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こんばんは、スタジオ真榊です。今回は、初心者向けに改めてStableDiffusionWebUI(以下SDwebUI)をインストールする方法をコンパクトにまとめたHowto記事です。


AIイラストの初心者向け解説については「今から追いつく!AIイラスト超入門」に詳しくまとめてありますが、今回の記事はそちらでは省略した「SDwebUIを実際に動かすまで」の流れについて、PC知識のない方にも分かりやすく解説する内容となっています。


【全体公開】今から追いつく!AIイラスト超入門

こちらの記事は2023年3月9日に投稿された旧バージョンです。特段の理由がなければ、最新事情を盛り込んだ「AIイラストが理解る!StableDiffusion超入門」をご覧ください。 こんばんは、スタジオ真榊です。このところ、ツイッター経由で公式サイトやこちらのFANBOXへのアクセスが急増しており、これからAIイラストを始め...


※ちなみに、【StableDiffusion導入解説】NovelAI中級者がローカル環境を導入したら別世界に突入した件ではgitとPythonを使ったインストール方法を紹介していますが、今回はより簡単なインストーラーを使った方法を解説します。イラストAI自体触るのが初めて!という方向けの記事です。


目次

AUTOMATIC1111版StableDiffusionWebUIとは?

必要なもの

推奨スペック

インストール方法

- 1.Stable Diffusion web UI本体を入手する

- 2.学習モデルを入手する

- 3.vaeを入手する

- 4.起動ファイルを修正する

- 5.アップデートで最新版にしよう

ついに実行

日本語化しよう

テスト生成してみよう

閉じ方と次回の起動方法


AUTOMATIC1111版StableDiffusionWebUIとは?

さて、この記事で説明するのは「AUTOMATIC1111版SDwebUI」と呼ばれるアプリのインストール方法です。簡単に言えば、AUTOMATIC1111氏という人物が配布してくれている「StableDiffusionを誰でも簡単に使えるWebUI型アプリケーション」のこと。界隈ではSDwebUIとか、単にwebUIとか呼ばれることが多いです。


            ▲AUTOMATIC1111氏



こちらのリンク先からその全容を知ることができますが、全て英語ですし、パッと見で初心者に理解できるようには作られていません。そこで、この記事ではPCが苦手な人でも誰でも操作画面にたどりつけるように、平易な表現で解説していこうと思います。


ちなみに、こちらのサイトは「GitHub」というソフトウェア開発のためのプラットフォームで、SDwebUIをめぐる多くの拡張機能などもこちらで配布されています。今後よくアクセスすることになるので、覚えておきましょう。


必要なもの

Stable Diffusion web UIをローカル環境で動かすには、これらを用意する必要があります。


・NVIDIA製GPU(GeForceRTXシリーズ30XXなど)を搭載したPC

・Stable Diffusion web UI本体データ

・Stable Diffusionの学習モデル


SDwebUIは、さまざまな画像生成AIの学習モデルを読み込むことで動作します。アニメ風のイラストを描くのが得意なモデルもあれば、実写のような写真を描くのが得意なモデルもあり、ユーザーの命令に対してどんな画像が出てくるかはモデルによって大きく異なります。



こちらは、4つの学習モデルに対して「1girl,smile,sky」(青空と笑顔の少女を描いて)と指示して生成してもらったイラスト。この違いは、それぞれのモデルがどんな画像を見て学習したかによって生じています。各学習モデルは、ユーザーが依頼する「AIイラストレーター」みたいなものであることがわかると思います。


推奨スペック

推奨されるPC環境は以下の通り。


【Windows】Windows10か11の64bit版

【CPU】Intel Core-i シリーズ・AMD Ryzenシリーズ

【メインメモリ】16GB以上

【GPU】NVDIA製 12GB以上

【ディスク容量】80GB以上

【ディスク種類】SSD


GPUはエラーなく高解像度の画像も出力できる12GB以上のもの、ディスクはSSDをおすすめします。学習モデルは無数の教師データから特徴を学んでいるため、一つあたり数GBの容量があるのが普通で、それなりに長時間の読み込みが発生します。SSDの中に学習モデルを入れることで、待ち時間を大きく減らすことができます。


インストール方法

まず、導入にあたってはドライブの空き領域を十分に作っておいてください。学習モデルは一つあたり4~8GBほどありますし、たっぷり空き容量がないと画像生成もできません。Cドライブ以外にインストールすることも可能ですが、エラーも起きがちなので、最初はCドライブで始めることをおすすめします。


1.Stable Diffusion web UI本体を入手する


まずはSDwebUIのインストーラーが配布されているこちらのURL(▲)にアクセスしましょう。



「Assets」をクリックし、出てきた「sd.webui.zip」をクリックして、デスクトップなどに保存します。


SD webUIをインストールしたい場所(特にこだわりがなければCドライブ直下がおすすめ)を開いて、そこに「sd.webui.zip」を解凍します。誤作動を起こす可能性があるため、日本語を含むフォルダ名は避けてください。

