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こんにちは、スタジオ真榊です。2023年11月16日、国内での画像生成AIブームの元祖となったNovelAIが最新モデル「NAIDiffusionV3」を公開し、多くの方がその「ヤバさ」を体験しているところと思います。私も昨年10月にNAIを触って画像生成AIの世界に入りましたが、久々に味わう「版権キャラ生成可 / nsfw生成可」という遠慮のなさとSDXLベースの圧倒的描画力にクラクラしているところです。


V3の特徴は、DALL-E3が登場したときに感じた「知識がなくても、万人がすぐに遊べる安心感」とは真逆の、ピーキーで尖りまくった調整。その一方で、はっきりと他のツールやサービスを圧倒するパワーもあり、賛否両論を巻き起こしそうな感じがします。この記事では、再び画像生成AIの話題の中心に戻ってきたNovelAIについて、利用開始までの基本とSDとの違い、プロンプトや生成設定の解説、そしてnsfwと版権キャラについてまとめたいと思います。


目次

・NovelAIの登録方法

・Opus一強?各プランの違い

・Opusプランの使用感

・Anlasは「支給」ではなく「補充」

・画像生成画面の見方

・画面遷移にご注意!

・プロンプト入力欄あれこれ

 - 規定クォリティタグのプリセット

 - ネガティブタグのプリセット

・過去の生成画像を読み込むには?

・【上級者向け】詳細設定も確認しよう

・NovelAI独特のプロンプト術

・小括と注意点


NovelAIの登録方法

さて、既にNovelAIアカウントを持っている人も多いかもしれませんが、まずはNovelAIのサイトにアカウントを登録する方法から駆け足で説明していきます。こちらからNovelAIのトップページに飛びましょう。



初めての場合はアカウントを作りましょう。右上の「Log In(ログイン)」を押してから「Sign Up(新規登録)」 をクリックし、ログインに使用するメールアドレスとパスワードを決めます。

登録したアドレス宛に運営からメールが届くので、文中のリンクに飛べばアカウント登録完了。再度トップページに戻り、「Log In」からさきほどのメールアドレスとパスワードを打ち込めば、無事ログインできるはずです。


ダッシュボード画面の左上にある歯車マーク「」から、NAI全体の設定を操作できますので、まず最初に設定変更しておくのがオススメ。


上から二番目の「画面表示設定」の中にUI言語設定という欄があり、「日本語」に変えることができますので、とりあえずやっておきましょう。ただ、翻訳されない部分も多いですし、たまに英語より分かりづらい翻訳がされている部分もあるので注意が必要です。以降、この記事では基本的に日本語verの表記を採用して解説していきます。

なお、「アカウント」欄からは現在のティア(契約プラン)が確認できますので、出戻りの方はチェックしておきましょう。


次に、右上の「Manage Account」ボタンを押します。サブスク未契約の場合は「有効なサブスクリプションを持っていないようです!サブスクリプションをアップグレードしますか?」とメッセージが出るので、「進む」を押し、3つの有料プランからサブスクに加入しましょう。ただ、NovelAIではプラン未加入の状態でも「Anlas」(生成に使う通貨)を直接購入して生成することもできるので、単に使用感だけを確かめたい場合はプラン加入しない選択肢もあります(プラン未加入だと割高価格です)


NovelAIにはドル建てで10ドル、15ドル、25ドルの3プランがあり、主にそれぞれもらえる通貨「Anlas」の数が異なります。NovelAIではこの「Anlas」を支払ってイラストを生成してもらうルールで、求める枚数やサイズ、クオリティーが贅沢なほど、多くのAnlasを支払う必要があります。Anlasが枯渇したら追加料金を支払って補充することもできます。円安ドル高の昨今、プランは慎重に選びたいところです。


Opus一強?各プランの違い


三つのプランの違いはざっくり以下の通り。


・Tablet (10$):通常のプラン。毎月1,000 Anlas支給される。

・Scroll(15$):Tablet と比べてメモリが少し増える大盛プラン。もらえる通貨はTabletと変わらない(1,000Anlas)

・Opus(25$):1ヶ月に10,000 Anlas支給される特盛プラン(※ただし、使い残した分は次月消滅するので注意) 小さいサイズの画像のみ点数無制限で画像生成可能。


 昨年書いたNovelAI入門記事を読み返してみると、「私の場合、お試しのTabletで始めましたが、12時間ほどで1,000Anlas使い切りました」と書いてありました。が、V3は支払額ががっつり上昇しており、現在は15分くらい遊んでいたらさっさと1000Anlas消えるレベルになっています。


