陸上部少女と水泳部少女(6) (Pixiv Fanbox)
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2023-06-08 09:09:45
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2023-06
Content
【1】
ちゃんと自分を見る大きな鏡があって、化粧品とか香水が並ぶ机に、可愛いアクセサリーと、ピンクの小物、パステル調の色でまとめられた部屋は、女の子の好きなものが全部詰め込まれたような部屋だった。
高校生の女の子の部屋にしては、ベッドに置かれたくまのぬいぐるみは少し幼い感じだけど、この部屋に住む女の子のイメージには合っている。
茶色のミドルヘア、大きくて少しタレ目がちな瞳、白い肌、ふっくらした唇は、まるでお人形さんのようで、すごく可愛い子だ。
そう…あの水泳部少女の部屋である。
彼女は今、ベッドに横になり…荒く息をしている。
「はぁ……はぁ……」
顔は赤く、息も荒い。
そして何より、その格好が問題だった。
上は制服のままだが、下はスカートを脱いでいて、パンツ一枚だけの姿になっている。
そしてそのパンツも脱ぎかけの状態になっていて、足から抜けかけている。
つまり、彼女の下半身は何も身につけていない状態なのだ。
さらに言うと、彼女が横たわるベッドの上には、シーツの上にバスタオルが敷かれている。
ベッドのシーツの上にわざわざバスタオルを敷く理由なんて…ベッドを濡らすかもしれない行為に使う以外にない。
「……はぁ、はぁ……んっ」
彼女は小さく声を漏らしながら、手を熱心に動かした。
右手は胸元に伸びていて、制服の上から控えめな胸を弄り、乳首のあたりを弄っている。
左手はというと股間にある可憐な割れ目を擦り上げており、指が動くたびにクチュクチュという音が聞こえてくる。
そんな自分の破廉恥な姿を見られたくないのだろう。枕元のくまのぬいぐるみは、彼女に背を向けるように置かれている。
「あっ……んんっ!?♡」
彼女が一際高い声で喘ぐと同時に、身体がビクンと大きく震えた。
どうやら絶頂を迎えたようだ。
しばらく身体を痙攣させた後、彼女はそのままぐったりと脱力して、肩で息をしていた。
「はぁ……はぁ……っ…!あの、女っ……次は、絶対に負けないんだからっ…!」
言うまでもなく、水泳部少女はオナニーをしていた。
しかも、普通の妄想ではなく、女性同士のプレイによる快楽を思い出しながら。
以前はこうじゃなかった。彼女はあまり自慰をするタイプじゃなかったし…エッチな妄想も、大抵は大好きな男の子との幸せなセックスシーンばかりだったはずだ。
それが変わってしまった理由はただ一つ。
『あの女』のせいだ。
あの忌々しい陸上部少女が、水泳部少女を変えてしまったのだ。
彼のことを想ってオナニーをしようとするたびに、頭に浮かんでくるのは陸上部の少女。
彼の股間の肉竿に奉仕する妄想をしようとすれば、陸上部の少女も一緒に奉仕しようとして彼の肉竿を奪い合いをする妄想になってしまう。
彼に後ろから犯される妄想をしようとすると、陸上部の少女も隣で尻を差し出して、二人で順番に犯される妄想になってしまう。
彼との幸せなキスを妄想しようとすれば、陸上部の少女は妄想の中ですら出しゃばってきて…水泳部少女と、男の子と、陸上部の少女、三人でキスをして、舌を絡め合う妄想になってしまう。
彼を奪い合う恋敵の女は、とうとう水泳部少女の妄想の中まで侵略してきてしまったのだ。
想像の中ですら彼を独り占めにできない。
女の子らしい独占欲は、彼に対する愛が深いほどに強くなる。その独占欲を満たせないことに、水泳部少女は苛つくのだ。
「○○君を私から奪おうとする泥棒猫……!絶対にまけないんだからっ…!」
叫びながら彼女は再び手を動かし始めた。
今度はさっきよりも激しく、強く、自分を慰める。
水泳部少女の細い指が、小さな割れ目の中に入り込み、グチャグチャと水音を立ててかき回す。
もう片方の手も股間に伸ばし、クリトリスを皮の上から扱くように擦る。
「○○くんは…エッチな女の子の方が可愛くて好きだって言ってたわ…!…あ、んんっ!?♡……次に、エッチな競争になったら……!今度こそ、私の方が…可愛いって言わせてみせるんだから…!」
さっき絶頂に達した時、彼女の脳裏に浮かんだのは、陸上少女の顔だった。
前回お互いに睨み合い、罵り合いながら、やり合ったレズバトル。あの時の記憶がフラッシュバックする。
自分の陥没乳首で陸上部少女の勃起乳首を咥えて乳首でセックスしたり。
下着を股間に食い込ませ合って、お互いの性器を刺激しあったり。
そして、最後は二人でオマンコをぶつけ合って同時にイッてしまった。
その時のことを思い出すだけで、またイライラしてくる。
(私の方が…○○君のこと、好きなのに…!○○君だって、私を選んだほうが幸せになれるのにっ…!……前も、その前も、引き分けなんて…ムカつく…!……次こそ…私の方がエッチで可愛い女の子だって…彼に認めさせてみせるんだから…!)
