグ水着を肩の上まで伸ばし手を離した。その瞬間。
「あ゛ひぃッ!?❤」
パチンッ❤ という音を立て兎神の豊満な身体をピンク色のハイレグ水着が締め付けた。小山のように膨らんだ両胸、腹。そして尻の谷間にハイレグが食い込むその感覚に、兎神は身体を震わせる。
この世界に現在し二度目になるハイレグ水着の着心地。今まで褌、そして着物しか着てこなかった兎神にとってその新鮮さ、締め付け具合は病みつきになるような感覚であった。勿論、そうなるようにハイグレ魔王は洗脳しているのだが。
「こ、こんなに気持ち良いとは……ッ❤❤」
胸を、腹を撫でながら兎神は甘い吐息を漏らした。ビンビンに反り勃ったちんぽはハイレグ水着を持ち上げ、先走りで薄染みを作りながらムワムワと熱気を放っている。落ち着いた白い被毛に対し、蛍光色のどぎついピンク色のハイレグ水着は明らかに悪目立ちしており、兎神の強者としての貫禄を完全に剥奪してしまっている。
「く、お゛ぉ……❤」
快感でついガニ股になってしまい、足を少し横に開くとハイレグ水着がより一層兎神の尻の谷間に食い込む。ハイレグ水着の食い込みと締め付けにすっかり夢中になってしまった兎神は再び情けない声を口から漏らすのだった。
「ハイレグ水着だけでこれほど気持ち良いのなら……❤ 残り全てを身に着けたらどうなってしまうんじゃ❤」
箱の中に残った白のロンググローブ、ロングソックス、全頭マスクが目に入る。兎神は少し思案したかのように身体の動きを止めると、ゆっくりと手を伸ばし白のロンググローブを取り出した。
「一度だけ❤ 一度だけじゃ❤」
先程と同じ言い訳を並べながら白のロンググローブを両腕に通していく。ロンググローブはサイズが少しきつく、兎神の肘の上まで覆ったあとぴっちりと食い込み、兎神の肉付いた二の腕を強調させた。
「ふうぅ……❤ 次はロングソックスじゃ❤ こんなもの、早く脱いでしまわねば❤」
長年愛用してきた白足袋をこんなもの、と罵り脱ぎ捨てると、今度はロングソックスを持ち上げる。
これで、兎神が普段身に着けている衣類は全て脱いだ形になった。
ムチムチふさふさの右足を持ち上げ、白の長いソックスに通していく。足先が覆われ、足首、そして膝の上まで覆われていく感触に兎神はゾクゾクと背筋を震わせた。そして膝上、太ももの少ししたあたりまで引き上げるとロングソックスから手を離す。兎神の白い被毛は全て白の生地で寝かしつけられ、ムチムチふさふさの太ももの存在感が増すのだった。
「お゛ぉ……❤ 良いではないか❤ うむ、足袋よりもこっちじゃな❤」
ロングソックスのは着心地にうっとりしながら次は全頭マスクを持ち上げる。これを頭に被ってしまえば、兎神の個性のほとんどが剥奪され、ハイグレ兵となんら変わらない格好へと成り下がってしまう。
ハイグレ兵というのはハイグレ魔王の忠実な配下。ハイレグを着ることで洗脳が少し進行した兎神はその事を理解していた。この世界を守る神である自分が、邪悪な心を持つ──幼稚なハイグレ魔王の配下と同じ格好をして良いはずがない。
(そうじゃ❤ して良いはずがない❤ だと言うのに……❤ これを被りたいと❤ ハイグレ兵の格好へこの身を堕としたいとちんぽが疼いておるんじゃ……❤)
ハイレグ水着を着た段階で、兎神はこの世界に現在してから一番だと言える快楽を感じていた。ただでさえ義務的に行っていた自慰行為が色褪せ、今までの自分の価値観を書き換えるほどの快感。性欲に従い、ちんぽをヒクつかせるのはこんなにも気持ちの良いものだと、兎神に新たな価値観を植え付けていく。
「ぐふ❤」
全頭マスクを持ち上げた兎神は、ビグッ❤ ビグッ❤ とちんぽを震わせながら恍惚な笑みを浮かべた。そうして、全頭マスクを頭の上に掛ける。
(ああ……❤ 被ってしまう❤ わ、儂が……ハイグレ魔王の配下、ハイグレ兵と同じ姿に……❤)
そして、一瞬の躊躇いの後、全頭マスクを一気に首元まで引き下げた。
「~~~~~ッ❤❤❤」
ピュッ❤ ビュピュッ❤ ピュッ❤ と、兎神のちんぽから先走りが噴き出す。ハイグレ兵と全く同じ格好へと堕ちる快感は凄まじく、大量の先走りがハイレグ水着の許容量を超えポタポタと床に水たまりを作っていく。
「ぬ゛お゛ぉ……❤❤ 堕ちてしまった❤ ハイグレ魔王の配下に、ハイグレ兵の格好に❤ 神である儂が……ッ❤❤」
全頭マスクに覆われた顔を、胸を、腹をスリスリとロンググローブ越しに撫で回す。神であるはずなのに邪悪な敵の手先と同じ格好をする背徳感、そしてこれまで生きてきた中で至上とも言える快感に兎神の興奮は最高潮に達してしまっていた。
そして、兎神はこの部屋に姿見が配置されていることを思い出した。白のロングソックスを履いた足を動かし姿見の目の前まで移動すると、そこには変わり果てた兎神の姿が写っていた。
「これは❤ 本当に儂なのか……?❤」
そこに映るのは何処からどう見ても、ただの兎獣人のハイグレ兵であった。
「お゛ッ❤ お゛ぉッ!?❤❤」
瞬間、身体の制御権が奪われてしまったかのように、兎神の両足が大きく左右に開いていく。腰をどっしりと落とし、ハイレグの食い込みに沿うよう手をV字になるよう股座へ持っていく。これはハイグレ兵が行っていたハイグレポーズの最初の所作。そしてそれを行うことは、あのハイグレ魔王に忠誠を誓う事を意味する。
「は、ひッ❤ こ、このまま❤ 腕を引き上げれば……❤」
想像することで、ビンッ❤ ビンッ❤ とちんぽがハイレグを持ち上げる。しかし、それだけは行ってはならないと神としての理性が警笛を発していた。
しかしビンビンに反り勃つちんぽが、膨れ上がった性欲が兎神の理性を溶かしていく。……しかし。
「……ッ❤ 駄目じゃ❤ それだけはいかんッ❤」
すんでの所で兎神はハイグレポーズを止めることに成功した。しかし、ちんぽの勃起は収まるどころか早く射精したいと激しく脈打っている。
「……ッ❤ ハイグレポーズなど、間抜けな事はせん❤ ハイグレポーズはせんが……ッ❤ ただの自慰行為ならば問題ないだろう❤」
兎神はそう言うと、腰に手を当てヘコヘコと前後に動かし始めた。ちんぽにハイレグが擦れるだけで、頭が馬鹿になってしまうかのような快感に襲われる。だからハイグレポーズを除いて、この動きが最も気持ち良くなると兎神は理解しているのだ。
「ふッ❤ ほッ❤ お゛ッ❤ た、たまらんッ❤ ハイレグ着ながらヘコヘコ腰振り気持ち良いッ❤❤」
息を荒げながら、鏡に映る兎獣人のハイグレ兵に向かって腰を前後に動かし続ける。重たい自重を支える両足の太ももはむっちりと膨らみ、ハイレグに締め付けられながらも肉付いた両胸と大きな腹はゆっさゆっさと揺れている。
その姿は無様という他ないが、洗脳が進行し発情状態にさせられた兎神にとって、己の痴態すら興奮材料の一つになってしまっていた。
「お゛ッ❤ ぐひッ❤ 腰振りするとハイレグにちんぽ擦れるッ❤ 尻にハイレグが食い込むぞォッ❤❤」