 ざっくりですが、v3で4枚生成すると60~80Anlas、そのうち1枚を選んでEnhance(i2iアップスケール)するのに25Anlasくらいかかります。もともと置きっ放しにしていた1万Anlasも一日で使い切ってしまいました。正直、SDやDALL-E3のノリでバンバン生成するわけにはいかないお値段です。

 ちなみに、サブスク加入状態ではなくてもちゃんとログインは可能で、以前のAnlas残高を使って画像生成をすることができ、追加購入もできることを確認しています。久々にNAIに戻ってきた方は、プラン加入より先にまず生成を試してみるとよいかと思います。


 さて、3プランの違いですが、結論から言って「初心者はプラン未加入でAnlas直接購入がおすすめ、入るなら最初からOpus一択」というのが現状かなと感じています。特盛りプランであるOpusは「small/normalサイズの画像のみ点数無制限で1枚生成可能、inpaint(i2i)もOK」という最大の利点があるので、この恩恵にあずかりたい方は加入してもよいですし、そこまで遊ばなそうな方はサブスク加入せずAnlasだけを購入して画像生成するのがよいでしょう。


v3でプロンプトを試行錯誤しているとあっという間にAnlasが消えていくので、いわゆるプロンプト探り・seed値探りをするときにこのOpus特典は有用です。特に、NAIv3のインペイントは非常に高機能ですので、SDのオプションのように使うこともできるでしょう。ただ、Opusといえども複数枚同時生成したり、largeサイズで生成したりすると普通にがっつりAnlasを取られるので、そこまで万能な特典ではないことに注意が必要です。


ちなみに、最初の契約更新タイミングは「登録から1か月後の午前9:00」。月末締めではないことを覚えておきましょう。



Opusプランの使用感

Opusプランの無料生成ルールは、詳しく書くと「img2imgでない画像を1回あたり1枚ずつ生成する場合で、smallかnormal設定のサイズであり、ステップ値が 28 以下である場合、無料で何回でも生成が可能」というものです。それぞれのサイズ設定は以下の通り。


小サイズ(small):長方形768x512px 正方形640x640px

普通サイズ(normal):長方形832x1216px 正方形1024x1024

大サイズ(large):長方形1024x1536px、正方形1472x1472px


ちなみに、「Opusプランで832x1216pxサイズのイラストをステップ28で4枚同時生成」だと60Anlas必要。Largeサイズの場合は、1枚だけでも30Anlas必要です。


      ▲Opusプランに加入していれば「0Anlas」に



通信環境にもよるでしょうが、Normal1枚生成に掛かる時間は体感で10秒くらい。複数枚同時生成できないとストレスが大きいか、というとさほどでもないです。特に、v3はまだ適切なプロンプトがあまり探られていないこともあり、いろいろなクォリティタグを総当りで試したいときにOpusプランがあるとありがたい。


プロンプトをいじる必要がなくなったら4枚生成し、良いものを選んでバリエーション生成したりEnhance(拡大i2i)したりするのはNiji journeyと似ていますが、これらの生成時もAnlasが掛かります。デフォルトのStep28を29に上げると通常サイズでも20anlas必要に...。このように、お財布を意識しながら戦うのが「NovelAI」という戦場です。


特盛りプランであるOpusがこうした特典がある一方、通常・大盛りプランであるtablet、scrollは分が悪いです。月1000Anlasしか支給されない上、無料生成の特典もなく、Anlas購入分と別にわざわざ加入するメリットが感じにくいつくりになっています。使用Anlasがどんどん膨らむ中、今後このあたりも変更があるのかもしれませんが、少なくとも記事執筆時点においては「未加入かOpus」で良いのではないかなと感じています。


Anlasは「支給」ではなく「補充」

ちなみに、Opusプランは1ヶ月に10,000Anlas「補充」されますが、「支給」ではないので、使い残した分は次月を迎えたときに消滅します。つまり、Anlas残高は「定期購入Anlas」「有償Anlas」に分かれており、定期購入分を使い切らないと次回の補充時に損をすることになります。

この画面にある「定期購入のAnlas」というのが、Opusプランによって「補充」された10000Anlasの残り。有償Anlasが、この画面から直接購入したAnlasの残りです。有償Anlasは定期購入Anlasを使い果たすまで消費されません。