心の中でそう叫びながら、水泳部少女は執拗に自分の体を責める。
彼女の割れ目から溢れる蜜はどんどん量を増していき、指に絡みつくほどになっていた。
それでもまだ足りないのか、彼女は指を二本に増やして、さらに激しく動かす。
「んっ……あんっ!ふぁぁぁん♡」
ビクビクッと身体を震わせて、二度目の絶頂を迎える。
彼女が今妄想しているのは、陸上部少女とのレズ行為だ。
彼氏を奪い合う恋敵同士でレズプレイをする妄想をしながらオナニーなんて……すればするほど憎悪が増し、イライラし、ストレスが貯まる。
でもそれをするのは…水泳部少女なりの訓練だった。
男の子は、水泳部少女と陸上部少女の取っ組み合いの喧嘩や、殴り合い、蹴り合いの喧嘩を認めない。
水泳部少女も、陸上部少女も、彼を諦めていないから激突は必至なのに。殴り合うような喧嘩はしてほしくないというのだ。
それは彼からの命令ではないのだけど、彼にしてほしくないと言われたら、恋する少女はそれを守りたくなるのだ。
こうなると、次もまた、エッチな競争になるしかない。
水泳部少女は、そのエッチな競争に……つまりレズバトルに、備えているのだ。
このオナニーは自分の体を使って、陸上部少女を犯す訓練をしているのである。
「……このっ!……このっ!」
しかし…訓練のためとはいえ、陸上部少女とのセックスを想像しながらオナニーをするなんて、レズじゃない水泳部少女にとっては気持ち悪い行為でしかない。
嫌悪感で顔をしかめる水泳部少女が、このオナニーから幸福感を得られていないのは明確だった。
でも、それでも、水泳部少女はオナニーを続けた。
女の子の体を気持ちよくさせるテクニックを磨くために。
そのテクニックを陸上部少女との、次の戦いでぶつけるために。
「絶対に負けないんだから…!エッチな戦いだって…!私のほうが彼に相応しい女の子なんだから……!
私から彼を奪おうとするあの女に…絶対に負けないんだから!」
まるで目の前に宿敵の陸上部少女がいるみたいに声を上げながら…水泳部少女は自分の身体を責め続ける。
その訓練の成果は…現段階ですでに現れていた。
女同士でのセックスなんて初体験だった水泳部少女。
彼女の前回のレズバトルは、やはり拙い指使い、舌使いしかできていなかった。
でも今は違う。
女を気持ちよくさせることに特化した動きをしている。
指も舌も丁寧に動き…その動きは見ているだけで卑猥な気分にさせる生々しいものだった。
このテクニックなら、陸上部少女なんて簡単にイカせることができそうなくらいに、巧みな動き。
前回までの戦いでは、精神的な嫌悪感とは裏腹に、相性が良すぎる女同士のセックスに呑まれて相討ちになってしまった。
だけど次は違う。次こそは陸上部少女だけを犯して、一方的にイカせてやる。
そう誓いながら、水泳部少女は自慰にふけり……
「許さないっ…!あのクソ女っ…!今度こそ彼の目の前で大恥かかせてあげるんだから…!」
涙を流すほどに腹を立てながら恨み言を吐く水泳部少女。
頭の中に浮かぶのは…陸上部少女の少しボーイッシュな凛々しく美しい顔、スベスベの肌が擦れ合う心地、まるでパズルのピースみたいに噛み合う陥没乳首と勃起乳首、そして…可憐なオマンコ同士がぶつかったときの快感…!
悔しいけど…陸上部少女との女の子同士のエッチは、背徳的なくらい気持ちよかった…!
でも……何度だって言う。
何度だって誓う。
次こそは、陸上部少女の好きにはさせない。
「うっ……くっ……うぅぅぅぅっっ!!」
彼女は自分のオマンコの周りの肉を鷲掴みにして揉みしだきながら、腟に指を突っ込んで乱暴にかき混ぜ始めた。
グチュッグチャッグチョッ!淫らな水音が大きく響く。
「んぐっ♡あぁあっ!うぁっ♡」
膣壁を指で擦り上げるたびに、腰が浮き上がるほどの快感に襲われる。
指の動きに合わせて、お尻が上下左右に揺れ動き、ベッドが激しく軋む。
シーツの上に敷いたバスタオルはすでにびしょ濡れだ。
「許さないっ…!絶対に許さないっ…!こうね……!こうすれば気持ちよくなるのね!?……あぁんっ!?♡」
そう言いながら、さらに激しくオナニーを続ける。
陸上部少女への怒り、憎しみ、悔しさ、嫉妬……様々な負の感情が入り混じった感情を込めて、自らの股間を弄り回す。
普段の可愛い女の子からは想像もつかないような下品な声を上げながら、一心不乱に自らを慰め続けるその姿はとても淫靡で美しく、それでいてどこか悲しげであった……
「あぁっ♡イクッ!!イッちゃうぅぅぅ♡♡♡」
ビクンビクンっと大きく痙攣した後、水泳部少女は果てた。
荒い息をする少女はたしかな手応えを感じていた。
女の子の体がどうすれば気持ちよくなるのか、よくわかってきた。
このテクニックを、覚えたレズ技を、陸上部少女との次のエッチな喧嘩でぶつける…!