下品な言葉を上げると興奮がより一層高まっていく。もし村人の誰かが本殿を訪ね、この部屋に続く襖を開ければ兎神への強固な信心にヒビが入ることだろう。
勿論、神として敬う兎神住まう本殿に、村人が断りなく入ることは決してありえない。しかし、兎神はもしそうなってしまったらという妄想をすることでよりちんぽを硬くさせ先走りの量を増やしていく。
「はひッ❤ イグッ❤ イ゛ッてしまう❤ ハイグレ兵の格好をしながらッ❤ こんな間抜けな腰振りをしながらッ❤ ハイレグにちんぽ擦れてイ゛ってしまうッ❤❤」
身だしなみを整えている為普段は臭わない雄臭を身体から放ちながら、兎神は腰を振る速度を速める。部屋の中が兎神の放つ雄臭に、熱気に包まれていく。光線によって歪められてしまった兎神はそれにすら興奮し、そして。
「イグッ❤ イってしまうぅッ❤❤ イグイグイグッ❤❤ イ゛……ッ❤❤ ッ❤ ~~~~~~ッッ❤❤」
びゅ~~~~~~ッ❤❤ びゅッ❤ びゅ~~~ッ❤❤ と、兎神はちんぽの先端──亀頭をぷっくりと膨らませ、その鈴口から大量の精液を放出した。
「お゛~~~~ッ❤❤ ほッ❤ ~~~~ッ❤❤」
びゅううッ❤ びゅるッ❤ びゅびゅうううッ❤❤ と、何十年も溜め込んだ濃厚な精液が凄まじい勢いで体外に放出されていく。
噴き出る大量の精液は一瞬でハイレグ水着の許容量を超え、弧を描いて床を、姿見に写った兎獣人のハイグレ兵の姿を白く汚していく。
「はッ❤ はひッ❤ ぎッ❤ イ゛ぃッ❤❤」
ドクッ❤ ドクッ❤ ドクッ❤ とちんぽが脈打つ度、精液が断続的に噴き出し続ける。既に射精時間の最長記録は超えており、その激しい快感は兎神の意識を飲み込み堕落させていく。
ハイレグ水着を着ることは、ハイグレ兵の格好になることはこんなにも気持ち良く、素晴らしい事なのだと。ハイレグ水着の情報を共有し、ハイレグ水着を処分するなどという選択はありえないと。
「はひ❤ は、へ……❤❤」
情けない声を上げながら、兎神は仰向けに倒れ込んだ。
ガニ股のまま四肢を投げ出して痙攣する無様な姿は、格好も含め以前兎神が手刀で気絶させたハイグレ兵の姿そのものだ。
未だ射精が続き、ちんぽからびゅッ❤ びゅッ❤ と精液を吐き出し続けているのを加えると、兎神の方が無様だと言っても過言ではないだろう。
「……ッ❤」
そしてようやく、その長い射精も終わりを告げた。溜まった精液を全て吐き出した兎神は、その疲労感と快楽の中、そのまま眠りに落ちてしまうのだった。
ハイグレ兵の証であるハイレグ水着を身に着けながら。
*****
「兎神様!? う、兎神様自ら足を運んでくださるとは、恐悦でございます。ですが私共が自ら向かいますから、兎神様がわざわざお越しいただく必要は……!」
「良い。良い。お主達にもお主達の生活があるじゃろう」
兎神がハイレグ水着を着たまま射精を行って数日後の事。神社から下り村に来訪した兎神の姿に驚いた村人達は、全員両手と頭を下げて平伏した。
兎神は数日に一度、神通力で行った見回りの情報を元に村にお告げを伝えに来る。その度にこうして平伏されるものだから、そうかしこまらなくていいと何度も村人に伝えているのだが、村人は変わらず兎神を厳かで無礼を行ってはならない存在だと敬い続けている。
「兎神様~!」
「おお、童か。元気にしておったか?」
家の中から駆けつけた犬獣人の子供が兎神のふくよかな身体を覆う着物に抱きついた。それを見た父親らしき犬獣人が顔を真っ青にして声を上げる。
「こ、こら! 頭を下げなさい! 兎神様に無礼だぞ!」
「じゃから良いと言っておろうに……。さて、それでは本題に入るとするかのう」
抱きつく犬獣人の子供はそのまま、兎神はお告げを告げていく。変わらず平和は続き、争いの火種もないこと。しばらく日照りが続くが、神通力で天候を操作し作物が駄目になることはないこと等。
必要な情報を全て村人に伝えると、村人は感謝の声を上げ頭を地に擦り付けた。
「じゃから、良いと言っているんじゃがのう……」
変わらず恐縮し続ける村人に兎神は困ったような顔をすると、ゆっくりと村の中に向かって歩き始めた。
「兎神様? 何処へ……」
「なに、偶にはこうして村の中を散歩するのも良いじゃろう。気にするな、と言っても難しいかもしれんが、気にせず普段の生活を続けとくれ」
「ははっ!」
そう言って兎神は村の中を、白足袋と草履を履いた足で歩き始めた。兎神に懐いた犬獣人の子供もその後ろをついて歩く。
村の中を歩いていると、大人の獣人達は驚いた目で兎神を見た後その場に平伏する。その反面、兎神の強面な外見を恐れない一部の子供達は、兎神の姿を見つけると笑顔で駆け寄り抱きついてくる。
数々の村人の注目を浴びる中、兎神は三白眼を細め「ふう゛ぅ❤」と熱の籠もったため息を吐いた。
そう、お告げや見回りは全て表向きの理由。
(ああ、皆に、皆に見られておる❤ 儂の姿を──着物の下にハイレグ水着をぴっちりと着込んだ儂を❤)
本当の理由、それはハイレグ水着を履いた己の姿を見られる背徳感を味わう為であった。
数日前、兎神は一度だけハイレグ水着一式を着た後、その存在を他の神に伝えると決めた。しかし、そんな決意はハイレグ水着を着る至上とも言える快感、そして最も気持ち良いと感じた激しい射精を前にして掻き消えてしまった。
兎神はハイレグ水着のぴっちりとした締め付け、そして食い込み具合にすっかり病みつきになってしまったのだ。
(大丈夫じゃ❤ 儂は洗脳されていない❤ ただ着物の下にハイレグ水着を着ているだけじゃ❤)
洗脳の進行が進んだ兎神は、ハイグレ魔王の目的、そしてそれを達成するために用いる手段についての情報が脳内に刷り込まれていた。
ハイグレ魔王の目的。それは世界の全てを己の支配下に置くこと。そしてそれを達成したハイグレ魔王の支配欲は己の世界だけに留まらず、他の──兎神の現在するこの世界にまで及んだのだ。
そしてそれを達成する為にハイグレ魔王が開発した技術──それがハイグレ光線銃であった。ハイグレ光線銃に当たったものは皆ハイレグ水着にロンググローブ、ロングソックスに全頭マスクを被った姿に変身させられる。そしてその姿でいることが、ハイグレ魔王に従う事が至上の喜びであり快感になるよう洗脳されるのだ。
それを全て知識として得た上で、兎神はこうして着物の下にハイレグ水着を着ることで興奮を得ていた。神である自分があのような幼稚なハイグレ魔王の洗脳に屈する訳がないという、根拠のない自信を言い訳にして。
(忠誠の証であるハイグレポーズ、などという間抜けな所作も行っておらん❤ 儂は自分を制御できておる❤ じゃ、じゃから❤ もう少しだけ❤❤ もう少しだけこの締め付けを……ッ❤)
着物の下で、ハイレグ水着に抑えつけられたちんぽがビグッ❤ ビグッ❤ と震える。
抱きつく子供にいつ勃起ちんぽを触られるかもわからないと言うのに、そんな状況で興奮するその様は変態と罵ってしまっても良いだろう。
「そういえば、兎神様の服の下はどうなってるの?」
兎神の腹に抱きついていた犬獣人の子供がその場にしゃがみ込んだ。