例えば、この画面の状態で次回更新時を迎えると、8,824Anlasから再び10,000Anlasに戻るだけで、定期購入分が18,824Anlasにはなりませんので、損することになります。TabletプランからOpusプランにバージョンアップする場合、Tabletプランで支給された1,000Anlasはバージョンアップの時点で消滅します。「更新・プラン変更時に支給Anlasは消え、持ち越しは不可」ということのようです。


Opusプランの月額25$は2023年11月現在、約3,765円。Anlasの追加購入料金は大量購入した方がお得な価格設定となっており、10000Anlas購入なら10.99$=約1,656円です。自分の月に使うAnlasと、無料生成を使うかどうかをよく勘案して決めるとよいでしょう。


画像生成画面の見方

アカウントの準備やAnlasの準備が済んだら、さっそく画像を生成してみましょう。ホーム画面で「画像生成はどこから行くんだ?」と一瞬迷った方も多いかもしれません。NovelAIはNovelAIなので、英語小説の生成機能がメインなのです…!

ホーム画面の中央、「Don't feel like writing?」と少し悲しそうな問い掛けと共に、「画像を生成」のボタンがあり、ここから生成画面に飛ぶことができます。


さて、こちらが「NovelAI」で画像生成する基本画面。SDwebUIに比べるとかなりシンプルですね。



例によってそれぞれの機能を説明書きしたのがこちら。拡大してごらんください。


画面左側のメニューが生成のメイン欄。一番上にある「使用モデル」欄が、利用するNAIモデルの種類です。最新モデルである「NAI Diffusion Anime V3」がちゃんと選択されているか、ちゃんとチェックしておきましょう。


【注意】画面の左側に過去のNAI生成画像をドラッグアンドドロップするとプロンプトやSeed値、設定などをインポートすることができる仕組みなのですが、その際、使用するモデルもさりげなく変更されます。v3でないNAIモデルで生成した画像をインポートした場合、使用モデルを「v3」に戻すのを忘れないようにしましょう。


               * * *


さて、NovelAIにおける大まかな使い方は次の3つです。


①text2image(テキストから単純生成)

②image2image(入力画像を元に改変)

③inpaint(入力画像のマスクした部分だけを改変)


ここを読んでいる方の多くは既にStableDiffusionに触れている方が多いと思うので、それぞれの違いは詳しく説明しません。もちろん、NovelAIで生成していない画像もimage2imageすることができますが、言わずもがな、他人の著作物のi2iはトラブルの元なのでしないようにしましょう。


画面遷移にご注意!

画面の見方を説明する前に、注意しておくべきことがあります。NovelAIには生成履歴のセーブ機能がありません。画像生成をするたびに画面右の「History」欄に生成履歴が表示されていくのですが、あやまってブラウザバックしたり、更新ボタンを押したりすると、警告なく全てが消えます。それを防ぐためには、右下の「一括で圧縮保存」からこまめに生成画像を保存するしかありません。たくさんAnlasを消費したのに、ダウンロードする前にブラウザの「戻る」ボタンを押したらすべてがパーになるというのは驚くべき仕様ですが、半年経ってもそのままとはちょっと驚き。画面遷移時に「生成履歴が消去されますが、本当に移動しますか?」のメッセージをポップするだけで防げるはずなのですが・・・。皆様も重々お気を付け下さい。


プロンプト入力欄あれこれ

さて、話を続けます。「プロンプト」「除外したい要素」がそれぞれポジティブプロンプト、ネガティブプロンプトを打ち込む欄です。StableDiffusionと同様、プロンプトは基本的に英語にしか対応していません。基本的なルールは、単語をカンマ「,」で区切ることと、強調したい単語は{}で囲むこと、弱めたいタグは[]で囲むことです。かっこ一つあたり1.05倍強める、もしくは1.05分の1に弱めることができ、{{black hair}}のように複数重ねて強めることも可能です。SDと異なり、(black hair:1.4)式の強調は使えません。


打ち込んだ文字列から予測されるタグを一覧表示する便利な機能があるので、大いに活用しましょう。例えば、手に関するプロンプトを指定したいときは「hand」と打ち込むだけで、このように頻出タグが一覧表示されます。クリックで選ぶより、方向キー下+ENTERで選ぶと早いです。


