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 その日もアンリは激務からの残業で、帰宅時間は遅くなってしまった。飲み帰りとみられる人もちらほら見えるくらいの、終電ギリギリの時間である。到着した電車では運よく席に座ること出来、疲れもあってアンリは思わずうとうとしてしまった。そんな時だった。 (……ん?)  妙な感覚でふっと目を覚ますと、両隣の男の腕が自分のふとももへと伸びているではないか。どうやら眠ってる間に痴漢紛いに触られていたらしい。 (あーもうっ!)  面倒くさいと思いながら、手を振り払おうとした時に違和感に気づく。 (あれ? 私なんでこんなに……)  足を──開いちゃってるんだろう。タイトなスカートは押し上げられる格好になってしまっていて、これでは正面からだと下着が丸見えだ。 (えぇ、なにこれ!?)  慌てて閉じようとしてたが、横の男の足が邪魔をして上手くいかない。両足共に隣の男から絡めるように挟められ、そのまま開脚を促されている。男達はふとももを撫で回しながらさらにスカートを捲ろうとまでしてくる。  顔が赤くなるのを感じる。なんとかスカートを両手で掴んで押さえるが、男達は手を離さないどころか、こちらの反応を楽しむように更に脚を強く揉みしだいてくる。 (このぉ~……ッ!!)  声を出そうとも思ったのだが、今はにブルーロックプロジェクトが重要な局面を迎えているときだ。無駄ないざこざを起こして、日本のフットボールの未来を左右するかもしれないこのプロジェクトに影響が出ることは避けなければならない。アンリはそんな風に逡巡していたが、ふと正面から視線を感じた。 (……ッ!?)  顔を向けると、正面の男がニヤついた顔でこちらを見ている。手にはスマホを握っていて、そのカメラがこちらの方を向いていることに気づいた時には遅かった。 (撮られてる……!?)  自分の痴態が写真に収められてしまうという最悪の事態に頭が真っ白になる。なおも脚は強制的に開脚させれている状態が続いでおり、正面から光るレンズはその様子を逃すまいとするように、執拗にスカートの中へズームしているのがアンリの頭をよぎった。  今日の下着は黄色で、少しだけ透け感のある生地で出来たそれは、アンリの白い肌によく映えているのだろう。クロッチ部分は花模様が刺繍されており、シンプルさと可愛らしさを両立したデザインはお気に入りのものといえた。しかし、それは電車内で知らない男に盗撮されるために穿いたものではないのだ。 (くそッ、脚、閉じさせて……ッ) 力を振り絞って脚を閉じようとするが、二人分の体重をかけられた状態ではびくともしない。スカート押さえていても、男の手がそれを振り払ってくる。その間にも正面のカメラは作動を止めないのであろう、画面を確認していた男が口元を歪めて笑っている様子が見えた。 (最低……最悪過ぎる……ッ)  悔しさのあまり涙が出そうになるが、こんな下劣な男達に屈してたまるかと思う気持ちが強い。一瞬の歯噛みのあと、声をあげようと大きく息を吸い込んだ。プロジェクトよりなにより、自分の尊厳のほうが守るべきものなのだ。そう決心した瞬間だった。 「んぐぅ!?」  突然の息苦しさと、口内に何か異物を入れられたような感覚。 「んー! んー!!」 声が出せない。隣の痴漢達に猿轡のようなものを無理やり装着させられてしまったせいだと気づく。咄嵯に手で外そうとしたが、両隣から払い除けられ、そのまま顔の後ろでベルトを締められて固定されてしまった。  抗議の声を上げることも出来ず、ただ必死に身を捩りながら顔を左右に振ることしか出来ない。