「これは、ただ自慰をしたんじゃないのよ…!あの女に勝つためにやったのよ……!」
そうつぶやくと、ベッドから降りて部屋着を脱ぎ捨て、全裸になった。
そのまま鏡の前に立ち、自分の姿を見つめる。
その身体つきはまさにスポーツをしている女の子そのものといった雰囲気だった。
無駄な脂肪は一切無い、均整の取れた手足の長い身体。胸は控えめだけどくびれたウエストと熟れたお尻、適度に筋肉のついたお腹周りが、女性らしい曲線美を描いている。
「今まで引き分けだったのは…私がレズのテクニックなんか知らなかったからよ…!これだけ練習したんだから…次こそは私が圧勝しちゃうんだから…!」
こんなに可愛い顔をしてるのに、こんなにエッチな体をしてるのに、陸上部少女と天秤にかけられている。
それが悔しくて涙が出そうになるけれど、ぐっと堪える。
ここで泣いたら負けだ。負けるわけにはいかないのだ。
彼は、絶対に女の子同士が取っ組み合いの喧嘩をするのを喜んではくれない。
恋敵同士で決着をつけるには…エッチな喧嘩をするしかない。
彼の見てる前で、女の子同士で、恋敵同士で犯し合って、自分のほうがエッチで可愛い女の子だと認めてもらうのだ。
「……今度こそ、あいつに勝ってみせるんだから……!」
そう呟く彼女の目には強い決意の光が宿っていた。
今度こそ、相手だけをイカせる。
一方的に犯してやる。レイプしてやる。
そう自分に言い聞かせ、水泳部少女は、戦う女の顔になる。
そして、また自分の身体を愛撫し始める。
自分の体を使って、女の子を気持ちよくさせる方法を実践しながら覚えていく。
やり過ぎということはない。
あの女をギャフンと言わせるために、やれることは全部やるつもりだ。
そうして、水泳部少女は何度も何度も繰り返し絶頂に達しながら、レズでもないのにレズテクニックを磨き続けていくのだった。
第二章
シックな黒い家具で統一された部屋。
片隅にはトレーニング用の器具や、スパイクシューズなどが綺麗に並べられている。
年頃の女の子の部屋にしては飾り気のない部屋だが…ストイックなところがあるボーイッシュな陸上部少女にはピッタリの部屋だ。
水泳部少女のいかにも女の子らしい部屋とは正反対の雰囲気。
しかし、部屋の主がやっていることは変わらない。
肩口で切り揃えた黒いショートカット。少しキツメの吊り目の美貌。均整のとれたスレンダーな体、発達したお尻と太ももをした少女が、必死にオナニーをしている。
陸上部少女は木材の椅子に腰掛け、スカートをめくり上げ、下着を脱いで、露出させた女性器を弄り回していた。
反対側の手で胸を弄るのも忘れない。
「……っ…!…こんな、感じかな…っ!?ん、んぅう?!♡」
陸上部少女もまた、自慰をすることで、自分の体を使ってレズバトルの練習をしているのだ。
次に水泳部少女と激突したときのために…彼の前で、二人でエッチな喧嘩をするときのために。
これは、その準備なのだ。
「こうすれば…あの女は、もっとよがって…!気持ちよくなって…私に、逆らえなくなるわ…!このっ…!このっ…!んっ、あぅん♡んんぅううっ♡♡」
ビクビクッ!て痙攣しながら絶頂を迎える陸上少女。
やっていることは水泳部少女と同じ…次の喧嘩に向けて、自分の体を使ってレズのテクニックを磨いているのだ。
だけど、その方法は全然違った。
自分の体の感覚を頼りに、感情的に、衝動的にオナニーをして自分を高める水泳部少女。
それに対して、陸上部少女はスマートフォンを見ながらオナニーをしている。
スマートフォンの画面に映しているのはレズプレイに興じる女の子たちの姿。
いわゆるAV動画である。それも、レズビアンモノのものばかりだ。
陸上部少女はそれを見ながら、それを真似るように手を動かして自分を慰めているのだ。
画面の中の女優たちはみんな気持ちよさそうに喘いでいる。そのプレイを真似して陸上部少女も快感を得る。
「ふぅっ……♡んんっ……♡」
もちろん、陸上部少女がレズに目覚めたわけじゃない。
彼女は水泳部少女に比べれば冷静で理論的だった。
経験もなければ知識もないレズプレイをアダルトビデオで学習し、それを自分のものにしようとしていた。
「次は……このシーン……。……あっ、あぅうっ!?♡んんぅっ♡はぁ、あっ♡…これなら、これだけ覚えたら…あの女になんて絶対に負けないわ…!次こそは私の勝ちよ……!」
相手に対する憎悪とライバル心、レズプレイへの嫌悪感……そして次こそは勝つという意気込み、レズテクニックを磨こうとしておこなっている努力は水泳部少女と拮抗しているが…
次の喧嘩へのアプローチが全然違ったのだ。
どちらが優れているという話ではない。
二人の女の子がこれまでの短い人生経験で得たものの違いが、彼女達の行動に違いをもたらした。
「はぁっ……♡あぁんっ!!くっ……!!ふあぁっ♡♡イクゥウウッ!!」
ビクンビクンっと大きく仰け反りながら絶頂を迎える陸上部少女。
それでもまだ足りないと言わんばかりに激しく指を動かし続ける。
(あの女っ…私から○○君を奪おうとするだけでも許せないのに…!喧嘩して、引き分けなんて…許せるわけない……!)