そう言って着物の下──袴の裾の部分をめくり上げようとする。瞬間、兎神の目の色が変わり子供の手を掴んだ。
「……ッ! そ、そこは駄目じゃ。お主も普段、他者の服の中を勝手に覗いたりはせんじゃろう?」
兎神の大きな手に腕を掴まれ犬獣人の子供は一瞬だけ驚いたが、しゅん、と目を伏せ「ごめんなさい」と謝った。
兎神は優しい笑みを浮かべると、「わかれば良いんじゃよ」と言って子供の頭を撫でる。
(あ、危なかった……❤)
着物の下を見られてしまえば、兎神は褌ではなく蛍光色のどぎついピンク色のハイレグを着ていることを子供に知られてしまう。そして、無邪気な子供はその事を他の子供に、そして村人達に言いふらしてしまうだろう。
もしそうなってしまえば。
「フッ❤ フッ❤」
もしそうなってしまえば、どれだけ気持ち良いのだろうか。自分のハイレグ姿を村人に見られる。その瞬間を想像するだけで、兎神の勃起ちんぽからはトロトロと先走りが溢れ始めてしまう。
(し、しかし……❤ それだけは駄目じゃ❤ もう戻れなくなってしまう❤❤ 儂はハイグレ魔王なぞに、洗脳されていないのだから❤❤)
興奮を隠したまま、着物の下にハイレグ水着を着ていることを隠したまま、その後も兎神は村の中を歩き回った。
そして結局、本殿に帰った兎神はちんぽの快感に従うまま、ハイレグ水着を着たまま複数回に渡って自慰行為を行うのであった。
*****
お告げの日から数日が経った。
あれ以来、ハイグレ光線銃による洗脳は徐々に兎神の精神を蝕んでいた。
まず、着物の下にハイレグ水着を着ることは当たり前になった。着物でも褌でも駄目だった。兎神はあの締め付けと食い込みがなければ満足出来ない身体になってしまったのだ。
その次は、着物を着ることすら億劫になってしまっていた。ハイレグ水着一丁でなければ落ち着かない。ハイレグ水着を覆い隠す、長年愛用していた着物の存在が煩わしく感じるようになってしまったのだ。
時々、貢ぎ物を渡すために村人が神社まで上がってくる。その時は急いで着物を着て対応するのだが、本殿に戻ればすぐさま脱ぎ捨てハイレグ水着で過ごす事が日常になってしまっていた。
「お゛❤ ほお゛ぉ……❤」
蝋燭が照らす薄明かりの中、今日も兎神はスリスリとハイレグ越しに身体を、ちんぽを撫で自慰行為に勤しんでいた。
ハイレグを着ながら行うオナニーは中毒になってしまう程の気持ちよさで、兎神の自慰行為の頻度は数十年に一度から一日に三回のレベルにまで上昇してしまっていた。
「うお゛ぉ……ッ❤ イクッ❤ イ゛くぞッ❤ ハイレグ着衣のガニ股ちんぽ擦りオナニーでイ゛ぅッ❤❤」
下品な言葉を発するとより気持ち良くなる事を知ってから、兎神は普段の言動に似つかわしくない低俗な言葉を吐きながらオナニーをするようになった。
ロンググローブを嵌めた両手に扱かれた兎神のちんぽから、ドクッ❤ ドクッ❤ ドクッ❤ と大量の精液が噴き出す。ピイインッ❤ と背中を逸らしておほ顔を晒す兎神を見れば、余程この射精が気持ちいいのだと簡単に見てとれた。
「ま、またやってしまった……。 お゛ぉ……ッ❤ し、しかし❤ まだ勃起が❤ ムラムラが止まらんん゛❤❤」
射精したばかりだというのに、ロンググローブを嵌めた両手でシコシコシコシコ❤ と再びちんぽを扱き始める。ガニ股を維持し続ける太い両足は白のロングソックスを履いており、全頭マスクを被る以外は完全にハイグレ兵の格好になってしまっている。
奇抜な格好に似合わない兎神の強面が見える分、全身がハイグレ兵姿になるよりも情けなく見えてしまう。
「や、やはり……❤ ん゛ぉ……ッ❤ マスクも被らねばいかんかッ❤❤」
兎神は恍惚な表情でそう漏らすと、ガニ股のままヨタヨタと箱に近寄り、白の全頭マスクを持ち上げた。そして一瞬の、ほんの一瞬の躊躇いの後、一気に首元までマスクを被るのだった。
「~~~~ッ❤」
ゾクッ❤ ゾクッ❤ と身体を震わせた後、兎神は変態ハイレグ越しオナニーを再開する。
ハイグレポーズではないものの、なるべくハイグレポーズに近くなるよう、腰に両手を当てガニ股のまま腰を前後に降り始める。
「ぬお゛ぉッ❤ は、はひッ❤ やはりこれが❤ これが一番気持ち良いッ❤❤」
気分が高まった兎神はスーッ❤ ハーッ❤ と息を荒くして全頭マスクを鼻の穴に張り付けながら、腰振りオナニーを続けていく。
その変態的な姿に、ハイグレ魔王を迎え撃った際の年季を感じさせる冷静さ、そして神としての貫禄は一切存在しない。自慰行為を覚えたての、理性のない猿のようにヘコヘコと腰を振り続けていく。
「あ゛ッ❤ イ゛くッ❤❤ こんな情けない格好でッ❤ 腰振りでッ❤ 儂は……ッ❤❤」
現在進行系で精子を量産する兎神の玉袋がキュウウ❤ と持ち上がる。射精へ向けて、兎神の身体が準備を始めていく。
精巣から精液が押し出され、勃起した竿の中を遡って亀頭へと向かっていく。そして亀頭がぷっくりと膨らみ、その鈴口から──。
「はッ❤ イグッ❤ イ……ッ❤ ぐ、お゛❤ ~~~ッ❤❤」
びゅるッ❤ びゅるるッ❤ びゅッ❤ と鈴口から白濁液が放たれ、本日何度目かの射精が行われる。ガクガクと震えながらもむっちりと膨らむ兎神の太足は、しっかりと兎神の自重を支え精液を正面に飛ばす手助けをする。
幾度目かの射精で兎神のムラムラもそろそろ収まるはず。これ以上神としての尊厳をかなぐり捨てて変態的なオナニーに勤しむ必要などないはずだった。しかし。
「な、何故じゃ……ッ❤ 足りんん゛……❤ マスクを着ても、ハイグレ兵の格好をしても❤❤ あの快楽が……❤ 初めてハイレグを着たあの快楽に達することができん……ッ❤❤」
射精したばかりのちんぽは未だ勃起を続け、ビクッ❤ ビクッ❤ と脈打ち続けている。
実際、今回の射精はそこまで勢いがなく、精液の放出も控えめな量で終わってしまった。
よく見れば興奮が足りなかったのか、精液が詰まっていた玉袋は、射精したばかりだというのに未だずっしりと重く精液を吐き出したがっている。
「足りん❤ 儂に❤ 儂に足りないもの……❤❤」
それが何かは兎神はとうに理解していた。洗脳が進行し、ハイグレ兵の格好にまで堕ちても足りず、兎神が心の底で求めている物。
ハイグレ兵が行うハイグレ魔王に忠誠を誓うポーズ──ハイグレを行わなければ兎神は満足できないのだ。
(馬鹿な❤ 儂は洗脳されていない❤ あんな間抜けなハイグレポーズを行いたいなどと思っていない❤ あんな幼稚なハイグレ魔王が考案した──ハイグレ魔王に忠誠を誓うポーズなど❤ 儂は、自分を制御できている❤ だからこうして、他の神に共有せずこそこそと──❤❤)
ふと兎神が目の前に視線を移した。そこにはハイグレ兵の姿へと堕ちた自分の姿が写っており、ガニ股で腰に手を当てるその姿は──まさにハイグレポーズをとっているように見えた。
「ッ❤」
ドクンッ❤ と兎神の心臓が高鳴る。もし、本当にハイグレ兵の姿で、ハイグレポーズをとってしまったらどれ程気持ち良いのだろうか。