解凍されたsd.webuiフォルダの中身はこんな感じ。この記事では、このフォルダのことを「sd.webuiフォルダ」、上から二番目のフォルダを「webuiフォルダ」と読んで区別するので、覚えておいてください。



2.学習モデルを入手する


あとは学習モデルを入手すれば、晴れて画像生成が可能になります。学習モデルは「.ckpt」もしくは「.safetensors」という拡張子で配布されている事が多く、「C:\sd.webui\webui\models\Stable-diffusion」のフォルダに放り込めば動作します(※Cドライブ直下にインストールした場合)。safetensorsはckptにあった欠点や危険性を改善したものなので、両方の拡張子で配布されていたらsafetensorsの方を選ぶようにしておけばOKです。


学習モデルは非常に様々な種類がウェブ上で配布されていますが、まず最初にStableDiffusionの公式学習モデルをダウンロードする方法を紹介します。



まずはこちらの配布先にアクセス。「v2-1_768-ema-pruned.safetensors」の横にある「5.21GB LFS↓」をクリックすると、SD公式学習モデルのダウンロードが始まります。



学習モデルの保存先は「C:\sd.webui\webui\models\Stable-diffusion」です。親切に「Put Stable Diffusion checkpoints here.txt」という案内テキストが置かれているので間違えることはないでしょう。「models」フォルダの中には、他にも「VAE」や「LoRA」といったさまざまなファイルを置くためのフォルダがあります。



3.vaeを入手する

次に「vae」という追加学習データを入手します。先程SD公式の学習モデルをダウンロードしたので、vaeもSD公式のものを使ってみましょう。


vaeは「Variational Autoencoder」の略で、どんなvaeを使ったかによって主にイラストの色合いが変わる、とだけ覚えておけば今は大丈夫です。学習モデルごとに異なるvaeが用意されていることもありますが、基本的には同じものを使い回せるので、学習モデルほど切り替えるタイミングはありません。



こちらのリンク先(▲)に飛び、「vae-ft-mse-840000-ema-pruned.safetensors」の横の「335 MB LFS↓」をクリックすればSD公式vaeのダウンロードが始まります。保存先は「C:\sd.webui\webui\models\VAE」に置きます。


こちらは同じ設定で、異なるvaeを適用した2つのイラスト。色合いが微妙に変化していることがわかると思います。


4.起動ファイルを修正する

これは省いてもちゃんと動作するのですが、やっておくと便利な工程です。「オート起動機能」と「Xformers(高速生成)」機能をサクっと入れてしまいましょう。


「Xformers」という画像生成を高速化するためのオプションを導入することで、環境にもよりますが生成にかかる時間を1〜2割程度短縮し、かつ使用するメモリも減らすことができます。そのかわり、生成される画像に若干の影響がある(毎回微妙に生成結果が変わる)とのことですが、正直違いを体感することがほとんどないので、未導入の方はとりあえず導入してみることをおすすめします。


やり方は簡単。webuiフォルダにある「webui-user.bat」を右クリックして「編集」か、メモ帳にドラッグアンドドロップで開きます。そうすると、下記のような文字列が表示されます。


こちらの「set COMMANDLINE_ARGS=」の後ろに、追い込み(スペースなし)で--xformers --autolaunchと入力し、上書き保存すればOK。xformersの後ろに半角スペースが入るので、該当の行が「set COMMANDLINE_ARGS=--xformers --autolaunch」となっていれば大丈夫です。


これでXformersによる高速化と、オート起動機能がSDWebUIに備わりました。初めてだとわかりにくいですが、オート起動というのは、読み込みが終わると自動でWebUIの画面をブラウザに表示してくれる素晴らしい機能なのです。


5.アップデートで最新版にしよう


いよいよWebUIを起動する前に、最新版へのアップデートを行います。


「sd.webui」フォルダ内にある「update.bat」を実行します。黒い画面が表示され、このように「続行するには何かキーを押してください…」と出たら、なんでもいいのでキーを押せば終了です。


Stable diffusion WebUIは日々、解説が追いつかないほどのスピードで更新されています。さまざまな新機能や便利機能をあまさず楽しむためにも、定期的にアップデートをすることを忘れないようにしましょう。今後アップデートするときは、SDwebUIが起動していない状態(黒いコマンドプロンプト画面が開かれていない状態)で、今回と同様に「sd.webui」フォルダ内にある「update.bat」を実行すればOK。アップデートする内容がない場合は「Already up to date.」と表示されます。