嫉妬に狂った少女はさらに強く、より深く自らの身体を苛め抜く。
苛烈なくらい激しいオナニーは、水泳部少女への憎悪と嫌悪を燃料にして燃え上がっていく。
でも、それだけじゃない。
濡れた手を拭うことなくスマホの画面を急いでスワイプすると…次に表示されたのは男の子の笑顔の写真だった。
「見てて…○○君…!あなたの恋人の勇姿…!今度こそ、あの女を完膚なきまでに叩き潰してあげるから!…エッチな喧嘩で、勝ってみせるから…!あの女なんかに、レズで負けるわけないんだから…!○○君に、私の方が可愛いって、私の方が好きだって…絶対に言わせてあげる…!」
陸上部少女は写真の向こうの彼に訴えながら、内心では嫉妬に狂っていた。
頭にこびりついてしまった水泳部少女。
彼女が自分より女の子らしい女の子なのは、認めるしかない事実だ。スタイルは変わらないのに、男受けするのは明らかに向こうだ。
水泳部少女には、自分にはない女らしさがあることを認めざるを得ない。
一般的に言えば男にはそっちの方が魅力的なのだろうとも思う。
でも、彼は二人とも同じくらい可愛いと言ってくれている。
自分を可愛いと言ってくれる彼のことを思うと、愛しい気持ちが溢れてきて……それと同時に恋敵の少女への憎悪もあふれる。
次のエッチな喧嘩は絶対にまけられない。
あんな女に、負けたくない。
あの憎たらしい女を叩き潰して、どっちが彼の彼女に相応しいかはっきりさせてやる。
そんな強い思いを抱いて、陸上少女はまた指を股間へと這わせるのだった。
第三章
「………っ」
「…………」
口も聞きたくない、顔も見たくない、世の中はそういう相手こそ顔を合わせるようにできているらしい。
今やお互いがお互いの敵になった恋敵の少女達は、お互いを強く嫌悪しながらも、それでもなお同じ部屋にいなければならない状況に陥っていた。
「はぁ……」
「ふぅ……」
そして同時にため息をこぼす。
「……なに? 」
「そっちこそ、何よ?」
「別に」
「そう」
そのまま二人はまた黙り込んでしまう。不機嫌だというオーラを隠そうともしない。
片や水泳部、片や陸上部に所属している少女達だが…この学校はそれぞれの部活で更衣室を持っていない。
更衣室は共同で使われているのだ。
陸上部少女も水泳部少女も、今日はたまたま部活を早く上がり、そして更衣室で鉢合わせしてしまったのだ。
たまに部活を早く上がって機嫌よくしていた少女たちは、お互いに顔を合わせた途端に一気に不機嫌になる。
しかも今日は他の部員は練習で遅くなるため、しばらくは誰も更衣室に来ない。
「……」
「……」
そして沈黙が続く中、先に動いたのは水泳少女だった。
睨み合っていた目を離すと、更衣室に一つしかないシャワールームへ足を向ける。
プールの水でゴワゴワになる髪や肌、プールから更衣室まで歩いてきてかいた汗を、シャワーを浴びて洗い流してから帰るのが水泳少女のルーチンだったのだ。
それに気づいた陸上部少女は、慌てて声を上げる。
「ちょっと! 私が先に使うんだけど!」
「は? 知らないわよそんなの…!」
陸上競技の練習で汗をかいた陸上部少女だって、その汗を流してから帰りたい。
しかし、だからといって水泳部少女が先を譲る義理はない。冷たい声で言い返す。
二人とも喧嘩腰だ。
貴女の相手をしている暇はないの、と言い捨てて水泳部少女は呼び止めた陸上部少女に背を向けてシャワールームに向かおうとする。
私が先だって言ってるでしょ!、と語気を強めた陸上部少女が後を追う。
先行した水泳部少女が先にシャワールームのドアノブに手をかけ……その直前とうとう追いついた陸上部少女は、水泳部少女の横に並んだ。
そして、陸上で鍛えた引き締まったお尻を、水泳部少女のお尻にドンッ!と大きな音がするくらい強くぶつけてしまう。
「きゃあっ!?」
シャワールームの扉の前というポジションから、弾き飛ばされ水泳部少女。
予想外の衝撃が走って思わず悲鳴も上げてしまった…!