結局、兎神は一度切りと言ってハイレグ水着を着ることを止める事ができなかった。兎神が抗えなかったそれ以上の快楽を、一回の簡単な所作を行うだけで味わうことができるのだ。
(違うッ❤ 儂は神じゃッ❤ ハイグレ兵などではッ❤ ハイグレ魔王の手下などではないッ❤)
必死に頭の中でハイグレをしたがっている自分を否定する。ハイグレ兵の格好へと堕ち、変態的なオナニーに興じようと、これ以上は本当に越えてはいけないラインだと兎神は理解しているのだ。
(そうだと、そうだと言うのに……❤)
ググ❤ と兎神の両手が腰から離れていく。ゆっくりと腕が下がっていき、両手の指は綺麗に揃えられるように並び股座の前、鼠径部とハイレグのV字のラインに沿うように添えられる。
谷間にハイレグが食い込んだ大きな尻がゆっくりと下がっていき、足はすり足でより大きく左右に開き、完全なガニ股になる。
(いかん❤ ああ……❤ じゃが一回だけ❤ や、止めろッ❤ 違う、これ以上は……❤❤)
ひゅッ、と口髭を蓄えた口から空気が漏れる。あと一歩。たった四文字の単語を叫びながら腕を動かすだけで、兎神は待望の未知の快感を味わうことができる。しかし、それを行ってしまえばきっと兎神の中の大切な何かが壊れてしまうことだろう。
(それだけは……❤)
これから味わえるかもしれない快感への期待に、兎神のちんぽはビグッ❤ ビグンッ❤ と脈打ちながらピンクのハイレグを持ち上げる。何度も射精を行ったハイレグから、股間から栗の花の蜜の匂いが、雄臭が立ち昇り兎神の鼻孔を犯す。
呼吸が浅くなり、回数がそれに比例して速くなっていく。
「お゛ほッ❤」
びゅぴゅッ❤ と兎神のちんぽから先走りが噴き出した。洗脳が進行した兎神はハイグレを開始する体勢を取り続けるだけでオナニーに近い快楽を得てしまうのだ。自然と背筋がピンと伸び、ハイグレを始めるに最も美しい体勢になる。そして先走りを放つ快感が──自然と兎神の身体を動かしていた。
「ハイグレッ!!❤❤」
シュッ❤ とV字に腕を引き上げると同時に、兎神の口は渋い声色に似合わないその単語を発していた。
瞬間、兎神の脳内に膨大な情報が流れ込み、それと同時に歪められた価値観を確固たるものへとものへと変えてしまうほどの快楽に襲われる。
「お゛ほぉッ!?❤❤ ~~~~~~ッッ❤❤」
ハイグレポーズをとった瞬間、びゅッ❤ びゅるるるるッ❤❤ びゅるるるるッ❤❤ と凄まじい勢いで兎神のちんぽから精液が噴き出した。放出される精液と同時に流れ込んでくるのは、ハイグレ兵としてハイグレ魔王に仕える為に必要な情報。
ハイグレ兵はハイグレ魔王の忠実な下僕であり、ハイグレ魔王の命令には絶対服従。そして命令を与えられていない時間は、常にハイグレポーズでハイグレ魔王に忠誠を誓い続ければならないのだということ。
そして、どれだけ否定しようとも、そのハイグレ兵に兎神がなったのだということを。
「~~~~ッ❤❤ はッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ぐお゛ォお゛❤❤❤」
頭の中に勢い良く流れる情報に、ハイグレ魔王の言葉に従い兎神は射精しながらもハイグレポーズを連続して続けた。立て続けに起きる耐え難い快感は、兎神の理性を溶かし新たに植え付けられる情報、価値観を簡単に受け入れさせてしまう。
情報はそれだけに留まらず、ハイグレ魔王のいる世界。ハイグレ魔王について、ハイグレ魔王の野望についての細かい情報が次々に頭の中に流れ込んでくる。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
今更洗脳に抗おうとしてももう遅い。始まったハイグレポーズを止めることは今の兎神にはできず、浮かび上がる抵抗の意志も流れ込んでくるハイグレ兵としての情報に洗い流されてしまう。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
シュッ❤ シュッ❤ シュッ❤ と。ハイグレと叫びながらV字に沿って腕を引き上げるだけで、全てがどうでも良く感じてしまう程ちんぽが気持ち良い。
だからあのハイグレ兵達は、幼稚なハイグレ魔王にあれ程までに忠実なのかと他人事のように兎神は理解した。ハイグレポーズを取るだけで、ハイグレ魔王に従うだけでこれ程の快楽を浴びせられ続けてしまえば、自分の使命や尊厳など全てどうでも良くなってしまうだろう。
そう、兎神がこの世界に現在した時に理解した、この世界の平和を守り、獣人達の繁栄を見守り続けなければならない神としての使命すら。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ……ハイグレッッ❤❤」
頭の中に流れ込む情報が止まった。それと同時に兎神は今までよりも一番腰を落とし、勢い良く腕を引き上げてハイグレと叫ぶ。
瞬間、びゅるるるるるるッ❤❤ びゅ~~~~~ッ❤❤ びゅるるるッ❤❤ と、今日一番の勢いで兎神のちんぽから精液が噴き出し、そのあまりの快感に兎神はハイグレポーズを取ったまま仰向けに倒れ込んでしまった。
「はひっ❤ ハイグレェ……❤❤」
びゅるッ❤ びゅるるるッ❤ びゅるッ❤ と、仰向けに倒れながらもハイレグ水着の許容量を超えた精液が噴水のように噴き上がり、本殿の床を、ハイグレ兵の格好をした兎神を白く汚していく。
そして仰向けに倒れて射精しながらも、兎神はシュッ❤ シュッ❤ と弱々しく腕をV字に動かし、ハイグレの所作をし続けるのだった。
「はひ❤ はいぐれ❤ はいぐれ❤ は……❤」
そして己の価値観を完全に書き換える快感の中、兎神は意識を飛ばしてしまうのだった。
*****
「よし……この時間なら誰も来ないじゃろうな❤」
初めてハイグレ射精を行った翌日、日が落ちたのを確認した兎神は本殿から抜け出し、神社の入り口──鳥居の下まで移動していた。
目の前の階段を見下ろすと、村の全体がよく見える。一部の家はまだ灯りが点いているが、村人のほとんどは寝てしまっているようだ。
薄暗い月明かりだけが照らす鈴虫の鳴き声だけが微かに響く静寂の中、兎神は──。
「ふうッ❤ フッ❤ ……ぐふ❤❤」
白のロングソックスにロンググローブ、そして蛍光色のハイレグ水着。そして白の全頭マスクを被ったハイグレ兵の格好で、ビンビンにちんぽを勃起させていた。
「はあ゛……ッ❤ はッ❤ お゛お……❤ 深夜にハイグレ兵の格好で出歩いてしまった……ッ❤❤ こんな姿、誰かに見られたら、儂の正気を疑われてしまう……ッ❤❤」
ガニ股でスリスリと全頭マスクに覆われた顔を、ロンググローブを嵌めた腕を、ハイレグに締め付けられた肉厚な身体を撫で回す。
そして、鼻息を荒らげながら腰を大きく落とすと、ハイレグのV字に沿ってロンググローブを嵌めた両腕を添える。そして。
「ハイグレッ❤ お゛ほッ❤❤」