横の男が見せつけるように鍵をチャリンと鳴らして、それをポケットにしまい込んだ。 (なに? なに? ?)  何が起こったのか理解できないまま、周りを見渡す。正面の男は薄笑いを浮かべながらこちらの様子を眺めている。まるで新しいオモチャを手に入れた子供のようだ。 (なんなの!? なんなの!?)  動揺する頭で考える。一体自分は何をされているのだろうか。口の中のものはボール状なので、強制的に顎を開かされてしまっているような状態だ。まともな呼吸ができずアンリの焦燥感を加速させる。なおも両隣の男から脚を絡められたままホールドされ、かぱぁと大きく開脚させられた状態で身動きが取れない。正面の男はそんな無様な姿をスマホで撮影しながら、ニタニタとした顔でこちらを見つめている。 (悔しい……ッ。こんな奴らに好き勝手されて……ッ)  やがて横の男の手がアンリの胸元に伸びてきた。スーツ越しに大きな膨らみを鷲掴みにし、乱暴に揉みしだかれる。 (やめッ、触らないでッ)  抵抗しようと身を捩るのだが、脚を押さえられているため満足に動くことができない。スーツをはだけさせられ、ブラウスのボタンに指がかかる。 (嫌ッ、いやあああ!!!)  嫌悪感が全身を駆け巡った。学生時代から大きなバストせいで男性に好奇の目で見られたり、それこそ電車内でさわっと胸をふれられたことくらいはあったが、こんな大胆に辱めを受けることなど想像だにしてなかった。しかも、相手は自分と歳も変わらなそうな若者達である。羞恥心と怒りで頭がおかしくなりそうだ。  両手をそれぞれに掴まれて抵抗の手段を奪われる。シャツのボタンを上から順番にぷちぷちっとは外されていく。薄いイエローのレースの下着が露わになった。 (見るなッ、見ないでぇッ)  恥ずかしさのあまりに顔から火が出る思いだ。せめてもの抵抗として顔を横に背けることしか出来ない。  両脇から腕を回され、強引にブラジャーを引き下げられた。形の良い乳房がたゆんと揺れる。乳首の部分だけはカップの中に残されていて、それがかえって卑猥さを演出していたのか、正面の男は口角を上げながら撮影を続ける。たわわに実った果実のような二つの丘は、男達の手に収まりきらない。下から掬い上げるように持ち上げられる。 (くぅう……ッ、胸……ッ、私、こんな奴らにぃ……)  屈辱的な仕打ちに眉を歪める。ゆっさゆっさと揺らされて、カップに引っかかっている先端が擦れるたびに、甘い刺激を感じてしまう。しばらくそうやって弄ばれた後、ブラジャーが完全に取り払われた。解放された双球は重力に従って垂れ下がり、その重さを主張するかのようにふるりと震えている。 (もう……ッ、許して……ッ)  羞恥と、屈辱と、悔しさの入り混じった感情が渦巻いて、涙が出そうになる。が、まだ自分は折れていない。そう思って、キッと正面の男を睨んだ瞬間だった。 ──きゅっ。  いきなり両方の乳首を摘まれた。くりっくりくりんと人差し指と親指の間で転がされる。 (ひゃああん!!???)  予想外の刺激を受けて、びくんと身体が跳ね上がる。今まで感じたことの無い感覚に戸惑いを隠せない。 「お姉さん、おっぱいこんなに大きいのに乳首の感度良いんだねぇ」 「俺、ちょっと舐めちゃおうかな」 「おい、ずるいぞ。じゃあ俺はこっち」  左右から聞かされる二人の男の話し声。男達はその宣言通り左右からアンリの胸に顔を寄せて…… ──ちゅぱっ、れろぉ。  両方の乳首に生暖かい舌の感触が走った。 (いやぁ!! 何これ!? なんなの!?)  混乱する頭で考える。まるで赤ちゃんに対する授乳のように、左右の男たちはそれぞれに乳房の先端を口に含んで吸い上げているのだ。