屈辱を受けた水泳部少女が陸上部少女を睨むと、陸上部少女は小憎たらしく笑みを浮かべてシャワールームのドアノブなの手をかける。
「ごめんなさい…身体がぶつかったわね。狭いロッカールームでのことだから、お互いに気をつけましょう」
わざとお尻をぶつけておいて!しれっとそんな事を言う陸上部少女に怒りがわく。
けど……ここで手を出したら喧嘩を始めたのは水泳部少女ってことになりかねない。
男の子は、陸上部少女と水泳部少女が取っ組み合い、殴り合い、蹴り合いするような喧嘩は、好きじゃない。
今まで何回もそうなりそうなところを止めてもらって、さすがに二人ともそれは理解していた。
水泳部少女は、憎たらしい陸上部少女を睨みつけながら…手を出せない。
手を出したら、男の子に嫌われるかもしれない。それだけは、絶対に駄目だ。
悔しくて、白い歯を噛み締めて、悔しがる水泳部少女。
だけど…そうだ、と思いつく。
「そうよね……狭いロッカールームだもの。身体がぶつかるくらいよくあることよね…!」
やられたら、やり返せば良い。
陸上部少女がシャワールームのドアノブを捻り扉を開けたところで…水泳で鍛えた引き締まったお尻を、陸上部少女のお尻に思いっきりぶつけてやる…!
ドンッ!ってさっきと同じくらい大きな音がして…
「きゃあっ!?」
今度は、陸上部少女がドアの前から弾き飛ばされる。
ドアノブから陸上部少女の手が離れた勢いで、シャワールームの扉が閉まる。
「言っておくけど…これは事故で、喧嘩じゃないから。あなたが始めたことだから、わかってるでしょ?」
それはもはや宣戦布告だ。
弾かれた陸上部少女もそれを受けて水泳部少女をキツく睨み付ける。
そっちがやる気ならやってやる。
二人の目はそう語っていた。
「……」
「……」
「私が先に使うわ…!」
「いいえ…私が先よ! 」
彼女たちは取っ組み合いも殴り合いもするつもりはない。
だけど、相手に売られた喧嘩から逃げるつもりもなければ、シャワールームを先に使う権利を譲るつもりもない。
「譲らないわよ……シャワーのこと……彼のことも…!」
「それ、こっちのセリフだから…!」
彼女たちはそれがたとえどんなに些細なことだって、恋敵に譲歩なんてしたくなかった。
だからこそ、どちらも譲らず…少女たはぶつかり合う道を選ぶ。
文字通り、比喩でもなんでもなく、体同士をぶつけ合う道だ…!
「んんっ……!」
「……ふんっ……! 」
相手を威嚇するように胸を張りながら、二人は衣装越しに程よく膨らむ胸をぶつけ合う。
バチンッ!と胸が弾けあう音が響き、競泳水着と陸上部ユニフォームに包まれた胸が潰れ合う。
「「ぐぅぅっ…!?」」
柔らかく形を変える二つのおっぱいは、そのまま押しつぶしあったまま静止した。
そして、しばらくそのままにらみ合った後、今度は自分の自慢の胸を相手に見せつけるように体を動かし、こすり付け始める。
「…私は取っ組み合いの喧嘩はする気ないわ…!でも、あなたがその気なら受けて立つから……!」
「こっちのセリフよ……!私だってあんたに負ける気はないんだから……!でもね、彼がやめろっていうから、取っ組み合って喧嘩するのはやめてあげるわ…!」
胸と胸をこすり合いながらの力比べだ。お互いに相手を押し退け、あるいは突き飛ばして自分が先にシャワールームに入るために。
相手の体に自分の体を押し付け、擦りつけ、揉みあい、弾きあって競い合う。
女の子同士でこんなことをするなんてやっぱりおかしいと思う気持ちもあるが、それでも今はそんなこと気にしていられない。
目の前の女にだけは負けたくない。そんな気持ちが二人を突き動かしていた。
「あんたなんかに負けない……!」
「私だって、負けないわよ……!」
やがて、二人が胸だけでは優劣がつかないと諦めると、今度は手と手を組んで腕でも押し合う。
両手を絡め合わせ、指を絡ませ、手のひら同士を重ねて握り、指の間を握り合う。
「ぐぬぬ……ッ!」
「ふぬぅ……っ!」
陸上少女と水泳少女の体が正面からぶつかり、真正面からお互いの体を潰しあっていた。
胸はぺたんこになるまで潰れ、お腹とお腹までぴったりくっつき合い、太もも同士が隙間なく絡み合っている。
もはや全身を使った力比べだ。
彼女たちが水泳部で、陸上部で鍛えた太ももとふくらはぎの筋肉がぷるぷる震える。
「くぅう……っ!!」
「ぃいいいっ……!!」
二人とも歯を食いしばって力を込めているが、一向に勝負はつかない。
それどころか全力で押し合って、優劣すらつかない。
ならばと……二人は一旦、体と体を引き剥がした。
暑い季節に体を密着させて擦りあったことで、二人は全身から滴るくらいの汗を流していた。
その汗だくの体を……
「ふんっ…!」
「はぁっ…!」
二人は勢いよくぶつけ合った!