ハイグレポーズを行い、村の方向へ向けてびゅぴゅッ❤ と股間のテントから先走りを放つのだった。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ は、はいぐれがキくぅッ❤ 頭が馬鹿になってしまう゛ぅ❤❤」
ハイグレ射精をしてからの兎神の精神は確実に堕落の方向へと進んでいた。流石といっていいのか、何千年を過ごした堅牢な精神力、そして神通力により完全な洗脳には至っていないようだったが、以前と違いハイグレポーズを行う事にほとんど抵抗がなくなってしまっている。あるのは興奮を高める背徳感だけであり、それはちんぽを気持ち良くさせるためのスパイスでしかなかった。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
シュッ❤ シュッ❤ シュッ❤ と村に向けて無様な格好でハイグレポーズをとり続ける。こんな時間に神社を訪れる者はいないが、決して可能性はゼロではない。兎神に緊急の用事がある大人。悪戯心から家を抜け出してくる子供もいるかもしれない。そして、神社を訪れた村人達は兎神のあられもない痴態を目にする──そんなもしもの妄想が、兎神のちんぽをより硬くし分泌する先走りの量を増やしていく。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ す、すまぬう❤❤ まだ、まだ負けておらんのじゃ❤ ハイグレッ❤ 儂は決してハイグレ魔王などの手下にはなっておらんッ❤ じゃがッ❤ ハイグレェッ❤❤ ハイグレポーズやめられん゛んッ❤❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
最初は控えめだったハイグレの掛け声も、徐々に大きくなっていく。兎神の低く辺りを響かせるような声色なら、下手すれば下の村の方まで聞こえてしまうだろう。しかし、ちんぽの快楽に導かれるまま、久しく思い出していなかった雄の本能に従うままに声量を上げていき、そしてハイグレポーズもキビキビと切れの良いものになっていく。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
頭の中にハイグレ魔王の憎たらしいニヤケ面のマスクと豚獣人のシルエットが浮かび上がる。しかし、それに対し兎神は不快感を覚えず、それどころかハイレグが食い込んだ尻の谷間、そしてちんぽをキュンキュンと疼かせてしまう。
そして一つの推測に辿り着く。ハイグレ魔王は兎神に出会う前から兎神の存在を、神通力の存在を知っていた。つまり、他の世界の情報を集めることができるのだ。なら、こうして神社の鳥居の下でハイグレ兵の姿をしていることも、ハイグレポーズをとっていることも知っているかもしれない。そして、神が己の手に落ちたと、愉快そうにほくそ笑んでいるかもしれないのだ。
邪悪で幼稚なハイグレ魔王に良いようにされている事実に、以前の兎神なら屈辱を覚えただろう。しかし。
「はあ゛ぁッ❤❤ み、見られているッ❤❤ 儂のハイグレポーズがッ❤❤ ハイグレ魔王にい゛ッ❤❤ イ゛ッ❤ イ゛くッ❤ 神である儂がッ❤❤ ハイグレ魔王の手下の衣装に身を包み❤❤ ハイグレポーズで服従証明射精をしてしまう゛ぅッ❤❤」
ビクビクビクッ❤ とちんぽが激しく脈打つ。玉袋がキュウウ❤ と持ち上がり、兎神の射精の準備を始める。そして。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤❤ ……ハイグレエエエンッッ❤❤」
上擦った情けない声を上げながら、兎神はハイグレ魔王にハイグレポーズを見られる妄想の中吐精した。
びゅるッ❤❤ びゅるるるるッ❤❤ とハイレグ水着を貫通して噴き出す精液は、弧を描き階段の方へと落ちていく。
「ほ、お゛ぉお゛……❤❤ はいぐれっ❤ はいぐれぇ……っ❤ やってしまった……❤❤ ハイグレッ❤❤」
一瞬のムラムラの解消により後悔の念が兎神の中に浮上するが、本能に従い勝手に行ってしまうハイグレポーズの快感によってすぐさま掻き消えてしまう。
「ハイグレッ❤ 止まらんッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレェッ❤ ハイグレェッ❤❤」
足をガクガクと震わせながら、兎神はいつまでもハイグレポーズで──ハイグレ魔王に忠誠を誓うポーズで射精をし続ける。
ハイグレポーズをとる度に弱まっていた射精の勢いが増す為、兎神の射精の最長記録を達成してしまうのだった。
*****
「ははッ! 兎神様自ら足を運んでくださるとは、恐悦でございます」
「うむ❤ 問題ない❤ これも儂の使命じゃからのう❤❤」
次のお告げの日、再び兎神は村を訪れていた。しかしその姿は以前とは違う。ロングソックスにロンググローブ、ハイレグ水着に全頭マスクという、完全なハイグレ兵の姿で村人の前に姿を現している。
「ふう……ッ❤ そ、それでは、お告げを伝えよう❤」
しかし、村人は兎神の異常に気づかない。兎神は強大な神の力である神通力を悪用し、己の姿を普段の着物姿に見えるよう自分の周りに薄い膜を覆っていたのだ。
そうとも知らず、村人達は兎神のお告げを、兎神の姿を真剣に見聞きしている。村人達の視線がハイグレ兵の格好へと堕ちた自分に注がれるのを見て、兎神はゾクゾクと背筋を震わせながら勃起したちんぽから先走りを垂らした。
(お告げで儂がハイグレ魔王の手先へと堕ちたと伝えれば、村人は……ハイグレ魔王はどんな反応をするじゃろうか❤❤ い、いかんいかん❤❤ 儂は決して洗脳に屈した訳ではないのじゃ❤❤ こうしてハイグレ兵の格好をするとちんぽが気持ち良いからこうしているだけ❤❤ これはハイグレ魔王の為ではなく、儂の為なのじゃ❤❤ ……そうじゃ、儂の為……❤)
「──お告げは以上じゃ。ふむ、そうじゃな……❤」
お告げを伝え終わった兎神は、何かをひらめいたのか目の前にいる村人に声を掛ける。
「お主等、この後儂と共に神社に来い。お主達だけに伝えたいことがある❤」
「わ、私共だけにですか? ……ははッ! お供いたします、兎神様」
命じられた熊獣人に虎獣人、猪獣人に犀獣人の村人達は平伏すると、恐る恐る兎神の後ろをついて神社に向かっていく。
そして神社に辿り着くと、兎神は四人の村人を本殿へと招き入れた。
(兎神様自ら本殿に……? 一体俺達に何をお伝えしたいのだろうか)
初めて本殿に招かれた村人達は緊張しながら兎神の後ろを歩いていく。そして、本殿の奥まで移動した兎神は後ろを振り返り、ニヤリ、普段の真剣な表情からは予想のつかない、下心を孕んだ厭らしい笑みを浮かべた。
「お主達に伝えたい事……❤ それは儂の真の姿じゃ❤❤」
「し、真の姿?」
村人達が動揺し、兎神の言葉を待つ。兎神は手を前に翳すと、それを横へ薙ぎ払った。
「……!」
瞬間、兎神を覆っていた膜が掻き消え、着物姿ではなく──ハイグレ兵の格好をした兎神の姿が村人に見えるようになった。
見たことのない、村人達の感性から見ても悪趣味な装いをした兎神の姿に、村人達は驚愕の表情を浮かべた。