こうしたタグは過去記事の「プロンプト辞典」に多数収録しています。こちらも参考にしながら、呪文を打ち込んでいきましょう。

髪型指定からエロ用語まで!画像生成AI用プロンプト辞典



規定クォリティタグのプリセット

プロンプト欄の右上にある歯車ボタンを押すと、「品質タグ(クォリティタグ)を加える」というボタンが出てきます。これをオンにすると、画面上には表示されませんが、NovelAI側の用意した品質アップのためのクォリティタグが内部的に付与される仕組みです。V3モデルの場合「aesthetic, best quality, absurdresAnime」の三つがプロンプトの最後に加えられます…


【11/21 0:30追記】コメントで情報を頂き、生成画像のメタデータを見てみたところ、末尾に追加されている品質タグが「best quality, amazing quality, very aesthetic, absurdres」となっており、公式チュートリアルの説明と食い違って…と思いきや、チュートリアルもそのように書き換わっていました。記事執筆中の私の見間違えでなければ、昨日今日で差し替わった可能性があります。同じく、ネガティブの「強い」も一部{bad}が入るなど差し替わっているようです。



初代NAIでは「masterpiece(傑作)」などが入力される仕組みで、NAIモデルに共通する顔立ちが「マスピ顔」と呼ばれるきっかけになりました。SDと違い、利用者全員が同じモデルを使う以上、クォリティタグが同じだと顔立ちが似通う可能性はいまもありますので、同じ顔立ちから離れたい場合はOFFにして、自分で品質タグを考えるとよいでしょう。(※ただ、v3においてマスピ顔と呼べるような顔立ちの収束はあまり見られないと感じています)


ネガティブタグのプリセット

「除外したい要素プリセット」は、いわゆるネガティブプロンプト用の除外タグのことで、「強い」「軽い」「なし」の3種類があります(日本語訳がわかりにくい・・・)。低品質化やぼけ、テキストなどの混入を防ぐためのものです。v3ではそれぞれをオンにすると、下記のタグがネガティブプロンプトとして追加されます。


強い:lowres, {bad}, text, error, missing, extra, fewer, cropped, jpeg artifacts, worst quality, bad quality, watermark, displeasing, unfinished, chromatic aberration, scan, scan artifacts,

(低解像度、悪い、テキスト、エラー、欠落、余分、少ない、トリミング、jpeg アーティファクト、最悪の品質、低品質、透かし、不快、未完成、色収差、スキャン、スキャン アーティファクト)

軽い:lowres, jpeg artifacts, worst quality, watermark, blurry, very displeasing,

(低解像度、JPEG絵、最悪の品質、透かし、ぼやけていて非常に不快)


あえて被写界深度を適用したイラストを作りたい場合などは適宜修正しましょう。また、プリセットを使うと同じような画像に寄る可能性もあるので、クォリティタグと同様、自分でネガティブプロンプトを編みたい人もオフにしてみるとよいでしょう。


「参照用画像を追加(任意)」と書いてあるところがimage2image用のウィンドウです。横にある「↑」ボタンを押して元画像をアップロードしてもよいですし、当該ファイルをこの左側のメニューにドラッグアンドドロップしても読み込むことができます。(詳しくは後述します)


「画像設定」の欄では、画像サイズを設定することができます。サイズが大きいほど、一度に生成できる画像の数は少なくなります。v3の場合、画像サイズ「大」の場合は2枚まで、「普通」は4枚まで、「小」は6枚まで同時生成できます。


過去の生成画像を読み込むには?

画面左のエリアに過去にNAIで生成した画像をドラッグアンドドロップすると、このようなメッセージが表示されます。

こちらのメニューを使うことで、過去に生成した画像のSeed値やプロンプト、設定などをインポートすることができますので、生成画像は不要なものもできるだけ「一括保存」して取っておくようにしましょう。ちなみに、「ヒストリー」欄をクリックして画像を中央に表示し、そこからドラッグしてきてもこの画面を呼び出すことができます。


<ピンどめが便利!>

気づきにくいのですが、画面右下に「ピンどめ」というボタンがあります。


これを押すとこのように、いまメイン画面にある生成画像を、画面脇に「ピンどめ」することができます。

例えば、ある画像を元にバリエーション生成や「Enhance」を繰り返して最終画像を作っていきたいときに、そのタネになる画像がヒストリー欄に埋もれてしまうと、いちいち読み込み直すのがおっくうだったりします。そういうときに、ピンどめ機能を使っておくと、何度でもその画像にすぐ戻っていろいろな再生成ができ、なかなか便利です。