バチィン!て、二人の体が激突した衝突音がロッカールームに響き…
「あんぅ…!?」
「くふぅ…!?」
女の子の艶のある苦悶の声が漏れる。
二人の身長はほとんど変わらない。おっぱいの形もそっくりだ。
そんな二人が真正面から体をぶつけ合えば…真っ先に衝突するのは二人のおっぱいになる。
柔らかく、それでいて弾力もあるおっぱいがお互いを押し…お腹とお腹が触れ合うくらいに、胸が潰れる。
「んっ…!」「くっ…!」
胸に鈍痛を感じ二人は顔をしかめたけど…これくらいで怯んだりしない。
軽く背中をそらし、おっぱいが元の形に戻ろうとする力で、お互いを弾き合ってまた距離を取る。
「大したことない…!」
「そっちこそ…!」
軽く言い合い、睨み合い……また勢いよく体を前に突き出す!
バチィィンッ!!
「んぐぅ!?」「あぐぅ!?」
形の良い胸がまた潰される。
汗だくの身体が勢いよくぶつかって…二人の流した汗が飛沫になってロッカールームに飛散る。
今度は二人とも、自分の体を相手の体にめり込ませようとするみたいに、そのまま押しあいになった。
差し込む夕暮れの光で、飛び散った汗と二人の体を流れる汗がキラキラ輝く。
その光の中で二人の美少女が身体を重ね合っている…神秘的なくらい卑猥で美しい光景。
甘酸っぱい汗の匂いが、二人の鼻腔をくすぐる。
匂いというものは、記憶との結び付きが強い。昔その匂いを嗅いだときのことが、ふと頭に浮かぶ事がある。
(んっ♡)(あっ♡)
思わず声が出そうになる。
お互いの汗が混ざり合ってたてる二人の女の子の匂いに、二人が思い出すのはこれまでのエッチな戦いのことだった。
かつてのレズバトルで感じたあの匂いだ。それを思い出して、二人の顔が薄桃色に染まった。
押し合いのなかで、下腹部のお肉越しに子宮と子宮が潰れ合う。
女の機能の象徴であり、女の子の性欲のスイッチでもある大切な場所。
そんな場所が、この憎たらしい女と密着しているだけで快感を生み出し始めていたのだ。
おっぱいとおっぱいも、だ。
女子高生の敏感なおっぱい密着したまま擦れ合っている。
服越しだけど、かつて陥没乳首と勃起乳首で交尾までした乳首までもが、擦れあってる。
「あ、んんっ♡くぅっ♡」
「んあぁっ♡んひぃっ♡」
喧嘩をしている二人はお互いを怖い顔でにらみ合っているが、エッチな気分になった女子高生の健康的な体は快感に正直だ。
二人はお互いに感じ始め…女同士だから、相手がどんな状態なのか手に取るようにわかる。
これを罵り合いに使わない訳がない。
「なに?女の子同士でおっぱい押し付け合って感じてるの?気持ちよくしてくれるなら相手は彼じゃなくていいのね?女の子だって構わないのね?…なんとか言いなさいよ淫乱レズ女…!」
「黙りなさいよ…!自分のこと棚に上げて…!いやらしい声を出してるくせに…!あなたの方が感じてるんでしょ!?そんな淫乱レズ女に…彼は渡せないわ!」
陸上部少女が感じていることを察した水泳少女は、更に力を入れて彼女を追い込む。
すると、陸上部少女もそれに対抗しようとより強く力を入れてくるので、また気持ちよくなってしまう。
こうして二人は、何度も何度も快楽を味わいながらも、一歩も引かずに相手を負かそうと押し合い続けた。
「○○君は、私のこと…可愛いって言ってくれたのよ…!…私は…髪も短いし、女の子っぽくないって自覚もしてる…でも、こんな私を可愛いって褒めてくれたの……!絶対に渡さない!○○君とよりを戻すのは私よ…!彼だけは、絶対に渡さない…!」
「○○君は、あなたのものじゃない…!もとから!私のものよ…!私…捧げたんだから…!私の初めてを全部彼に捧げたの!私、一途だし絶対に良い彼女よ…!彼のことを私以上に幸せにできる女の子なんていないんだから…!…私の彼への愛のほうが大きいんだから…!」
二人にはそれぞれ負けられない理由があるのだ…なのに、体全部を使った押し合いでも優劣が付かない。
それどころか、どんどん気持ち良くなってしまっている気がする。
風通しの良くない更衣室で、女の子二人が密着して全力で押し合っていると…二人の汗は一気に溢れ始める。
「………っ!気持ち悪いわね…!あなたの汗で、濡ちゃうでしょ!?」
「こっちのセリフよ!陸上部は汗っかきなんだから…!あなたの汗で、私が濡れちゃうのよ!汚いわね!」
少女たちはそれぞれが露出の多い格好をしている。
輝くダイヤモンドみたいな少女たちの汗は汚くも臭くもなかったけど…相手の汗が肌に纏わり付くなんて気持ち悪いと思って当然だ。