「兎神様!? その奇妙な格好は一体……!」
「すまんのう❤❤ 儂の使命はこの世界、お主達の平和を守る事だと言っておった❤❤ しかしそれはつい最近起きた出来事によって変えられてしまったのじゃ❤❤」
「な……!! それはどういう……!」
「この世界とは別の……ハイグレ魔王という者が支配する世界があってのう❤ そこからこの世界を支配しに、そのハイグレ魔王がやってきたんじゃ❤ 奇妙な──今の儂と同じ格好をしたハイグレ兵という配下達を引き連れてな❤ その時、儂は神通力を持ってハイグレ魔王を撃退した。しかし……気づかぬ内にハイグレ魔王に洗脳され、見事その手先、ハイグレ兵へと変えられてしまったんじゃ❤❤ おほッ❤❤」
自らの口でハイグレ兵になったと口に出すと、兎神のちんぽは興奮でビクビクとハイレグを押し上げた。
(ああ……❤ 村人達が信じられないという顔で儂を見ておる❤ そうじゃろう❤❤ 神である儂が正体不明の者の手下になったと言われれば動揺して当然じゃ❤❤ 勿論本当にそうなったわけではない❤ これは、ハイグレ兵へと洗脳されてしまったフリなんじゃからのう❤❤)
兎神がちんぽの快楽に従いたどり着いた結論。それは村人達の前でハイグレ兵に洗脳された“フリ”を行い、己のハイレグ水着に締め付けられた情けない姿を見せつけることであった。
あくまでもフリ。自分の快楽の為であって、ハイグレ魔王に屈した訳ではないのだ。
「そしてこれが……ッ❤ ハイグレ兵がハイグレ魔王に忠誠を誓う際に行うポーズ、ハイグレポーズじゃ❤❤ よぉく見ておくんじゃぞ❤❤ お主達が信仰するこの兎神が、ハイグレ魔王の手先と同じ所作を行う様を……ッ❤❤ ハイグレッ❤❤」
鼻息を荒くし、鼻の穴にマスクを吸い付けながら兎神はハイグレポーズを行った。村人の前でちんぽを勃起させたまま間抜けなポーズを行うことで、兎神の興奮はどんどん高まっていく。
「兎神様……そんな……」
「ほッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ どうじゃッ❤ この通り儂は完全にハイグレ魔王に屈してしまった❤❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ このままハイグレ服従証明射精をした後、お主等も儂の手で洗脳してやるからのう❤❤ 楽しみにしておくんじゃぞ❤❤」
一心不乱に間抜けなポーズを取り続け、洗脳すると言いのけた兎神を前に、四人の村人達は振り返ってその場から逃げ出そうとする。しかし、神通力によって作られた壁によってそれも阻まれてしまう。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ 儂のハイグレ姿を見ないとは不敬じゃぞッ❤ ほれ❤ イぐッ❤ ハイグレッ❤ 儂がハイグレ服従証明射精をする所を見てくれッ❤❤」
兎神のハイグレをする所作が早まっていく。シュッ❤ シュッ❤ シュッ❤ と激しくハイグレを行いながら、腰も少しヘコヘコと前後に動かしてしまっている。
そんな無様な姿を村人に見られながら、兎神は──。
「イグッ❤ イくぞぉッ❤❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ……ハイグレッッ!!❤❤」
びゅ~~~~ッ❤❤ びゅるるるッ❤❤ びゅ~~~~ッ❤❤ と、ハイレグに抑えつけられたちんぽから濃厚な精液が放たれた。ハイレグを貫通した精液は、そのまま本殿の床、そして怯えて腰を抜かす村人達に掛かっていく。
「ふほッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
(あああ……❤ 見られてしまっている❤ 村人達に❤ ハイグレ兵へと堕ち無様にハイグレ服従証明射精する儂の姿が……❤❤)
また新たに体験する快楽を前に、兎神の精神はどんどん堕落していく。呆然とする村人達を前に、しばらく射精を続けながら「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」とハイグレポーズを繰り返していた兎神だったが、その長い射精も終わりを告げる。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ……ぐほ❤ お゛……❤」
ピクッ❤ ピクッ❤ と満足そうにハイレグに抑えつけられたちんぽを揺らしながら、そのロングソックスを履いた足を前に進める。
身体を震わせる村人達に向かって兎神はニヤリとマスクの下で笑みを浮かべて手を翳すと、神通力を村人達に向けて放った。
「あ……」
兎神の神通力を受けた村人達は力が抜けたように倒れ込み、たちまち気を失ってしまった。
「うむ❤ これで問題ないのう❤」
兎神が神通力を用いて行った事。それは村人達が本殿の中で見た記憶を消去することであった。これを繰り返すことで、兎神は己の貫禄を保ちながら、何度もハイグレ兵へと堕ちた無様な姿を村人達に見せつけることができるのだ。
「ぐふ❤ これからも楽しみじゃわい❤ ……ハイグレッ❤」
兎神はマスクの下で舌なめずりをすると、もう一度ハイグレを行い尿道に残った精液をびゅぴゅッ❤ と体外に放出するのであった。
*****
兎神が村人にハイグレを見せる快感を知ってから数日が経った。
「ぐお……。何の騒ぎじゃ?」
昨日もハイグレ兵の姿でハイグレポーズに勤しんでいた兎神は、そのまま眠りに落ちてしまっていた。
しかし、外の様子がおかしい事に気付き目を覚ます。
「……悲鳴!?」
確かに神社の外──村の方から悲鳴が聞こえていた。血相を変えて立ち上がった兎神はハイグレ兵の装いを脱ぎ村へ向かおうとする。しかし、身体にぴったりとくっついてしまっているかのように、全頭マスクも、ロンググローブもロングソックスも、そしてピンクのハイレグ水着を脱ぐこともできない。
「な、何故じゃ……! しかし、早く村へ向かわなければ!」
仕方がないと神通力の膜を自身の周りに纏い、見かけはいつもの着物姿を取り繕う。そして本殿の外に駆け出すと、そこには絶望の光景が広がっていた。
「「「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」」」
村は空中に開いた穴から現れたハイグレ兵達に襲撃され、村人達の何人かが既にハイグレ兵へと洗脳されてしまっていた。そして、逃げ惑う村人達も兎神の視界の中で次々にハイグレ兵へと洗脳され、ハイグレポーズを取り始めている。
「……ッ! 儂は一体今まで何をしていたんじゃ!」
兎神の顔から血の気が消えていき、急いで村に向かって階段を駆け下りる。己の今までの痴態が脳裏を過ぎる。ハイグレ魔王の洗脳が進行し、取り返しの付かないことを何度もしてしまったという後悔の念が次々に湧き上がる。この襲撃も、ハイグレの快感にかまけて見回りを怠ったから許してしまったようなものだ。