※何度もアップデートを重ねていると、起動時のコマンドプロンプト画面に「ERROR」と表示されることが増え、だんだんと動作がおかしくなってくることがあります。一部の拡張機能が動作しなくなるなど、アップデートによる不具合はある種日常茶飯事なので、致命的な状態になったらまたこの記事を参考に、別のフォルダに新しくWebUIを再インストールしてみてください。

※ディスク容量に余裕がある方は、問題なく動作する時点のsd.webuiフォルダを別の場所にバックアップしておくと良いでしょう。アップデートによって不具合が生じた場合、いつでも巻き戻すことができます。


ついに実行

ここまですべての準備が整ったら、SD WebUIのインストールフォルダを開き、実行ファイルである「run.bat」を実行します。先程のように黒いコマンドプロンプト画面が表示され、少しずつ必要なファイルのインストールが進んでいきます。画面が停止しているように見えることもありますが、ゆっくりと進んでいますので気にせず放置してください。



最後に「To create a public link, set `share=True` in `launch()`.」という行が表示されたら、読み込みは終了。ブラウザが自動で開き、SDWebUIの画面が表示されます。お疲れ様でした!


この真っ黒な「コマンドプロンプトウィンドウ」は、SDWebUIの動作に必要な画面ですので、使用中も開いたままにしておいてください。


(※ちなみに、さきほど「--autolaunch」という一文を入れたおかげでブラウザが自動で立ち上がっています。入れていないと、毎回読み込み終了後に表示されるURLをいちいちコピペする必要があるので、入れておいてよかったと思うことでしょう…)


         ▲SDWebUIの画面(日本語化しています)


日本語化しよう

インストール直後は全て英語表記ですが、拡張機能を利用すれば、上のスクリーンショットのようにUIを日本語化することができます。さっそくやってみましょう。


①画面上部の「Extension」タブをクリックし、「Installed」「Avaliable」「Install from URL」とある中の「Avaliable」をクリック

②「localization」の左に入っているチェックを外し、「Load from:」ボタンをクリック(ここにチェックが入っていると、翻訳機能が一覧から除外されてしまうので外す必要があります。例えば「installed」にチェックが入っていると、既に導入した拡張機能は一覧から除外されます)


③しばらく待つとExtensionリストがずらっと表示されます。これらは全て、WebUIをさらに便利化・高度化してくれる拡張機能の一覧です。Ctrl+Fなどでこちらの「ja_JP Localization」を見つけ、右端にある「Install」ボタンをクリックすれば拡張機能がインストールされます。



④この時点では、まだ機能がインストールされただけで、日本語化は実行されていません。翻訳機能を有効にするため、画面上部メニューの「Settings」タブをクリックし、画面左の一覧から「User Interface」をクリックします。



⑤下の方にある「Localization (requires restart)」の「None」を「ja_JP」に変更。画面上部の「Apply settings」を押します。

⑥「settings changed: localization」と表示されたら成功です。画面上部の「Reload UI」を押すことで、UIがリロードされ日本語機能が有効化されます。(画面最下部の『Reload UI』を押しても同じです)


UIのリロード時、このようにうまく読み込めないことがありますが、「再読み込み」を何度か押すか、F5キーで再読み込みしてみると、やがて表示されますので慌てなくて大丈夫です。これで無事日本語化がすみました!


SDwebUIには、日本語化のほかにも非常に便利な拡張機能が多数揃っています。さきほどずらずらと出てきたExtensionリストがそれで、基本的には日本語化拡張と同じ方法で導入することができます。



いつも必ず入れる拡張機能

慣れている方は、この段階で他の拡張機能も入れてしまいましょう(初心者の方はここはすっ飛ばして構いません)。2024年2月現在の個人的おすすめ拡張機能は以下の通りです。


sd-webui-depth-lib

Controlnetに放り込む用の手などの画像を簡単に作れる。個別記事参照。

Wildcards

ワイルドカード。ポーズや背景などのランダム生成に。個別記事参照。

d-webui-animatediff

今回のお楽しみ。連続した静止画を生成して動画が作れる機能。

sd-webui-prompt_history

プロンプト履歴が表示される。ちょっと前に戻したいときに便利

!After Detailer

生成範囲が小さく崩壊しやすい顔や手を描きなおしてくれる。個別記事参照。

TiledDiffusion with Tiled VAE

VRAMの手にあまる大きなサイズの画像も小分けにして生成できる。個別記事参照。

d-webui-controlnet

言わずと知れたControlnet。個別記事参照。

OpenPose Editor

CNで使うポーズ制御機能をさらに使いやすくしてくれる。個別記事参照。

Aspect Ratio selector

生成サイズをボタンで選べる地味にうれしい機能。個別記事参照。

System Info

生成速度などを確認できる。今回の比較用。

WD 1.4 Tagger

画像を放り込むと自動でタグを検出してくれる。LoRA作成のためによく使う。

Booru tag autocompletion

Danbooruプロンプトをオート補完してくれる。

Dynamic Prompts

プロンプトのランダム変化。個別記事参照。


【★拡張機能のアップデート方法】


日本語化を始めとした拡張機能も、SDwebUIと同様に日々アップデートされています。「拡張機能」タブから「インストール済」をクリックすると、これまでに導入した拡張機能が一覧されますが、「アップデートを確認」ボタンを押すと、新しいアップデートがある拡張機能には右端に「behind」と表記されます。