時折、口の中で飴玉でも転がすように乳頭を甘噛みされたり、ねっとりと全体を包み込むように舐められたりする度に、アンリの口の中だけで小さな悲鳴が上がる。  生まれて初めて受ける未知の感覚に、アンリの思考は完全に停止してしまっう。 ──ちゅう、ちゅう、ぢゅるるるるるる。  音を立てて左右同時に吸われる。それぞれの異なった感触がアンリの乳首を襲い、脳を麻痺させていく。片方ずつなら耐えられたかもしれない。しかし、両側同時となると話は別だ。ツンと硬く尖ってしまった乳頭に歯を立てられて、アンリはビクンと反応する。乳輪をなぞるようにくるくると円を描くように舐められて、思わず腰を浮かせてしまった。反対側は舌先でコリコリと潰されて、痛痒いような快感が走る。  右も左も好き勝手にいじられ、すっかり敏感になってしまった胸の突起は、さらなる刺激を求めて切なげに疼いていた。そんな状態で、ふーっと熱い吐息を吹きかけられてしまう。それだけで、ぞくぞくとしたものが背中を駆け上がっていく。 「お姉さんの乳首、クソザコじゃん」  右側から嘲笑の声。左側からはじゅるるるっと唾液を吸い上げる音が聞こえてくる。  両側から別々の生き物が這いずり回っているかのような錯覚。胸元に感じる二つの温もり。喘いで快感を逃したくても、猿轡がそれを許さない。  力が抜けて、座席にかけている腰が浅くなっていく。だらしなく脚が開いてしまい、スカートは完全にずり上がってショーツは丸見えになっているだろう。そんなことに気が回らないほど、左右から交互に乳首を責め立てられたことで、頭がおかしくなりそうだった。 「クソザコ乳首のお姉さん、このまま乳首奴隷にしてあげてもいいけどどう?」 「いいねぇ。乳首イキ覚えたらお姉さん弱々だから絶対戻れないよな」 「ほら、ちゃんと答えないとずっとこのまんまだよ」  こりゅこりゅと乳首を捻りながら男が言う。 (猿轡で喋れないの……分かってるくせにッ)  アンリに出来る意思表示は頭を必死に振って拒絶を示すことくらいだった。 「へぇ、やめて欲しいんだ? ほんとは気持ち良いくせに」 (ち、違ッ……あ、あん!!)  心の中で否定しようとしたところで、また乳首をきつく摘まれる。両胸からもたらされる快楽によってアンリの身体はビクビクと跳ね続けた。そんな様子を気にも留めず、左右の男はそれぞれアンリの胸を弄び続けた。抵抗の意思を見せていたはずの両手は、いつの間にか力無く垂れ下がっている。気づけばシャツもスーツも脱がされて、上半身は何も纏っていない。露わになった白い肌の上を汗が伝っていく。  散々しゃぶられたせいで、両方の先端は既に唾液まみれになって光りながらも赤く腫れ上がり、乳輪までもがぷっくりと膨らんでしまった。乳首だけでなく、胸全体が熱を持っていて、少し触れられただけでも甘い痺れを感じてしまう。 (もう……ちくびぃ……らめぇ……) 「あーあ、お姉さん、おっぱいだけでこんなに感じちゃって弱々だなぁ」 「やっぱり、ほら、おっぱいと乳首しか弄られてないのに、パンツまでぐしょ濡れじゃん。恥ずかしいなぁ、クソザコ乳首」  ショーツ越しに股間に指を這わせられ、アンリはビクリと身体を大きく震わせる。男達の言う通り、そこは既に洪水状態になっていて、指の腹で押し込まれるとくっちゅ、ぬっちゅと湿った音が響いた。 (こんなの……うそぉ……)  息苦しさも手伝ってうまく思考できない。クロッチ部分の染みはどんどん広がっていき、秘裂にぴったりと張り付いた布地が透けて見えるほどだった。 「クソザコ乳首おねーさん、ここ凄いよ。糸引いちゃってるじゃん。ねぇ、聞こえてる??」 ──こすこすこす……。くにゅぅ〜 ──こしゅこしゅこしゅ……。くりゅくりゅっ!  アンリの反応がないのを気にする風もなく、男は下着越しに割れ目を擦り続ける。