「ぐッ! 貴様等! 手を止めるんじゃ!!」
村に着いた兎神は地の底から響くような声を震わせ、ハイグレ兵達の注目を集めた。
兎神は村人に実際の被害が出ることで、ようやく洗脳から抜け出すことに成功していた。しかし、それも既に手遅れだ。
兎神の目の前で、見慣れた体型の、種族の村人達が「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!」と連呼しながらハイグレポーズを行い、ちんぽを勃起させてハイグレ魔王の支配下に下る喜びを噛み締めている。
『遅かってあーるな? 兎神様よ』
「ハイグレ魔王!! 貴様……ッ!」
再び空中に現れたハイグレ魔王の映像に、兎神は苦虫を噛み潰したような顔を浮かべながら睨め付ける。
『のほほ! そんな風に睨め付けても全く怖くないのであーる! 見ていたであーるぞ? 貴様がハイグレ兵の格好をして行った数々の痴態を❤』
「ぐ……ッ❤」
ハイグレ魔王の言葉に兎神は眉間に皺を寄せ顔を紅潮させる。わかっていたことだ。しかし、ハイグレ魔王に良いように操られていた自分が恥ずかしくて仕方がない。
そして、兎神が顔を紅潮させたのは屈辱感だけが原因ではなかった。確かにハイグレポーズをとるところをハイグレ魔王に見られていた。その事実に微かに興奮してしまっているのだ。
『もう貴様に勝ち目はないのであーる。大人しく神通力を解いて我輩に降伏するのであーる❤』
「誰が貴様のような邪悪な者に降伏するか!! ……ぬぅんッ!!」
兎神はハイグレ魔王の勧告を無視し、神通力を用いてハイグレ兵達を制圧しようとした。……しかし。
「な……ッ!?」
兎神はガニ股になると、その場でハイグレポーズを開始する所作をとった。そして、兎神を覆っていた神通力の膜まで解除され、ハイグレ兵の姿へ堕ちた無様な姿をハイグレ魔王に晒してしまう。
「何故じゃ……ッ❤ 身体が言うことを聞かん……ッ❤❤」
『のほほ! これぞ我輩の洗脳技術の賜物なんであーる! ……と言いたいところであーるが、種明かしをしてやるんであーる』
動揺する兎神相手に、ハイグレ魔王は勝ち誇った様子で言葉を続ける。
『兎神様よ。お前の神通力は確かに強大であーるが、それは村人達の信仰が力の元になっているんであーる。つまり、その村人達を我輩に忠誠を誓う、ハイグレ大好きの変態共に変えてしまえば……兎神様、お前もそれにつられてハイグレ大好きのハイグレ神に早変わり、という事なんであーる❤』
「……! 馬鹿な、そんな事が……ッ!」
しかし、実際に兎神の身体は言うことを聞かない。洗脳が進行していた時は確かにハイグレポーズを行っていたが、それは性欲に負けてしまったことによる自分の意志で行ったことだ。しかし、これ以上敵であるハイグレ魔王の好き勝手にさせてはいけないと兎神の理性が警笛を発しているというのに、その敵を前に体を動かせないどころか、ハイグレポーズを始めようとしてしまっている。
「ぐ、う……❤❤」
兎神の腰が大きく落ち、両腕に力が入る。ちんぽが徐々に反り勃ち、ハイレグを押し上げて先走りで濡らす。
呼吸が荒くなり、洗脳の最中に何度も感じたあの快楽を思い出してしまう。ハイグレの快楽。ハイグレ魔王に見られながらハイグレ射精を行う妄想をした時に感じた、あの興奮が。
「儂は……ッ❤ 負ける訳には……ッ❤❤」
両手指がきっちりと揃えられる。背筋がピンと伸び、股座の勃起を見せつけるよう、腰を前に突き出す。
「わ、儂はぁ……ッ❤❤」
ビクッ❤ ビクッ❤ とちんぽが脈打つ。
「ぐおぉ……ッ❤❤ は、い……ぐッ❤❤」
プルプルと兎神の全身が震える。眉間に皺を寄せながら歯を食いしばり、すんでの所で耐えている。しかし、もうそれも限界に近かった。
(ここで負ければ❤ 儂は本当に堕ちてしまう❤ そうすれば、世界は❤ 村人達は❤ こんな幼稚で邪悪な者の手に……ッ❤❤)
胸や腹を締め付けるハイレグが、尻の谷間に食い込むハイレグが兎神に残った神としての理性を蝕んでいく。
兎神はこの世界の何者よりもハイグレ魔王の洗脳に耐えた。しかし。
『さあ、ハイグレをするんであーる❤』
ハイグレ魔王の口から放たれた言葉がトドメになった。
「~~~~~ッ❤❤ ハイグレッ❤❤ お゛ほッ❤❤」
びゅ〜〜〜〜〜ッ❤❤ びゅるるるッ❤❤ びゅッ❤ びゅ〜〜〜〜ッ❤❤❤ と。
シュッ❤ と腕をV字に引き上げた瞬間、兎神のちんぽはたちまち射精してしまった。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
一度せき止めていたものが溢れ出せば、それを簡単に止めることはできない。兎神はキビキビとハイグレポーズを繰り返しながら、その度にちんぽからびゅるるッ❤ びゅるッ❤❤ びゅッ❤❤ びゅるるるッ❤❤ と断続的に精液を吐き出し続ける。
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
(イ゛って❤ イ゛ってしまっているう゛ッ❤❤ ハイグレ兵の格好で❤ ハイグレ魔王に見られながらッ❤❤ 服従証明ハイグレ射精してしまっているう゛ッ❤❤)
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
(駄目じゃッ❤ 耐えろ儂ぃッ❤❤ ハイグレ止まれッ❤ 射精止まれッ❤ ハイグレ兵なぞに❤❤ ハイグレ魔王の配下になんぞなってはいかんん゛❤❤)
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
(頭馬鹿になるッ❤❤ ハイグレ魔王の言葉が頭に響いてくるッ❤❤ ハイグレは素晴らしいッ❤ ハイグレ魔王は素晴らしいッ❤ ち、違うッ❤ ハイグレ魔王に従うことは素晴らしいッ❤ 違う違う違うッ❤ 儂は……ッ❤❤)
「ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤」
ハイグレポーズと射精を続ける兎神を見たハイグレ魔王は、何かに気づいたかのように顎に手を当てると、ニヤリとほくそ笑んだ。そして、ハイグレポーズを続けるハイグレ兵達に命令を下す。
『とんだ精神力なんであーる。どうやらお主達の信仰する兎神様は未だ抵抗を続けているようなんであーる。よって……貴様らの手でトドメを刺してやるんであーる❤ やれ、ハイグレ兵共!』
「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」
元村人を含むハイグレ兵達はYESの意味を持つ三回のハイグレでハイグレ魔王の命令に答えると、兎神に向かってハイグレ光線銃を構えた。
(駄目じゃ❤ そんなものに、そんなものにもう一度撃たれたら……ッ❤❤)
ハイグレ兵達がハイグレ光線銃の引き金を引く。そして、その銃口から放たれた光線は一斉に兎神に向けて撃ち出された。