だけど…生理的な嫌悪感とは裏腹にこすれ合う肌と肌の間で、二人の汗が混ざり合い、潤滑油の役割を果たし始めると…二人の押し合いはさらにエロチックなものになる。
スリスリッ…!コスコスッ…!と乾いた音を立てていた肌がこすれる音は…ヌリュニリュ!ヌメッヌメッ!といやらしい水音を立てるようになつった。
少女たちの敏感で柔らかい肌は、汗で滑りながら擦れ合うと、それだけで快感を生み出して……
「くっ……んんぅ♡あぅぅ♡……もうっ…!汗を、擦り付けて来ないでよっ…!あぁんんっ♡」
「あぅん♡…、んくぅ…♡あなたこそ…!汚い汗を、擦り付けて来ないで…!ひぅんっ♡♡」
二人はまだ身体を押し付けあっただけ。
相撲のように力比べをしているだけだ。
でも…彼女たちはその単純な力比べをするだけで……おっぱいを潰し合い、子宮を擦り合い、汗ばんだ肌でお互いの汗を混ぜ合わせ……男女のセックスよりも卑猥な光景を作り出してしまっていた。
でも、男の子がいないところでエッチな勝負なんてやっぱり不毛だ。
二人がエッチな勝負をするのは、それを観戦している男の子に、どちらの方が可愛いかを見てもらうためなのだ。
男の子のいないところでエッチな喧嘩なんて…そんなのただのレズプレイと変わらない。
二人とも…大嫌いな恋敵とレズプレイなんて、絶対に嫌で…また身体を引き剥がす。
「今度こそぶっ飛ばしてあげる…!」
「私だって…負けないから…!」
ブルン!プルン!と、武器となるおっぱいをわざと弾ませて、自分のおっぱいはまだ戦えるってアピール。
そのおっぱいを忌々しくにらみ合いながら…二人は正面から身体をぶつけ合った!
「んくぅううっ♡♡」
「あぅううんっ♡♡」
バチィィン!!って衝突音が響く。
敏感なおっぱいをぶつけ合ったんだから痛いはずなのに…レズプレイなんてしたくないと心はそう思っていても、一度エッチなスイッチが入ってしまった二人の体は乱暴な刺激に感じてしまっていた。
甘く可愛い悲鳴は、とてもエロチックだ。
「変な声出さないで…!」
「いやらしい声を上げたのはあなたでしょう…!」
相手の上げるセックスを連想させるエッチな悲鳴に、身体が興奮してしまう。
(…エッチな声…!あんな声聞いてたら…こっちがおかしくなっちゃう…!)
(ムカつく女だけど…エッチで可愛い声…!こっちまで変な気分になっちゃうじゃない…!)
「まだまだ…これからなんだから…!」
「今度こそ…決着をつけましょう…!」
二人はぶつかり合って、密着していた身体を引き剥がし……そしてもう一度、おっぱいとおっぱいをぶつけ合った…!
「あぁあんっ♡」
「ひぃううっ♡」
それはもう明確な喘ぎ声だった。
明らかに性的な快感を得ている……女の子が、好きな男の子とのセックスで出す声だ。
「この淫乱女…!」
「淫乱なのはエッチな声したあなたのほうでしょ…!」
身体をぶつけ合って感じている。それを認めたくなくて…二人の女の子はまた身体を引き剥がし……一層強く身体をぶつけ合う!
「「ぃやあぁあんっ♡♡」」
おっぱいが潰れ合い、汗を飛び散らせ、子宮と子宮をお腹越しに触れ合わせ……二人はこれまでで一番大きくて可愛い声で喘がされる…。
「はぁ…はぁ…!」
「はっ…はっ…!」
さすがに、あんな声を挙げさせられては…自分が感じていないなんて嘘でも思えなくなった。
そして…二人は睨み合い…
お互いの発する甘い汗の匂いと、肌と肌が直接触れ合う腕や太もものヌルヌルした感触、相手の少女が発する可愛い喘ぎ声。
そして…相手の瞳にたしかに宿る若い女の子特有のエッチへの欲望を見つめてしまって…
二人は、大嫌いな同性の女の子に欲情した……欲情させられた……
「…!」
「……」
そして二人は、頬を真っ赤に染めながら、顔を近づけていく。
感覚、視覚、聴覚、嗅覚…人間の五感の四つをお互いの女としての魅力で陥落させた二人は…残る最期の味覚を攻め合う。
前髪が絡み合う。
鼻と鼻が触れ合い、相手の鼻息を汗の匂いを直に感じる。
目に映る相手の瞳にエッチな欲望が見える。
触れ合う肌は汗でぬめり密着度を高めて擦れ合い。
興奮して発する荒い息が耳を蕩けさせる。
そして……二人はとうとう唇を押し合わせ……
「「んんんぅぅっ!?!♡♡」」
軽くとはいえ、絶頂した。
高めに高めたお互いの性欲がキスとともに爆発したのだ…!
二人はそのまま唇を押し付け合い…ビクン!ビクン!と身体を小刻みに痙攣させる。
男の子の見ていないところで…二人は初めてエッチな喧嘩をしてしまったのだ。
男の子がそうするように望んだ通りに、女の子同士で、レズビアンみたいに、身体と身体で卑猥な戦いをしてしまった…!彼の見ていないところで!