その度に、ショーツが愛液を吸って重くなるのを感じた。 「はは、マジでやべぇ。これ、絶対マン汁だよ」 「えー、俺、ちょっと舐めてみていい?」 「おい、ズリいぞ。じゃあ俺は乳首イキさせてやるよ」  そう言って左側の男は右胸に吸い付いてきた。 「ん"ーー!!」  ぢゅるるるるっと唾液を絡めて乳首を吸い上げられ、同時に、反対側はぐりゅっと捻られる。右側の男はアンリのショーツをずらして直接秘部に舌を伸ばした。 「あれぇ、おねーさん天然パイパンなんだ? 剃り跡もないツルツルで美味しそう」  そう言って無駄に輝かせた視線を注いだ後、無毛の恥丘をざらついた舌で何度も往復を開始した。 「ん"ん"ん"ん"ん?!」  敏感な粘膜を直接刺激され、腰が浮き上がる。 「こんな反応するなんて、おねーさん、もしかして処女? ほら、お前も舐めるだけならいいけど、噛むんじゃないぞ。クソザコ乳首だからすぐイっちゃうよ」 「わかってるって。ちゃんと優しくペロペロしてあげてるよ」  そんな会話の後、右側の男の唇が陰核に触れた。 「ふぅ……!! ふんッ……んんッ……!!」  包皮ごと口に含まれ、尖らせた舌先でつつかれる。 「我慢してね、おねーさん。もしイっちゃったら下も全部脱がせて素っ裸にしちゃうからね」 (そんなこと言われても、こんな! 耐え、られ、るはずっ、な、あああぁぁぁああんッ!!)  アンリの心の内通り、剥き出しの肉芽を吸われながら甘噛みされて、次の瞬間にはビクンッと背筋を仰け反らせていた。全身を駆け巡るのは、絶頂感。 「あれ? やっぱりクソザコだったみたいだね。イくの早すぎない? まぁいいや、言った通り罰ゲームだよ」  両隣から男達がアンリの脚を掴む。力が全く入らないそれを揃えさせると、男の一人は一気にショーツをずり下ろした。もう片方はスカートのホックを外してファスナーを下げ、そのまま膝まで下ろすと、今度はショーツを脱ぎ去るために片足ずつ抜き取っていった。身体に力が入らず、アンリはその様子を虚に見ていることしか出来ない。男二人によって、手際よくアンリの下半身を覆っていた衣類が全て取り払われてしまった。 (あぁ……そん、なぁ……) 「うわぁ、おねーさん全裸にされたのにすごいトロ顔だねぇ。何考えてるの? この変態」 「このままグチョグチョに犯されたいとか思ってるんでしょ。ダメだよそんなの。罰ゲームって言ったじゃん」そう言いながら、男はカバンの中から何かを取り出した。それは一見するとペンのような形状をしていた。 (な、に……?)  男はキャップを外すと、中に入っていた液体をたらりと膣口に垂らす。ひんやりとした感覚に身震いした。  そして、その先端でクリトリスを押し潰すようにしたかと思うと、ゆっくりと 下側に動いて割れ目をなぞっていく。  ヌリュンヌリュンと粘着質な水音を立てながら上下左右に動かされる。時折、蜜壺の入り口をノックするようにトントンと叩かれたかと思うと、入り口を撫で回すようにして離れていく。  焦れったい動きだが、身体の奥底に燻るような熱が生まれてくるのを感じていた。 「はいっ、準備完了〜。ほら、立って立って」  そう言って男二人はアンリの乳首を抓りあげながら腰を抱いて、席から立ち上がらせる。 (な……に……?)  思考能力が低下しているのか状況が飲み込めない。乳首を引っ張られるような形で電車内を歩かされ、気づけば車内トイレの扉の前だった。男がアンリの顔の後ろでカチャカチャと装着されたものを外す動きをする。しばらくアンリから言葉を奪っていたそれから開放された瞬間、アンリはトイレに押し込まれた。 「じゃあね〜。クソザコ乳首のOLちゃんは、これからどうするのかな〜?」  