【上級者向け】詳細設定も確認しよう

画面下部にはさらに細かい「AI設定」欄があり、それぞれ下記のような調整を加えることができます。(よくわからなくなったら、右上の「↺」ボタンでデフォルトに戻せます)


▼ステップ

ノイズ除去を何回行うか。デフォルトは28。多いほど高品質になるが、必要Anlasも生成時間も増える。ある程度で飽和するので、やみくもに高くすればいいわけではない。

▼正確度

SDで言うスケール。プロンプトへの忠実度を示している。推奨値は5~6。高くするとプロンプトをより正確に反映させようとする一方、AIが自由に画像を描けなくなるため、一般にイラストの品質は下がる。

▼シード値

基本はランダムになっているが、ここを固定すると、プロンプトや設定が同じなら同じ画像を生成することができる。生成した画像欄の右下にあるシード値をクリックすると、ここにコピーすることができ、同じシード値で違う設定の画像を作ることができる。

▼サンプラー

v3では「Euler」「Euler_Ancestral」「DPM++2S Ancestral」の三種が推奨とされている。デフォルトはEulerで、個人的にはEuler_Ancestralでいろいろと試している段階。プロンプト制御のしやすさや崩壊度合いなどそれぞれ使用感が大きく異なる上、SDXLとの相性もあるので、うまくいかない場合は推奨サンプラーに戻そう。

▼smea

サンプラーの高品質化オプションのようなもの。特に1024x1024px超の高解像度イラストを生成する際に、画像の一貫性と品質を向上させられる。smeaは「Sinusoidal Multipass Euler Ancestral」の略で、繊細なタッチのイラストにガラッと変わる一方、消費Anlasも高価となっている。「DYN」も併せてONにすることで、smea単体とはまた違ったテイストになる。また、右上の「Auto」をオンにしておくと、画像サイズに応じて自動適用される。

▼除外したい要素の強さ:ネガティブプロンプトの「効き」を操作できる欄。100%が通常。どうしても排除したい要素があるのに効かない場合は弱めてみるとよい。変更すると消費Anlasが増える。

▼プロンプトを反映する正確度の再調整:NAIv3はこれまでのバージョンよりも低い「正確度(スケール)」で生成できるようになっているが、推奨値(5~6)より高い数値にすることで、よりプロンプトに忠実に生成できる。ただ、高スケールでは彩度がどぎつくなる傾向があるため、この「正確度の再調整」を使って色合いの変化を防ぐことができる。デフォルトは0(=OFF)。

▼ノイズ設定:ノイズパターンに関するパラメータのようで、デフォルトは「native(推奨)」になっている。「exponential」「polyexponential」の二つがある。


大事なポイントはやはり「smea」のオンとオフ。かなり出力が変わるので、高解像度で生成する場合は試しておくことをおすすめします。ステップと正確度は、まずは「28」「5~6」で良いかと思います。Anlasを支払ってステップ数を上げるよりも、あとでEnhanceしたほうが良質な画像が出やすいと感じていますが、好みに合わせて調整してみてください。



NovelAI独特のプロンプト術

(スクリーンショット引用:NovelAIチュートリアル


さて、V3モデルにおいては、タグの順序が非常に重要であるとされています。一般にタグがプロンプトの前の方にあるほど影響が大きくなるのは常識ですが、v3は特にこの傾向が強いようです。v3独特の事情として、公式からは「一部のタグはプロンプトの先頭に特定の順序で配置されることが求められる」「プロンプトの先頭近くに配置されたタグに重点を置く特別な機能がある」と説明があり、実際に生成していても、1~3個目に置くことで強烈に作用するタグがあるように感じています。体感ですが、メインモチーフの概要(1girl,2boyなど)や画風、キャラ名、版権作品名を冒頭で指定すると、プロンプトの後段で指定するよりも明確に作用するように見えます。


<1girlから書き始めてみよう>

公式のプロンプトガイダンスでは、どんなイラストかを最も端的に示すタグを最初に置くべきだとされており、例えば「1girl,solo」などで始めることが推奨されています。


▼チュートリアル:NovelAI Diffusion Animeで一貫したキャラクターを作る


こちらは、このチュートリアルの中で公式が示したプロンプト例。


1girl, solo, full body, swept bangs, bob cut, medium hair, platinum blonde hair, aqua eyes, pale skin, witch hat, blue headwear, blue cape, white shirt, long sleeves, corset, leather belt, leather pouch, short skirt, blue skirt, frilled skirt, black pantyhose, brown gloves, knee boots, medium breasts, skinny, slim legs