やがて二人は、心底嫌そうな顔をしてキスをやめ、唇を離した。
「あなたとキスなんて…最悪…!だけど、これも彼ためよ……!彼を渡さないためなら…エッチな喧嘩だってしてあげる…!」
「あんたなんかと……絶対嫌……!!だけど、仕方ないわ……!彼を奪い合う戦いだもの…!絶対に引かないんだから…!」
そう言い合いながら、二人は……また顔と顔を接近させる。
男の子とするロマンチックなキスなら、二人は目を閉じるタイプだ。
唇を差し出し、彼の好きにしてもらうことに喜びを感じるのは、女の子に共通しているのかもしれない。
でも、これから二人がするレズキスには…敵意と快感はあっても、愛やロマンチックさは存在しない。
二人とも相手の好きにさせるつもりはない。
目をしっかり開け、睨み合いながら……二人はまた唇を重ねた。
今度はすぐに絶頂するような無様は晒さなかった。
目を開けているのは、相手がどんなキスで気持ちよくなるか、はっきり観察するため。
睨み合う瞳は、このキスが、相手だけを気持ちよくさせる、女同士の戦いであることを表している。
「「んんっ……!」」
お互いへの思いやりが無いキスだから、鼻と鼻が強くぶつかった。唇の裏で硬い歯もぶつかってガチッ!て音がする。
唇を噛んだみたいな痛さ。二人の顔が歪む。
「ん、ちゅ…、んぅ」「ん、む…ちゅ」
吸い付き合うような唇の感触が、肉体的に気持ち良くて、精神的に気持ち悪い。
鼻穴と鼻穴が至近距離で向き合うせいで、相手の鼻息を吸い込んでしまう。
自分の体温と違う湿った鼻息が気持ち悪い。
前回感じた、使っている歯磨き粉の匂いが鼻をくすぐる。いい匂いがして…女の子とキスしていると思い知らされる。気持ち悪い。でも、体は確実に感じて昂ってくる。
…二人は唇を開けた。
相手の口の中に舌を差し入れ、相手の舌を口に迎え入れ、舌と舌とを触れ合わせた。
「んちゅ…!んんっ!?んちゅ、ちゅう…れろれろっ…!」
「んんっ!?…んんっ…!んちゅ、ちゅぅぅっ!…れろれろっ…!」
舌を伸ばして絡ませあい、唾液を交換しあい、相手と口の中で舌と舌で押し合う。
((気持ち悪い!!))
しかし、その嫌悪感とは裏腹に、二人の体はビクビクッと反応してしまう。
舌で感じる相手の舌の味、唾液の味……舌と舌が触れ合うことで、彼女たちはとうとう五感の全部でお互いを感じ始めた。
親の仇を見るような目で睨み合い、必死に快感に抵抗しながら、口内で舌を押し合っている。
こんなの全然ロマンティックじゃない、二人の間にあるのは敵意と憎悪と対抗心だけ。
それなのに、どうしてだろう?
「んんん~っ♡♡♡」
「んぅううっ♡♡♡」
二人とも、屈辱に満ちた顔で……感じてしまう。
肌が、耳が、鼻が、舌が、瞳が…お互いのエッチな魅力に蕩けさせられる。
((これが……女の子同士のセックス……))
レズじゃないのに女に感じさせられるなんて屈辱でしかない。
感じれば感じるほどに、二人の顔が悔しそうに歪んでいくのがその証だ。
((そんなにレズで感じるのが悔しいなら……もっと感じさせて上げるわよ…!この淫乱レズ女っ…!))
二人はとうとう押し合いしかしていなかった舌を相手の口の中で暴れさせ始めた。
歯ぐきや、頬の内側、舌の裏側…舌が届く範囲にあるものは片っ端から舐め回し合う…!
「むごぉ!?…んぶっ…!んぶふぅうっ!!おぼっ!んんぅ!?!」
「んぐぅ!…おぼぉおおっ!?んぶふっ!?んぼっ!!おほぉ!?」
ここでやりあっても、男の子へのアピールにならない。
どんなに頑張ったって全く評価されない。
ここでのエッチな喧嘩なんて勝っても負けても意味はない。
得るものなんてない…ただ自分たちの尊厳を傷だけ合うためだけの不毛すぎるレズバトル。
彼女たちは意地になって相手の唇を貪り続ける。
組み合っていた手はいつの間にか離れ、お互いの大きな尻をつかみ合って、激しく揉み合い始めた。
ぐにゅぐにゅっと変形する競泳水着と陸上ユニフォーム越しのお尻とおっぱい。
柔らかい肉同士が形を変え、形を変え、その度に二人は気持ち良さそうに体をビクつかせている。
「うぅ……ぐぅぅうう~~っ!!!」
「ふぐぅううう~~~っ!!!!」
だが、二人の女の子の目に涙が滲むほどの激戦になったとき……水泳部と陸上部の他の生徒たちが、更衣室へと向かってきて…!