バッグを放り投げるように入れられ、男達はひらひらと手を振りながらドアをゆっくりと閉める。 (開放……された……?)  とは言うもののアンリは全裸である。バッグの中を見ても自分のスマホは見当たらなかった。もちろん、着替えられるような衣服も…… (そういえば今日の会議で……)  あるのだ。なんの冗談か、明らかにプロジェクトに関係ないチアリーディングの衣装。これを着ろと言われた時はセクハラで訴えてやるとでも思ったが、今のような窮地によもや救われることになるとは……  アンリはまず超ミニといえるミニスカートに脚を通す。その瞬間なにかゾクッとした感覚がお腹の奥を走った気がしたが、気にしないようにして履き終えた。ノーパンなのが心許ないが仕方がない。  次に上半身に衣装を身につけようとするが、胸元がかなりキツかった。青字に黒のラインが入ったジャパンカラーのユニフォーム。アンリのたわわな果実を収めるにはタイトすぎるそれはエンブレムを歪め、乳房の形を強調してしまっている。 「やっぱりこれ、サイズ、ちょっと小さい……」  何よりぴったりと身体に張り付いた生地のせいで、先程まで男達に執拗に弄られて完全に勃起を果たしてしまったふたつの蕾がはっきりと浮いているのが丸わかりだ。 「こ、こんなの……」  恥ずかし過ぎる。そう思いながらも眼前でむくっと主張するポッチから意識を逸らすことが出来ない。それを見ていると男達にされた愛撫の数々を思い出して、頭がぼうっとしてくる。 『あーぁ、やっぱりクソザコ乳首だねぇ。ビンビンに勃起してるの、服越しでもわかっちゃうよ?』男にそんな風に耳元で囁かれた気がした。もちろん個室にはアンリ一人なので、それはただのイメージに過ぎない。しかし、身体はその想像にすら反応して、じんわりと汗が額に滲んできた。  アンリはなんとかそれを鎮めようと、そぉーっと、人差し指を伸ばしていく。 (ダメ……こんなの……)  頭では駄目だと理解している。それなのに、触れたい欲求に逆らえない。 「んぁ……ふぅー……くぅ」  声が出ないように唇を噛み締める。アンリの人差し指が、布の上からもわかるほどにピンと自己主張をしている切なげな膨らみに、触れるか、触らないか、ギリギリの距離感を保っている。 (ダメ……ダメ……ダメ……)  あと少し……ほんの僅かで触れられる…… 「ふっ、うん!……あっ」  そして、とうとうアンリの人差し指がその先端に触れた。 「~~~!!」  たったそれだけのこと。それでも全身を走る快感に膝が崩れ落ちそうになる。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」  荒い息を吐きながら、再び指を伸ばそうとする。今度は両手で、そして躊躇いはない。両側の主張している突起に指をかける。 ──カリリッ  明確な意思を持って指先で爪弾いた瞬間、電撃が走るかのような衝撃を感じた。 (な、何、今の……!?︎)  もう一度確かめるように、今度はゆっくりと力を込めて上にピン、下にピン、と交互に弾き上げる。ピン、ピン、ピンッ、ピンッッ。指の動きを止められない。 (なにこれ……なにこれ……気持ちいい……)  頭の中が真っ白になってくる。アンリは今までに感じたことのない快楽に身体を委ねていた。自分の指の動きが、まるで誰かに操られているかのように止まらない。気持ちいい、という感覚をひたすら連れてきて、どんどん膨れ上がっていく。お腹の奥のキュンキュンとした切なさが、次第に熱さと疼きを伴っていく。 ──もっと、刺激が欲しい。  そんな感情に支配され、アンリは無意識のうちに脚を擦り合わせていることに気づく。