「……ッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ……ハイグレエエエエエエエンッッ❤❤❤」
そして、抵抗もできずハイグレポーズを続ける兎神は強烈な光に包まれ、情けない無様な悲鳴を村に響き渡らせるのだった。
*****
あれから数ヶ月の時が経った。ニヤケ面のマスクを被った豚獣人の男──ハイグレ魔王が端末を操作すると、目の前のモニターに写っていた映像が切り替わった。
映し出されたのは先程まで写っていた機械的な町並みではなく、機械など何もない──自然に囲まれた山々、そして平原だ。山の麓には小さな村があり、端末を操作してズームアップしていくと、その自然な風景に似合わないハイレグ水着にロンググローブ、ロングソックスに全頭マスクを被った姿の獣人達が「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!」と連呼しながらハイグレポーズをとっていた。
「のほほ! しっかりとやっているであーるな! いつでも我輩に忠誠を誓って偉いんであーる……おい、貴様ら!」
『『『ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!』』』
ハイグレ魔王が声を掛けると、ハイレグを着た村人達──ハイグレ兵はモニターの前のハイグレ魔王の方向を向き、三回ハイグレポーズを行った。
「新しい任務なんであーる。新しい世界に侵攻したいんであーるが、今は人手不足であーるからな。先遣隊として先に貴様らを行かせる事にしたんであーる。我輩の野望の礎になれる事を喜ぶのであーる」
『『『ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!』』』
「ワープホールを待機所に繋げておいたであーるか、先にそこに入っていろであーる」
ハイグレ魔王の命令を受けた元村人のハイグレ兵達はワープホールを見つけると、次々とその中に入っていく。それを見届けたハイグレ魔王は端末を操作し、カメラを村から山へと繋がる階段、そしてその上に建てられた神社へと映していく。
かつてその入口にあった立派な鳥居には巨大な幕が掛けられており、そこにはハイグレ魔王のマスクと同じニヤケ面の顔がでかでかと描かれていた。
そしてその下で、普通のハイグレ兵より一際大きな──兎耳を生やしたふくよかな体型のハイグレ兵にピントを合わせズームアップしていく。
『ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!』
白い被毛を持つ、巨漢の兎のハイグレ兵は汗を垂らしながら、渋く勇ましい声を上げながらキビキビと真面目にハイグレポーズを行い続けている。それを見たハイグレ魔王は満足そうに頷くと、モニターに映るハイグレ兵に向かって声を掛けた。
「おい兎神──ではなかったな。ハイグレ神よ、ハイグレエネルギーはしっかり溜まったであーるか?」
ハイグレ神と呼ばれたハイグレ兵──元兎神は、ハイグレ魔王の存在に気付くと一度ハイグレポーズを止めた後、姿勢を正し再び三度のハイグレポーズをとった。
『ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! これはハイグレ魔王様! よくぞお越しで! ご覧の通りこのハイグレ神、ハイグレポーズを取り続けちんぽはビンビン、玉袋の中はハイグレエネルギーで満タンですじゃ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!』
ハイグレ魔王が再び兎神の世界を襲撃した日。大量の洗脳光線を浴びた兎神はハイグレ魔王の洗脳に屈し、完全なハイグレ兵へと転向した。そして兎神の持つ神通力、そして兎神の個としての強大さに元々目を付けていたハイグレ魔王は兎神をハイグレ神と名付け、その神通力をハイグレ魔王の野望に役立てるためのエネルギータンクとしての役割を与えたのだった。
勿論洗脳されたとしても神通力の力そのものに変化はない。しかし、下僕の持っている力が自分の名前に由来しないのはおかしいと考えたハイグレ魔王が、神通力の名前を新たにハイグレエネルギーと名付けたのだった。
そんな間抜けな提案にも、すっかり洗脳されハイグレ魔王の従順な下僕となった兎神は言い返すこともなく、ハイグレ神、そしてハイグレエネルギーの改名を快く受け入れたのだった。
「別の世界に侵攻する為のエネルギー、そしてハイグレ光線銃用のエネルギーも足りないであーるからな。ワープホールを用意するであーるから、そこから移動して早速補充してもらうのであーる。ついでに貴様の戦闘力も侵攻に役立ててもらうんであーる。良いであーるな?」
『ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! 承知致しました! ハイグレ魔王様! この兎神改めハイグレ神、必ずやハイグレ魔王様のお役に立ってみせましょうぞ!』
初めて邂逅した時の敵意、そして神としての貫禄ある佇まい何処へ行ってしまったのか。元兎神は従順に間抜けなハイグレポーズをキビキビと三度行った。
そして元兎神──ハイグレ神はワープホールが現れたのを確認すると、玉袋をパンパンに張り詰めさせた勃起状態のまま、ガニ股でのっしのっしと歩きながらワープホールの中に入っていくのだった。
それを見届けたハイグレ魔王はうむうむと満足そうに頷く。そして、他の洗脳した神にも声を掛けるかと端末を再び操作し始めるのだった。
「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」
ワープホールの繋がる先、神通力もといハイグレエネルギーの補充を終えた元兎神は、元村人達に混じり真面目にハイグレポーズを取り続けていた。
かつて守るべきはずだった村人を前にしても、元兎神の行動は変わらない。ロングソックスを履いた太足を左右に広げた無様なガニ股、そして勃起したちんぽを晒し、その威厳ある声で「ハイグレ! ハイグレ!」と叫びハイグレポーズを取り続けている。
最早彼らに従来の関係性は残っていない。彼らの主人はこの快楽を与えてくれた偉大なるハイグレ魔王であり、元信仰していた神であろうと、元守るべき村人だろうと、今や同じ主人の下僕同士でしかないのだ。
「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」
元兎神と元村人達は言葉を交わす事無く、主人であるハイグレ魔王から指示が与えられるまで、一心不乱に忠誠の証明であるハイグレポーズを取り続けるのであった。
こうして兎神は、兎神の住まう世界はハイグレ魔王の手に堕ちた。これから兎神はハイグレ魔王にとって都合の良いエネルギータンクとして、忠実な下僕としてその野望の為に貢献していくことだろう。
「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」
終