「適用してUIを再起動」ボタンを押すと、その拡張機能がアップデートされ、読み込まれます。新しい機能が加わったり、不具合の修正などが行われますので、たまに「アップデートを確認」するのを忘れないようにしましょう。


テスト生成してみよう

せっかく導入できたので、試しに画像生成をしてみましょう。「txt2img」のタブを開くと画面左上にこのような入力欄があります。ここに好きな言葉を英語で入れてみましょう。「girl」でも「sky」でも「knight」でもなんでもOKです。

「girl」と入れて右上のオレンジの生成ボタンを押せば…



このように、女の子の画像が生成されました。私の環境ではたまたまこんな画像が生成されましたが、生成ボタンを押すたびに違う画像が出てくるはずです。お手元の環境では、こちらのスクリーンショットと見比べると細かい表示が異なると思いますが、拡張機能を入れるとこのように画面がパーソナライズされていきますので気にしなくて大丈夫です。


生成した画像は、インストールフォルダ内にある「output」フォルダに自動格納されます。女の子の画像の真下にあるフォルダの絵文字をクリックすると直接そのフォルダを開くことができますし、別の場所に保存したい場合は隣の「保存」ボタンでOK。これで、ごく基礎的なAI画像生成ができるようになりました!


閉じ方と次回の起動方法

SDwebUIが動作している本体はあくまで真っ黒なコマンドプロンプトのウィンドウの方なので、ブラウザ画面を間違えて閉じてしまっても再度起動することができます。間違ってブラウザの操作画面を閉じてしまったときは、コマンドプロンプト画面の中から「Running on local URL: http://~」というURLを探して、ブラウザにコピペすれば再び操作画面を呼び出すことができます。(※入力していたプロンプトなどは消えてしまうのでご注意ください。最後に生成した画像の設定は、画面右上の↙ボタンで呼び出すことができます)


SDwebUIの終了方法はコマンドプロンプトを閉じるだけ。次回の起動時も、さきほど起動に使用した「run.bat」をダブルクリックすればOKです。


説明は以上!詳しい画像生成の方法や操作画面の意味などは「今から追いつく!AIイラスト超入門」にまとめてありますので、引き続きそちらを御覧くださいませ。

【全体公開】今から追いつく!AIイラスト超入門

こちらの記事は2023年3月9日に投稿された旧バージョンです。特段の理由がなければ、最新事情を盛り込んだ「AIイラストが理解る!StableDiffusion超入門」をご覧ください。 こんばんは、スタジオ真榊です。このところ、ツイッター経由で公式サイトやこちらのFANBOXへのアクセスが急増しており、これからAIイラストを始め...


これから画像生成AIを楽しまれる多くの方に、この記事がお役に立てますことを祈っています。もし良かったら、ツイッターでも最新情報を紹介していますので、記事のリツイートやフォローをしていただけますと嬉しいです。




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Comments

福寿草

ありがとうございます!!!!!!! google colabも何卒・・・

z-kumagon

いつも助かってます。 ありがとうございます。 ps 私は指定のブラウザで起動されたくないこともあるので。 URL: http://~をブックマークして使うてます。 面倒臭がりだったので、webui-user.batにgit pullを仕込んでいたばかりに、酷い目にあいました。

Anonymous

はじめましてこんにちは。 少し前にイラストAIにハマってから、こちらの各記事にて勉強させて頂いております。 自分は昔からのAMDユーザーなので導入まで色々と苦労しました。

スタジオ真榊

colabから入る方も増えてますよね!費用は掛かりますが、高価なグラボは必要ないですし、初心者にはそっちの方がいいのかも…?記事化、検討しますね!

スタジオ真榊

ああそうか、自動起動しない方がいいって方もいるんですね〜!私はURL貼り付けが面倒すぎて、初めて自動で立ち上がった時は感動でしたわ(笑)

スタジオ真榊

各種解説を読んでいると、AMDでも絶対にできないわけではないみたいですよね。もっと環境構築の費用面が軽くなると、ローカル生成も裾野が広がるんですけどね…

Anonymous

普通にやるとXformersとかは一部機能使えないので、AMDGPUだと辛いですね。 自分は最新のGPUだったのと、一応プログラマーなんで何とかなりましたが、ソースの書き換えとか多分普通のだと分からないでしょうし。。