その間もずっと左右の乳首を衣服越しに擦り続ける。 「あっ、ふうん! んあっ!」  アンリは必死に声を抑えようとしていたが、もはやそれも限界だった。 (どうしよう……もう……)  アンリはトイレのドアの前で、腰を落として座り込んでいた。それでも胸元から手が離せない。ビンビンに勃ち上がりコスチュームから浮き上がるその頂きを、二本の指で摘んでクリクリと転がす。その度に電気ショックのような痺れが走り、思わず仰け反ってしまう。 (あぁ、私、こんなところで……)  男達の言葉を思い出す。 『クソザコ乳首のOLちゃんは、これからどうするのかな〜? 』  あの時はまだ言葉の意味が分からなかったが、今ならよく分かる。電車のトイレで、露出狂のようなチアリーディングの衣装に身を包んで、自らの意思で乳首オナニーに興じてしまっているのだ。どこまで男達の予想の範疇かは分からないが、自分はこの屈辱的な状況を甘んじて受け入れようとしている。 「んっ、んっ、んっ、んっ」  コリッコリになった乳首を弄ぶ手を止めることが出来ない。指先を小刻みに動かして、乳頭を上下左右に弾くように動かす。その度にビリっ、ビリッと電流が駆け抜けて、背筋が勝手にしなってしまう。  ユニフォームを押し上げて、その存在を主張する乳首は、あまりに淫猥で卑猥で、もっと触ってと訴えてるように思えてしまう。アンリは認めてしまっていた。 「わたしは……わたしの乳首はクソザコですぅ……だから、このままクソザコ乳首をカリカリシコシコいっぱいして……」  男達に散々刷り込まれた単語を口走ってしまう。自分で自分に言い聞かせるように。 「イく! イくんでしゅぅ!! ちくびで、クソザコちくびきもちよすぎてぇ、イっちゃうんですぅ!!」  ビクンッ、ビクビクッと身体を震わせ、アンリは絶頂を迎える。今の今まで執拗に弄っていた両の乳首は、コスチュームの下で痛々しいほどに充血してビンビンに張り詰めているのがわかってしまう。絶頂の余韻に浸りながらも、アンリは中毒のようにその先端に指を近づけてしまう。そんなアンリの耳に、ガラガラという音がゆっくりと、しかしはっきりと聞こえてきた。 「ざんねん〜〜ん。クソザコ乳首ちゃん、やっぱり耐えられなかったねぇ〜」 「はぁ……はぁ……あなた……たち……? なんで……カギ……」  トイレの扉が開かれ、そこにはニヤついた表情の二人の男が立っていた。 「あーあ、このまま逃げれば良かったのにねぇ。オナニーなんて始めちゃって。いくら少し媚薬プレゼントしてあげたとはいえさぁ」 「ホントにさぁー、このクソザコ乳首OLめ。チョロ過ぎだろ」 「こんな公共の場でピッタピタのドスケベ衣装着ちゃって、一人で愉しんで、ほんっと変態だよなぁ」 「じゃあこのまま乳首奴隷にしてあげるね。何人目か忘れたけどOLちゃんが一番巨乳だし特別にいーっぱい可愛がってあげるよ」  男達の言葉はとぎれとぎれにしかアンリの思考に届かない。頭の中で断片的に”クソザコ乳首””乳首奴隷””可愛がる”という文字が踊る。何故かお腹の奥が疼く。乳首が疼く。もう何も考えられない。  男達の目の前だというのに、アンリは無意識のうちに自らの乳首を慰めていた。そこから走る快感が勝手に唇を開かせ、言葉を紡がせていく。 「お願いしましゅ……アンリを……乳首奴隷にしてくらしゃぃ……クソザコ乳首を……いっぱい、可愛がってくだひゃいっ……」  アンリはもう自分が何を言っているのかもわからないまま、そう懇願していた。もう戻れないところまで来てしまった。アンリの身体は、乳首は……  ──とっくに男達の手に堕ちていた。

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