「女の子1人の全身イラスト」というイラストの概要を示すタグを最初に三つ置き、キャラの特徴や服装を書き連ねるスタイルです。末尾にクォリティタグは加えられていませんが、生成してみるとそれなりに安定した結果が出ています。また、いわゆる色移り(指示していない場所に色タグが影響する)も抑えられているようです。


「品質タグの追加」ボタンでは末尾にタグが付与される仕様なので、クォリティタグは被写体の特徴タグより後段でも構わないもよう。「aesthetic(美)」などがそれで、かつての「masterpiece(傑作)」に変わってこちらのタグが現在のNAIでは主流なクォリティタグになっているようです。


<候補に「●」が出なくても…?>

タグの予測機能では、出てくる候補の後ろにグレーの「●」が表示されますが、これが濃いほどv3モデルがこのタグを学習していることを示しています。ただ、この予測機能に表示されないタグが一切通じないわけではありません(重要)。また、必ずしも一番上に出てきたタグが一番学習されているわけでもないようです。


NAIは自然言語での指示も理解でき、例えば「A girl wearing a sailor suit is sprinting through the school with a bread in her mouth and a panicked expression on her face.」(セーラー服を着た女の子が口にパンをくわえて、焦った表情で校内を全力疾走している)といった指示でも一応は認識します。Seed値を固定して、いろいろなタグを放り込んで効果を確かめてみるのが良いと思います。


公式から案内されている代表的な要素タグは以下の通り。詳しくはプロンプト辞典もご参照ください。


画角タグ

atmospheric perspective(空気遠近法), dutch angle, fisheye, panorama, vanishing point, perspective, pov, rotated, sideways, upside-down, from above, from behind, from below, full body, cowboy shot, upper bodyなど


画風タグ

3d (medium), animated (medium), watercolor (medium), ink (medium), pen (medium), copics (medium), graphite (medium), watercolor pencil (medium), spot color (medium)など


時代タグ

1990s (style), 1980s (style), 1800s, renaissance, rococo, retro

※「year XXXX」というタグも公式で紹介されています。例えば、「year 1990」で1990年当時の画風が、「year 2023」で最新の画風が適用されるようです。後述しますが、このタグは特定のイラストレーターさんの画風に寄りすぎることがあり、注意が必要です。


このほかにも無数のタグがありますので、詳しくはプロンプト辞典をご覧下さい。

髪型指定からエロ用語まで!画像生成AI用プロンプト辞典


小括と注意点

さて、ここまでで、おおかたの基礎説明は終わりです。次回は後編ということで、NAIv3向けのクォリティタグの探り方や「インペイント」「雑塗りi2i」を使った作例、v3の特徴である版権キャラ再現に関する注意点や、nsfw表現のプロンプトの組み方などなど、より具体的な生成方法について触れていきたいと思います。


次回の更新に先立って、この記事で始めて画像生成AIを触れる方に、特にお知らせしておきたいことがあります。NovelAI「v3」は、いまだかつてないレベルで版権キャラクターの再現が得意なモデルです。単にキャラクターの特徴を再現できるだけでなく、公式イラストと見紛うレベルに画風も「寄った」ものが生成されるため、生成画像をウェブ上で公開するときにはこれまでになく注意して行わないと、トラブルや炎上のもとになります。特に、有名クリエイターさんやイラストレーターさんの名前をタグとして打ち込むことは大変リスキーです!


   ▲単純な作品名タグだけで、掲載できないレベルの画像が出てしまう例



「キャラクターや画風は著作権保護されない」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これらは確かに正しいものの、キャラクターと画風が両方揃って公式(または特定のクリエイター)に酷似したものが出た場合、偶然「既存の著作物とほとんど同じもの」が出てしまう恐れがあります。また、プロンプトによっては、特定絵師の画風を指定していないにも関わらず、画風が「寄ってしまう」ことがあり、いらぬトラブルを呼び込む恐れがあると感じています。


二次創作は自己責任の世界ですし、この記事において他人様に「このようにしなさい」と強制することはありませんが、法廷で勝てる/勝てないとは関係なく、トラブルに巻き込まれてしまったら私生活がめちゃくちゃになることは想像に難くないところです。いつものとおり、「そうしたことにならないよう、しっかり調べて自己防衛しましょう」とだけ申し上げて、今回の記事を終えたいと思います。


それではまた近い内に!スタジオ真榊でした。





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